JP2009051433A - 車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置 - Google Patents

車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】テアラインの形状を工夫することにより、扉部を固定部側に回転させ易くして、テアラインやヒンジ部等の設計に要する労力を軽減することができるとともに、エアバッグを円滑に車内に開放することができるようにした車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】本発明の車両用内装パネル4は、エアバッグ展開時に開口部1aを開放する扉部4dと、インストルメントパネル1に接続される固定部4sと、扉部4dの開放形状に沿って形成されたテアラインT(Tr,Tc,Ts)と、を有し、扉部4dの開放時に回転軸となる部分に沿って形成された回転部テアラインTrは、扉部4dが固定部4sと分離された後、扉部4dと固定部4sとが接触するようにラップ部Rが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両に使用される車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置に関し、特に、エアバッグを円滑に車内に開放するためのテアラインの形状に特徴を有する車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置に関する。
自動車等の車両には、衝突時等にエアバッグを車内で膨張展開させて乗員を拘束するエアバッグ装置が搭載されているのが一般的である。かかるエアバッグ装置には、ステアリングに内装された運転席用エアバッグ装置、インストルメントパネルに内装された助手席用エアバッグ装置、車両側面部又はシートに内装されたサイドエアバッグ装置、ドア上部に内装されたカーテンエアバッグ装置等、種々のタイプが開発・採用されている。これらのエアバッグ装置は、通常時はその存在を意識できないように車両構造物内に格納されており、衝突時等の緊急時には車両構造物を突き破ってエアバッグを膨張展開させるようになっている。したがって、エアバッグ装置のエアバッグ開放部は、通常時は車内内装品と同化するようにカバーしておかなければならない一方で、緊急時にはエアバッグを円滑かつ迅速に開放できるようにしておかなければならない。
例えば、助手席用エアバッグ装置の場合には、エアバッグ装置は、助手席の前面に配置されているインストルメントパネルに内装されており、エアバッグは、インストルメントパネルを突き破って膨張展開される。このとき、インストルメントパネルは、エアバッグを開放し易くするために、裏側に所定の溝が切られている。この溝により形成される破断線は、一般にテアラインと呼ばれている。また、前記テアラインは、例えば、特許文献1,2に記載されたように、断面が略V字形状に形成されることが多い。
特開2005−271652号公報 特開2007−131036号公報
ところで、前記テアラインにより分離された部分(以下、「扉部」と称する。)は、エアバッグを円滑に車内に開放させるために、インストルメントパネルの固定された部分(以下、「固定部」と称する。)の側に回転させるようにする必要がある。そのため、インストルメントパネルの裏側に、前記扉部に接続されるフラップ部と、前記固定部に接続される支持部と、前記フラップ部と前記支持部との間に形成されたヒンジ部と、を有するインナーパネルを接続することが一般的である。かかるインナーパネルは、エアバッグを収容するリテーナを係止するインナーケースと一体に形成されることが多い。
したがって、前記テアラインは、前記扉部を前記固定部から分離できるように形成されていればよく、前記扉部を回転させる機能は専ら前記ヒンジ部が担うこととなる。すなわち、前記扉部は前記固定部から分離されると、エアバッグにより押されてエアバッグの開放方向に移動しようとするため、その移動を前記ヒンジ部で規制する必要がある。その結果、前記扉部を前記固定部側に回転させるために、前記ヒンジ部の形状を種々工夫しなければならず、試験を繰り返しながら試行錯誤して前記ヒンジ部の形状を設計しているのが現状であり、かかる設計に多大な労力を要している。
