JP2009056898A - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドショルダー部の摩耗を抑制しつつ、旋回時における操縦安定性能(横グリップ)の向上を図った二輪車用空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】環状に形成されたトレッド部12を備える二輪車用空気入りタイヤである。トレッド部表面のタイヤ幅方向両端部に異種ゴム6が配置され、異種ゴムのトレッド表面における配設幅が、トレッド端からトレッド展開幅の5%〜14%の範囲内であり、かつ、異種ゴムのショアA硬度が、異種ゴムのタイヤ幅方向内側に隣接して配置されたゴムのショアA硬度よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は二輪車用空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、トレッド部の改良に係る二輪車用空気入りタイヤに関する。
自動二輪車は、車体を傾けて旋回するという特徴があるため、車体の傾きによって、路面に接地するタイヤの部分が移動する。また、直立時には速度が高く、制動力および駆動力の前後方向(タイヤの赤道方向)の力が加わるが、車体を傾けた旋回時には大きな横力が主体的に加わる。そのため、二輪車用タイヤのショルダー部には、横グリップが求められる。
一方、二輪車用タイヤのセンター部については、市販のタイヤでは、直進走行の頻度が高いため、耐摩耗性の高いゴムを用いることが多い。また、レースや競技用のタイヤにおいては、直進時の速度が非常に高いため、発熱しにくいゴムをトレッドセンター部に配置したり、トレッドセンター部を2層構造として、内部には発熱しにくいゴムを、外部にはグリップの高いゴムを、それぞれ配置するなどの工夫がなされている。
特に、バイクレースや、一般消費者の場合でも激しいライディングを行った際には、走行中にタイヤショルダー部が発熱して、走行に伴う旋回性能の低下や、ショルダー部の摩耗の進行、ショルダー部のゴムの劣化などが生ずる。
一方、ゴムの特性として、ゴムの弾性率の指標である動的弾性率E’が小さいと、ゴムが柔らかいことを意味し、柔らかいゴムは路面の凹凸に食い込むためグリップが高い。その反面、柔らかいゴムは摩耗が速いという特性がある。また、ゴムの柔らかさは、硬度、すなわちショアA硬度で示すこともでき、ショアA硬度の小さいゴムは柔らかく、グリップが高い反面、耐摩耗性に劣るという特性を有する。
二輪車が、車体を傾けて旋回する特性や、路面に接地するトレッド部位が車体の傾きによって移動する特性を持つことから、二輪車用タイヤのトレッドには、センター部とショルダー部とで機能を分離させて、複数の異なるゴムを用いることがある。例えば、特許文献1,2には、二輪車用タイヤのトレッド部をセンター部とショルダー部とに分けて、それぞれにおいてゴム物性を変更する技術が開示されている。また、特許文献3には、トレッド部をキャップゴムとベースゴムの2層で構成して、各ゴムのゴム物性を変更した空気入りタイヤが開示されており、特許文献4には、トレッドのショルダー部を高硬度架橋ゴムからなる内層と、低硬度架橋ゴムからなる外層との積層により形成した自動二輪車用タイヤが開示されている。これら特許文献3,4は、タイヤの厚み方向についてゴム物性を変更する技術に係るものである。
特開2000−158910号公報(特許請求の範囲等) 特開平7−108805号公報(特許請求の範囲等) 特開2006−76355号公報(特許請求の範囲等) 特開2005−271760号公報(特許請求の範囲等)
前述したように、二輪車用の空気入りタイヤでは、二輪車が車体を傾けて旋回することから、直進時と旋回時では、タイヤトレッド部が路面と接する場所が異なる。つまり、直進時にはトレッドの中央部分を使用し、旋回時にはトレッドの端部を使用するという特徴がある。
特に、旋回時にはタイヤの横方向(幅方向)に対してグリップすることが求められるが、二輪車を速く旋回させるには、旋回速度にともなって大きくなる遠心力と釣り合わせるために車体を大きく倒す必要があり、さらにその遠心力に対抗できるようにタイヤがグリップできなければならない。つまり、車体を大きく傾けたときにタイヤのグリップが不足する場合には、速く旋回できないことになるため、ここでのグリップが旋回性能に及ぼす影響は非常に大きい。一方で、トレッドの端部には、旋回時に加わる横力により大きな負担がかかることから、走行に伴う摩耗の抑制についても重要な課題となる。
したがって、二輪車用タイヤのショルダー部については、旋回時のグリップ性能、すなわち操縦安定性能に優れることに加え、走行に伴うトレッドの摩耗を抑制できることが要求されており、これらの要請を高度に満足し得る二輪車用空気入りタイヤが求められていた。
そこで本発明の目的は、トレッドショルダー部の摩耗を抑制しつつ、旋回時における操縦安定性能(横グリップ)の向上を図った二輪車用空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、二輪車用タイヤにおいて旋回時のグリップをさらに向上させるために鋭意研究を行い、特にバイク車輌が最も倒れるバンク角度(キャンバー角度,以下、キャンバーアングルとして「CA」と称する)45〜50度付近のグリップを集中的に向上させることに取り組んだ。これは、例えばレースにおいては旋回速度が非常に重要であり、旋回速度が速ければコーナーの次のストレートの速度も伸びて、結果的にラップタイムが向上するからである。また、一般道路での走行においても、旋回時のグリップを増すことにより、安全性に貢献できる。
自動二輪車用のタイヤでは、特に車体を大きく倒した場合の旋回性能については、タイヤのトレッドの片側の端部が接地して、グリップを発生させている。車体を大きく倒して旋回する場合、タイヤは、図4に示すような接地状態となる。このときの接地形状について考察する。
バイク車体が大きく倒れて旋回する場合、すなわち、タイヤのCAが45〜55度で旋回する場合、タイヤのトレッド幅(全幅)のほぼ1/4が接地する。この旋回時に接地している1/4の領域を3等分して、トレッド端から領域A,領域B,領域Cとする。
ここで、タイヤの幅方向断面でのトレッド変形を考える。トレッドの変形により、タイヤに横力が発生するからである。横方向のトレッドの変形は、キャンバースラスト(横力)を発生させる。
図4はCA50度でタイヤが接地して回転しているときの断面を示したものであり、タイヤ断面図の下には、接地部の形状を示している。図示するように、それぞれのタイヤによって、接地形状は楕円の一部が欠けた形状であったり、半月状であったりする。
図4の略楕円型接地形状の場合の、領域Bのトレッドの幅方向の変形について述べる。領域Bのトレッドの表面、すなわち路面に接する点をQとし、Q点の内側のトレッドの最深部の点をP点とすると、これらP点およびQ点は、接地転動時において、図示するような軌跡を描く。P点はトレッドがタイヤのベルト(骨格部材)に接している点であり、タイヤがCAをつけて傾いて転動するため、弓なりの曲線を描く。これに対し、Q点はトレッド表面が路面に接触した時に路面に固定され、路面の方向に、すなわちタイヤの進行方向に直線的に動く。この動きの差によりトレッドは横剪断を受ける。これはちょうど弓と弦の関係であり、荷重直下で最大の横剪断を受ける。この横剪断量によってトレッドが横の変形を受け、トレッドが横に剪断されるため、横力(キャンバースラスト)が発生する。
このようなキャンバースラスト発生の仕組みから、接地長(接地形状のタイヤ周方向=赤道方向の長さ)が長い方がP点とQ点との軌跡の差が広がり、大きくトレッドが剪断されることになる。反対に接地長が短いと、トレッドの剪断量(横方向=タイヤ幅方向の剪断)は少ない。したがって図示するように、接地形状が略楕円型の場合は、領域Bで最も大きな剪断を受け、次いで領域Aが剪断が大きく、領域Cの剪断は少ない。一方、接地形状が半月型の場合は、領域Bおよび領域Aで大きな剪断を受け、領域Cの剪断は少ない。つまり、CAが45度〜55度の大CA時の旋回では、領域Bや領域Aが横力を大きく稼ぐ部位である。
