JP2009047651A - 電力量計の接続アダプタおよび電力量計の交換作業方法 - Google Patents

電力量計の接続アダプタおよび電力量計の交換作業方法 Download PDF

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Abstract

【課題】商用電力の供給を継続しつつ充電部を露出させることなく、変成器付きの電力量計を含む電力量計の交換作業を確実に行い得る、また、電力量計の交換作業中の電力消費についても積算計測できる、電力量計の接続アダプタを提供すること。
【解決手段】電力量計の前段に接続する接続アダプタであって、配電線側を接続する導体ブロック13を内装する複数の端子ユニット11と、該端子ユニット毎に配設されて導体ブロックに導通されている差込端子17、18と、電力量計側に一端側が接続されるとともに他端側に差込端子の一方に接続可能な差込プラグ33を有するリード線31と、を備える。この構成により、リード線の差込プラグを差込端子の一方に接続することにより電力量計を配電線に設置することができ、新規の電力量計を追加接続して並列させた後に既設の電力量計を外し交換作業を完了することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、電力量計の接続アダプタおよび電力量計の交換作業方法に関し、詳しくは、電力量計の安全かつ容易な交換を実現するものに関する。
従来、各家庭などの負荷装置に供給する商用電力は、その負荷装置の稼動による消費電力を電力量計により積算計測(計量)することによって課金することが行われており、この電力量計は、定期的に交換する必要がある。
この電力量計は、商用電力を供給する電線に直接接続されており、その交換作業は、商用電力の供給を停止した上で行っていた。しかるに、商用電力の供給先によっては、停電させるタイミングを作ることが難しいことから、電力供給を停止することなく、電力量計を交換することを実現する無停電交換端子台(接続アダプタ)が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−95407号公報 特開2006−226915号公報
しかしながら、このような従来の電力量計の無停電交換にあっては、電力量計に接続する接続端子間を短絡させることにより、商用電力の供給を確保した上で、その電力量計を交換することを実現している。このため、このような電力量計の無停電交換では、その交換作業中に、電力供給を継続する電線側に導通状態の接続端子が充電部として露出する状態になって、感電や地絡短絡などを発生させてしまう可能性があり、危険である。
また、このような電力量計の無停電交換では、電力量計に導通接続する接続端子を短絡させることから、電力量計を経由することなく、商用電力の供給を継続することになり、その電力量計の交換作業中に消費される電力量を計量することができない、という不都合があった。
さらに、計器用変圧変流器(変成器)と組み合わせて使用する電力量計は、その変成器(VCT)を構成する変圧器(VT)および変流器(CT)により、高電圧および大電流を抑えることによって電力消費を安価に積算計測することができるように設計されており、例えば、商用電力を供給する単相や3相の送配電線に設置する場合には、電圧用3線と電流用4線を有する特殊な回路に設計されている。このため、この変成器と組み合わせて使用する電力量計では、誤結線があったり、電流回路への配線を誤って外してしまうと、その変成器に絶縁破壊や焼損を発生させてしまう虞があることから、停電させた後に交換作業を行っていた。
ここで、この変成器付きの電力量計は、契約電力の大きな供給先に設置されていることが多く、上記文献1、2に記載の無停電交換端子台を適用して無停電交換を可能にするとしても、電力量計を経由することなく商用電力の供給を継続するために、その電力量計の交換作業中の電力消費を計量することができない、という不都合はより大きな問題となる。
そこで、本発明は、商用電力の供給を継続しつつ充電部を露出させることなく、変成器付きの電力量計を含む電力量計の交換作業を確実に行い得るようにして、その電力量計の交換作業の安全を確保することのできる電力量計の接続アダプタおよび電力量計の交換作業方法を提供することを目的とする。また、電力量計の交換作業中の電力消費についても積算計測することのできる電力量計の接続アダプタおよび電力量計の交換作業方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する電力量計の接続アダプタの第1の発明は、電源からの商用電力を消費先に供給する配電線に設置されて当該消費電力を積算する電力量計に接続する接続アダプタであって、配電線側を接続する電源側端子と、該電源側端子毎に配設されて当該電源側端子に導通されている第1、第2接続端子と、該第1、第2接続端子の一方に接続する計器側端子と、該計器側端子を一端側に接続されているとともに他端側を電力量計側に接続されている導電線と、を備えており、計器側端子を第1、第2接続端子の一方に接続することにより、電力量計を配電線に設置することを特徴とするものである。
