JP2009123628A - ステアリングホイール用レバースイッチの構造 - Google Patents

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徹 村松
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Abstract

【目的】ステアリングホイール用レバースイッチの構造の導光体を設けた操作レバーを薄型化し、かつ導光体の自由度を大きくする。
【構成】操作レバー10を、レバー本体部60,カバー部70及び導光体50で構成し、導光体50をレバー本体部60上へ重ねた状態で、レバー本体部60の周縁部に形成されているガイド溝62にスライド突起77、79を入れてカバー部70をスライドさせて押し込み、先端部71をオーバーハング縁部66の内側へ入れ、カバー部70側の係合突起78及び係合爪をレバー本体部60と係合一体化して操作レバー10を組み立てる。
【選択図】図12

Description

この発明は、ステアリングホイールへ取付けられ、指先で手前側へ引き上げてオン操作するレバースイッチの構造に係り、特に操作レバーを薄型でかつ形状及び配置における自由度の高い導光体を設けたものに関する。
ステアリングホイール用レバースイッチの構造は公知であり、例えば、操作レバーをレバー本体部とカバー部の2枚合わせ構造とし、互いにネジ止めで一体化したものがある(特許文献1参照)。
また、操作レバーへインサート成形等により導光体を一体化し、ベース部の光源から先端部まで光を導くようにしたものもある(特許文献2参照)。
特開2002−166832号公報 特開2004−349209号公報
ステアリングホイール用レバースイッチの構造は、ステアリングホイールのホイール部とスポーク部との間に形成される限られた空間内に配置するため、できるだけ薄く小型であり、かつ所定の強度を有することが求められる。しかし、公知例のようにレバー本体部とカバー部を向かい合わせにしてネジ止めする構造では、ネジ止め用の所定長さを有するボスを設ける必要があり、その分だけ厚くなってしまう。そのうえ、導光体を設けると、このボスを避けるように導光体の配置をする必要があり、導光体の自由度が小さくなる。また、導光体を操作レバーへインサート成形する場合も。同様に自由度が小さくなる。
そこで本願発明は、導光体を挟んで2枚合わせ構造をなすレバー本体部とカバー部を、ネジ止めせずに一体化して薄型化を実現するとともに、導光体の自由度を大きくすることを目的とする。
上記課題を解決するためステアリングホイール用レバースイッチの構造に係る請求項1の発明は、ステアリングホイールのスポーク部へ取付けられ、操作レバーを手前側へ引き上げて操作するステアリングホイール用レバースイッチの構造において、
ステアリングホイールへ取付けられるベースと、このベースに対して回動自在に取付けられた操作レバーとを備え、
前記操作レバーは、向かい合わせにされるレバー本体部とカバー部と、これらレバー本体部とカバー部の間に挟まれて前記ベース側に設けられた光源から、前記操作レバーの先端部へ光を導く導光体とを備え、レバー本体部とカバー部間に相対的なスライド移動により係合一体化する係合部を備え、
導光体を挟んでレバー本体部とカバー部を向かい合わせに重ね、相対的にスライド移動させることにより、一体化した操作レバーとすることを特徴とする。
請求項2の発明は上記請求項1において、レバー本体部又はカバー部のいずれか一方の縁部にオーバーハング状をなすオーバーハング縁部を設け、この内側に他方側の縁部をスライドにより嵌合することを特徴とする。
請求項3の発明は上記請求項2において、オーバーハング縁部の内側に係合溝を設け、この係合溝に、前記他方側の縁部に突出形成した係合突起を係合させるようにしたことを特徴とする。
請求項4の発明は上記請求項1において、レバー本体部及びカバー部に導光体の位置決め部を設け、レバー本体部とカバー部を相対的なスライド移動で一体化するとき、導光体をスライド方向で挟んで位置決めすることを特徴とする。
請求項5の発明は上記請求項1において、導光体の端部に反射面をなす斜面部を設け、レバー本体部及びカバー部の対応部分にそれぞれ設けた斜面部間で前記導光体の斜面部を挟むとともに、レバー本体部又はカバー部の斜面部に、前記導光体の斜面部に導かれた光で光るマーク部を設けたことを特徴とする。
