JP2009057120A - 用紙搬送装置、用紙供給装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙の搬送回転体を実態に応じた正確又は適切な周速度で回転させて用紙を予定通りの搬送速度で搬送することができる用紙搬送装置等を提供する。
【解決手段】用紙(9)の表面に接触して回転することによりその用紙を搬送する搬送回転体(41)と、この搬送回転体を所定の周速度で回転させる駆動手段(45、46)と、前記搬送回転体の外径を実測した実測値(d1)を用いて算出される当該搬送回転体の周速度(Vn)に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段(60)を有する。前記搬送回転体の外径の実測値を入力する入力手段(65)を有し、前記制御手段(60)が、この入力手段から入力された実測値を用いて当該搬送回転体の周速度(Vn)を算出する。
【選択図】図3
【解決手段】用紙(9)の表面に接触して回転することによりその用紙を搬送する搬送回転体(41)と、この搬送回転体を所定の周速度で回転させる駆動手段(45、46)と、前記搬送回転体の外径を実測した実測値(d1)を用いて算出される当該搬送回転体の周速度(Vn)に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段(60)を有する。前記搬送回転体の外径の実測値を入力する入力手段(65)を有し、前記制御手段(60)が、この入力手段から入力された実測値を用いて当該搬送回転体の周速度(Vn)を算出する。
【選択図】図3
Description
この発明は、用紙搬送装置並びにそれを用いた用紙供給装置及び画像形成装置に関するものである。
記録用紙、原稿、紙幣等に代表される用紙を1枚ずつ所定の搬送先に搬送する用紙搬送装置としては、用紙の表面に接して回転するロール等の搬送回転体により、その用紙を所定のタイミングで送り出して搬送するものがある。
このような用紙搬送装置においては、用紙の送り出しタイミングがずれて用紙を所望通りのタイミングで搬送することができなくなる現象が発生することがある。
従来においても、長期の使用により、断面半月状の給紙ローラの摩擦係数が低下して給紙ミスが発生することを防止して確実な給紙ができるようにした給紙装置が知られている(特許文献1)。この給紙装置は、給紙ローラとは別に、積み重ねて収容される用紙の最上部の用紙に接触してその用紙の移動量を検出する検出ローラを追加して設けており、また、この検出ローラで検出される用紙の移動量に基づいて給紙ローラと用紙との間のすべりを判定するすべり判定手段と、この判定手段からのすべり情報に応答して給紙ローラと用紙との間の接触状態を変更する給紙変更手段を設けている。その給紙変更手段としては、すべり情報に応答して、給紙ローラを断続的に回動させるもの、給紙ローラの駆動スピードを変更するもの、給紙ローラを用紙に押圧する押圧手段の押圧力を制御するもの等が示されている。
この発明は、用紙の搬送回転体を実態に応じた正確又は適切な周速度で回転させて用紙を予定通りの搬送速度で搬送することができる用紙搬送装置を提供するとともに、その用紙搬送装置を用いた用紙供給装置及び画像形成装置を提供するものである。
この発明の用紙搬送装置(A1)は、用紙の表面に接触して回転することによりその用紙を搬送する搬送回転体と、この搬送回転体を所定の周速度で回転させる駆動手段と、前記搬送回転体の外径を実測した実測値を用いて算出される当該搬送回転体の周速度に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段を有するものである。
この発明の用紙搬送装置(A2)は、上記用紙搬送装置(A1)において、前記搬送回転体の外径の実測値を入力する入力手段を有し、前記制御手段が、この入力手段から入力された実測値を用いて当該搬送回転体の周速度を算出するものである。
この発明の用紙搬送装置(A3)は、上記用紙搬送装置(A1又はA2)において、前記制御手段が、前記搬送回転体の初期設定の周速度をVe、当該搬送回転体の外径の初期設定値をde、当該外径の実測値をd1とした場合、当該搬送回転体の周速度(Vn)を式「Vn=(d1/de)×Ve」により算出するものである。
この発明の用紙搬送装置(A4)は、上記用紙搬送装置(A1、A2又はA3)において、前記搬送回転体により搬送される用紙の表面に接触して従動するように回転する従動回転体と、この従動回転体の回転数を検出する検出手段とを有し、前記制御手段が、この検出手段で検出される回転数と前記従動回転体の外径の実測値を用いて用紙の実動搬送速度を算出するとともに、その実動搬送速度と前記搬送回転体の予定搬送速度との差を当該搬送回転体の搬送開始時の滑り量として算出するものである。
この発明の用紙搬送装置(A5)は、上記用紙搬送装置(A4)において、前記従動回転体の外径の実測値を入力する入力手段を有し、前記制御手段が、この入力手段から入力された実測値を用いて用紙の実動搬送速度を算出するものである。
この発明の用紙供給装置(C1)は、積み重ねられた複数枚の用紙を一枚ずつ送り出して搬送する装置が、上記発明A1ないしA5のいずれかの用紙搬送装置で構成されているものである。
この発明の画像形成装置(D1)は、用紙に画像を形成する作像装置と、この作像装置に用紙を搬送する装置の少なくとも一部として上記発明A1ないしA5のいずれかの用紙搬送装置を備えたものである。
また、この発明の用紙搬送装置(B1)は、用紙の表面に接触して回転することによりその用紙を搬送する搬送回転体と、この搬送回転体を所定の周速度で回転させる駆動手段と、この搬送回転体により搬送される用紙の表面に接触して従動するように回転する従動回転体と、この従動回転体の回転数を検出する検出手段と、この検出手段で検出される回転数の最大値を記憶するとともに、その記憶された最大値と当該検出手段で検出される検出値とに基づいて前記搬送回転体の搬送開始時における滑り量を算出する制御手段を有するものである。
この発明の用紙搬送装置(B2)は、上記用紙搬送装置(B1)において、前記制御手段が、所定の時期に、前記従動回転体の回転数の記憶されている最大値の書き換えを行うものである。
