JP2009047204A - 車両用変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用変速機の変速制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009047204A
JP2009047204A JP2007212036A JP2007212036A JP2009047204A JP 2009047204 A JP2009047204 A JP 2009047204A JP 2007212036 A JP2007212036 A JP 2007212036A JP 2007212036 A JP2007212036 A JP 2007212036A JP 2009047204 A JP2009047204 A JP 2009047204A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
shift
speed
transmission
accelerator opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007212036A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5145821B2 (ja
Inventor
Yasushi Yamamoto
康 山本
Masayuki Kasai
公幸 河西
Tomohisa Saku
智久 窄
Makoto Abe
阿部  誠
Susumu Fukunaga
晋 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2007212036A priority Critical patent/JP5145821B2/ja
Publication of JP2009047204A publication Critical patent/JP2009047204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5145821B2 publication Critical patent/JP5145821B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

【課題】エンジンと変速機とを搭載し、シフトマップにより自動的な変速機制御を行う車両において、登坂路等での無用のシフトアップあるいは運転者の意図に反するシフトアップを解消し、変速時の変速ショックやエンジンブレーキの制動力低下を防止する。
【解決手段】変速機制御装置の変速段決定手段では、車両の車速とエンジンのアクセル開度とに対応して設定されたシフトマップを用いて変速段を決定する(S2)。変速機制御装置は、アクセル開度に対応したシフトアップ禁止手段を備えており、アクセル開度が所定値以下であればシフトアップを実行しない(S7、S8)。その所定値は、車両に作用する勾配抵抗が増大すると増加するよう設定されているので、登坂路での無用のシフトアップに起因する頻繁な変速操作が解消され、また、運転者がアクセル開度を急激に低下させたときのエンジンブレーキ効果が確保できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の変速段を有する変速機を搭載した車両において、車両走行状態に応じて変速段を自動的に制御する変速制御装置に関するものである。
最近の車両では各種の装置の自動化が進展しており、動力伝達装置についても、車両の運転の容易化さらには運転者の疲労軽減のため、種々の自動的な車両用動力伝達装置が開発されている。トルクコンバータと遊星歯車機構を組み合わせた自動変速機がその代表的なものであり、いわゆるオートマ車(AT車)の動力伝達装置として広く普及している。自動変速機以外にも、いわゆるマニュアル車(MT車)と同様な平行軸歯車機構式変速機を使用して、これと自動操作クラッチとを組み合わせ、電子制御装置により車両の走行状態に応じて自動的に変速段を切り換える動力伝達装置が存在する。平行軸歯車機構式変速機を使用して自動的に変速を行う変速装置はAMTと呼ばれることがあり、以下では、この変速装置を「自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機」という。
