JP2009055508A - 出力回路およびその方法、ならびに、サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、電子機器、および印刷システム - Google Patents

出力回路およびその方法、ならびに、サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、電子機器、および印刷システム Download PDF

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Abstract

【課題】 小さいサイズを有する、あるいは、電源電圧の変化に影響を受け難い出力回路等を提供する。
【解決手段】 出力回路(10;20;40;60)は、入力信号(IN)を入力し、第1の電位(VDD)および第2の電位(GND)に接続される第1のインバータ回路(12;22)と、第1のインバータ回路(12;22)からの信号を入力する第2のインバータ回路(14;24)と、第2のインバータ回路(14;24)からの信号を入力する出力トランジスタ(16;26;46)と、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)と、を備える。少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)は、第1の電位(VDD)と第2の電位(GND)との間に、第1のインバータ回路(12;22)と直列に接続される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、出力回路およびその方法、ならびに、サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、電子機器、および印刷システムに関する。
幾つかの電子機器又はそれに含まれる回路(たとえば、サーマルヘッドドライバ)は、出力回路を備えることができる(たとえば、特許文献1、特許文献2)。
特開平07−195727号公報(図4) 特開平06−218735号公報(図1〜図6、図7)
一般に、電子機器又はそれに含まれる回路(たとえば、ノイズフィルタ回路、デッドタイム回路、および遅延回路)は、小さいサイズを有する、あるいは、電源電圧の変化に影響を受け難いことが望ましい。しかしながら、小さいサイズを有する、あるいは、電源電圧の変化に影響を受け難い回路を設計することは、当業者にとって困難である。
本発明に従う複数の形態のうち少なくとも1つの形態において、小さいサイズを有する、あるいは、電源電圧の変化に影響を受け難い回路が提供される。当業者は、(必要に応じて、本明細書およびそれに添付される図面(および、場合によって技術常識)を参照することによって、)本発明に従う各形態によって提供される少なくとも1つのさらなる利点を容易に理解することができるであろう。
以下に、本発明に従う複数の形態を例示する。以下に例示される複数の形態において、添付の図面で示される参照符号は、本発明を容易に理解するために用いられている。したがって、当業者は、本発明が、参照符号によって不当に限定されないことを留意すべきである。
本発明に従う第1の形態は、出力回路(10;20;40;60)に関係する。たとえば、出力回路(10;20;40;60)は、入力信号(IN)を入力し、第1の電位(VDD)および第2の電位(GND)に接続される第1のインバータ回路(12;22)と、第1のインバータ回路(12;22)からの信号を入力する第2のインバータ回路(14;24)と、第2のインバータ回路(14;24)からの信号を入力する出力トランジスタ(16;26;46)と、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)と、を備える。
少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)は、第1の電位(VDD)と第2の電位(GND)との間に、第1のインバータ回路(12;22)と直列に接続される。
本発明に従う第1の形態において、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)は、第1のインバータ回路(12;22)からの出力電位(22−1D、22−2D)を制限する。したがって、第2のインバータ回路(14;24)からの信号は、入力信号(IN)の立ち下がり時間(および/または立ち上がり時間)と比べて、長い立ち下がり時間(および/または立ち上がり時間)(34;54;74、76)を有する。その結果、第2のインバータ回路(14;24)が、特開平07−195727号公報(特許文献1)に示される従来のチャネル長よりも短いチャネル長を有する場合でも、従来の出力回路と同等の能力を有する出力回路(10;20;40;60)を提供することができる。言い換えれば、本発明に従う第1の形態において、小さいチップサイズを有する出力回路(10;20;40;60)が提供され得る。
あるいは、第2のインバータ回路(14;24)が、特開平07−195727号公報(特許文献1)に示される従来のチャネル長と同等のチャネル長を有する場合において、出力トランジスタ(16;26;46)がOFF(および/またはON)されるとき、サージ電圧が発生することを、より防止することができる。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)は、ゲート(G)、ソース(S)、およびドレイン(D)を有する。少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)のゲート(G)は、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1;118−2)のドレイン(D)に接続される。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、出力トランジスタ(16;26)は、N型のトランジスタであり、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28)の少なくとも1つは、第1の電位(VDD)と、第1のインバータ回路(12;22)からの出力電位(22−1D、22−2D)との間に、配置される。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、出力トランジスタ(16;46)は、P型のトランジスタであり、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;48)の少なくとも1つは、第1のインバータ回路(12;22)からの出力電位(22−1D、22−2D)と、第2の電位(GND)との間に、配置される。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、第2のインバータ回路(14;24)は、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48)のスレッショルド(Vthn;Vthp)より高いスレッショルドを有するトランジスタ(24−1;24−2)を含む、出力回路(10;20;40)。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、出力回路(10;60)は、第2のインバータ回路(14;24)に接続され、入力信号(IN)を入力するスイッチ回路(69)であって、少なくとも1つの第1のスイッチトランジスタ(69−1)と少なくとも1つの第2のスイッチトランジスタ(69−2)とを含むスイッチ回路(69)を、さらに備える。第2のインバータ回路(14;24)は、第1の電位(VDD)および第2の電位(GND)に接続される。
少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;68−1、68−2;108−1;118−2)は、少なくとも1つの第1の電流制限トランジスタ(68−1;108−1)と、少なくとも1つの第2の電流制限トランジスタ(68−2;118−2)と、を含む。少なくとも1つの第1の電流制限トランジスタ(68−1;108−1)は、第1の電位(VDD)と、第1のインバータ回路(12;22)からの出力電位(22−1D、22−2D)との間に、配置される。少なくとも1つの第2の電流制限トランジスタ(68−2;118−2)は、第1のインバータ回路(12;22)からの出力電位(22−1D、22−2D)と、第2の電位(GND)との間に、配置される。
少なくとも1つの第1のスイッチトランジスタ(69−1)は、第1の電位(VDD)と、第2のインバータ回路(14;24)からの出力電位(24−1D、24−2D)との間に、第2のインバータ回路(14;24)と直列に接続される。少なくとも1つの第2のスイッチトランジスタ(69−2)は、第2のインバータ回路(14;24)からの出力電位(24−1D、24−2D)と、第2の電位(GND)との間に、第2のインバータ回路(14;24)と直列に接続される。
この場合、第2のインバータ回路(14;24)からの信号の立ち上がり時間および立ち下がり時間は、第1の電位(VDD)の変化に影響を受け難い。一方、特開平06−218735号公報(特許文献2)の図1〜図6に示される従来の出力回路のインバータ回路3、4からの信号の立ち下がり時間は、電源電圧V2が電源電圧V1に等しいとき、電源電圧V1の変化に影響を受け易い。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、少なくとも1つの第1の電流制限トランジスタ(68−1;108−1)は、直列接続された複数の第1の電流制限トランジスタ(68−1、108−1)を含み、および/または、少なくとも1つの第2の電流制限トランジスタ(68−2;118−2)は、直列接続された複数の第2の電流制限トランジスタ(68−2、118−2)を含む。この場合、第2のインバータ回路(24)は、確実にONされる。その結果、本発明に従う第1の形態において、出力回路(10;60)は、出力回路(10;60)の製造プロセスの誤差に対して強い、あるいは、出力回路(10;60)の動作環境の変化に対して強い。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、第2のインバータ回路(14;24)は、第1および第2の導電型のトランジスタ(24−1、24−2)を含む。第1の導電型のトランジスタ(24−1)のチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wp(24−1)およびLp(24−1)である。第2の導電型のトランジスタ(24−2)のチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wn(24−2)およびLn(24−2)である。少なくとも1つの第1のスイッチトランジスタ(69−1)は、第1の導電型のスイッチトランジスタ(69−1)であり、第1の導電型のスイッチトランジスタ(69−1)のチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wp(69−1)およびLp(69−1)である。少なくとも1つの第2のスイッチトランジスタ(69−2)は、第2の導電型のスイッチトランジスタ(69−2)であり、第2の導電型のスイッチトランジスタ(69−2)のチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wp(69−2)およびLp(69−2)である。このとき、以下の式1および/または式2を満たす。