この発明の用紙供給装置(C2)は、積み重ねられた複数枚の用紙を一枚ずつ送り出して搬送する装置が、上記発明B1又はB2の用紙搬送装置で構成されているものである。
この発明の画像形成装置(D2)は、用紙に画像を形成する作像装置と、この作像装置に用紙を搬送する装置の少なくとも一部として上記発明B1又はB2の用紙搬送装置を備えたものである。
上記用紙搬送装置(A1)によれば、制御手段で制御される駆動手段により搬送回転体がその外径の実測値を考慮して算出される周速度に基づいて回転するので、例えば、搬送回転体の外径が製造当初の予定値と異なっていることや使用開始後に経時的に変動して異なること等の要因により発生する用紙搬送速度の想定外の異常(予定していた搬送速度でない状態になること)が解消されるようになり、これにより、用紙を予定する正確な搬送速度で搬送することができる。
上記用紙搬送装置(A2)では、搬送回転体の外径の実測値を入力することができるとともに、その実測値を入力すると当該実測値に基づく搬送回転体の周速度が算出されるので、その入力される実測値の情報が考慮又は反映された適正な周速度で搬送回転体を回転させて用紙を正確な搬送速度で搬送することが可能になる。
上記用紙搬送装置(A3)では、搬送回転体の周速度Veが当該回転体の外径の実測値d1を考慮して容易に算出され、その周速度Veに基づいて搬送回転体を回転させて用紙を正確な搬送速度で搬送することができる。
上記用紙搬送装置(A4)では、従動回転体の外径の実測値とその回転数から用紙の実動搬送速度が得られるので、例えば、従動回転体の外径が製造当初の予定値と異なっていることや使用開始後に経時的に変動して異なること等の要因により発生し得る実動搬送速度の検出誤差が解消されるようになり、その実動搬送速度を正確に得ることが可能になる。また、このように実動搬送速度が正確に得られることにより、その実動搬送速度と搬送回転体の予定搬送速度との差に相当する当該搬送回転体の滑り量についても正確に得ることが可能になる。この際、搬送開始時における搬送回転体の用紙との間での滑りに起因して発生する用紙の搬送遅れを解消する必要があれば、制御手段がその得られる滑り速度の情報に基づいて搬送回転体の搬送条件(用紙との接触圧、周速度など)を補正する手段を制御するように構成すればよく、そのような搬送条件の補正を行うように構成した場合には、滑り量そのものが上記したとおり正確であることからその補正も正確に行われることとなる。
上記用紙供給装置(C1)では、積み重ねられた用紙が用紙搬送装置により一枚ずつ正確な搬送速度で搬送されるようになり、これにより、その用紙の供給先に対して正確なタイミングで搬送して供給することができる。
上記画像形成装置(D1)では、用紙が用紙搬送装置により正確な搬送速度で作像装置にむけて搬送されるようになり、これにより、その作像装置に用紙が正確なタイミングで供給されるとともに、その用紙に予定通りのタイミングで画像の形成を行いやすくなる。
上記用紙搬送装置(B1)によれば、従動回転体の回転数の最大値を基準にして、その最大値とその後に検出される当該従動回転体の回転数とに基づいて搬送回転体の滑り量が算出されるので、その滑り量を搬送回転体の搬送性能の実態に合わせて適切に得る(把握する)ことができる。この際、搬送開始時における搬送回転体の用紙との間の滑りに起因して発生する用紙の搬送遅れを解消する必要があれば、制御手段がその得られる滑り率の情報に基づいて搬送回転体の搬送条件(用紙との接触圧、周速度など)を補正する手段を制御するように構成すればよい。そのような搬送条件の補正を行うように構成した場合には、滑り率が上記したとおり搬送回転体の搬送性能の実態に合った適切なものであることから、その補正も実態に適合した適切な内容で行うことが可能になる。
上記用紙搬送装置(B2)では、所定の時期に従動回転体の記憶する回転数の最大値が書き換えられるので、例えば、搬送回転体と従動回転体の一方又は双方と用紙との間の状態が変動しても、その書き換えられた後の回転数の最大値を基準にして改めて滑り量が算出されることとなり、この結果、その滑り量が搬送回転体の搬送性能の実態に常に適合した適切なものとして得られるようになる。
上記用紙供給装置(C2)では、用紙搬送装置において搬送回転体の搬送性能の実態に合わせて算出される滑り量に基づいて当該搬送回転体の搬送条件を補正すれば、積み重ねられた用紙が一枚ずつその用紙搬送装置により適切な搬送速度で搬送されるようになり、その用紙を供給先に対して正確なタイミングで搬送して供給することができる。
上記画像形成装置(D2)によれば、用紙搬送装置において搬送回転体の搬送性能の実態に合わせて算出される滑り量に基づいて当該搬送回転体の搬送条件を補正すれば、作像装置にむけて用紙が用紙搬送装置により適切な搬送速度で搬送されるようになり、その用紙を作像装置に対して適切なタイミングで供給できるとともに、その用紙に予定通りのタイミングで画像の形成を行うことができる。
[第1の実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態に係る給紙装置を適用した画像形成装置の構成を示している。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る給紙装置を適用した画像形成装置の構成を示している。
この画像形成装置1は、図1に示すように、図示しない筐体の内部に、画像情報に基づくトナー像を形成するとともにそのトナー像を最終的にシート状の用紙9に転写する作像装置10と、そのトナー像が転写された用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置20と、作像装置10に用紙9を搬送して供給する給紙装置30とが主に装備されている。図中の符合25は画像形成装置1の各構成部品の動作等について総括的に制御する制御装置であり、矢付き一点鎖線は用紙9の主な搬送経路を示す。
作像装置10は、例えば公知の電子写真方式を利用してトナー像を形成して転写することができるものである。具体的には、矢印方向に回転する円筒形態等の感光体12を備えており、この感光体12の周囲に、感光体12の表面(像保持面)を帯電させる帯電装置13と、帯電後の感光体12の表面に画像情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置14と、その感光体12上の潜像に現像剤としてのトナーを付着させてトナー像として顕像化する現像装置15と、そのトナー像を給紙装置30から供給される用紙9に転写する転写装置16と、転写後の感光体12の表面に残留するトナー等を除去して清掃する清掃装置17が主に配置されている。
