JP2009057302A - 還元型補酵素q含有組成物 - Google Patents

還元型補酵素q含有組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ミネラル類が存在するにもかかわらず、安定な還元型補酵素Q含有組成物を提供する。
【解決手段】還元型補酵素Q、ミネラル類およびビタミン類を含有する組成物であって、前記ビタミン類の含有重量が前記ミネラル類の含有重量の2倍以上であるか、または、前記ミネラル類の含有重量が前記還元型補酵素Qの含有重量の半分以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、還元型補酵素Qを含有する組成物に関する。
補酵素Qは、細菌から哺乳類まで広く生体に分布する必須成分であり、生体内の細胞中におけるミトコンドリアの電子伝達系構成成分として知られている。ヒトでは、補酵素Qの側鎖が繰り返し構造を10個持つ、補酵素Q10が主成分である。補酵素Qには酸化型と還元型とが存在し、生体内においては通常10〜60%程度が酸化型で存在している。
補酵素Qとして、従来、酸化型補酵素Qが種々の用途で使用されており、例えば、その心臓に対する効果から鬱血性心不全薬として用いられている。現在では、酸化型補酵素Q10は、一般食品としても使用が可能となり、医薬用途以外でも、ソフトカプセル、タブレット、ハードカプセル、顆粒、および飲料などの形態で商品化されており、ビタミン類同様、栄養剤、栄養補助剤として経口剤および皮膚用剤として用いられている。
酸化型補酵素Qは、ビタミン類と併用すると、不安定になることが知られている。ビタミン類は、食品、飲料、医薬品および飼料に通常配合されている添加物であるため、これらの用途への補酵素Qとしての利用が制限されている。この様な不安定性を改善するために、例えば、酸化型補酵素Q10、ビタミン類、および鉄塩を含有する組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、還元型補酵素Qを含有する組成物は、従来の酸化型のみの補酵素Qよりも、経口吸収性に優れること等、近年、その有効性が知られるようになった。しかしながら還元型補酵素Qは、酸化型補酵素Qと比較して不安定であり、その製剤形態や併用できる他の有効成分に制限があるという問題を有している。
特開2004−290041号公報
鉄類などのミネラル成分は、補酵素Qと同様、有用性の知られている成分であり、例えば補酵素Qとミネラル類の両方を含有する組成物もまた、その有用性が期待される。しかし、本発明者が予備的に検討したところ、還元型補酵素Q含有組成物は、ミネラル類の存在下では非常に不安定であることが分かった。本発明は、ミネラル類が存在するにもかかわらず、安定な還元型補酵素Q含有組成物を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1):
Figure 2009057302
(式中、nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Q、ミネラル類およびビタミン類を含有する組成物であって、前記ビタミン類の含有重量が前記ミネラル類の含有重量の2倍以上であるか、または、前記ミネラル類の含有重量が前記還元型補酵素Qの含有重量の半分以下である。
本発明の還元型補酵素Q含有組成物は、ミネラル類およびビタミン類が存在するにもかかわらず安定であり、生体に有用な還元型補酵素Q、ミネラル類およびビタミン類を同時に含有させることができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。本発明は、還元型補酵素Q、ミネラル類およびビタミン類を含有する組成物である。
<還元型補酵素Q>
本発明において使用される還元型補酵素Qは、組成物中に還元型補酵素Q単独で添加されても良く、また、酸化型補酵素Qと還元型補酵素Qの混合物である補酵素Qとして添加されても良い。上記混合物の場合、補酵素Qの総量(すなわち、還元型補酵素Q及び酸化型補酵素Qの合計量)に対する還元型補酵素Qの重量比は、特に制限されないが、例えば20重量%以上、通常40重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、とりわけ90重量%以上、なかんずく96重量%以上である。上限は100重量%であり、特に限定されないが、通常99.9重量%以下である。以下、本明細書において、補酵素Qとのみ記載した場合は、酸化型補酵素Qと還元型補酵素Qの混合物、または、還元型補酵素Q単独の場合の両者を示す。
還元型補酵素Qは下記式(1)で表される。式中、nは1〜12の整数を表す。
Figure 2009057302
酸化型補酵素Qは下記式(2)で表される。式中、nは1〜12の整数を表す。
Figure 2009057302
本発明で使用される還元型補酵素Qとしては、その側鎖の繰り返し構造を10個持つ還元型補酵素Q10(上記式(1)中、nが10のもの)であるのが好ましい。還元型補酵素Q、あるいは還元型補酵素Q10は、特開平10−109933号公報に記載されているように、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により酸化型補酵素Qと還元型補酵素Qの混合物である補酵素Qを得た後、クロマトグラフィーを用いて、流出液中の還元型補酵素Q区分を濃縮する方法等により製造できる。この場合には、上記補酵素Q中に含まれる酸化型補酵素Qを、水素化ホウ素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム(次亜硫酸ナトリウム)等の一般的な還元剤を用いて還元した後、クロマトグラフィーによる濃縮を行っても良い。また、還元型補酵素Qは、既存の高純度酸化型補酵素Qに上記還元剤を作用させて得ることができる。また、一般に市販されている製品としては、最近販売が開始された、カネカ・コエンザイムQ10を原材料として製造された高純度の還元型補酵素Q10である株式会社カネカ製のKANEKA QH(登録商標)を好ましく使用できる。
