JP2009051961A - シーリング材組成物の製造方法およびシーリング材組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐久性を有するシーリング材組成物およびその製造方法の提供。
【解決手段】主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、前記重合体(A)中に分散したポリマー微粒子(B)とを含有し、前記ポリマー微粒子(B)が、液状ジエン系ゴムが3次元架橋してなるポリマー微粒子である、シーリング材組成物を製造する方法であって、前記重合体(A)100質量部と、前記液状ジエン系ゴム1〜50質量部とを含有する混合液を、振動式ミキサーを用いて、振動数5〜30Hzで混合し、前記液状ジエン系ゴムを3次元架橋させて前記ポリマー微粒子(B)を合成して、前記シーリング材組成物を得る撹拌架橋工程を具備する、シーリング材組成物の製造方法、および、それによって得られるシーリング材組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、シーリング材組成物の製造方法およびそれによって得られるシーリング材組成物に関する。
シーリング材組成物として、変成シリコーン系、シリコーン系、ポリサルファイド系、ウレタン系、ポリイソブチレン系等が知られている。シーリング材組成物は、目地の動きが大きい箇所に施工する場合、繰り返し疲労に対する耐久性が必要とされる。
これまで、シーリング材組成物の耐久性を改善する方法として、例えば、(a)グリシジル基含有アクリル系重合体を配合する方法(特許文献1〜2参照。)、(b)粒子径0.08μmの脂肪酸処理軽質炭酸カルシウムとエポキシ化大豆油を配合する方法(特許文献3参照。)、(c)カルボキシ基のα位の炭素が第四級炭素であるカルボン酸スズ塩を触媒とする方法(特許文献4参照。)が提案されている。
特開2005−179564号公報 特開2005−290244号公報 特開平11−241013号公報 特開2004−224832号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の方法によっても十分満足のいく耐久性は得られていなかった。
そこで、本発明は、優れた耐久性を有するシーリング材組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)中で、液状ジエン系ゴムを3次元架橋させてポリマー微粒子(B)を合成する際に、振動式ミキサーを用いて特定範囲の振動数で混合することにより、平均粒子径が小さく、粒度分布が狭いポリマー粒子を得ることができ、このポリマー粒子を重合体(A)中に均一に分散できることを見出した。また、この方法で得られる組成物は、非常に耐久性に優れ、更に、高い流動性を有するため作業性に優れることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づき本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(8)を提供する。
(1)主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、前記重合体(A)中に分散したポリマー微粒子(B)とを含有し、前記ポリマー微粒子(B)が、液状ジエン系ゴムが3次元架橋してなるポリマー微粒子である、シーリング材組成物を製造する方法であって、
前記重合体(A)100質量部と、前記液状ジエン系ゴム1〜50質量部とを含有する混合液を、振動式ミキサーを用いて、振動数5〜30Hzで混合し、前記液状ジエン系ゴムを3次元架橋させて前記ポリマー微粒子(B)を合成して、前記シーリング材組成物を得る撹拌架橋工程を具備する、シーリング材組成物の製造方法。
(2)前記振動式ミキサーが、被混合流体を内部に流通する導管と、前記導管内にその軸方向にそって細動自在に支持され、軸とその周囲に径方向に突出形成された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、前記撹拌体の一端に結合され電気的な入力信号に従って前記撹拌体にその軸方向の細動運動を与える振動源とを含み、
前記導管内で前記撹拌体を所定モードで細動させ、前記撹拌羽根による流体の流れの分割合流の繰返しと、前記撹拌羽根の細動による流体の振動によって被混合流体の撹拌作用を促進する、振動式ミキサーである上記(1)に記載のシーリング材組成物の製造方法。
(3)前記液状ジエン系ゴムが、3次元架橋可能な官能基を有する液状ジエン系ゴムである上記(1)または(2)に記載のシーリング材組成物の製造方法。