この発明では、電源側端子をそれぞれ配電線側に接続するとともに、導電線の他端側をそれぞれ電力量計に接続してその導電線の一端側の計器側端子を、それぞれ第1、第2接続端子の一方に接続することにより、配電線側に電力量計が接続設置されてその配電線から供給される電力消費を積算することができる。そして、電力量計の交換を行う際には、そのままの状態のまま、新規に取り付ける交換予定の電力量計(新品に限らず、中古品でもよい)に導電線の他端側を接続してその導電線の一端側の計器側端子を、それぞれ第1、第2接続端子の他方に接続することにより、既設の電力量計と新規の電力量計を配電線側に並列接続して供給電力を分流させることができ、その電力量計のそれぞれで電力消費を積算することができる。この後に、既設の電力量計に接続する導電線の計器側端子を、第1、第2接続端子の一方から外すことにより、新規の電力量計により単独で電力消費を積算計測することができる。したがって、配電線からの電力供給を停電させることなく電力量計を交換することができ、この電力量計の交換作業中に配電線から供給する電力消費も積算計測することができる。
上記課題を解決する電力量計の接続アダプタの第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記計器側端子と第1、第2接続端子の誤った端子同士の接続を制限する制限手段を備えることを特徴とするものである。
この発明では、計器側端子を第1、第2接続端子の適切でない端子に接続することを制限することができる。したがって、誤った端子同士を接続することができずに、誤結線させてしまうことを未然に防止することができ、信頼性高く接続作業を行うことができる。
上記課題を解決する電力量計の接続アダプタの第3の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記第1接続端子と第2接続端子とは、端子間の相対的な位置関係が同一になるように配置されており、前記計器側端子は、第1、第2接続端子に対する位置関係が対応するように、端子間の相対的な位置関係を固定する固定部材に設置されていることを特徴とするものである。
この発明では、固定部材を把持するなどして、その固定部材に設置固定されている計器側端子をそのまま第1、第2接続端子に対応する位置に位置決めして接続することができる。したがって、容易に接続作業を行うことができる。
上記課題を解決する電力量計の接続アダプタの第4の発明は、上記第3の発明の特定事項に加え、前記計器側端子と第1、第2接続端子の誤った端子同士の接続を制限する制限手段として、該端子同士の一部または全部の間隔が不均一になる位置関係に当該端子が配設されていることを特徴とするものである。
この発明では、固定部材に設置固定されている計器側端子や第1、第2接続端子は、例えば、隣接位置にずれたり、回転させて左右が逆の状態になっている場合でも、不均一間隔の端子同士が向かい合うことになって、誤った端子同士を接続することが制限される。ここで、例えば、適正な位置関係でのみ接続可能にするキー形状にする制限手段を採用するのもよいが、一方が欠けてしまっている場合にはその制限機能が有効に働かない。しかるに、制限手段として、端子間隔を不均一にすることを採用することにより、より確実に誤った端子同士の接続作業を制限することができ、信頼性高く接続作業を行うことができる。
上記課題を解決する電力量計の接続アダプタの第5の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明の特定事項に加え、前記第1、第2接続端子と計器側端子とは、互いの端子電極同士を圧接させることにより導通接続させる構造に設計されていることを特徴とするものである。
この発明では、計器側端子を第1、第2接続端子に圧接させるだけで導通接続させることができるとともに、容易に離隔させて電気的に切断することができる。例えば、固定部材に設置固定される計器側端子を差込形状にするとともに、第1、第2接続端子をその差込形状を内装して圧接する穴形状にして対応する位置に配設することにより、これら端子同士を接離させる方向に移動させるだけで適正な接続関係で導通させることができ、また、外すことができる。したがって、接続・取外し作業を容易に行うことができ、固定部材などにより位置決めされている場合には、誤結線を未然に防止して信頼性高く接続作業を行うことができる。
上記課題を解決する電力量計の接続アダプタの第6の発明は、上記第1から第5のいずれかの発明の特定事項に加え、前記各端子のそれぞれの端子電極を覆うカバー部材を備えることを特徴とするものである。
