JP2009054430A - 押しボタンスイッチ構造 - Google Patents

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Abstract

【目的】押しボタンスイッチを小型化しつつ操作性を向上させる。
【構成】ロアーケース25に回路基板22を載せ、回路基板22上にタクトスイッチ20を取付け、タクトスイッチ20の周囲に有底円筒状のガイド部材30を配置し、回路基板22に支持させる。タクトスイッチ20及びガイド部材30を覆うようにゴム製の押圧部8を被せる。押圧部8は外周部に周壁部16を設け、アッパーケース6の上縁部15により周壁部16を押しつけ、回路基板22を周壁部16とロアーケース25で挟持し、防水シールする。押圧部8の中央部内側に押圧突部18が一体に形成され、ガイド部材30の天井部32に形成された中央穴33内へガイドされて入り、タクトスイッチ20を押す。押圧部8に対する過大荷重は天井部32で受け止め、タクトスイッチ20へ伝えない。
【選択図】図3

Description

この発明は、自動2輪車やATV(バギー車)等の車両のハンドルへ取付けて使用するキルスイッチに利用して好適な、小型の押しボタンスイッチに関する
スイッチケース内にタクトスイッチを取付けた回路基板を収容し、このタクトスイッチをオン・オフ切り換え操作するゴム製の押圧部材を被せ、さらにこの押圧部材の上に比較的剛性のある押しボタンキャップを設けたものがある。タクトスイッチはそれ自体が一種のプッシュ式小型スイッチであり、押すことにより内部の接点がオンして、押圧を解くとオフするように切り換わるものであり、押しボタンキャップの押圧操作で動作してオン・オフ切り換えされるスイッチ素子をなしている(特許文献1参照)。
また、回路基板及びタクトスイッチの収容されたスイッチケースの開口部を覆う蓋部に切り込みを入れて、片持ち梁式に動作する押しボタンを設け、この押しボタンから一体に突出する押圧突部でタクトスイッチをオン・オフ切り換え操作するとともに、この押圧突部の揺動による倒れを規制するためのガイド壁をスイッチケース側へ一体に形成したものもある(特許文献2参照)。
特開平8−7162号公報 特開2001−6484号公報
ところで、上記のように押圧部材の上に別体の押しボタンキャップを被せた形式のものは、押しボタンキャップ分だけスイッチ全体が大型化する。
また、押しボタンキャップと周囲のスイッチケース側との隙間を覆うため、さらに別の防水シートで押しボタンキャップの上を覆って防水しなければならないので、部品点数が多くなるとともに、押しボタンキャップのスイッチケース外方に対する突出量を大きくすることができない。このため、押圧部が判りにくくなり、かつ押圧部材の押し下げ量である操作ストロークが小さくなるため、操作性の向上が求められることになった。
特に、自動2輪車のキルスイッチでは、運転者が手袋をはめたままの指で操作しなければならないことがあり、このような場合には、確実に押圧部を押すことができるように、押圧部についてある程度の大きさを確保しつつも全体を小型化でき、かつ明瞭な操作感が得られるようにある程度大きなストロークを実現し、かつスイッチ素子に過大荷重をかけないように正確なストロークが得られるよう、さらなる操作性を向上が求められることになった。
また、蓋に押しボタンを切り込みで形成したものも、同様に切り込みのスリットを覆う防水シートが必要になるとともに、片持ち梁式のため、押圧突部の先端における揺動量が大きくなるから、タクトスイッチをオン・オフするための有効なストロークを得るには、より大きく押しボタンを押し込まなければならず、押しボタンスイッチ構造全体が大型化するとともに、防水シートによる上記ストロークの規制があり、しかも大きな揺動に伴う倒れをガイド部材で阻止することにより操作荷重が増大し、やはり操作性の向上と全体の小型化が求められる。そこで本願は、このような要請の実現を主たる目的とする。
