JP2009056907A - 電鉄用回生電力吸収装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チョッパ部に接続される電力消費用抵抗器として短時間定格で設計された自己断線機能を有するものを使用する。スイッチング素子が破損した時、短絡電流で自己断線機能を有する電力消費用抵抗器により回生電力吸収装置より解列する。又は、チョッパ部の還流ダイオードと逆並列に短絡用スイッチング素子を接続し、スイッチング素子が破損したとき短絡用スイッチング素子をオン状態とし、ヒューズに短絡電流を流して溶断する。
【選択図】 図1
Description
饋電線に回生動作をしている回生車両と、他に力行する力行車両が図3のようにいる場合で、力行電力が回生電力より大きい場合は、回生電力は全て矢印Aの方向に流れて力行車両で消費され、さらに不足分の電力は整流器より矢印Bの方向に供給されて電圧上昇は発生しない。逆に、図4に示すように、回生電力が力行電力を上回ると、上回った回生電力を饋電線側に流そうとするが、回生電力吸収装置16がないと、饋電線からみた整流器側の抵抗値は非常に大きいので、少しでも電流を流そうとすると整流器側電圧を上昇させ過電圧となるので饋電線へ回生電力を供給することができない。このため、回生電力を饋電線に戻そうとするシステムでは回生電力吸収装置16の設置が必要である。この電力吸収装置の一方法としては、回生電力を交流電源へ戻すことができる回生用インバータを設ける方法もあるが、非常に高価である。
回生電流は数秒から稀ではあるが最長で数分発生する。図7に示すようにヒューズは熱容量が小さいため短時間での大電流遮断には向いているが、回生電流のような長い通電時間では、ヒューズ溶断特性からヒューズに連続で流せる電流値と回生電流値とほぼ等しくなってしまう。このため、スイッチング素子破損時、不具合チョッパ部を健全なチョッパ部から切離すことができる適切なヒューズを選定することが困難という問題がある。
本発明が目的とするところは、不具合のチョッパ部を早期に健全なチョッパ部から切離し、不具合チョッパ部の回生電力吸収容量は低減するものの、装置を停止することなく、運転を継続させる回生電力吸収装置を提供することにある。
前記各電力消費用抵抗器の定格を、車両の回生時間に合わせた短時間定格とし、前記ユニット故障に基づき電流が所定時間連続して流れたとき、当該故障ユニットの電力消費用抵抗器が断線して回生電力吸収装置から解列するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の請求項2は、直流電化鉄道システムの饋電線に発生した回生電力を吸収する回生電力吸収装置であって、この回生電力吸収装置は、スイッチング素子と還流ダイオードを有する単位チョッパ部にそれぞれ電力消費用抵抗器を接続した複数のユニットで構成したものにおいて、
前記チョッパ部の還流ダイオードと逆並列に短絡用のスイッチング素子を接続し、且つ前記チョッパ部の入力側にそれぞれヒューズを接続し、前記ユニット故障に基づき電流が所定時間連続して流れたとき前記短絡用のスイッチング素子をオン状態としてヒューズを溶断するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の請求項3は、前記短絡用のスイッチング素子のオン信号は、前記電力消費用抵抗器に流れる電流、若しくは電圧の検出信号に基づくものであることを特徴としたものである。
不具合部分のユニットのみ回生電力吸収装置から切離すことで、不具合チョッパ台数分の回生電力吸収容量は低減するが、装置を停止させることなく運転を継続することができ、稼働率が上がること、また、車両側での回生制動時のエネルギー処理責務を軽減できる効果がある。
具体的に展開した実施例を以下に詳述する。
4はスイッチング素子8が破損したことを検出する素子異常検出部で、スイッチング素子8の短絡故障により電力消費用抵抗器3に流れる電流が予め定められた連続時間以上流れたことを検出して短絡用スイッチング素子9へオン信号を出力する。6は電圧検出部で、検出した電圧信号を回生電圧制御部5に出力する。回生電圧制御部5では検出電圧値に応じてスイッチング素子8の導通率を制御し、電力消費用抵抗器3で電力を消費させる。7はLCフィルタで、リアクトルLとコンデンサCとで構成されている。