(Wp(24−1)/Lp(24−1)):((Wp(69−1)/Lp(69−1))
=1:1〜1:20 …(式1)
(Wn(24−2)/Ln(24−2)):((Wn(69−2)/Ln(69−2))
=1:1〜1:20 …(式2)
本発明に従う第1の形態において、出力回路(10;20;40;60)は、たとえば、サーマルヘッドドライバ(160)、サーマルヘッド(150)、電子機器(170、184)、および、印刷システム(180)に適用することができる。
したがって、サーマルヘッドドライバ(160)、サーマルヘッド(150)、電子機器(170、184)、および、印刷システム(180)を低コストで提供することができる。
本発明に従う第1の形態は、出力方法(10;20;40;60)に関係する。たとえば、出力方法(10;20;40;60)は、入力信号(IN)を準備すること、第1の電位(VDD)および第2の電位(GND)に接続される第1のインバータ回路(12;22)に、入力信号(IN)を入力すること、少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)により、第1のインバータ回路(12;22)からの出力電位(22−1D、22−2D)が、制限されること、第1のインバータ回路(12;22)からの信号を第2のインバータ回路(14;24)に入力すること、および、第2のインバータ回路(14;24)からの信号を出力トランジスタ(16;26;46)に入力すること、を含む。
少なくとも1つの電流制限トランジスタ(18;28;48;68−1、68−2;108−1、118−2)は、第1の電位(VDD)と第2の電位(GND)との間に、第1のインバータ回路(12;22)と直列に接続される、出力方法(10;20;40;60)
本発明に従う第2の形態において、出力方法(10;20;40;60)を実施する出力回路は、小さいチップサイズを有する。
当業者は、上述した本発明に従う各形態が、本発明の精神を逸脱することなく、変形され得ることを容易に理解できるであろう。たとえば、本発明に従うある形態を構成する少なくとも1つの要素は、本発明に従う他の形態に加えることができる。代替的に、本発明に従うある形態を構成する少なくとも1つの要素は、本発明に従う他の形態を構成する少なくとも1つの要素に組み替えることができる。
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明に従う複数の実施形態を説明する。以下に説明する各実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。したがって、当業者は、本発明が、以下に説明される各実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
1. 出力回路
1.1 出力回路の構成
図1は、本発明に従う出力回路の概略ブロック図を示す。
図1に示される出力回路10は、入力信号(IN)(たとえば、図1に図示しない論理回路からの信号)を入力し、電源電圧VDD(第1の電位)および接地電源電圧GND(第2の電位)に接続される第1のインバータ回路12と、第1のインバータ回路12からの信号を入力する第2のインバータ回路14と、第2のインバータ回路14からの信号を入力する出力トランジスタ16と、を備える。第2のインバータ回路14は、たとえば、電源電圧VDD(第1の電位)および接地電源電圧GND(第2の電位)に接続される。
出力回路10はさらに、少なくとも1つの電流制限トランジスタ18を備え、少なくとも1つの電流制限トランジスタ18は、電源電圧VDDと接地電源電圧GNDとの間に、第1のインバータ回路12と直列に接続される。
第1のインバータ回路12は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力(電流駆動能力)は、たとえば、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力と同等である。第1のインバータ回路12は、たとえば、CMOSトランジスタで構成される。
第2のインバータ回路14は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1および第2の導電型のトランジスタの一方の能力は、たとえば、第1および第2の導電型のトランジスタの他方の能力と同等である。第2のインバータ回路14は、たとえば、CMOSトランジスタで構成される。
出力トランジスタ16は、第1または第2の導電型のトランジスタである。トランジスタ16は、たとえば、MOSトランジスタで構成される。出力トランジスタ16の一端は、たとえば、接地電源電圧GNDにされる。出力トランジスタ16の他端は、出力回路10の出力信号(OUT)を形成し、たとえば、図1に図示しないサーマル抵抗素子(広義には発熱素子、発熱抵抗体)、有機LED(広義には発光素子)等に接続される。
少なくとも1つの電流制限トランジスタ18は、第1または第2の導電型のトランジスタであり、第1または第2の導電型のトランジスタの能力は、たとえば、第1および第2のインバータ回路12、14における第1および第2の導電型のトランジスタの能力と同等である。少なくとも1つの電流制限トランジスタ18は、たとえば、MOSトランジスタで構成される。
1.2 出力回路の第1の実施形態
図2は、図1に示される出力回路10の具体例を示す。
図2に示される出力回路20は、入力信号(IN)を入力し、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される第1のインバータ回路22と、第1のインバータ回路22からの信号を入力し、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される第2のインバータ回路24と、第2のインバータ回路24からの信号を入力し、接地電源電圧GNDに接続される出力トランジスタ26と、を備える。
出力回路20はさらに、電源電圧VDDと接地電源電圧GNDとの間に、第1のインバータ回路22に直列に接続される1つの電流制限トランジスタ28を、備える。
なお、出力回路20の出力端(OUT)は、抵抗素子を介して第2の電源電圧VHに接続される。
電流制限トランジスタ28は、P型のトランジスタ(MOSトランジスタ)28で、構成される。P型の電流制限トランジスタ28は、ゲートGと、ドレインDと、ソースSと、を有する。P型の電流制限トランジスタ28のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、P型の電流制限トランジスタ28のドレインD、第1のインバータ回路22(P型のトランジスタ22−1のソース)および電源電圧VDDに接続される。P型の電流制限トランジスタ28のサブストレートは、電源電圧VDDに接続される。
第1のインバータ回路22は、PおよびNの型のトランジスタ22−1、22−2(CMOSトランジスタ)を含む。第1のインバータ回路22において、P型のトランジスタ22−1の能力は、N型のトランジスタ22−2の能力と同等である。
PおよびNの型のそれぞれのトランジスタ22−1、22−2は、ゲートGと、ドレインDと、ソースSと、を有する。P型のトランジスタ22−1のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、入力信号(IN)、N型のトランジスタ22−2のドレインD、および、電流制限トランジスタ28のドレインDに接続される。N型のトランジスタ22−2のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、入力信号(IN)、P型のトランジスタ22−1のドレインDおよび接地電源GNDに接続される。PおよびNの型のトランジスタ22−1、22−2のサブストレートは、それぞれ、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される。
PまたはNの型のトランジスタ22−1、22−2のドレインDは、第1のインバータ回路22からの信号を形成する。
第2のインバータ回路24は、PおよびNの型のトランジスタ24−1、24−2(CMOSトランジスタ)を含む。第2のインバータ回路24において、P型のトランジスタ24−1の能力は、N型のトランジスタ24−2の能力と同等である。
PおよびNの型のそれぞれのトランジスタ24−1、24−2は、ゲートGと、ドレインDと、ソースSと、を有する。P型のトランジスタ24−1のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、第1のインバータ回路22からの信号、N型のトランジスタ24−2のドレインD、および電源電圧VDDに接続される。N型のトランジスタ24−2のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、第1のインバータ回路22からの信号、P型のトランジスタ24−1のドレインD、および接地電源電圧GNDに接続される。PおよびNの型のトランジスタ24−1、24−2のサブストレートは、それぞれ、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される。
PまたはNの型のトランジスタ24−1、24−2のドレインDは、第2のインバータ回路24からの信号を形成する。
出力トランジスタ26は、N型のトランジスタ(MOSトランジスタ)26で、構成される。N型の出力トランジスタ26は、ゲートGと、ドレインDと、ソースSと、を有する。N型の出力トランジスタ26のゲートG、およびソースSは、それぞれ、第2のインバータ回路24からの信号、および接地電源電圧GNDに接続される。出力トランジスタ26のサブストレートは、出力トランジスタ26のソースSに接続される。
N型の出力トランジスタ26のドレインDのレベルは、出力回路20の出力信号(OUT)を形成する。
図3は、図2に示される出力回路20の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図3において、符号IN、22、24、26(OUT)は、それぞれ、入力信号、第1のインバータ回路22からの信号、第2のインバータ回路24からの信号、および、出力トランジスタ26からの信号(出力信号)を表す。
まず、第1のインバータ回路22からの信号の状態を以下に説明する。
入力信号(IN)が、HIGH(VDD)とLOW(GND)との中間のレベルを示す場合、PおよびNの型のトランジスタ22−1、22−2は、ONされる。P型のトランジスタ22−1のソースSと、P型の電流制限トランジスタ28のドレインDおよびゲートとが、接続されているので、P型の電流制限トランジスタ28も、ONされる。
このとき、P型の電流制限トランジスタ28は、飽和領域で動作し、P型の電流制限トランジスタ28のドレイン電流Idは、以下の式(1.1)で、表される。
Id=(1/2)×β×(Vgs−Vthp)…(1.1)
β=(W/L)×μ×Cox …(1.2)
ここで、β、Vgs、およびVthpは、それぞれ、電流増幅率、ゲート・ソース間電圧、スレッショルド電圧であり、W、L、μ、およびCoxは、それぞれ、チャネル幅、チャネル長、移動度、およびゲート酸化膜容量である。
P型の電流制限トランジスタ28のゲート・ソース間電圧Vgsは、式(1.1)を用いて、以下の式(1.3)で、表される。
Vgs=Vthp+√(2×Id/β) …(1.3)
入力信号(IN)が、中間のレベルからHIGH(VDD)のレベルを示す場合、P型のトランジスタ22−1は、OFFされる。
