JP2009059439A - 磁気ディスク装置、及び磁気記録媒体用基板 - Google Patents

磁気ディスク装置、及び磁気記録媒体用基板 Download PDF

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智信 徳永
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Abstract

【課題】磁気記録媒体に生じる歪みを低減して磁気記録媒体を固定することが可能な磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体30の貫通孔の周縁部には、凹部31が形成されている。クランプ20をハブ24の上端に設置し、ねじ23によってハブ24にねじ止めすることで、クランプ20に設けられた押圧部21が磁気記録媒体30に当接する。押圧部21には突起部22が設けられており、そのねじ止めによって突起部22は凹部31に嵌合される。これにより、磁気記録媒体30が押圧されて、スピンドルモータ12の回転軸に対して固定され、また、スピンドルモータ12の回転によるトルクが磁気記録媒体30に伝達される。
【選択図】図3

Description

この発明は、樹脂製基板を磁気記録媒体として備える磁気ディスク装置、及び、その磁気記録媒体に用いられる樹脂製の磁気記録媒体用基板に関する。
コンピュータなどに用いられる磁気ディスク装置には、アルミニウム基板やガラス基板が磁気記録媒体用基板として用いられている。磁気記録媒体用基板は、円板状の形状を有し、基板の中心に、基板の厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。この基板上に金属磁気薄膜が形成され、金属磁気薄膜を磁気ヘッドで磁化することによりデータが記録される(例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3)。
また、磁気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体用基板として、プラスチック基板などの樹脂製基板を採用する試みがなされている。この場合、樹脂製基板上に磁性層を形成することで磁気記録媒体を作製する(例えば特許文献4及び特許文献5)。
磁気ディスク装置は、1枚又は複数枚のディスク状の磁気記録媒体を同軸上に配置し、それをスピンドルモータによって回転駆動する構造を有している。データの読み出し、書き出しは、磁気記録媒体に対向して設けられた磁気ヘッドにより行われる。
円板状の磁気記録媒体は、クランプと称される固定部材よって、スピンドルモータの回転軸に対して固定されている。磁気記録媒体の貫通孔に、スピンドルモータのハブを嵌合させる。そして、磁気記録媒体の一方の面(下面)から貫通孔の周縁部に当接するクランプ台と、他方の面(上面)から貫通孔の周縁部に当接するクランプとによって、貫通孔の周縁部を挟持することで、両面から力を加えて磁気記録媒体を保持する。
スピンドルモータの回転軸に取り付けられた磁気記録媒体は、スピンドルモータの回転によって回転駆動させられる。そして、磁気記録媒体の表面の磁性膜に対して、磁気ヘッドによって、データなどの磁気記録がトラック上に行われる。また、磁気ヘッドによって、磁性膜のトラック上に記録されたデータなどが再生される。
また、複数の磁気記録媒体を磁気ディスク装置に設置する場合は、スピンドルモータのハブに複数の磁気記録媒体を嵌合させ、さらに、スピンドルモータのハブに嵌合されるスペーサを磁気記録媒体の間に介在させて、磁気記録媒体をハブの軸方向に積層する。この場合、クランプ、スペーサ、及びクランプ台によって複数枚の磁気記録媒体を挟持することで保持する。
特開2003−54965号公報 特開2003−55001号公報 特開2000−163740号公報 特開平10−320762号公報 特開2001−300970号公報
スピンドルモータの回転軸に磁気記録媒体を固定し、さらに、スピンドルモータの回転駆動によるトルクを磁気記録媒体に十分に伝達するために、磁気記録媒体はクランプによって強く締め付けられる。このように強く締め付けられると、クランプにより固定された磁気記録媒体に歪みが生じるおそれがある。磁気記録媒体の記録密度が上がり、磁気ヘッドの浮上高さが低くなってきたため、クランプによって発生する歪みが無視できなくなってきた。
この発明は上記の問題を解決するものであり、磁気記録媒体に生じる歪みを低減して磁気記録媒体を固定することが可能な磁気ディスク装置、及びその磁気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体用基板を提供することを目的とする。
この発明の第1の形態は、円板状の形状を有する基板と、前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、前記基板の表面に成膜された磁性膜と、を有する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を回転駆動する駆動手段と、前記磁気記録媒体の一方の面から前記貫通孔の周縁部に当接して前記磁気記録媒体を押圧するクランプと、前記磁気記録媒体の他方の面から前記貫通孔の周縁部に当接するクランプ台と、前記磁気記録媒体の記録又は再生を行う磁気ヘッドと、を有し、前記クランプと前記クランプ台とによって前記磁気記録媒体を挟持することで、前記磁気記録媒体を前記駆動手段の回転軸に対して固定する磁気ディスク装置であって、前記磁気記録媒体は、前記クランプが当接する面において、前記貫通孔の周縁部に第1嵌合部を有し、前記クランプは、前記磁気記録媒体に当接する押圧部と、前記押圧部に設けられて前記第1嵌合部と嵌合する第2嵌合部とを有し、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部を嵌合させて、前記押圧部を前記磁気記録媒体に当接することで、前記一方の面から前記磁気記録媒体を押圧することを特徴とする磁気ディスク装置である。
また、この発明の第2の形態は、第1の形態に係る磁気ディスク装置であって、前記押圧部は、前記磁気記録媒体に向けて突出して前記クランプに設けられ、前記第2嵌合部は、前記押圧部において前記磁気記録媒体と当接する面に設けられていることを特徴とする。
また、この発明の第3の形態は、第1の形態又は第2の形態のいずれかに係る磁気ディスク装置であって、前記押圧部は、前記磁気記録媒体と対向する面に平坦な押圧面を有し、前記第2嵌合部は前記押圧面に設けられ、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部を嵌合させて、前記押圧部の押圧面を前記磁気記録媒体に当接することで、前記一方の面から前記磁気記録媒体を押圧することを特徴とする。
また、この発明の第4の形態は、第1の形態から第3の形態のいずれかに係る磁気ディスク装置であって、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部は、いずれか一方が凹部で、他方が突起部であり、前記突起部は前記凹部よりも小さいことを特徴とする。
また、この発明の第5の形態は、第1の形態から第4の形態のいずれかに係る磁気ディスク装置であって、前記磁気記録媒体は、前記第1嵌合部を3つ以上有していることを特徴とする。
また、この発明の第6の形態は、第5の形態に係る磁気ディスク装置であって、前記3つ以上の第1嵌合部は、前記磁気記録媒体において、前記基板の円周方向に等間隔の距離をおいて形成されていることを特徴とする。
また、この発明の第7の形態は、第1の形態から第6の形態のいずれかに係る磁気ディスク装置であって、前記磁気記録媒体を複数の個別媒体を積層して有し、各個別媒体の間に設けられ、前記各個別媒体の貫通孔の周縁部に当接するスペーサを更に有し、前記各個別媒体は、前記クランプが当接する面と前記スペーサが当接する面において、前記貫通孔の周縁部に第1嵌合部を有し、前記スペーサは前記スペーサが当接する面の第1嵌合部に嵌合する第3嵌合部を有し、その第3嵌合部を前記スペーサが当接する面の第1嵌合部に嵌合させることを特徴とする。
