JP5374879B2 - 出力回路及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、出力回路および電子機器等に関する。
幾つかの電子機器またはそれに含まれる回路(たとえば、サーマルヘッドドライバ)は、出力回路を備えることができる(たとえば、特許文献1)。
特開平07−195727号公報(図4)
一般に、電子機器またはそれに含まれる回路(たとえば、サーマルヘッドドライバ、および出力回路)は、簡易な構造を有することが望ましい。しかしながら、簡易な構造を有する回路を設計することは、当業者にとって困難である。
本発明に従う複数の形態のうち少なくとも1つの形態において、簡易な構造を有する回路が提供される。当業者は、(必要に応じて、本明細書およびそれに添付される図面(および、場合によって技術常識)を参照することによって、)本発明に従う各形態によって提供される少なくとも1つのさらなる利点を容易に理解することができるであろう。
以下に、本発明に従う複数の形態を例示する。以下に例示される複数の形態において、添付の図面で示される参照符号は、本発明を容易に理解するために用いられている。したがって、当業者は、本発明が、参照符号によって不当に限定されないことを留意すべきである。
本発明に従う第1の形態は、出力回路(14)に関係する。たとえば、出力回路(14)は、ゲートを有する出力トランジスタ(OD)と、画素データ(LT、SI)に応じて、第1のストローブ信号(STB)の波形をゲートに伝えるスイッチング素子(42)と、を備える。
従来の出力回路(14)は、スイッチング素子(42)の代わりに、NAND回路およびインバータ回路を備える。したがって、本発明に従う出力回路(14)は、簡易な構造を有する。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、出力回路(14)は、第2のストローブ信号(XSTB;STB)を入力し、第2のストローブ信号に基づく第3のストローブ信号(STB;STB’)を生成する信号生成回路(44)を、さらに備える。第3のストローブ信号(STB;STB’)の立ち上がり時間(72)は、第2のストローブ信号(XSTB;STB)の立ち上がり時間より長く、かつ/または、第3のストローブ信号(STB;STB’)の立ち下がり時間(74)は、第2のストローブ信号(XSTB;STB)の立ち下がり時間より長い。スイッチング素子(42)は、画素データ(LT、SI)に応じて、第3のストローブ信号(STB;STB’)の波形をゲートに伝える。
第3のストローブ信号STB(STB;STB’)の立ち上がりおよび/または立ち下がりが、緩やかであるので、出力トランジスタ(OD)は、緩やかにONまたはOFFされる。したがって、本発明に従う出力回路(14)は、ノイズを発生させ難い。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、第1のストローブ信号(STB)は、第3のストローブ信号(STB;STB’)である。
このように、出力回路(14)は、第3のストローブ信号(STB;STB’)を内部で生成してもよい。スイッチング素子(42)は、出力回路(14)の内部で生成されたストローブ信号(STB;STB’)の波形をゲートに伝える。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、第1のストローブ信号(STB)は、第3のストローブ信号(STB;STB’)ではない。スイッチング素子(42)は、第1のストローブ信号(STB)または第3のストローブ信号(STB;STB’)の波形をゲートに伝える。
第1のストローブ信号(STB)が、たとえば、出力回路(14)の外部で生成される場合、スイッチング素子(42)は、出力回路(14)の外部で生成された第1のストローブ信号(STB)、または、出力回路(14)の内部で生成された第3のストローブ信号(STB;STB’)を選択して出力することができる。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、スイッチング素子(42)は、トランスファーゲート回路(52、54)を含み、トランスファーゲート回路(52、54)は、画素データ(LT、SI)に応じて、第3のストローブ信号(STB;STB’)の波形をゲートに伝える。
出力トランジスタ(OD)は、第3のストローブ信号(STB;STB’)で駆動される。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、信号生成回路(44)は、第1のインバータ回路(44)を含み、第1のインバータ回路(44)は、第1の第1導電型トランジスタ(P21)と、第1の第2導電型トランジスタ(N21)と、を含む。トランスファーゲート回路(52、54)は、第2の第1導電型トランジスタ(P11)と、第2の第2導電型トランジスタ(N11)と、第2のインバータ回路(54)と、を含む。第1の第1導電型トランジスタ(P21)の能力は、第2の第1導電型トランジスタ(P11)の能力より低く、かつ/または、第1の第2導電型トランジスタ(N21)の能力は、第2の第2導電型トランジスタ(N11)の能力より低い。
信号生成回路(44、第1の第1導電型トランジスタ(P21)および/または第1の第2導電型トランジスタ(N21))の能力だけを絞ればよいので、本発明に従う出力回路(14)は、従来の出力回路(14)と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、出力回路(14)は、ゲートに接続される第3の第2導電型トランジスタ(N13)を、さらに備える。スイッチング素子(42)がONされるとき、第3の第2導電型トランジスタ(N13)は、OFFされ、スイッチング素子(42)がOFFされるとき、第3の第2導電型トランジスタ(N13)は、ONされ、ゲートを駆動する。
第3の第2導電型トランジスタ(N13)は、出力トランジスタ(OD)の誤動作を防止することができる。また、第3の第2導電型トランジスタ(N13)は、消費電流を削減できる。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、信号生成回路(44)は、ボルテージフォロワ回路(64)をさらに含む。
