JP2009060165A - 電子機器における水抜き構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】たとえ水が収納ケース内に浸入したとしても電子部品に影響を及ぼすことなく確実に排水することができる上、収納ケース上部に操作ボタンを設置したとしても耐水性が損なわれることのない電子機器における水抜き構造を提供する。
【解決手段】前ケース1の前面で且つボタン孔3よりも下方となる位置に、排水孔6、6・・を開設するとともに、前ケース1後面に、ボタン孔3の左右から排水孔6、6・・側へ延びる一対のガイドリブを突設し、ボタン孔3と操作ボタン4との隙間から浸入した水を、ガイドリブ間を介して排出孔6、6・・へ導くようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、インターホン機器等の操作ボタンを有する電子機器における水抜き構造に関するものである。
従来、インターホン機器等の主に屋外に設置される電子機器には、収納ケース内への雨水等の浸入問題に対して種々の工夫が施されており、たとえば特許文献1に開示されているように、収納ケースのケース接合部にラビリンス部を設け、収納ケース内への水の浸入を困難としたものがある。しかしながら、たとえばボタン孔と操作ボタンとの間の隙間等、ケース接合部以外にも水の浸入経路は存在し、それら全てにラビリンス部を設けることは不可能である。そのため、一般的な電子機器の収納ケースには、浸入した水をケース外へ排出するための排水孔が形成されている。そして、その排水孔は、一般的に収納ケースの底面に形成されている(たとえば、特許文献2に開示)。
実開平5−69979号公報 実開平5−69980号公報
収納ケースの底面に排水孔を設けると、浸入した水は排出されるまでに収納ケース内を縦断することになり、収納ケース内部に設置されているメイン基板等の電子部品に影響を与える危険がある。しかしながら、浸入した水を排水孔まで導く排水経路を収納ケース内に設ける等といった技術思想は従来全く見受けられず、水の浸入経路となりやすい操作ボタンをメイン基板よりも下方、すなわち収納ケースの下部に設ける等して対応していた。したがって、従来の電子機器では、水の浸入に弱い、電子機器のデザインが限定されがちとなる等といった問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、たとえ水が収納ケース内に浸入したとしても電子部品に影響を及ぼすことなく確実に排水することができる上、収納ケース上部に操作ボタンを設置したとしても耐水性が損なわれることのない電子機器における水抜き構造を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、収納ケース内部に電子部品が設置されているとともに、電子部品の動作を制御するための操作ボタンが、収納ケース前面に開設されたボタン孔を介して収納ケース外部へ突出するように備えられてなる電子機器における水抜き構造であって、収納ケースの前面で且つボタン孔よりも下方となる位置に、排水孔を開設するとともに、収納ケース前面の内面に、ボタン孔の左右から排水孔側へ延びる一対のガイドリブを突設し、ボタン孔と操作ボタンとの隙間から浸入した水を、ガイドリブ間を介して排水孔へ導くことを特徴とする。
この構成によれば、一対のガイドリブにより、水がボタン孔と操作ボタンとの隙間から収納ケース内に浸入したとしても、その水のガイドリブを越えた左右方向への浸入が防止され、さらに浸入した水が排水孔側へ導かれる。したがって、浸入した水の収納ケース内部空間での拡散を防止することができ、各種基板等の電子部品に影響を及ぼすといった事態を効果的に防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、排水孔と連通された通水孔が形成されてなる防水壁を、ガイドリブの下部間にわたって架設し、ガイドリブ間を流下してきた水を、通水孔を介して排水孔から排出させ、ガイドリブよりも下方空間への水の浸入を防止可能としたことを特徴とする。