また、この発明の第8の形態は、円板状の形状を有する基板と、前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔の周縁部に形成された凹部又は突起部からなる第1嵌合部と、を有し、前記貫通孔の周縁部に当接して前記基板を押圧する押圧部と、前記押圧部に設けられ、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部とを有するクランプを前記基板の一方の面に設置し、前記第2嵌合部を前記第1嵌合部に嵌合させて、前記押圧部を前記貫通孔の周縁部に当接することで、前記基板の一方の面から押圧されて磁気ディスク装置に設置されることを特徴とする磁気記録媒体用基板である。
また、この発明の第9の形態は、第8の形態に係る磁気記録媒体用基板であって、前記第1嵌合部を3つ以上有していることを特徴とする。
また、この発明の第10の形態は、第9の形態に係る磁気記録媒体用基板であって、前記3つ以上の第1嵌合部は、前記基板の円周方向に等間隔の距離をおいて形成されていることを特徴とする。
この発明によると、磁気記録媒体の表面に第1嵌合部を形成し、クランプの押圧部に設けられた第2嵌合部をその第1嵌合部に嵌合させることで、押圧部によって磁気記録媒体を押圧する。その押圧によって磁気記録媒体を駆動手段の回転軸に対して固定し、また、駆動手段の回転によるトルクを磁気記録媒体に伝達することが可能となる。さらに、第1嵌合部と第2嵌合部が嵌合することにより、スピンドルモータの回転によるトルクを磁気記録媒体に伝達することが可能となる。以上の構成により、比較的弱い力でも磁気記録媒体をスピンドルモータの回転軸に対して固定し、さらに、スピンドルモータの回転によるトルクを磁気記録媒体に伝達することが可能となるため、磁気記録媒体の固定時において発生する歪みを低減することが可能となる。
この発明の実施形態に係る磁気ディスク装置、及び磁気記録媒体用基板について、図1から図4を参照して説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示す斜視図である。磁気ディスク装置10は、筐体11の平面部に、スピンドルモータ(図示しない)が設置されている。磁気記録媒体30は、クランプ20によって押圧されて、スピンドルモータの回転軸に対して固定され、スピンドルモータによって回転駆動させられる。
さらに、筐体11には、アーム13が垂直軸13aの周りに揺動可能に取り付けられている。このアーム13の一端には、板ばねからなるサスペンション13bを介して、ヘッドスライダ14が取り付けられている。また、アーム13の他端には、ボイスコイル15aが備えられ、ボイスコイル15aを挟持するように、筐体11上には、マグネット(図示しない)が取り付けられている。これにより、ボイスコイル15aとマグネットとによって、ボイスコイルモータ15が構成されている。
ボイスコイル15aに外部から電流が供給されると、アーム13は、マグネットの磁場と、ボイスコイル15aに流れる電流とによって生じる力に基づいて、垂直軸13aの周りに回動する。これにより、アーム13の一端に取り付けられたヘッドスライダ14は、磁気記録媒体30の半径方向(矢印Xの方向)に移動させられる。ヘッドスライダ14に設置された磁気ヘッド(図示しない)は、磁気記録媒体30に対してシーク動作を行う。
さらに、ヘッドスライダ14は、磁気記録媒体30の回転に伴って浮揚力を受け、その浮揚力とサスペンション13bによる押圧力とのバランスによって、磁気記録媒体30の表面から一定の浮上量で走行することになる。これにより、磁気記録媒体30の所定のトラックに対して、データの記録・再生が行われる。
ここで、磁気記録媒体30に用いられる磁気記録媒体用基板について図2を参照して説明する。図2は、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の斜視図である。
磁気記録媒体用基板1は円板状の形状を有し、基板の中央に、基板の厚さ方向に貫通する貫通孔2が形成されている。磁気記録媒体用基板1は樹脂で構成されている。この磁気記録媒体用基板1の表面に磁性膜を成膜することで、磁気ディスク装置10に用いられる磁気記録媒体30が作製される。
さらに、磁気記録媒体用基板1の一方の面には、貫通孔2の周縁部に凹部3、4、5が形成されている。貫通孔2の周縁部は、貫通孔2から所定距離外側までの領域であり、磁気記録媒体において情報の記録に用いられない領域である。凹部3、4、5は、それぞれ貫通孔2の中心から等しい距離に形成されており、円周方向に等間隔に形成されている。例えば、凹部3、4、5は、等間隔に120度の間隔をおいて形成されている。この実施形態では、凹部3、4、5を等間隔に120度の間隔をおいて形成したが、等間隔に形成しなくても良い。また、この実施形態では、3つの凹部を磁気記録媒体用基板1に形成したが、3つ以上の凹部を形成しても良い。この場合も、複数の凹部を等間隔に形成しても良いし、等間隔に形成しなくても良い。
磁気記録媒体用基板1の表面に、スパッタリングなどの成膜方法によってCo系合金などの磁性膜を成膜して磁気記録媒体30を作製する。磁性膜は、磁気記録媒体用基板1の片面のみに成膜しても良いし、両面に成膜しても良い。これにより、貫通孔の周縁部に、上述した凹部3、4、5に相当する3つの凹部が形成された磁気記録媒体30が作製される。この凹部に、クランプに設けられた突起部が嵌合することで、磁気記録媒体30がスピンドルモータの回転軸に固定される。
次に、磁気記録媒体30とクランプ20の構成について図3を参照して説明する。図3は、この発明の実施形態に係る磁気ディスク装置の一部断面図であり、図1のIII−III断面図である。
スピンドルモータ12に接続されたハブ24は円柱状の形状を有し、磁気記録媒体30の貫通孔に嵌合されている。また、ハブ24の上端には、板ばねからなるクランプ20がねじ23によってねじ止めされている。クランプ20は、磁気記録媒体30の一方の面において、貫通孔の周縁部に当接している。また、ハブ24の下端部に形成されたクランプ台25は、磁気記録媒体30の他方の面において、貫通孔の周縁部に当接している。
以上のように、クランプ20とクランプ台25とによって磁気記録媒体30を上下方向から挟持することで、磁気記録媒体30を保持する。
クランプ20は、例えば円板状の形状を有し、中心にねじ23を貫通させるための貫通孔が形成されている。そして、クランプ20の外周端部には、磁気記録媒体30と対向する面に、円周方向に沿ってスピンドルモータ12の回転軸方向に突出した押圧部21が設けられている。さらに、押圧部21には、磁気記録媒体30と対向する面に、120度の間隔をおいて3つの突起部が、回転軸方向に突出して設けられている。なお、図3には、突起部22のみが図示されているが、押圧部21上に等間隔に120度の間隔をおいて3つの突起部が設けられている。
磁気記録媒体30の一方の面(クランプ20と対向する面)には、凹部31が形成されている。この凹部31は、図2に示す磁気記録媒体用基板1の凹部3、4、5のいずれかに相当する。また、図示しないが、磁気記録媒体30の一方の面には、凹部31の他、2つの凹部が形成されている。従って、上述したように、3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて貫通孔の周縁部に形成されている。なお、磁気記録媒体用基板1に3つ以上の凹部を形成した場合、磁気記録媒体30は、3つ以上の凹部を有することになる。
クランプ20をハブ24の上端に設置し、ねじ23によってハブ24にねじ止めすることで、押圧部21に設けられた突起部22が、磁気記録媒体30の凹部31に嵌合される。突起部22を、磁気記録媒体30の凹部31に対応する位置に設けることで、凹部31に嵌合させる。そして、押圧部21の突起部22が設けられた面のうち平坦な部分(押圧面)が、磁気記録媒体30の表面に当接する。例えば、押圧部21の押圧面は、凹部31の周辺の表面に当接する。押圧部21に設けられた3つの突起部は、磁気記録媒体30の3つの凹部にそれぞれ嵌合される。すなわち、磁気記録媒体30には3つの凹部が120度の間隔をおいて形成され、押圧部21には3つの突起部が120度の間隔をおいて設けられているため、クランプ20をねじ止めすることで、3つの突起部がそれぞれ対応する凹部に嵌合されることになる。