次に動作を説明する。電圧検出部6により饋電線電圧を検出し回生電圧制御部5に電圧信号を出力する。回生電圧制御部5では、饋電線電圧が予め設定された動作開始電圧以上になった時、饋電線電圧を一定にするようにチョッパ部2のスイッチング素子8をオン、オフ動作をさせ、回生電力を電力消費用抵抗器3で消費させる。
何らかの理由によりスイッチング素子8に短絡故障が発生すると、スイッチング素子8のオフ信号時にも電力消費用抵抗器3に電流が流れ、この電流は素子異常検出部4で検出して短絡用スイッチング素子9をオンさせる。その結果、饋電線、ヒューズ1、破損したスイッチング素子8、短絡用スイッチング素子9、及びレール経由での短絡回路を形成し、ヒューズ1に短絡電流を通電させ溶断させる。これにより、破損したチョッパ部を有するユニットが回生電力吸収装置から電気的に切離される。
図1では、素子異常検出回路4に入力する信号としては電力消費用抵抗器3に流れる電流を検出しているが、この他、電力消費用抵抗器3の両端電圧からでも検出できる。これは、スイッチング素子8の破損時には素子が短絡するので電力消費用抵抗器3には電圧が連続して印加されることに基づく。すなわち、通常の回生電力吸収動作時には電力消費用抵抗器3に印加される電圧は、5〜10秒程度の短時間であるのに対し、スイッチング素子8の破損時には、5〜10秒以上継続して電圧が印加される。したがって、印加される電圧を監視することによりスイッチング素子8の異常が検出できる。
一般に、車両の回生はブレーキをかけたときの10秒間程度の発生であり、そのブレーキも3ないし4分で1回程度の短時間で、且つ間歇的である。この現実を踏まえて電力消費用抵抗器3’の抵抗値を短時間定格で設計し、且つ定格を超えたときには自己断線するよう形成される。そのために、電力消費用抵抗器3’は
抵抗体またはリード線の一部を電気的に開放するように欠損させ、その部分に低融点合金が装填されているもので、抵抗器が過負荷になった時、抵抗体の自己発熱により低融点合金が溶融し脱落して、断線状態となるような抵抗器である。
動作としては、スイッチング素子8が破損して短絡状態となったときには、ヒューズ1、スイッチング素子8、及び電力消費用抵抗器3’の回路に連続の電流が流れ、電力消費用抵抗器3’は過負荷状態となり断線する。このことにより、破損したチョッパ部を有するユニットが回生電力吸収装置から電気的に切離される。
2… チョッパ部
3(3’)… 電力消費用抵抗器
4… 素子異常検出部
5… 回生電圧制御部
6… 電圧検出部
7… LCフィルタ
8… スイッチング素子
9… スイッチング素子
10… 還流ダイオード
11… 交流電源
12… 変圧器
13… 整流器
14… 回生車両
15… 力行車両
16… 回生電力吸収装置
17… 饋電線
18… レール
19… 直流負荷開閉器
Claims (3)
- 直流電化鉄道システムの饋電線に発生した回生電力を吸収する回生電力吸収装置であって、この回生電力吸収装置は、チョッパ部にそれぞれ電力消費用抵抗器を接続してユニットとし、このユニットを複数並列接続して構成したものにおいて、
前記各電力消費用抵抗器の定格を、車両の回生時間に合わせた短時間定格とし、前記ユニット故障に基づき電流が所定時間連続して流れたとき、当該故障ユニットの電力消費用抵抗器が断線して回生電力吸収装置から解列するよう構成したことを特徴とした電鉄用回生電力吸収装置。 - 直流電化鉄道システムの饋電線に発生した回生電力を吸収する回生電力吸収装置であって、この回生電力吸収装置は、スイッチング素子と還流ダイオードを有するチョッパ部にそれぞれ電力消費用抵抗器を接続した複数のユニットで構成したものにおいて、
前記チョッパ部の還流ダイオードと逆並列に短絡用のスイッチング素子を接続し、且つ前記チョッパ部の入力側にそれぞれヒューズを接続し、前記ユニット故障に基づき電流が所定時間連続して流れたとき前記短絡用のスイッチング素子をオン状態としてヒューズを溶断するよう構成したことを特徴とした電鉄用回生電力吸収装置。 - 前記短絡用のスイッチング素子のオン信号は、前記電力消費用抵抗器に流れる電流、若しくは電圧の検出信号に基づくものであることを特徴とした請求項2記載の電鉄用回生電力吸収装置。
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