上記課題を解決するため本願発明に係るは、請求項1の発明は、スイッチケース内に接点をオン・オフ切り換えするスイッチ素子を設けた回路基板を収容し、スイッチケースの開口部に設けられた押しボタンでスイッチ素子のオン・オフ操作をする押しボタンスイッチ構造において、
前記押しボタンは、操作時に指で押す部分である押圧部と、
この押圧部からスイッチケース内部へ突出して前記スイッチ素子へ接離する押圧突部と、
この押圧突部の周囲を囲む環状壁部とを備え、
全体を弾性体材料で一体に形成されたものであり、
前記押圧部が前記スイッチケースの開口より外方へ突出するように前記環状壁部と前記押圧突部をスイッチケース内へ収容して前記押圧突部の先端部をスイッチ素子に対面させるとともに、
前記環状壁部の内側かつ前記スイッチ素子の外側に前記押圧突部のストロークを規制するガイド部材を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記請求項1において、前記ガイド部材が前記環状壁部の内側に沿う筒部と、この筒部の一端側開口を覆うように設けられて前記押圧部の内側に間隔をもって沿う天井部とを備え、この天井部に設けた開口へ前記押圧突部を出入自在にしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2において、前記スイッチケースが、ロアーケースとアッパーケースからなり、これらロアーケースとアッパーケースの間に前記押しボタンと回路基板を挟持したことを特徴とする。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかにおいて、前記回路基板上に、前記スイッチ素子と共にLEDインジケータを一体に装着したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、全体が弾性体材料からなる押しボタンを設け、その内側にガイド部材を収容配置したので、ガイド部材を小型化できる。
また、押しボタンをスイッチ素子及びガイド部材の各外側に被せた構造になり、押しボタン自体により防水できるから、従来のように押しボタンの外側に防水シートを設ける必要がなく、これを省略できることになるので、押圧部をケースより大きく突出させ、押しボタンのストロークを大きくすることができる。
そのうえ、押しボタンの外側に押しボタンキャップを被せないので、それだけ全体を小型化しつつも押圧部を大きくすることができる。このため、全体としての操作性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、ガイド部材を、筒部とこの筒部の一端側開口を覆うように設けられる天井部を備える形状状とし、その天井部に設けた開口に押圧突部を出入自在にしたので、ガイド部材により過大ストロークを防ぐとともに、押圧突部の操作時における倒れを防ぐことができ、そのうえガイド部材を簡単な構造にして小型化できる。
請求項3の発明は、ロアーケースとアッパーケースの間に弾性部材からなる押しボタンと回路基板を挟持したので、押しボタンにより回路基板をシールできる。このため押圧部の弾性を利用して防水シールを兼用できるので、従来必要であった防水シートを省略でき、部品点数を削減できる。
請求項4の発明によれば、小型のLEDインジケータを採用することにより、スイッチ素子とLEDインジケータを回路基板上へ一体に装着できたので、キルスイッチとインジケータからなるキルスイッチ装置全体の小型化が可能になる。
以下、図面に基づいて一実施例を説明する。図1はハンドルへ取付けた状態におけるキルスイッチの平面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面図である。なお以下の説明において、前後・左右・上下等の方向は車体等へ取付け使用状態を基準とし、具体的には図1の紙面における上下方向を前後方向、同左右方向を左右方向とし、図2の紙面における上下方向を上下方向というものとする。
図1において、自動2輪車のバーハンドル1の端部に被せて設けられたグリップ2の内方端部におけるフランジ3の近傍にバンド4によりキルスイッチ5が取付けられている。本実施例に係る自動2輪車は図示しないが、軽量化が要求されるモトクロス用であり、エンジンは電子燃料噴射式である。