操作レバーを導光体と、これを挟んで向かい合わせをなすレバー本体部及びカバー部で構成し、レバー本体部とカバー部を相対的にスライド移動により係合一体化したので、従来のようなネジ止め用のボスを設ける必要がなく、可及的に薄型化を実現でき、組立も容易かつ迅速になる。そのうえ、ネジ止め用のボスを回避して導光体を配置する必要がないので、配置及び形状における自由度を大きくすることができる。
さらに、レバー本体部又はカバー部のいずれか一方側における縁部にオーバーハング縁部を設け、この内側に他方の縁部をスライドにより嵌合させて一体化することができ、一体化を容易にする。
このときオーバーハング縁部の内側に設けた係合溝に、他方の縁部に突出形成した係合突起を係合させることにより、係合一体化をさらに確実にする。
また、導光体をレバー本体部とカバー部の間に挟むだけであり、導光体の取付けが容易になる。このとき、レバー本体部とカバー部に設けた位置決め部で導光体を挟むことにより、さらに位置決めを容易にでき、確実に固定できる。
また、導光体の一端に形成されて反射面をなす斜面部を設けることにより、導光体における反射面の面積を大きく確保することができる。またレバー本体部及びカバー部の一部にそれぞれ設けた斜面部間に導光体の斜面部を挟むことにより、導光体の反射面を正確に固定できる。さらにレバー本体部又はカバー部の斜面部にマーク部を設けるとき、マーク部の形状、寸法及び位置等の自由度が大きくなる。
以下、図面に基づいて自動車のステアリングホイールに設けられたレバースイッチの実施例について説明する。
図1は、実施例に係る自動車用ステアリングホイール1の正面図を示す。なお、本願において、運転者に対面する側を正面又は表側とし、反対側を背面又は裏側とする。また、運転者にとって手前側へ操作レバーを操作することを引き上げるという。さらに、上下・左右は車両搭載時の使用状態を基準とし、図1の図示状態を基準とする。
ステアリングホイール1はリング状のホイール部2と、その中心部から径方向に延びてホイール部2と連結するスポーク部3とを備え、スポーク部3の少なくとも中央部はセンターパッド4にて覆われている。
本実施例におけるスポーク部3は、略左右方向に延びる横スポーク3aと、下半部側にて上下方向に延びる縦スポーク3bとにより、略T字状をなしている。
この横スポーク3aの上方とホイール部2の上半部側部分との間に略半円形をなす上部空間5aが形成され、横スポーク3aの下方には、縦スポーク3bによりさらに左右に区画された下部空間5bが形成されている。
横スポーク3aの裏面でセンターパッド4とホイール部2の間には、レバースイッチ6が取付けられ、その一部が上部空間5a内へ突出し、ホイール部2を握ったまま、指先で引き上げ操作できるようになっている。
このレバースイッチ6は、横スポーク3aの左右に設けられるシフトスイッチとして構成され、例えば、右側がシフトアップ用、左側がシフトダウン用をなし、それぞれ引き上げ操作する毎にオン信号を出力してシフトアップ又はシフトダウンするようになっている。
なお、レバースイッチ6の構造自体は左右同じであるため、以下、右側のものについてのみ説明する。
図2は、ステアリングホイール1のうち、右側のレバースイッチ6近傍における部分を示す図であり、レバースイッチ6はネジ7により横スポーク3aに対して表側より取付けられている。なお、この図ではセンターパッド4を省略してある。
レバースイッチ6の操作レバー10は、横スポーク3aよりも上方へ突出する突出部11が横スポーク3aとホイール部2の付け根部分8近傍における湾曲部9内に突出し、マーク部12が手前側から視認できるようになっている。マーク部12は導光体に導かれた光で発光し、この例ではシフトアップを示す+(プラス)表示のマークになっている。なお、図示しない左側のレバースイッチ6では−(マイナス)表示のマークになっている。
この操作レバー10は横スポーク3a近傍かつ横スポーク3aより上側のホイール部2を手13で握ったまま指先で裏側を手前側へ押すことにより引き上げてオン操作する。なお、14は親指、15は人差し指、16は中指、17は薬指、18は小指であり、操作レバー10を操作する指はいずれでもよく、この例では小指18で操作している。