一方、バイクの傾き角(バンク角、CA)を観察すると、CA45度〜55度以上には、バイクは倒れない。つまり、領域Aは、バイクが最大角度で傾いた時のみに接地する領域である。また、領域Bについても、バイクが大きく傾いた時を中心に使われる。これに対し、領域Cは、バイクが大きく傾いてからやや傾きが戻った領域、つまりCA40度近辺で特によく使われる部分である。つまり、領域Cは、バイクを傾けていく過程で使い、更に大きく倒した時も使い、さらにバイクを加速させて直立する過程でも使う。特に、摩耗の大きいリアタイヤについて考えると、この領域Cは、バイクを大きく倒して、そこから加速するときに使う領域であり、すなわちCA40度近辺でバイクは大きな駆動力を伝えることが多いため、領域Cは加速時の前後方向の駆動入力と、横方向の横入力との両方を頻度高く受ける領域であると言える。そのため、この領域Cは、トレッドの摩耗が進む部位である。
以上のことをまとめると、以下のことが言える。
領域A:最大CA(45度〜55度)の時にのみ使用され、横入力を受ける。最大CA時の横グリップの発生に大きく寄与する(特に、接地形状が半月形状の場合)。
領域B:最大CA(45度〜55度)の時に主体的に使う。最大CA時の横グリップの発生に大きく寄与する(特に、接地形状が楕円形状の場合)。また、CA40度の時にも接地しており、領域Aよりは使用頻度が高い。
領域C:最大CA(45度〜55度)の時にも使われる。さらに、最大CAに達する過程で使われ、特にリアタイヤの場合は、CA40度の本格加速開始時点で中心的に使われるため、摩耗が激しい部位である。領域Aや領域Bと比べると明らかに使用頻度が高い。また、CA40度の時には接地形状の中心となり、接地長が伸びるため、横方向の剪断も大きくなり、摩耗に厳しい。
また、二輪車用タイヤのキャンバースラスト発生のしくみの特性から、もう1点特徴的なことがある。図4に示したP点とQ点との軌跡の差がトレッドの横変形量であるが、この横変形量は一定の変位である。つまり、この軌跡は、タイヤの幾何学的な要因で決まるため、最大の横剪断量は一定の量となる。通常のタイヤで、大CA時の図4における領域Bの横剪断量は7mm程度である。そのため、トレッドのゴムが硬くても柔らかくても、横剪断量は一定の7mm程度である。つまり、トレッドゴムが柔らかいと、変位は一定であるため、トレッドを変形させる力が少なくて済み、すなわち、発生する横力は小さくなる。逆に、トレッドのゴムが硬いと、トレッドを一定量だけ横変形させるのに大きな力を要することになり、すなわち、発生する横力(キャンバースラスト)は大きくなる。つまり、キャンバースラスト(横力)の大きさは、トレッドの剛性(トレッドのゴムの弾性率、硬度)によるところが大きい。しかし、実際は、硬いゴムは路面の細かい凹凸に食い込みにくく、その結果、摩擦係数が小さく滑りやすいため、ゴムが硬すぎるとトレッドの表面が滑ってしまい、滑ることで変位量が減って、横力が出なくなる。
上記の観点から、本発明者らはさらに検討した結果、グリップに寄与するトレッドショルダー部の中でも、最大CA時の横力の発生に寄与するトレッド表面の領域Aから領域Bにかけての部分と、使用頻度が高く摩耗が激しい領域Cとについて、それぞれ異なるゴムを配置することで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の二輪車用空気入りタイヤは、環状に形成されたトレッド部を備える二輪車用空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部表面のタイヤ幅方向両端部に異種ゴムが配置され、該異種ゴムのトレッド表面における配設幅が、トレッド端からトレッド展開幅の5%〜14%の範囲内であり、かつ、該異種ゴムのショアA硬度が、該異種ゴムのタイヤ幅方向内側に隣接して配置されたゴムのショアA硬度よりも小さいことを特徴とするものである。
本発明においては、前記異種ゴムの配設幅が、トレッド表面からタイヤ半径方向内側に向かい増大することが好ましく、前記異種ゴムの厚みは、好適にはトレッドゴムの総厚みの20%以上70%以下である。また、本発明においては、トレッド端からトレッド展開幅の10%までの範囲のトレッドゴムの平均の厚みが、トレッド端を基準とするトレッド展開幅の10%から25%までの範囲のトレッドゴムの平均の厚みよりも小さいことが好ましい。
さらに、本発明においては、前記トレッド部のうち、タイヤ赤道面を中心とするトレッド展開幅の少なくとも15%の領域を、厚み方向に積層された2種のゴムからなるものとすることが好ましい。さらにまた、本発明においては、前記積層された2種のゴムのうち表層ゴムと、前記異種ゴムに隣接するゴムとが同種のゴムからなることが好ましく、トレッド端の壁面部の少なくとも一部に、厚み6mm以下の硬質ゴムが配置されていることも好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記トレッド部の少なくとも一部が、幅狭長尺のゴムストリップをタイヤ周方向に螺旋状に重ねて巻きつけて形成されてなることが好ましい。さらにまた、本発明のタイヤは、好適には、前記トレッド部のクラウン部タイヤ半径方向内側に、タイヤ周方向に対する角度が0度〜5度であるスパイラルベルトを備えるものであり、この場合、前記トレッド部と前記スパイラルベルトとの間に、タイヤ周方向に対する角度が80度以上90度以下であるベルト層を備えることが好ましく、前記スパイラルベルトと前記ベルト層との間の少なくとも一部に、厚み0.3mm以上3mm以下の緩衝ゴム層を有することがより好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、トレッドショルダー部の摩耗を抑制しつつ、旋回時、特に大CAでの旋回時における操縦安定性能(横グリップ)の向上を図った二輪車用空気入りタイヤを実現することが可能となった。また、本発明においては、摩耗しても横グリップを維持することができ、特に、競技用タイヤとして使用したときに、グリップおよび耐摩耗性に優れたタイヤを提供できるものである。
以下、本発明の好適実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の一好適例の二輪車用空気入りタイヤの幅方向断面図を示す。図示するように、本発明の二輪車用タイヤは、左右一対のビード部11にそれぞれ埋設された一対のビードコア1と、一方のビード部から他方のビード部にトロイド状に跨って延在する少なくとも1枚のカーカス2と、そのタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも1枚のベルト3と、環状に形成されてその半径方向外側に配置されたトレッド部12とを備えている。
本発明のタイヤにおいては、トレッド部12表面のタイヤ幅方向両端部に異種ゴム6が配置され、この異種ゴム6のトレッド表面における配設幅が、トレッド端からトレッド展開幅の5%〜14%の範囲内である。ここで、トレッドを展開するとは、幅方向に丸みをもつトレッドを、弧の長さを直線にするように平面にするという意味であり、トレッド展開幅とは、タイヤ幅方向断面において、トレッドの一方の端部から他方の端部までのトレッド表面の曲面に沿った幅である。本発明においては、この展開幅を100としたときに、トレッド部のタイヤ幅方向両端部のトレッド端から5〜14の範囲の表面に、所定の物性値を有する柔らかい異種ゴム6を配置している。なお、この配設幅の定義はトレッド部表面での幅であり、異種ゴム6の幅が深さ方向で異なっている場合でも、トレッド表面での幅を、上記配設幅とする。
すなわち、本発明においては、トレッドの両端部において、トレッド表面とトレッド内部とでゴム種を変えて、トレッド表面に柔らかいゴムを配置する。トレッド端部のトレッド表面に柔らかいゴムを配置するのは、柔らかいゴムがアスファルトなどの骨材の細かい凹凸に食い込み、摩擦係数が高くなってグリップが良くなるからである。一方で、先に述べたように、二輪車のショルダー部トレッドの横変位量は幾何学的に決まっており、全てを柔らかくしてしまうとトレッドの剪断剛性が低下し、大きな横力を発生できなくなる。そのため、トレッドの表面だけを柔らかくしている。ここで、本発明において異種ゴムをトレッド表面に配置するとは、少なくともタイヤ幅方向両端部で、トレッド部が異種ゴムを表層とする積層構造となっていることを意味する。
本発明に用いる異種ゴム6の硬さは、ショアA硬度で定義される。すなわち、異種ゴム6としては、異種ゴム6のタイヤ幅方向内側に隣接して配置されたゴムよりもショアA硬度の小さいゴムを用いることが必要である。本発明において、かかる異種ゴム6のショアA硬度の測定温度は、50℃または100℃以上とすることができ、一般の消費者向けのタイヤでは50℃におけるショアA硬度を指標とすることが好ましいが、特に自動二輪車用の競技用のタイヤでは、ショルダー部のトレッド温度が100℃を超える場合もあるので、目的に応じて100℃以上、例えば100℃でのショアA硬度を用いる。ショアA硬度は、市販の硬度計を用いて計測することができ、例えば、トレッドゴムを切り出し、50℃に保った高温室に30分保管してゴムの温度を50℃にした後に、硬度計で硬度を計測すればよい。