キルスイッチ5は、点火装置及び燃料噴射装置に対する電源供給を手元で断つためのスイッチであり、キルスイッチ5をオンにすると、ストップ信号を出して点火装置及び燃料噴射装置に対する電源供給を止める。このため、通常時は開き、スイッチ投入時のみ閉じてストップ信号を発する。ストップ信号は電子燃料噴射システムの採用に伴い、デジタル信号である
キルスイッチ5はアッパーケース6に囲まれた押しボタン7を備え、この押しボタン7に円形の押圧部8とインジケータ10を備える。押しボタン7は本願発明の押しボタンに相当する。アッパーケース6は樹脂又は金属等の剛性を有する適宜材料からなる上下に開放された筒状体であり、図1の平面視にて全体として略長方形で、フランジ3側の短辺部のみを半円弧状にした形状をなし、上縁部15により押しボタン7の周囲を押さえつけている。
押しボタン7は、容易に弾性変形する軟質の弾性体からなり、シリコンゴムなどのエラストマー樹脂やゴム等の、弾力性・絶縁性・防水性・耐久性等に富む適宜な軟質弾性材料で構成されている。押圧部8は手袋を装着した指で容易に押せるよう、指先よりも十分に大きな直径になっている。
11はキルスイッチ5から延出する後述のコードを収容したコードチューブであり、12は結束バンドである。コードチューブ11はバーハンドル1上をキルスイッチ5より車体中央側に向かって延出している。
図2に示すように、押しボタン7は下方へ開放された略キャップ状をなすよう全体が一体に形成される部材であり、その外周部は厚肉の周壁部16をなす。周壁部16の上部が上縁部15により押さえられるように、露出している上面部分より一段低くくなった段差をなす。上縁部15はアッパーケース6の上端部を略水平に押しボタン7の上面中央部方向へ折り曲げられている。
押圧部8及びインジケータ10は、上縁部15に囲まれてその内側に形成され、押圧部8は上縁部15よりも高く外方(図の上方)へ突出している。
押しボタン7の内部は、押圧部8とインジケータ10の中間部が縦壁17で区画される。縦壁17は周壁部16と共に押圧部8の下方にて環状の筒状壁をなし、本願の環状壁部をなしている。
押圧部8の中央部内側には図の下方へ突出する押圧突部18が一体に形成されている。押圧突部18は押圧部8の厚肉部であり、上縁部15の肉厚と押圧部8の突出量を加えた程度の肉厚を有し、キルスイッチ5の押圧突部として必要な程度に比較的剛性が高くなっている。押圧部8を押すと、弾性変形して下方へたわみ、押圧突部18が下方へ移動する。
押圧突部18の下方には、電子燃料噴射システムに適した100mmA以下のデジタル信号を出力するスイッチ素子であるタクトスイッチ20が配置され、その中央上部に突出する突起部21を押圧突部18が押すことによりタクトスイッチ20がオンする。このとき押圧部8及び環状壁部が弾性変形している。押圧部8に対する押圧力を解くと、押圧突部18が押圧部8及び環状壁部の復元弾性にて上方へ復帰移動し、同時に突起部21がタクトスイッチ20内のリターンバネ(図示省略)により上方へ突出して復帰することにより、オフとなる。すなわち押圧部8を指で押すとキルスイッチ5をオンにでき、押圧部8から指を離すとキルスイッチ5がオフになる。
タクトスイッチ20は、プッシュ式小型スイッチであり、端子が回路基板22上に直接取付けられ、タクトスイッチ20の内部接点を切り換えることにより回路基板22上のキルスイッチ回路を切り換える。本実施例の場合、タクトスイッチ20は常開であり、開によりキル回路は開かれ、エンジンの点火回路にはメインスイッチをオンすることにより電源が供給されている。タクトスイッチ20をオフすると、キルスイッチ回路が閉じられてストップ信号を出力し、このストップ信号により点火回路に対する電源供給を止め、メインスイッチがオンでも瞬間的にエンジンの点火を停止する。