また、前記テアラインの溝の深さを場所によって変更することによって、前記扉部の分離するタイミングをずらして前記扉部を回転させるようにすることもできる。この場合、前記ヒンジ部に対応した部分に形成されたテアラインの溝の深さを浅くして、分離しにくくするのが一般的である。しかしながら、扉部を分離しにくくするということは、それだけ扉部の分離に力を要することを意味し、エアバッグを開放しにくくしている。また、扉部の分離に力を要するということは、エアバッグの内圧が高くなることを意味し、エアバッグ装置の他の構成部品に与える影響も少なくない。また、上述したテアラインの設計に際しても、試験を繰り返しながら試行錯誤しているのが現状であり、かかる設計に多大な労力を要している。
本発明は、上述の課題に鑑み創案された発明であり、テアラインの形状を工夫することにより、扉部を固定部側に回転させ易くして、テアラインやヒンジ部等の設計に要する労力を軽減することができるとともに、エアバッグを円滑に車内に開放することができるようにした車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、車両構造物に形成されたエアバッグ開放用の開口部を覆う車両用内装パネルであって、該車両用内装パネルは、エアバッグ展開時に前記開口部を開放する扉部と、前記車両構造物に接続される固定部と、前記扉部の開放形状に沿って形成されたテアラインと、を有し、前記扉部の開放時に回転軸となる部分に沿って形成された回転部テアラインは、前記扉部が前記固定部と分離された後、前記扉部と前記固定部とが接触するようにラップ部が形成されている、ことを特徴とする車両用内装パネルが提供される。
前記ラップ部は、前記回転部テアラインの一部に形成されていてもよい。また、前記ラップ部は、前記回転部テアラインを形成する溝の断面形状を前記扉部の開放時における回転方向と反対側に所定角度だけ傾斜させることによって形成されていることが好ましい。例えば、前記所定角度は、前記車両用内装パネルの垂線に対して5°以上45°以下の範囲に設定される。また、前記ラップ部は、前記車両用内装パネルの成型後の加工により形成するようにしてもよい。
また、本発明によれば、車両構造物に形成されたエアバッグ開放用の開口部を覆う車両用内装パネルと、該車両用内装パネルの内側に接続されるインナーパネルと、を有するエアバッグ開放部構造であって、前記車両用内装パネルは、エアバッグ展開時に前記開口部を開放する扉部と、前記車両構造物に接続される固定部と、前記扉部の開放形状に沿って形成されたテアラインと、を有し、前記扉部の開放時に回転軸となる部分に沿って形成された回転部テアラインは、前記扉部が前記固定部と分離された後、前記扉部と前記固定部とが接触するようにラップ部が形成されており、前記インナーパネルは、前記扉部に接続されるフラップ部と、前記固定部に接続される支持部と、前記フラップ部と前記支持部との間に形成されたヒンジ部と、を有する、ことを特徴とするエアバッグ開放部構造が提供される。
前記ラップ部は、前記回転部テアラインの一部に形成されていてもよい。また、前記ラップ部は、前記回転部テアラインを形成する溝の断面形状を前記扉部の開放時における回転方向と反対側に所定角度だけ傾斜させることによって形成されていることが好ましい。例えば、前記所定角度は、前記車両用内装パネルの垂線に対して5°以上45°以下の範囲に設定される。また、前記ラップ部は、前記車両用内装パネルの成型後の加工により形成するようにしてもよい。
また、本発明によれば、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグを収容するリテーナと、車両構造物に形成されたエアバッグ開放用の開口部を覆う車両用内装パネルと、該車両用内装パネルの内側に接続されるとともにリテーナを係止するインナーケースと、を有するエアバッグ装置であって、前記車両用内装パネルは、エアバッグ展開時に前記開口部を開放する扉部と、前記車両構造物に接続される固定部と、前記扉部の開放形状に沿って形成されたテアラインと、を有し、前記扉部の開放時に回転軸となる部分に沿って形成された回転部テアラインは、前記扉部が前記固定部と分離された後、前記扉部と前記固定部とが接触するようにラップ部が形成されており、前記インナーケースは、前記扉部に接続されるフラップ部と、前記固定部に接続される支持部と、前記フラップ部と前記支持部との間に形成されたヒンジ部と、を備えたインナーパネルを有する、ことを特徴とするエアバッグ装置が提供される。