また、突出部11はホイール部2を握った状態でいずれかの指が届く範囲で、かつ突出部11を手前から視認できる位置に横スポーク3aから上方へ突出している。
図3はステアリングホイール1の一部で、レバースイッチ6部分を裏側から示す斜視図である。この図に示すように、レバースイッチ6は操作レバー10とベース20を備える。ベース20は横スポーク3aの裏面へ取付けられて固定され、操作レバー10はベース20に対して、後述する支軸21により回動自在に連結されている。
操作レバー10はホイール部2側の外方端部がストロークS分だけベース20からホイール部2の背面側へ離れており、かつホイール部2側の先端は先反り状にめくれ上がっている。
図4はレバースイッチ6単体を図3のX矢示方向から示す図、図5の上段Aは図4のY矢示方向から示す図、図6は図5の上段AにおけるZ矢示図である。
図4において、19はコードであり、一端が後述する回路基板へ接続し、他端はコネクタにより、図示省略のエンジン制御回路へ接続され、レバースイッチ6のオン信号の伝達並びに後述するチップLEDに対する電源供給を行う。Jは操作レバー10の回動中心軸線であり、支軸21の中心線に相当する。
図5の上段Aに示すように、レバースイッチ6は、操作レバー10の基端部が支軸21でベース20へ連結される。ベース20の裏面にはボス22が形成され、ここで横スポーク側へネジ止めされる。
29は位置決めピンであり、横スポーク3aへ取付けるときの位置決めをなす。
図5の下段Bは、レバースイッチ6の構成部品を分解して示す図であり、レバースイッチ6は、ベース20、スイッチホルダ30及び操作レバー10を重ね合わせて一体化することにより組み立てられる。
図9は、各構成部品の合わせ面側を示す図であり、Aはベース20を図5の下方から示す図、Bはスイッチホルダ30を図5の下方から示す図、Cは操作レバー10を図5の上方から示す図である。
これら図5及び図9に示すように、ベース20は、略矩形をなすスイッチホルダの収納凹部23が形成され、この中にスイッチホルダが収納され、ネジ止めされる(図6参照)。底部27の穴28はこのネジ止め用の通し穴である。底部27の中央にはボス22の内側端部が斜めに開口し、その中にインサートナット22aが一体化されている。
スイッチホルダ30は樹脂製で略矩形状をなし、その左右に支軸21が左右へ一体に突出形成されている。支軸21は側面31の長手方向一端側に片寄って設けられる。図9の図示状態において、スイッチホルダ30のうち支軸21が設けられている面を側面31とし、側面と直交する図の左右両端のうち、支軸21に近い側を基端部32、反対側を先端部33ということにする。
スイッチホルダ30には後述する回路基板が図5の図示状態における上方側から図では見えない凹所内へ嵌合一体化され、この回路基板に接続するコード19が基端部32側から延出している。
図9の図示状態では、中央部にタクトスイッチ25が臨む穴34が形成され、図の下方側の側面近傍かつ支軸21の近傍位置には、チップLED26が臨む穴35が形成されている。穴35は操作レバー10の揺動を許容するべく長穴状をなす。36はボスである。37は筒状のクリックホルダ部であり、ここへ摺動自在に嵌合されているクリックピン38の先端が先端部33から突出している。39は側面31の先端部側に設けられたストッパ突起である。
操作レバー10の裏面には、図5のBに示すように、基端部40近傍に支軸ボス41が設けられ、ここに設けられた軸支穴41aに支軸21が嵌合し、回動自在になっている。支軸ボス41は立壁部42の基端部側に形成され、他端となる先端側にはガイド部43が設けられ、ここに上下方向に長い角穴状のガイド穴43aが設けられている。このガイド穴43aにはスイッチホルダ30の側面先端部側に設けられたストッパ突起39が入り、操作レバー10の揺動を許容するとともに、ガイド穴43aの上下端部にストッパ突起39が当接することにより、揺動範囲を規制する。
図9に示すように、立壁部42は基端部40を除く、左右両側部及び先端部に設けられる略コ字状をなし、内側の平坦部44囲んでいる。平坦部44の中央にはタクトスイッチ25の一部が当接する凹部45をなす。46はスイッチホルダ30の穴35へ差し込まれる集光筒部であり、一側部かつ基端部40寄りに形成されるいる。47は係合凹部である。48はスイッチホルダ30のボス36に対する逃げ凹部である。49はスイッチホルダ30のクリックピン38先端が当接するクリックガイドであり、立壁部42の先端部側に設けられる。