したがって、入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、以下の式(1.4)で、表される(矢印31参照)。
V(22)=GND …(1.4)
入力信号(IN)が、中間のレベルからLOW(GND)のレベルを示す場合、N型のトランジスタ22−2は、OFFされる。したがって、P型の電流制限トランジスタ28のドレイン電流Idは、徐々に減少して、0になる(Id=0)。
このとき、P型の電流制限トランジスタ28のゲート・ソース間電圧Vgsは、式(1.3)を用いて、以下の式(1.5)で、表される。
Vgs(28)=Vthp …(1.5)
したがって、入力信号(IN)が、LOW(GND)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、以下の式(1.6)で、表される(矢印32参照)。
V(22)=VDD−Vgs(28)
=VDD−Vthp …(1.6)
上述の通り、入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、LOW(GND)のレベルを示し(式(1.4))、入力信号(IN)が、LOW(GND)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、HIGH(VDD−Vthp)のレベルを示す(式(1.6))。
次に、第2のインバータ回路24からの信号の状態を以下に説明する。
第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD−Vthp)のレベルを示す場合、P型のトランジスタ24−1は、OFFされ、N型のトランジスタ24−2は、ONされる。その結果、第2のインバータ回路24からの信号は、LOW(GND)を示す。
ところで、出力回路20がP型の電流制限ドランジスタ28を備えないことを仮定すれば、第1のインバータ回路22からの信号のHIGHのレベルは、VDDである。言い換えれば、出力回路20がP型の電流制限ドランジスタ28を備えるので、第1のインバータ回路22からの信号のHIGHのレベルは、VDDから、(VDD−Vthp)に低くなる。その結果、第2のインバータ回路24の出力インピーダンスは、小さくなる。
したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD−Vthp)のレベルを示す場合、第2のインバータ回路24からの信号は、LOW(GND)を示し、入力信号(IN)の立ち下がり時間と比べて長い立ち下がり時間(矢印34参照)を有する。
N型のトランジスタ24−2へのゲート・ソース間電圧を、VDDから、(VDD−Vthp)に低くすることで、N型のトランジスタ24−2の能力が下がり、これにより、第2のインバータ回路24からの信号が、入力信号(IN)の立ち下がり時間と比べて長い立ち下がり時間(矢印34参照)を有することを実現している。言い換えれば、N型のトランジスタ24−2のチャネル長をLnとするとき、Lnを長くしなくてもよい。この場合、特開平07−195727号公報(特許文献1)に示される従来の出力回路と比べて、図2に示される出力回路20は、小さいチップサイズを有することが可能となる。
第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(GND)のレベルを示す場合、P型のトランジスタ24−1は、ONされ、N型のトランジスタ24−2は、OFFされる。
したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(GND)のレベルを示す場合、第2のインバータ回路24からの信号は、HIGH(VDD)を示し、入力信号(IN)の立ち上がり時間と比べて同等の立ち上がり時間(矢印36参照)を有する。
次に、出力トランジスタ26からの信号(OUT)の状態を以下に説明する。
第2のインバータ回路24からの信号が、HIGH(VDD)を示す場合、N型の出力トランジスタ26は、ONされ、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルは、接地電源電圧(GND)を示す。このとき、抵抗には、電流が流れる。
第2のインバータ回路24からの信号は、HIGH(VDD)からLOW(GND)に徐々に変化(矢印34参照)するので、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルは、徐々に上昇する。このとき、抵抗に流れる電流は、徐々に減少して、Oになる。したがって、N型の出力トランジスタ26がOFFされるとき、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルがオーバーシュートすることを防止することができる(矢印38)。その結果、N型の出力トランジスタ26がOFFされるとき、サージ電圧が発生することを防止することができる。また、N型の出力トランジスタ26の耐圧電圧を低くすることができる。
なお、特開平06−218735号公報(特許文献2)の図1〜図6に示される従来の出力回路は、電源電圧V2からGNDに、常に、電流が、流れ続ける。したがって、従来の出力回路は、消費電力が多い。
1.2.1 出力回路の第1の実施形態の変形例
図2において、たとえば、P型のトランジスタ22−1のサブストレートは、電源電圧VDDに接続されているが、P型のトランジスタ22−1のソースに接続してもよい。
また、図2において、たとえば、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧は、P型の電流制限トランジスタ28のスレッショルド電圧Vthpと等しいが、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧は、P型の電流制限トランジスタ28のスレッショルド電圧Vthpより高くしてもよい。この場合、第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD−Vthp)のレベルを示す場合、P型のトランジスタ24−1は、確実にOFFされる。
さらに、図2において、たとえば、P型の電流制限トランジスタ28は、電源電圧VDDとP型のトランジスタ22−1のソースSとに接続されているが、P型の電流制限トランジスタ28は、P型のトランジスタ22−1のドレインDとN型のトランジスタ22−2のドレインDとに接続してもよい。
加えて、図2において、たとえば、P型の電流制限トランジスタ28が、電源電圧VDDとP型のトランジスタ22−1のソースSとに接続されているが、P型の電流制限トランジスタ28の代わりに、N型の電流制限トランジスタでもよい。この場合、式(1.5)、(1.6)は、それぞれ、以下の式(1.5.1)、(1.6.1)に変更される。
Vgs(28)=Vthn+αn …(1.5.1)
ただし、Vthn=Vthpを用いて、式(1.5.1)を得た。また、N型の電流制限トランジスタのサブストレートは、電源電圧GNDに接続されるので、スレッショルド電圧は、バックゲート効果により、αnだけ増加する。
V(22)=VDD−(Vgs(28))
=VDD−(Vthn+αn) …(1.6.1)
この場合、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧は、(Vthn+αn)と等しいか、あるいは、(Vthn+αn)より高くする。
さらに、図2において、たとえば、P型の電流制限トランジスタ28が、1つのトランジスタで構成されるが、複数のトランジスタで構成してもよい。たとえば、2つのP型の電流制限トランジスタ28が、電源電圧VDDと、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dとの間に配置される場合、式(1.6)は、以下の式(1.6.2)に変更される。
V(22)=VDD−(Vgs(28)+Vgs(28))
=VDD−(2×Vthp+αp) …(1.6.2)
ただし、2つのP型の電流制限トランジスタ28のうち1つのソースおよびサブストレートは、同じ電位でないので、そのP型の電流制限トランジスタ28のスレッショルド電圧は、バックゲート効果により、αpだけ増加する。
この場合、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧は、(2×Vthp+αp)と等しいか、あるいは、(2×Vthp+αp)より高くする。
さらに、図2において、たとえば、P型の電流制限トランジスタ28が、電源電圧VDDと、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dとの間に配置されるが、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dと、接地電源電圧GNDとの間に配置されてもよい。この場合、入力信号(IN)がHIGH(VDD)を示すとき、第1のインバータ回路22からの信号のレベルは、(Vthp+αp)を示す。また、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧は、(Vthp+αp)と等しいか、あるいは、(Vthp+αp)より高くする。第1のインバータ回路22からの信号のLOWのレベルは、GNDから、(Vthp+αp)に高くなる。その結果、第2のインバータ回路24の出力インピーダンスは、小さくなる。したがって、第2のインバータ回路24からの信号は、入力信号(IN)の立ち上がり時間と比べて長い立ち上がり時間を有する。その結果、N型の出力トランジスタ26がONされるとき、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルがアンダーシュートすることを防止することができる。
さらに、図2において、たとえば、P型の電流制限トランジスタ28が、1つのトランジスタで構成されるが、複数のトランジスタで構成してもよい。たとえば、第1のP型の電流制限トランジスタ28が、電源電圧VDDと、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dとの間に配置される。また、第2のP型の電流制限トランジスタ28が、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dと、接地電源電圧GNDとの間に配置される。したがって、第2のインバータ回路24からの信号は、入力信号(IN)の下がり時間と比べて長い立ち下がり時間(矢印34)を有するとともに、入力信号(IN)の立ち上がり時間と比べて長い立ち上がり時間を有する。その結果、N型の出力トランジスタ26がOFFされるとき、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルがオーバーシュートすることを防止することができ(矢印38)、かつ、N型の出力トランジスタ26がONされるとき、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルがアンダーシュートすることを防止することができる。
さらに、図2において、たとえば、N型のトランジスタ24−2の能力を、チャネル形状を変化させることによって、他のトランジスタ(たとえば、図2に図示しない論理回路のトランジスタ)の能力より低くしてもよい。すなわち、たとえば、N型のトランジスタ24−2のチャネル幅およびチャネル長を、それぞれ、Wn(24−2)およびLn(24−2)とし、論理回路のトランジスタのチャネル幅およびチャネル長を、それぞれ、Wn(L)およびLn(L)とするとき、以下の式(1.7)を成立させる。