前記ラップ部は、前記回転部テアラインの一部に形成されていてもよい。また、前記ラップ部は、前記回転部テアラインを形成する溝の断面形状を前記扉部の開放時における回転方向と反対側に所定角度だけ傾斜させることによって形成されていることが好ましい。例えば、前記所定角度は、前記車両用内装パネルの垂線に対して5°以上45°以下の範囲に設定される。また、前記ラップ部は、前記車両用内装パネルの成型後の加工により形成するようにしてもよい。
上述した本発明の車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置によれば、回転部テアラインにラップ部を形成したことにより、扉部と固定部がテアラインで分離した後、扉部がエアバッグの開放方向に移動した時に、扉部の端部が固定部の端部と接触し、扉部を固定部側に回転させるようにすることができ、エアバッグを円滑に車内に開放することができる。また、ヒンジ部やテアラインの深さに関する設計条件を緩和することができ、設計に要する労力を軽減することができる。さらに、回転部テアラインの深さを浅くする必要がないため、円滑に扉部を分離することができ、エアバッグを円滑に開放することができるだけでなく、エアバッグ開放時におけるエアバッグの内圧の上昇を抑制することもできる。
前記ラップ部を回転部テアラインの一部に形成することにより、ラップ部の形成箇所を少なくすることができ、加工に要する労力を軽減することができる。また、前記ラップ部を回転部テアラインの溝を傾斜させて形成することにより、容易にラップ部を形成することができる。さらに、傾斜させる角度を5°以上45°以下の範囲に設定することにより、扉部の端部と固定部の端部とを接触し易くすることができ、加工に要する労力も軽減することができる。また、前記ラップ部を車両用内装パネルの成型後の加工により形成することにより、車両用内装パネルの成型とラップ部の加工とを別個に行うことができ、ラップ部の加工が車両用内装パネルの成型に与える影響を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。ここで、図1は、助手席用エアバッグ装置を示す側面断面図である。また、図2は、車両用内装パネルのテアラインが形成された部分の背面図である。
図1に示す助手席用エアバッグ装置は、助手席の前面に配置されているインストルメントパネル1の車体側に内装されている。また、かかる助手席用エアバッグ装置は、通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグ(図示せず)と、エアバッグにガスを供給するインフレータ2と、エアバッグを収容するリテーナ3と、インストルメントパネル1に形成されたエアバッグ開放用の開口部1aを覆う車両用内装パネル4と、車両用内装パネル4の内側に接続されるとともにリテーナ3を係止するインナーケース5と、を有している。また、リテーナ3は、接合部材6を介して固定部材7に連結され固定されている。なお、インフレータ2は、リテーナ3に収容せずに、リテーナ3に外付けするようにしてもよい。
前記インストルメントパネル1には、エアバッグ開放用の開口部1aが略矩形に形成されており、エアバッグを開放できるようになっている。開口部1aには、車両用内装パネル4が複数のクリップ4aで装着されており、その表面はインストルメントパネル1と同化するように加工されている。なお、ここでは車両用内装パネル4とインストルメントパネル1とが別部材の場合について説明しているが、車両用内装パネル4とインストルメントパネル1とが一体に形成されていてもよい。この場合、エアバッグ開放用の開口部は、後述する車両用内装パネル4の扉部4dの開放形状によって形成される。