図6はレバースイッチ6の横スポークに対する取付面である裏面を示し、裏面中央にボス22が斜め形成されている。このボス22を図の上下に挟む位置でネジ20bが取付けられている。このネジ20bはスイッチホルダをベース20の底部27へ取付けるためのものであり、底部27に設けられた通し穴28(図9のA参照)を裏側から通してスイッチホルダを締結一体化する。
操作レバー10の内部には後述する導光体50が、ボス22の基部近傍からマーク部12に掛けて斜めに配置されている。
図7は図2の7−7線断面図であり、ベース20は樹脂製であり、一体のボス22を有し、そのボス22にはインサートナット22aが設けられ、ここに横スポーク3aの正面側から通されたネジ7が締結されることによりベース20が横スポーク3aへ固定される。ベース20に収容一体化されたスイッチホルダ30の凹部30aには、回路基板24が嵌合されている。回路基板24にはタクトスイッチ25が取付けられて電気的に接続され、その先端に設けられている操作突起25aが平坦部44の凹部45内へ入り、凹部45の中央部に形成された突起45aに当接している。
タクトスイッチ25は、操作レバー10の先端部10aを引き上げ、操作レバー10をC矢示方向に回動させると、突起45aが操作突起25aを押し込むことによりオンとなり、回路基板24からオン信号を出力する。
図8は、図2の8−8線断面図であり、回路基板24上にはマーク部12を発光させるための光源であるチップLED26が設けられ、車両のメインスイッチ投入時には常時発光する。チップLED26はスイッチホルダ30の穴35内へ収容され、この穴35内へ差し込まれている集光筒部46内へ光を送るようになっている。集光筒部46内には導光体50の一端部に形成された凸レンズ状の集光部51が嵌合している。
クリックピン38はクリックスプリング38aにより、クリックホルダ37から突出付勢され、クリックガイド49に設けられたクリック穴49a内へ一部が入り込んで、操作レバー10の中立位置を位置決めしている。操作レバー10の先端部10aに力を加えてC矢示方向へ引き上げれば、クリックスプリング38aに抗してクリックピン38の先端をクリック穴49aから押し出して回動を可能とし、力を抜けば、クリックスプリング38aによりクリックピン38が再びクリック穴49a内へ一部が入り込み、操作レバー10の中立位置に戻る。図中のHは断面違いとする破断線である。
図10は図6の10−10線断面図である。操作レバー10は後述するように、レバー本体部60とカバー部70及び導光体50で構成される。導光体50はレバー本体部60とカバー部70で挟まれている。導光体50の集光部51が設けられた基端部のカバー部70側には反射面52が設けられ、チップLED26の光を反射させ、先端方向へ90°屈折させる。中間部53は長さ方向の基端側半分は肉厚一定で図の上下面が平行している。
中間部53の先端側部分は肉厚部54をなし、その下面側が先端へ向かって下がり傾斜することにより肉厚が斬増している。先端部は斜面部65及び75に挟まられた斜面部55をなす。斜面部55は、図の先端に向かって僅かに先細りするよう図の左右表面が接近し、非平行で先端に向かって狭くなるように形成され、レバー本体部60及びカバー部70の各斜面部に臨む両面が反射面56をなし、この反射面56間で複雑に反射しながら斜面部55の表面を光らせるようになってなっている。
レバー本体部60及びカバー部は、光を透過させないよう、黒色等の塗料により予め不透明に塗装されており、マーク部12はレーザーエッチング等の手法により、塗装を除去して、この部分だけ光を透過させるようになっており、導光体50で集光部51から反射面56へ導かれた光でマーク部12を発光させて視認できるようになっている。