Wn(L)/Ln(L)
>Wn(24−2)/Ln(24−2) …(1.7)
したがって、P型の電流制限トランジスタ28の効果に加えて、(1.7)に従うN型のトランジスタ24−2の効果(特開平07−195727号公報(特許文献1)に示される従来の出力回路の効果)により、第2のインバータ回路24からの信号は、入力信号(IN)の下がり時間と比べて、さらに長い立ち下がり時間を有する。言い換えれば、P型の電流制限トランジスタの効果が存在するので、N型のトランジスタ24−2のチャネル長Ln(24−2)を従来のチャネル長より短くしても、従来の出力回路と同等の能力を有する出力回路20を提供することができる。
1.3 出力回路の第2の実施形態
図4は、図1に示される出力回路10のもう1つの具体例を示す。
図4に示される出力回路40は、図2に示されるN型の出力トランジスタ26の代わりに、P型の出力トランジスタ46を備える。なお、出力回路20の出力端(OUT)は、抵抗素子を介して第2の電源電圧VLに接続される。
また、図4に示される出力回路40は、図2に示される電源電圧VDDとP型のトランジスタ22−1のドレインDとに接続されているP型の電流制限トランジスタ28の代わりに、電源電圧VDDとN型のトランジスタ22−2のソースSと接地電源電圧GNDとに接続されているN型の電流制限トランジスタ48を備える。
図4に示される出力回路40の他の構成は、図2に示される出力回路20の他の構成と同じである。
図5は、図4に示される出力回路40の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図5において、符号IN、22、24、46(OUT)は、それぞれ、入力信号、第1のインバータ回路22からの信号、第2のインバータ回路24からの信号、および、出力トランジスタ46からの信号(出力信号)を表す。
まず、第1のインバータ回路22からの信号の状態を以下に説明する。
入力信号(IN)が、HIGH(VDD)とLOW(GND)との中間のレベルを示す場合、PおよびNの型のトランジスタ22−1、22−2は、ONされる。P型のトランジスタ22−2のソースSと、N型の電流制限トランジスタ48のドレインDおよびゲートとが、接続されているので、N型の電流制限トランジスタ48も、ONされる。
このとき、N型の電流制限トランジスタ48は、飽和領域で動作し、N型の電流制限トランジスタ48のドレイン電流Idは、以下の式(2.1)で、表される。
Id=(1/2)×β×(Vgs−Vthn)…(2.1)
β=(W/L)×μ×Cox …(2.2)
ここで、β、Vgs、およびVthnは、それぞれ、電流増幅率、ゲート・ソース間電圧、スレッショルド電圧であり、W、L、μ、およびCoxは、それぞれ、チャネル幅、チャネル長、移動度、およびゲート酸化膜容量である。
N型の電流制限トランジスタ48のゲート・ソース間電圧Vgsは、式(2.1)を用いて、以下の式(2.3)で、表される。
Vgs=Vthn+√(2×Id/β) …(2.3)
入力信号(IN)が、中間のレベルからLOW(GND)のレベルを示す場合、N型のトランジスタ22−2は、OFFされる。
したがって、入力信号(IN)が、LOW(GND)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、以下の式(2.4)で、表される(矢印51参照)。
V(22)=VDD …(2.4)
入力信号(IN)が、中間のレベルからHIGH(VDD)のレベルを示す場合、P型のトランジスタ22−1は、OFFされる。したがって、N型の電流制限トランジスタ48のドレイン電流Idは、徐々に減少して、0になる(Id=0)。
このとき、N型の電流制限トランジスタ48のゲート・ソース間電圧Vgsは、式(2.3)を用いて、以下の式(2.5)で、表される。
Vgs(48)=Vthn …(2.5)
したがって、入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、以下の式(2.6)で、表される(矢印52参照)。
V(22)=Vgs(48)
=Vthn …(2.6)
上述の通り、入力信号(IN)が、LOW(GND)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、HIGH(VDD)のレベルを示し(式(2.4))、入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、LOW(Vthn)のレベルを示す(式(2.6))。
次に、第2のインバータ回路24からの信号の状態を以下に説明する。
第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(Vthn)のレベルを示す場合、N型のトランジスタ24−2は、OFFされ、P型のトランジスタ24−1は、ONされる。その結果、第2のインバータ回路24からの信号は、HIGH(VDD)を示す。
ところで、出力回路40がN型の電流制限ドランジスタ48を備えないことを仮定すれば、第1のインバータ回路22からの信号のLOWのレベルは、GNDである。言い換えれば、出力回路40がN型の電流制限ドランジスタ48を備えるので、第1のインバータ回路22からの信号のLOWのレベルは、GNDから、(Vthn)に高くなる。その結果、第2のインバータ回路24の出力インピーダンスは、小さくなる。
したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(Vthn)のレベルを示す場合、第2のインバータ回路24からの信号は、HIGH(VDD)を示し、入力信号(IN)の立ち上がり時間と比べて長い立ち上がり時間(矢印54参照)を有する。
P型のトランジスタ24−1へのゲート・ソース間電圧を、GNDから、(Vthn)に高くすることで、P型のトランジスタ24−1の能力が下がり、これにより、第2のインバータ回路24からの信号が、入力信号(IN)の立ち上がり時間と比べて長い立ち上がり時間(矢印54参照)を有することを実現している。言い換えれば、P型のトランジスタ24−1のチャネル長をLpとするとき、Lpを長くしなくてもよい。この場合、図4に示される出力回路40は、小さいチップサイズを有することが可能となる。
第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、N型のトランジスタ24−2は、ONされ、P型のトランジスタ24−1は、OFFされる。
したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、第2のインバータ回路24からの信号は、LOW(GND)を示し、入力信号(IN)の立ち上がりと比べて同等の立ち下がり時間(矢印56参照)を有する。
次に、出力トランジスタ46からの信号(OUT)の状態を以下に説明する。
第2のインバータ回路24からの信号が、LOW(GND)を示す場合、P型の出力トランジスタ46は、ONされ、抵抗には、電流が流れる。
第2のインバータ回路24からの信号は、LOW(GND)からHIGH(VDD)に徐々に変化(矢印54参照)するので、P型の出力トランジスタ46のドレインD(OUT)のレベルは、徐々に上昇して、電源電圧VDDになる。このとき、抵抗に流れる電流は、徐々に減少して、Oになる。したがって、P型の出力トランジスタ46がOFFされるとき、P型の出力トランジスタ46のドレインD(OUT)のレベルがオーバーシュートすることを防止することができる(矢印58)。その結果、P型の出力トランジスタ46がOFFされるとき、サージ電圧が発生することを防止することができる。また、P型の出力トランジスタ46の耐圧電圧を低くすることができる。
1.3.1 出力回路の第2の実施形態の変形例
図4において、たとえば、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧は、N型の電流制限トランジスタ48のスレッショルド電圧Vthnと等しいが、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧は、N型の電流制限トランジスタ48のスレッショルド電圧Vthnより高くしてもよい。この場合、第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(Vthn)のレベルを示す場合、N型のトランジスタ24−2は、確実にOFFされる。
また、図4において、たとえば、N型の電流制限トランジスタ48は、N型のトランジスタ22−2のソースSと接地電源電圧GNDとに接続されているが、N型の電流制限トランジスタ48は、P型のトランジスタ22−1のドレインDとN型のトランジスタ22−2のドレインDとに接続してもよい。
さらに、図4において、たとえば、N型の電流制限トランジスタ48が、N型のトランジスタ22−2のソースSと接地電源電圧GNDとに接続されているが、N型の電流制限トランジスタ48の代わりに、P型の電流制限トランジスタでもよい。この場合、式(2.6)は、以下の式(2.6.1)に変更される。
V(22)=Vgs(48)
=Vthp+αp …(2.6.1)
この場合、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧は、(Vthp+αp)と等しいか、あるいは、(Vthp+αp)より高くする。
加えて、図4において、たとえば、N型の電流制限トランジスタ48が、1つのトランジスタで構成されるが、複数のトランジスタで構成してもよい。たとえば、2つのN型の電流制限トランジスタ48が、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dと、接地電源電圧GNDとの間に配置される。この場合、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧は、(2×Vthn+αn)と等しいか、あるいは、(2×Vthn+αn)より高くする。
さらに、図4において、たとえば、N型の電流制限トランジスタ48が、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dと、接地電源電圧GNDとの間に配置されるが、電源電圧VDDと、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dとの間に配置されてもよい。また、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧は、(Vthn+αn)と等しいか、あるいは、(Vthn+αn)より高くする。第1のインバータ回路22からの信号のHIGHのレベルは、VDDから、(VDD−(Vthn+αn))に低くなる。その結果、第2のインバータ回路24の出力インピーダンスは、小さくなる。この場合、P型の出力トランジスタ46がONされるとき、P型の出力トランジスタ46のドレインD(OUT)のレベルがアンダーシュートすることを防止することができる。
さらに、図4において、たとえば、N型の電流制限トランジスタ48が、1つのトランジスタで構成されるが、複数のトランジスタで構成してもよい。たとえば、第1のN型の電流制限トランジスタ48が、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dと、接地電源電圧GNDとの間に配置される。また、第2のN型の電流制限トランジスタ48が、電源電圧VDDと、第1のインバータ回路22からの出力電圧22−1D、22−2Dとの間に配置される。この場合、P型の出力トランジスタ46がOFFされるとき、P型の出力トランジスタ46のドレインD(OUT)のレベルがオーバーシュートすることを防止することができ(矢印58)、かつ、P型の出力トランジスタ46がONされるとき、P型の出力トランジスタ46のドレインD(OUT)のレベルがアンダーシュートすることを防止することができる。
