JP2009047230A - トランスミッションケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トランスミッションケース1を鋳込むとき、湯がフランジ部12及び弧状リブ15を通過させ、流体抵抗を小さくした状態で、湯温の低下が少なく、湯の流動性が良好な状態で鋳込むことになるので、ダイキャスト製品に巣が入ることなくボルト座13を精度を高く形成できる。同時に、トランスミッションケース1から型を抜くとき、弧状リブ15が離型する方向、即ち、トランスミッションケース1の中心軸方向に湾曲させないような力が作用し、結果、離型が容易になり、また、離型時に本体部2に割れ、身食い、ヒビ、歪を生じさせることがない。
【選択図】図2
Description
トランスミッションケースが鋳造製品であることは、特許文献1にも記載されている。なお、トランスミッションケースの軽量化をもくろむ他の技術は発見できなかった。
トランスミッションケース(8)を軽量化する場合には、このような取り付け部分の機械的接続強度を維持し、その軽量化を行う必要がある。
一方、トランスミッションケースの肉厚を薄くすると、鋳造の際に湯の周りが悪くなり、ボルト座の精度を上げることができず、切削加工等の二次加工が必要となり、生産性がよくなかった。
ここで、前記フランジ部正面のシルエットラインよりも内側位置とは、前記フランジ部を正面から見た外形線の内側の位置である。
また、上記接続対象とは、車両用エンジンのケースとすることもできるし、車両用エンジンのケース、トルクコンバータハウジング、クラッチハウジング、エクステンションハウジング、4WD用トランスファハウジングの何れかとすることができる。
そして、上記フランジ部は、本体部が収容する動力伝達方向の長さに対して直角に形成した密着面及び当該密着面から所定の厚みに形成した部分である。また、上記接続端部とは、密着面及びフランジ部、ボルト座及びボルト孔、弧状リブを具備する位置で、トランスミッションケースの端部付近である。
更に、上記ボルト座は、トランスミッションケースが収容する動力伝達方向の長さに対し略直角方向に突出して形成したものである。また、上記弧状リブは、前記フランジ部の前記密着面の反対側で、かつ、前記フランジ部を正面からみたシルエットラインよりも内径側にその頂点を有し、前記フランジ部の周方向に延設したものである。
ここで、前記フランジ部の周りの全周に、または部分的に形成したとは、トランスミッションケースのフランジ部の周方向に一致させてトランスミッションケースの全周に弧状リブを設けてもよい。しかし、一般的には、トランスミッションケースの上部から湯を注ぎ込むことから、上部に弧状リブを設けなくともよい。また、トランスミッションケースの下部においても、湯だまりとなるボルト座の数及びその密度、その断面形状によって、湯の流れが確保できる箇所には、弧状リブの配設を省略することができるから、部分的に設けることもできる。
ここで、特に、湯口はトランスミッションケースの鋳造後、冷却が完了すると機械的に折られることになるが、前記湯口と前記弧状リブとが交差していると、湯口を折るときに前記弧状リブが手伝ってトランスミッションケースの一部が剥がれる、所謂、身食い(ミクイ)が生ずる可能性があるので、前記弧状リブと湯口とが接合しないようにするものである。また、離型する際にトランスミッションケースの一部に身食いが発生するのを防止できる。
ここで、前記フランジ部に沿って前記外表面側に延設した前記弧状リブは、前記フランジ部の付根の位置付近に配設し、フランジ部及びボルト座に行き届くまでの流体抵抗を小さくするものである。
[実施の形態1]
なお、本実施の形態のトランスミッションケース1は、トルクコンバータハウジング、自動変速機ハウジング、エクステンションハウジングの機能を持たせたものであるが、本発明を実施する場合には、トルクコンバータハウジングと変速機ハウジング、変速機ハウジングとエクステンションハウジング、クラッチハウジングと変速機ハウジングのハウジングとしても実施できる。
接続端部3及び接続端部4は、本実施の形態のトランスミッションケース1がトルクコンバータハウジング、変速機ハウジング、エクステンションハウジングとして機能する事例で説明するが、変速機ハウジングとトルクコンバータハウジング、変速機ハウジングとエクステンションハウジング、変速機ハウジングとクラッチハウジングとして実施する場合にも、接続端部3、接続端部4の幅が変化するものの、本体部2の両側に存在する。
この密着面11は、フランジ部12のトランスミッションケース1の収容する動力伝達方向の一面に形成されており、フランジ部12の厚みによって接続対象にボルトで接続するとき、相手材と密着を維持できる機械的強度を得ている。