レバー本体部60の斜面部65における先端部は内側へ曲がり返したオーバーハング縁66をなす。このオーバーハング縁66の内側にカバー部70の先端部71が嵌合している。オーバーハング縁66の内側表面が先端部71を差し込むときのガイド面67をなす。先端部71はスライド方向Dへ若干下がり気味に傾斜し、その先端からさらに突出する係合突起78が一体に設けられ、オーバーハング縁66が斜面部65の上端から曲がる基部内側に肉厚内をスライド方向へ入り込む係合溝68に嵌合する。係合突起78は先端側が矢頭形状をなし、これに対応して形成された係合溝68に形成された凹凸部と係合し、係合溝68から抜け出しにくくなっており、カバー部70とレバー本体部60の周縁部を確実かつ強固に係合一体化している。
図11は支軸21部分を拡大して示す部分断面図であり、スイッチホルダ30と一体の支軸21は、操作レバー10の支軸ボス41に設けられた軸支穴41aに嵌合する。支軸ボス41はベース20の側面壁20aとスイッチホルダ30の側面31に挟まれ、支軸21の先端は側面壁20aに近接している。このため支軸ボス41は支軸21から外れることなく支軸21の周囲に回動自在となる。
図12は操作レバー10の分解斜視図、図13は操作レバー10の一体化状態を示す斜視図である。図13に示す操作レバー10の裏面はレバー本体部60の裏面構造をなす。
図12において、レバー本体部60は、中央の平坦部44の周囲のうち、基端部40の対向側を先端部44a、ステアリング装着時の上方側を上端部44b、この対向側を下端部44cとする。
下端部44cに沿って立て壁状の下部壁61が形成され、下部壁61の肉厚内へ入り込むガイド溝62が、下端部44cに沿って平坦部44の表面と平行に形成されている。
上端部44bのうち先端部44a側略半分程度の部分には突出部11(図4)のレバー本体部側部分をなす張り出し部64が平坦部44から連続して突出形成されている。張り出し部64の突出端部にも立て壁状の上部壁63が形成され、この上部壁63にもガイド溝62が形成されている。
先端部44aからは斜面部65が反り返るように平坦部44からさらに連続して形成されている。斜面部65の先端にはオーバーハング縁66が形成されている。オーバーハング縁66は先端が斜面部65の上方へ重なるように曲がり返して形成される。オーバーハング縁66は下部壁61及び上部壁63へ連続している。
平坦部44の基端部40には立て壁状部分が形成されず、この部分からカバー部70をスライドさせて取付けることを可能にする。基端部40における図の左右方向中間部には、手前側の薄肉部47aとその奥側の係合穴47とが形成され、カバー部70側をスライドさせるとき、後述する係合爪が薄肉部47aを弾性変形させて係合穴47へ入り込んで薄肉部47aの縁部へ係合するようになっている。
平坦部44の中央部には集光筒部の一端開口46aが設けられ、ここに導光体50の集光部51が嵌合するようになっている。平坦部44の一端開口46a近傍から先端部44aに向かって複数本(本実施例では3本)のリブ69が平坦部44の表面から突出して平行に設けられている。各リブ69の基端部40側先端は、張り出し部64側へ近いものほど先端部44a側へ後退し、一端開口46aから張り出し部64側へ向かって斜めに配置されている。
導光体50は長尺の略帯板状をなし、集光部51側を基端部、斜面部55が設けられる側を先端部とするとき、先端側に向かって若干幅広かつ厚肉になるよう変化している。集光部51を一端開口46aへ嵌合し、斜面部55をレバー本体部60の斜面部65に重ね、先端をオーバーハング縁66の内側へ嵌合させ、かつ中間部の側面をリブ69の先端へ当接させると、導光体50を図示状態のように斜めに配置された状態で、位置決めされ、その後、導光体50の上をカバー部70がスライドしても、導光体50をずらすことなく正確に位置決め固定できる。しかも一端側の集光部51を集光筒部46へ嵌合してあるため、これによっても一端部を位置決めしてずれにくくすることができる。
カバー部70は、レバー本体部60に対応して、基端部70a、先端部71、
上端部72、下端部73及び張り出し部74、斜面部75、平坦部80を備える。張り出し部74は突出部11のカバー部側部分をなす。
先端部71はレバー本体部60の先端部44aを越えてオーバーハング縁66の内側へ嵌合する。斜面部75の張り出し部74側部分端部は略三角形状の上端縁部76をなす。
上端縁部76にはスライド突起77、係合突起78が一体に突出形成され、略水平に突出している。スライド突起77は上端縁部76のうち、張り出し部64の表面へ重なる低い位置に形成される。係合突起78は先端部71に連なる高い位置に形成されている。