本発明の車両用内装パネル4は、エアバッグ展開時に開口部1aを開放する扉部4dと、インストルメントパネル1に接続される固定部4sと、扉部4dの開放形状に沿って形成されたテアラインT(Tr,Tc,Ts)と、を有し、扉部4dの開放時に回転軸となる部分に沿って形成された回転部テアラインTrは、扉部4dが固定部4sと分離された後、扉部4dと固定部4sとが接触するようにラップ部Rが形成されている。
図2に示すように、前記テアラインTは、例えば、日字形状に形成される。かかるテアラインTは、扉部4dを観音開きさせる形式のものであるため、一対の回転部テアラインTr,Trと、回転部テアラインTr,Trの中間部に略平行に形成された中央部テアラインTcと、これらのテアラインTr,Tcと略垂直に形成された一対の側部テアラインTs,Tsと、により構成されている。なお、テアラインTの形状は図示したものに限られるものではなく、口字形状、H字形状、コ字形状等であってもよい。なお、図2において、各テアラインTの溝の最深部を一点鎖線で図示している。
前記インナーケース5は、車両用内装パネル4の内側に接続されるインナーパネル51と、リテーナ3を収容する空間を形成する側壁52と、から構成されている。ここで、車両用内装パネル4とインナーパネル51の接続には、振動溶着、超音波溶着、ボルト留め、リベット留め、接着剤留め、熱かしめ等、種々の接合方法を適用することができる。また、側壁52には複数の係止孔52aが形成されており、リテーナ3に接続されたフック3aが係止されるようになっている。また、インナーパネル51は、略中央部で部分的に2つに分割されており、各インナーパネル51は、車両用内装パネルの固定部4sに接続される支持部51sと、扉部4dに接続されるフラップ部51fと、支持部51sとフラップ部51fとの間に形成されたヒンジ部51hと、から構成されている。ヒンジ部51hは、エアバッグ開放方向と反対方向の側に凸な形状となるように略U字形状をなしている。また、ヒンジ部51hは、扉部4dの開放時に回転軸となる部分を構成する。なお、エアバッグ開放部構造は、車両用内装パネル4とインナーパネル51とにより構成される。
ここで、ラップ部Rの詳細について説明する。図3は、ラップ部Rの拡大図であり、(A)はエアバッグ開放前、(B)はエアバッグ開放中、(C)はエアバッグ開放後の状態を示している。図3に示すように、ラップ部Rは、扉部4dの開放時に回転軸となる部分(ヒンジ部51h)に沿って形成された回転部テアラインTrの溝の切り方によって形成される。
具体的には、ラップ部Rは、回転部テアラインTrを形成する溝の断面形状を扉部4dの開放時における回転方向と反対側に所定角度αだけ傾斜させることによって形成される。ここで、回転部テアラインTrを形成する溝の断面形状は、例えば、略V字状であるものとする。このとき、車両用内装パネル4の垂線をL1とし、回転部テアラインTrの突端を通る中心線をL2とし、垂線L1と中心線L2のなす角度により所定角度αが定義される。この所定角度αは、固定部4sから分離された扉部4dが固定部4sの端部と接触し易くすることを考慮すれば5°以上であることが好ましく、回転部テアラインTrの加工のし易さを考慮すれば45°以下であることが好ましい。なお、回転部テアラインTrを形成する溝の断面形状は、略コ字状、略U字状、台形状等であってもよいことは勿論である。
上述したラップ部Rが形成された回転部テアラインTrは、例えば、車両用内装パネル4の成型後の機械加工により形成される。加工方法には、レーザーカット、超音波カット、エンドミル・リューターカット、熱刃カット等種々の方法を採用することができる。なお、他のテアラインTc,Tsは、車両用内装パネル4と一緒に射出成型により形成されることが多い。もちろん、金型形状を工夫することによって、回転部テアラインTrも射出成型により形成するようにしてもよい。さらに、車両用内装パネル4の成型時に、回転部テアラインTrを形成する部分に凹部を形成しておき、この凹部に回転部テアラインTrを機械加工するようにしてもよい。