ボルテージフォロワ回路(64)は、信号生成回路(44)に繋がる出力トランジスタ(OD)の個数が変わることによる負荷変動に対して、第3のストローブ信号(STB;STB’)の特性変動を抑制することができる。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、信号生成回路(44)は、カウンタ回路(82)とD/Aコンバータ回路(84)とを含む。カウンタ回路(82)は、クロック信号(STB_CLK)と第2のストローブ信号(XSTB;STB)とを入力する。クロック信号(STB_CLK)は、第3のストローブ信号(STB;STB’)の波形を生成するための信号である。D/Aコンバータ回路(84)は、カウンタ回路(82)のカウンタ値に応じて、第3のストローブ信号(STB;STB’)の波形を生成する。
出力トランジスタ(OD)は、D/Aコンバータ回路(84)からの第3のストローブ信号(STB;STB’)で駆動される。
本発明に従う第1の形態において、たとえば、カウンタ回路(82)は、クロック信号(STB_CLK)を出力回路(14)の外部から入力する。
クロック信号(STB_CLK)の周期を調節することにより、第3のストローブ信号(STB;STB’)の立ち上がり時間および/または立ち下り時間を調節することができる。このような調節は、ノイズの調節を可能にする。
本発明に従う第2の形態は、出力回路(14)に関係する。たとえば、出力回路(14)は、ゲートを有する出力トランジスタ(OD)と、画素データ(LT、SI)に応じて、ストローブ信号(STB)の波形をゲートに伝えるスイッチング素子(42)と、を備える。
本発明に従う第2の形態において、たとえば、出力回路(14)は、第1の第1導電型トランジスタ(P31)を、さらに備える。スイッチング素子(42)は、第2の第1導電型トランジスタ(P41)を含み、第2の第1導電型トランジスタ(P41)は、画素データ(LT)に応じて、ストローブ信号(STB)の波形を前記ゲートに伝える。第2の第1導電型トランジスタ(P41)の能力は、第1の第1導電型トランジスタ(P31)の能力より低い。
簡易な構造を有するスイッチング素子(42)の能力が絞られるので、本発明に従う出力回路(14)は、従来の出力回路(14)と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
本発明に従う第2の形態において、たとえば、出力回路(14)は、第1の第2導電型トランジスタ(N31)と、ゲートに接続される第2の第2導電型トランジスタ(N43)と、をさらに備える。スイッチング素子(42)がONされるとき、第2の第2導電型トランジスタ(N43)は、OFFされ、スイッチング素子(42)がOFFされるとき、第2の第2導電型トランジスタ(N43)は、ONされ、ゲートを駆動する。第2の第2導電型トランジスタの能力(N43)は、第1の第2導電型トランジスタ(N31)の能力より低い。
簡易な構造を有するスイッチング素子(42)の能力が絞られるので、本発明に従う出力回路(14)は、従来の出力回路(14)と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
本発明に従う第2の形態において、たとえば、第1の第1導電型トランジスタ(P31)および第1の第2導電型トランジスタ(N31)は、インバータ回路(44)を構成し、インバータ回路(44)は、反転ストローブ信号(XSTB)を入力し、反転ストローブ信号を反転してストローブ信号(STB)を生成する。
本発明に従う第2の形態において、たとえば、ストローブ信号(STB)は、一定である。
本発明に従う第1および第2の形態において、出力回路(14)は、たとえば、サーマルヘッドドライバ(14)、サーマルヘッド(10)、電子機器(120、144)、および、印刷システム(140)に適用することができる。
したがって、サーマルヘッドドライバ(14)、サーマルヘッド(10)、電子機器(120、144)、および、印刷システムを、低コストで提供することができる。
本発明に従う第3の形態は、出力方法に関係する。たとえば、出力方法は、画素データ(LT、SI)を準備すること、ストローブ信号(STB)を準備すること、および画素データ(LT、SI)に応じて、ストローブ信号(STB)の波形を出力トランジスタ(OD)のゲートに伝えること、を含む。
本発明に従う出力方法を実行する出力回路(14)は、簡易な構造を有することが可能となる。
当業者は、上述した本発明に従う各形態が、本発明の精神を逸脱することなく、変形され得ることを容易に理解できるであろう。たとえば、本発明に従うある形態を構成する少なくとも1つの要素は、本発明に従う他の形態に加えることができる。代替的に、本発明に従うある形態を構成する少なくとも1つの要素は、本発明に従う他の形態を構成する少なくとも1つの要素に組み替えることができる。
以下に、添付の図面を参照しながら、本発明に従う複数の実施形態を説明する。以下に説明する各実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。したがって、当業者は、本発明が、以下に説明される各実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
1. 出力回路
出力回路は、出力トランジスタを含む。出力回路(出力トランジスタ)の出力は、たとえば、サーマル抵抗素子(広義には発熱素子、発熱抵抗体)、有機LED(広義には発光素子)等に接続される。出力回路の目的に応じて、出力トランジスタは、N型のトランジスタまたはP型のトランジスタで構成することができる。また、出力トランジスタは、CMOSトランジスタで構成することもできる。
以下に、出力回路をサーマルヘッドドライバに適用した例を述べるが、出力回路は、サーマルヘッドドライバ以外の集積回路(たとえば、表示用ドライバ(たとえば、液晶ドライバ、プラズマパネルドライバ、LED表示ドライバ、有機EL表示ドライバ、蛍光表示管ドライバ)、プリンタ用のドライバ(たとえば、LEDプリントヘッドドライバ、有機ELプリントヘッドドライバ)などのドライバ)にも、適用することができる。また、出力回路は、ディスクリート素子を使用する回路にも適用することができる。
また、出力トランジスタをP型のトランジスタまたはCMOSトランジスタで構成する場合、当業者は、以下に説明される出力回路の一部の構成が必要に応じて変形されることを容易に理解できるであろう。
2. サーマルヘッドドライバ、サーマルヘッド、電子機器、および印刷システム
2.1 サーマルヘッド
図1は、本発明に従うサーマルヘッドの概略ブロック図を示す。