自動変速機のトルクコンバータには伝達損失が存在し、また、遊星歯車機構及びその制御装置は複雑で高価なものである。自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機は、自動操作クラッチと組み合わされたものでトルクコンバータの介在に伴う伝達損失がないから、自動変速機よりも車両の燃料経済性の面では優れており、変速機構の構成や制御も自動変速機に比べ簡易かつ信頼性の高いものとなる。したがって、積載重量が大きく燃料経済性を重視するトラックなどでは、アクチュエータにより自動的な変速操作を行う自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機を用いる場合が多い。
自動的に変速段の切り換えを実行する変速機が搭載された車両の動力伝達装置について、その概要及び各機器の制御装置の全体的な関連を、図5によって説明する。
図5に示す車両には、動力伝達装置として、エンジン1、変速機2が搭載され両者の間にクラッチ(湿式多板クラッチ)3が配置してある。この例のエンジン1は、燃料噴射ポンプを備えたディーゼルエンジンであり、運転者の操作するアクセルペダル11の踏み込み量等に応じて燃料噴射ポンプを制御し、燃料供給量を変更するエンジン制御装置(ECU)12を有している。また、この例の変速機2は、自動変速制御の平行軸歯車機構式の多段変速機であり、変速機制御装置(TCU)21で制御され変速段を切り換えるアクチュエータ22を備えている。変速機2の出力軸は最終的には車輪4に連結され、車輪4にはその回転数により車速を検出する車速センサ5が設置される。変速機2の前方に配置されたクラッチ3は、変速段の切り換え時にクラッチを自動的に断接するクラッチ制御装置(CCU)31を有する。
なお、図5の動力伝達装置は、エンジン1とクラッチ3との間に流体継手(フルードカップリング)6を介在させたものである。流体継手6は、トルクコンバータのようにトルク増幅機能を備えたものではないが、これを介在させることにより、流体継手のポンプ61とタービン62との間の滑りを利用したスムースな車両の発進が可能となる。発進後車両が10km/h程度の所定速度に達した時点で、ポンプ61とタービン62とはロックアップクラッチ63によって一体的に締結され、エンジン1がクラッチ3に直接結合された状態となる。
変速機制御装置21は、車両走行状態に対応して変速段を決定する変速段決定手段を備えており、変速段決定手段には、車速とエンジンのアクセル開度(運転者のアクセルペダルの踏み込み量)とにより変速段を決定する、図6に示すようなシフトマップが格納されている。シフトマップは、車速とアクセル開度とに対応する変速段の領域を定めたものであり、車両の走行状態がシフトマップにおける変速点ラインを越えて別の変速段の領域に移行したときは、変速段決定手段が変速指令を出力し、変速機制御装置21は、アクチュエータ22を操作して変速段を変更する。車両走行時における最適な変速点は、低速段から高速段に変更するシフトアップの場合と、高速段から低速段に変更するシフトダウンの場合とでは異なるため、シフトマップには、シフトアップとシフトダウンのそれぞれに対応する変速点ラインが書き込んである。換言すれば、車速とエンジンのアクセル開度とにより決定される目標の変速段の領域は、シフトアップの場合とシフトダウンの場合とで相違するものとなっている。
シフトマップを使用する変速段決定手段は、図5に示すような自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機に限らず、自動変速機でも採用されるものである。例えば、特開昭63−167162号公報には平行軸歯車機構式変速機をシフトマップにより制御する変速制御装置が、また、特開2005−308096号公報には自動変速機をシフトマップにより制御する変速制御装置が開示されている。
特開昭63−167162号公報 特開2005−308096号公報
車両の車速は、アクセル開度を一定に保持した場合でも、車両が走行する路面の状況により変化する。そのため、シフトマップを使用し自動的に変速段を制御する変速機では、路面状況によっては変速段の切り換えが繰り返し起こることがある。例えば、登坂路において、図6におけるA点の2速の走行状態にある車両の速度が上昇し3速領域(シフトアップ用マップ)にあるB点に移ると、変速段はシフトアップして3速に切り換わる。2速よりもギヤ比の小さい3速への切り換えにより駆動トルクが減少すると、路面の勾配抵抗によって車速が減少し、車両走行状態が2速領域(シフトダウン用マップ)のC点に移行したときは、再び2速にシフトダウンされる。2速への切り換えで駆動トルクが増加すると、車両は増速され、B点に達したときには3速に切り換えられる。このように、シフトアップ、シフトダウンを繰り返すいわゆるハンチングが生じたときは、変速に伴う変速ショックが頻繁に発生して運転フィーリングの悪化をもたらすとともに、変速機や変速機操作装置に大きな負担をかける。