本発明の組成物において、前記還元型補酵素Qの含有量は限定されないが、例えば、0.0001〜50重量%の範囲内の値とすることができる。また、組成物が水溶液である場合、水溶液の安定性の点から、前記還元型補酵素Qの含有量は、0.0001〜10重量%の範囲内の値が好ましい。
<ミネラル類>
本発明において使用されるミネラル類としては、一般に食品添加物などとして食用として利用されているものの他、または薬理学的、生理学的に許容されるものを使用できる。そして、ミネラル類は、単独で、あるいは2種以上混合したものを用いることができる。ミネラル類としては、例えば、鉄、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、セレン、リン、ナトリウム、カリウム、銅、マンガン、コバルト、ケイ素、アルミニウム、ヨウ素、クロム、モリブデン、それらの塩類が挙げられる。これらの中で、鉄、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、セレン、銅、マンガン、コバルト、それらの塩類が好ましく用いられ、さらに、鉄、マグネシウム、亜鉛、セレン、カルシウム、それらの塩類が好ましく用いられ、特に、鉄、その塩類が好ましく用いられる。
前記ミネラル類の塩としては、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、カゼイン塩、塩化物、水酸化物、炭酸化物、コハク酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、硫酸塩、および硝酸塩などが挙げられる。特に、無機塩が好ましく用いられる。
さらに、ミネラル類として、ミネラル類を含有する植物、動物、酵母、乳酸菌、海洋ミネラルなどを使用することもでき、例えば、鉄酵母、シデロフォア鉄、亜鉛酵母、ビール酵母銅が挙げられる。
鉄またはその塩類としては、例えば、鉄、塩化第二鉄、クエン酸鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸鉄、硫酸第一鉄、およびヘム鉄などが挙げられる。
マグネシウムまたはその塩類としては、マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、カゼインマグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグネシウムなどが挙げられる
亜鉛またはその塩類としては、硫酸亜鉛、亜鉛、グルコン酸亜鉛が挙げられる。
カルシウムまたはその塩類としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、カゼインカルシウム、総合乳蛋白質などが挙げられる。
セレンの塩類としては、セレン酸ナトリウムが挙げられる。
<ビタミン類>
本発明において使用されるビタミン類としては、限定されるものではなく、例えば、β−カロチン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビオチン、パントテン酸、ビタミンE、葉酸、ナイアシン、これらの塩類、これらの誘導体、またはこれらの混合物が挙げられる。特に、ビタミンC、その塩類、その誘導体が好ましく用いられる。前記ビタミン類としては、ビタミン類を含有する植物やその加工品(果物や野菜の抽出液、濃縮還元粉末など)、酵母、乳酸菌などを利用することもできる。
<組成物中のミネラル類およびビタミン類の含有量>
本発明の組成物は、上述のようにミネラル類およびビタミン類を含有するが、組成物の安定性を確保するため、含有量について以下の(a)、(b)の要件の内、少なくともいずれかの要件を満たす。
(a)ビタミン類の含有重量がミネラル類の含有重量の2倍以上である。
(b)ミネラル類の含有重量が還元型補酵素Qの含有重量の半分以下である。
(a)の要件を満たす場合、好ましくはビタミン類の含有重量がミネラル類の含有重量の5倍以上、より好ましくは10倍以上である。なお、ビタミン類の含有重量はミネラル類の含有重量の1000倍以下であることが好ましい。また、(b)の要件を満たす場合、好ましくはミネラル類の含有重量が還元型補酵素Qの含有重量の5分の1以下、より好ましくは10分の1以下である。なお、ミネラル類の含有重量は還元型補酵素Qの含有重量の1000分の1以上であることが好ましい。
<有機酸>
本発明の組成物は、さらに有機酸を含有させてもよい。本発明で使用する有機酸としては、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、アスパラギン酸、またはこれらの混合物などが挙げられ、その含有量は、有機酸の種類などによっても異なるが、補酵素Q100重量部に対して、例えば、1〜100000重量部、1〜10000重量部、1〜1000重量部とすることができ、組成物の安定性の点から、補酵素Q100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは3〜150重量部、最も好ましくは3〜100重量部である。
