JP2009052666A - 遊星ローラ装置 - Google Patents

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真一郎 末永
Hiromichi Kimura
弘道 木村
Hiroaki Ebuchi
弘章 江渕
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Abstract

【課題】トルクをその高低に関わりなく効率よく伝達することができる遊星ローラ装置を提供する。
【解決手段】サンローラ11とリングローラ12との間にピニオンローラ13が配置された遊星ローラ装置1Aにおいて、ピニオンローラ13の外周には、外径一定の円筒部13aと、円筒部13aから軸線方向に離れるに従って外径が漸次減少する円錐部13bとを設け、サンローラ11の外周及びリングローラ12の内周のそれぞれには、円筒部13aと接触する第1接触面11a、12aと、円錐部13bと接触する第2接触面11b、12bとを設ける。伝達すべきトルクが相対的に低いときは円筒部13aを介してトルクが伝達され、トルクが相対的に高いときは円錐部13bを介してトルクが伝達されるように、トルクに応じてピニオンローラ13とサンローラ11及びリングローラ12との接触状態を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、トラクションを利用して動力を伝達する遊星ローラ装置に関する。
リングローラとそのリングローラの中心に配置されるサンローラとの間に複数のピニオンローラを介在させ、それらのローラを高い圧力で接触させることによりローラ間でトラクションを発生させて動力を伝達する遊星ローラ装置が周知である。この種の遊星ローラ装置としては、ピニオンローラの外周面及びこれと接するリングローラの内周面及びサンローラの外周面のそれぞれを円錐面状に形成し、サンローラに付加される軸線方向推力を伝達すべきトルクに応じて変化させることにより、サンローラとピニオンローラとの間にトルクに応じた圧力を作用させる遊星ローラ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。その他に、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2及び3が存在する。
実開平2−87157号公報 特開2004−100843号公報 特開平7−35212号公報
円錐型のピニオンローラを使用した遊星ローラ装置では、ローラの周速が軸線方向の位置に応じて異なるために、ローラ間における滑りの発生が不可避であり、その滑りに起因して伝達損失が生じる。低トルクの伝達時には円筒型のローラを使用する場合と比較して損失が大きく、効率が悪い。一方、円筒型のローラを利用した場合には、ローラ間の圧力に制約があり、高トルクの伝達時に滑りが生じて効率が悪化するおそれがある。
そこで、本発明はトルクをその高低に関わりなく効率よく伝達することができる遊星ローラ装置を提供することを目的とする。
本発明は、サンローラとリングローラとの間にピニオンローラが配置された遊星ローラ装置において、前記ピニオンローラの外周には、外径一定の円筒部と、前記円筒部から軸線方向に離れるに従って外径が漸次減少する円錐部とが設けられ、前記サンローラの外周及び前記リングローラの内周のそれぞれには、前記ピニオンローラの前記円筒部と接触する第1接触面と、前記ピニオンローラの前記円錐部と接触する第2接触面とが設けられるとともに、伝達すべきトルクが相対的に低いときは前記円筒部を介してトルクが伝達され、前記トルクが相対的に高いときは前記円錐部を介してトルクが伝達されるように、前記トルクに応じて前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとの接触状態を変更する変更手段を備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の遊星ローラ装置によれば、トルクの高低に応じて変更手段がピニオンローラとサンローラ及びリングローラとの接触状態を変更することにより、トルクが相対的に低いときはピニオンローラの円筒部を介してトルクが伝達され、トルクが相対的に高いときはピニオンローラの円錐部を介してトルクが伝達される。従って、低トルクの伝達時には円錐部の滑りに起因する効率の悪化を回避し、高トルクの伝達時には円筒部の滑りに起因する効率の悪化を回避することができる。このようにピニオンローラの円筒部と円錐部とを使い分けることにより、トルクをその高低に関わりなく効率よく伝達することが可能となる。