図1に示されるサーマルヘッド10は、セラミック板12の上に、複数のサーマル抵抗素子(広義には発熱素子、発熱抵抗体)が形成されている。図1において、セラミック板12の長辺の1つの縁部に、画素の間隔に合わせて複数のサーマル抵抗素子が配列されている。複数のサーマル抵抗素子の一端には、電源電圧VHが供給されている。この電源電圧は、サーマルヘッド10(セラミック板12)の外部から供給される、例えば24Vや18Vといった高電圧である。また、サーマルヘッド10は、第1〜第M(Mは2以上の整数)のサーマルヘッドドライバ14−1、14−2、…、14−Mを含む。複数のサーマル抵抗素子の他端には、第1〜第Mのサーマルヘッドドライバ14−1、14−2、…、14−Mの出力が電気的に接続される。
第1〜第Mのサーマルヘッドドライバ14−1、14−2、…、14−Mの各サーマルヘッドドライバは、サーマル抵抗素子に接続される出力ドライバ(出力トランジスタ)の出力を例えば接地電源電圧に設定することで、該サーマル抵抗素子に電流を流す(駆動する)ことができる。
2.2 サーマルヘッドドライバ(従来技術)
図2は、図1に示される各サーマルヘッドドライバ14の具体例(従来技術)を示す。
サーマルヘッドドライバ14は、複数のドライバブロックDB〜DB(Nは2以上の整数)を含む。ドライバブロックDB(1≦j≦N、jは整数)は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODと、ラッチLTと、フリップフロップDFFとを含むことができる。
サーマルヘッドドライバ14には、クロック信号CLK、シリアルデータSI、ラッチ信号LATおよびストローブ信号STBが、入力される。画素データは、シリアルデータSIとして、クロック信号CLKに同期してシリアルに入力される。ラッチ信号LATは、ラッチLT〜LTに1ライン分の画素データを取り込むための信号である。ストローブ信号STBは、ドライバブロックDB〜DBに供給される。
ドライバブロックDB〜DBのフリップフロップDFF〜DFFは、シリアルデータSIとして入力される画素データがシフト方向SDRにシフトされるシフトレジスタを構成する。シフトレジスタを構成する各フリップフロップは、クロック信号CLKの変化タイミングに同期して、前段のフリップフロップの出力を取り込むと共に、フリップフロップに取り込んだデータを出力する。
ラッチLTは、ラッチ信号LATが例えばHレベルのとき、フリップフロップDFFに取り込んだデータをラッチ(保持)する。ラッチLTにラッチされたデータは、出力制御回路OCに入力される。出力制御回路OCは、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODの出力制御を行う出力制御信号cntを生成する。
出力ドライバ(出力トランジスタ)ODは、N型金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)トランジスタ(以下、単にMOSトランジスタと略す)により構成される。このMOSトランジスタのドレインが、ドライバ出力DOjとなる。ドライバブロックDB〜DBの出力ドライバ(出力トランジスタ)OD〜ODを構成するMOSトランジスタのソースには、接地電源電圧GNDが供給される。出力ドライバ(出力トランジスタ)ODを構成するMOSトランジスタのゲートには、出力制御回路OCからの出力制御信号cntが供給される。図2では、出力制御信号cntにより、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODを構成するMOSトランジスタのソース・ドレイン間が電気的に導通することで、ドライバ出力DOjが接地電源電圧GNDに設定される。
出力制御回路OCは、ストローブ信号STBと、ドライバブロックDBに対応した画素データ(ラッチLTにラッチされた画素データ)とに基づいて、出力制御信号cntを生成する。
図3は、図2に示される出力制御回路OCの具体例(従来技術)を示す。
図2において、出力制御回路OCは、AND回路で表されているが、たとえば、図3に示されるNAND回路およびインバータ回路で、構成することができる。
図3に示される論理演算回路は、たとえば、4つのトランジスタP1、P2、N1、N2からなるNAND回路と、2つのトランジスタP3、N3からなるインバータ回路とで、構成される。インバータ回路は、図2の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODに接続される。
特許文献1(特開平07−195727号公報)に開示されるように、図3において、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODと直接に接続されるN型のトランジスタN3の能力(電流駆動能力)は、ラッチLTを構成するN型の1つのトランジスタ(図示されていない)の能力より低く、あるいは、フリップフロップDFFを構成するN型の1つのトランジスタ(図示されていない)の能力より低い。
N型のトランジスタN3のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLn3およびWn3であり、ラッチLTまたはフリップフロップDFF内のN型の1つのトランジスタのチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLn1およびWn1であると想定する。たとえば、Wn3/Ln3が、Wn1/Ln1より小さい場合、N型のトランジスタN3のON抵抗は、N型のトランジスタN1のON抵抗より高い。このように、N型のトランジスタN3の能力は、ラッチLTまたはフリップフロップDFF内のN型の1つのトランジスタの能力より低い。好ましくは、Wn3/Ln3:Wn1/Ln1=1:10〜1:100である。
2.3 サーマルヘッドドライバ(第1の実施形態)
図4は、図1に示される各サーマルヘッドドライバ14の具体例(本発明)を示す。
図4において、出力制御回路OCは、画素データ(ラッチLTにラッチされた画素データ、広義にはシリアルデータSI)に応じて、ストローブ信号STBの波形を出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝えるスイッチング素子42である。このように、出力制御回路OCは、スイッチング素子42で構成されるので、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、簡易な構造を有する。なお、サーマルヘッドドライバ14は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODを含むので、サーマルヘッドドライバ14は、出力回路である。