磁気記録媒体30には3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて形成され、クランプ20には、それら3つの凹部の間隔に合わせて、3つの突起部が等間隔に120度の間隔において設けられている。このように、磁気記録媒体30(磁気記録媒体用基板1)に形成された凹部の数と間隔に合わせて、突起部をクランプ20に形成し、突起部を磁気記録媒体30の凹部にそれぞれ嵌合させる。また、磁気記録媒体30に3つ以上の凹部を形成した場合、それら3つ以上の凹部の数と間隔に合わせて、3つ以上の突起部をクランプ20に形成し、それら突起部を磁気記録媒体30の凹部に嵌合させる。
クランプ20は板ばねで構成されているため、ねじ23によってクランプ20をハブ24に固定することで、クランプ20は撓り、磁気記録媒体30はクランプ20によって押圧される。
クランプ20に設けられた押圧部21の平坦な面(押圧面)が磁気記録媒体30の表面に接することで、磁気記録媒体30を押圧する。例えば、押圧部21の押圧面が凹部31の周辺の表面に当接することで、磁気記録媒体30を押圧する。この押圧によって、磁気記録媒体30をスピンドルモータ12の回転軸に対して固定し、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体30に伝達する。さらに、押圧部21に設けられた突起部が磁気記録媒体30の凹部に嵌合することで、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体30に伝達する。この実施形態では、クランプ20は、押圧部21の押圧面と突起部のみが磁気記録媒体30に接触して磁気記録媒体30を押圧し、これによって、磁気記録媒体30を回転軸に対して固定し、トルクを磁気記録媒体30に伝達する。
ここで、クランプ20の外周端部に設けられた押圧部、突起部と、磁気記録媒体30に形成された凹部について図4を参照して説明する。図4は、この発明の実施形態に係るクランプと磁気記録媒体を示す一部断面図である。
図4に示すように、クランプ20の外周端部に設けられた押圧部21は、磁気記録媒体30と対向する面に平坦な面を有し、さらに、その面に突起部22を有している。突起部22は、例えば半球状の形状を有している。突起部22は、押圧部21から離れる方向に向かって徐々に幅が狭くなっている。図4に示す例では、突起部22の側面は曲線を有し、先端に向かって徐々に幅が狭くなっている。これは1例であり、突起部22の側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体30に形成された凹部31は円形状の形状を有し、磁気記録媒体30の表面における径が最大となり、深くなるほど、凹部31の径は徐々に小さくなっている。図4に示す例では、凹部31の側面は曲線を有している。これは1例であり、凹部31の側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体30の表面における凹部31の径は、突起部22の最大径よりも大きくなっている。さらに、凹部31の深さは、突起部22の高さ以上となっている。つまり、凹部31の深さは、突起部22の高さと等しいか、又は、突起部22の高さよりも深くなっている。このように、突起部22の大きさは凹部31の大きさよりも小さくなっている。そのため、突起部22が凹部31に嵌合されると、突起部22と凹部31との間に若干の隙間が生じる。
突起部22の大きさは凹部31の大きさよりも小さくなっているため、突起部22を凹部31に嵌合すると、押圧部21の平坦な面(以下、「押圧面21a」と称する場合がある)が、磁気記録媒体30の表面に当接する。
また、突起部22以外の2つの突起部も、突起部22と同じ形状を有し、凹部31以外の2つの凹部も、凹部31と同じ形状を有している。そして、各突起部が各凹部に嵌合され、押圧部21の押圧面21aが磁気記録媒体30の表面に当接する。このように、押圧部21の押圧面21aが、磁気記録媒体30の表面に当接することで、クランプ20による押圧力が磁気記録媒体30に伝わり、磁気記録媒体30がスピンドルモータ12の回転軸に対して固定される。すなわち、磁気記録媒体30の固定は、押圧部21の当接によって行われる。さらに、押圧部21が磁気記録媒体30の表面に当接することで、スピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体30に伝達される。
さらに、突起部22が凹部31に嵌合することでも、スピンドルモータ12の回転によるトルクが磁気記録媒体30に伝達される。すなわち、スピンドルモータ12の回転に伴って、突起部22が凹部31に引っ掛かり、その引っ掛かりによってスピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体30に伝達される。このように、スピンドルモータ12の回転によるトルクは、押圧部21の磁気記録媒体30への当接と、突起部22の凹部31への嵌合とによって磁気記録媒体30に伝達される。
以上のように、磁気記録媒体30に形成された凹部にクランプの突起部を嵌合させ、押圧部によって磁気記録媒体30を押圧することで、比較的弱い力でも磁気記録媒体30をスピンドルモータ12の回転軸に対して固定し、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体30に伝達することが可能となる。その結果、磁気記録媒体30の固定時において発生する歪みを低減することが可能となる。
また、複数の凹部を等間隔に磁気記録媒体30に形成して、各凹部に突起部を嵌合することで、バランス良く、磁気記録媒体30を押圧し、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体30に伝達することができる。例えば、この実施形態のように、3つの凹部を120度間隔で磁気記録媒体30に形成して、各凹部に突起部を嵌合することで、クランプによって磁気記録媒体30に加えられる力が均一になり、バランス良く、磁気記録媒体30を押圧し、トルクを磁気記録媒体30に伝達することが可能となる。
また、突起部22の大きさと凹部31の大きさをほぼ等しくすることで、突起部22と凹部31の内面を接触させても良い。このように突起部22を凹部31の内面に接触させても、スピンドルモータ12の回転時において突起部22が凹部31に引っ掛かり、その引っ掛かりによってスピンドルモータ12の回転によるトルクを、磁気記録媒体30に伝達することができる。
[変形例1]
次に、上述した実施形態の変形例1について図5及び図6を参照して説明する。図5は、変形例1に係る磁気ディスク装置の一部断面図である。図6は、変形例1に係るクランプと磁気記録媒体を示す一部断面図である。
上述した実施形態では、クランプ20に突起部22を設け、磁気記録媒体30に凹部31を形成している。この変形例では、磁気記録媒体に突起部を設け、クランプには押圧部を設け、クランプの押圧部に、磁気記録媒体の突起部が嵌合する凹部を設けた。
図5に示すように、磁気記録媒体40がハブ24に接続されている。また、ハブ24の上端には、板ばねからなるクランプ50がねじ23によってねじ止めされている。クランプ50は、磁気記録媒体40の一方の面において、貫通孔の周縁部に当接している。また、ハブ24の下端部に形成されたクランプ台25は、磁気記録媒体40の他方の面において、貫通孔の周縁部に当接している。このように、クランプ50とクランプ台25とによって磁気記録媒体40を上下方向から挟持することで、磁気記録媒体30を保持する。
クランプ50は、例えば円板状の形状を有し、中心にねじ23を貫通させるための貫通孔が形成されている。そして、クランプ50の外周端部には、磁気記録媒体40と対向する面に、円周方向に沿ってスピンドルモータ12の回転軸方向に突出した押圧部51が設けられている。さらに、押圧部51には、磁気記録媒体40と対向する面に、120度の間隔をおいて3つの凹部が形成されている。なお、図5には、凹部52のみが図示されているが、押圧部51上に等間隔に120度の間隔をおいて3つの凹部が形成されている。
磁気記録媒体40の一方の面(クランプ50と対向する面)には、回転軸方向に突出した突起部41が設けられている。なお、図5には、突起部41のみが図示されているが、磁気記録媒体40の一方の面には、突起部41の他、2つの突起部が設けられている。つまり、磁気記録媒体40の一方の面には、3つの突起部が設けられている。3つの突起部は、等間隔に120度の間隔をおいて貫通孔の周縁部に設けられている。