回路基板22上には、インジケータ用光源であるLED23も取付けられ、タクトスイッチ20のオン状態で点灯し、キルスイッチ5の投入状態を表示する。インジケータ10はLEDインジケータであり、オレンジ色のレンズ24が押しボタン7上面の押圧部8近傍部に予め一体化されており、LED23の点灯により、オレンジ色の警告表示を行う。インジケータ用光源を小型のLED23とすることにより、インジケータ10を小型化でき、その結果、キルスイッチ5とその動作状態を表示するインジケータが一体化されるので、インジケータをキルスイッチと別体で設ける場合と比べて構造が簡単になり、部品点数を削源でき、ハンドルへの取付けが容易になる。
アッパーケース6の側面壁54内側には、樹脂等の適宜剛性材料からなるロアーケース25が下方から密に嵌合一体化されている。回路基板22はロアーケース25の支持壁26上に載せられ、上からは周壁部16及び縦壁17の下端部で押さえられる。この状態で上縁部15により周壁部16を図の下方へ押しつけると周壁部16が弾性体であるため、インジケータ10の上及びロアーケース支持壁26の周囲に形成されたフランジ27の上に変形して密着し、回路基板22を挟持固定するとともにシールする。
ロアーケース25には縦壁17と対応する位置に中間壁28が一体に形成されて、縦壁17と共に回路基板22の中間部を挟持する。
アッパーケース6の側面壁54及びロアーケース支持壁26の車体内方部にはコード導出用の開口が設けられ、この開口にグロメット29が密に嵌合されてコード導出用の開口をシールするとともに、このグロメット29からコード13,14が外方へ延出し、コードチューブ11の内側へ入って結束バンド12により、ロアーケース25から一体に延出する腕部25aへ一体に束ねられる。コード13及びコード14の一端部は回路基板22に接続し、コード13はタクトスイッチ20のストップ信号を取り出し、コード14はLED23を点灯させるための電力を供給する。この電力はストップ信号に基づいて制御される。
図3に明らかなように、押圧部8の内側かつタクトスイッチ20の周囲にはガイド部材30が配置されている。ガイド部材30は図4に示す斜視図のように、金属等剛性のある適宜材料からなる有底円筒部材であり、底部を上にして配置され、環状の縦壁部をなす筒部31と、筒部31の一端開口を覆うように設けられる横壁部をなす天井部(底部)32を備え、天井部32の中央部には中央穴33が貫通形成されている。
再び図3において、ガイド部材30はタクトスイッチ20を囲むようにその外側に配置され、下端部は回路基板22上へ載せられている。筒部31はタクトスイッチ20の外側面(左右・前後方向へ向く面)及び周壁部16の内側面と略平行に上下方向へ延び、筒部31とタクトスイッチ20及び周壁部16の各側面との間には間隙が形成されている。
天井部32はタクトスイッチ20の上方にて、タクトスイッチ20の上へ張り出している。中央穴33の内側には、突起部21が位置し、その上方に対向配置されている押圧突部18が中央穴33内へ出入自在になっている。
押圧部8の外周部40は、周壁部16の上端部と薄肉部41を介して連結し、押圧部8を押し込むとき、薄肉部41が容易に弾性変形でたわむことにより、押し込み操作の操作荷重を小さくしてスムーズにしている。
外周部40の外径は、ガイド部材30の外径よりも大きく、外周部40の内径はガイド部材30の外径よりも小さい。このため外周部40の内側部分は天井部32の外周部上に接触し、ガイド部材30を回路基板22上へ押しつけ固定している。外周部40と押圧突部18との間には環状溝42が形成され、やはり押し込み時における押圧突部18の動きを容易にしている。薄肉部43は天井部32の上方に位置し、天井部32と外周部40のうち天井部32との接触部より外周側部分及び薄肉部41との間には間隙が形成され、これらの部分の弾性変形を可能にしている。
ロアーケース25は中央にタクトスイッチ20よりも若干大きな凹部50が形成され、この凹部50を囲む周囲が厚肉のロアーケース支持壁26をなす。この断面部位におけるロアーケース支持壁26は厚肉であり、凹部50に臨む内壁部51と回路基板22の外周部を載せる平坦な支持面52を備え、支持面52の周囲に薄肉のフランジ27が突出している。