この発明では、電源側端子の端子電極を覆うカバー部材を電力量計と同様に取り付けることにより、また、第1、第2接続端子や計器側端子の端子電極を覆うカバー部材を取り付けることにより、充電部の露出をなくすことができる。したがって、未接続で開放されている状態の端子電極(例えば、穴形状内)や接続途中の端子電極(例えば、穴形状内に差し込む途中の棒形状)が露出して短絡事故などを起こしてしまうことを未然に防止することができる。
上記課題を解決する電力量計の交換作業方法の第1の発明は、電源からの商用電力を消費先に供給する配電線に設置されて当該消費電力を積算する電力量計を交換する作業方法であって、少なくとも2式以上の電力量計を配電線にそれぞれ対応させて設置可能に設計されている接続アダプタを取り付けて、既設の電力量計の計器側端子が配電線側にそれぞれ対応させて接続アダプタを介して接続されている状態のまま、交換する電力量計の計器側端子を該接続アダプタを介して配電線にそれぞれ対応させて接続させた後に、既設の電力量計の計器側端子を接続アダプタから外すことにより当該電力量計を交換することを特徴としている。
この発明では、既設の電力量計を配電線に接続する接続アダプタに、新規に取り付ける交換予定の電力量計を接続して並列させることにより、2組の電力量計で電力消費を分流させて積算することができ、この後に、既設の電力量計を外すだけでその電力消費を新規の電力量計が単独で積算計測することができる。したがって、配電線からの電力供給を停電させることなく電力量計を交換することができ、この電力量計の交換作業中に配電線から供給する電力消費も積算計測することができる。
このように本発明によれば、配電線に電力量計を並列接続することを可能にすることにより、電力量計が介在することのない電力供給を回避しつつ、既設の電力量計から新規の電力量計に交換することができる。したがって、電力供給を停止することなく電力量計を交換することができるとともに、この電力量計の交換作業中の消費電力も積算計測することができる。さらに、例えば、この並列接続する端子間の位置関係を固定したり、誤結線を回避する位置関係に設定することにより、信頼性高く容易にその接続作業を行い得るようにすることができる。また、各端子にカバー部材を取り付けることにより、感電等の虞なく電力量計を安全に交換することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図16は、本発明に係る電力量計の交換作業方法の実行を容易にする電力量計の接続アダプタの一実施形態を示す図である。
図1において、接続アダプタ10は、図2に示す3相3線用(単相3線用も同様)の電力量計100と、商用電源からの商用電力を負荷装置の設置されている各家庭などに供給する配電線D(図3、図12を参照)と、の間に設置することにより各家庭などの負荷装置による電力消費をその電力量計100の交換作業中にも積算計測(計量)することを可能にする。
ここで、電力量計100は、消費された供給電力を積算する本体部101と、商用電力を供給する配電線D側に接続させた接続電線111を接続する接続端子台102と、を備えている。この電力量計100の本体部101は、図3に示すように、商用電源からの配電線D毎に準備されている接続端子P1〜P3に接続電線111を直接導通接続することにより電圧コイル113の介在する測定回路を形成するとともに、その配電線Dの第1線と第3線に流れる電流値を間接的に測定する変流器(変成器)115の接続端子1S、1L、3S、3Lに接続電線111を接続することにより電流コイル114の介在する測定回路を形成するようになっている。その接続電線111を接続する接続端子台102は、図4に示すように、配電線D側の接続端子P1〜P3、1S、1L、3S、3L毎の接続電線111を対応させてそれぞれ導通接続させる接続端子116を備えている。この接続端子台102は、取付ネジ104をネジ穴105内に差し込んで螺合させることにより絶縁カバー(カバー部材)103を取り付けて接続端子116を覆うことにより感電・短絡事故を防止する。
接続アダプタ10は、この電力量計100の接続端子台102の下部に位置するように設置されて、その接続端子台102の接続端子116のそれぞれに対応する端子ユニット11が絶縁ケース12内に収装されている。この端子ユニット11は、図5に示すように、接続端子台102の接続端子116に代わって配電線D毎の接続端子P1〜P3と変流器115毎の接続端子1S、1L、3S、3Lに接続した接続電線111を導通接続する導体ブロック13を樹脂ケース14内に収容しており、その導体ブロック13には、その接続端子台102の接続端子116に一端側を導通接続させた図6および図7に示すリード線(導電線)31、32を導通接続させることができるように設計されている。