また、シフトマップを使用して変速段を制御する変速機では、運転者の意図に反してシフトアップが実行され、エンジンブレーキによる車両の減速効果が減殺されてしまうことがある。例えば、図6におけるD点の2速の走行状態にある車両がカーブに差し掛かったときに、減速のために運転者がアクセルペダルから足を離して急激にアクセル開度を低下させた場合には、車両の走行状態が、車速が元のままでアクセル開度が0%であるE点に移る。この過程で2速から3速への変速点ラインを通過するから、変速機制御装置は変速段を3速にシフトアップするが、エンジンブレーキによる減速効果は、車輪からエンジンを逆に駆動するときの抵抗に由来するものであって、3速におけるエンジンブレーキによる制動力は2速のときよりも小さい。その結果、車両の減速が遅れ、運転者の期待する減速効果が得られないこととなる。
本発明は、シフトマップを使用し自動的に変速機の変速段を制御する変速機制御装置において、登坂路等での頻繁な変速操作を解消し、さらには、運転者の意図に反するようなシフトアップを回避してエンジンブレーキによる制動力を確保することを課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明は、シフトマップにより変速段を切り換える変速機制御装置において、エンジンのアクセル開度が所定値以下の状態ではシフトアップを禁止し、しかも、そのアクセル開度の所定値を車両が走行する路面の勾配抵抗に応じて変更するものである。すなわち、本発明は、
「車両に搭載された変速機の変速段を制御する変速機制御装置であって、
前記変速機制御装置は、前記車両の車速と前記車両に搭載されたエンジンのアクセル開度とに対応して変速段を決定する変速段決定手段を有し、さらに、
前記変速機制御装置は、前記変速段決定手段により決定された変速段が現在の変速段よりも高速段である場合は、前記アクセル開度が所定値以下であるときには高速段への変速を禁止し、かつ、アクセル開度の前記所定値が前記車両に作用する勾配抵抗の増加に応じて増大するように設定されている」
ことを特徴とする変速機制御装置となっている。
請求項2に記載のように、前記変速機制御装置は、前記アクセル開度が所定時間以上連続して前記所定値を超えるときに、高速段への変速を行うものであることが好ましい。
請求項3に記載のように、本発明は、前記変速機制御装置により変速段の制御を行う平行軸歯車機構式変速機に好適なものである。
本発明の変速機制御装置は、車両の車速とエンジンのアクセル開度とに対応して変速段を決定する変速段決定手段、つまりシフトマップによって変速段を決める変速段決定手段を備え、車両走行時の変速段は、基本的には車速とアクセル開度とに応じて決定される。そして、本発明の変速機制御装置には、アクセル開度が所定値以下であるときには高速段への変速を禁止する変速禁止手段が設けてあり、シフトアップは、アクセル開度がその所定値を超えない限り、実行されることはない。シフトアップを許可するアクセル開度の所定値、すなわち変速許可最低アクセル開度は、車両に作用する勾配抵抗の増加に応じて増大するように設定されている。
したがって、本発明の変速機制御装置では、登坂路において、前述の図6におけるA点の2速の走行状態にある車両の速度が上昇しB点に移ったとしても、運転者が変速許可最低アクセル開度以上にアクセルペダルを踏み込んでいないときは、3速への切り換えが行われることはなく、駆動トルクの減少による車速の低下は生じない。車速の低下でシフトダウンの変速点ラインを通過しC点に移行することもないから、シフトアップ、シフトダウンを繰り返すハンチングは発生せず、車両に与える変速ショックや運転者に与えるフィーリングの悪化を回避することができる。また、無用なシフトアップが防止され、頻繁な変速作動、いわゆるシフトビジーが防止されるから、変速機等に過大な負担がかからずその耐久性に悪影響を及ぼすことがない。
運転者が変速許可最低アクセル開度を超えてアクセルペダルを踏み込んでいるときには、登坂路においてもシフトアップを実行するが、この場合にはエンジンの発生トルクが十分であって、シフトアップをしても車速は低下しない。変速許可最低アクセル開度は、車両に作用する勾配抵抗の増加に応じて増大するように設定されているので、路面の勾配が増加するにつれ、シフトアップにはより大きなアクセル開度が必要となり、車速の低下防止のために要するエンジントルクの増大を図ることができる。