また、図4において、サーマルヘッドドライバ14は、反転ストローブ信号XSTBを入力し、反転ストローブ信号XSTBに基づくストローブ信号STBを生成する信号生成回路44を、さらに備える。
図5は、図4に示される出力制御回路OCの具体例(本発明)を示す。
出力制御回路OCは、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに接続されるスイッチング素子42およびN型のトランジスタN13を含む。なお、N型のトランジスタN13は、プルダウン抵抗素子に変更してもよい。
スイッチング素子42は、画素データ(ラッチLTにラッチされた画素データ)に応じて、ストローブ信号STBの波形を出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝えるトランスファーゲート回路52、54で構成される。図5において、トランスファーゲート回路52、54は、P型のトランジスタP11と、N型のトランジスタN11と、インバータ回路54と、で構成される。
ラッチLTからの信号(画素データ)は、トランスファーゲート回路52、54の第1の制御信号として、N型のトランジスタN11のゲートに入力される。また、ラッチLTからの信号(画素データ)は、トランスファーゲート回路52、54の第2の制御信号として、P型のトランジスタP11のゲートに、インバータ回路54を介して入力される。インバータ回路54は、たとえば、図示されないP型のトランジスタP12およびN型のトランジスタN12(CMOSトランジスタ)で構成される。
なお、ラッチLTは、負論理で出力することが可能であり、その場合、負論理のラッチLTからの信号(XLT、反転画像データ)は、P型のトランジスタP11のゲートとN型のトランジスタN13のゲートとに入力され、N型のトランジスタN11のゲートにインバータ回路54を介して入力されてもよい。さらに、ラッチLTは、正論理および負論理で出力することが可能であり、その場合、インバータ回路54を省略し、正論理のラッチLTからの信号(LT、画素データ)は、N型のトランジスタN11のゲートに入力され、負論理のラッチLTからの信号(XLT、反転画像データ)は、P型のトランジスタP11のゲートとN型のトランジスタN13のゲートとに入力されてもよい。
また、ラッチLTが正論理で出力する場合、トランスファーゲート回路52、54を、P型のトランジスタP11およびインバータ回路54に置き換えてもよい。ラッチLTが負論理で出力する場合、トランスファーゲート回路52、54を、P型のトランジスタP11に置き換えてもよい。
図5において、ストローブ信号STBは、トランスファーゲート回路52、54の入力信号として、入力される。
ラッチLTからの信号がHレベルのとき、N型のトランジスタN11およびP型のトランジスタP11は、ONされる。言い換えれば、ラッチLTからの信号がHレベルのとき、スイッチング素子42(トランスファーゲート回路52、54)は、ONされる。この場合、ストローブ信号STBの波形(またはストローブ信号STBの電位レベル)は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝わる。
ラッチLTからの信号がLレベルのとき、N型のトランジスタN11およびP型のトランジスタP11は、OFFされ、ストローブ信号STBの波形(またはストローブ信号STBの電位レベル)は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝わらない。
ラッチLTからの信号(画素データ)は、N型のトランジスタN13のゲートにインバータ回路54を介して入力される。ラッチLTからの信号がLレベルのとき、N型のトランジスタN13は、ONされ、接地電源電圧GNDが、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝わる。したがって、ラッチLTからの信号がLレベルのとき、N型のトランジスタN13は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODを完全にOFFさせることができる。このように、N型のトランジスタN13は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODの誤動作を防止することができる。また、N型のトランジスタN13は、プルダウン抵抗素子と比べて消費電流を削減できる。
なお、ラッチLTが負論理で出力する場合、ラッチLTからの信号(画素データ)は、N型のトランジスタN13のゲートに直接入力されてもよい。
ところで、図5において、スイッチング素子42およびN型のトランジスタN13をスイッチング素子と呼ぶこともできる。
図6は、図4に示される信号生成回路44の具体例(本発明)を示す。
図6において、信号生成回路44は、P型のトランジスタP21およびN型のトランジスタN21を含むインバータ回路(CMOSトランジスタ)で、構成される。好ましくは、信号生成回路44は、ボルテージフォロワ回路64をさらに含む。信号生成回路44は、キャパシタ62を含んでもよい。
図6において、P型のトランジスタP21およびN型のトランジスタN21の双方の能力は、絞られている。
たとえば、P型トランジスタP21の能力は、図5に示されるP型トランジスタP11の能力より低い。また、N型トランジスタN21の能力は、図5に示されるN型トランジスタN11の能力より低い。
P型トランジスタP21のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLp21およびWp21であり、P型トランジスタP11のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLp11およびWp11であると想定する。たとえば、Wp21/Lp21が、Wp11/Lp11より小さい場合、P型のトランジスタP21のON抵抗は、P型のトランジスタP11のON抵抗より高い。このように、P型のトランジスタP21の能力は、絞られている。
N型トランジスタN21のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLn21およびWn21であり、N型トランジスタN11のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLn11およびWn11であると想定する。Wn21/Ln21が、Wn11/Ln11より小さい場合、N型のトランジスタN21の能力は、絞られている。