本発明の遊星ローラ装置の一形態において、前記変更手段は、前記トルクの増加に伴って、前記円錐部と前記第2接触面との間に作用する圧力を増加させてもよい(請求項2)。この形態によれば、トルクの増加に伴って円錐部と第2接触面との間の圧力が増加することにより、高トルクの伝達時には円錐部と第2接触面との間に高い圧力を作用させてトルクを確実に伝達することができる。その一方、円筒部と第1接触面との間には、低トルクの伝達に見合った比較的低い圧力を作用させれば足りる。従って、円筒部に対して予め高い圧力を付加しておく必要がなく、サンローラ、ピニオンローラ及びリングローラの疲労強度を向上させることができる。
本発明の遊星ローラ装置の一形態において、前記変更手段は、前記トルクの増加に伴って前記円錐部と前記第2接触面との間に作用する圧力が増加するように、前記トルクに応じた軸線方向の押し付け力を前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとの間に作用させてもよい(請求項3)。ピニオンローラと、サンローラ及びリングローラとの間に軸線方向の押し付け力を作用させることにより、円錐部の傾きを利用して円錐部と第2接触面との間にそれらの法線方向の圧力を付加することができる。その軸線方向の押し付け力をトルクに応じて変化させることにより、円錐部と第2接触面との間の圧力をトルクに応じて適宜に増減することができる。これにより、低トルクは円筒部を介して伝達し、高トルクは円錐部を介して伝達するように、円筒部と円錐部とを使い分けることが可能となる。
上記の形態においては、前記変更手段として、入力されるトルクに応じた軸線方向の推力を発生するトルクカム又ははすば歯車が、前記推力にて前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとが前記軸線方向に押し付けられるように設けられてもよい(請求項4)。この場合には、ピニオンローラとサンローラ及びリングローラとの接触状態を、遊星ローラ装置にて伝達すべきトルクの変化を利用して機械的に変更することができる。あるいは、前記変更手段として、前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとの間に前記軸線方向の押し付け力を付加するアクチュエータと、前記トルクの増加に伴って、前記円錐部と前記第2接触面との間に作用する圧力が増加するように、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段とが設けられてもよい(請求項5)。この場合には、ピニオンローラとサンローラ及びリングローラとの接触状態をトルクに応じて多様に変化させることができる。さらに、前記変更手段は、前記ピニオンローラを前記サンローラ及び前記リングローラに向かって押し付けるようにしてもよい(請求項6)。ピニオンローラはサンローラ及びリングローラと比較して小型で軸線方向の力を与える対象として扱い易いため、変更手段を比較的容易に実現することが可能となる。
以上に説明したように、本発明の遊星ローラ装置においては、トルクの高低に応じて変更手段がピニオンローラとサンローラ及びリングローラとの接触状態を変更することにより、トルクが相対的に低いときはピニオンローラの円筒部を介してトルクが伝達され、トルクが相対的に高いときはピニオンローラの円錐部を介してトルクが伝達される。従って、ピニオンローラの円筒部と円錐部とをトルクの高低に応じて使い分けることにより、トルクをその高低に関わりなく効率よく伝達することができる。
[第1の形態]
図1及び図2を参照して本発明の第1の形態に係る遊星ローラ装置を説明する。第1の形態の遊星ローラ装置1Aは、入力軸2の回転をその入力軸2と同軸に配置された出力軸3に減速して伝達するために設けられている。入力軸2は例えば車両の原動機側に接続され、出力軸3は車両の駆動輪側に接続される。遊星ローラ装置1Aは、サンローラ11と、リングローラ12と、これらのサンローラ11とリングローラ12との間に介装された複数(図では2つのみ示す。)のピニオンローラ13と、ローラ11〜13を収容するケース14とを備えている。入力軸2及び出力軸3は軸受4、5、6を介してケース14に回転自在に支持されている。