磁気記録媒体40に用いられる磁気記録媒体用基板は、上述した磁気記録媒体用基板1と同様に、樹脂で構成され、円板状の形状を有し、基板の中央に、基板の厚さ方向に貫通する貫通孔を有している。そして、磁気記録媒体用基板の表面に磁性膜を成膜することで、磁気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体40が作製される。
磁気記録媒体40に用いられる磁気記録媒体用基板の一方の面には、貫通孔の周縁部に3つの突起部が設けられている。貫通孔の周縁部は、貫通孔から所定距離外側までの領域であり、磁気記録媒体40において情報の記録に用いられない領域である。3つの突起部は、それぞれ貫通孔の中心から等しい距離に設けられており、円周方向に等間隔に設けられている。例えば、3つの突起部は、等間隔に120度の間隔をおいて設けられている。この変形例1では、3つの突起部を磁気記録媒体用基板に設けたが、3つ以上の突起部を設けても良い。この場合も、複数の突起部を等間隔に設けても良いし、等間隔に設けなくても良い。この突起部が、磁気記録媒体40の突起部41に相当する。この磁気記録媒体用基板の表面に磁性膜を成膜して磁気記録媒体40を作製する。これにより、貫通孔の周縁部に、3つの突起部が設けられた磁気記録媒体40が作製される。
以上のように、磁気記録媒体40には、凹部の代わりに突起部41を設け、クランプ50には、突起部の代わりに凹部52を形成している。
クランプ50をハブ24の上端に設置し、ねじ23によってハブ24にねじ止めすることで、磁気記録媒体40に設けられた突起部41が、クランプ50の押圧部51に形成された凹部52に嵌合される。凹部52を、磁気記録媒体40の突起部41に対応する位置に形成することで、突起部41を凹部52に嵌合させる。そして、押圧部51の凹部52が形成された面のうち平坦な部分(押圧面)が、磁気記録媒体40の表面に当接する。例えば、押圧部51の押圧面は、突起部41の周辺の表面に当接する。磁気記録媒体40に設けられた3つの突起部は、押圧部51の3つの凹部にそれぞれ嵌合される。すなわち、磁気記録媒体40には3つの突起部が120度の間隔をおいて設けられ、押圧部51には3つの凹部が120度の間隔をおいて形成されているため、クランプ50をねじ止めすることで、3つの突起部がそれぞれ対応する凹部に嵌合されることになる。
磁気記録媒体40には3つの突起部が等間隔に120度の間隔をおいて設けられ、クランプ50には、それら3つの突起部の間隔に合わせて、3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて形成されている。このように、磁気記録媒体40(磁気記録媒体用基板)に形成された突起部の数と間隔に合わせて、凹部をクランプ50に形成し、突起部をクランプ50の凹部52に嵌合させる。また、磁気記録媒体40に3つ以上の突起部を設けた場合、それら3つ以上の突起部の数と間隔に合わせて、3つ以上の凹部をクランプ50に形成し、それら突起部を凹部に嵌合させる。
クランプ50は板ばねで構成されているため、ねじ23によってクランプ50をハブ24に固定することで、クランプ50は撓り、磁気記録媒体40はクランプ50によって押圧される。
クランプ50に設けられた押圧部51の平坦な面(押圧面)が磁気記録媒体40の表面に接することで、磁気記録媒体40を押圧する。例えば、押圧部51の押圧面が突起部41の周辺の表面に当接することで、磁気記録媒体40を押圧する。この押圧によって、磁気記録媒体40をスピンドルモータ12の回転軸に対して固定し、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体40に伝達する。さらに、磁気記録媒体40に設けられた突起部41が、押圧部51に形成された凹部52に嵌合することで、スピドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体40に伝達する。変形例1では、クランプ50は、押圧部51のみが磁気記録媒体40に接触して磁気記録媒体40を押圧し、これによって、磁気記録媒体40を回転軸に対して固定し、トルクを磁気記録媒体40に伝達する。
ここで、クランプ50の外周端部に設けられた押圧部と、磁気記録媒体40に設けられた突起部について図6を参照して説明する。
図6に示すように、クランプ50の外周端部に設けられた押圧部51は、磁気記録媒体40と対向する面に平坦な面を有し、さらに、その面に凹部52が形成されている。凹部52は円形状の形状を有し、押圧部51の表面における径が最大となり、深くなるほど、押部52の径は徐々に小さくなっている。図6に示す例では、凹部52の側面は曲線を有している。これは1例であり、凹部52の側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体40に設けられた突起部41は、例えば半球状の形状を有している。突起部41は、磁気記録媒体40から離れる方向に向かって徐々に幅が狭くなっている。図6に示す例では、突起部41の側面は曲線を有し、先端に向かって徐々に幅が狭くなっている。これは1例であり、突起部41の側面が直線状であっても良い。
押圧部51の表面における凹部52の径は、突起部41の最大径よりも大きくなっている。さらに、凹部52の深さは、突起部41の高さ以上となっている。つまり、凹部52の深さは、突起部41の高さと等しいか、又は、突起部41の高さよりも深くなっている。このように、突起部41の大きさは凹部52の大きさよりも小さくなっている。そのため、突起部41が凹部52に嵌合されると、突起部41と凹部52との間に若干の隙間が生じる。
突起部41の大きさは凹部52の大きさよりも小さくなっているため、突起部41を凹部52に嵌合すると、押圧部51の平坦な面(以下、「押圧面51a」と称する場合がある)が、磁気記録媒体40の表面に当接する。
また、突起部41以外の2つの突起部も、突起部41と同じ形状を有し、凹部52以外の2つの凹部も、凹部52と同じ形状を有している。そして、各突起部が各凹部に嵌合され、押圧部51の凹圧面51aが磁気記録媒体40の表面に当接する。このように、押圧部51の押圧面51aが、磁気記録媒体40の表面に当接することで、クランプ50による押圧力が磁気記録媒体40に伝わり、磁気記録媒体40がスピンドルモータ12の回転軸に対して固定される。すなわち、磁気記録媒体40の固定は、押圧部51の当接によって行われる。さらに、押圧部51が磁気記録媒体40の表面に当接することで、スピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体40に伝達される。
さらに、突起部41が凹部52に嵌合することでも、スピンドルモータ12の回転によるトルクが磁気記録媒体40に伝達される。すなわち、スピンドルモータ12の回転に伴って、突起部41が凹部52に引っ掛かり、その引っ掛かりによってスピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体40に伝達される。このように、スピンドルモータ12の回転によるトルクは、押圧部51の磁気記録媒体40への当接と、突起部41の凹部52への嵌合とによって磁気記録媒体40に伝達される。
以上のように、クランプ50の押圧部51に形成された凹部に磁気記録媒体40の突起部を嵌合させ、押圧部51によって磁気記録媒体40を押圧することで、比較的弱い力でも磁気記録媒体40をスピンドルモータ12の回転軸に対して固定し、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体40に伝達することが可能となる。その結果、磁気記録媒体40の固定時において発生する歪みを低減することが可能となる。
また、変形例1に係る磁気記録媒体40は、比較的容易に作製することができる。変形例1に係る磁気記録媒体用基板を成型により作製する場合、突起部41に対応する凹部を金型に形成し、その金型によって成型することで、突起部を備えた磁気記録媒体用基板を容易に作製することができる。
なお、変形例1においては、クランプ50に形成されている凹部52を貫通孔にしても良い。凹部52を貫通孔としても、磁気記録媒体40の突起部41がその貫通孔に嵌合し、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体40に伝達することが可能となる。