(4)前記ポリマー微粒子(B)の平均粒子径が、40μm未満である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法。
(5)前記混合液が、更に、架橋剤および/または硬化剤を含有する上記(1)〜(
4)のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法。
(6)前記硬化剤がオキサゾリジン化合物であり、前記混合液が更に水を含有する上記(5)に記載のシーリング材組成物の製造方法。
(7)前記撹拌架橋工程の後に、充填剤、可塑剤、軟化剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤および溶剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を配合する添加剤配合工程を更に具備する上記(1)〜(6)のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法によって得られるシーリング材組成物。
本発明のシーリング材組成物の製造方法によれば、耐久性および作業性に優れるシーリング材組成物を得ることができる。
また、本発明のシーリング材組成物は、耐久性および作業性に優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のシーリング材組成物の製造方法(以下「本発明の製造方法」という。)は、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、上記重合体(A)中に分散したポリマー微粒子(B)とを含有し、上記ポリマー微粒子(B)が、液状ジエン系ゴムが3次元架橋してなるポリマー微粒子である、シーリング材組成物を製造する方法であって、上記重合体(A)100質量部と、上記液状ジエン系ゴム1〜50質量部とを含有する混合液を、振動式ミキサーを用いて、振動数5〜30Hzで混合し、上記液状ジエン系ゴムを3次元架橋させて前記ポリマー微粒子(B)を合成して、上記シーリング材組成物を得る撹拌架橋工程を具備する、シーリング材組成物の製造方法である。
はじめに、重合体(A)について説明する。
本発明に用いられる重合体(A)は、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体である。本発明においては、加水分解性ケイ素含有基は、重合体(A)の分子内の末端に存在していても、側鎖に存在していてもよく、また、両方に存在していてもよい。
重合体(A)に含まれるアルキレンオキシド単量体単位としては、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C25)O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH(C25)CH2O−、−CH2CH2CH2O−または−CH2CH2CH2CH2O−で表される繰り返し単位が挙げられる。
重合体(A)の主鎖は、これらの繰り返し単位の1種のみからなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
加水分解性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合したヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が好適に用いられる。
Figure 2009051961

中でも、取扱いが容易である点で、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
重合体(A)としては、2官能以上、即ち、分子内にアルコキシシリル基を2個以上有するアルコキシシラン類が好ましく、3〜20官能のアルコキシシラン類が原料の入手が容易なことからより好ましい。
重合体(A)の分子量は特に限定されないが、高分子のものは高粘度であり、ハンドリングしにくい場合があるため、数平均分子量50,000以下であるのが好ましい。
重合体(A)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合体(A)は、公知の方法によって製造することができる。
このような加水分解性ケイ素含有基を含有するポリオキシアルキレン系重合体としては、公知のものを用いることができる。
例えば、特公昭45−36319号、同46−12154号、同49−32673号、特開昭50−156599号、同51−73561号、同54−6096号、同55−82123号、同55−123620号、同55−125121号、同55−131022号、同55−135135号、同55−137129号および特開平3−72527号の各公報等に記載されているものを用いることができる。また、市販品としては、例えば、カネカ社製のMSP S203、S303、811およびS943、旭硝子社製のEXCESTAR ES−S2410、ES−S2420、ES−S3430およびES−S3630を用いることができる。