露光装置14としては、LEDアレイ、半導体レーザ走査装置等で構成されるものが使用される。この露光装置14には、画像形成装置1に装備又は接続(有線や無線の接続)される画像読取装置、コンピュータ等の外部機器から入力される画像情報について画像の形成時に図示しない画像処理装置で所要の処理をして得られる画像信号が入力されるようになっている。
定着装置20は、筐体21の内部に、所定の温度に加熱されるとともに矢印方向に回転するロール形態、ベルト形態等の加熱回転体22と、この加熱回転体22の軸線方向にほぼ沿うように所定の圧力で接触するロール形態、ベルト形態、パッド形態等の加圧部材23とを備えたものである。この定着装置20による定着は、その加熱回転体22と加圧部材23との間に形成される圧接部に、未定着のトナー像が転写された用紙9を導入して通過させてトナー像等を加熱及び加圧することにより行われる。
給紙装置30は、作像装置10に供給すべき複数枚の所定サイズの用紙9を積み重ねた状態で支持板32上に収容する箱状の収容カセット31と、この収容カセット31に収容される用紙9を1枚ずつ送り出して搬送する送出装置4とを主に備えたものである。収容カセット31は、必要により複数装備される。
給紙装置30における送出装置4は、図1〜図3に示すように、送出ロール41と搬送ロール42と分離ロール43を主に備えている。送出ロール41は、収容カセット31に積み重ねられている用紙9の束のうち最上の用紙9の表面に接離可能に接触して矢印方向に回転することによりその用紙9を送り出すロールである。搬送ロール42は、送出ロール41により送り出された用紙9に接触して回転することによりその用紙9を搬送するロールである。分離ロール43は、搬送ロール42と接触して搬送ロール42と追従して用紙9の搬送方向Aに回転したり、あるいは、用紙の搬送方向への回転が制動させるか若しくは搬送方向と反対の方向に回転することにより、搬送ロール41で複数枚の用紙9が重なって送り出された重送部分の用紙(最上の用紙以外の用紙)9を少なくとも最上の用紙とそれ以外の用紙とを分離するためのロールである。
送出ロール41は、搬送ロール42の回転軸42aに対して矢印C,D方向に回転自在に支持される揺動支持部材44の先端(自由)部に回転可能に取り付けられている。また、搬送ロール42は、モータ45の回転動力により所定の周速度で回転させられるようになっている。さらに、搬送ロール42の回転は、ギヤ列、ベルト等の動力伝達機構46により送出ロール41にも伝達されるようになっている。この場合、送出ロール41と搬送ロール42とは同じ周速度で回転するように設定されているが、必要に応じて少し異ならせた周速度で回転するように設定することも可能である。
図中の符合47は、揺動支持部材44の矢印C,D方向への揺動を実現するソレノイド、カム機構等の揺動駆動装置である。この揺動駆動装置47は、給紙時に、揺動支持部材44を下降させるように矢印C方向に揺動させ、これにより送出ロール41を最上の用紙9に接触させた状態にする。非給紙時には、揺動支持部材44を上昇させるように矢印D方向に揺動させ、これにより送出ロール41を最上の用紙9から離間させた状態にする。また、符合48は搬送ロール42により送り出された用紙9の先端部及び後端部の通過を検知するための用紙検知センサ、符合49はモータ45の駆動軸45aと搬送ロール42の回転軸42aとを連結する連結部材である。さらに、符合60は送出装置4を含む給紙装置30における各動作を制御プログラムに従って制御する制御装置であり、この制御装置60は演算処理装置、記憶手段等で構成される。この制御装置60は、単独のものとして構成する場合に限らず、画像形成装置の制御装置25の一部として構成してもよい。
また、給紙装置30は、用紙9を収容カセット31から作像装置10の転写部(感光体12と転写装置16の間)まで搬送するための複数の用紙搬送ロール対33,34,35,…や搬送案内材等で構成される用紙搬送路と接続されている。用紙搬送ロール対33は、搬送される用紙9の先端部を一時的に停止させた後、所定の送り出しタイミングが到来した時点で送り出すための搬送時期調整ロール対として構成されている。用紙搬送路は、作像装置10と定着装置30の間や、定着装置30と排紙部(トレイなど)39の間にも設置されている。例えば定着装置30の用紙排出側には、定着後の用紙9を排紙部39に排出搬送するための排出ロール対36が設置されている。
この画像形成装置1による基本的な画像形成は、以下のように行われる。
制御装置25が画像形成の開始指令(信号)を受けると、制御装置25の画像形成に関係する制御動作が開始される。これにより、作像装置10では感光体12が回転し始める。続いて、回転する感光体12の表面が帯電装置13により所定の帯電電位に帯電された後、その帯電された感光体12の表面に画像信号に基づいて動作する露光装置14から光が照射されて所定の潜像電位からなる静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像が感光体12の回転に伴って移動して現像装置15を通過する際に、その現像装置15から供給されるトナーにより現像されてトナー像となる。
しかる後、その感光体12上のトナー像が、転写装置16と対向する転写部において、給紙装置30から送り出されて搬送される用紙9に静電的に転写される。トナー像の転写が終了した後の感光体12は、その表面が清掃装置17によって清掃される。