そして、エアバッグを開放する場合には、最初にインナーケース5内でエアバッグが膨張し、図3(A)に矢印で示すように、扉部4dには垂線L1と略同じ方向に押圧力が作用する。かかる押圧力が一定以上の大きさになると、ラップ部Rは回転部テアラインTrの溝の最深部(板厚tの部分)で亀裂を生じ、扉部4dは固定部4sから分離される。また、略同時に中央部テアラインTc及び側部テアラインTsにおいても亀裂が生じ、扉部4dが固定部4sから分離される。分離された扉部4dは、押圧力が作用していた方向(垂線L1の方向)に移動しようとするが、図3(B)に示すように、ラップ部Rを構成していた扉部4dの端部と固定部4sの端部とが接触し、垂線L1方向への移動が規制される。したがって、扉部4dの回転部テアラインTr側と中央部テアラインTc側に作用する力の大きさに差が生じ、扉部4dに回転力が生ずることとなる。最終的に、図3(C)に示すように、扉部4dは、インナーパネル51を介して固定部4sに接続されたまま固定部4s側に開放される。なお、図1に示す実施形態においては、各扉部4dは回転部テアラインTrを挟んで隣接された各固定部4s側に開放されるため、いわゆる観音開きされることとなる。
このようにラップ部Rを形成することにより、扉部4dに回転力を与えることができる。したがって、ヒンジ部51hの形状に特別な工夫を施さなくても、扉部4dを円滑に固定部4s側に回転させることができ、ヒンジ部51hの設計条件を緩和することができる。また、ラップ部Rにより扉部4dに回転力を与えることができるため、回転部テアラインTrと他のテアラインTc,Tsとの溝の深さに従来のような大きな差を設ける必要がなく、回転部テアラインTrの板厚tを薄くすることができる。したがって、テアラインTの設計条件を緩和することができ、例えば、各テアラインTr,Tc,Tsの板厚tを均等に設計したり、回転部テアラインTrと他のテアラインTc,Tsとの溝の深さに差を設けつつ従来よりも回転部テアラインTrの板厚tを薄くしたりすることができる。さらに、回転部テアラインTrの板厚tを他のテアラインTc,Tsと同等の厚さまで薄くすることができるため、扉部4dを分離し易くすることができ、エアバッグに生じる内圧も低減することができる。また、ヒンジ部51hの設計条件を緩和することができること及びエアバッグの内圧を低減できることから、ヒンジ部51hを小型化することができ、エアバッグの膨張展開中にヒンジ部51hが邪魔になりにくく、しかも変形しにくくすることができる。
また、回転部テアラインTrを他のテアラインTc,Tsと同様に形成した後、回転部テアラインTrを覆う板部材を配置し、この板部材を扉部4dに接続してラップ部Rを形成するようにしてもよい。かかる形状によっても、回転部テアラインTrが分離した後、ラップ部Rを構成する板部材と固定部4sの端部とが接触し、扉部4dに回転力を与えることができ、上述した実施形態と同様の作用効果を奏する。この場合、回転部テアラインTrは、他のテアラインTc,Tsと同様に射出成型することができ、回転部テアラインTrを後から機械加工する必要がなく、ラップ部Rを容易に形成することができる。もちろん、金型形状を工夫することによって、ラップ部Rを形成する板部材も射出成型するようにしてもよい。
前記板部材は、回転部テアラインTrを構成する溝の最深部よりも固定部4s側にわずかでも突出していればよく、回転部テアラインTrから固定部4s側にはみ出ないようにすることが好ましい。また、前記板部材は、回転部テアラインTrに沿って部分的に又は複数箇所に接続されていてもよく、爪状に形成されていてもよい。なお、扉部4dにバランスよく回転力を与えるためには、ラップ部R(板部材)は回転部テアラインTrに沿って均等に配置されていることが好ましい。
次に、回転部テアラインTrの変形例について説明する。図4は、車両用内装パネルのテアラインが形成された部分の背面図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例を示している。
図4(A)に示した第一変形例は、回転部テアラインTrの一部にラップ部Rを形成したものである。ここでは、回転部テアラインTrの略中央部にラップ部Rを形成している。回転部テアラインTrの残りの部分は、他のテアラインTc,Tsと同じ形状に形成されている。ラップ部Rは、扉部4dを回転させる起点となればよいため、必ずしも回転部テアラインTrの全体に形成する必要はなく、図4(A)に示すように、回転部テアラインTrの一部に形成されていれば十分な場合もある。ただし、扉部4dにバランスよく回転力を与えるためには、ラップ部Rは回転部テアラインTrに沿って均等に配置されていることが好ましい。ラップ部Rの長さLは、ここでは回転部テアラインTrの長さの約1/3の場合を図示したが、これに限定されるものではなく、使用条件やエアバッグの種類等により適宜設定されるものである。