図6に示されるP型トランジスタP21の能力は、サーマルヘッドドライバ14内の他の1つのP型のトランジスタ(たとえば、図5のインバータ回路を構成するP型のトランジスタP12、ラッチLT内のある1つのP型のトランジスタ、フリップフロップDFF内のある1つのP型のトランジスタなど)の能力に対して、絞られていてもよい。
図6に示されるN型のトランジスタN21の能力は、サーマルヘッドドライバ14内の他の1つのN型のトランジスタの能力に対して、絞られていてもよい。
図7は、図6に示される信号生成回路44の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図7において、符号XSTBは、信号生成回路44に入力される反転ストローブ信号XSTBを表す。符号STBは、信号生成回路44から出力されるストローブ信号STBである。
反転ストローブ信号XSTBは、図4の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODをONまたはOFFさせるためのトリガー信号(図7において矩形信号)である。信号生成回路44は、反転ストローブ信号XSTBを反転してストローブ信号STBを生成する。前述の通り、図6のP型のトランジスタP21およびN型のトランジスタN21の双方の能力は、絞られている。したがって、図7に示されるように、ストローブ信号STBの立ち上がり時間(矢印72)は、反転ストローブ信号XSTBの立ち上がり時間より長い。また、ストローブ信号STBの立ち下がり時間(矢印74)は、反転ストローブ信号XSTBの立ち下がり時間より長い。言い換えれば、ストローブ信号STBの立ち上がりは、反転ストローブ信号XSTBの立ち上がりと比べて、緩やかであり、ストローブ信号STBの立ち下がりは、反転ストローブ信号XSTBの立ち下がりと比べて、緩やかである。
なお、図6のP型のトランジスタP21およびN型のトランジスタN21の一方のみの能力が、絞られてもよい。言い換えれば、ストローブ信号STBの立ち上がりまたは立ち下がりの一方のみが、緩やかでもよい。ストローブ信号STBの立ち上がり時間は、P型のトランジスタP21の能力と負荷容量とで決定される。ストローブ信号STBの立ち下がり時間は、N型のトランジスタN21の能力と負荷容量とで決定される。負荷容量は、ドレイン容量、配線容量、キャパシタ62の容量、ボルテージフォロワ回路64の入力容量を含む。
図4の出力制御回路OCは、スイッチング素子42で構成されるので、図4の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODは、図6の信号生成回路44からのストローブ信号STBで駆動される。ストローブ信号STBの立ち上がりおよび/または立ち下がりが、緩やかであるので、図4の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODは、緩やかにONまたはOFFされる。したがって、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、サージ電圧の発生を抑制することができ、ノイズを発生させ難い。
図2および図3に示されるように、従来のサーマルヘッドドライバ14に従えば、出力制御回路OC〜OCのそれぞれが、能力の絞られたN型のトランジスタN3(および/またはP型のトランジスタP3)を備える必要があった。従来のサーマルヘッドドライバ14とは対照的に、本発明のサーマルヘッドドライバ14に従えば、図6の信号生成回路44(インバータ回路P21、N21)の能力だけを絞ればよい。図5の出力制御回路OC〜OCのそれぞれの能力は、絞られる必要がない。
言い換えれば、従来の出力制御回路OC〜OCのそれぞれが、ノイズ対策のために大きくなる。本発明のサーマルヘッドドライバ14に従えば、図6の信号生成回路44だけが、ノイズ対策のために大きくなる。したがって、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、従来のサーマルヘッドドライバ14と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
図6において、信号生成回路44がボルテージフォロワ回路64を含む場合、図4の出力制御回路OC〜OCのそれぞれに、ストローブ信号STBが正確に伝わる。このように、ボルテージフォロワ回路64は、信号生成回路44に繋がる出力ドライバ(出力トランジスタ)ODの個数が変わることによる負荷変動に対して、ストローブ信号STBの特性変動を抑制することができる。
図6において、信号生成回路44が、インバータ回路P21、N21に接続されるキャパシタ62を含む場合、図7に示されるストローブ信号STBの立ち上がり時間および/または立ち下がり時間(矢印72、74)は、より長くなる。この場合、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、ノイズをより発生させ難い。
図8は、図4に示される信号生成回路44のもう1つの具体例(本発明)を示す。
図8において、図4の信号生成回路44は、カウンタ回路82とD/Aコンバータ回路84で構成される。図8の信号生成回路44(カウンタ回路82)は、図2のように、ストローブ信号STBを入力する。
カウンタ回路82は、クロック信号STB_CLKとストローブ信号STBとを入力する。クロック信号STB_CLKは、ストローブ信号STB’の波形を生成するための信号である。カウンタ回路82は、クロック信号STB_CLKを出力回路(14)の外部から入力する。なお、図8の信号生成回路44は、クロック信号STB_CLKを生成する回路を備えてもよい。
D/Aコンバータ回路84は、カウンタ回路82のカウンタ値に応じて、ストローブ信号STB’の波形を生成する。
クロック信号STB_CLKの周期を調節することにより、信号生成回路44からのストローブ信号STB’の波形(立ち上がり時間および/または立ち下り時間)を調節することが可能となる。
図9は、図8に示される信号生成回路44の動作を理解するためのタイミング図を示す。
図9おいて、符号STBは、信号生成回路44(カウンタ回路82)に入力されるストローブ信号STBを表す。符号STB’は、信号生成回路44(D/Aコンバータ回路84)から出力されるストローブ信号STB’を表す。ストローブ信号STBは、図4の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODをONまたはOFFさせるためのトリガー信号(図9において矩形信号)である。