具体的には、端子ユニット11は、図5(a)に示すように、配電線Dや変流器115との接続端子P1〜P3、1S、1L、3S、3Lに接続する接続電線111をネジ止めして導通接続する電源側端子部15が導体ブロック13の一端側に配設されており、この電源側端子部15は、導体ブロック13の一端側を切り欠いて接続電線111の導電線111aを収装する接続部15bが形成されているとともに、その一端側に対応する樹脂ケース14にネジ15aを螺合させることにより、その接続部15bに収装させた接続電線111の導電線111aをネジ止めして導通接続させることができる。
また、この端子ユニット11は、電源側端子部15の反対側の導体ブロック13の他端側と、この導体ブロック13の両端間の中間部と、にリード線31、32の一端側に配設されている差込プラグ33、34を差し込んで導通接続させることのできる差込穴形状の差込端子17、18が配設されている。ここで、この導体ブロック13の差込端子17、18は、円筒形状に形成されてその内面に接触端子電極の形成されている端子構造に作製される一方、リード線31、32の差込プラグ33、34は、その差込端子17、18内に差し込むだけで信頼性高く導通接続させることができるように、その差込端子部33a、34aを差込端子17、18の内面の接触端子電極に圧接させることのできる、所謂、バナナプラグに作製されている。すなわち、この差込端子17、18には、差込プラグ33、34を差し込むだけで端子電極を圧接接続して導通させることができる一方、その差込プラグ33、34を引き抜くだけで端子電極同士の圧接接続を解消して電気的に切断することができる。
さらに、この端子ユニット11は、導体ブロック13を収容する樹脂ケース14がさらに絶縁ケース12内に収装されることにより、電力量計100の接続端子台102の接続端子116と同様に並列された姿勢に配列されており、この絶縁ケース12は、図5(b)に示すように、導体ブロック13の一端側の電源側端子部15にネジ止めして導通接続させる接続電線111用の差込穴12aが対応する位置に開口しているとともに、図5(c)に示すように、その導体ブロック13の他端側の差込端子17に差し込んで導通接続させるリード線31先端の差込プラグ33用の差込穴12bが対応する位置に開口している。なお、この絶縁ケース12は、固定台19に固設されている。
そして、この端子ユニット11は、絶縁ケース12の仕切り板12c、12dにより区画されている空間内に嵌入されて配列状態に設置されており、図1中の左端の仕切り板12dが他の仕切り板12cよりも厚く形成されて、不均一の設置間隔になる状態で絶縁ケース12内に収装されている。このため、端子ユニット11の導体ブロック13に連設されている電源側端子部15や差込端子17、18も図1中の左端側が不均一な間隔(全部を不均一にしてもよい)に設置されており、絶縁ケース12の両端面の差込穴12a、12bもそれぞれに対応するように不均一な間隔で開口している。
これに対して、リード線31、32は、図6(a)および図7(a)に示すように、電力量計100の接続端子台102の接続端子116に一端側が導通接続されて、その先端に差込プラグ33、34がそれぞれ配設されており、接続する差込端子17、18の姿勢に応じて、差込プラグ33はリード線31の延長方向に一致するように連設される一方、差込プラグ34はリード線32に対して直角に屈折するように連設されている。
このリード線31、32は、図6(b)、図7(b)および図7(c)に示すように、配電線Dや変流器115との接続端子P1〜P3、1S、1L、3S、3Lに接続した接続電線111を電源側端子部15にネジ止めして導通接続する端子ユニット11(導体ブロック13)の差込端子17、18毎に対応する不均一間隔の配列になるように、固定ブロック(固定部材)35、36に差込プラグ33、34の基端側が固設されており、この固定ブロック35、36の両端側には、絶縁ケース12の固設されている固定台19に対面する取付板35a、36aが張り出して手回しネジN(図8を参照)によりネジ止め可能にネジ穴35b、36bが開口している。なお、固定ブロック35は、位置決め固定する差込プラグ33の差込端子部33aの一面側を覆うようにカバー部材35cが延長されており、固定ブロック36は、位置決め固定する差込プラグ34の差込端子部34aの両側を覆うようにカバー部材36cが延長されている。
すなわち、接続アダプタ10は、端子ユニット11の電源側端子部15が電源側端子を構成する一方、差込端子17、18がその電源側端子部15に導通している第1、第2接続端子を構成し、接続端子台102(接続端子116)に導通接続されているリード線31、32の差込プラグ33、34がこの差込端子17、18に差し込んで接続する計器側端子を構成している。そして、差込端子17、18と差込プラグ33、34は、端子間の相対的な位置関係を同一にして、同時に、互いに対応する不均一間隔の配列になるように配列設置されることにより、例えば、図中の左右を逆にしたり、左右の誤った端子側にずれて接続されることを制限することができ、誤った端子同士の接続を制限する制限手段を構成している。