つぎに、ポリマー微粒子(B)について説明する。
本発明に用いられるポリマー微粒子(B)は、液状ジエン系ゴムが3次元架橋してなるポリマー微粒子であり、上述した重合体(A)中に分散している。
上記液状ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、液状イソプレンゴムが耐久性に優れる点から好ましい。
上記液状ジエン系ゴムは、3次元架橋可能な官能基を有する液状ジエン系ゴムであるのが好ましい。
3次元架橋可能な官能基としては、例えば、酸無水物を有する官能基、エポキシ基を含む官能基等が挙げられ、接着性および反応性がより優れたものとなる点から、酸無水物を有する官能基が好ましい。
酸無水物を有する官能基は、特に限定されず、例えば、無水マレイン酸を有する官能基が挙げられる。
酸無水物を有する官能基を有する液状ジエン系ゴムは、例えば、酸無水物を有する官能基を分子内に有しない液状ジエン系ゴムの主鎖に、酸無水物を有する官能基を有する化合物を反応させる方法により得ることができる。
液状ジエン系ゴムの重量平均分子量は、低粘度で分散性に優れる点から、1,000〜100,000が好ましく、10,000〜70,000がより好ましい。
上記ポリマー微粒子(B)は、上述した液状ジエン系ゴムが3次元架橋してなる。3次元架橋の態様は、特に限定されない。
例えば、1つの態様として、液状ジエン系ゴムが3次元架橋可能な官能基を有している場合に、この官能基の反応により3次元架橋している態様が挙げられる。具体的には、ジエン系ゴムの二重結合部分に、無水マレイン酸等の酸無水物を有する官能基が導入されている場合、この酸無水物の反応により、3次元架橋することができる。
この際、官能基の硬化剤、触媒等を用いてもよい。硬化剤および触媒としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、無水マレイン酸を有する官能基の場合、硬化剤として、オキサゾリジン化合物およびそれを加水分解するための水を用いることができる。この例では、水がオキサゾリジン化合物を加水分解させて、第二級アミンが生成し、この第二級アミンが無水マレイン酸を開環させて、三次元架橋が行われる。なお、水は、後述する炭酸カルシウム等の充填剤を未乾燥の状態で加えて供給することもできる。
上記オゾリジン化合物としては、公知のオキサゾリジン化合物を特に制限なく用いることができる。
また、別の態様として、液状ジエン系ゴムが架橋剤および/または硬化剤により3次元架橋している態様が挙げられる。架橋剤としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、有機過酸化物、硫黄系化合物が挙げられる。
上記撹拌架橋工程において、重合体(A)100質量部と、液状ジエン系ゴム1〜50質量部とを含有する混合液を、振動式ミキサーを用いて、振動数5〜30Hzで混合し、液状ジエン系ゴムを3次元架橋させてポリマー微粒子(B)を合成する。
上記混合液中の液状ジエン系ゴムの含有量は、重合体(A)100質量部に対して、1〜50質量部であり、5〜30質量部であるのが好ましく、10〜20質量部であるのがより好ましい。この範囲であると、重合体(A)中にポリマー微粒子(B)を分散することができ、耐久性および流動性に優れた組成物を得ることができる。
上記撹拌架橋工程において用いられる振動式ミキサーとしては、特公平2−15247号公報に記載された装置が挙げられる。この装置は、被混合流体を内部に流通する導管と、上記導管内にその軸方向にそって細動自在に支持され、軸とその周囲に径方向に突出形成された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、上記撹拌体の一端に結合され電気的な入力信号に従って上記撹拌体にその軸方向の細動運動を与える振動源とを含み、導管内で撹拌体を所定モードで細動させ、撹拌羽根による流体の流れの分割合流の繰返しと、撹拌羽根の細動による流体の振動によって被混合流体の撹拌作用を促進する。
また、本発明においては、上記の撹拌混合装置の他にも、特開2006−187756号公報、特開2006−102600号公報、特開2005−131578号公報、特開2005−58916号公報、特開2000−51675号公報、特開平11−226377号公報、特開平11−57441号公報、特開平10−328547号公報、特開平7−51557号公報、特開平2−293035に記載された撹拌混合装置を用いることができる。