さらに、図4において、たとえば、P型のトランジスタ24−1の能力を、チャネル形状を変化させることによって、他のトランジスタ(たとえば、図4に図示しない論理回路のトランジスタ)の能力より低くしてもよい。この場合、N型の電流制限トランジスタ48の効果に加えて、P型のトランジスタ24−1の効果により、第2のインバータ回路24からの信号は、入力信号(IN)の上がり時間と比べて、さらに長い立ち上がり時間を有する。
1.4 出力回路の第3の実施形態
図6は、図1に示される出力回路10のさらなる具体例を示す。
図6に示される出力回路60は、図2に示されるP型の電流制限トランジスタ28の代わりに、電流制限回路68を備える。また、出力回路60は、スイッチ回路69を備える。
すなわち、図6に示される出力回路60は、入力信号(IN)を入力し、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される第1のインバータ回路22と、第1のインバータ回路22からの信号を入力し、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される第2のインバータ回路24と、第2のインバータ回路24からの信号を入力し、接地電源電圧GNDに接続される出力トランジスタ26と、を備える。
出力回路60はさらに、電源電圧VDDと接地電源電圧GNDとの間に、第1のインバータ回路22に直列に接続される電流制限回路68を、備える。
また、出力回路60はさらに、電源電圧VDDと接地電源電圧GNDとの間に、第2のインバータ回路24に直列に接続されるスイッチ回路69を、備える。
なお、出力回路60の出力端(OUT)は、抵抗素子を介して第2の電源電圧VHに接続される。
電流制限回路68は、PおよびNの型の電流制限トランジスタ68−1、68−2(CMOSトランジスタ)を含む。電流制限回路68において、P型の電流制限トランジスタ68−1の能力は、N型の電流制限トランジスタ68−2の能力と同等である。
P型の電流制限トランジスタ68−1のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、P型の電流制限トランジスタ68−1のドレインD、第1のインバータ回路22(P型のトランジスタ22−1のソース)および電源電圧VDDに接続される。N型の電流制限トランジスタ68−2のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、N型の電流制限トランジスタ68−2のドレインD、第1のインバータ回路22(N型のトランジスタ22−2のソース)および接地電源電圧GNDに接続される。PおよびNの型の電流制限トランジスタ68−1、68−2のサブストレートは、それぞれ、電源電圧VDD、接地電源電圧GNDに接続される。
P型のトランジスタ22−1のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、入力信号(IN)、N型のトランジスタ22−2のドレインD、および、P型の電流制限トランジスタ68−1のドレインDに接続される。N型のトランジスタ22−2のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、入力信号(IN)、P型のトランジスタ22−1のドレインDおよび、電流制限トランジスタ68−2のドレインDに接続される。PおよびNの型のトランジスタ22−1、22−2のサブストレートは、それぞれ、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される。
PまたはNの型のトランジスタ22−1、22−2のドレインDは、第1のインバータ回路22からの信号を形成する。
P型のトランジスタ24−1のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、第1のインバータ回路22からの信号、N型のトランジスタ24−2のドレインD、およびスイッチ回路69(P型のスイッチトランジスタ69−1のドレインD)に接続される。N型のトランジスタ24−2のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、第1のインバータ回路22からの信号、P型のトランジスタ24−1のドレインD、および、スイッチ回路69(N型のスイッチトランジスタ69−2のドレインD)に接続される。PおよびNの型のトランジスタ24−1、24−2のサブストレートは、それぞれ、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される。
PまたはNの型のトランジスタ24−1、24−2のドレインDは、第2のインバータ回路24からの信号を形成する。
なお、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧は、P型の電流制限トランジスタ68−1のスレッショルド電圧Vthpより低く、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧は、N型の電流制限トランジスタ68−2のスレッショルド電圧Vthnより低い。たとえば、P型の電流制限トランジスタ68−1のチャネル長は、P型のトランジスタ24−1のチャネル長Lpより長く、N型の電流制限トランジスタ68−2のチャネル長は、N型のトランジスタ24−2のチャネル長Lnより長い。この場合において、PおよびNの型のトランジスタ24−1、24−2のチャネル長Lp、Lnが、それぞれ、PおよびNの型の電流制限トランジスタ68−1、68−2のチャネル長より短いので、PおよびNの型のトランジスタ24−1、24−2のスレッショルドVthp’、Vthn’は、それぞれ、短チャネル効果によって、PおよびNの型の電流制限トランジスタ68−1、68−2のスレッショルドVthp、Vthnより低くなる。代替的に、P型の電流制限トランジスタ68−1およびP型のトランジスタ24−1の双方のチャネル長が、Lpであり、N型の電流制限トランジスタ68−2およびN型のトランジスタ24−2の双方のチャネル長が、Lnであっても、P型の電流制限トランジスタ68−1およびP型のトランジスタ24−1のチャネルドープの打ち込み量を互いに異ならせることで、また、N型の電流制限トランジスタ68−2およびN型のトランジスタ24−2のチャネルドープの打ち込み量を互いに異ならせることで、PおよびNの型のトランジスタ24−1、24−2のスレッショルドVthp’、Vthn’は、それぞれ、PおよびNの型の電流制限トランジスタ68−1、68−2のスレッショルドVthp、Vthnより低くすることができる。
スイッチ回路69は、PおよびNの型のスイッチトランジスタ69−1、69−2(CMOSトランジスタ)を含む。スイッチ回路69において、P型のスイッチトランジスタ69−1の能力は、N型のスイッチトランジスタ69−2の能力と同等である。
P型のスイッチトランジスタ69−1のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、入力信号(IN)、P型のトランジスタ24−1のソースS、および電源電圧VDDに接続される。N型のスイッチトランジスタ69−2のゲートG、ドレインDおよびソースSは、それぞれ、入力信号(IN)、N型のトランジスタ24−2のソースS、および接地電源電圧GNDに接続される。PおよびNの型のスイッチトランジスタ69−1、69−2のサブストレートは、それぞれ、電源電圧VDDおよび接地電源電圧GNDに接続される。
N型の出力トランジスタ26のゲートG、およびソースSは、それぞれ、第2のインバータ回路24からの信号、および接地電源電圧GNDに接続される。出力トランジスタ26のサブストレートは、出力トランジスタ26のソースSに接続される。
N型の出力トランジスタ26のドレインDのレベルは、出力回路60の出力信号(OUT)を形成する。
図7は、図6に示される出力回路60の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図3において、符号IN、22、24、26(OUT)は、それぞれ、入力信号、第1のインバータ回路22からの信号、第2のインバータ回路24からの信号、および、出力トランジスタ26からの信号(出力信号)を表す。
まず、第1のインバータ回路22からの信号の状態を以下に説明する。
図6に示される第1のインバータ回路22および電流制限回路68の動作は、図2および図4に示されるものと類似する。
すなわち、入力信号(IN)が、LOW(GND)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、HIGH(VDD−Vthp)のレベルを示し(式(1.6)、矢印32参照)、入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、LOW(Vthn)のレベルを示す(式(2.6)、矢印52参照)。
次に、第2のインバータ回路24からの信号の状態を以下に説明する。
入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示し、したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(Vthn)のレベルを示す場合、P型のスイッチトランジスタ69−1は、OFFされ、N型のスイッチトランジスタ69−2は、ONされ、N型のトランジスタ24−2は、ONされる。ただし、上述のとおり、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧Vthn’は、N型の電流制限トランジスタ68−2のスレッショルド電圧Vthnより低い。
N型のスイッチトランジスタ69−2がONされた直後において、N型のトランジスタ24−2のソース・ドレイン間電圧Vdsは、VDDである。このとき、N型のトランジスタ24−2において、以下の式(3.1)が満たされる。
Vgs−Vthn’=Vthn−Vthn’
=(Vthn−Vthn’)<Vds(=VDD) …(3.1)
式(3.1)に従う、N型のトランジスタ24−2は、飽和領域で動作する。このとき、N型のトランジスタ24−2のドレイン電流Idは、以下の式(3.2)で、表される。
Id(24−2)
=(1/2)×β×(Vgs−Vthn’)
=(1/2)×β×(Vthn−Vthn’) …(3.2)
飽和領域で動作するN型のトランジスタ24−2のON抵抗は、以下の式(3.3)で、表される。
Ron(24−2)=Vds/Id(24−2)
=Vds/(0.5×β×(Vthn−Vthn’)) …(3.3)
式(3.1)、(3.3)を用いて、以下の式(3.4)が成立する。
Ron(24−2)=Vds/(0.5×β×(Vthn−Vthn’)
>1/(0.5×β×(Vthn−Vthn’)) …(3.4)
N型のスイッチトランジスタ69−2がONされた後、N型のトランジスタ24−2のソース・ドレイン間電圧Vdsは、徐々に減少して、0になる。以下の式(3.5)が満たされる間、N型のトランジスタ24−2は、線形領域で動作する。
Vgs−Vthn’=Vthn−Vthn’
=(Vthn−Vthn’)>Vds …(3.5)