図8の信号生成回路44は、ストローブ信号STB(トリガー信号)に応じて、ストローブ信号STB’の立ち上がり時間および/または立ち下がり時間(矢印72、74)が長くなるように、プログラムされる。たとえば、カウンタ回路82は、クロック信号STB_CLKがLOWからHIGHに変化したとき、クロック信号STB_CLKのパルスをカウントアップすることを開始する。また、カウンタ回路82は、クロック信号STB_CLKがHIGHからLOWに変化したとき、クロック信号STB_CLKのパルスをカウントダウンすることを開始する。カウンタ回路82は、カウント値を保持し、カウント信号をD/Aコンバータ回路84に送る。D/Aコンバータ回路84は、カウント値に応じた電圧を出力する。
なお、ストローブ信号STB’の立ち上がり時間または立ち下がり時間(矢印72、74)の一方のみが長くなるように、信号生成回路44は、プログラムされてもよい。
D/Aコンバータ回路84から出力されるストローブ信号STB’は、図9に示される信号に限定されない。図9において、ストローブ信号STB’は、直線からなる傾きを有するが、たとえば、階段状の傾きを有してもよい。たとえば、D/Aコンバータ回路84が電圧を3ビットで出力する場合、HIGHとLOWとの間が8分割された階段状の傾きを有する。たとえば、D/Aコンバータ回路84が電圧を6ビット〜8ビットで出力する場合、ストローブ信号STB’は、ほぼ直線からなる傾きを有する。また、信号生成回路44の出力が図9に示される信号に近づくように、D/Aコンバータ回路84は、内部または外部にキャパシタおよび抵抗素子を有してもよい。
図8の信号生成回路44は、ストローブ信号STBを入力するが、図7に示すように、信号生成回路44は、反転ストローブ信号XSTBに応じてストローブ信号STBを生成してもよい。
ところで、図4において、サーマルヘッドドライバ14は、信号生成回路44(たとえば、図6または図8で示される回路)を内部に備えるが、このような信号生成回路を外部に備えてもよい。この場合、サーマルヘッドドライバ14は、外部の信号生成回路からのストローブ信号を入力し、スイッチング素子42は、外部の信号生成回路からのストローブ信号を出力する。サーマルヘッドドライバ14のユーザは、外部の信号生成回路からのストローブ信号の波形(立ち上がり時間および/または立ち下り時間)を調節し、サーマルヘッドドライバ14のノイズを調節することが可能となる。
代替的に、サーマルヘッドドライバ14は、信号生成回路44を内部に備え、このような信号生成回路をさらに外部に備えてもよい。この場合、サーマルヘッドドライバ14は、外部の信号生成回路のストローブ信号をさらに入力し、スイッチング素子42は、内部の信号生成回路44からのストローブ信号、または、外部の信号生成回路からのストローブ信号を選択して出力することができる。図5において、スイッチング素子42(トランスファーゲート回路52、54)は、たとえば、図示されないスイッチ回路を介して、内部の信号生成回路44からのストローブ信号、または、外部の信号生成回路からのストローブ信号を選択して入力することができる。
2.4 サーマルヘッドドライバ(第2の実施形態)
図7(または図9)において、ストローブ信号STB(または反転ストローブ信号XSTB)は、矩形信号である。第2の実施形態において、ストローブ信号STBは、Hレベルに固定される。言い換えれば、ストローブ信号STBは、一定である。
図10は、図4に示される信号生成回路44の更なる具体例(本発明)を示す。
図10において、信号生成回路44は、P型のトランジスタP31およびN型のトランジスタN31を含むインバータ回路(CMOSトランジスタ)で、構成される。図10において、P型のトランジスタP31およびN型のトランジスタN31の双方の能力は、絞られていない。
図11は、図4に示される出力制御回路OCのもう1つの具体例(本発明)を示す。
出力制御回路OC(42)は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに接続されるスイッチング素子112およびN型のトランジスタN43(116)を含む。なお、N型のトランジスタN43は、プルダウン抵抗素子に変更してもよい。
スイッチング素子112は、画素データ(負論理のラッチLTからの反転画素データ)に応じて、ストローブ信号STBの波形を出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝えるP型のトランジスタP41で構成される。
負論理のラッチLTからの信号(XLT、反転画像データ)は、出力制御回路OC(スイッチング素子112)の制御信号として、P型のトランジスタP41のゲートに入力される。
なお、ラッチLTは、正論理で出力することが可能であり、その場合、正論理のラッチLTからの信号(LT、画像データ)は、たとえば、出力制御回路OCを構成するインバータ回路(図示されていない)を介してP型のトランジスタP41のゲートに入力される。
図11において、ストローブ信号STBは、P型のトランジスタP41の入力信号として、入力される。
負論理のラッチLTからの信号がLレベルのとき、P型のトランジスタP41は、ONされる。(正論理のラッチLTからの信号がHレベルのとき、出力制御回路OCを構成するインバータ回路(図示されていない)を介して、P型のトランジスタP41は、ONされる。)言い換えれば、負論理のラッチLTからの信号がLレベルのとき、スイッチング素子42(P型のトランジスタP41(112))は、ONされる。この場合、ストローブ信号STBの波形(またはストローブ信号STBの電位レベル)は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝わる。
負論理のラッチLTからの信号がHレベルのとき、P型のトランジスタP41は、OFFされ、ストローブ信号STBの波形(またはストローブ信号STBの電位レベル)は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝わらない。
負論理のラッチLTからの信号(XLT、反転画像データ)は、N型のトランジスタN43のゲートに入力される。負論理のラッチLTからの信号がHレベルのとき、N型のトランジスタN43は、ONされ、接地電源電圧GNDが、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODのゲートに伝わる。したがって、負論理のラッチLTからの信号がHレベルのとき、N型のトランジスタN43は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODを完全にOFFさせることができる。このように、N型のトランジスタN43は、出力ドライバ(出力トランジスタ)ODの誤動作を防止することができる。また、N型トランジスタN43は、プルダウン抵抗素子と比べて消費電流を削減できる。