このときの用紙9の供給は、次のようにして行われる。すなわち、給紙時になると、最初に送出装置4における揺動支持部材44が下降して送出ロール41を収容カセット31内にある最上の用紙9に接触させた状態にした後、モータ45の駆動により送出ロール41を搬送ロール42と共に回転させ始める。これにより、収容カセット31内の用紙9は、まず、回転する送出ロール41の搬送力により送り出されて搬送ロール42と分離ロール43の間に送り込まれるように搬送される。続いて、この送り込まれた用紙9は、そのロール間を通過する際に分離ロール43による分離作用を受けることで最上の用紙だけが分離されて用紙搬送路に送り出される。また、その搬送路に送り出された用紙9の先端部の到達が用紙検知センサ48で検知されると、揺動支持部材44が上昇して送出ロール41を収容カセット31内の最上の用紙9から離間させた状態にする。このようにして用紙搬送路に送り出された用紙9は、その搬送路内で用紙搬送ロール対による搬送力により搬送されて進み、最終的に、回転を停止している搬送時期調整ロール対35で一旦停止させられた後、その調整ロール対35の回転始動により所定の送り出しタイミングで送り出されて転写部に送り込まれる。
上記転写部でトナー像が転写された後の用紙9は、定着装置20に導入されるように搬送され、定着温度に加熱保持された加熱回転体22と加圧部材23との間の接触部を通過させられる。これによりトナー像が用紙9に定着される。この定着後の用紙9は、排出ロール対36の搬送力により排紙路を通して排紙部39に排出され、その排紙部39上に積載されるような状態で収容される。これにより、用紙1枚に対する基本的な画像形成が終了する。また、複数枚の画像形成の指示がある場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に連続して繰り返される。この際、給紙装置30からは用紙9が連続して送り出されて転写部に供給されることになる。
また、この画像形成装置1においては、給紙装置30の送出装置4による用紙9の適切な送り出しを可能にし、ひいてはその用紙9に対するトナー像の転写等の動作を正確なタイミングで実行できるようにするため、次のような構成を採用している。
送出装置4は、図3に示すように、制御装置60により、送出ロール41の外径(ロールの直径)を実測した実測値d1を用いて算出される送出ロール41の周速度Vnに基づいて送出ロール41(この例では搬送ロール42も含む)が回転するようにモータ45の動作が制御される構成になっている。また、送出ロール41の外径の実測値d1を入力するための入力装置65が設けられており、その入力装置65から入力された実測値d1の情報が制御装置40に送られるようになっている。
入力装置65は、画像形成装置1に一般に装備される、入力キー、表示部などを備えた操作パネルに含まれる入力部を兼用して構成されるが、必要であれば、その実測値を専用に入力する装置として構成しても構わない。また、画像形成装置と接続される機器との間の通信を行う手段を介して実測値の入力情報を制御装置60に認識させるように構成してもよい。実測値d1の入力は、通常、製造関係者やサービスエンジニア等によって行われるが、必要であれば、画像形成装置1の一般利用者によって行うよう構成してもよい。また、実測値d1を入力する時期は、画像形成装置の工場出荷前における最終調整作業時や、サービスエンジニアによる点検作業時であるが、これ以外の時期であってもよい。出荷前の最終調整作業時に行った場合には、送出ロール41の製造時に予定していた外径の公差などによる装置単体ごとの搬送速度のバラツキを修正することができる。さらに、送出ロール41の外径の実測は、例えば、レーザ光を照射して測定する測定機(例えばKEYENCE社製:LS3100)を用いて行われる。外径の実測値としては、ロールの外周面の互いに異なる複数の個所で測定して得られる外径の各測定値を平均して最終的に得られる値を適用すればよい。
制御装置60では、図4に示すように、送出ロール41の外径の実測値d1(mm)が入力装置65を介して入力されると(ステップ10:S10)、その実測値d1を用いた周速度Vn(mm/秒)が下記の式(1)により算出され(S11)、その周速度Vnが記憶手段に記憶されて保持される(S12)。この制御装置60による周速度Vnの算出とその記憶保持に関する動作は、送出ロール41の外径の実測値d1がその後に新たに入力されたときに実行されるように構成されている。式中のVe(mm/秒)は送出ロール41の周速度の初期設定値、de(mm)は当初予定している送出ロール41の外径の初期設定値である。この算出式(1)や式中の初期設定値Veは、制御装置60の記憶手段にあらかじめ記憶して格納されている。
Vn=(d1/de)×Ve …(1)
Vn=(d1/de)×Ve …(1)
この周速度Vnに基づくモータ45の動作に関する制御は、モータ45としてステッピングモータを使用する場合には、その周速度Vnが初期設定値Veとなるようにするための入力パスル数を換算し、その得られた入力パスル数でステッピングモータを回転駆動させることで行われる。この場合、送出ロール41の周速度と搬送ロール42の周速度は、同じ周速度となるように設定される(実際には動力伝達機構46により調整される)が、一定の比率で異なる関係に設定したものであってもよい。周速度Vnは、次の実測値d1の入力が行われるまでは制御装置60の記憶手段に記憶されて保存される。また、送出ロール41の周速度Vnに基づく送出ロール41の回転に関する制御装置60の制御は、新たな周速度Vnが算出及び記憶された場合、その新たな周速度Vnに基づいて行われる。
このような構成の給紙装置30では、送出装置4に実際に取り付けられている送出ロール41の外径の実測値d1が入力された後は、その実測値d1に基づいて算出される周速度Vnで送出ロール41が回転させられるようになる。このため、例えば、送出ロール41の外径が製造当初の予定値と異なっていることや、使用により経時的に変動して異なること等があっても、その外径が異なっていることに起因して発生する用紙搬送速度の想定外の異常が解消されるようになるので、用紙9を予定する正確な搬送速度で用紙搬送路に送り出して搬送することができる。また、このようにして用紙9が用紙搬送路に正確な搬送速度で搬送されることにより、その後に搬送時期調整ロール対35によって転写部に送り込まれる搬送も予定通りのタイミングで実行されるようになる。
ここで一例(具体例1)を挙げると、送出ロール41の外径の初期設定値deをde=20.0mm、そのロール41の周速度の初期設定値VeをVe=300.0mm/秒と予定した画像形成装置1(送出装置4、給紙装置30)を製造したところ、その新品の使用開始前における送出ロール41の外径の実測値d1はd1=19.8mm、d1=20.2mm等であった。この場合、その送出ロール41の実際の周速度Vnは、前記式(1)より、Vn=(20.0/19.8)×300.0≒303.0(mm/秒)と補正されるか、あるいは、Vn=(20.0/20.2)×300.0≒297.0(mm/秒)と補正されることになる。