また、異種ゴム6の硬さの指標としては、ショアA硬度の代用として、動的弾性率E’を用いてもよい。通常は、硬度が高いものは、動的弾性率も高くなる。動的弾性率は、例えば、周波数15Hz、歪5%をサイン波でゴムのサンプルに加え、そのときの反力を計測することで測定することができ、具体的には例えば、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を用いて測定することができる。この場合も、測定温度は、50℃または100℃、ないしはそれ以上とすることができる。動的弾性率E’を用いる場合は、異種ゴム6として、そのタイヤ幅方向内側に隣接して配置されたゴムよりも動的弾性率E’の小さいゴムを用いる。
異種ゴム6の硬さは、上記いずれの指標を用いる場合においても、隣接ゴムの硬さ(すなわち、ショアA硬度または動的弾性率E’)の50〜90%程度とすることができる。異種ゴム6が柔らかすぎると摩耗が激しくなって、異種ゴムのみが摩耗する偏摩耗が生じやすく、一方、硬すぎると異種ゴムと隣接ゴムとの差が少なくなって、本発明による効果が少なくなり、いずれも好ましくない。
本発明において、異種ゴム6の配設幅をトレッド展開幅の5%以上14%以下とする根拠は、図4を用いて説明したように、大CA時のトレッドの使われ方に基づく。図4において、大CA時に接地する領域は、トレッドの展開幅の1/4、つまり25%の領域である。横力に寄与するのは、図4中の領域Aおよび領域B、つまり、25%の約半分程度であり、トレッド端部から12.5%の領域が、横力に寄与している。特に、領域Aは、CA45〜55度の時にだけ接地する部分であり、大CA時のみにおいて、大きく横力を発生させる。領域Aはトレッド端部からトレッド展開幅の8%くらいまでの領域である。
かかる大CA時の接地特性より、異種ゴム6の配設幅がトレッド展開幅の5%未満では、図4の領域Aには含まれているが、範囲が狭すぎて効果が少なくなる。一方、14%を超えると、図4の領域Cで表される、最大CA時以外にも使われる領域、すなわち、使用頻度が高い領域となり、また、CA40度で大きな駆動力が加わる領域まで柔らかいゴムが配置されることになるため、柔らかい異種ゴムをトレッド表面に配置すると摩耗が進んでしまう。柔らかいゴムは、その機能から、大CA時にのみ主に使われ(すなわち、使用頻度が少なく)、かつ、横グリップに寄与する部位に配置することが好ましい。そのため、トレッド展開幅の5%以上14%以内とした。より好ましくは、8%以上14%以下、さらに好ましくは、10%〜12.5%の範囲である。
また、異種ゴム6の硬さについては、その比較対象は、異種ゴム6のタイヤセンター側に配置されている表面ゴムである。かかるセンター側のゴムは、図4の領域Cに相当する部分、つまりCA40度で加速時に使われる摩耗の厳しいゴムであり、これと比較している。本発明において異種ゴム6は、この部分のゴムと比べて柔らかいことが必要である。この異種ゴム6の内側には、異種ゴムよりも硬いゴムを使用するが、この硬いゴムを上記タイヤセンター側の表面ゴムと同一とすれば、製造が効率的であるため、好ましい。なお、CA40度でタイヤの接地中心になるのは図4の領域Cであり、この部分はトレッド端部を基点とすると、トレッド端部から16%〜25%程度の領域である。この部分に柔らかいゴムを配置してしまうと、加速時の厳しい入力によって表面のゴムが早期に摩耗してしまう。
なお、前記特許文献4には、ショルダー部の外層に低硬度架橋ゴムを配置することが記載されており、その好適範囲についてトレッド端部から表面距離15%〜30%の範囲が開示されているが、この範囲では図4の領域Cも含むため、特にトレッド端部を起点として16%以上の領域に柔らかいゴムを用いた場合に、摩耗が非常に早く進むことになる。そのため、トレッド端部で偏摩耗が発生し、摩耗にともない操縦安定性能が損なわれる。これを、一般のタイヤに用いた場合は、摩耗が進むにつれて加速時にタイヤが横滑りしやすくなり、また消費者の立場からはタイヤのショルダー部の一部の摩耗が進むため溝が部分的に消えてしまい、摩耗性能の乏しいタイヤとの評価を受けやすい。一方、レースなどのバイク競技に用いた場合は、レース距離を走破する途中でトレッド端部から16%〜30%の領域の柔らかいゴムが早期に摩耗し、内部から硬いゴムが現れるため、レースの初期は高いグリップを発揮するものの、レースの中、後期でグリップを失ってしまい、1レースを通して安定したグリップを維持することができなくなる。本発明においては、前記特許文献4とは異なり、かかる摩耗の進行による問題についても考慮したものであり、柔らかいゴムを配置する部位を、大CA時にのみ使う部位、さらにトラクションではなく、横力のみを発生させる部位とし、使用頻度は低いが横グリップに大きく寄与する部位のみを対象とすることで、グリップの高さを維持しつつ、柔らかいゴムを用いても摩耗を進行させない利点がある。
図3(A)に、異種ゴムの配設部位の拡大部分断面図を示す。異種ゴム6は、図示するように、深さ方向に配設幅を変えずに配設することもできるが、図3(B)に示すように、その配設幅が、トレッド表面からタイヤ半径方向内側に向かい増大するよう配設することもできる。すなわち、この場合、摩耗が進行するにつれて、トレッド端部の柔らかい異種ゴム16の露出量(露出面積)が増大し、深さ方向に異種ゴム16の幅が広がっていくことになる。タイヤのトレッドが摩耗するとトレッドの厚みが薄くなるため、トレッド剛性が高まり、トレッドゴムの表面が路面から滑りやすくなる。そのため、グリップ力が低下する傾向になるが、図3(B)に示す構成として、摩耗にともなう異種ゴム16の露出を増大させることで、グリップ力を補う効果が得られる。特に、競技用のタイヤにおいては、レースが進んで周回数を重ねてもタイヤのグリップを維持することが重要であるため、このような構成とすれば、摩耗が進んでも柔らかいゴムの範囲が増えていくため、摩擦係数の高い領域を増やして、グリップを維持することができる。
また、異種ゴムの厚みは、好適には、トレッドゴムの総厚みの20%以上70%以下とする。異種ゴムの厚みが20%未満であると、表面ゴムの層が薄すぎて、ゴムが柔らかくても路面の凸凹に食い込みにくい。また、すぐに摩耗してしまう懸念もある。一方、異種ゴムの厚みが70%を超えると、トレッドの厚み方向に柔らかいゴムの層が広く存在するため、トレッドの総合的な剛性が低下して、横グリップ(横力=キャンバースラスト)が低下する。厚みは、摩耗後にもグリップ力を維持するためには、40%〜70%がより好ましい。特に、市販のタイヤは比較的摩耗するまで使うため、厚みは厚い方が好ましく、40〜70%が好適である。一方、競技用の一部のタイヤでは、例えば予選に用いるタイヤのように、1周だけ速く走る目的のタイヤもある。このようなタイヤでは、剛性とグリップとのバランスから、厚みは薄いほうがよく、20%〜40%が適当である。
また、本発明においては、トレッド端からトレッド展開幅の10%までの範囲のトレッドゴムの平均の厚みを、トレッド端を基準とするトレッド展開幅の10%から25%までの範囲のトレッドゴムの平均の厚みよりも小さくすることが好ましい。すなわち、柔らかい異種ゴムを配置した位置のトレッドの厚みを、それ以外の部分に比べて薄くする。トレッド端部からトレッド展開幅の10%までの範囲はかかる異種ゴムの配置部位に相当し、また、トレッド端からトレッド展開幅の10%の位置を開始点、25%の位置を終点とする範囲は、CA50度で旋回する残りの接地部分に相当する。このように、柔らかいゴムを配置する部位を薄くすることで、トレッド剛性が向上する。すなわち、ゴムを柔らかくした分、トレッドの全体的な厚みを薄くしている。なお、トレッド剛性は厚みの3乗に比例するため、厚みを薄くする量は、例えばトレッド厚みが8mmの場合、0.5mm〜1.5mm程度で十分な効果がある。
なお、全部を薄くしてしまうと、トレッド剛性は向上するが、タイヤ表面の滑りが全体的に増えてしまい、摩耗ライフが低下する。ゆえに、柔らかいゴムを配置した部分だけを薄くすることが好ましい。