<界面活性剤>
本発明の還元型補酵素Q含有組成物は、好ましくはさらに界面活性剤を含有する。本発明で使用する界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸の部分グリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、リン脂質、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリエチレングリコールの誘導体等が挙げられる。
脂肪酸の部分グリセリドとしては、特に限定されないが、例えば、モノグリセリンモノカプリル酸エステル、モノグリセリンモノカプリン酸エステル、モノグリセリンジカプリル酸エステル、モノグリセリンジカプリン酸エステル、モノグリセリンジラウリン酸エステル、モノグリセリンジミリスチン酸エステル、モノグリセリンジステアリン酸エステル、モノグリセリンジオレイン酸エステル、モノグリセリンジエルカ酸エステル、モノグリセリンジベヘニン酸エステル等のモノグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリンカプリル酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸クエン酸エステル、モノグリセリンステアリン酸酢酸エステル、モノグリセリンステアリン酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸乳酸エステル、モノグリセリンステアリン酸ジアセチル酒石酸エステル、モノグリセリンオレイン酸クエン酸エステル等のモノグリセリン脂肪酸有機酸エステル等が挙げられる。
プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸の炭素数が各々6〜18、好ましくは6〜12のモノグリセリドやジグリセリド等を挙げることができる。
リン脂質としては、特に限定されないが、例えば、レシチン(卵黄レシチン、精製大豆レシチンなど)、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ジセチルリン酸、ステアリルアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールアミン、カルジオリピン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール、およびこれらの混合物等を挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、ショ糖の水酸基の1つ以上に炭素数が各々6〜22の脂肪酸がエステル化したものが挙げられ、例えば、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル等を挙げることができる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、ソルビタン類の水酸基の1つ以上に炭素数が各々6〜18の脂肪酸がエステル化したものが挙げられ、例えば、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等を挙げることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、重合度が2から10のポリグリセリンを主成分とするポリグリセリンに、ポリグリセリンの水酸基の1つ以上に炭素数が各々6〜22の脂肪酸がエステル化したものが挙げられる。具体的には、例えば、ヘキサグリセリンモノカプリル酸エステル、ヘキサグリセリンジカプリル酸エステル、デカグリセリンモノカプリル酸エステル、トリグリセリンモノラウリン酸エステル、テトラグリセリンモノラウリン酸エステル、ペンタグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、トリグリセリンモノミリスチン酸エステル、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル、ペンタグリセリントリミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、ジグリセリンモノオレイン酸エステル、トリグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、ペンタグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、トリグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル、ペンタグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンジステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル等が挙げられる。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリグリセリンの平均重合度が2〜10、ポリリシノレイン酸の平均縮合度(リシノレイン酸の縮合数の平均)が2〜4であるものが挙げられ、例えば、テトラグリセリン縮合シシノレイン酸エステル、ペンタグリセリン縮合シシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合シシノレイン酸エステル等が挙げられる。