[変形例2]
次に、上述した実施形態の変形例2について図7及び図8を参照して説明する。図7は、変形例2に係る磁気ディスク装置の構成を示す斜視図である。図8は、変形例2に係る磁気ディスク装置の一部断面図であり、図7のVIII−VIII断面図である。
変形例2に係る磁気ディスク装置10Aは、図1に示す磁気ディスク装置10と同様に、筐体11、スピンドルモータ12、アーム13、垂直軸13a、サスペンション13b、ヘッドスライダ14、ボイスコイルモータ15、ボイスコイル15a、及びクランプ20を備えている。そして、磁気記録媒体60、70は、クランプ20によって、スピンドルモータ12の回転軸に対して固定され、スピンドルモータ12によって回転駆動させられる。変形例2では、2つの磁気記録媒体が磁気ディスク装置10Aに設置されている。なお、変形例に係る磁気記録媒体60、70がこの発明の「個別媒体」の1例に相当し、個別媒体としての磁気記録媒体60、70が積層されて磁気ディスク装置10Aに設置される。
磁気記録媒体60、70に用いられる磁気記録媒体用基板には、上述した実施形態と同様に、図2に示す磁気記録媒体用基板1が用いられる。変形例に用いられる磁気記録媒体用基板1の一方の面には、凹部3、4、5が等間隔に120度の間隔をおいて形成されている。さらに、図2には示さないが、変形例においては、磁気記録媒体用基板1の他方の面にも、貫通孔2の周縁部に3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて形成されている。なお、上述した実施形態と同様に、磁気記録媒体用基板1の片面につき3つ以上の凹部を形成した場合、磁気記録媒体60、70は、片面につき3つ以上の凹部を有することになる。
両面にそれぞれ3つの凹部が形成された磁気記録媒体用基板1の表面に、磁性膜を成膜して磁気記録媒体60、70を作製する。磁性膜は、磁気記録媒体用基板1の片面のみに成膜しても良いし、両面に成膜しても良い。これにより、貫通孔の周縁部に凹部が形成された磁気記録媒体60、70が作製される。
図8に示すように、スピンドルモータ12に接続されたハブ24は円柱状の形状を有し、磁気記録媒体60、70の貫通孔に嵌合されている。これにより、磁気記録媒体60、70は、スピンドルモータ12のハブ24に互いに同軸的に嵌合され、ハブ24の軸方向に沿って積層されている。
隣り合う2枚の磁気記録媒体60、70の間には、リング状の形状を有し、ハブ24に嵌合されたスペーサ26が介在している。スペーサ26の表面は、磁気記録媒体60、70の貫通孔の周縁部に当接している。
ハブ24の上端には、板ばねからなるクランプ20がねじ23によってねじ止めされている。クランプ20は、磁気記録媒体60の一方の面において、貫通孔の周縁部に当接している。また、ハブ24の下端部に形成されたクランプ台27は、磁気記録媒体70の一方の面において、貫通孔の周縁部に当接している。
以上のように、クランプ20、スペーサ26、及びクランプ台27によって磁気記録媒体60、70を上下方向から挟持することで、磁気記録媒体60、70を保持する。
上述した実施形態と同様に、クランプ20の外周端面には、磁気記録媒体60と対向する面に、円周方向に沿ってスピンドルモータ12の回転軸方向に突出した押圧部21が設けられている。さらに、押圧部21には、磁気記録媒体60と対向する面に、120度の間隔をおいて3つの突起部が、回転軸方向に突出して設けられている。なお、図8には、突起部22のみが図示されているが、押圧部21上に等間隔に120度の間隔をおいて3つの突起部が設けられている。
磁気記録媒体60の一方の面(クランプ50と対向する面)には、凹部61が形成されている。この凹部61は、図2に示す磁気記録媒体用基板1の凹部3、4、5のいずれかに相当する。また、図示しないが、磁気記録媒体60の一方の面には、凹部61の他、2つの凹部が形成されている。従って、上述したように、3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて貫通孔の周縁部に形成されている。なお、磁気記録媒体用基板1の一方の面に3つ以上の凹部を形成した場合、磁気記録媒体60は、一方の面に3つ以上の凹部を有することになる。
クランプ20をハブ24の上端に設置し、ねじ23によってハブ24にねじ止めすることで、押圧部21上に設けられた突起部22が、磁気記録媒体60の凹部61に嵌合される。突起部22を、磁気記録媒体60の凹部61に対応する位置に設けることで、凹部61に嵌合させる。そして、押圧部21の突起部22が設けられた面のうち平坦な部分(押圧面)が、磁気記録媒体60の表面に当接する。例えば、押圧部21の押圧面は、凹部61の周辺の表面に当接する。そして、上述した実施形態と同様に、押圧部21に設けられた3つの突起部は、磁気記録媒体60の一方の面に形成された3つの凹部にそれぞれ嵌合される。
クランプ20は板ばねで構成されているため、ねじ23によってクランプ20をハブに固定することで、クランプ20が撓り、磁気記録媒体60はクランプ20によって押圧される。
磁気記録媒体60に形成された凹部61は円形状の形状を有し、磁気記録媒体60の表面における径が最大となり、深くなるほど、凹部61の径は徐々に小さくなっている。図8に示す例では、凹部61の側面は曲線を有している。これは1例であり、凹部61の側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体60の表面における凹部61の径は、突起部22の最大径よりも大きくなっている。さらに、凹部61の深さは、突起部22の高さ以上となっている。つまり、凹部61の深さは、突起部22の高さと等しいか、又は、突起部22の高さよりも深くなっている。このように、突起部22の大きさは凹部61の大きさよりも小さくなっている。そのため、突起部22が凹部61に嵌合されると、突起部22と凹部61との間に若干の隙間が生じる。突起部22の大きさは凹部61の大きさよりも小さくなっているため、突起部22を凹部61に嵌合すると、押圧部21の平坦な面(押圧面)が、磁気記録媒体60の表面に当接する。
また、突起部22以外の2つの突起部も、突起部22と同じ形状を有し、凹部61以外の2つの凹部も、凹部61と同じ形状を有している。そして、各突起部が各凹部に嵌合され、押圧部21の押圧面が磁気記録媒体60の表面に当接する。このように、押圧部21の押圧面が、磁気記録媒体60の表面に当接することで、クランプ20による押圧力が磁気記録媒体60に伝わり、磁気記録媒体60、70がスピンドルモータ12の回転軸に対して固定される。さらに、押圧部21が磁気記録媒体60の表面に当接することで、スピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60、70に伝達される。
さらに、スピンドルモータ12の回転に伴って、突起部22が凹部61に引っ掛かり、その引っ掛かりによってスピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60に伝達される。このように、スピンドルモータ12の回転によるトルクは、押圧部21の磁気記録媒体60への当接と、突起部22の凹部61への嵌合とによって磁気記録媒体60に伝達される。
変形例2では、クランプ20は、押圧部21の押圧面と突起部のみが磁気記録媒体60に接触して磁気記録媒体60、70を押圧し、これによって、磁気記録媒体60、70を回転軸に対して固定し、トルクを磁気記録媒体60、70に伝達する。
さらに、磁気記録媒体60の他方の面(スペーサ26と対向する面)には、凹部62が形成されている。この凹部62は、図2に示す磁気記録媒体用基板1の他方の面に形成された凹部に相当する。また、図示しないが、磁気記録媒体60の他方の面には、凹部62の他、2つの凹部が形成されている。従って、上述したように、3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて貫通孔の周縁部に形成されている。なお、磁気記録媒体用基板1の他方の面に3つ以上の凹部を形成した場合、磁気記録媒体60は、他方の面に3つ以上の凹部を有することになる。