また、本発明のタイヤにおいては、図示するように、トレッドセンター部が、厚み方向に積層された2種のゴムからなることが好ましい。ここで、トレッドセンター部とは、トレッド中央部のトレッド展開幅の25%の領域である。これは、バイクが直立しているときに路面と接触している幅が約25%であることによる。この場合、このトレッドセンター部の全てが2層になっていなくてもよく、少なくともその大部分、具体的には、タイヤ赤道面を中心とするトレッド展開幅の少なくとも15%の領域で2層となっていれば、効果が得られ、好適である。
このトレッドセンター部を2層にすることが好適である理由は、発熱の抑制、すなわち転がり抵抗の抑制にある。例えば、2層の内層に硬いゴムを配置し、外層に柔らかいゴムを配置すれば、外層ゴムがグリップを稼ぎ、内層ゴムが発熱を抑制する。また、内層に損失正接tanδの低いゴムを使用すれば、さらにゴムの発熱を抑制し、転がり抵抗が向上する。特に市販のタイヤでは、直進状態で走行する時間が長く、近年の環境(低燃費)を考えた場合、直進時の転がり抵抗を抑制して、燃料の消費を抑えることが重要である。そのため、このように直進時に接地するタイヤセンター部のトレッド内部にtanδの低いゴムを使用することが好ましい。一方、競技用のタイヤにおいては、直進走行時に速度が300km/hを超えて走行する自動二輪車競技もある。このような競技では、高速走行からトレッドが高い周波数で変形を繰り返し受けて、発熱する。その発熱によって、トレッド内部のオイルが気化して泡が発生するブロー現象が起こり、この泡を起点としてトレッドの一部が欠けて飛び散る故障を起こす場合がある。そのため、このような高度な競技用タイヤにおいても、トレッドの内部に発熱のしにくい損失正接tanδの非常に低いゴムを使用し、一方でトレッドの表面にグリップの高いゴムを使用することが好ましい。これにより、CA45〜55度の大CA時のみならず、直進時の駆動、制動特性も向上させることができる。
なお、この場合、トレッドセンター部の表層ゴムと、異種ゴムに隣接するゴムとを、同種のゴムからなるものとすることが好ましい。これにより、トレッドを形成するゴム種を少なくすることができ、効率的である。
また、本発明のタイヤにおいては、図3(C)に示すように、トレッド端の壁面部の少なくとも一部に厚み6mm以下の硬質ゴム7を配置して、補強することが好ましい。ここで、硬質ゴム7とは、トレッドを形成するゴムよりも硬さが硬いゴムであり、より具体的には、室温でのショアA硬度が60以上95以下のゴムである。このような硬いゴムで壁面を固定することで、トレッドが横変形した時にトレッドの倒れ込みを抑制することができ、トレッド端部が路面から浮き上がるのを防止することができる。また、特に本発明では、トレッド端部の表面に柔らかい異種ゴムを配置するため、このような硬いゴムで壁面を補強すると効果が大きい。硬質ゴム7は、硬いため、摩擦係数が低い。そのため、トレッド表面に達すると硬質ゴム7の接触による摩擦力の向上は期待できず、逆に異種ゴム26の接触面積を減らす結果となってしまう。そのため、図示するように、トレッド端の壁面部の表面に接しない部分のみを補強することがより好ましい。また、硬質ゴム7は、厚みを持たせると摩耗した時に露出するため、厚みは薄い方が良く、ゴムの硬さにもよるが、1mmの厚みがあれば効果が得られる。より好適には、厚み2mm以上5mm以下とする。
本発明においてトレッド部は、幅狭長尺のゴムストリップをタイヤ周方向に螺旋状に重ねて巻きつける手法で形成することができる。本発明においてゴムを変更しているタイヤショルダー部はタイヤ断面で丸みが大きい位置であり、従来の製法のように作業者が手作業で幅の広いトレッド部材を配置すると、成型精度(形状精度)が確保しにくい位置である。そこで、幅の狭い未加硫ゴム連続体を、専用の成型機械を用いて自動的に巻きつける手法を用いることで、形状精度の高いタイヤを製造することが可能となる。かかる手法は、トレッド部の少なくとも一部に適用すれば形状精度の向上効果を得ることができ、また、全体につき適用してもよい。この手法については、例えば、特開2006−240098中に開示されている。
また、本発明においては、ベルト3として、スパイラルベルト4を用いることが好ましい。スパイラルベルトはタイヤ周方向に対する角度が0度〜5度のコードを内部に含むベルトであり、1本または2本以上のコードを未加硫ゴムで被覆した連続体を、タイヤの製造過程において、トレッド部分にタイヤ周方向に沿って連続的に螺旋巻きすることにより形成することができる。かかるスパイラルベルトはタイヤ周方向にコードが沿うため、スパイラルベルトを配設することにより遠心力でタイヤが膨張しにくくなり、特に高速走行時の操縦安定性能に優れるものとなる。そのため、近年の高性能タイヤには広く使われるようになってきている。しかしその反面、このような周方向部材は、高速走行時の操縦安定性能には有効であるが、車体を大きく倒したCA45〜55度では速度も遅いため、本来の遠心膨張しにくい効果は薄れ、横グリップに関しては従来のスパイラルベルトのないタイヤとあまり変わらない。そこで、このような高性能タイヤに本発明を適用すると、大CA時の横グリップが増して、高性能タイヤとしての性能バランスが良くなり、好ましい。
スパイラルベルトは、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードの他、スチールコードで形成してもよく、例えば、直径0.21mmのスチール単線を1×3タイプで撚ったスチールコードを、打ち込み間隔30本/50mmでスパイラル状に巻きつけるなどして形成することができる。
図1に示す例では、ベルト3として、スパイラルベルト4とともに、そのタイヤ半径方向外側に互いに交錯する2枚の交錯ベルト層5が設けられているが、本発明においては、図2に示すように、スパイラルベルト4のタイヤ半径方向外側に、タイヤ周方向に対する角度が80度以上90度以下であるベルト層8を配置することも好ましい。かかる幅方向のベルト層8は、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードを用いて形成することができる。
スパイラルベルトを使用するタイヤでは、スパイラルベルトが周方向に伸びにくく、タイヤの遠心膨張を防止する。スパイラルベルトだけあれば、ベルト剛性が比較的高く保てるため、スパイラルベルトのみからベルト部が構成されているタイヤもある。また、スパイラルベルトを用いた場合は、ベルト剛性が高まるため、スパイラルベルトに合わせるベルトはタイヤ周方向に対する角度が45度〜80度である場合がほとんどであり、タイヤの内圧をスパイラルベルトがほとんど受け止めている。そのため、万一、スパイラルベルトが損傷すると、タイヤバーストにつながりかねない。例えば、トレッドが摩耗して薄くなった時に、高速で突起物を踏みつけた場合や、摩耗しているのにタイヤを使い続けてしまい、スパイラルベルトが露出してしまった場合には、スパイラルベルトが破断してしまう可能性がゼロではない。そこで、スパイラルベルト4を外側から覆うように略タイヤ幅方向に沿うコードをもつベルト層8を配置することで、スパイラルベルト4を保護する効果を得ることができる。
また、このタイヤ周方向に80度以上90度以下をなす幅方向のベルト層8をタイヤのショルダー部に広く配置すれば、すなわち、タイヤショルダー部の表面に配置された柔らかい異種ゴム6の位置まで配置すれば、タイヤ幅方向の補強繊維がベルトの最外層に存在することとなって、トレッドの土台が幅方向に強くなり、トレッドの横剪断に対してベルトが剛性を持つため、高い横力を維持することができる。
さらに、スパイラルベルト4と上記幅方向のベルト層8とを配置する場合には、これらスパイラルベルト4とベルト層8との間の少なくとも一部に、厚み0.3mm以上3mm以下である緩衝ゴム層を配置することが好ましい(図示せず)。この緩衝ゴム層は、ショルダー部のトレッドの摩耗を抑制する効果がある。かかる緩衝ゴム層を設けることが好適である理由は、以下のとおりである。