また、給紙装置30の送出装置4では、送出ロール41による用紙9の送り出し開始時においてそのロール41が用紙9に対して滑ることにより発生する用紙の搬送遅れを解消するため、送出ロール41の搬送開始時の滑り量を検出するとともに、その検出情報に基づいて揺動駆動装置46の昇降動作(移動量)を制御装置60で制御することにより、送出ロール41の用紙9に対する接触圧(荷重)を調整するように構成されている。
具体的には、送出装置4においては、送出ロール41の搬送開始時における滑り量を検出するために、図2や図3等に示すように、送出ロール41により送り出されるときの(最上の)用紙9の表面に接触してその用紙9の送り出しによる移動に追従して回転する検知ロール51を設置し、また、検知ロール51の軸51aにそのロール51の回転数を検出するためのロータリエンコーダ52を取り付けている。このような送出装置4では、必要に応じて、送出ロール41の軸41aにそのロール41の実際の回転数(回転速度)を検出するためのロータリエンコーダ55を取り付けてもよい。
ロータリエンコーダ52、55は、その検出情報を制御装置60に送信できるように制御装置60と接続されている。ロータリエンコーダ52では、回転角度を検出した後にその情報から回転数(rpm:revolutions per minute)を換算して検出するようになっている。この回転数は、所定の時間(例えば、送出ロール41で送り出された用紙9の先端部が搬送ロール42(分離ロール43との接触部)に到達するまでに要する予測所要時間)内で検出される。
また、制御装置60では、送出ロール41による用紙の搬送開始時になると、図5に示すように、ロータリエンコーダ52によって送出ロール41の搬送開始時の回転数q2が検出され(S20)、その検出情報の回転数q2に基づく送出ロール41による用紙9の実際の搬送速度(実動搬送速度)V1が下記の式(2)により算出される(S21)。上記回転数q2の検出や実動搬送速度V1の算出は、搬送開始時の滑り量(滑り速度)の計測が必要なときに合わせて行われる。また、その滑り量の計測については、1枚の用紙の搬送時ごとに行うか、あるいは、予め設定した時期(例えば、用紙搬送のジョブが変更になった時期、用紙収容する収容カセットが抜き差しされた時期など)だけ行う。式中のdkは前記検出ロール51の外径の初期設定値、πは円周率である。
V1=(dk×π×q2)/60 …(2)
V1=(dk×π×q2)/60 …(2)
続いて、制御装置60では、下記の式(3)として示すように、その実動搬送速度V1と送出ロール41による用紙9の予定している搬送速度(予定搬送速度)Veとの差(Ve−V1)を求め、それを送出ロール41の搬送開始時の滑り量(滑り速度)Vsとして算出する(S22)。式中のq1は、当初予定している送出ロール41の回転数の初期設定値である。また、予定搬送速度Veについては、送出ロール41の外径の実測値d1が入力された後は、その外径の初期値deに代えて実測値d1を適用して算出される。
Vs=Ve−V1 …(3)
=[(de×π×q1)/60]−[(dk×π×q2)/60]
=(de×q1−dk×q2)×(π/60)
Vs=Ve−V1 …(3)
=[(de×π×q1)/60]−[(dk×π×q2)/60]
=(de×q1−dk×q2)×(π/60)
そして、制御装置60は、算出される滑り量Vsの情報に応じて揺動駆動装置46による揺動支持部材44の矢印C方向への移動量をその移動量の初期設定値に対して必要な量だけ補正することにより、送出ロール41の用紙9に対する接触圧を調整する。
このときの送出ロール41の接触圧の調整は、算出された滑り量Vsが予め設定した閾値を超える大きい値のときに、揺動支持部材44の移動量を一定の量だけ補正するようにすればよいが、必要であれば、滑り量Vsの値に応じてその移動量を複数の段階で細かく補正するように構成することもできる。ただし、この接触圧の調整は、滑り量Vsがほぼゼロの値であるときには不要である。この接触圧の具体的な調整は、滑り量Vsが正(プラス)の値であるときには上記移動量を初期設定値よりも増加させる方向に調整して送出ロール41の接触圧を増加させる。
また、この接触圧に関する制御(実行時期)は、滑り量Vsの検出情報を得たときの一連(1ジョブ)の用紙送り出し動作がすべて終了した後、その次に実行される後続の用紙送り出し動作時に行えばよい。必要であれば、その検出情報を得たときの送出ロール41による用紙送り出し動作が終了し、その直後に連続して行われる次の用紙送り出し動作時に制御するように構成してもよい。
滑り速度Vsの検出結果に応じて送出ロール41の接触圧の調整が行われた場合は、送出ロール41が用紙9に対して平常時よりも強く圧接するため、その送出ロール41の搬送力が高められる。これにより、送出ロール41の搬送開始時における用紙の搬送遅れが低減される。
ここで一例(具体例2)を挙げる。前記した一例(具体例1)の条件(de=20.0mm、Ve=300.0mm/秒)のもとで、送出ロール41の回転数の初期設定値q1をq1=286.7rpmとし、検出ロール51としてその外径の初期設定値dkがdk=10.0mmであるものを適用した場合において用紙9の送出搬送を行ったところ、検出ロール51の回転数q2の検出値がq2≒550rpmであった。このときの滑り速度Vsは、前記式(3)と示したVs=Ve−V1=[(de×π×q1)/60]−[(dk×π×q2)/60]より、Vs=(20.0×π×286.7)/60−(10.0×π×550)/60=12.2(mm/秒)であった。
また、送出ロール41の接触圧の調整は、送出ロール41の外径の実測値d1を入力した後は、予定搬送速度Veについても必要な調整が行われて一定に保たれる。即ち、実測値d1の入力により、予定搬送速度Veの算出式中の初期設定値deが実測値d1に変更されるが、この変更に伴いVeが初期設定の値と同じ値に保たれるようにするため回転数の初期設定値q1も調整される(q1´:調整後の初期設定値)。これにより、その予定搬送速度Veを用いて算出される下記の滑り速度Vs(=Ve−V1)も適切な値として得られるようになる。この結果、その滑り速度Vsに基づいて最終的に実行される送出ロール41の接触圧の調整も適切に行われることとなる。このことによっても、送出ロール41の搬送開始時における用紙の搬送遅れが適切に低減されるようになる。