そして、ボルト座13の略中心には、トランスミッションケース1の中心軸に並行してボルト孔14が形成されている。
なお、フランジ部12を正面からみたシルエットラインよりも内側位置とは、トランスミッションケース1または本体部2が収容する動力伝達方向に対する軸から見て、同じ角度位置の径の違いの表現であるが、必ずしも、本体部2及びまたは接続端部3,4の断面が円形であることを意味するものではない。
しかし、弧状リブ15は湯の流れを良くするものの、離型条件等を考慮すると、トランスミッションケース1の他の補強部材から離して形成するのが望ましい。
したがって、特に、車両用エンジン側のケースとの取り付け接続端部3付近は、トランスミッションケース1が配置されるスペースが規制されるが、トランスミッションケース1を大型化せずに湯路を確保できる。
発明者らの実験によれば、弧状リブ15としては、ボルト座13付近に配設し、フランジ部12及びボルト座13に湯が行き届くまでの流体抵抗を小さくすることができれば、ボルト座13の鋳込み精度を高くでき、かつ、フランジ部12の鋳込み精度も上げることができ、しかも、離型の際にトランスミッションケース1と型との接合がきつくても、トランスミッションケース1にヒビが入ったり、身食いが生じたりすることがない。
図4及び図5はその実施の形態である。
[実施の形態2]
例えば、実施の形態1では、図3(c)に示すように、本来の肉抜き部分の内部16aを軽量化のための肉抜き部分の内部16と、肉抜きを増加させることにより、軽量化を図っている。同様に、実施の形態2では、図5(c)に示すように、本来の肉抜き部分の内部26aを軽量化のための肉抜き部分の内部26と、肉抜きを増加させることにより、軽量化を図っている。
そして、弧状リブ15,25は、フランジ部12,22の密着面の反対側の付根位置よりも本体部2よりの範囲に形成したものである。
更に、フランジ部12,22の周方向に延設した弧状リブ15,25は、その弧状リブ15,25の体積に相当する体積だけ、薄肉部を形成することで、ダイキャスト製品の重量を重くすることがない。
3,4 接続端部
11,21 密着面
12,22 フランジ部
13,23 ボルト座
14,24 ボルト孔
15,25 弧状リブ
Claims (6)
- 少なくとも内部に変速機構を内蔵する本体部並びに接続対象にボルトで接続したとき、前記接続対象に密着される密着面及び該密着面に機械的強度を持たせるべく肉厚に形成したフランジ部を有する前記本体部から連続して形成した接続端部を具備する鋳造されたトランスミッションケースにおいて、
前記接続端部には、更に、その外表面側から突出した前記接続対象に固定されるボルト座及び該ボルト座に形成したボルト孔と、前記フランジ部よりも前記本体部側にあり、かつ、前記フランジ部を正面からみたそのシルエットラインよりも内側位置にあり、前記フランジ部に沿って前記外表面側に延設した弧状リブと
を具備することを特徴とするトランスミッションケース。 - 前記接続対象は、車両用エンジンのケース、トルクコンバータハウジング、クラッチハウジング、エクステンションハウジング、4WD用トランスファハウジングの何れかとしたことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッションケース。
- 前記フランジ部に沿って前記外表面側に延設した前記弧状リブは、前記フランジ部の周りの全周に、または部分的に形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトランスミッションケース。
- 前記フランジ部に沿って前記外表面側に延設した前記弧状リブは、前記トランスミッションケースの上部に形成された湯口と交差しないように形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のトランスミッションケース。
- 前記フランジ部に沿って前記外表面側に延設した前記弧状リブは、前記フランジ部及び前記ボルト座に湯が行き届くまでの流体抵抗を小さくする位置に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のトランスミッションケース。
- 前記フランジ部に沿って前記外表面側に延設した前記弧状リブは、その弧状リブの体積に相当する体積だけ、薄肉部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のトランスミッションケース。
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