上端縁部76は、カバー部70をレバー本体部60に対してスライドさせて一体化するとき上部壁63の内側面と摺接する。このとき下端部73は下部壁61の内側面と摺接する。
図14はレバー本体部60の裏面を示す。また操作レバー10の裏面形状(図13)と同様であるから、操作レバー10の裏面と共通する部分には共通符号を用いてある。薄肉部47a及び係合穴47は、スリット47bで平坦部44から分離され、薄肉部47aが弾性変形容易になっている。
図15はカバー部70の内面(レバー本体部へ重なる面)を示す。下端部73の基端部70a側にもスライド突起79が突出形成され、下部壁61のガイド溝62(図12)へ嵌合してスライド移動できるようになっている。平坦部80の中央部で基端部70a寄り位置に係合爪81が突出形成されている。
平坦部80の上半部側には斜めの段差部82が形成され、この上にリブ83が一体に形成されている。段差部82は導光体50をレバー本体部60のリブ69(図12)の先端面との間で挟むように、リブ69の先端面と離して設けられ、リブ83は段差部82と共にリブ69に対応し、スライド方向へ直線状に延びて設けられる。リブ69及び83は導光体50の位置決め部を構成する。
図16は、図14の16−16線断面、図17は図14の17−17線断面である。これらの図に示すように、下部壁61にガイド溝62が形成される。下部壁61及び上部壁63は一部がスライド突起に重なるが、下端部73及び上端縁部76の上へオーバーハングして重ならず、レバー本体部60に対してカバー部70のスライドを可能にしている。
図18は、図14の18−18線断面である。薄肉部47a及び係合穴47は、平坦部44より薄肉にした部分に形成され、薄肉部47aが弾性変形容易になっている。
図19は係合爪81と薄肉部47aとの係合状態を示す拡大断面図であり、カバー部70をレバー本体部60に対してスライドさせると、係合爪81がスライド方向Dに向かって上がり傾斜面をなすので、薄肉部47aを弾性変形させて係合穴47へ入り、係合穴47に臨む薄肉部47aの縁部へ係合する。このとき、薄肉部47aは平坦部44に対して図の上部側を肉抜きして所定寸法dなる段差状にしてあるので、係合爪81を突出形成してあるにもかかわらず、カバー部70とレバー本体部60とを密接して重ねることができ、全体の薄肉化に役立っている。
次に、本実施例の作用を説明する。図12において、導光体50をレバー本体部60上へ位置決めし、カバー部70をレバー本体部60の上へ重ね、カバー部70に設けたスライド突起77及び79をガイド溝62内へ入れてD矢示方向へスライド移動させると、カバー部70がスライド突起77及び79がガイド溝62にガイドされて位置決めされた状態で押し込まれ、先端部71がオーバーハング縁66の内側へ嵌合し、係合突起78が係合溝68(図10・図17)に係合し、同時に係合爪81が係合穴47へ入り込んで、カバー部70とレバー本体部60が導光体50を挟んで一体化し、操作レバー10をなす。
このとき、導光体50を挟んでレバー本体部60及びカバー部70を向かい合わせにし、レバー本体部60とカバー部70を相対的にスライド移動させるだけで操作レバー10を係合一体化して組み立てることができるので、従来のようなネジ止め用のボスを設ける必要がなく、可及的に薄型化を実現でき、かつ組立作業を迅速かつ容易にできる。
また、先端部71をオーバーハング縁部66の内側へ嵌合することにより、オーバーハング縁部66で先端部71をガイドできる。
そのうえ、先端部71に係合突起78を突出させ、これをオーバーハング縁部66の内側に設けた係合溝68へ係合させることにより、カバー部70をスライド方向へ押し込むだけでさらに確実に係合一体化することができる。
また、導光体50をレバー本体部60とカバー部70の間に挟むだけであり、ネジ止め用のボスを回避する必要がなく、配置及び形状における自由度を大きくすることができる。特に直線状に形成できるため、無駄な部分を設けることなく、必要最小限の大きさにできる。そのうえ、レバー本体部60とカバー部70で導光体50を挟む構造のため、導光体50により操作レバー10の強度を補強できる。また、リブ69及び83で導光体50を挟むため、カバー部70をスライドさせても、ずれを防いで確実に位置決めできる。ただし、導光体50の位置決め部はリブ69及び83に限らず種々な構造が可能である。