上述した撹拌混合装置は、冷化工業社からバイブロミキサーという商品名で販売されている。
本発明の製造方法は、上記振動式ミキサーを用いて、振動数5〜30Hzで混合することにより、液状ジエン系ゴムを3次元架橋させて、平均粒子径が小さく、粒度分布の狭いポリマー微粒子を合成し、重合体(A)中に均一に分散させることができる。そのため、本発明の製造方法によって得られる組成物は、非常に耐久性に優れ、更に、高い流動性を有しているので作業性に優れる。撹拌架橋工程における振動式ミキサーの振動数は、耐久性と流動性のバランスにより優れる点から、15〜30Hzが好ましく、20〜30Hzがより好ましい。
一方、振動式ミキサーの振動数が5Hz未満であると、ポリマー微粒子(B)を十分に分散することができずゲル化してしまい、30Hzを超えると発熱が大きくなり過ぎてポリマー微粒子が十分に分散する前に一気に架橋反応が進むためゲル化してしまう。また、これらの条件では、ポリマー微粒子の平均粒子径が大きくなるので耐久性も十分でなくなる。
上記撹拌架橋工程では、重合体(A)が硬化しない条件下、即ち、湿気しゃ断条件下、または、触媒、硬化剤等の未添加の条件下で、重合体(A)中に液状ジエン系ゴムを分散させて、撹拌中に重合体(A)を硬化させずに、液状ジエン系ゴムの架橋反応により、3次元架橋を行わせる。
架橋反応の進行に従って、撹拌によりポリマー微粒子(B)が重合体(A)中で均一に分散した状態となる。この際、重合体(A)は、反応に関与しない。
本発明においては、液状ジエン系ゴムの架橋反応速度、撹拌時の振動数および温度、重合体(A)と液状ジエン系ゴムとの相分離エネルギー等を考慮すると、ポリマー微粒子(B)の大きさを調整することができ、ポリマー微粒子(B)を重合体中に均一に分散させることができる。
なお、上記撹拌架橋工程において、重合体(A)中に液状ジエン系ゴムを分散させて、3次元架橋させる際に、後述する各種の添加剤、例えば、炭酸カルシウム等の充填剤、プロセスオイル等を添加することができる。プロセスオイルは、重合体(A)との相溶性が低く、かつ、液状ジエン系ゴムとの相溶性が高いため、液状ジエン系ゴムの3次元架橋を安定的に行わせつつ、ポリマー微粒子(B)の中に取り込まれる。
本発明においては、ポリマー微粒子(B)が、加水分解性ケイ素含有基を有するのが好ましい態様の1つである。ポリマー微粒子(B)が加水分解性ケイ素含有基を有すると、重合体(A)の加水分解性ケイ素含有基が加水分解して硬化する際に、ポリマー微粒子(B)の加水分解性ケイ素含有基も同時に加水分解して反応するため、重合体(A)とポリマー微粒子(B)との間の結合が形成され、硬化後の物性がより優れたものになる。
ポリマー微粒子(B)が加水分解性ケイ素含有基を有するようにする方法は、特に限定されないが、その全部または一部が、シランカップリング剤との反応により導入されるのが好ましい。例えば、液状ジエン系ゴムが官能基を有する場合には、この官能基と反応しうる官能基と加水分解性ケイ素含有基とを有するシランカップリング剤を直接に反応させる方法が挙げられる。また、これらのシランカップリング剤を、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート等を介して間接的に液状ジエン系ゴムに導入する方法も挙げられる。
シランカップリング剤は、特に限定されないが、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアネートシラン、ケチミンシランもしくはこれらの混合物もしくは反応物、または、これらとエポキシ樹脂またはポリイソシアネートとの反応により得られる化合物であるのが好ましい。
アミノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシランが挙げられる。
ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシエトキシ)ビニルシランが挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
イソシアネートシランとしては、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の量は、上記重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であるのが好ましい。
これらの方法においては、ポリマー微粒子(B)の生成後(即ち、液状ジエン系ゴムの3次元架橋後)にシランカップリング剤と反応させることもでき、ポリマー微粒子(B)の生成中(即ち、液状ジエン系ゴムの3次元架橋の反応進行中)にシランカップリング剤と反応させることもできる。