ポリエチレングリコールの誘導体としてはポリエチレングリコールの脂肪酸エステルや油脂との反応物が挙げられる。
言うまでもなく、ここで示した界面活性剤は2種以上を合わせて使用することもできる。
組成物中における補酵素Qの分散性の点から、界面活性剤の含有量は、還元型補酵素Q100重量部に対して、通常0.001〜100000重量部、好ましくは0.01〜10000重量部、さらに好ましくは0.1〜1000重量部、特に好ましくは1〜100重量部である。
<用途>
本発明の組成物は、還元型補酵素Q、ビタミン類およびミネラル類を含有しており、補酵素Q、ビタミン類、およびミネラル類などの成分の体内の不足を解消又は軽減する効果を期待して、日常的に摂取する他、補酵素Q欠乏性疾患、ミネラル類欠乏性疾患、またはビタミン類欠乏性疾患などに対する予防および/または治療剤としても使用できる。さらには、ミネラル類として鉄類を添加することにより鉄欠乏性貧血の予防および/または治療剤としても使用できる。
本発明にかかる組成物は、例えば、医薬品、医薬部外品、食品(一般の食品、機能性食品を含む)、飼料、餌料、化粧料、皮膚用剤として使用することができる。ここで言う機能性食品とは、健康食品、栄養補助食品、サプリメント、栄養食品等、健康の維持あるいは食事に代わり栄養補給の目的で摂取する食品を意味している。
本発明にかかる組成物の具体的な形態は特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜選択して使用され、錠剤、散剤、チュアブル錠、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、徐放製剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口剤、注射剤、坐剤、塗布剤、貼付剤等の非経口剤が挙げられるが、還元型補酵素Qは優れた経口吸収性を有することから特に経口剤の形態が好ましい。また本発明にかかる組成物は水溶液の形態において優れた乳化安定性を有することより、水溶液の組成物に適しており、例えば、水溶液の形態を経て調製される組成物、水溶液の形態で保存される組成物、または水溶液の形態で投与される組成物の態様に適している。本発明において水溶液の形態とは、還元型補酵素Qが水または水性溶液に均一に乳化、分散、可溶化されている状態であれば特に限定されず、いわゆるエマルジョン(水中油型乳化組成物)、ナノ乳化組成物、リポソーム水溶液なども含まれる。また、グリセリンなどの親水性溶媒、糖、糖アルコール、カゼイン、デキストリン、カルメロースナトリウム(CMCナトリウム)、アラビアガム等の可溶化助剤を使用して、還元型補酵素Qを水溶化したものであってもよい。
調製される組成物は、さらに、薬剤学的に許容されうる他の製剤素材を含有してもよい。含有しうる製剤素材としては、例えば、着色剤、乳化剤、緊張化剤、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、矯臭剤、安定化剤、賦形剤等が挙げられる。さらに用途に即して他の有効成分、例えば薬剤、栄養補助剤などを含有しても良い。これらの製剤素材は、常法により適宜調製される。
調製される組成物においては、製剤素材を選定することにより、機能性を変化させることが可能である。例えば、シロップ剤、水易溶性機能を付加させた即溶性粉末、塑性変形能を有した直接打錠可能な粉末、チュアブル錠、これらの機能を複合させた用事溶解型の錠剤、発泡錠の調製用原料として提供されうる。また、ジュース、スープ、ゼリー、プリン等の燕下障害者用食品として提供されうる。
化粧料の場合その剤型は特に限定されないが、その具体例としては、ローションなどの可溶化系、クリームや乳液などの乳化系、カラミンローション等の分散系、噴射剤と共に充填したエアゾール、軟膏剤、粉末、顆粒等が挙げられる。化粧料の具体例としては、ローション、乳液、クリーム、オイル、パックボディーソープまたは浴用剤等が挙げられ、毛髪に適用することも可能であることから、シャンプー、リンス、ヘアートニック、ヘアーリキッド等が挙げられる。
本発明によると、上述のような利用形態において、還元型補酵素Q、ミネラル類およびビタミン類を含有する組成物を安定的に提供可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
還元型補酵素Q10粉末(補酵素Q10全体に対する還元型補酵素Q10の割合が98重量%)を20mgと、界面活性剤としてLABRASOL(GATTEFOSSE社製;ポリエチレングリコール誘導体)2mLを混合し、40℃で攪拌、可溶化し、10mg/mLの還元型補酵素Q10溶液を調製した。調製した還元型補酵素Q10含有溶液を1mLずつ2つの試験管に分取した。この2つの試験管の一方にはアスコルビン酸(和光純薬工業(株))を蒸留水に溶解させた20mg/mLのアスコルビン酸水溶液を加え9mLにメスアップした。2つの試験管の他方には蒸留水のみを加え9mLとした。これら2つの溶液それぞれに塩化第二鉄(半井化学)を1mg/mL含む水溶液を1mL加え、十分に攪拌、混合させ還元型補酵素Q含有水溶液(検体番号1:還元型補酵素の終濃度は1mg/mL、塩化第二鉄の終濃度は0.1mg/mL、アスコルビンの終濃度は16mg/mL、検体番号2:還元型補酵素の終濃度は1mg/mL、塩化第二鉄の終濃度は0.1mg/mL)を調製した。その後、2つの水溶液(検体番号1および2)を室温にて放置し、水溶液の状態を調製日当日(Day0)および翌日(Day1)に以下のように肉眼で評価した。結果を表1に示す。