また、磁気記録媒体70の一方の面(スペーサ26と対向する面)には、凹部71が形成されている。この凹部71は、図2に示す磁気記録媒体用基板1の凹部3、4、5のいずれかに相当する。また、図示しないが、磁気記録媒体70の一方の面には、凹部71の他、2つの凹部が形成されている。従って、上述したように、3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて貫通孔の周縁部に形成されている。なお、磁気記録媒体用基板1の一方の面に3つ以上の凹部を形成した場合、磁気記録媒体70は、一方の面に3つ以上の凹部を有することになる。
そして、磁気記録媒体60と磁気記録媒体70の間に設置されたスペーサ26の一方の面(磁気記録媒体60と対応する面)には、磁気記録媒体60の凹部62の位置に合わせて、突起部26aが形成されている。また、図示しないが、突起部26aの他、スペーサ26の一方の面には、磁気記録媒体60の表面に形成された凹部の位置に合わせて2つの突起部が形成されている。すなわち、スペーサ26の一方の面には、3つの突起部が等間隔に120度の間隔をおいて形成されている。
さらに、スペーサ26の他方の面(磁気記録媒体70と対向する面)には、磁気記録媒体70の凹部71の位置に合わせて、突起部26bが形成されている。また、図示しないが、突起部26bの他、スペーサ26の他方の面には、磁気記録媒体70の表面に形成された凹部の位置に合わせて2つの突起部が形成されている。すなわち、スペーサ26の他方の面には、3つの突起部が等間隔に120度の間隔をおいて形成されている。
そして、磁気記録媒体60と磁気記録媒体70との間にスペーサ26を介在させることで、スペーサ26の一方の面に形成された突起部26aが、磁気記録媒体60の他方の面に形成された凹部62に嵌合される。スペーサ26の一方の面には120度の間隔をおいて3つの突起部が形成され、磁気記録媒体60の他方の面には120度の間隔をおいて3つの凹部が形成されている。突起部と凹部はそれぞれ対応する位置に形成されているため、3つの突起部と3つの凹部は、それぞれ嵌合することになる。また、磁気記録媒体60の他方の面に3つ以上の凹部を形成した場合、それら3つ以上の凹部の数と間隔に合わせて、3つ以上の突起部をスペーサ26の一方の面に形成し、それら突起部を凹部に嵌合させる。
さらに、スペーサ26の他方の面に形成された突起部26bが、磁気記録媒体70の一方の面に形成された凹部71に嵌合される。スペーサ26の他方の面には120度の間隔をおいて3つの突起部が形成され、磁気記録媒体70の一方の面には120度の間隔をおいて3つの凹部が形成されている。突起部と凹部はそれぞれ対応する位置に形成されているため、3つの突起部と3つの凹部は、それぞれ嵌合することになる。また、磁気記録媒体70の一方の面に3つ以上の凹部を形成した場合、それら3つ以上の凹部の数と間隔に合わせて、3つ以上の突起部をスペーサ26の他方の面に形成し、それら突起部を凹部に嵌合させる。
スペーサ26に設けられた突起部26a、26bは、例えば半球状の形状を有している。突起部26a、26bは、スペーサ26から離れる方向に向かって徐々に幅が狭くなっている。図8に示す例では、突起部26a、26bの側面は曲線を有し、先端に向かって徐々に幅が狭くなっている。これは1例であり、突起部26a、26bの側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体60に形成された凹部62は円形状の形状を有し、磁気記録媒体60の表面における径が最大となり、深くなるほど、凹部62の径は徐々に小さくなっている。図8に示す例では、凹部62の側面は曲線を有している。これは1例であり、凹部62の側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体60の表面における凹部62の径は、突起部26aの最大径よりも大きくなっている。さらに、凹部62の深さは、突起部26aの高さ以上となっている。つまり、凹部62の深さは、突起部26aの高さと等しいか、又は、突起部26aの高さよりも深くなっている。このように、突起部26aの大きさは凹部62の大きさよりも小さくなっている。そのため、突起部26aが凹部62に嵌合されると、突起部26aと凹部62との間に若干の隙間が生じる。
突起部26aの大きさは凹部62の大きさよりも小さくなっているため、突起部26aを凹部62に嵌合すると、スペーサ26の平坦な面が、磁気記録媒体60の他方の面に当接する。
また、突起部26a以外の2つの突起部も、突起部26aと同じ形状を有し、凹部62以外の2つの凹部も、凹部62と同じ形状を有している。そして、各突起部が各凹部に嵌合され、スペーサ26の平坦な面が磁気記録媒体60の他方の面に当接する。このように、スペーサ26の平坦な面が磁気記録媒体60の他方の面に当接することで、クランプ20による押圧力が磁気記録媒体60、70に伝わり、磁気記録媒体60、70がスピンドルモータ12の回転軸に対して固定され、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60、70に伝達される。
さらに、突起部26aが凹部62に嵌合することでも、スピンドルモータ12の回転によるトルクが磁気記録媒体60、70に伝達される。すなわち、スピンドルモータ12の回転に伴って、突起部26aが凹部62に引っ掛かり、その引っ掛かりによってスピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60、70に伝達される。
また、磁気記録媒体70に形成された凹部71は円形状の形状を有し、磁気記録媒体70の表面における径が最大となり、深くなるほど、凹部71の径は徐々に小さくなっている。図8に示す例では、凹部71の側面は曲線を有している。これは1例であり、凹部71の側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体70の表面における凹部71の径は、突起部26bの最大径よりも大きくなっている。さらに、凹部71の深さは、突起部26bの高さ以上となっている。つまり、凹部71の深さは、突起部26bの高さと等しいか、又は、突起部26bの高さよりも深くなっている。このように、突起部26bの大きさは凹部71の大きさよりも小さくなっている。そのため、突起部26bが凹部71に嵌合されると、突起部26bと凹部71との間に若干の隙間が生じる。
突起部26bの大きさは凹部71の大きさよりも小さくなっているため、突起部26bを凹部71に嵌合すると、スペーサ26の平坦な面(押圧面)が、磁気記録媒体70の一方の面に当接する。
また、突起部26b以外の2つの突起部も、突起部26bと同じ形状を有し、凹部71以外の2つの凹部も、凹部71と同じ形状を有している。そして、各突起部が各凹部に嵌合され、スペーサ26の平坦な面が磁気記録媒体70の一方の面に当接する。このように、スペーサ26の平坦な面が磁気記録媒体70の一方の面に当接することで、クランプ20による押圧力が磁気記録媒体60、70に伝わり、磁気記録媒体60、70がスピンドルモータ12の回転軸に対して固定され、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60、70に伝達される。
さらに、突起部26bが凹部71に嵌合することでも、スピンドルモータ12の回転によるトルクが磁気記録媒体60、70に伝達される。すなわち、スピンドルモータ12の回転に伴って、突起部26bが凹部71に引っ掛かり、その引っ掛かりによってスピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60、70に伝達される。
さらに、磁気記録媒体70の他方の面には、凹部72が形成されている。この凹部72は、図2に示す磁気記録媒体用基板1の他方の面に形成された凹部に相当する。また、図示しないが、磁気記録媒体70の他方の面には、凹部72の他、2つの凹部が形成されている。従って、上述したように、3つの凹部が等間隔に120度の間隔をおいて貫通孔の周縁部に形成されている。なお、磁気記録媒体用基板1の他方の面に3つ以上の凹部を形成した場合、磁気記録媒体70は、他方の面に3つ以上の凹部を有することになる。
また、クランプ台27の表面(磁気記録媒体70と向かい合う面)には、磁気記録媒体70の凹部72の位置に合わせて、突起部27aが設けられている。また、図示しないが、突起部27aの他、クランプ台27の表面には、磁気記録媒体70の表面に形成された凹部の位置に合わせて2つの突起部が形成されている。すなわち、クランプ台27の表面には、3つの突起部が等間隔に120度の間隔をおいて形成されている。