ポリマー微粒子(B)は、重合体(A)中に均一に分散する点、耐久性、接着性および硬化後の伸びが優れたものになる点等から、平均粒子径が40μm未満であるのが好ましく、1〜20μmであるのがより好ましく、5〜10μmであるのが更に好ましい。
なお、本明細書において、平均粒子径は、電子顕微鏡により測定した長さ平均径を意味する。
上記撹拌架橋工程において、上記混合液が相溶化剤を含有するのが好ましい態様の1つである。相溶化剤を含有すると、ポリマー微粒子の生成、分散が容易になる。相溶化剤は、撹拌架橋工程の後に添加してもよい。
相溶化剤は、一般的には、例えば、ポリマーAとポリマーBとが非相溶な混合系となる場合に、ポリマーAのモノマーとポリマーBのモノマーとの共重合体が、界面活性剤のような役割を果たし、ポリマーAとポリマーBとの界面において、界面張力を低下させたり、界面層の制御や分散層の反発作用等の機能を発揮する。即ち、相溶化剤は、微細分散化、界面での両者の接着性向上等の重要な機能を担う。
相溶化剤としては、例えば、ブレンド成分と同じもの;ブレンド成分と相溶性のある他成分が一部同じもの;ポリマーAおよびポリマーBとは別のモノマーを含む共重合体であって、それぞれの溶解性パラメータの値が同じか、または近いかであるもの;ポリマーAまたはポリマーBと反応して、他のポリマーと相溶性を示す別のモノマーの共重合体;ポリマーAとポリマーBとのブレンド過程で反応により、グラフトおよび/またはブロック共重合体が一部形成されて相溶化剤として作用するものが挙げられる。
本発明における相溶化剤は、異なる化学的特性の二つ以上の物質を、同一の分子中に有するものであり、その機能により、界面活性剤、混和剤、乳化剤、可溶化剤、分散剤等と呼ばれる。
本発明に用いられる相溶化剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤が好適に挙げられる。
相溶化剤は、ポリマー微粒子(B)の生成後(即ち、液状ジエン系ゴムの3次元架橋後)に添加してもよく、ポリマー微粒子(B)の生成中(即ち、液状ジエン系ゴムの3次元架橋の反応進行中)に添加してもよく、ポリマー微粒子(B)の生成前に添加してもよく、種々の条件に応じて、適宜方法を選択するのが好ましい。
相溶化剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合の割合は、本発明の組成物が用いられる用途、本発明の組成物に要求される物性等に応じて、適宜決定することができる。
相溶化剤の含有量は、上述した重合体(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部である。
撹拌架橋工程によって得られた組成物は、そのままシーリング材組成物として用いることもできるが、この組成物に、更に、スズ触媒および/またはチタン触媒を配合することが好ましい。
スズ触媒および/またはチタン触媒は、従来公知のものを用いることができる。
スズ触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナートが挙げられる。
チタン触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スズ触媒および/またはチタン触媒の含有量は、重合体(A)100質量部に対し、0.01〜5.0質量部であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の硬化剤を配合することができる。
例えば、アミン系硬化剤、酸または酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、イミダゾール類、ポリメルカプタン系硬化剤、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系硬化剤、潜在性硬化剤、紫外線硬化剤が挙げられる。
本発明の製造方法においては、撹拌架橋工程後に、更に、充填剤、可塑剤、軟化剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤等の添加剤を配合する添加剤配合工程を具備することが好ましい態様の1つである。
これらの添加剤は、撹拌架橋工程中または撹拌架橋工程の前に配合することもできる。
充填剤としては、各種形状のものを使用することができる。例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
可塑剤または軟化剤としては、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジペンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等の石油系軟化剤が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤としては、例えば、乾式シリカ、ホワイトカーボン、水素添加ひまし油、炭酸カルシウム、テフロン(登録商標)が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