○:安定である。水溶液中に微粒子、分離、沈殿の何れも認められず、透明である。
×:不安定である。水溶液中に微粒子、沈殿、および/または分離が認められる。
Figure 2009057302
その結果、表1に示す通り、水溶液調製当日は、検体番号1および2のいずれの水溶液も透明で良好な水溶化状態が認められた。しかし、水溶液調製翌日には、アスコルビン酸を含まない水溶液(検体番号2)では、エマルジョンが崩壊して微粒子が沈殿し、乳化状態が不安定となった。一方、水溶液中にアスコルビン酸を含む場合では、沈殿は認められず、透明で安定な乳化状態が保たれていた。よって、鉄類の存在下で還元型補酵素Q10含有水溶液の乳化状態は不安定化されるが、さらにアスコルビン酸を添加することで還元型補酵素Q10含有組成物が安定化されることが明らかとなった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、最終濃度として表2に示した還元型補酵素Q10、塩化第二鉄、およびアスコルビン酸を含有する水溶液(検体番号3〜12)を調製した。その後、検体番号3〜12の水溶液を室温にて放置し、水溶液の状態を調製日当日(Day0)から14日目(Day14)まで以下のように肉眼で評価した。結果を表2に示す。
○:安定である。水溶液中に微粒子、分離、沈殿の何れも認められず、透明である。
×:不安定である。水溶液中に微粒子、沈殿、および/または分離が認められる。
Figure 2009057302
その結果、表2に示す通り、塩化第二鉄の濃度が還元型補酵素Qの濃度より低い条件下(検体番号4,5,7,8,10,11)では、アスコルビン酸の添加によりその濃度に関わらず水溶液は安定であった。また塩化第二鉄の濃度が還元型補酵素Q10の濃度と同じ条件下(検体番号3,6,9)の場合でも、アスコルビン酸を塩化第二鉄の過剰量添加することで(検体番号3)、水溶液は安定であることが分かった。
本発明の組成物は、還元型補酵素Q、ミネラル類およびビタミン類を含有するものであり、医薬品、医薬部外品、食品、飼料または餌料、化粧料または皮膚用剤として有用である。

Claims (15)

  1. 下記式(1):
    Figure 2009057302
    (式中、nは1〜12の整数を表す)で表される還元型補酵素Q、ミネラル類およびビタミン類を含有する組成物であって、
    前記ビタミン類の含有重量が前記ミネラル類の含有重量の2倍以上であるか、または、前記ミネラル類の含有重量が前記還元型補酵素Qの含有重量の半分以下であることを特徴とする組成物。
  2. 前記還元型補酵素Qが前記式(1)(式中、nは10)で表される還元型補酵素Q10である請求項1に記載の組成物。
  3. 組成物中の前記還元型補酵素Qの含有量が0.0001〜50重量%である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記ミネラル類が、鉄、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、セレン、リン、ナトリウム、カリウム、銅、マンガン、コバルト、ケイ素、アルミニウム、ヨウ素、クロム、モリブデン、およびこれらの塩類からなる群より選択される1種以上である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記鉄またはその塩類が、塩化第二鉄、クエン酸鉄、ピロリン酸第二鉄、乳酸鉄、またはヘム鉄である請求項4に記載の組成物。
  6. 前記ビタミン類が、β−カロチン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビオチン、パントテン酸、ビタミンE、葉酸、ナイアシン、これらの塩類、およびこれらの誘導体からなる群より選択される1種以上である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. さらに有機酸を含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記有機酸を、前記還元型補酵素Q100重量部に対して3〜100重量部含有する請求項7に記載の組成物。
  9. さらに界面活性剤を含有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 医薬品または医薬部外品である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 食品である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 飼料または餌料である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 化粧料または皮膚用剤である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 錠剤、散剤、チュアブル錠、丸剤、またはカプセル剤に加工された請求項1乃至12のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 水溶液である請求項1乃至13のいずれか1項に記載の組成物。
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