そして、クランプ台27の上に磁気記録媒体70を設置することで、クランプ台27の表面に形成された突起部27aが、磁気記録媒体70の他方の面に形成された凹部72に嵌合される。クランプ台27の表面には120度の間隔をおいて3つの突起部が形成され、磁気記録媒体70の他方の面には120度の間隔をおいて3つの凹部が形成されている。突起部と凹部はそれぞれ対応する位置に形成されているため、3つの突起部と3つの凹部は、それぞれ嵌合することになる。また、磁気記録媒体70の他方の面に3つ以上の凹部を形成した場合、それら3つ以上の凹部の数と間隔に合わせて、3つ以上の突起部をクランプ台27に形成し、それら突起部を凹部に嵌合させる。
クランプ台27に設けられた突起部27aは、例えば半球状の形状を有している。突起部27aは、クランプ台27から離れる方向に向かって徐々に幅が狭くなっている。図8に示す例では、突起部27aの側面は曲線を有し、先端に向かって徐々に幅が狭くなっている。これは1例であり、突起部27aの側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体70に形成された凹部72は円形状の形状を有し、磁気記録媒体70の表面における径が最大となり、深くなるほど、凹部72の径は徐々に小さくなっている。図8に示す例では、凹部72の側面は曲線を有している。これは1例であり、凹部72の側面が直線状であっても良い。
磁気記録媒体70の表面における凹部72の径は、突起部27aの最大径よりも大きくなっている。さらに、凹部72の深さは、突起部27aの高さ以上となっている。つまり、凹部72の深さは、突起部27aの高さと等しいか、又は、突起部27aの高さよりも深くなっている。このように、突起部27aの大きさは凹部72の大きさよりも小さくなっている。そのため、突起部27aが凹部72に嵌合されると、突起部27aと凹部72との間に若干の隙間が生じる。
突起部27aの大きさは凹部72の大きさよりも小さくなっているため、突起部27aを凹部72に嵌合すると、クランプ台27の平坦な面(押圧面)が、磁気記録媒体70の他方の面に当接する。
また、突起部27a以外の2つの突起部も、突起部27aと同じ形状を有し、凹部72以外の2つの凹部も、凹部72と同じ形状を有している。そして、各突起部が各凹部に嵌合され、クランプ台27の平坦な面が磁気記録媒体70の他方の面に当接する。このように、クランプ台27の平坦な面が磁気記録媒体70の他方の面に当接することで、クランプ20による押圧力が磁気記録媒体60、70に伝わり、磁気記録媒体60、70がスピンドルモータ12の回転軸に対して固定され、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60、70に伝達される。
さらに、突起部27aが凹部72に嵌合することでも、スピンドルモータ12の回転によるトルクが磁気記録媒体60、70に伝達される。すなわち、スピンドルモータ12の回転に伴って、突起部27aが凹部72に引っ掛かり、その引っ掛かりによってスピンドルモータ12の回転によるトルクが、磁気記録媒体60、70に伝達される。
以上のように、磁気記録媒体60、70に形成された凹部に、クランプ20の突起部、スペーサ26の突起部、及びクランプ台27の突起部を嵌合させ、押圧部によって磁気記録媒体60、70を押圧することで、比較的弱い力でも磁気記録媒体60、70をスピンドルモータ12の回転軸に対して固定し、さらに、スピンドルモータ12の回転によるトルクを磁気記録媒体60、70に伝達することが可能となる。その結果、磁気記録媒体60、70の固定時に発生する歪みを低減することが可能となる。
なお、変形例2においては、磁気記録媒体60、70に凹部を形成し、クランプ20、スペーサ26、及びクランプ台27に突起部を設けたが、磁気記録媒体60、70に突起部を設け、クランプ20、スペーサ26、及びクランプ台27に凹部を形成しても良い。
また、変形例2においては、スペーサとクランプ台に突起部を設けたが、スペーサとクランプ台に突起部を設けなくても良い。この場合、平坦な面を有するスペーサとクランプ台を用いる。そして、突起部が設けられたクランプを用いて、磁気記録媒体60、70を押圧する。スペーサとクランプ台に突起部を設けない場合は、スペーサとクランプ台の突起部に対応する凹部を、磁気記録媒体60、70に形成しなくても良い。
さらに、クランプ台に突起部を設けず、クランプとスペーサに突起部を設けて磁気記録媒体60、70を押圧しても良いし、スペーサに突起部を設けず、クランプとクランプ台に突起部を設けて磁気記録媒体60、70を押圧しても良い。
なお、この変形例2では1例として、2つの磁気記録媒体を用いたが、3つ以上の磁気記録媒体を用いても良い。
(磁気記録媒体用基板の材料)
上述した磁気記録媒体30、40、60、及び70に用いられる磁気記録媒体用基板には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は活性線硬化性樹脂の他、様々な樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂として、磁気記録媒体用基板には、例えば、ポリカーボネイト、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK樹脂)、環状ポリオレフィン樹脂、メタクリルスチレン樹脂(MS樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)、ABS樹脂、ポリエステル樹脂(PET樹脂、PBT樹脂など)、ポリオレフィン樹脂(PE樹脂、PP樹脂など)、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂(PES樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、又は、アクリル樹脂などを用いることができる。また、熱硬化性樹脂として、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂(BMC樹脂など)、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又は、ポリベンゾイミダゾール樹脂などを用いることができる。その他、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂)などを用いることができる。
活性線硬化性樹脂として、例えば、紫外線硬化性樹脂が用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化性エポキシ樹脂、紫外線硬化シリコン系樹脂、又は、紫外線硬化アクリル樹脂などを挙げることができる。
また、塗説された硬化前の層に活性線を照射することによって硬化するときに、光開始剤を用いて硬化反応を促進させることが好ましい。このとき光増感剤を併用しても良い。
また、空気中の酸素が上記硬化反応を抑制する場合は、酸素濃度を低下させる、または除去するために、例えば不活性ガス雰囲気下で活性線を照射することもできる。活性線としては、赤外線、可視光、紫外線などを適宜選択することができるが、硬化速度などの生産性の面で紫外線を選択することが好ましいが、特に限定されるものではない。また、活性線の照射中、または前後に加熱によって硬化反応を強化させても良い。
さらに、磁気記録媒体用基板には、液晶ポリマー、有機/無機ハイブリッド樹脂(例えば、高分子成分にシリコンを骨格として取り込んだもの)などを用いても良い。なお、上記に挙げた樹脂は磁気記録媒体用基板に用いられる樹脂の一例であり、この発明に係る基板がこれらの樹脂に限定されることはない。2種以上の樹脂を混合して樹脂製の基板としても良く、また、別々の層として異なる成分を隣接させた基板としても良い。
また、母材としての樹脂は、極力、耐熱温度又はガラス転移温度Tgが高い方が望ましい。樹脂製の磁気記録媒体用基板にはスパッタリングにより磁性層が形成されるため、耐熱温度又はガラス転移温度Tgは、そのスパッタリングにおける温度以上であることが望ましい。例えば、耐熱温度又はガラス転移温度Tgが150℃以上である樹脂を用いることが望ましく、より好ましくは200℃以上である樹脂を用いることが望ましい。