この構成によれば、防水壁により、ガイドリブに沿う等して流下してきた水の更なる流下、すなわちスピーカ等が設置されている収納ケース下方空間への水の浸入を確実に防止して、その水を排水孔から排出させることができる。したがって、収納ケース内に浸入した水が電子部品に影響を及ぼすといった事態を確実に防止することができる。また、このように所定位置よりも下方への水の浸入を確実に防止可能とすることで、収納ケースの上部に配置すること等が可能となり、デザインの自由度を向上することができるし、スペースの有効利用による装置の小型化等をも図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、ガイドリブ同士に挟まれた空間を後方から覆うカバー部材を取り付け、水のガイドリブを越えた収納ケース後方への浸入を防止可能としたことを特徴とする。
この構成によれば、カバー部材により、収納ケース内の電子部品設置空間等への水の浸入をさらに確実に防止することができるし、特にボタン孔と操作ボタンとの隙間から多量の水が浸入したような場合に優れた防水効果を発揮することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、収納ケース内部にスピーカが設けられており、収納ケース前面に報音のための複数のスピーカ孔が所定の配列で開設されてなる電子機器にあっては、排水孔を、スピーカ孔と同形状に開設し、スピーカ孔の配列と略同様の配列でスピーカ孔の近傍に設けたことを特徴とする。
この構成によれば、収納ケースのデザインを、スピーカ孔と排水孔との区別がつきにくい統一感のあるデザインとすることができる。
本発明によれば、一対のガイドリブにより、水がボタン孔と操作ボタンとの隙間から収納ケース内に浸入したとしても、その水のガイドリブを越えた左右方向への浸入が防止され、さらに浸入した水が排水孔側へ導かれる。したがって、浸入した水の収納ケース内部空間での拡散を防止することができ、各種基板等の電子部品に影響を及ぼすといった事態を効果的に防止することができる。
以下、本発明の一実施形態となる電子機器における水抜き構造について、図面をもとに説明する。尚、本実施形態では、電子機器をその一例であるインターホン機器とし、該インターホン機器における水抜き構造について説明する。
図1は、インターホン機器の前ケース1を正面から示した説明図であり、図2は、図1におけるA−A線断面説明図である。また、図3は、前ケース1を後方から示した斜視説明図であり、図4は、カバー部材2を取り外した状態の前ケース1を後方から示した斜視説明図である。
インターホン機器は、壁面等に固着される取付枠(図示せず)に取り付けられる後ケース(図示せず)と、該後ケースに組み付けられる前ケース1とからなる収納ケースの内部空間に、メイン基板やスイッチ基板、スピーカ等の各種電子部品を設置してなるものである。前ケース1の前面略中央部には、ボタン孔3が開設されており、たとえば呼出ボタン等の操作ボタン4がボタン孔3を介して露出するように取り付けられ、操作者により収納ケース内方へ押し込み操作可能となっている。また、前ケース1の前面下部には、スピーカから音を報音させるための複数のスピーカ孔5、5・・が格子状に開設されている。尚、操作ボタン4の後方位置には、操作ボタン4の押し込み操作によりON/OFF操作されるスイッチ回路が形成されたスイッチ基板が設置され、スピーカ孔5、5・・の後方位置には、スピーカが設置されることになる。
さらに、前ケース1の前面におけるボタン孔3よりも下方で且つスピーカ孔5、5・・よりも上方となる位置には、ボタン孔3と操作ボタン4との隙間から収納ケース内へ浸入した水を収納ケース外へ排出するための排水孔6、6・・が開設されている。各排水孔6は、各スピーカ孔5と略同形状に形成され、さらにスピーカ孔5、5・・の配列の延長線上に同様の配列で設けられており、前ケース1を正面から視認した際、スピーカ孔5、5・・と排水孔6、6・・との区別がつきにくいデザインとなっている。
一方、前ケース1の後面には、ボタン孔2の左右位置から排水孔6、6・・へ向かって延びる一対のガイドリブ7、7が対向するように突設されている。各ガイドリブ7は、操作ボタン4を取り付けた際に各ガイドリブ7の対向面と操作ボタン4の側面とが当接するように、操作ボタン4の側面に沿って下方へ延設された後、操作ボタン4よりも下方へ突出するように設けられている。そして、ボタン孔3と操作ボタン4との隙間から浸入した水のガイドリブ7、7を越えた位置への浸入を防止するとともに、その水をボタン孔3よりも下方へ導くようになっている。尚、各ガイドリブ7の上端部には、操作ボタン4の軸部4aを軸支する軸支部7aが設けられている。