サンローラ11は、入力軸2の先端外周に嵌め合わされて止め輪15により軸線方向に抜け止めされている。サンローラ11と入力軸2との間にはセレーション等の回り止め手段16が設けられ、それにより、サンローラ11は入力軸2と一体的に回転する。出力軸3の軸端部にはリングローラ保持部3aが一体に設けられ、そのリングローラ保持部3aの内周にリングローラ12が嵌め合わされている。リングローラ保持部3aとリングローラ12との間にはセレーション等の回り止め手段17が設けられ、それにより、リングローラ12は出力軸3と一体的に回転する。
各ピニオンローラ13の外周には、外径一定の円筒部13aと、その円筒部13aの一端に連続しかつ円筒部13aから軸線方向に離れるに従って外径が漸次減少する円錐部13bとが設けられている。円錐部13bの最大径は円筒部13aの外径と等しい。サンローラ11の外周には、ピニオンローラ13の円筒部13aと接触する円筒面状の第1接触面11aと、ピニオンローラ13の円錐部13bと接触する円錐面状の第2接触面11bとが設けられている。リングローラ12の内周には、ピニオンローラ13の円筒部13aと接触する円筒面状の第1接触面12aと、ピニオンローラ13の円錐部13bと接触する円錐面状の第2接触面12bとが設けられている。
遊星ローラ装置1Aには、さらにキャリア18が設けられている。キャリア18は、ピニオンローラ13をサンローラ11の軸線の周りに等間隔で保持するとともに、ピニオンローラ13をそれぞれの軸線を中心として回転(自転)できるように支持する。キャリア18には、ピニオンローラ13の円筒部13a及び円錐部13bのそれぞれの端部を保持する一対の保持部18a、18bが設けられている。円筒部13a側の保持部18aはトルクカム20を介してケース14に支持されている。これにより、キャリア18は、サンローラ11及びリングローラ12の回転時において、サンローラ11の軸線の周りに略定位置に保持される。つまり、遊星ローラ装置1Aはキャリア18の回転を阻止した状態で使用される。
トルクカム20は、キャリア18の保持部18aに固定される第1カムプレート21と、ケース14に固定される第2カムプレート22と、それらのカムプレート21、22の間に介装された複数の転動体としてのボール23とを備えている。カムプレート21、22のそれぞれはリング状であり、サンローラ11と同軸的に配置されている。図2に示すように、カムプレート21、22の対向面のそれぞれには、カム山21a、22a及びカム溝21b、22bが周方向に沿って交互に形成されている。入力軸2と出力軸3との間でトルク伝達が行われない無負荷状態では、カム溝21b、22b同士が周方向の同一位置で対向し、それらの隙間にボール23が保持される。カムプレート21、22のいずれか一方にトルクが作用すると、カムプレート21、22が周方向に相対的にずれてボール23がカム山21a又は22aの少なくともいずれか一方に乗り上げようとする。これにより、カムプレート21、22の間には、これらを軸線方向に遠ざけようとする推力が生じる。図2の想像線は、カムプレート21に矢印A方向のトルクが作用し、それにより、カムプレート21、22間に軸線方向の変位δが生じた状態を示している。
サンローラ11及びリングローラ12の第1接触面11a、12a及び第2接触面11b、12bと、ピニオンローラ13の円筒部13a及び円錐部13bとの間にはトラクションオイルが供給される。ローラ11、12、13のそれぞれは、トラクション作用によるトルク伝達を可能とするために、サンローラ11の半径方向に適度な圧力にて押し付けられた状態で組み付けられている。その圧力は、入力軸2に与えられるトルクが相対的に小さい低トルク時に、円筒部13aと第1接触面11a、12aとの間でトラクション作用によるトルク伝達が行われる程度で足りる。