耐熱温度又はガラス転移温度Tgが150℃以上の代表的な樹脂として、耐熱性ポリカーボネイト、シリコン樹脂、テフロン樹脂、無機フィラーを充填したフェノール、メラニン、エポキシ、ポリフェニレンスルファイド、不飽和ポリエステルなどの樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂(PES樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、BMC樹脂、又は、液晶ポリマーなどが挙げられる。より具体的には、ポリエーテルスルホン樹脂(PES樹脂)として、ユーデル(ソルベイアデバンストポリマーズ)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)として、ウルテム(日本GEプラスチック)、ポリアミドイミド樹脂として、トーロン(ソルベイアデバンストポリマーズ)、ポリイミド樹脂(熱可塑性)として、オーラム(三井化学)、ポリイミド(熱硬化性)として、ユーピレックス(宇部興産)、又は、ポリベンゾイミダゾール樹脂として、PBI/Celazole(クラリアントジャパン)が挙げられる。また、液晶ポリマーとして、スミカスーパーLCP(住友化学)、ポリエーテルエーテルケトンとして、ビクトレックス(ビクトレックスMC)が挙げられる。
磁気記録媒体用基板は、基板に対応した形状を有する金型を用いて、射出成形法、注型成形法、シート成形法、射出圧縮成形法、又は圧縮成形法などの成形法によって製造することができる。さらに、必要に応じて、成形した基板をカッティングし、打ち抜き、又はプレス成形を行ってこの実施形態に係る磁気記録媒体用基板を製造しても良い。
また、上記射出成形法などによりこの実施形態に係る磁気記録媒体用基板を成形することで、基板の内径の寸法、外径の寸法、内周端部の形状、又は外周端部の形状の少なくとも1つを同時に形成することができる。つまり、基板の内径の寸法や外径の寸法に合わせて、射出成形法などに用いられる金型を作製し、その金型を用いることで、内径寸法や外径寸法が樹脂成形時に完成されることになる。また、基板の内周端部の形状や外周端部の形状に合わせて、金型を作製し、その金型を用いることで、内周端部の形状や外周端部の形状が樹脂成形時に形成されることになる。
この発明の実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示す斜視図である。 この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用基板の斜視図である。 この発明の実施形態に係る磁気ディスク装置の一部断面図であり、図1のIII−III断面図である。 クランプと磁気記録媒体を示す一部断面図である。 変形例1に係るクランプと磁気記録媒体を示す一部断面図である。 変形例1に係るクランプと磁気記録媒体を示す一部断面図である。 変形例2に係る磁気ディスク装置の構成を示す斜視図である。 変形例2に係る磁気ディスク装置の一部断面図であり、図7のVIII−VIII断面図である。
符号の説明
1 磁気記録媒体用基板
2 貫通孔
3、4、5 凹部
10、10A 磁気ディスク装置
11 筐体
12 スピンドルモータ
13 アーム
14 ヘッドスライダ
15 ボイスコイルモータ
20、50 クランプ
21、51 押圧部
21a、51a 押圧面
22、41、26a、26b、27a 突起部
23 ねじ
24 ハブ
25、27 クランプ台
26 スペーサ
30、40、60、70 磁気記録媒体
31、52、61、62、71、72 凹部

Claims (10)

  1. 円板状の形状を有する基板と、前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、前記基板の表面に成膜された磁性膜と、を有する磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体を回転駆動する駆動手段と、
    前記磁気記録媒体の一方の面から前記貫通孔の周縁部に当接して前記磁気記録媒体を押圧するクランプと、
    前記磁気記録媒体の他方の面から前記貫通孔の周縁部に当接するクランプ台と、
    前記磁気記録媒体の記録又は再生を行う磁気ヘッドと、
    を有し、
    前記クランプと前記クランプ台とによって前記磁気記録媒体を挟持することで、前記磁気記録媒体を前記駆動手段の回転軸に対して固定する磁気ディスク装置であって、
    前記磁気記録媒体は、前記クランプが当接する面において、前記貫通孔の周縁部に第1嵌合部を有し、
    前記クランプは、前記磁気記録媒体に当接する押圧部と、前記押圧部に設けられて前記第1嵌合部と嵌合する第2嵌合部とを有し、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部を嵌合させて、前記押圧部を前記磁気記録媒体に当接することで、前記一方の面から前記磁気記録媒体を押圧することを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 前記押圧部は、前記磁気記録媒体に向けて突出して前記クランプに設けられ、前記第2嵌合部は、前記押圧部において前記磁気記録媒体と当接する面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記押圧部は、前記磁気記録媒体と対向する面に平坦な押圧面を有し、前記第2嵌合部は前記押圧面に設けられ、
    前記第1嵌合部と前記第2嵌合部を嵌合させて、前記押圧部の押圧面を前記磁気記録媒体に当接することで、前記一方の面から前記磁気記録媒体を押圧することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記第1嵌合部と前記第2嵌合部は、いずれか一方が凹部で、他方が突起部であり、前記突起部は前記凹部よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記磁気記録媒体は、前記第1嵌合部を3つ以上有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  6. 前記3つ以上の第1嵌合部は、前記磁気記録媒体において、前記基板の円周方向に等間隔の距離をおいて形成されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気ディスク装置。
  7. 前記磁気記録媒体を複数の個別媒体を積層して有し、
    各個別媒体の間に設けられ、前記各個別媒体の貫通孔の周縁部に当接するスペーサを更に有し、
    前記各個別媒体は、前記クランプが当接する面と前記スペーサが当接する面において、前記貫通孔の周縁部に第1嵌合部を有し、
    前記スペーサは前記スペーサが当接する面の第1嵌合部に嵌合する第3嵌合部を有し、その第3嵌合部を前記スペーサが当接する面の第1嵌合部に嵌合させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  8. 円板状の形状を有する基板と、
    前記基板の中央に形成されて前記基板の厚さ方向に貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔の周縁部に形成された凹部又は突起部からなる第1嵌合部と、
    を有し、前記貫通孔の周縁部に当接して前記基板を押圧する押圧部と、前記押圧部に設けられ、前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部とを有するクランプを前記基板の一方の面に設置し、前記第2嵌合部を前記第1嵌合部に嵌合させて、前記押圧部を前記貫通孔の周縁部に当接することで、前記基板の一方の面から押圧されて磁気ディスク装置に設置されることを特徴とする磁気記録媒体用基板。
  9. 前記第1嵌合部を3つ以上有していることを特徴とする請求項8に記載の磁気記録媒体用基板。
  10. 前記3つ以上の第1嵌合部は、前記基板の円周方向に等間隔の距離をおいて形成されていることを特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体用基板。
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