図4のタイヤがCA50度で旋回する時のトレッドの幅方向の挙動に示したように、トレッドの周方向の変形は、領域Aと領域Cとで異なっている。これは、接地形状のセンター寄りの領域Cと、接地形状のトレッド端部寄りの領域Aとでベルトの速度が異なるからである。二輪車用タイヤは幅方向断面において大きな丸みを持っているため、回転軸からベルトまでの距離であるベルト半径が、領域Aと領域Cとでは、領域Cの方が大きい。したがってベルトの速度、つまり、トレッドが路面に接触してからタイヤの回転が進み、トレッドが路面から離れるまでのベルト速度は、領域Cの方が速い。ベルト半径に、タイヤの回転角速度をかけたものがベルトの速度になるからであり、タイヤの回転速度は領域Aも領域Cも同じだからである。このベルトの周方向の速度差により、タイヤのセンター寄りの領域Cではトレッドがドライビング状態となり、タイヤのトレッド端部寄りの領域Aではブレーキング状態となる。ここで、ドライビングとは、タイヤを周方向に沿って輪切りにした場合に、そのトレッドの変形が、トレッド内面(タイヤ内部の骨格部材に接している面)がタイヤ進行方向後方にせん断され、路面に接地しているトレッド表面がタイヤ進行方向前方に変形しているせん断状態であり、ちょうどタイヤに駆動力をかけたときに起こる変形である。一方、ブレーキングはドライビングの逆であり、トレッドの変形はタイヤ内部側(ベルト)が前方にせん断され、路面に接地しているトレッド表面が後方に変形しているせん断状態であり、制動したときのタイヤの動きとなる。この周方向のトレッドの変形は、タイヤが駆動力も制動力も受けずに、遊輪状態で転がるだけで発生する。そして、この周方向の剪断変形によって、領域Aと領域Cとでトレッドが路面から滑りやすくなり、摩耗が進む。このような旋回中の余計な変形は、タイヤショルダー部に偏摩耗を起こしやすいので、無い方がよい。
緩衝ゴム層を設けると、緩衝ゴム層が周方向に剪断変形するため、上記ドライビング変形およびブレーキング変形をトレッドの代わりに肩代わりして、トレッドの周方向の変形が緩和される。一方で、緩衝ゴムはその上面にタイヤ幅方向に沿ったベルトを持つため、幅方向には剪断変形されにくい。そのため、幅方向に対してはトレッドの変形を肩代わりせずに、トレッドの横剪断変形は緩衝ゴムを配置しても大きいままである。すなわち、緩衝ゴム層はタイヤ周方向のみの変形を肩代わりし、トレッドの周方向変形を小さくして偏摩耗を防止する一方で、幅方向の変形は肩代わりせずにトレッドの横変形は大きいまま維持して、横力を高く保てる効果がある。本発明のように、トレッド端部の表面に柔らかい異種ゴム6を配置した場合には、柔らかいゴムが摩耗しやすいため、このような緩衝ゴム層を設けることが非常に好ましい。タイヤ周方向に対して80度〜90度のベルト層および緩衝ゴム層は、特には、トレッド端部かつ表面の柔らかい異種ゴムが配置されている位置に重なるように、幅広く配置することが好ましい。
本発明のタイヤにおいては、トレッド部表面のタイヤ幅方向両端部に上記異種ゴム6を配置した点のみが重要であり、これにより本発明の所期の効果を得ることができ、それ以外のタイヤ構造や材質等の条件については、特に制限されるものではない。
前述したように、本発明においては、ベルト3として、少なくともスパイラルベルト4を配設することが好ましく、スパイラルベルトは単独で配置しても、または、交錯ベルト層5(図1)または幅方向のベルト層8(図2)と組合せて配置してもよい。また、スパイラルベルトを2重にして配置してもよく、スパイラルベルトなしで、交錯ベルト層5のみの単独で構成してもよい。ここで、交錯ベルト層5は、例えば、芳香族ポリアミド等からなる補強コードを、タイヤ周方向に対して±20度〜80度で交錯させて設けることができ、2層に限らず、3層以上で設けてもよく、特に制限はない。
また、例えば、本発明のタイヤは、図示するように、一対のビード部11と、それに連なる一対のサイドウォール部13と、両サイドウォール部13間にトロイド状をなして連なるトレッド部12とを備えており、これら各部をビード部相互間にわたり補強するカーカス2は、比較的高弾性のテキスタイルコードを互いに平行に配列してなるカーカスプライの少なくとも1枚からなる。カーカスプライの枚数は、1枚でも2枚でもよく、3枚以上でもかまわない。なお、カーカス2の両端部は、図1に示すようにビードコア1にタイヤ内側から外側に折り返して係止しても、図2に示すように両側からビードワイヤで挟み込んで係止しても、いずれの固定方法を用いてもよい。また、タイヤの最内層にはインナーライナーが配置され(図示せず)、トレッド部12の表面には、適宜トレッドパターンが形成されている(図示せず)。本発明は、ラジアルタイヤに限らず、バイアスタイヤにも適用可能である。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明する。
(第一の実施形態)
下記条件に従い、タイヤサイズ190/50ZR17にて、二輪車用空気入りタイヤを作製した。各供試タイヤは、一対のビードコア間にトロイド状に跨って延在するカーカスプライ(ボディプライ)の1枚からなるカーカスを備えており、カーカスプライには、ナイロン繊維を撚った直径0.6mmのコードを、打ち込み間隔65本/50mmで平行に並べて、未加硫ゴムでシート状にしたものを使用した。また、カーカスの配設方向はラジアル(タイヤ周方向に対する角度が90度)とした。さらに、カーカスの端部は、ビード部において、ビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻き回されて固定されている。
また、カーカスのタイヤ半径方向外側には、スパイラルベルトを配置した。スパイラルベルトは、芳香族ポリアミド(商品名:ケブラー)繊維を撚った直径0.7mmのコードを打ち込み数50本/50mmで略タイヤ周方向に巻き付けて形成されたものであり、2本の並列したコードを被覆ゴム中に埋設した帯状体(ストリップ)を、略タイヤ周方向に沿って螺旋状にタイヤ回転軸方向に巻き付ける手法で製造した。さらに、スパイラルベルトのタイヤ半径方向外側には、2枚の交錯ベルト層を配置した。交錯ベルト層は、芳香族ポリアミド繊維を撚った直径0.7mmのコードを、打ち込み数30本/50mmにて、タイヤ周方向に対し±50度の角度で互いに交錯させて配置した。交錯ベルト層の外側には、トレッド部が設けられており、トレッド部の厚みは7mmであり、センター部からショルダー部まで同じ厚さであった。また、トレッド部表面には、幅8mm、深さ5mmの斜め溝を、左右交互にハの字に配置して、溝がトレッド全体に占める割合が10%になるものとした(図1(b))。
上記構造を基本とし、トレッド部の構成を下記に従い変更して、各従来例、実施例および比較例の供試タイヤを製造した。トレッドの展開幅(丸みにそって図った弧の長さ)は240mmであり、スパイラルベルトの幅は220mm、1枚目(内側)の交錯ベルトの幅は250mm、2枚目(外側)の交錯ベルトの幅は230mmであった。なお、以下において動的弾性率E’は、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を用いて、温度50℃、周波数15Hz、歪5%で計測した。
<従来例1>
トレッド部の全領域を、単一種のゴムにて作製した。この従来例1のトレッドゴムの温度50℃における動的弾性率E’は4.0MPaであった。この動的弾性率E’の値を100として、以下、各ゴムの同弾性率を指数にて示す。
<実施例1>
図1に示すように、トレッド部表面のタイヤ幅方向両端部に、配設幅(トレッド表面の幅)25mm、深さ4mmにて、異種ゴム6を配置した。この異種ゴムの動的弾性率E’の指数値は70であった。また、異種ゴムと、そのタイヤ幅方向内側に隣接して配置されたゴムの深さ方向の境界は、深さ方向に垂直であり、傾いていなかった。さらに、トレッドセンター部は2層に分かれており、その表層ゴムは、トレッド端部の柔らかい異種ゴム6のセンター寄りに隣接するゴムと同じであり、動的弾性率E’の指数値は100であった。一方、内層ゴム12Aとしては、動的弾性率E’の指数値150のゴムを用いた。内層ゴム12Aの配設幅は、120mmであった。
<実施例2〜11,比較例1〜4>
上記実施例1の供試タイヤを基本構造として、異種ゴムの配設条件をそれぞれ下記の表中に示すように変えて、各実施例および比較例の供試タイヤを準備した。
<従来例2>
トレッドセンター部を実施例1と同様の構成で2層にした以外は、従来例1と同様にして、従来例2の供試タイヤを作製した。
<比較例5>
トレッド端部からトレッド展開幅の10%までの範囲のトレッドゴムの平均の厚みが、その他の部分よりも0.7mm薄くなるようにした以外は、従来例2と同様にして、比較例5の供試タイヤを作製した。
<CA50度の横力測定>