N型のトランジスタ24−2が、線形領域で動作するとき、N型のトランジスタ24−2のドレイン電流Idは、以下の式(3.6)、(3.7)で、表される。
Id(24−2)
=β×((Vgs−Vthn’)×Vds−0.5×Vds
=β×((Vthn−Vthn’)×Vds−0.5×Vds) …(3.6)
≒β×(Vthn−Vthn’)×Vds …(3.7)
なお、Vdsが十分小さい場合、Vds≒0を用いて、式(3.6)から式(3.7)を得た。
線形領域で動作するN型のトランジスタ24−2のON抵抗は、以下の式(3.8)で、表される。
Ron(24−2)=Vds/Id(24−2)
=1/(β×((Vthn−Vthn’)−0.5×Vds)) …(3.8)
式(3.5)、(3.8)を用いて、以下の式(3.9)が成立する。
Ron(24−2)=1/(β×((Vthn−Vthn’)−0.5×Vds))
>1/(β×(0.5×(Vthn−Vthn’))) …(3.9)
また、Vdsが十分小さい場合、Vds≒0を用いて、式(3.8)から以下の式(3.10)を得ることもできる。
Ron(24−2)=1/(β×((Vthn−Vthn’)−0.5×Vds))
≒1/(β×(Vthn−Vthn’)) …(3.10)
式(3.3)、(3.10)には、電源電圧VDDの項が含まれない。したがって、N型のトランジスタ24−2の動作は、電源電圧VDDに対して依存しない。言い換えれば、N型のトランジスタ24−2のON抵抗は、電源電圧VDDの変化に影響を受け難い。
ところで、N型のスイッチトランジスタ69−2がONされた状態において、N型のスイッチトランジスタ69−2のソース・ドレイン間電圧Vdsは、0である。したがって、N型のスイッチトランジスタ69−2のスレッショルド電圧が、Vthnである場合、N型のスイッチトランジスタ69−2において、以下の式(3.11)が満たされる。
Vgs−Vthn=VDD−Vthn>Vds(=0) …(3.11)
式(3.11)に従う、N型のスイッチトランジスタ69−2は、線形領域で動作する。このとき、N型のスイッチトランジスタ69−2のドレイン電流Idは、以下の式(3.12)、(3.13)で、表される。
Id(69−2)
=β×((Vgs−Vthn)×Vds−0.5×Vds
=β×((VDD−Vthn)×Vds−0.5×Vds) …(3.12)
≒β×((VDD−Vthn)×Vds) …(3.13)
なお、Vdsが十分小さい場合、Vds≒0を用いて、式(3.12)から式(3.13)を得た。
したがって、線形領域で動作するN型のスイッチトランジスタ69−2のON抵抗は、以下の式(3.14)で、表される。
Ron(69−2)
=Vds/Id(69−2)
=1/(β×(VDD−Vthn)) …(3.14)
ここで、N型のトランジスタ24−2およびN型のトランジスタ69−2の電流増幅率βが等しい場合、すなわち、たとえば、N型のトランジスタ24−2およびN型のトランジスタ69−2のチャネル幅およびチャネル長が等しい場合、式(3.10)、(3.14)を用いて、以下の式(3.15)を得ることができる。
Ron(24−2):Ron(69−2)
=(VDD−Vthn):(Vthn−Vthn’) …(3.15)
たとえば、VDD=5.0[V]、Vthn=0.50[V]、(Vthn−Vthn’)=0.35[V]の場合、式(3.15)から以下の式(3.16)を得る。
Ron(24−2):Ron(69−2)
=5.0−0.50:0.35
=4.50:0.35
≒13:1 …(3.16)
したがって、入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示し、したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(Vthn)のレベルを示す場合、第2のインバータ回路24からの信号(N型のトランジスタ24−2のドレインDのレベル)は、N型のトランジスタ24−2のON抵抗(Ron(24−2))に、支配される(式(3.16)参照)。その結果、第2のインバータ回路24からの信号は、入力信号(IN)の立ち下がり時間と比べて長い立ち下がり時間(矢印74参照)を有する。
上述のとおり、N型のトランジスタ24−2のON抵抗は、電源電圧VDDの変化に影響を受け難い。したがって、第2のインバータ回路24からの信号の立ち下がり時間(矢印74参照)も、電源電圧VDDの変化に影響を受け難い。一方、特開平06−218735号公報(特許文献2)の図1〜図6に示される従来の出力回路のトランジスタ6、9のゲート電圧は、電源電圧V2が電源電圧V1に等しいとき、電源電圧V1の変化に影響を受け易い。言い換えれば、トランジスタ6、9の能力も、電源電圧V1の変化に影響を受け易い。したがって、従来の出力回路のインバータ回路3、4からの信号の立ち下がり時間も、電源電圧V1の変化に影響を受け易い。
N型のトランジスタ24−2へのゲート・ソース間電圧を、VDDから、(Vthn)に低くすることで、N型のトランジスタ24−2の能力が下がり、これにより、第2のインバータ回路24からの信号が、入力信号(IN)の立ち下がり時間と比べて長い立ち下がり時間(矢印74参照)を有することを実現している。言い換えれば、N型のトランジスタ24−2のチャネル長をLnとするとき、Lnを長くしなくてもよい。この場合、図6に示される出力回路60は、小さいチップサイズを有することが可能となる。
入力信号(IN)が、LOW(GND)のレベルを示し、したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD−Vthp)のレベルを示す場合、N型のスイッチトランジスタ69−2は、OFFされ、P型のスイッチトランジスタ69−1は、ONされ、P型のトランジスタ24−1は、ONされる。ただし、上述のとおり、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧Vthp’は、P型の電流制限トランジスタ68−1のスレッショルド電圧Vthpより低い。
式(3.16)から推測できるように、入力信号(IN)がLOW(GND)のレベルを示し、したがって、第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD−Vthp)のレベルを示す場合、Ron(24−1)>Ron(69−1)である。すなわち、第2のインバータ回路24からの信号(P型のトランジスタ24−1のドレインDのレベル)は、P型のトランジスタ24−1のON抵抗(Ron(24−1))に、支配される。その結果、第2のインバータ回路24からの信号は、入力信号(IN)の立ち上がり時間と比べて長い立ち上がり時間(矢印76参照)を有する。
次に、出力トランジスタ26からの信号(OUT)の状態を以下に説明する。
第2のインバータ回路24からの信号が、LOW(GND)を示す場合、N型の出力トランジスタ26は、OFFされる。このとき、抵抗には、電流が流れない。第2のインバータ回路24からの信号は、LOW(GND)からHIGH(VDD)に徐々に変化(矢印76参照)するので、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルは、徐々に降下する。このとき、抵抗に流れる電流は、徐々に増加して、最大になる。したがって、N型の出力トランジスタ26がONされるとき、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルがアンダーシュートすることを防止することができる(矢印79)。その結果、N型の出力トランジスタ26がONされるとき、サージ電圧が発生することを防止することができる。
第2のインバータ回路24からの信号は、HIGH(VDD)からLOW(GND)に徐々に変化(矢印74参照)するので、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルは、徐々に上昇する。このとき、抵抗に流れる電流は、徐々に減少して、Oになる。したがって、N型の出力トランジスタ26がOFFされるとき、N型の出力トランジスタ26のドレインD(OUT)のレベルがオーバーシュートすることを防止することができる(矢印78)。その結果、N型の出力トランジスタ26がOFFされるとき、サージ電圧が発生することを防止することができる。また、N型の出力トランジスタ26の耐圧電圧を低くすることができる。
なお、特開平06−218735号公報(特許文献2)の図1〜図6に示される従来の出力回路は、電源電圧V2からGNDに、常に、電流が、流れ続ける。したがって、従来の出力回路は、消費電力が多い。
1.4.1 出力回路の第3の実施形態の変形例
図6において、たとえば、PおよびNの型のトランジスタ22−1、22−2のサブストレートは、電源電圧VDDまたは接地電源電圧GNDに接続されているが、各トランジスタのソースに接続してもよい。
加えて、図6において、たとえば、P型の電流制限トランジスタ68−1は、電源電圧VDDとP型のトランジスタ22−1のソースSとに接続されているが、P型の電流制限トランジスタ68−1は、P型のトランジスタ22−1のドレインDとN型のトランジスタ22−2のドレインDとに接続してもよい(図8参照)。
さらに、図6において、たとえば、N型の電流制限トランジスタ68−2は、N型のトランジスタ22−2のソースSと接地電源電圧GNDとに接続されているが、N型の電流制限トランジスタ68−2は、P型のトランジスタ22−1のドレインDとN型のトランジスタ22−2のドレインDとに接続してもよい(図9参照)。
さらに、図6において、たとえば、P型の電流制限トランジスタ68−1が、電源電圧VDDとP型のトランジスタ22−1のソースSとに接続されているが、P型の電流制限トランジスタ68−1の代わりに、N型の電流制限トランジスタ108−1でもよい(図10参照)。この場合、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧Vthp’は、N型の電流制限トランジスタ108−1のスレッショルド電圧(Vthn+αn)より低い。
さらに、図6において、たとえば、N型の電流制限トランジスタ68−2が、N型のトランジスタ22−2のソースSと接地電源電圧GNDとに接続されているが、N型の電流制限トランジスタ68−2の代わりに、P型の電流制限トランジスタ118−2でもよい(図11参照)。この場合、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧Vthn’は、P型の電流制限トランジスタ118−2のスレッショルド電圧(Vthp+αp)より低い。
さらに、図6において、たとえば、P型のスイッチトランジスタ69−1は、電源電圧VDDとP型のトランジスタ24−1のソースSとに接続されているが、P型のスイッチトランジスタ69−1は、P型のトランジスタ24−1のドレインDとN型のトランジスタ24−2のドレインDとに接続してもよい(図12参照)。
さらに、図6において、たとえば、N型のスイッチトランジスタ69−2は、N型のトランジスタ24−2のソースSと接地電源電圧GNDとに接続されているが、N型のスイッチトランジスタ69−2は、P型のトランジスタ24−1のドレインDとN型のトランジスタ24−2のドレインDとに接続してもよい(図13参照)。
さらに、図6において、電流制限回路68は、2つの電流制限トランジスタ68−1、68−2で構成されるが、電流制限回路68は、4つの電流制限トランジスタ68−1、68−2、148−1、148−2で構成してもよい(図14参照)。代替的に、電流制限回路68は、3つの電流制限トランジスタ(たとえば、電流制限トランジスタ68−1、68−2、148−2)で構成してもよく、あるいは、5つ以上の電流制限トランジスタで構成してもよい。