以上のように構成された遊星ローラ装置1Aにおいては、入力軸2に回転が入力されてサンローラ11が入力軸2と一体に回転すると、そのサンローラ11からピニオンローラ13を経てリングローラ12へと回転が伝達されて出力軸3から回転が出力される。サンローラ11からピニオンローラ13へと回転が伝達されることにより、それらのピニオンローラ13を保持するキャリア18にもトルクが作用する。そのキャリア18に作用したトルクによってトルクカム20の第1カムプレート21が第2カムプレート22に対して周方向に変位し、カムプレート21、22間に軸線方向の推力が発生する。第2カムプレート22はケース14によって軸線方向に拘束されているため、カムプレート21、22間に生じた推力で第1カムプレート21が第2カムプレート22から離れる方向に押し出される。その結果、ピニオンローラ13は、その円錐部13bが第2接触面11b、12bに押し付けられるように駆動され、これにより円錐部13bと第2接触面11b、12bの間の圧力が増加する。トルクカム20にて発生する推力は、キャリア18から第1カムプレート21に伝達されるトルクが大きいほど増加するため、トルクが大きいほど円錐部13bと第2接触面11b、12bとの間の圧力が増加する。
従って、低トルク時には主としてピニオンローラ13の円筒部13aと第1接触面11a、12aとの間のトラクション作用でトルクが伝達され、トルクの増加に伴って円錐部13bと第2接触面11b、12bとの間で徐々にトルクが伝達されるようになる。そして、高トルク時には主として円錐部13bと第2接触面11b、12bとの間でトルク伝達が行われる。円筒部13aを介した低トルクの伝達時には、ピニオンローラ13とサンローラ11及びリングローラ12との間の滑りによる損失を抑えて伝達効率を高めることができる。その一方、円錐部13bを介した高トルクの伝達時には、くさび効果によって円錐部13bと第2接触面11b、12bとの間に高い圧力を作用させることができるため、高トルクを効率よく伝達することができる。しかも、円筒部13aと第1接触面11a、12aとの間に作用させるべき圧力は低トルクの伝達に見合った程度で足り、円筒部13aに対して予め大きな圧力を与えておく必要がない。よって、ピニオンローラ13の疲労強度も向上する。円筒部13aと第1接触面11a、12aとの間に予め与えるべき圧力を小さく設定することにより、トルクカム20の推力を利用してピニオンローラ13を軸線方向に容易に変位させることができる。
[第2の形態]
図3は本発明の第2の形態に係る遊星ローラ装置1Bを示している。但し、図3において、図1及び図2と共通する構成要素には同一符号を付し、それらの説明を省略する。本形態の遊星ローラ装置1Bは、キャリア18の円筒部13a側の保持部18aが省略され、各ピニオンローラ13の円筒部13aの端部とケース14との間にトルクカム30が配置されている点が第1の形態の遊星ローラ装置1Aと相違する。トルクカム30は、ピニオンローラ13と同軸的に配置された円板状の第1カムプレート31及び第2カムプレート32と、それらのカムプレート31、32の間に介装された複数のボール33とを備えている。第1カムプレート31と第2カムプレート32との対向面には、第1の形態のトルクカム20と同様にカム山及びカム溝が周方向に交互に形成され、無負荷状態においてボール33はカム溝間に保持される。第1カムプレート31及び第2カムプレート32はピニオンローラ13とケース14との間で挟み込まれて保持されている。第1カムプレート31とピニオンローラ13との間は摩擦によって保持されているだけであり、固定されていない。第2カムプレート32はケース14に固定されている。
本形態の遊星ローラ装置1Bによれば、ピニオンローラ13の回転に伴ってトルクカム30の第1カムプレート31にトルクが作用すると、第1カムプレート31が第2カムプレート32に対して相対回転し、それに伴って第1カムプレート31をピニオンローラ13に向かって押し出すような軸線方向の推力が各トルクカム30にて発生する。その推力はピニオンローラ13からトルクカム30に伝達されるトルクが高いほど増加する。これにより、第1の形態と同様に、ピニオンローラ13の円錐部13bは、トルクが高いほど第2接触面11b、12bにより強く押し付けられる。よって、第1の形態と同様に、低トルク時には円筒部13aを介してトルクを伝達し、高トルク時には円錐部13bを介してトルクを伝達することができる。これにより、円筒部13aと円錐部13bとをトルクの高低に応じて使い分けて第1の形態と同様の作用効果を奏することができる。なお、第1カムリング31は、ピニオンローラ13から押し返される力とトルクカム30が発生させる推力とが釣り合う位置にてその回転を停止する。従って、各ピニオンローラ13は、トルクカム30を介してケース14に支持されてサンローラ11の軸線回りの定位置に保持されるとともに、第1カムリング31に対して滑りながら自身の軸線回りに回転する。