図4(B)に示した第二変形例は、回転部テアラインTrに複数のラップ部Rを形成したものである。ここでは、回転部テアラインTrの両端部の2箇所にラップ部Rを形成している。回転部テアラインTrの中央部分は、他のテアラインTc,Tsと同じ形状に形成されている。ラップ部Rは、回転部テアラインTrの3箇所以上に形成するようにしてもよいが、扉部4dにバランスよく回転力を与えるためには、ラップ部Rは回転部テアラインTrに沿って均等に配置されていることが好ましい。なお、ラップ部Rの長さLは、図示した長さに限定されるものではなく、使用条件やエアバッグの種類等により適宜設定されるものである。
次に、助手席用エアバッグ装置の他の実施形態について説明する。図5は、助手席用エアバッグ装置の他の実施形態を示す図であり、(A)は側面断面図、(B)は車両用内装パネルの部分背面図である。説明の都合上、図5(A)と図5(B)の縮尺は同じではないことを付言しておく。なお、図5(A)において、リテーナ、インフレータ、接合部材及び固定部材の図は省略してある。
図5(A)及び(B)に示す助手席用エアバッグ装置の他の実施形態は、扉部4dが片開きの場合を示している。車両用内装パネル4は、1つの扉部4dと、扉部4dとテアラインTにより連接された固定部4sと、により区分される。テアラインTは、図5(B)に示すように、ロ字形状に形成されており、1つの回転部テアラインTrと、一対の側部テアラインTs,Tsと、開放部テアラインTfと、により構成されている。開放部テアラインTfは、側部テアラインTsと同じ形状に形成される。また、インナーケース5のインナーパネル51は、扉部4dに接続されるフラップ部51fと、固定部4sに接続される支持部51sと、回転部テアラインTr側のフラップ部51fと支持部51sとの間に形成されたヒンジ部51hと、から構成されている。フラップ部51fは、開放部テアラインTf及び側部テアラインTsに沿って、支持部51sと略コ字状の隙間をなしており、ヒンジ部51hの作用により支持部51sに対して相対移動できるようになっている。かかる構成によれば、扉部4dを図5(A)の矢印の方向に回転させて片開きさせることができる。その他の構成及び効果については、図1に示した実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
上述した実施形態では助手席用エアバッグ装置に基づいて説明したが、本発明は助手席用エアバッグ装置に限定されるものではなく、車両構造物に形成されたエアバッグ開放用の開口部を覆う車両用内装パネルと、車両用内装パネルの内側に接続されるインナーパネルと、を有し、車両用内装パネルは、エアバッグ展開時に開口部を開放する扉部と、車両構造物に接続される固定部と、扉部の開放形状に沿って形成されたテアラインと、を有し、扉部の開放時に回転軸となる部分に沿って形成された回転部テアラインは、扉部が固定部と分離された後、扉部と固定部とが接触するようにラップ部が形成されており、インナーパネルは、扉部に接続されるフラップ部と、固定部に接続される支持部と、フラップ部と支持部との間に形成されたヒンジ部と、を有するエアバッグ開放部構造であれば、どの部分に設けられるエアバッグ装置にも適用することができる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、例えば、車両構造物はインストルメントパネルの他にドア部・天井部・ステアリング部等であってもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
助手席用エアバッグ装置を示す側面断面図である。 車両用内装パネルのテアラインが形成された部分の背面図である。 ラップ部の拡大図であり、(A)はエアバッグ開放前、(B)はエアバッグ開放中、(C)はエアバッグ開放後の状態を示している。 車両用内装パネルのテアラインが形成された部分の背面図であり、(A)は第一変形例、(B)は第二変形例を示している。 助手席用エアバッグ装置の他の実施形態を示す図であり、(A)は側面断面図、(B)は車両用内装パネルの部分背面図である。