また、導光体50の一端に形成された斜面部55の表面を反射面56とし、レバー本体部60及びカバー部70にそれぞれ設けた斜面部65を75間に導光体50の斜面部55を挟んだので、反射面56をなす斜面部55を確実に固定できるとともに、反射面56の面積を大きくできるので、マーク部12の位置精度をある程度ラフにできることになり、マーク部12の形状や大きさ、位置等における自由度も大きくなるので、マーク部12の形成が容易になる。
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、係合部をなすガイド溝62をカバー部70側に設け、スライド突起77、79をレバー本体部60側に設けてもよく、それぞれを双方に分けて設けてもよい。また、係合穴47と係合爪81の関係も同様である。さらにマーク部12も、レバー本体部60又はカバー部70のどちら側にも設けることができる。
ステアリングコラムへ取り付けられるウインカスイッチやライティングスイッチ等にも適用できる。
実施例に係る自動車用ステアリングホイールの正面図 レバースイッチ近傍部分を示す図 レバースイッチ部分を裏側から示す斜視図 レバースイッチ単体を示す図 レバースイッチの分解図 レバースイッチの裏面図 図2の7−7線断面図 図2の8−8線断面図 レバースイッチを構成する各部の合わせ面を示す図 図8の10−10線断面図 支軸部分を示す拡大断面図 操作レバーの分解斜視図 操作レバーの組立状態における裏面側斜視図 レバー本体部の裏面図 カバー部の内面側を示す図 図14の16−16線断面図 図14の17−17線断面図 図14の18−18線断面図 係合爪の係合構造を示す拡大断面図
符号の説明
1:ステアリングホイール、2:ホイール部、3:スポーク部、6:レバースイッチ、10:操作レバー、11:突出部、12:マーク部、20:ベース、21:支軸、30:スイッチホルダ、50:導光体、60:レバー本体部、70:カバー部、62:ガイド溝、66:オーバーハング縁部、77:スライド突起、78:係合突起、79:スライド突起

Claims (5)

  1. ステアリングホイールのスポーク部へ取付けられ、操作レバーを手前側へ引き上げて操作するステアリングホイール用レバースイッチの構造において、
    ステアリングホイールへ取付けられるベースと、このベースに対して回動自在に取付けられた操作レバーとを備え、
    前記操作レバーは、向かい合わせにされるレバー本体部とカバー部と、これらレバー本体部とカバー部の間に挟まれて前記ベース側に設けられた光源から、前記操作レバーの先端部へ光を導く導光体とを備え、レバー本体部とカバー部間に相対的なスライド移動により係合一体化する係合部を備え、
    導光体を挟んでレバー本体部とカバー部を向かい合わせに重ね、相対的にスライド移動させることにより、一体化した操作レバーとすることを特徴とするステアリングホイール用レバースイッチの構造。
  2. レバー本体部又はカバー部のいずれか一方の縁部にオーバーハング状をなすオーバーハング縁部を設け、この内側に他方側の縁部をスライドにより嵌合することを特徴とする請求項1に記載したステアリングホイール用レバースイッチの構造。
  3. オーバーハング縁部の内側に係合溝を設け、この係合溝に、前記他方側の縁部に突出形成した係合突起を係合させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載したステアリングホイール用レバースイッチの構造。
  4. レバー本体部及びカバー部に導光体の位置決め部を設け、レバー本体部とカバー部を相対的なスライド移動で一体化するとき、導光体をスライド方向で挟んで位置決めすることを特徴とする請求項1に記載したステアリングホイール用レバースイッチの構造。
  5. 導光体の端部に反射面をなす斜面部を設け、レバー本体部及びカバー部の対応部分にそれぞれ設けた斜面部間で前記導光体の斜面部を挟むとともに、レバー本体部又はカバー部の斜面部に、前記導光体の斜面部に導かれた光で光るマーク部を設けたことを特徴とする請求項1に記載したステアリングホイール用レバースイッチの構造。
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