[第3の形態]
図4は本発明の第3の形態に係る遊星ローラ装置1Cを示している。但し、図4において、図1及び図2と共通する構成要素には同一符号を付し、それらの説明を省略する。本形態の遊星ローラ装置1Cでは、リングローラ12がケース14に嵌め込まれて回り止め手段17にてその回転が阻止されている。一方、ピニオンローラ13は第1及び第2の形態と比較して軸線方向逆向きに配置され、各ピニオンローラ13の円筒部13aの端部が出力軸3側に向けられている。その円筒部13aを保持するキャリア18の保持部18aは、キャリア軸41の保持アーム41aに固定され、キャリア軸41と出力軸3の軸端部との間には複数のボール42が出力軸3の軸線の回りに等間隔で並べて設けられている。これらのキャリア軸41、出力軸3及びボール42によってトルクカム40が構成されている。すなわち、キャリア軸41と出力軸3との対向面には、第1の形態及び第2の形態のトルクカム20、30と同様にカム山及びカム溝が周方向に交互に形成されており、無負荷状態においてボール42はカム溝間に保持されている。
本形態の遊星ローラ装置1Cにおいては、入力軸2に回転が入力されてサンローラ11が入力軸2と一体に回転すると、そのサンローラ11からピニオンローラ13に回転が伝達され、ピニオンローラ13が自身の軸線の周りに回転(自転)しつつ、サンローラ11の回りを回転(公転)する。ピニオンローラ13の公転によってキャリア軸41も回転し、そのキャリア軸41の回転がトルクカム40を経て出力軸3へ伝達されて出力軸3から回転が出力される。トルクカム40は、キャリア軸41へのトルクの入力に対応して、キャリア18の保持部18aをピニオンローラ13に向かって押し込むような軸線方向の推力を発生する。その推力はキャリア軸41に伝達されるトルクが高いほど増加する。これにより、第1及び第2の形態と同様に、ピニオンローラ13の円錐部13bは、トルクが高いほど第2接触面11b、12bにより強く押し付けられる。よって、第1及び第2の形態と同様に、低トルク時には円筒部13aを介してトルクを伝達し、高トルク時には円錐部13bを介してトルクを伝達することができる。これにより、第1及び第2の形態の遊星ローラ装置1A、1Bと同様の作用効果が得られる。
[第4の形態]
図5は本発明の第4の形態に係る遊星ローラ装置1Dを簡略化して示した図であり、図中において、図4と共通する部分には同一符号を付してある。本形態の遊星ローラ装置1Dは、上述した第3の形態の遊星ローラ装置1Cと同様にリングローラ12がケース14に固定され、ピニオンローラ13がサンローラ11の回りを自転しつつ公転する構成を有している。ピニオンローラ13はその円錐部13bを入力軸2側に向けるようにして配置されている。そして、本形態の遊星ローラ装置1Dでは、トルクカム40が省略されてキャリア軸41と出力軸3とが一体化されている。
さらに、出力軸3と、その出力軸3によって回転駆動される2次出力軸7との間には、これらの軸間で回転を伝達するために一対のはすば歯車50、51が設けられている。これらのはすば歯車50、51のねじれ方向は、出力軸3が所定方向に回転するときに、出力軸3をピニオンローラ13に向かって押し込む方向(図中の矢印A方向)の推力を発生するように設定されている。従って、本形態の遊星ローラ装置1Dにおいては、出力軸3が所定方向に回転するときに、その出力軸3のトルクが高いほどピニオンローラ13の円錐部13bがサンローラ11及びリングローラ12の第2接触面11b、12bにより強く押し付けられる。このため、上述した第1〜第3の形態と同様の作用効果が得られる。
上述した第1〜第3の形態では、トルクカム20、30、40が変更手段として機能し、第4の形態でははすば歯車50、51の組が変更手段として機能する。但し、変更手段はトルク伝達に応じて機械的に推力を発生する構成に限らない。図6は、変更手段を図1の遊星ローラ装置1Aに対して変更した例を示す。図6の遊星ローラ装置1Eでは、ピニオンローラ13を軸線方向に駆動する電気式あるいは油圧式のアクチュエータ70と、トルクが増加するほど円錐部13bがサンローラ11及びリングローラ12の第2接触面11b、12bとより強く接触するようにアクチュエータ70の動作を制御する制御装置71とによって変更手段が構成されている。なお、制御装置71は例えば車両の運転状態からトルクの高低を推定してもよいし、センサ等を利用してトルクの高低を判別してもよい。アクチュエータとしては例えば圧電素子を利用することができる。