支持面52は回路基板22の外周部のみならず、回路基板22上のガイド部材30の下方部分までも支持できるよう、筒部31の下方延長上まで広がっている。すなわち、内壁部51の内面と筒部31の内面が同程度の位置になっている。但し、内壁部51を筒部31の内面位置よりさらに中央側へ張り出すように設けることは自由である。
ロアーケース25の側面周囲には爪53が一体に形成され、この爪53はアッパーケース6の側面壁54に形成された係合穴55へ係合する。爪53及び係合穴55の位置は、係合時に上縁部15が周壁部16の上部を強く押しつけて、回路基板22の外周部及びフランジ27へ液密に密着させ、周壁部16の下部によるシールが十分になる状態で、回路基板22を周壁部16とロアーケース25で挟持できるように設定される。
アッパーケース6の側面壁54の下部は、ロアーケース25の下部よりも下方へ長く延出し、ここにバンド係止穴56が形成される。また、このバンド係止穴56の側方略下半部側を覆うように係止板57が溶接等で一体化されている。バンド係止穴56及び係止板57は、左右一対で設けられ、左右の各バンド係止穴56には、左右一対で設けられたバンド4の各上端部に屈曲形成されて下向きに開放された略コ字状をなす係止部60が係合される。係止部60は係止板57の上端部に沿って略コの字状に曲がり、先端側がバンド係止穴56へ入る。これにより、係止部60が係止板57に係合する。
バンド4は金属の板材からなり、上部61と中間部62及び下部63を連続一体に備える。上部61は係止板57の側面に沿い、かつ先端に係止部60が形成されている部分である。中間部62はバーハンドル1の外周に沿うよう円弧状をなす部分である。下部63は中間部62の下端より屈曲してバーハンドル1の径方向外方へ張り出す部分であり、左右の下部63が対向して平行し、この下部63間にボルト64を通し、ナット65で締め付けることにより、係止板57の下端をバーハンドル1の外周に当接させてキルスイッチ5をバーハンドル1の上にしっかり固定できる。
図5は、図3と同一の断面部分における一部を拡大した図であり、押圧部8,タクトスイッチ20,ガイド部材30及びロアーケース支持壁26の寸法関係を示す。押圧部8の上面は平坦であり、上縁部15の上面よりも高さdだけ図の上方へ突出している。本実施例におけるこの突出量dは上縁部15の肉厚と略同程度である。但し、突出量dは必ずしも上縁部15の肉厚に関連づけられるものでなく、運転者が手袋をはめたまま指で操作するときの操作性を考慮して任意に定めることができる。
タクトスイッチ20の外径をD1,ガイド部材30における中央穴33の径(すなわち天井部32の内径)をD2,押圧突部18の先端部における外径をD3,筒部31の内径をD4とすれば、
D4>D1>D2>D3
の関係がある。ここで、突起部21の外径D3は、突起部21の外径とほぼ等しい。
また、筒部31の内径D4は、内壁部51の内径とほぼ等しい。D2とD3は限りなく近づけることができ、D2とD3が接近するほど押圧操作時における押圧突部18を天井部32で正確にガイドするため、押圧突部18の倒れが少なくなる。筒部31と内壁部51の内径をD4と一致させることで、押圧部8からガイド部材30に加わる押圧荷重をロアーケース支持壁26側で受け止めさせることにより、回路基板22にかかる負担を少なくすることができる。
さらに、回路基板22を基準とし、ここからのガイド部材30の高さ(回路基板22の上面から天井部32の上面までの寸法に相当)をH1、突起部21の非操作時(押圧突部18が離れてフリーになっている状態)における高さをH2、タクトスイッチ20の突起部21周囲における上面の高さ(突起部21を押し込んだときのタクトスイッチ20上面の高さ)をH3とすれば、
H1>H2>H3
であり、突起部21は天井部32の上面よりも下方へ引き込んでいる。これにより、押圧突部18が突起部21と接触するときは、必ず天井部32によりガイドされるようになる。
また、高さH1とH3の差は、押圧に必要なストロークSとなる。このストロークSの大きさは、操作感を考慮して設定される。