接着性付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
上述した本発明の製造方法によって得られるシーリング材組成物は、重合体(A)中にポリマー微粒子(B)が均一かつ微細に分散しているので、耐久性および流動性に優れる。
本発明のシーリング材組成物は、一成分形としてもよく、二成分形としてもよい。二成分形の場合、硬化剤以外を主剤とし、使用前に、主剤と硬化剤とを常法に従って混合して用いる。
本発明のシーリング材組成物は、湿気にさらすと、加水分解性ケイ素含有基の加水分解により、硬化反応が進行する。また、適宜水分を供給して、硬化反応を進行させることもできる。
本発明のシーリング材組成物は、被着体にプライマーを塗布してから用いてもよい。プライマーとしては、従来公知のものを用いることができる。
本発明のシーリング材組成物は、土木建築用、コンクリート用、木材用、金属用、ガラス用、プラスチック用等のシーリング材に好適に用いられる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<オキサゾリジン化合物(PHO−XDI)の合成>
オキサゾリジン化合物は、一般に、例えば、アルカノールアミンとケトンまたはアルデヒドとを脱水縮合させて得ることができる。本実施例においては、以下のようにしてオキサゾリジン化合物(PHO−XDI)の合成を行った。
ジエタノールアミン30.0gとベンズアルデヒド31.8gとトルエン33.0gとをフラスコに入れ、110℃で6時間、脱水反応させた。その後、90℃で、減圧することにより、トルエンと未反応物とを除去して、ヒドロキシアルキルオキサゾリジンである、2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン54.0gを得た。得られた2−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)オキサゾリジン31.8gと、キシリレンジイソシアネート15.6gとを混合し、60℃で3時間反応させ、オキサゾリジン化合物(PHO−XDI)を得た。
(実施例1)
バイブロミキサー(VM−35、冷化工業社製)の3つの流入口からミキサー内部に、それぞれ、重合体(A)(MSP−S810、カネカ社製)100質量部と、蒸留水0.2質量部との混合物(以下「MSP−MB」という。)を流速300mL/min、無水マレイン酸変性液状イソプレンゴム(LIR403、クラレ社製)15質量部と、上記オキサゾリジン化合物(PHO−XDI)0.5質量部と、プロセスオイル(PS−32、出光興産社製)5質量部との混合物(以下「LIR−MB」という。)を流速80mL/min、可塑剤(DINP、ジェイ・プラス社製)5質量部と、シランカップリング剤(A1110、GM東芝シリコーン社製)0.5質量部との混合物(以下「DINP−MB」という。)を流速20mL/minで供給し、振動数5Hzの設定で、20℃で10秒間混合して、液状イソプレンゴムを3次元架橋させてポリマー微粒子(B)を合成し、重合体(A)と、重合体(A)中に分散したポリマー微粒子(B)とを含有する組成物を得た。
得られた組成物について、混合直後の温度を測定した。
また、得られた組成物の混合直後の流動性を評価した。流動性があったものを「○」、ゲル化していたものを「×」とした。結果を下記第1表に示す。
上記で得られた組成物に、更に、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)50質量部、炭酸カルシウム(白艶華CC、白石カルシウム社製)120質量部、たれ防止剤(ディスパロン308、楠本化成社製)5質量部、可塑剤(DINP、ジェイ・プラス社製)60質量部、エポキシ系可塑剤(EPS、新日本理化社製)20質量部、エポキシ樹脂(YD−128、東都化成社製)5質量部、樹脂バルーン(MFL−100L、松本油脂社製)10質量部を加えて、ペイントミル(村上製作所社製、以下同じ。)にて混合した後に、オクチル酸スズ(ニッカオクチックス錫、日本化学産業社製)2.8質量部およびラウリルアミン(ファーミン20D、花王社製)0.6質量部を添加して混合して、実施例1のシーリング材組成物を得た。
得られたシーリング材組成物を23℃、55%RHで7日間、更に、50℃で7日間養生して得た硬化物を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、ポリマー微粒子の平均粒子径および粒度分布(最小〜最大)を求めた。更に、後述する方法により耐久性を評価した。結果を下記第1表に示す。