Ve=(d1×π×q1´)/60
Vs=Ve−V1
=[(d1×π×q1´)/60]−[(dk×π×q2)/60]
=(d1×q1´−dk×q2)×(π/60)
Ve=(d1×π×q1´)/60
Vs=Ve−V1
=[(d1×π×q1´)/60]−[(dk×π×q2)/60]
=(d1×q1´−dk×q2)×(π/60)
以上のような送出装置4を有する給紙装置30が装備された画像形成装置1においては、給紙装置30の収容カセット31に収容されている用紙9を、送出装置4により予定する正確な搬送速度で送り出することができる。そして、例えば高速で連続した給紙が行われることがあっても、その送出装置4による用紙9の連続した送り出しが正確に行われ、その転写部にも正確なタイミング(及び間隔で)で用紙が連続して搬送されるようになり、その結果として、用紙の所定の位置にトナー像を正確に転写させることができ、良好な画像形成を安定して行うことが可能になる。
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態においては、図6に示すように、送出装置4における検出ロール51の外径の実測値d2を入力し、給紙装置30の制御装置60においてその入力された実測値d2を用いて上記滑り量(滑り速度)Vsの算出を行うように構成することができる。
第1の実施形態においては、図6に示すように、送出装置4における検出ロール51の外径の実測値d2を入力し、給紙装置30の制御装置60においてその入力された実測値d2を用いて上記滑り量(滑り速度)Vsの算出を行うように構成することができる。
この場合、検出ロール51の外径の実測値d2は、前記した搬送ロール41の外径の実測値d1の場合と同様に、入力装置65から入力するように構成する。また、この実測値d2の入力時期、入力者、測定手段等については、搬送ロール41の外径の実測値d1の場合と同様に扱うことができる。このうち実測値d2の入力時期は、例えば画像形成の累積枚数が所定枚数に到達した時期に、その入力を促すようなメッセージなどの表示を入力装置65の表示部で行うように構成してもよい。この実測値d2が入力されたときは、その初期設定値の外径dkがその実測値d2に書き換えられることになる。
そして、図6に示すように、検出ロール51の外径の実測値d2が入力されると(ステップ30:S30)、ロータリエンコーダ52により検出ロール51の回転数q2が検出され、その検知情報に基づいて制御装置60により検出ロール51の実動搬送速度V1の算出が行われる(S31〜S32)。この際、実動搬送速度V1の算出に際しては、それを算出するための前記した算出式(2)が下記の式(4)に変更されて適用される。算出式(4)は、検出ロール51の外径が式(2)における初期設定値dkから入力された実測値d2に書き換えられる点で算出式(2)と異なる。
V1=(d2×π×q2)/60 …(4)
V1=(d2×π×q2)/60 …(4)
これにより、用紙9の実動搬送速度V1が検出ロール51の外径の実測値d2とその回転数rp2を用いて検出されることになるので、例えば、検出ロール51の外径が製造当初の予定値と異なっていること、実際の使用により次第に変動して異なっていること等の要因の影響を受けて実動搬送速度V1の検出結果に誤差が生じることが少なくなり、その実動搬送速度V1が正確に得られるようになる。この結果、その実動搬送速度V1を含めて求められる送出ロール41の前記滑り量Vsも正確に得られるようになる(S33)。このときの滑り量Vsの算出式を下記に示す。
Vs=Ve−V1
=[(de×π×q1)/60]−[(d2×π×q2)/60]
=(de×q1−d2×q2)×(π/60)
Vs=Ve−V1
=[(de×π×q1)/60]−[(d2×π×q2)/60]
=(de×q1−d2×q2)×(π/60)
この結果、その滑り量Vsの検出結果に応じて行う送出ロール41の接触圧の調整も正確に行われるようになり、最終的に、送出ロール41の搬送開始時における搬送の遅れを適切に低減できるようになる。
この場合も、送出ロール41の外径の実測値d1を入力した後は、予定搬送速度Veが前記した場合と同様に実測値d1に応じて回転数の初期設定値q1も調整されて初期通りの値に保たれるので、その予定搬送速度Veを用いて算出される滑り量Vsも適切な値として得られることとなる。このときの滑り量Vsの算出式を下記に示す。このため、このことによっても、その滑り量Vsに基づいて最終的に行われる送出ロール41の接触圧の調整がより適切に行われるので、送出ロール41の搬送開始時における搬送の遅れをより適切に低減できるようになる。
Vs=Ve−V1
=[(d1×π×q1´)/60]−[(d2×π×q2)/60]
=(d1×q1´−d2×q2)×(π/60)
Vs=Ve−V1
=[(d1×π×q1´)/60]−[(d2×π×q2)/60]
=(d1×q1´−d2×q2)×(π/60)
ここで一例(具体例3)を挙げる。初めに前記した一例(具体例2)の条件(de=20.0mm、Ve=300.0mm/秒、q1=286.7rpm、dk=10.0mm)に設定した画像形成装置1(送出装置4、給紙装置30)において、その新品の使用開始前における送出ロール41の外径の実測値d1がd1=19.8mmであれば、送出ロール41の回転速度を286.7×(20/19.8)=289.6(mm/秒)に変更して、予定搬送速度(Ve=300.0mm/秒)で送り出すようにする。また、検出ロール51の外径の実測値d2がd2=9.8mm等であった。このときの実測値d1、d2の双方を滑り量Vsの算出式に入力した。次に、その条件下で用紙9の送出搬送を行ったところ、検出ロール51の回転数m2の検出値がm2≒550rpmであった。このときの滑り速度Vsは、Vs=Ve−V1=[(de×π×q1)/60]−[(dk×π×q2)/60]より、Vs=(19.8×π×289.6)/60−(9.8×π×550)/60≒18(mm/秒)であった。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る画像形成装置は、給紙装置30における送出装置4の送出ロール41の滑り量である滑り速度Vsに代えて、その送出ロール41の滑り率Rsを滑り量として算出し、その滑り率Rsに基づいて送出ロール41の用紙9に対する接触圧を必要に応じて調整するように制御装置60を変更した以外は第1の実施形態の画像形成装置1と同じ構成のものである。