また、ガイドリブ7、7の下端部には、該下端部同士を連結するように防水壁8が設けられている。防水壁8は、左右方向へ長い帯状体であって、前ケース2の後面との当接側には、複数の通水孔9、9・・が切り欠き状に設けられている。さらに、各通水孔9の下方位置には、通水孔9と排水孔6とを連通させるカバー状の導水部材10が取り付けられている。
加えて、操作ボタン4の後方となる位置には、ガイドリブ7、7及び防水壁8により囲まれた空間を閉塞するようにカバー部材2が取り付けられている。したがって、当該カバー部材2により、水が浸入可能な空間(すなわち、ガイドリブ7、7及び防水壁8により囲まれた空間)と収納ケース内の他の空間とが隔離される。尚、カバー部材2の略中央部には挿通孔11が開設されており、押し込み操作に応じた操作ボタン4の前後方向への移動を可能としている。
以上のように構成された水抜き構造における水の排出について、以下説明する。
上述の如きインターホン機器を屋外等に設置すると、雨天時における操作ボタン4の操作等により、ボタン孔3と操作ボタン4との隙間から収納ケース内へ水滴等が浸入する。収納ケース内へ浸入した水滴は、ガイドリブ7、7によりそれ以上の左右方向への浸入が防止され、ガイドリブ7、7又は前ケース1の後面をつたって下方へ導かれる。そして、防水壁8まで到達すると、それより下方にあるスピーカ設置空間への流下が防止され、通水孔9、9・・を介して排水孔6、6・・から収納ケース外へ排出される。また、たとえば収納ケース内へ水が多量に浸入し、ガイドリブ7、7や防水壁8を越えて収納ケース内に広がろうとしたとしても、カバー部材2によりガイドリブ7、7等を越えた水の後方への移動は阻止され、スイッチ基板設置空間やスピーカ設置空間への水の浸入は防止される。そして、最終的には、上記同様、通水孔9、9・・を介して排水孔6、6・・から排出される。
以上のような構成を有するインターホン機器における水抜き構造によれば、前ケース1前面のボタン孔3開設位置よりも下方位置に排水孔6、6・・を開設するとともに、前ケース1後面に、ボタン孔3の左右から排水孔6、6・・へ向かう一対のガイドリブ7、7を上下方向に延設している。そして、当該ガイドリブ7、7により、ボタン孔3と操作ボタン4との隙間から水が収納ケース内に浸入したとしても、水のガイドリブ7、7を越えた左右方向への浸入を防止し、さらに浸入した水を排水孔6、6側へ導くようになっている。したがって、浸入した水の収納ケース内部空間での拡散を防止することができ、各種基板等の電子部品に影響を及ぼすといった事態を効果的に防止することができる。
また、操作ボタン4を取り付けた際、ガイドリブ7、7の対向面と操作ボタン4の左右両側面とが当接するようにガイドリブ7、7を形成しているため、水が浸入する隙間を最小限とすることができ、水が浸入しにくい構成とすることができる。
さらに、ガイドリブ7、7の上端部に、操作ボタン4を軸支するための軸支部7aを設けているため、前ケース1の構成の簡素化及び合理化を図ることができる。
また、ガイドリブ7、7の下端部に、排水孔6、6・・と連通する通水孔9、9・・を有する防水壁8を架設している。そのため、該防水壁8により、ガイドリブ7、7に沿う等して流下してきた水の更なる流下、すなわちスピーカ等が設置されている収納ケース下方空間への水の浸入を確実に防止し、その水を排水孔6、6・・から排出させることができる。したがって、収納ケース内に浸入した水が電子部品に影響を及ぼすといった事態を確実に防止することができる。また、このように所定位置よりも下方への水の浸入を確実に防止可能とすることで、操作ボタン4をスピーカの上部に配置すること等が可能となり、デザインの自由度を向上することができるし、スペースの有効利用による装置の小型化等をも図ることができる。
さらに、ガイドリブ7、7及び防水壁8により囲まれる空間を覆い、水のガイドリブ7等を越えた後方への移動を防止するカバー部材2を取り付けている。したがって、収納ケース内の電子部品設置空間等への水の浸入をさらに確実に防止することができるし、特にボタン孔3と操作ボタン4との隙間から多量の水が浸入したような場合に優れた防水効果を発揮することができる。
加えて、前ケース1に排水孔6,6・・を開設するにあたり、排水孔6、6・・を、スピーカ孔5、5・・と同形状、且つ、同様の配列でスピーカ孔5、5・・の配列の延長線上に形成している。したがって、前ケース1のデザインを、スピーカ孔5、5・・と排水孔6、6・・との区別がつきにくい統一感のあるデザインとすることができる。