図14において、入力信号(IN)が、LOW(GND)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、HIGH(VDD−(2×Vthp+αp))のレベルを示し、入力信号(IN)が、HIGH(VDD)のレベルを示す場合、第1のインバータ回路22からの信号は、LOW(2×Vthn+αn))のレベルを示す。この場合、P型のトランジスタ24−1のスレッショルド電圧は、P型の電流制限トランジスタ148−1のスレッショルド電圧Vthpと等しくてよく、N型のトランジスタ24−2のスレッショルド電圧も、N型の電流制限トランジスタ148−2のスレッショルド電圧Vthnと等しくてよい。
図14において、第1のインバータ回路22からの信号が、LOW(2×Vthn+αn)のレベルを示すとき、N型のトランジスタ24−2がONされるためには、以下の式(3.17)が満たされればよい。
(2×Vthn+αn)−Vtn
=Vthn+αn>0 …(3.17)
したがって、図14において、N型のトランジスタ68−2のサブストレートは、接地電源電圧GNDに接続されているが、N型のトランジスタ68−2のソースSに接続しても、以下の式(3.18)が満たされる。
(2×Vthn)−Vtn
=Vthn>0 …(3.18)
また、N型のトランジスタ68−2、148−2、24−2のスレッショルドVtn(たとえば、0.5[V])が、たとえば、±0.15[V]のばらつきを有していたとしても、N型のトランジスタ24−2が、確実にONされる。言い換えれば、式(3.18)から、たとえば、以下の式(3.19)を得ることができる。
(2×Vthn)−Vtn
=(2×(0.5−0.15))−(0.5+0.15)
=0.05>0 …(3.19)
同様に、第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD−(2×Vthp+αp))のレベルを示すとき、あるいは、第1のインバータ回路22からの信号が、HIGH(VDD−2×Vthp)のレベルを示すとき、P型のトランジスタ24−1が確実にONされる。したがって、電流制限回路68は、3つ以上の電流制限トランジスタで構成されるとき、たとえば図14に示される出力回路60は、製造プロセスの誤差に対して強い、あるいは、出力回路60の動作環境の変化に対して強い。
さらに、図6、図8〜図14において、たとえば、N型のトランジスタ24−2の能力を、チャネル形状を変化させることによって、他のトランジスタ(たとえば、N型のトランジスタ69−2)の能力より低くしてもよい。
ところで、図6において、N型のトランジス24−2、69−2のチャネル幅およびチャネル長を、それぞれ、Wn(24−2)、Wn(69−2)およびLn(24−2)、Ln(69−2)とするとき、式(3.10)、(3.14)は、それぞれ、以下の式(3.10.1)、(3.14.1)に変更される。
Ron(24−2)
≒1/(β×(Vthn−Vthn’))
=1/((Wn(24−2)/Ln(24−2)×β0)×(Vthn−Vthn’)) …(3.10.1)
Ron(69−2)
=1/(β×(VDD−Vthn))
=1/((Wn(69−2)/Ln(69−2)×β0)×(VDD−Vthn)) …(3.14.1)
(Wn(24−2)/Ln(24−2)):(Wn(69−2)/Ln(69−2))=1:1のとき、式(3.15)、(3.16)が成立する。
たとえば、(Wn(24−2)/Ln(24−2)):((Wn(69−2)/Ln(69−2))=1:8のとき、すなわち、N型のトランジスタ24−2の能力を低くするとき、式(3.15)、(3.16)は、それぞれ、以下の式(3.15.1)、(3.16.1)に変更される。
Ron(24−2):Ron(69−2)
=((Wn(69−2)/Ln(69−2))×(VDD−Vthn):(Wn(24−2)/Ln(24−2))×(Vthn−Vthn’)
=8×(VDD−Vthn):(Vthn−Vthn’) …(3.15.1)
Ron(24−2):Ron(69−2)
≒(8×13):1
=104:1 …(3.16.1)
したがって、たとえば、特開平07−195727号公報(特許文献1)に示される従来の出力回路のチャネル長を1[μm]から100[μm]に変更するとき、図6(および図8〜13)において、N型のトランジスタ24−2のチャネル長Ln(24−2)は、1[μm]から8[μm]に変更すればよい。言い換えれば、小さいチップサイズを有する出力回路60を提供することができる。
また、図14においては、式(3.7)、(3.10)は、それぞれ、以下の式(3.7.2)、(3.10.2)に変更される。
Id(24−2)
=β×((Vgs−Vthn)×Vds−0.5×Vds
=β×((Vthn+αn)×Vds−0.5×Vds
≒β×(Vthn+αn)×Vds …(3.7.2)
Ron(24−2)=1/(β×((Vthn+αn)−0.5×Vds))
≒1/(β×(Vthn+αn)) …(3.10.2)
式(3.10.2)、(3.14)を用いて、(Wn(24−2)/Ln(24−2)):(Wn(69−2)/Ln(69−2))=1:1のとき、以下の式(3.15.2)を得ることができる。
Ron(24−2):Ron(69−2)
=VDD−Vthn:Vth+αn …(3.15.2)
たとえば、VDD=5.0[V]、Vthn=0.50[V]、αn=0.35[V]の場合、式(3.15.2)から以下の式(3.16.2)を得る。
Ron(24−2):Ron(69−2)
=5.0−0.50:0.5+0.35
=4.50:0.85
≒5.3:1 …(3.16.2)
したがって、たとえば、(Wn(24−2)/Ln(24−2)):((Wn(69−2)/Ln(69−2))=1:20のとき、すなわち、N型のトランジスタ24−2の能力を低くするとき、式(3.15.2)(3.16.2)は、それぞれ、以下の式(3.15.3)、(3.16.3)に変更される。
Ron(24−2):Ron(69−2)
=((Wn(69−2)/Ln(69−2))×(VDD−Vthn):(Wn(24−2)/Ln(24−2))×(Vthn+αn)
=20×(VDD−Vthn):(Vthn+αn) …(3.15.3)
Ron(24−2):Ron(69−2)
≒(20×5.3):1
=106:1 …(3.16.3)
したがって、たとえば、特開平07−195727号公報(特許文献1)に示される従来の出力回路のチャネル長を1[μm]から100[μm]に変更するとき、図14において、N型のトランジスタ24−2のチャネル長Ln(24−2)は、1[μm]から20[μm]に変更すればよい。言い換えれば、小さいチップサイズを有する出力回路60を提供することができる。
さらに、図6、図8〜図14において、たとえば、P型のトランジスタ24−1の能力を、チャネル形状を変化させることによって、他のトランジスタ(たとえば、P型のトランジスタ69−1)の能力より低くしてもよい。この場合、小さいチップサイズを有する出力回路60を提供することができる。
2. サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、電子機器、および印刷システム
2.1 サーマルヘッド
図15は、本発明に従うサーマルヘッドの概略ブロック図を示す。
図15に示されるサーマルヘッド150は、セラミック板152の上に、複数のサーマル抵抗素子(広義には発熱素子、発熱抵抗体)が形成されている。図15において、セラミック板152の長辺の1つの縁部に、画素の間隔に合わせて複数のサーマル抵抗素子が配列されている。複数のサーマル抵抗素子の一端には、電源電圧VHが供給されている。この電源電圧は、サーマルヘッド150(セラミック板152)の外部から供給される、例えば24Vや18Vといった高電圧である。また、サーマルヘッド150は、第1〜第M(Mは2以上の整数)のサーマルヘッドドライバ160−1、160−2、…、160−Mを含む。複数のサーマル抵抗素子の他端には、第1〜第Mのサーマルヘッドドライバ160−1、160−2、…、160−Mの出力が電気的に接続される。
第1〜第Mのサーマルヘッドドライバ160−1、160−2、…、160−Mの各サーマルヘッドドライバは、サーマル抵抗素子に接続される出力ドライバの出力を例えば接地電源電圧に設定することで、該サーマル抵抗素子に電流を流す(駆動する)ことができる。
2.2 サーマルヘッドドライバ
図16は、図15に示される各サーマルヘッドドライバ160の具体例を示す。
図16に示されるサーマルヘッドドライバ160は、上述の出力回路、たとえば、図2に示される出力回路20を備える。出力回路20は、小さいチップサイズを有することが可能であり、したがって、小型なサーマルヘッドドライバを低コストで提供することができる。
なお、サーマルヘッドドライバ160が、図6に示される出力回路60を備える場合、出力制御回路OCは、AND回路の代わりに、NAND回路で、構成される。
サーマルヘッドドライバ160は、複数のドライバブロックDB〜DB(Nは2以上の整数)を含む。ドライバブロックDB(1≦j≦N、jは整数)は、出力トランジスタ26(出力ドライバ26)を含む出力回路20と、ラッチLTと、フリップフロップDFFとを含むことができる。
サーマルヘッドドライバ160には、クロック信号CLK、シリアルデータSI、ラッチ信号LATおよびストローブ信号STBが、入力される。画素データは、シリアルデータSIとして、クロック信号CLKに同期してシリアルに入力される。ラッチ信号LATは、ラッチLT〜LTに1ライン分の画素データを取り込むための信号である。ストローブ信号STBは、ドライバブロックDB〜DBに供給される。
ドライバブロックDB〜DBのフリップフロップDFF〜DFFは、シリアルデータSIとして入力される画素データがシフト方向SDRにシフトされるシフトレジスタを構成する。シフトレジスタを構成する各フリップフロップは、クロック信号CLKの変化タイミングに同期して、前段のフリップフロップの出力を取り込むと共に、フリップフロップに取り込んだデータを出力する。
ラッチLTは、ラッチ信号LATが例えばHレベルのとき、フリップフロップDFFに取り込んだデータをラッチ(保持)する。ラッチLTにラッチされたデータは、出力制御回路OCに入力される。出力制御回路OCは、出力トランジスタ26(出力ドライバ26)の出力制御を行う出力制御信号cntを生成する。
出力トランジスタ26(出力ドライバ26)は、N型金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)トランジスタ(以下、単にMOSトランジスタと略す)により構成される。このMOSトランジスタのドレインが、ドライバ出力DOjとなる。ドライバブロックDB〜DBの出力トランジスタ26〜26(出力ドライバ26〜26)を構成するMOSトランジスタのソースには、接地電源電圧GNDが供給される。出力トランジスタ26(出力ドライバ26)を構成するMOSトランジスタのゲートには、出力制御回路OCからの出力制御信号cntが供給される。図16では、出力制御信号cntにより、出力トランジスタ26(出力ドライバ26)を構成するMOSトランジスタのソース・ドレイン間が電気的に導通することで、ドライバ出力DOjが接地電源電圧GNDに設定される。
出力制御回路OCは、ストローブ信号STBと、ドライバブロックDBに対応した画素データ(ラッチLTにラッチされた画素データ)とに基づいて、出力制御信号cntを生成する。
2.3 電子機器
図17は、図15に示されるサーマルヘッド150を備えるサーマルプリンタの具体例の主要部分のみの縦断面図を示す。