次に、本実施例の作用を説明する。図6は押圧部8の操作に伴う変化を示し、まずフリー状態(非押圧状態)のAでは、押圧突部18と突起部21の間に所定のストロークSが形成され、天井部32の上方には環状溝42による大きな空間が形成されている。
Bは押圧部8を押し込んだ状態であり、弾性部材である押圧部8の大きな弾性変形によりストロークSに相当する大きなストロークが得られ、押圧突部18は天井部32にガイドされて中央穴33内へ入り、突起部21へ当接してこれを押し下げた状態である。この段階はタクトスイッチ20におけるスイッチ切り換えの過渡的状態であり、まだストロークS未満であってタクトスイッチ20はオフのままである。この状態では、天井部32の近傍にまだ環状溝42の空間が残っている。
CはストロークSだけ押圧部8を押し込み、突起部21を所定量押し下げてタクトスイッチ20をオンに切り換えた状態であり、押圧部8は大きく下方へ湾曲変形し、環状溝42の周囲は変形して隙間なく天井部32へ押しつけられる。この状態でこれ以上押圧部8を押し込むと、ガイド部材30を設けなければ過大な荷重がタクトスイッチ20へ加わるところであるが、押圧部8をガイド部材30で支持するため、押圧部8に加えられた過大荷重はガイド部材30からロアーケース25へ受け止められ、タクトスイッチ20へ過大荷重がかかることを防ぐことができる。しかも回路基板22のガイド部材30下方部分まで支持面52で支持するので回路基板22に対する過大荷重負荷も軽減だきる(図5参照)。
このように、押しボタン7の内側に有底筒状の簡単な構造をなすガイド部材30を収容配置したので、押しボタン7をタクトスイッチ20及びガイド部材30の外側に被せた構造になり、押しボタン7により防水できるから、従来のように押しボタンの外側に防水シートを設ける必要がなく、これを省略できることになるので、押圧部8をアッパーケース6の上面より大きく突出させ、押しボタン7における押圧部8のストロークを大きくすることができる。しかも全体を小型化しつつも、手袋を装着した指で容易に操作できる程度に押圧部8を大きくできるので、操作性を向上させることができる。
また、押圧部8を強く押し込み過ぎても、押圧突部18が所定ストローク押し込まれた段階で押圧部8をガイド部材30で受け止めて、それ以上の押し込みを阻止するとともに、タクトスイッチ20に過大荷重を及ぼさないようにすることができる。したがって手袋を装着した指でも容易に操作でき、かつ確実な操作感が得られるように大きなストロークを形成できるので、自動2輪車用のキルスイッチに好適となる。
そのうえ、ガイド部材30を簡単な有底筒状部材とし、その天井部32に設けた中央穴33に押圧突部18を出入自在にしたので、押圧突部18の操作時における倒れを防ぐことができ、かつガイド部材を簡単な構造にして小型化できる。
このため、押しボタン7の弾性変形により、大きなストロークを確保できるとともに、小型で過大な操作荷重に対して比較的耐力のないタクトスイッチ20を、電子燃料噴射システムに適したデジタル信号を出力するスイッチ素子として使用することができるようになり、電子燃料噴射システムを採用するとともに軽量化が要求されるモトクロス用の自動2輪車のキルスイッチに好適なものとなる。但しモトクロス用以外の自動2輪車に適用できることは当然である。
さらに、ロアーケース25とアッパーケース6の間に押しボタン7と回路基板22を挟持し、周壁部16を回路基板22の周囲へ密着させ、かつ上縁部15とフランジ27の間を液密に埋めるので、周壁部16の弾性を利用して防水シールできる。このため従来必要であった押しボタンの上を覆う防水シートを省略して、押圧部8のアッパーケース6に対する突出量を大きくしても、シールを確実にでき、特別なシール部材を不要にする分だけ部品点数を削減できる。
また、小型のLED23をインジケータの光源として採用することにより、タクトスイッチ20とインジケータ10を共通の回路基板22上へ一体に装着できたので、キルスイッチ5とインジケータ10からなるキルスイッチ装置全体の小型化が可能になる。しかも、LED23を、共通のロアーケース25、アッパーケース6及び押しボタン7の内部へ収容できるので、インジケータ10のためにこれらを独立して設ける必要がなくなり、部品点数を削減できる。