なお、本発明に係る電子機器における水抜き構造は、上記実施形態に記載の態様に何ら限定されるものではなく、電子機器の種類、排水孔の大きさや位置、ボタン孔の位置、カバー部材の有無等に係る構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、スピーカの有無に拘わらず、排水孔6の大きさや形状を適宜変更してもよいことは言うまでもないし、排水孔6の開設位置についてもボタン孔3よりも下方であれば、適宜変更可能である。
また、ボタン孔3が左右方向へ複数設けられているような場合には、各ボタン孔3毎に一対のガイドリブ7、7を一組ずつ形成するようにしてもよいし、最も左右に位置するボタン孔3の左右外側にガイドリブ7を夫々設ける(すなわち、複数のボタン孔3、3・・に対して一対のガイドリブ7、7一組で対応する)ようにしてもよい。さらに、ボタン孔3が上下方向へ複数並設されている場合も、各ボタン孔3毎に一対のガイドリブ7、7を設ける構成としてもよいし、一組のガイドリブ7、7で複数のボタン孔3、3・・に対応させるような構成としてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、水の流下を防止する構成として、通水孔9、9・・を有する防水壁8を排水孔6よりも上方位置に設ける構成を採用しているが、排水孔6の下縁に沿って壁部(通水孔等は開設されていない)を立設し、当該壁部により排水孔6よりも下方への水の流下を阻止するような構成とすることも可能である。
加えて、上記実施形態では、インターホン機器における水抜き構造について説明しているが、上記水抜き構造を、たとえば電子錠を施錠/解錠するためのアクセスコントロール等といった操作ボタン4を備えた他の電子機器に適用可能であることは言うまでもない。
インターホン機器の前ケースを正面から示した説明図である。 図1におけるA−A線断面説明図である。 前ケースを後方から示した斜視説明図である。 カバー部材を取り外した状態の前ケースを後方から示した斜視説明図である。
符号の説明
1・・前ケース、2・・カバー部材、3・・ボタン孔、4・・操作ボタン、4a・・軸部、5・・スピーカ孔、6・・排水孔、7・・ガイドリブ、7a・・軸支部、8・・防水壁、9・・通水孔。

Claims (4)

  1. 収納ケース内部に電子部品が設置されているとともに、前記電子部品の動作を制御するための操作ボタンが、前記収納ケース前面に開設されたボタン孔を介して前記収納ケース外部へ突出するように備えられてなる電子機器における水抜き構造であって、
    前記収納ケースの前面で且つ前記ボタン孔よりも下方となる位置に、排水孔を開設するとともに、
    前記収納ケース前面の内面に、前記ボタン孔の左右から前記排水孔側へ延びる一対のガイドリブを突設し、前記ボタン孔と前記操作ボタンとの隙間から浸入した水を、前記ガイドリブ間を介して前記排水孔へ導くことを特徴とする電子機器における水抜き構造。
  2. 前記排水孔と連通された通水孔が形成されてなる防水壁を、前記ガイドリブの下部間にわたって架設し、前記ガイドリブ間を流下してきた水を、前記通水孔を介して前記排水孔から排出させ、前記ガイドリブよりも下方空間への水の浸入を防止可能としたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器における水抜き構造。
  3. 前記ガイドリブ同士に挟まれた空間を後方から覆うカバー部材を取り付け、水の前記ガイドリブを越えた前記収納ケース後方への浸入を防止可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器における水抜き構造。
  4. 前記収納ケース内部にスピーカが設けられており、前記収納ケース前面に報音のための複数のスピーカ孔が所定の配列で開設されてなる電子機器にあっては、
    前記排水孔を、前記スピーカ孔と同形状に開設し、前記スピーカ孔の配列と略同様の配列で前記スピーカ孔の近傍に設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子機器における水抜き構造。
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