プリンタ装置170内には、感熱紙がロール紙172としてセットされる用に構成されている。ロール紙172の印刷対象部分は、所与の紙送り機構(紙送り手段)により1ラインずつ紙送り方向173の方向に送り出される。そして、この印刷対象部分は、ハウジング174内で印刷ヘッド175の方に導かれる。印刷ヘッド175は、図15のサーマルヘッド150を搭載する。ロール紙172の印刷対象部分が、印刷ヘッド175およびプラテン176の間を通過する際に、印刷ヘッド175により該印刷対象部分に所定の印刷が行われる。
紙送り機構は、印刷対象部分を更に紙送り方向173に送り出し、カッター177によりロール紙172が切断されて、切断後の用紙がレシート178として取り出し可能となる。
またハウジング174内には、印刷ヘッド175の前段に、用紙エンドセンサ309が設けられており、ロール紙172が紙送り方向173に送られる際にロール紙172の端を検知できる。
2.3.1 変形例
サーマルプリンタ170以外の電子機器(たとえば、液晶装置)も、上述の出力回路を備えることができる。
2.4 印刷システム
図18は、図15に示されるサーマルヘッド150を含む印刷システムの具体例を示す。
図18に示される印刷システム180は、ホストコンピュータ182(広義には制御部)と、レシート178等を発行するプリンタ装置314とを含む。ホストコンピュータ182は、本体185と、表示装置186と、キーボード187と、ポインティングデバイスとしてのマウス188とを含む。
プリンタ装置314は、たとえば、図17に示されるプリンタ装置170で構成される。
図19は、図18に示されるホストコンピュータ182の概略ブロック図を示す。
ホストコンピュータ182では、CPU(Central Processing Unit)191に、バスライン192を介して、プログラムデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)193、データ処理の作業エリアや印刷データがバッファリングされるRAM(Random Access Memory)194、プリンタ装置314に印刷データや印刷コマンド等を送信する通信インタフェース195、表示装置186を駆動制御して表示データに対応する文字等を表示させるディスプレイコントローラ196、キーボード187から入力キーに対応するキー信号を取り込むキーボードコントローラ197、マウス188とのデータ等のやり取りを制御するマウスコントローラ198が接続されている。また、プリンタ装置314は、通信インタフェース195からの印刷データ等を受信する通信インタフェース199を含む。
CPU191は、ROM193又はRAM194に格納されたプログラムに従って所定の印刷処理を実行し、印刷データをRAM194に展開したり、RAM194の印刷データを、通信インタフェース195を介してプリンタ装置314に転送したりすることができる。
当業者は、上述した本発明に従う各実施形態が、本発明の精神を逸脱することなく、(場合によって技術常識を参照することによって、)変形され得ることを容易に理解できるであろう。
本発明に従う出力回路の概略ブロック図。 図1に示される出力回路10の具体例。 図2に示される出力回路20の動作を理解するためのタイミング図。 図1に示される出力回路10のもう1つの具体例。 図4に示される出力回路40の動作を理解するためのタイミング図。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 図6に示される出力回路60の動作を理解するためのタイミング図。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 図1に示される出力回路10のさらなる具体例。 本発明に従うサーマルヘッドの概略ブロック図。 図15に示される各サーマルヘッドドライバ160の具体例。 図15に示されるサーマルヘッド150を備えるサーマルプリンタの具体例の主要部分のみの縦断面図。 図15に示されるサーマルヘッド150を含む印刷システムの具体例。 図18に示されるホストコンピュータ182の概略ブロック図。
符号の説明
10、20、40、60 出力回路、 12、22 第1のインバータ回路、
14、24 第2のインバータ回路、 16、26、46 出力トランジスタ、
18、28、108−1、118−2 電流制限トランジスタ、
26〜26 出力ドライバ、 68 電流制限回路、 69 スイッチ回路、
150 サーマルヘッド、 152 セラミック板、
160、160−1〜160−M サーマルヘッドドライバ、
170 プリンタ装置、 172 ロール紙、 173 紙送り方向、
174 ハウジング、 175 印刷ヘッド、 176 プラテン、
177 カッター、 178 レシート、 180 印刷システム、
182 ホストコンピュータ、 184 プリンタ装置、 185 本体、
186 表示装置、 187 キーボード、 188 マウス、
CLK クロック信号、 D ドレイン、 DB〜DB ドライバブロック、
DFF〜DFF フリップフロップ、 DO1〜DON ドライバ出力、
G ゲート、 GND 接地電源電圧、 IN 入力信号、 LT〜LT ラッチ、
LAT ラッチ信号、 OC〜OC 出力制御回路、 OUT 出力信号、
S ソース、 SI シリアルデータ、 STB ストローブ信号、
VDD、VH、VL 電源電圧

Claims (15)

  1. 出力回路であって、
    入力信号を入力し、第1の電位および第2の電位に接続される第1のインバータ回路と、
    第1のインバータ回路からの信号を入力する第2のインバータ回路と、
    第2のインバータ回路からの信号を入力する出力トランジスタと、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタと、
    を備え、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタは、第1の電位と第2の電位との間に、第1のインバータ回路と直列に接続される、出力回路。
  2. 請求項1において、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタは、ゲート、ソース、およびドレインを有し、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタのゲートは、少なくとも1つの電流制限トランジスタのドレインに接続される、出力回路。
  3. 請求項1または2において、
    出力トランジスタは、N型のトランジスタであり、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタは、第1の電位と、第1のインバータ回路からの出力電位との間に、配置される、出力回路。
  4. 請求項1または2において、
    出力トランジスタは、P型のトランジスタであり、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタは、第1のインバータ回路からの出力電位と、第2の電位との間に、配置される、出力回路。
  5. 請求項3または4において、
    第2のインバータ回路は、少なくとも1つの電流制限トランジスタのスレッショルドより高いスレッショルドを有するトランジスタを含む、出力回路。
  6. 請求項1または2において、
    第2のインバータ回路に接続され、入力信号を入力するスイッチ回路であって、少なくとも1つの第1のスイッチトランジスタと少なくとも1つの第2のスイッチトランジスタとを含むスイッチ回路を、
    さらに備え、
    第2のインバータ回路は、第1の電位および第2の電位に接続され、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタは、少なくとも1つの第1の電流制限トランジスタと、少なくとも1つの第2の電流制限トランジスタと、を含み、
    少なくとも1つの第1の電流制限トランジスタは、第1の電位と、第1のインバータ回路からの出力電位との間に、配置され、
    少なくとも1つの第2の電流制限トランジスタは、第1のインバータ回路からの出力電位と、第2の電位との間に、配置され、
    少なくとも1つの第1のスイッチトランジスタは、第1の電位と、第2のインバータ回路からの出力電位との間に、第2のインバータ回路と直列に接続され、
    少なくとも1つの第2のスイッチトランジスタは、第2のインバータ回路からの出力電位と、第2の電位との間に、第2のインバータ回路と直列に接続される、出力回路。
  7. 請求項6において、
    少なくとも1つの第1の電流制限トランジスタは、直列接続された複数の第1の電流制限トランジスタを含む、出力回路。
  8. 請求項6において、
    少なくとも1つの第2の電流制限トランジスタは、直列接続された複数の第2の電流制限トランジスタを含む、出力回路。
  9. 請求項7において、
    第2のインバータ回路は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第1の導電型のトランジスタのチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wp1およびLp1であり、
    少なくとも1つの第1のスイッチトランジスタは、第1の導電型のスイッチトランジスタであり、第1の導電型のスイッチトランジスタのチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wp2およびLp2であり、
    以下の式を満たす、出力回路。
    Wp1/Lp1:Wp2/Lp2=1:1〜1:20
  10. 請求項8において、
    第2のインバータ回路は、第1および第2の導電型のトランジスタを含み、第2の導電型のトランジスタのチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wn1およびLn1であり、
    少なくとも1つの第2のスイッチトランジスタは、第2の導電型のスイッチトランジスタであり、第2の導電型のスイッチトランジスタのチャネル幅およびチャネル長は、それぞれ、Wp2およびLp2であり、
    以下の式を満たす、出力回路。
    Wn1/Ln1:Wn2/Ln2=1:1〜1:20
  11. 請求項1乃至10のいずれかの出力回路を備えるサーマルヘッドドライバ。
  12. 請求項11のサーマルヘッドドライバを備えるサーマルヘッド。
  13. 請求項1乃至10のいずれかの出力回路を備える電子機器。
  14. 請求項1乃至10のいずれかの出力回路を含むプリンタ装置を備える印刷システム。
  15. 出力方法であって、
    入力信号を準備すること、
    第1の電位および第2の電位に接続される第1のインバータ回路に、入力信号を入力すること、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタにより、第1のインバータ回路からの出力電位が、制限されること、
    第1のインバータ回路からの信号を第2のインバータ回路に入力すること、および
    第2のインバータ回路からの信号を出力トランジスタに入力すること、
    を含み、
    少なくとも1つの電流制限トランジスタは、第1の電位と第2の電位との間に、第1のインバータ回路と直列に接続される、出力方法。
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