第2の実施形態に係る画像形成装置は、給紙装置30における送出装置4の送出ロール41の滑り量である滑り速度Vsに代えて、その送出ロール41の滑り率Rsを滑り量として算出し、その滑り率Rsに基づいて送出ロール41の用紙9に対する接触圧を必要に応じて調整するように制御装置60を変更した以外は第1の実施形態の画像形成装置1と同じ構成のものである。
上記給紙装置30における制御装置60は、後述するようにロータリエンコーダ52により検出される検出ロール51の回転数q2の最大値q2を記憶手段に記憶しておき、その後、図7に示すように、ロータリエンコーダ52により検出される送出ロール51の(最新の)回転数q2とその記憶されている回転数q2の最大値(q2M)とに基づいて(S40〜41)、下記の式(5)で示すような送出ロール41の搬送開始時における滑り率Rsを算出する(S42)。
Rs(%)=(1−q2/q2M)×100 …(5)
Rs(%)=(1−q2/q2M)×100 …(5)
検出ロール51の回転数q2の最大値q2Mの取得は、図8に示すような手順で行われる。
画像形成装置1の新品を使用開始する段階において給紙装置30による最初の用紙搬送動作を行う時期が到来すると、まず初めに、ロータリエンコーダ52による検出ロール51の回転数q2の検出(検出1)が行われ(S51)、その検出された回転数q2(検出値1)が制御装置60の記憶手段に記憶される(S52)。この際、検出ロール51が回転し始めてからはロータリエンコーダ52において回転数の検出値が連続して行われているが、その検出値のうち制御装置60の取り込み時に存在する検出値が実際に取り込まれて記憶されることになる。
続いて、ロータリエンコーダ52により検出される回転数q2(検出値N)が、記憶されている回転数の最大値q2M(検出値1)よりも大きい値であるか否かが判断され(S53〜54)、大きいと判断された場合には、その後から検出された回転数q2(検出値N)を制御装置60の記憶手段に書き換えて記憶させる(S55)。また、書き換えられた回転数q2(検出値N)よりも、更にその後に検出された回転数q2(検出値N+1)が大きい場合には、その検出値(N)が検出値(N+1)に更新される。以上の手順に従った動作により、最終的に記憶された回転数q2の検出値がその最大値q2Mとなる。
そして、この画像形成装置1では、第1の実施形態の場合と同様に、制御装置60において、制御装置60が、算出される滑り率Rsの情報に応じて揺動駆動装置46における揺動支持部材44の移動量を必要な量だけ補正することにより、送出ロール41の用紙9に対する接触圧を調整する。このときの送出ロール41の接触圧の調整は、第1の実施形態の場合と同様に、算出された滑り率Rsが予め設定した閾値を超える大きい値のときに、揺動支持部材44の移動量を一定の量だけ補正するように行われる。
また、この画像形成装置1においては、使用開始後において予め設定した時期が到来したときに、送出ロール41の回転数の最大値q2Mが書き換えられるように設定されている。この実施形態では、画像形成の累積枚数が所定の枚数に設定することで書き換え動作を実行するようにしている。その累積枚数が所定の枚数に達すると、図8に示すような手順で回転数の最大値の書き換えが行われる。
すなわち、初めに、記憶装置50の記憶手段に記憶されている回転数q2の最大値q2M(記憶情報)の消去が行われる(S60)。この消去を行うのは、新たに適切な最大値q2Mを設定するためである。その後は、前記した最初の最大値q2Mを取得する場合と同様の手順の動作が実行され(図8のS51〜55)、これにより新たな最大値q2Mが取得される。
この回転数q2の最大値の書き換えが行われた後は、その書き換え後の最大値を利用して前記した送出ロール41の搬送開始時における滑り率Rsの算出が行われる。また、その得られた滑り率Rsの情報に応じて前記した送出ロール41の用紙9に対する接触圧の調整が行われる。
[他の実施形態]
第1の実施形態(その変形例を含む)においては、画像形成装置1の入力装置65から送出ロール41の外径の実測値d1を入力するとともに、給紙装置30の制御装置60によりその実測値d1を用いた周速度Vnを演算式(1)に基づいて算出するように構成した場合を説明したが、予めその実測値d1を用いて演算式(1)により周速度Vnを算出し、しかる後、その算出結果(周速度Vn)を入力装置65から入力して制御装置60に認識(記憶手段に記憶)させるように構成することもできる。
第1の実施形態(その変形例を含む)においては、画像形成装置1の入力装置65から送出ロール41の外径の実測値d1を入力するとともに、給紙装置30の制御装置60によりその実測値d1を用いた周速度Vnを演算式(1)に基づいて算出するように構成した場合を説明したが、予めその実測値d1を用いて演算式(1)により周速度Vnを算出し、しかる後、その算出結果(周速度Vn)を入力装置65から入力して制御装置60に認識(記憶手段に記憶)させるように構成することもできる。
これは、第1の実施形態の変形例における検出ロール51の外径の実測値d2の入力とその実測値d2に基づく実動搬送速度V1の算出に関する構成についても同様のことが言え、予めその実測値d2を用いて演算式(4)により実動搬送速度V1算出し、しかる後、その算出結果(実動搬送速度V1)を入力装置65から入力して制御装置60に認識させるように構成してもよい。
また、前記した各実施形態では、送出ロール41の搬送開始時における滑り量(滑り速度Vs、滑り率Rs)の情報に基づいて送出ロール41の搬送条件としてそのロール41の用紙9に対する接触圧を調整する場合を説明したが、その滑り量の情報に基づいて調整する搬送条件については、滑り量の情報に基づいて正確な用紙の搬送を実現できる搬送手段に関する条件であれば適用することができ、例えば送出ロール41の周速度等の他の搬送条件を適用してもよい。