これにより、リード線31は、図8に示すように、固定ブロック35を把持して差込プラグ33を不均一間隔に開口する端子ユニット11の差込端子17に合わせて差し込むだけで適切な端子同士を容易に接続して導通させることができ、また、リード線32も同様に、図9に示すように、固定ブロック36を把持して差込プラグ34を不均一間隔に開口する端子ユニット11の差込端子18に合わせて差し込むことにより適切かつ容易に導通接続することができる。この結果、リード線31、32は、この端子ユニット11の導体ブロック13に接続されている、商用電力を供給する配電線D毎の接続端子P1〜P3と変流器115毎の接続端子1S、1L、3S、3Lの接続電線111を、それぞれ対応する電力量計100の接続端子台102の接続端子116に並列導通接続して分流させて、リード線31、32毎の電力量計100で電力消費を積算計測可能にすることができ、また、接続するリード線31、32を一方のみにすることにより単独の電力量計100により電力消費を積算計測することができ、後述する電力量計100の交換作業方法を実行可能にしている。このとき、リード線31の差込プラグ33は、端子ユニット11の差込端子17に差し込む差込端子部33aを固定ブロック35のカバー部材35cで外部に露出する前面側を覆った状態で作業することができ、また、リード線32の差込プラグ34は、端子ユニット11の差込端子18に差し込む差込端子部34aの周囲を固定ブロック35のカバー部材35cで覆った状態で作業することができ、不注意で触れてしまって感電・短絡事故などを発生させてしまうことを未然に防止している。
ここで、接続アダプタ10は、図10に示すように、カバー部材37〜39が準備されており、カバー部材37、38は、リード線31、32の固定ブロック35、36と同様に形成されて差込プラグ33、34を差し込んで接続する差込端子17、18を覆うように固定台19に手回しネジNでネジ止めする一方、カバー部材39は、端子ユニット11の導体ブロック13の電源側端子部15に配電線D側からの接続電線111を導通接続するネジ15aを覆うように横断して固定台19に手回しネジNでネジ止めするように設計されている。
これにより、接続アダプタ10は、電源側端子部15のネジ15aに触れて感電してしまったり、そのネジ15a同士を不注意で導通材料により短絡させてしまったり、また、図8および図9に示すように、リード線31、32を接続してない差込端子17、18に不注意で導通材料を差して短絡させるなどの事故を発生させてしまうことを未然に防止することができる。なお、このカバー部材37〜39は、それぞれ両端側に張り出してネジ穴37b〜39bの開口する取付板36a〜39aを端子ユニット11(絶縁ケース12)の固定されている固定台19にネジ止めする。
また、リード線31、32は、後述する電力量計100の交換作業を実施可能に、例えば、一方のリード線32のみが長めに準備されて固定ブロック35、36と電力量計100の接続端子台102の接続端子116との間で束ねられているとともに(図12を参照)、それぞれの差込プラグ33、34を差込端子17、18にミスなく差し込んで適切な端子ユニット11に接続することができるように、配電線Dや変流器115との接続端子P1〜P3、1S、1L、3S、3L毎に外被色が異なっており、その外被色に一致するシール11aが端子ユニット11に貼付されている。なお、リード線31、32は、特に区別するものではなく、リード線31のみを長めに準備して束ねても良く、また、双方共に長めにして束ねても良いことはいうまでもない。
次に、図11〜図16を用いて、接続アダプタ10を利用しての電力量計100の交換作業方法を説明する。
例えば、リード線31の差込プラグ33が端子ユニット11の差込端子17に差し込まれることにより、図11に示すように、商用電力を供給する配電線D毎の接続端子P1〜P3と変流器115毎の接続端子1S、1L、3S、3Lの接続電線111を、それぞれ対応する接続端子台102の接続端子116に導通接続して電力消費を電力量計100により積算計測することができる。
そして、その既設の電力量計100を交換する場合には、まずは、新規に取り付ける交換予定の電力量計100の接続端子台102の接続端子116に各色のリード線32をそれぞれ対応するように接続した後に、図12に示すように、そのリード線32の差込プラグ34を固定ブロック36を把持して端子ユニット11の差込端子18に差し込むとともにカバー部材38を手回しネジNによりネジ止めすることにより、図13に示すように、既存の電力量計100と新規の電力量計100を並列接続して、それぞれで電力消費を積算計測する状態にする。これにより、商用電力を供給する配電線D毎の接続端子P1〜P3や変流器115毎の接続端子1S、1L、3S、3Lから電力量計100を不用意に外してしまい、変流器115に過電流が流れてしまって焼損してしまうタイミングが発生する虞をなくすことができる。このとき、新規の電力量計100は、隣接位置に予め準備されている仮置き場に引っ掛けるなどしておくことにより、この交換作業を1人で行うことができる。