なお、ラッチLTが正論理で出力する場合、正論理のラッチLTからの信号(画素データ)は、インバータ回路(図示されていない)を介して、N型のトランジスタN43のゲートに入力されてもよい。
図11において、P型のトランジスタP41およびN型のトランジスタN43の双方の能力は、絞られている。
たとえば、P型トランジスタP41の能力は、図10に示されるP型トランジスタP31の能力より低い。また、N型トランジスタN43の能力は、図10に示されるN型トランジスタN11の能力より低い。
P型トランジスタP41のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLp41およびWp41であり、P型トランジスタP31のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLp31およびWp31であると想定する。たとえば、Wp41/Lp41が、Wp31/Lp31より小さい場合、P型のトランジスタP41のON抵抗は、P型のトランジスタP11のON抵抗より高い。このように、P型のトランジスタP41の能力は、絞られている。
N型トランジスタN43のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLn43およびWn43であり、N型トランジスタN31のチャネル長およびチャネル幅がそれぞれLn31およびWn31であると想定する。Wn43/Ln43が、Wn31/Ln31より小さい場合、N型のトランジスタN43の能力は、絞られている。
図11に示されるP型トランジスタP41の能力は、サーマルヘッドドライバ14内の他の1つのP型のトランジスタ(たとえば、ラッチLT内のある1つのP型のトランジスタ、フリップフロップDFF内のある1つのP型のトランジスタなど)の能力に対して、絞られていてもよい。
図11に示されるN型のトランジスタN21の能力は、サーマルヘッドドライバ14内の他の1つのN型のトランジスタの能力に対して、絞られていてもよい。
図11の出力制御回路OCは、スイッチング素子112で構成されるので、図4の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODは、スイッチング素子112(P型のトランジスタP41)からのストローブ信号STBで駆動される。P型のトランジスタP41の能力が絞られているので、P型のトランジスタP41は、ストローブ信号STBの立ち上がりおよび立ち下がりをより緩やかにさせる。したがって、図4の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODも、より緩やかにON/OFFされる。N型のトランジスタN43の能力が絞られている場合、N型のトランジスタN41は、負論理のラッチLTからの信号(XLT、反転画像データ)によってON/OFFされるとき、N型のトランジスタN41は、緩やかにON/OFFされ、図4の出力ドライバ(出力トランジスタ)ODも、緩やかにON/OFFされる。このように、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、サージ電圧の発生を抑制することができ、ノイズを発生させ難い。
図2および図3に示されるように、従来のサーマルヘッドドライバ14に従えば、出力制御回路OC〜OCのそれぞれが、6個のトランジスタP1、P2、P3、N1、N2、N3で構成される必要があった。従来のサーマルヘッドドライバ14とは対照的に、本発明のサーマルヘッドドライバ14に従えば、出力制御回路OC〜OCのそれぞれが、少なくとも1つのトランジスタP41(好ましくは、2個のトランジスタP41、N43)で構成すればよい。したがって、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、従来のサーマルヘッドドライバ14と比較して、小さいチップサイズを有することが可能となる。
なお、出力制御回路OC〜OCのそれぞれが、図5に示されるような5個のトランジスタP11、P12、N11、N12、N13で構成されてもよい。この場合、トランジスタP11およびトランジスタN11の能力が絞られ、かつ/または、トランジスタN13の能力が絞られる。
第2の実施形態において、ストローブ信号STBは、固定されているが、ストローブ信号STBが矩形信号である場合であっても、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、動作する。第1の実施形態において、ストローブ信号STBは、矩形信号であるが、ストローブ信号STBが固定される場合であっても、本発明に従うサーマルヘッドドライバ14は、動作する。
2.5 電子機器
図12は、図1に示されるサーマルヘッド10を備えるサーマルプリンタの具体例の主要部分のみの縦断面図を示す。
プリンタ装置120内には、感熱紙がロール紙122としてセットされる用に構成されている。ロール紙122の印刷対象部分は、所与の紙送り機構(紙送り手段)により1ラインずつ紙送り方向123の方向に送り出される。そして、この印刷対象部分は、ハウジング124内で印刷ヘッド125の方に導かれる。印刷ヘッド125は、図1のサーマルヘッド10を搭載する。ロール紙122の印刷対象部分が、印刷ヘッド125およびプラテン126の間を通過する際に、印刷ヘッド125により該印刷対象部分に所定の印刷が行われる。
紙送り機構は、印刷対象部分を更に紙送り方向123に送り出し、カッター127によりロール紙122が切断されて、切断後の用紙がレシート128として取り出し可能となる。
またハウジング124内には、印刷ヘッド125の前段に、用紙エンドセンサ129が設けられており、ロール紙122が紙送り方向123に送られる際にロール紙122の端を検知できる。
2.6 印刷システム
図13は、図1に示されるサーマルヘッド10を含む印刷システムの具体例を示す。
図13に示される印刷システム130は、ホストコンピュータ132(広義には制御部)と、レシート138等を発行するプリンタ装置134とを含む。ホストコンピュータ132は、本体135と、表示装置136と、キーボード137と、ポインティングデバイスとしてのマウス138とを含む。