(実施例2〜3および比較例1〜2)
バイブロミキサーの振動数を下記第1表に示す各振動数に変更した以外は、実施例1と同様に組成物を調製し、評価を行った。
(比較例3)
MSP−MB100.2質量部と、LIR−MB20.5質量部とをダルトンミキサー(三英製作所社製、以下同じ。)にて100rpmで30分混合した後、DINP−MB5.5質量部加えて、ダルトンミキサーにて100rpmで20分混合し、組成物を得た。得られた組成物について、実施例1と同様に、混合直後の温度の測定および流動性の評価を行った。
上記で得られた組成物に、実施例1と同様に、更に、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)50質量部、炭酸カルシウム(白艶華CC、白石カルシウム社製)120質量部、たれ防止剤(ディスパロン308、楠本化成社製)5質量部、可塑剤(DINP、ジェイ・プラス社製)60質量部、エポキシ系可塑剤(EPS、新日本理化社製)20質量部、エポキシ樹脂(YD−128、東都化成社製)5質量部、樹脂バルーン(MFL−100L、松本油脂社製)10質量部を加えて、ペイントミルにて混合した後に、オクチル酸スズ(ニッカオクチックス錫、日本化学産業社製)2.8質量部およびラウリルアミン(ファーミン20D、花王社製)0.6質量部を添加して混合し、比較例3のシーリング材組成物を得た。
得られたシーリング材組成物を23℃、55%RHで7日間、更に、50℃で7日間養生して得た硬化物を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、ポリマー微粒子の平均粒子径および粒度分布(最小〜最大)を求めた。更に、後述する方法により耐久性を評価した。結果を下記第1表に示す。
(比較例4)
MSP−MB100.2質量部と、LIR−MB20.5質量部とをホモミクサー(TKホモミクサー MARK II、プライミクス社製、以下同じ。)にて3000rpmで20分混合した後、DINP−MB5.5質量部加えて、ホモミクサーにて3000rpmで20分混合し、組成物を得た。得られた組成物について、実施例1と同様に、混合直後の温度の測定および流動性の評価を行った。
上記で得られた組成物に、実施例1と同様に、更に、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)50質量部、炭酸カルシウム(白艶華CC、白石カルシウム社製)120質量部、たれ防止剤(ディスパロン308、楠本化成社製)5質量部、可塑剤(DINP、ジェイ・プラス社製)60質量部、エポキシ系可塑剤(EPS、新日本理化社製)20質量部、エポキシ樹脂(YD−128、東都化成社製)5質量部、樹脂バルーン(MFL−100L、松本油脂社製)10質量部を加えて、ペイントミルにて混合した後に、オクチル酸スズ(ニッカオクチックス錫、日本化学産業社製)2.8質量部およびラウリルアミン(ファーミン20D、花王社製)0.6質量部を添加して混合し、比較例4のシーリング材組成物を得た。
得られたシーリング材組成物を23℃、55%RHで7日間、更に、50℃で7日間養生して得た硬化物を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、ポリマー微粒子の平均粒子径および粒度分布(最小〜最大)を求めた。更に、後述する方法により耐久性を評価した。結果を下記第1表に示す。
(比較例5)
MSP−MB100.2質量部と、LIR−MB20.5質量部とをプラネタリーミキサー(銭田鉄工社製、以下同じ。)にて600rpmで30分混合した後、DINP−MB5.5質量部加えて、プラネタリーミキサーにて600rpmで20分混合し、組成物を得た。得られた組成物について、実施例1と同様に、混合直後の温度の測定および流動性の評価を行った。
上記で得られた組成物に、実施例1と同様に、更に、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)50質量部、炭酸カルシウム(白艶華CC、白石カルシウム社製)120質量部、たれ防止剤(ディスパロン308、楠本化成社製)5質量部、可塑剤(DINP、ジェイ・プラス社製)60質量部、エポキシ系可塑剤(EPS、新日本理化社製)20質量部、エポキシ樹脂(YD−128、東都化成社製)5質量部、樹脂バルーン(MFL−100L、松本油脂社製)10質量部を加えて、ペイントミルにて混合した後に、オクチル酸スズ(ニッカオクチックス錫、日本化学産業社製)2.8質量部およびラウリルアミン(ファーミン20D、花王社製)0.6質量部を添加して混合し、比較例5のシーリング材組成物を得た。