また、送出ロール41の搬送開始時の滑り量については、前記したような滑り速度Vsや滑り率Rsに限らず、その搬送開始時に滑っている状況(度合い)を把握することが可能な情報を適用してもよい。その滑り量としては、例えば、滑り率Rsに代えて、単に送出ロール41の回転数q2(検出値)とその最大値q2Mとの差を滑り量の情報とすることができる。
さらに、第1の実施形態では、送出ロール41の外径の実測値d1を用いて算出される周速度Vnに基づいて送出ロール41の駆動手段(モータ45)を制御する構成を給紙装置30(送出装置4)とそれを装備する画像形成装置1に適用した場合について説明したが、その構成を、例えば、前記した用紙搬送路における搬送時期調整ロール対35に適用してもよい。この場合は、搬送時期調整ロール対35を構成する2つのロールの一方又は双方のロールの外径の実測値を用いてそのロール対35の周速度を算出し、その周速度を予定している周速度と対比してロール対35を駆動する駆動手段を制御することで必要な補正をする。これにより、搬送時期調整ロール対35により送り出す用紙をより正確な搬送速度で送り出すことが可能になる。
また、第1及び第2の実施形態における給紙装置30は、給紙カセットではない用紙収容部に積み重ねる用紙9を1枚ずつ送り出して搬送する手差し給紙装置に適用することができるほか、積み重ねた原稿を1枚ずつ送り出して搬送する複写機、スキャナー、ファクシミリ等における自動原稿送り装置の原稿送り出し装置に適用することもできる。この他にも、複数枚重ねた紙幣、金券、証券、チケット等の枚葉紙を1枚ずつ送り出す機能を有する装置の枚葉紙送り出し装置に適用することも可能である。
さらに、画像形成装置については、単色のトナー像を形成するタイプのものを例示したが、複数のトナー像から構成されるカラー画像を形成するタイプのプリンタ、複写機、ファクリミリ等に代表される画像形成装置を採用することもできる。また、トナー像を形成して用紙9に転写するまでの方式についても、従来公知の他の方式(例えば中間転写方式)を採用することが可能である。また、画像形成装置は、トナー像を形成する方式のものに限らず他の画像形成方式を採用する画像形成装置であってもよく、例えば、インクジェット方式を採用する画像形成装置であってもよい。
1…画像形成装置、4…送出装置(用紙搬送装置)、9…用紙、10…作像装置、30…給紙装置(用紙搬送装置)、41…送出ロール(搬送回転体)、45…モータ(駆動手段)、46…動力伝達機構(駆動手段の一部)、51…検出ロール(従動回転体)、52…ロータリエンコーダ(回転数の検出手段)、60…制御装置(制御手段)、65…入力装置(入力手段)、d1…送出ロールの外径の実測値、d2…検出ロールの外径の実測値、q2…検出ロールの回転数、q2M…回転数の最大値、Vn…送出ロールの周速度、V1…実動搬送速度、Vs…滑り速度(滑り量)、Rs…滑り率(滑り量)。
Claims (11)
- 用紙の表面に接触して回転することによりその用紙を搬送する搬送回転体と、
この搬送回転体を所定の周速度で回転させる駆動手段と、
前記搬送回転体の外径を実測した実測値を用いて算出される当該搬送回転体の周速度に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段を有することを特徴とする用紙搬送装置。 - 前記搬送回転体の外径の実測値を入力する入力手段を有し、
前記制御手段は、この入力手段から入力された実測値を用いて当該搬送回転体の周速度を算出する請求項1に記載の用紙搬送装置。 - 前記制御手段は、前記搬送回転体の初期設定の周速度をVe、当該搬送回転体の外径の初期設定値をde、当該外径の実測値をd1とした場合、当該搬送回転体の周速度(Vn)を式「Vn=(d1/de)×Ve」により算出する請求項1又は2に記載の用紙搬送装置。
- 前記搬送回転体により搬送される用紙の表面に接触して従動するように回転する従動回転体と、この従動回転体の回転数を検出する検出手段とを有し、
前記制御手段は、この検出手段で検出される回転数と前記従動回転体の外径の実測値を用いて用紙の実動搬送速度を算出するとともに、その実動搬送速度と前記搬送回転体の予定搬送速度との差を当該搬送回転体の搬送開始時の滑り量として算出する請求項1ないし3のいずれかに記載の用紙搬送装置。 - 前記従動回転体の外径の実測値を入力する入力手段を有し、
前記制御手段は、この入力手段から入力された実測値を用いて用紙の実動搬送速度を算出する請求項4に記載の用紙搬送装置。 - 積み重ねられた複数枚の用紙を一枚ずつ送り出して搬送する装置が、請求項1ないし5のいずれかに記載の用紙搬送装置で構成されていることを特徴とする用紙供給装置。
- 用紙に画像を形成する作像装置と、この作像装置に用紙を搬送する装置の少なくとも一部として請求項1ないし5のいずれかに記載の用紙搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 用紙の表面に接触して回転することによりその用紙を搬送する搬送回転体と、
この搬送回転体を所定の周速度で回転させる駆動手段と、
この搬送回転体により搬送される用紙の表面に接触して従動するように回転する従動回転体と、
この従動回転体の回転数を検出する検出手段と、
この検出手段で検出される回転数の最大値を記憶するとともに、その記憶された最大値と当該検出手段で検出される検出値とに基づいて前記搬送回転体の搬送開始時の滑り量を算出する制御手段を有する用紙搬送装置。 - 前記制御手段は、所定の時期に、前記従動回転体の回転数の記憶されている最大値の書き換えを行う請求項8に記載の用紙搬送装置。
- 積み重ねられた複数枚の用紙を一枚ずつ送り出して搬送する装置が、請求項8又は9に記載の用紙搬送装置で構成されていることを特徴とする用紙供給装置。
- 用紙に画像を形成する作像装置と、この作像装置に用紙を搬送する装置の少なくとも一部として請求項8又は9に記載の用紙搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
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