プリンタ装置134は、たとえば、図12に示されるプリンタ装置120で構成される。
図14は、図13に示されるホストコンピュータ132の概略ブロック図を示す。
ホストコンピュータ132では、CPU(Central Processing Unit)141に、バスライン142を介して、プログラムデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)143、データ処理の作業エリアや印刷データがバッファリングされるRAM(Random Access Memory)144、プリンタ装置134に印刷データや印刷コマンド等を送信する通信インタフェース145、表示装置136を駆動制御して表示データに対応する文字等を表示させるディスプレイコントローラ146、キーボード137から入力キーに対応するキー信号を取り込むキーボードコントローラ147、マウス138とのデータ等のやり取りを制御するマウスコントローラ148が接続されている。また、プリンタ装置134は、通信インタフェース145からの印刷データ等を受信する通信インタフェース149を含む。
CPU141は、ROM143またはRAM144に格納されたプログラムに従って所定の印刷処理を実行し、印刷データをRAM144に展開したり、RAM144の印刷データを、通信インタフェース145を介してプリンタ装置134に転送したりすることができる。
当業者は、上述した本発明に従う各実施形態が、本発明の精神を逸脱することなく、(場合によって技術常識を参照することによって、)変形され得ることを容易に理解できるであろう。
本発明に従うサーマルヘッドの概略ブロック図。 図1に示される各サーマルヘッドドライバ14の具体例(従来技術)。 図2に示される出力制御回路OCの具体例(従来技術)。 図1に示される各サーマルヘッドドライバ14の具体例(本発明)。 図4に示される出力制御回路OCの具体例(本発明)。 図4に示される信号生成回路44の具体例(本発明)。 図6に示される信号生成回路44の動作を理解するためのタイミング図。 図4に示される信号生成回路44のもう1つの具体例(本発明)。 図8に示される信号生成回路44の動作を理解するためのタイミング図。 図4に示される信号生成回路44の更なる具体例(本発明)。 図4に示される出力制御回路OCのもう1つの具体例(本発明)。 図1に示されるサーマルヘッド10を備えるサーマルプリンタの具体例の主要部分のみの縦断面図。 図1に示されるサーマルヘッド10を含む印刷システムの具体例。 図13に示されるホストコンピュータ132の概略ブロック図。
符号の説明
10 サーマルヘッド、 12 セラミック板、
14、14−1〜14−M サーマルヘッドドライバ、 42 出力制御回路、
44 インバータ回路、 62 キャパシタ、 64 ボルテージフォロワ回路、
82 カウンタ回路、 84 D/Aコンバータ回路、 120 プリンタ装置、
122 ロール紙、123 紙送り方向、 124 ハウジング、
125 印刷ヘッド、 126 プラテン、 127 カッター、 128 レシート、
130 印刷システム、 132 ホストコンピュータ、 135 本体、
136 表示装置、 137 キーボード、 138 マウス、
CLK クロック信号、 D ドレイン、 DB〜DB ドライバブロック、
DFF〜DFF フリップフロップ、 DO1〜DON ドライバ出力、
LT〜LT ラッチ、 LAT ラッチ信号、
N1〜N3、N11〜N13、N21、N31、N43 N型トランジスタ、
OC〜OC 出力制御回路、
OD〜OD 出力ドライバ(出力トランジスタ)、
P1、P2、P3、P11、P12、P21、P31、P41 P型トランジスタ、
S ソース、 SI シリアルデータ、 STB、STB’ ストローブ信号、
STB_CLK クロック信号、 VDD、VH 電源電圧、
XTSB 反転ストローブ信号

Claims (7)

  1. 出力回路であって、
    ゲートを有する出力トランジスタと、
    画素データに応じて、第1のストローブ信号の波形を前記ゲートに伝えるトランスファーゲート回路と、
    第2のストローブ信号を入力し、前記第2のストローブ信号に基づいて前記第1のストローブ信号を生成する信号生成回路と、
    を備え、
    前記第1のストローブ信号の立ち上がり時間は、前記第2のストローブ信号の立ち上がり時間より長く、かつ/または、前記第1のストローブ信号の立ち下がり時間は、前記第2のストローブ信号の立ち下がり時間より長い、出力回路。
  2. 請求項において、
    前記信号生成回路は、第1のインバータ回路を含み、前記第1のインバータ回路は、第1の第1導電型トランジスタと、第1の第2導電型トランジスタと、を含み、
    前記トランスファーゲート回路は、第2の第1導電型トランジスタと、第2の第2導電型トランジスタと、第2のインバータ回路と、を含み、
    前記第1の第1導電型トランジスタの能力は、前記第2の第1導電型トランジスタの能力より低く、かつ/または、前記第1の第2導電型トランジスタの能力は、前記第2の第2導電型トランジスタの能力より低い、出力回路。
  3. 請求項において、
    前記ゲートに接続される第3の第2導電型トランジスタを、
    さらに備え、
    前記第2の第1導電型トランジスタ及び前記第2の第2導電型トランジスタがONされるとき、前記第3の第2導電型トランジスタは、OFFされ、
    前記第2の第1導電型トランジスタ及び前記第2の第2導電型トランジスタがOFFされるとき、前記第3の第2導電型トランジスタは、ONされ、前記ゲートを駆動する、出力回路。
  4. 請求項またはにおいて、
    前記信号生成回路は、ボルテージフォロワ回路をさらに含む、出力回路。
  5. 請求項1において、
    前記信号生成回路は、カウンタ回路とD/Aコンバータ回路とを含み、
    前記カウンタ回路は、クロック信号と前記第2のストローブ信号とを入力し、前記クロック信号は、前記第1のストローブ信号の波形を生成するための信号であり、
    前記D/Aコンバータ回路は、前記カウンタ回路のカウンタ値に応じて、前記第1のストローブ信号の波形を生成する、出力回路。
  6. 請求項において、
    前記カウンタ回路は、前記クロック信号を出力回路の外部から入力する、出力回路。
  7. 請求項1乃至のいずれかの出力回路を備える電子機器。
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