得られたシーリング材組成物を23℃、55%RHで7日間、更に、50℃で7日間養生して得た硬化物を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、ポリマー微粒子の平均粒子径および粒度分布(最小〜最大)を求めた。更に、後述する方法により耐久性を評価した。結果を下記第1表に示す。
<耐久性試験>
JIS A1439−2004の耐久性試験(耐久性の区分9030)に準じて、各組成物の耐久性を評価した。
試験後の試料(シーリング材)に傷または剥離がない場合を「○」、シーリング材に1mm以下の傷がある場合を「△」、シーリング材に1mm以上の傷がある場合を「×」とする。
結果を下記第1表に示す。
Figure 2009051961
Figure 2009051961

上記第1表に示す結果から明らかなように、撹拌架橋工程において、バイブロミキサー以外の撹拌装置を用いた場合(比較例3〜5)は、ゲル化してしまい、耐久性も十分ではなかった。また、ポリマー微粒子の平均粒子径が比較的大きく、粒度分布も広かった。
また、バイブロミキサーを用いた場合でも振動数が5Hz未満である場合(比較例1)は、ポリマー微粒子を分散することができずゲル化してしまい、耐久性も十分ではなかった。また、ポリマー微粒子の平均粒子径が比較的大きく、粒度分布も広かった。逆に、振動数が30Hz超である場合(比較例2)は、分散による発熱が高すぎるため、十分に分散する前に架橋反応が一気に進行してゲル化してしまった。また、耐久性も十分ではなく、ポリマー微粒子の平均粒子径が比較的大きく、粒度分布も広かった。
一方、実施例1〜3は、ゲル化を生じず、耐久性に優れていた。更に、ポリマー微粒子の平均粒子径が比較例1〜5に比べて格段に小さく、粒度分布も狭かった。

Claims (8)

  1. 主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性ケイ素含有基を1分子あたり少なくとも1個有する重合体(A)と、前記重合体(A)中に分散したポリマー微粒子(B)とを含有し、前記ポリマー微粒子(B)が、液状ジエン系ゴムが3次元架橋してなるポリマー微粒子である、シーリング材組成物を製造する方法であって、
    前記重合体(A)100質量部と、前記液状ジエン系ゴム1〜50質量部とを含有する混合液を、振動式ミキサーを用いて、振動数5〜30Hzで混合し、前記液状ジエン系ゴムを3次元架橋させて前記ポリマー微粒子(B)を合成して、前記シーリング材組成物を得る撹拌架橋工程を具備する、シーリング材組成物の製造方法。
  2. 前記振動式ミキサーが、被混合流体を内部に流通する導管と、前記導管内にその軸方向にそって細動自在に支持され、軸とその周囲に径方向に突出形成された複数の撹拌羽根を有する撹拌体と、前記撹拌体の一端に結合され電気的な入力信号に従って前記撹拌体にその軸方向の細動運動を与える振動源とを含み、
    前記導管内で前記撹拌体を所定モードで細動させ、前記撹拌羽根による流体の流れの分割合流の繰返しと、前記撹拌羽根の細動による流体の振動によって被混合流体の撹拌作用を促進する、振動式ミキサーである請求項1に記載のシーリング材組成物の製造方法。
  3. 前記液状ジエン系ゴムが、3次元架橋可能な官能基を有する液状ジエン系ゴムである請求項1または2に記載のシーリング材組成物の製造方法。
  4. 前記ポリマー微粒子(B)の平均粒子径が、40μm未満である請求項1〜3のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法。
  5. 前記混合液が、更に、架橋剤および/または硬化剤を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法。
  6. 前記硬化剤がオキサゾリジン化合物であり、前記混合液が更に水を含有する請求項5に記載のシーリング材組成物の製造方法。
  7. 前記撹拌架橋工程の後に、充填剤、可塑剤、軟化剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤および溶剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を配合する添加剤配合工程を更に具備する請求項1〜6のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のシーリング材組成物の製造方法によって得られるシーリング材組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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