作製した各供試タイヤについて、CA50度における横力測定を実施した。直径3mのスチール製のドラムに、#40番の紙やすりを貼り付けて路面に見立てた。各供試タイヤは、リム幅6インチ、リム径17インチのホイールに組み、内圧240kPaを充填した。このタイヤを、CA50度、荷重1500N、SA0度でドラムに押し付けて、時速40km/hで回転させ、このときの横力を、タイヤの回転軸に取り付けた3分力計から測定した。横力がキャンバースラストである。横力の測定は、タイヤが回転し始めて5分の時のものを計測した。このときタイヤは十分に温まり、ショルダー部のトレッド温度は約50℃になっていた。結果は、従来例1の横力を100として指数で示した。なお、従来例1の横力は1350Nであった。
<転がり抵抗の試験>
転がり抵抗の試験は、転がり抵抗試験機を用いて、内圧240kPa、荷重1500N、スリップ角度(SA)0度、CA0度、時速80kmで測定して評価した。結果は、従来例1の転がり抵抗を100として、指数で示した。指数が小さいほど抵抗が少なく、燃費の節約ができる。
<テストコースでの評価>
テストコースで、熟練ライダーによる総合的な操縦安定性能の試験(操安試験)を実施した。各供試タイヤはリア用のタイヤであったため、リアタイヤのみを交換して実車試験を行った。フロントタイヤは常に従来のもので固定した。各供試タイヤを1000ccのスポーツタイプの二輪車に装着して、テストコースで実車走行させ、車両を大きく倒した旋回時操縦安定性(コーナリング性能)を中心に評価し、テストライダーのフィーリングによる10点法で総合評価した。テストコースのレイアウトは、速度50km/h前後でCA50度まで倒すコーナーを6箇所設け、特に大きく倒した時の横グリップ性能を確認できるように特設した。1周のラップタイムは約60秒ほどであり、これを15周した。ライダーには、15周での総合的な官能評点をつけてもらった。
<摩耗量の評価>
上記実車テストを行う前に、タイヤの重量を測定しておいた。その後、テストコースを15周した後に、タイヤに付着したゴムかすや小石などの付着物を綺麗に取り除いてタイヤの重量を測定し、新品時からの重量差を摩耗量として評価した。特設したテストコースはコーナーが多かったため、摩耗はショルダー部で集中的に発生した。つまり、この重量差を、新品時からのショルダー部の摩耗量と考えることができる。従来例1のタイヤの摩耗重量を100として、各供試タイヤの摩耗量を指数で比較した。
これらの結果を、下記の表中に示す。
Figure 2009056898
*1)異種ゴムのトレッド表面における配設幅(mm)、および、この配設幅のトレッド展開幅に占める比率(%)(トレッド端からの範囲)を示す。
*2)異種ゴムの厚み(mm)、および、この厚みがトレッドゴムの総厚みに占める比率を示す。
*3)2層の場合の幅は、常に120mmである。
Figure 2009056898
<トレッド端部表面の柔らかい異種ゴムの配設幅の効果>
従来例2、実施例1〜3および比較例1〜3の結果を比較することで、配設幅による効果がわかる。従来例2(表面ゴム無し)に比べて、15mm〜45mmの表面ゴムを配置したものは、いずれもドラムでの横力=キャンバースラストが向上しており、横グリップ向上の効果があることがわかる。比較例1は幅が10mmのものであるが、幅が10mmであると、表面ゴムが接触する面積が小さすぎて、効果がほとんどない。また、幅が25m以上になると、横グリップ向上の割合がほぼ一定になっており、幅が25mm程度あれば、十分に横グリップを向上できることがわかる。逆に、ある程度の幅があれば、それ以上幅を広くしても横グリップの向上効果は薄れることもわかる。この傾向は、テストコースでの操縦安定性能評点にも現れており、幅が25mmを超えると、評点が9点で同じレベルとなっている。
一方で、摩耗量を見ると、幅30mmと幅35mmとの間に大きな摩耗量の差があった。さらに幅を45mmとすると摩耗量が激増するが、これは、柔らかいゴムを配置する部分が、CA40度でトラクション時に多用する部位にまで及び、バイクを大きく倒したコーナーから、駆動力をかけて加速する時にタイヤの摩耗が進み、ちょうどこの部分が摩耗するからである。
以上より、操縦安定性能面からは、横グリップが幅25mm〜30mmあたりで、これ以上向上しないレベルまで改善されていること、また、幅が35mm以上では摩耗性能が急激に悪くなることから、本実施形態のタイヤについては、異種ゴムの配設幅は15mm〜30mm程度が妥当であることがわかる。すなわち、トレッド展開幅の5%以上14%以下が好適であり、より好ましくは、10%以上14%以下であった。
<トレッド端部の表面の異種ゴムの厚みの効果>
従来例2、実施例1、4、5、6および比較例4の比較から、異種ゴムの厚みの効果がわかる。厚みが1mm、2mm、4mm、5mmのものはいずれも従来例2よりもドラムでの横力指数が高く、また、テストコースでの評点も高かった。しかし、比較例4は従来例2に比べて横力指数が1%低く、柔らかいゴムをトレッド端部に配置したにもかかわらず、横力が低下してしまった。これは、トレッド端部のトレッド剛性が低下したためであり、ゴムが柔らかく路面に食い込みやすいために摩擦係数が上がったとしても、トレッドの横剪断剛性が低下したために、横力が出なくなったからである。このように、トレッド厚み全体に柔らかいゴムを配置しても効果は得られず、各実施例におけるようにトレッド端部の表面にのみ柔らかいゴムを配置することが効果的であることが確認できた。
異種ゴムの厚みの好適値については、本実施形態の場合は、1mmではやや薄く、効果はあるものの改良度合いは少ないことがわかる。本実施形態においては、厚み2mm〜5mmが適当であり、厚みはトレッドの総厚み7mmの0.2〜0.7(20%〜70%)が適当であることがわかる。より好ましくは、0.3〜0.7(30%〜70%)である。
<センター部の2層化の効果>
従来例1と従来例2との比較、および実施例10と実施例1との比較より、トレッドセンター部を2層とすることの効果がわかる。本実施形態では、従来例のようにトレッド端部に柔らかい異種ゴムを配置していない場合には、センター部を2層化した場合と2層化しない場合とで、ドラムでの横力指数に差はなかった。しかし、実施例のようにタイヤショルダー部に異種ゴムを配置して2層化し、横力を大きく発生させる構造にした場合には、トレッドセンター部を2層にした方がさらに横力が高まっていることがわかる。これは、タイヤの横力が強まったことにより、タイヤの骨格部材の横変形量が増えているためであり、トレッドセンター部の内部のゴムを固くすることで、タイヤセンター部の剛性が高まったからである。
図4を用いて説明すると、CA50度の接地状態では、タイヤセンター部は路面には接しておらず、接地面のすぐ隣に存在する。このとき、タイヤセンター部は、ちょうどタイヤのサイドウォールと同じような役割を担っており、この部分を硬くすると、タイヤの横方向の剛性が高まることになる。二輪車用タイヤの場合は、タイヤのセンター部は接触するトレッド部でありながら、CA50度の旋回時にはサイド部の役割をするのである。実施例のように、トレッドショルダー部に柔らかいゴムを配置して旋回時の横力を増した場合には、タイヤの変形が大きくなるため、タイヤのセンター部を補強することで、操縦安定性能が向上する。つまり、トレッドセンター部を二層とし、内部に動的弾性率の高いゴム(硬いゴム)を配置したため、横グリップも向上したのである。
上記のように、トレッドセンター部を2層化することは、単に直進時の転がり抵抗を低下させて燃費を節約する以外に、本実施例に示したように、ショルダー部の表面に柔らかいゴムを配置することと合せると、横グリップをさらに向上できる効果があることが確かめられた。
<ゴムの柔らかさの効果>
実施例1の構造を基準として、異種ゴムの動的弾性率を変更した各タイヤを比較することで、動的弾性率の影響がわかる。実施例1、7、8、9および従来例2の比較から、異種ゴムの弾性率指数が90であると効果は少ない。これは、硬さの差が少ないため、効果が薄れるからである。また、異種ゴムの弾性率指数が30であると、やはり効果が少ないが、これは、ゴムが柔らかくなり、路面への食い込みは非常に増して摩擦係数は向上するものの、ゴムが柔らかすぎてトレッドの横剪断剛性が低下し、その摩擦係数の向上分を相殺してしまうからである。
本実施形態における傾向からは、ゴムの弾性率指数が70および50の時に好ましい結果が得られており、以上のことから、弾性率の指数は40〜80が適当であると判断できる。また、弾性率指数が30や50では、摩耗が悪化していることがわかり、摩耗性能も考慮すると、好適値は60〜80であると言える。
<トレッド端部を薄くすることの効果>