符号の説明
1 インストルメントパネル
1a 開口部
2 インフレータ
3 リテーナ
3a フック
4 車両用内装パネル
4a クリップ
4s 固定部
4d 扉部
5 インナーケース
6 連結部材
7 固定部材
51 インナーパネル
51s 支持部
51f フラップ部
51h ヒンジ部
52 側壁
52a 係止孔
T テアライン
Tr 回転部テアライン
Tc 中央部テアライン
Ts 側部テアライン
Tf 開放部テアライン
R ラップ部

Claims (7)

  1. 車両構造物に形成されたエアバッグ開放用の開口部を覆う車両用内装パネルであって、
    該車両用内装パネルは、エアバッグ展開時に前記開口部を開放する扉部と、前記車両構造物に接続される固定部と、前記扉部の開放形状に沿って形成されたテアラインと、を有し、
    前記扉部の開放時に回転軸となる部分に沿って形成された回転部テアラインは、前記扉部が前記固定部と分離された後、前記扉部と前記固定部とが接触するようにラップ部が形成されている、ことを特徴とする車両用内装パネル。
  2. 前記ラップ部は、前記回転部テアラインの一部に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用内装パネル。
  3. 前記ラップ部は、前記回転部テアラインを形成する溝の断面形状を前記扉部の開放時における回転方向と反対側に所定角度だけ傾斜させることによって形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用内装パネル。
  4. 前記所定角度は、前記車両用内装パネルの垂線に対して5°以上45°以下の角度である、ことを特徴とする請求項3に記載の車両用内装パネル。
  5. 前記ラップ部は、前記車両用内装パネルの成型後の加工により形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用内装パネル。
  6. 車両構造物に形成されたエアバッグ開放用の開口部を覆う車両用内装パネルと、該車両用内装パネルの内側に接続されるインナーパネルと、を有するエアバッグ開放部構造であって、
    前記車両用内装パネルは、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の車両用内装パネルであり、前記インナーパネルは、前記扉部に接続されるフラップ部と、前記固定部に接続される支持部と、前記フラップ部と前記支持部との間に形成されたヒンジ部と、を有する、ことを特徴とするエアバッグ開放部構造。
  7. 通常時は折り畳まれており緊急時に膨張展開されるエアバッグと、該エアバッグにガスを供給するインフレータと、前記エアバッグを収容するリテーナと、車両構造物に形成されたエアバッグ開放用の開口部を覆う車両用内装パネルと、該車両用内装パネルの内側に接続されるとともにリテーナを係止するインナーケースと、を有するエアバッグ装置であって、
    前記車両用内装パネルは、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の車両用内装パネルであり、前記インナーケースは、前記扉部に接続されるフラップ部と、前記固定部に接続される支持部と、前記フラップ部と前記支持部との間に形成されたヒンジ部と、を備えたインナーパネルを有する、ことを特徴とするエアバッグ装置。
JP2007221778A 2007-08-28 2007-08-28 車両用内装パネル、エアバッグ開放部構造及びエアバッグ装置 Withdrawn JP2009051433A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103318123A (zh) * 2012-03-20 2013-09-25 利萨·德雷克塞迈尔有限责任公司 带有气囊活门的内部设备件、尤其仪表盘

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