次いで、図14に示すように、固定ブロック35を固定台19にネジ止めする手回しネジNを緩めた後に、その固定ブロック35を把持して端子ユニット11の差込端子17に差込接続されている差込プラグ33を引き抜いてリード線31を電気的に切り離すとともに既存の電力量計100を外すことにより、図15に示すように、新規に取り付けた電力量計100のみにより電力消費を積算計測する状態にする。これにより、商用電源から商用電力を供給する配電線D毎の接続端子P1〜P3や変流器115毎の接続端子1S、1L、3S、3Lから電力量計100を不用意に外してしまうことがないことから、停電させる必要がなく、また、電力消費の積算計測を継続したまま電力量計100を交換することができる。また、このときには、電力量計100の接続端子台102の接続端子116やその接続端子116に接続する接続電線111の導電線111a自体や差込プラグ33、34の差込端子部33a、34aが外部に露出して作業者が不用意に触れることにより感電事故等を発生させてしまうことなく、電力量計100を交換することができる。
この後に、図16に示すように、隣接位置に仮置きなどしていた新規の電力量計100を、本来の電力量計100の設置位置に取り付けることにより、この電力量計100の交換作業を完了することができる。また、この状態では、リード線32は、直角に屈折する差込プラグ34を端子ユニット11の差込端子18に差し込んで導通接続させているので、前面側(図面の上方)に突出して邪魔になってしまうことがない。なお、その屈曲させたリード線32の束は、図16中に示す受け部材40に支持させており、接続箇所などに無用な負荷が掛かってしまう状態になることを回避している。
このように本実施形態においては、配電線Dに電力量計100を並列接続することにより、電力量計100のない状態での電力供給を回避するのと同時に、不用意に電力量計100の測定回路を外してしまうことを回避することができ、既設の電力量計100を新規の電力量計100に容易かつ信頼性高く交換することができる。したがって、電力供給を停止することなく、また、変流器115を焼損させてしまうことなく、電力量計100を容易に交換することができるとともに、この電力量計100の交換作業中の消費電力も積算計測することができる。
ここで、本実施形態では、3相3線用(単相3線用も同様)の電力量計100に接続アダプタ10を接続する場合を一例にしてその交換作業と共に説明するが、これに限るものではなく、例えば、図17に示すように、単相2線用の電力量計100´の場合にも適用することができ、図18および図19に示すように、同様に、新規に取り付ける交換予定の電力量計100´をリード線32により並列接続した後に、リード線31を電気的に切り離して既存の電力量計100´を外すことができ、これにより、変流器115を焼損させてしまうことなく、電力消費の積算計測を継続したまま電力量計100´を交換することができる。
また、本実施形態では、変流器115を介して消費電力を積算計測する電力量計100、100´の交換作業に接続アダプタ10を用いる場合を一例に説明するが、これに限るものではなく、例えば、配電線Dの電源側と負荷側(所謂、引込線)との間に直列接続して電力消費を積算計測する電力量計の交換作業にも接続アダプタ10を用いることもでき、この場合には電源側と負荷側の配電線Dを接続電線111として端子ユニット11の導体ブロック13の電源側端子部15に導通接続することになる。
さらに、本実施形態では、変流器115により構成されている変成器と組み合わせる電力量計100に接続アダプタ10を接続する場合を一例にしてその交換作業と共に説明するが、これに限るものではなく、変圧器を備える変成器と組み合わせることにより高電圧に対応可能にした電力量計にも適用することができることは言うまでもない。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
本発明に係る電力量計の交換作業方法の実行を容易にする電力量計の接続アダプタの一実施形態を示す図であり、その概略全体構成を示す正面図である。 その接続アダプタを取り付ける電力量計の一例を示す図であり、(a)はその外観正面図、(b)はその外観側面図である。 その電力量計の配電線側への設置を説明する概略接続回路図である。 その電力量計の接続端子台の接続端子の配列を示す正面図である。 その接続アダプタの要部部品である端子ユニットを示す図であり、(a)はその端子ユニットの構成を示す透視側面図、(b)はその端子ユニットの配列を示す底面図、(c)はその端子ユニットの配列を示す上面図である。 