実施例11および比較例5は、トレッド端部からトレッド展開幅の10%までの領域のトレッドゴムの平均の厚みを、その他の部分よりも0.7mm薄くなるように製造したタイヤである。他の部分の厚みは7mmであり、均一である。厚みは、上記範囲で、端部に向かうにつれて徐々に薄くなっている。実施例11については、表面の柔らかいゴムの厚みはそのまま維持し、内部のゴムの厚みを徐々にトレッド端部に向かって薄くした。実施例1と実施例11との比較、および、従来例2と比較例5との比較から、トレッド端部を薄くすることの効果がわかる。
実施例1と実施例11との比較から、トレッド端部のゴムを薄くした実施例11ではドラムの横力が向上し、テストコースの操縦安定性能試験の評点も高くなっている。比較例5も、従来例2に比べて同様の傾向がある。しかし、比較例5では、走行後の摩耗量が多い。これは、トレッド端部のゴムを柔らかくせずにトレッド厚みだけを薄くしたため、この部分のトレッドの剛性が他と比べて向上し、トレッドの変形が小さいために、逆にトレッド表面が路面から滑りやすくなったためである。すなわち、端部のトレッドが滑り、端部の摩耗が進んだものである。これに対し、トレッド表面を柔らかいゴムで覆った実施例11では、表面のゴムが柔らかく、変形が大きいので、トレッド厚みを薄くすることで他の部位との剛性のバランスが適度となる。そのため、薄くする前の実施例1に比べて、摩耗の悪化がほとんどない。このように、トレッドの厚みのコントロールを、表面のゴムを柔らかくした構成と組み合わせることで、操縦安定性能を高めて、摩耗ライフを維持できることがわかる。
(第二の実施形態)
下記条件に従い、タイヤサイズ190/50ZR17にて、二輪車用空気入りタイヤを作製した。各供試タイヤは、一対のビードコア間にトロイド状に跨って延在するカーカスプライ(ボディプライ)の2枚からなるカーカスを備えており、カーカスプライとしては、ケブラー(芳香族ポリアミド)の繊維を撚った直径0.6mmのコードを、タイヤセンター部での打ち込みが40本/50mmになるように配置した。また、2枚のカーカスプライは互いに交錯しており、タイヤセンター部での角度はタイヤ周方向に対して±40度であった。カーカスの端部はビード部に達しており、ビード部において、2枚まとめて、両側からビードワイヤで挟み込まれて固定されている。
また、トレッド部のカーカスのタイヤ半径方向外側には、スパイラルベルトを配置した。スパイラルベルトは、直径0.12mmのスチールの単線を7本撚り合わせて1本のスチールコードとし、これを、打ち込み間隔が50本/50mmになるようにトレッドに螺旋巻きすることにより形成した。さらに、スパイラルベルトのタイヤ半径方向外側には、タイヤ周方向に対する角度が90度のベルト層を1枚配置した。この90度ベルト層は、芳香族ポリアミドの繊維を撚った直径0.6mmのコードを、打ち込み間隔50本/50mmにて配置することにより形成した。90度ベルト層の外側には、トレッド部が設けられており、トレッド部の厚みは、センター部からショルダー部まで一律で8mmであった。
トレッドの展開幅(丸みに沿って図った弧の長さ)は240mmであり、スパイラルベルトの幅は240mm、その半径方向外側の90度ベルトの幅も240mmであった。また、トレッドセンター部は2層に分かれており、内層ゴム12Aとしては、120℃のショアA硬度が50であってかつ損失正接tanδのきわめて低いゴムを、幅120mm、厚み4mmにて配置した。一方、その表層ゴム12Bとしては、120℃のショアA硬度が45のゴムを、幅90mmで配置した。
上記構造を基本とし、トレッド部の構成を下記に従い変更して、各従来例、実施例および比較例の供試タイヤを製造した。いずれも、タイヤのセンター部については2層の構造としたため、表中ではセンター部の構造について言及しなかった。
<従来例3、比較例6,7>
トレッドセンター部の両側に、120℃のショアA硬度が35のゴム12Cを配置し、表面に異種ゴムを配置しなかった。これは、図2中のトレッド端部の異種ゴムを取り除き、ショアA硬度が35のゴムに置換した場合に相当する。トレッド端の壁面部における硬質ゴム、および、スパイラルベルトと90度ベルト層との間における緩衝ゴム層につき条件を変えて、各供試タイヤを作製した。なお、硬質ゴムとしては120℃のショアA硬度が70のものを使用し、その配置箇所は、図3(C)に示すように、トレッド端部の側面を補強するように、厚みが最大部で4mmとなるよう配置した。また、硬質ゴムは表面には露出せず、高さとしては、表面から1mmの位置より、8mmの位置までに配置した。さらに、緩衝ゴムのゴム種は、90度ベルトを覆っているベルトコーティングゴムと同種であった。
<実施例12〜15,比較例8>
図2に示すように、トレッド部表面のタイヤ幅方向両端部に、120℃におけるショアA硬度が27である異種ゴム6を下記表中に示す条件に従い配置した。また、トレッド端の壁面部における硬質ゴム、および、スパイラルベルトと90度ベルト層との間における緩衝ゴム層につき条件を変えて、各供試タイヤを作製した。
各供試タイヤについて、次の評価を行った。各タイヤは3本ずつ準備し、1本は新品時の横力評価に、他の1本はトレッド表面を削って摩耗を想定した横力評価に、他の1本は実車テストに、それぞれ用いた。本第二の実施形態のタイヤについては、競技で使うことを想定した評価を行った。
<CA50度の横力測定(新品時)>
直径3mのスチール製のドラムに、#40番の紙やすりを貼り付けて路面に見立てた。各供試タイヤは、リム幅6インチ、リム径17インチのホイールに組み、内圧200kPaを充填した。このタイヤを、CA50度、荷重1500N、SA0度でドラムに押し付けて、時速100km/hで回転させ、このときの横力を、タイヤの回転軸に取り付けた3分力計から測定した。横力がキャンバースラストである。横力の測定は、タイヤが回転し始めて5分の時のものを計測した。このときのショルダー部のトレッド温度は十分に暖められ、約120℃になっていた。結果は、従来例3の横力を100として指数で示した。なお、従来例3の横力は1900Nであった。
<摩耗を想定したタイヤの横力評価>
次に、各供試タイヤのタイヤ表面を、センター部からショルダー部まで一律に3mm削り取った。このタイヤについて、上記と同じ試験を行い、回転してから5分後のタイヤ横力を計測した。
<テストコースでの評価>
テストコースで、熟練ライダーによる総合的な操縦安定性能の試験を実施した。各供試タイヤはリア用のタイヤであったため、リアタイヤのみを交換して実車試験を行った。フロントタイヤは常に従来のもので固定した。各供試タイヤを1000ccのスポーツタイプの二輪車を改造して、競技用としたバイクを用いて、競技を想定して、サーキットでの走行を実施した。最高速度は320km/hに達した。結果は、テストライダーのフィーリングによる10点法で総合評価した。なお、テストは20周行い、最初の10周の平均ラップタイムと、最後の10周の平均ラップタイムを求めた。ラップタイムについては明らかにライダーがミスした場合のラップタイムは平均計算から除外した。操縦安定性能のフィーリング評点も、前半の10周と、後半の10周とで分けて評価した。サーキットのレイアウトは、速度80km/h〜120km/hで大きく車体を倒しこむコーナーが4箇所あった。また、20周走行した直後のタイヤ温度は、120℃程度であった。
<摩耗量の評価>
上記実車テストを行う前に、タイヤの重量を測定しておいた。その後、テストコースを20周した後に、タイヤに付着したゴムかすや小石などの付着物を綺麗に取り除いてタイヤの重量を測定し、新品時からの重量差を摩耗量として評価した。特設したテストコースはコーナーが多かったため、摩耗はショルダー部で集中的に発生した。つまり、この重量差を、新品時からのショルダー部の摩耗量と考えることができる。従来例3のタイヤの摩耗重量を100として、各供試タイヤの摩耗量を指数で比較した。なお、従来例3において、サーキットを20周した時のショルダー部の摩耗量は4mmに達していた。
これらの結果を、下記の表中に示す。
Figure 2009056898
*1)異種ゴムのトレッド表面における配設幅(mm)、および、この配設幅のトレッド展開幅に占める比率(%)(トレッド端からの範囲)を示す。
*2)異種ゴムの厚み(mm)、および、この厚みがトレッドゴムの総厚みに占める比率を示す。
*4)異種ゴムと、そのタイヤ幅方向内側に隣接して配置されたゴムとの深さ方向の境界の形状を示す。
*5)トレッド端の壁面部における硬質ゴムの有無を示す。
*6)スパイラルベルトと90度ベルト層との間における緩衝ゴム層の有無を示す。