図7は変形例を図6に対応して示す図である。この例では押圧部8をより大きく上方へ突出させてあり、ガイド部材30の天井部32がアッパーケース15の上縁部15と略同程度の高さ位置にある。押圧突部18の径は突起部21の外径よりもかなり細くかつ長くなっている。また中央穴33を突起部21の外径より小さい小径とし、天井部32を突起部21の上まで張り出してある。押圧突部18は中央穴33を貫通して下方へ突出する。突起部21は天井部32よりも下方へ下がった位置になっている。
フリー状態のAでは、押圧突部18が中央穴33へ入り、かつ突起部21との間にクリアランスを保っている。
押圧部8を押し下げた過渡的状態のBでは、押圧突部18が天井部32により、倒れることなく案内されて突起部21を押し下げる。
突起部21を所定量押し下げてタクトスイッチ20をオンに切り換えたCでは、押圧部8が大きく下方へ湾曲して天井部32へ密着する。この状態からさらに押圧部8を押し下げると、ガイド部材30により過大荷重が受け止められ、タクトスイッチ20への過大荷重がかかることを防ぐ。この例では、押圧突部18を細くかつ長くしても、操作時の倒れを確実に防ぐことができるので、押圧部8をより弾性変形容易とし、かつより大きく上方へ突出させて、操作性を向上させることができる。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、本願発明の対象となるスイッチは自動2輪車用のみならず、各種車両のキルスイッチに適用できる。
またスイッチ素子は、タクトスイッチに限らず、押圧部8の押圧により接点を切り換える構造のものであれば使用できる。
ハンドルへ取付けた状態におけるキルスイッチの平面図 図1の2−2線断面図 図1の3−3線断面図 ガイド部材の斜視図 寸法関係を示す略図 操作説明図 変形例の操作説明図
符号の説明
1:バーハンドル、5:キルスイッチ、6:アッパーケース、7:押しボタン、8:押圧部、16:周壁部、18:押圧突部、20:タクトスイッチ、21:突起部、22:回路基板、25:ロアーケース、30:ガイド部材

Claims (4)

  1. スイッチケース内に接点をオン・オフ切り換えするスイッチ素子を設けた回路基板を収容し、スイッチケースの開口部に設けられた押しボタンでスイッチ素子のオン・オフ操作をする押しボタンスイッチ構造において、
    前記押しボタンは、操作時に指で押す部分である押圧部と、
    この押圧部からスイッチケース内部へ突出して前記スイッチ素子へ接離する押圧突部と、
    この押圧突部の周囲を囲む環状壁部とを備え、
    全体を弾性体材料で一体に形成されたものであり、
    前記押圧部が前記スイッチケースの開口より外方へ突出するように前記環状壁部と前記押圧突部をスイッチケース内へ収容して前記押圧突部の先端部をスイッチ素子に対面させるとともに、
    前記環状壁部の内側かつ前記スイッチ素子の外側に前記押圧突部のストロークを規制するガイド部材を設けたことを特徴とする押しボタンスイッチ構造。
  2. 前記ガイド部材は、前記環状壁部の内側に沿う筒部と、この筒部の一端側開口を覆うように設けられて前記押圧部の内側に間隔をもって沿う天井部とを備え、この天井部に設けた開口へ前記押圧突部を出入自在にしたことを特徴とする請求項1に記載した押しボタンスイッチ構造。
  3. 前記スイッチケースは、ロアーケースとアッパーケースからなり、これらロアーケースとアッパーケースの間に前記押しボタンと回路基板を挟持したことを特徴とする請求項1又は2に記載した押しボタンスイッチ構造。
  4. 前記回路基板上に、前記スイッチ素子と共にLEDインジケータを一体に装着したことを特徴とする請求項1〜3に記載した押しボタンスイッチ構造。
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