上述した各形態ではピニオンローラに軸線方向の推力を付加して円筒部によるトルク伝達と円錐部によるトルク伝達とを切り替えるようにしたが、サンローラ及びリングローラを駆動してトルク伝達を切り替えるようにしてもよい。本発明の遊星ローラ装置は、一例として車両の動力伝達系に組み込まれて使用されるが、その用途は限定されるものではなく、各種の装置、機構の動力伝達系に適用することができる。
本発明の第1の形態に係る遊星ローラ装置の軸線方向断面図。 トルクカムの要部を示す図。 本発明の第2の形態に係る遊星ローラ装置の軸線方向断面図。 本発明の第3の形態に係る遊星ローラ装置の軸線方向断面図。 本発明の第4の形態に係る遊星ローラ装置の軸線方向断面図。 図1の変形例を示す図。
符号の説明
1A、1B、1C、1D、1E 遊星ローラ装置
2 入力軸
3 出力軸
11 サンローラ
11a サンローラの第1接触面
11b サンローラの第2接触面
12 リングローラ
12a リングローラの第1接触面
12b リングローラの第2接触面
13 ピニオンローラ
13a 円筒部
13b 円錐部
14 ケース
18 キャリア
20、30、40 トルクカム(変更手段)
50、51 はすば歯車(変更手段)
70 アクチュエータ(変更手段)
71 制御装置(変更手段)

Claims (6)

  1. サンローラとリングローラとの間にピニオンローラが配置された遊星ローラ装置において、
    前記ピニオンローラの外周には、外径一定の円筒部と、前記円筒部から軸線方向に離れるに従って外径が漸次減少する円錐部とが設けられ、
    前記サンローラの外周及び前記リングローラの内周のそれぞれには、前記ピニオンローラの前記円筒部と接触する第1接触面と、前記ピニオンローラの前記円錐部と接触する第2接触面とが設けられるとともに、
    伝達すべきトルクが相対的に低いときは前記円筒部を介してトルクが伝達され、前記トルクが相対的に高いときは前記円錐部を介してトルクが伝達されるように、前記トルクに応じて前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとの接触状態を変更する変更手段を備えている、
    ことを特徴とする遊星ローラ装置。
  2. 前記変更手段は、前記トルクの増加に伴って、前記円錐部と前記第2接触面との間に作用する圧力を増加させることを特徴とする請求項1に記載の遊星ローラ装置。
  3. 前記変更手段は、前記トルクの増加に伴って前記円錐部と前記第2接触面との間に作用する圧力が増加するように、前記トルクに応じた軸線方向の押し付け力を前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとの間に作用させることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊星ローラ装置。
  4. 前記変更手段として、入力されるトルクに応じた軸線方向の推力を発生するトルクカム又ははすば歯車が、前記推力にて前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとが前記軸線方向に押し付けられるように設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊星ローラ装置。
  5. 前記変更手段として、前記ピニオンローラと前記サンローラ及び前記リングローラとの間に前記軸線方向の押し付け力を付加するアクチュエータと、前記トルクの増加に伴って、前記円錐部と前記第2接触面との間に作用する圧力が増加するように、前記アクチュエータの動作を制御する制御手段とが設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊星ローラ装置。
  6. 前記変更手段は、前記ピニオンローラを前記サンローラ及び前記リングローラに向かって押し付けることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の遊星ローラ装置。
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