その接続アダプタの要部部品であるリード線を示す図であり、(a)はそのリード線の構成を示す側面図、(b)はそのリード線の配列を示す正面図である。 その接続アダプタの要部部品である図6とは別のリード線を示す図であり、(a)はそのリード線の構成を示す側面図、(b)はその配列構造を示す縦断面図、(c)はそのリード線の配列を示す正面図である。 その接続アダプタの端子ユニットとリード線との接続状態を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその透視側面図である。 その接続アダプタの端子ユニットと図8とは別のリード線との接続状態を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその一部縦断面図、(c)はその一部断面透視側面図である。 その接続アダプタのカバー部材を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその透視側面図である。 その接続アダプタの定常使用時の状態を示す概念回路図である。 その電力量計の交換方法を説明する図であり、その途中の状態を示す外観図である。 その図12に示す状態での概念回路図である。 その図12に続く状態を示す外観図である。 その図14に示す状態での概念回路図である。 その電力量計の交換作業の完了時の状態を示す外観図である。 その接続アダプタを利用可能な他の電力量計での定常使用時の状態を示す概念回路図である。 その電力量計の交換途中の状態での概念回路図である。 その図18に続く状態での概念回路図である。
符号の説明
10……接続アダプタ 11……端子ユニット 12……絶縁ケース 12c、12d……仕切り板 13……導体ブロック 14……樹脂ケース 15……電源側端子部 17、18……差込端子 19……固定台 31、32……リード線 33、34……差込プラグ 35、36……固定ブロック 35c、36c、37〜39……カバー部材 100、100´……電力量計 101……本体部 102……接続端子台 111……接続電線 115……変流器 116……接続端子 D……配電線

Claims (7)

  1. 電源からの商用電力を消費先に供給する配電線に設置されて当該消費電力を積算する電力量計に接続する接続アダプタであって、
    配電線側を接続する電源側端子と、該電源側端子毎に配設されて当該電源側端子に導通されている第1、第2接続端子と、該第1、第2接続端子の一方に接続する計器側端子と、該計器側端子を一端側に接続されているとともに他端側を電力量計側に接続されている導電線と、を備えており、
    計器側端子を第1、第2接続端子の一方に接続することにより、電力量計を配電線に設置することを特徴とする電力量計の接続アダプタ。
  2. 前記計器側端子と第1、第2接続端子の誤った端子同士の接続を制限する制限手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力量計の接続アダプタ。
  3. 前記第1接続端子と第2接続端子とは、端子間の相対的な位置関係が同一になるように配置されており、
    前記計器側端子は、第1、第2接続端子に対する位置関係が対応するように、端子間の相対的な位置関係を固定する固定部材に設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電力量計の接続アダプタ。
  4. 前記計器側端子と第1、第2接続端子の誤った端子同士の接続を制限する制限手段として、該端子同士の一部または全部の間隔が不均一になる位置関係に当該端子が配設されていることを特徴とする請求項3に記載の電力量計の接続アダプタ。
  5. 前記第1、第2接続端子と計器側端子とは、互いの端子電極同士を圧接させることにより導通接続させる構造に設計されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電力量計の接続アダプタ。
  6. 前記各端子のそれぞれの端子電極を覆うカバー部材を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電力量計の接続アダプタ。
  7. 電源からの商用電力を消費先に供給する配電線に設置されて当該消費電力を積算する電力量計を交換する作業方法であって、
    少なくとも2式以上の電力量計を配電線にそれぞれ対応させて設置可能に設計されている接続アダプタを取り付けて、
    既設の電力量計の計器側端子が配電線側にそれぞれ対応させて接続アダプタを介して接続されている状態のまま、交換する電力量計の計器側端子を該接続アダプタを介して配電線にそれぞれ対応させて接続させた後に、既設の電力量計の計器側端子を接続アダプタから外すことにより当該電力量計を交換することを特徴とする電力量計の交換作業方法。
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