<異種ゴムを配置することによる効果>
従来例3、実施例12および比較例8を比べることで、異種ゴム配置による効果がわかる。実施例12は、従来例3と比べて、新品時および3mmトレッドを削り取った時のいずれの横力指数も向上している。また、サーキットを走行した時のラップタイムも1秒以上速くなっており、効果が明確である。さらに、摩耗量についても、実施例12は従来例3より良化している。これは、このような競技用のタイヤでは、エンジンパワーが強化されて高いため、コーナーからの脱出のときの加速時における駆動力が非常に強く、タイヤが滑りながら加速するからである。タイヤのグリップ力を増すと、タイヤの滑りが抑制され、摩耗量を減らすことができる。実施例12のように、横グリップ力を増すと、加速時に横方向にタイヤがしっかりグリップするため、タイヤの無駄な空転を抑制でき、柔らかいゴムをトレッド端部に用いたにもかかわらず、総合的に摩耗が改善されたのである。
比較例8は、柔らかいゴムをトレッドの厚み全体に配置したものである。このタイヤでは、トレッド端部のトレッド横剪断剛性が低下しすぎて、柔らかいゴムをトレッド表面に用いたことで路面への食い込みが増して、摩擦係数が高くなったにもかかわらず、トレッドの剛性が不足して、摩擦係数が高くなったメリットが相殺され、結果的に横力指数が変化しなかった。そのため、横力は、従来例と変わらなかった。サーキットの走行においても、グリップ力が足りないため、タイヤが空転しがちであり、タイヤが横滑りして、タイヤの摩耗量が多かった。柔らかいゴムを用いたために、摩耗量は、従来例3のタイヤよりも増えてしまった。
以上の結果から、トレッドの端部の厚み全体を柔らかいゴムにするのではなく、タイヤの表面のみを柔らかくすることが好ましいことがわかる。
<深さ方向に異種ゴムの幅を広げる効果>
実施例12と実施例13との比較から、トレッド端部の表面の異種ゴムを、深さ方向に配設幅が広がるように配置することによる効果がわかる。図3の(A)と(B)との比較である。実施例13では、新品時のタイヤの横力指数も1ポイント増加した。これは、柔らかいゴムが斜めに内側に存在したため、表面に硬いゴムがあっても柔らかいゴムが内部にあることで、硬いゴムが路面に食い込みやすく、摩擦係数が増加したためである。また、摩耗を想定した3mm削り取ったタイヤでのドラム評価では、横力の新品時からの低下量が抑制されている。これは、タイヤの摩耗に伴って、柔らかいゴムの露出量が増していくからである。テストコースでの走行でも、実施例13は実施例12に比べて、走行の後半においても評点が高いことがわかる。
<硬質ゴムによる効果>
実施例13と14との比較から、硬質ゴムを配置することによる効果がわかる。硬質ゴムの120℃のショアA硬度は70であり、これはトレッドゴムを構成するいずれのゴムよりも硬い。実施例14のように、硬質ゴムを配置することで、柔らかいゴムを表面に配置して、トレッドの横剛性が低下するのを防止することができ、そのため、ドラムの横力指数、サーキットの指数ともに向上した。なお、従来例3のトレッドゴム構成に対し硬質ゴムを適用した場合を比較例6としたが、この場合は、実施例13に硬質ゴムを適用した実施例14に比べて、横力の向上効果が少ない。これは、従来例3は、トレッド端部に硬めのゴムを使用しているため、硬質ゴムで補強しなくても、トレッドの横剪断剛性がある程度保てているからである。本実施例のように、トレッド端部に柔らかいゴムを用いた場合に、硬質ゴムの効果は非常に有効となる。
<緩衝ゴムによる効果>
実施例14と実施例15との比較から、緩衝ゴム層の配置による効果がわかる。実施例15では、90度ベルトとスパイラルベルトとの間に、緩衝ゴム層を配置している。このように、緩衝ゴムを配置することで、骨格部材の幅方向の剪断剛性を強化しながら、骨格部材が周方向には柔軟に動けるようになり、トレッドの周方向の無駄な剪断を緩和できる。そのため、タイヤの滑りが抑制され、摩耗が減るとともに、グリップも改善される。実施例15が、今回のテストの中で最高の得点と、最速のラップタイムを示している。さらに、摩耗量が極めて少ないことが利点である。これは、競技用のタイヤがグリップが増すと滑りが減って摩耗が良くなる点による。
なお、従来例3に、硬質ゴムおよび緩衝ゴムを配置したものが比較例7であるが、これらの場合と比べて、実施例15の効果は大きい。これは、本発明のトレッド端部の表面の柔らかいゴムと、緩衝ゴムや硬質ゴムが相乗的に効果を高めたためである。
本発明の一好適例に係る二輪車用空気入りタイヤを示す幅方向断面図である。 本発明の他の好適例に係る二輪車用空気入りタイヤを示す幅方向断面図である。 異種ゴムの配設部位を示す拡大部分断面図である。 二輪車が大きなCA(CA50度)で旋回しているときの荷重直下におけるタイヤを示す断面図である。
符号の説明
1 ビードコア
2 カーカス
3 ベルト
4 スパイラルベルト
5 交錯ベルト層
6 異種ゴム
7 硬質ゴム
8 幅方向のベルト層
11 ビード部
12 トレッド部
12A 表層ゴム
12B 内層ゴム
12C トレッドセンター部の外側のゴム
13 サイドウォール部

Claims (11)

  1. 環状に形成されたトレッド部を備える二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部表面のタイヤ幅方向両端部に異種ゴムが配置され、該異種ゴムのトレッド表面における配設幅が、トレッド端からトレッド展開幅の5%〜14%の範囲内であり、かつ、該異種ゴムのショアA硬度が、該異種ゴムのタイヤ幅方向内側に隣接して配置されたゴムのショアA硬度よりも小さいことを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記異種ゴムの配設幅が、トレッド表面からタイヤ半径方向内側に向かい増大する請求項1記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記異種ゴムの厚みが、トレッドゴムの総厚みの20%以上70%以下である請求項1または2記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  4. トレッド端からトレッド展開幅の10%までの範囲のトレッドゴムの平均の厚みが、トレッド端を基準とするトレッド展開幅の10%から25%までの範囲のトレッドゴムの平均の厚みよりも小さい請求項1〜3のうちいずれか一項記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド部のうち、タイヤ赤道面を中心とするトレッド展開幅の少なくとも15%の領域が、厚み方向に積層された2種のゴムからなる請求項1〜4のうちいずれか一項記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  6. 前記積層された2種のゴムのうち表層ゴムと、前記異種ゴムに隣接するゴムとが、同種のゴムからなる請求項5記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  7. トレッド端の壁面部の少なくとも一部に、厚み6mm以下の硬質ゴムが配置されている請求項1〜6のうちいずれか一項記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッド部の少なくとも一部が、幅狭長尺のゴムストリップをタイヤ周方向に螺旋状に重ねて巻きつけて形成されてなる請求項1〜7のうちいずれか一項記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  9. 前記トレッド部のクラウン部タイヤ半径方向内側に、タイヤ周方向に対する角度が0度〜5度であるスパイラルベルトを備える請求項1〜8のうちいずれか一項記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  10. 前記トレッド部と前記スパイラルベルトとの間に、タイヤ周方向に対する角度が80度以上90度以下であるベルト層を備える請求項9記載の二輪車用空気入りタイヤ。
  11. 前記スパイラルベルトと前記ベルト層との間の少なくとも一部に、厚み0.3mm以上3mm以下の緩衝ゴム層を有する請求項10記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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