そして、本発明の変速機制御装置では、運転者の意図しないシフトアップが実行され、エンジンブレーキの制動効果が減殺される事態が防止される。例えば、車両が前述の図6におけるD点の2速の走行状態にあるときに、カーブの手前で減速のために運転者がアクセルペダルから足を離すと、アクセル開度は急激に低下して0%となり、車両の走行状態はE点に移る。このアクセル開度は、当然変速許可最低アクセル開度以下であるから、シフトマップにおけるシフトアップの変速点ラインを通過していても3速への変速が禁止され、車両は2速の状態を保つ。そのため、アクセルペダルの開放に伴うエンジンブレーキの制動力が十分に確保され、車両の速度は迅速に減少することとなる。
請求項2の発明は、車両の走行状態が所定時間以上連続して変速許可最低アクセル開度を超えているときに、高速段への変速を行うようにしたものである。本発明の変速機制御装置は、車両に作用する勾配抵抗に応じて変化する変速許可最低アクセル開度を超えているときにシフトアップするものであるが、例えば、勾配抵抗の算出に要する測定値の検出信号に何らかの原因でノイズが混入し誤って変速許可最低アクセル開度が設定される虞れがある。ノイズはごく短時間で消滅するものであるから、車両の走行状態が所定時間以上連続して変速許可最低アクセル開度を超えているときにシフトアップを実行すると、検出信号のノイズに起因する不測の変速を防止することが可能である。
本発明は、シフトマップにより変速段を決める変速段決定手段を備えた変速機制御装置であれば、自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機にも自動変速機にも適用可能である。ただし、自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機では、変速の際にエンジンと変速機との間のクラッチが切断され、短時間、エンジン動力の伝達が遮断される関係で、変速ショックが自動変速機よりも大きい傾向にある。請求項3の発明のように、本発明を自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機に適用したときは、エンジン動力の遮断に伴う運転フィーリングの阻害も解消することができる。
以下、図面に基づいて本発明の変速機制御装置の実施例について記述するが、この実施例は、本発明を自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機に適用したものであって、車両の動力伝達装置の基本的な構成及び各機器の作動は、図5に示した従来のものと変わりはない。すなわち、本発明の変速機制御装置は、車両の車速センサ5からの信号とエンジンのアクセル開度(運転者のアクセルペダル11の踏み込み量)の信号が入力され、車速とアクセル開度とに対応するシフトマップにより変速段を決定する。変速機制御装置21から変速段の切り換え信号が出力されると、それに応じてアクチュエータ22が変速段を変更する。
本発明の変速機制御装置は、登坂路等での無用の変速を止め、かつ、エンジンブレーキの効果を確保するため、エンジンのアクセル開度が所定値(変速許可最低アクセル開度)以下の状態ではシフトアップを禁止するものであり、変速機制御装置の構成及び作動について図1のフローチャートにより説明する。
図1において、変速段を決定するフローがスタートすると、ステップS1では、車速センサにより検出される車速Vとアクセルセンサにより検出されるアクセル開度Aとの読み込みが行われる。次いで、ステップS2においては、制御装置に格納されたシフトマップを用い、読み込まれた車速Vとアクセル開度Aとに対応して目標とする変速段が決定される。本発明で使用するシフトマップは、従来の変速機制御装置における図6に示すシフトマップと同様なマップであって、シフトアップの変速点とシフトダウンの変速点とが書き込まれている。目標とする変速段の領域は、シフトアップ用のシフトマップとシフトダウン用のシフトマップとでは異なるものとなるため、ステップS2では、シフトアップ用の目標変速段Ndとシフトダウン用の目標変速段Nd’とがそれぞれ決定される。ステップS1及びステップS2は、本発明の変速段決定手段を構成するものとなっている。
ステップS3では、車両走行中の実際のギヤ段である現在の変速段Nrが読み込まれ、ステップS4及びステップS5において、変速段決定手段で決定された目標変速段Nd及びNd’と現在の変速段Nrとが比較される。ステップS4では、シフトアップ用の目標変速段Ndが現在の変速段Nrよりも大きいか否か、つまり車両走行状態がシフトアップを要するものか否かが判断される。ステップS4の判断が否である場合には、ステップS5でシフトダウン用の目標変速段Nd’がNrよりも小さいか否かが判断され、Nd’がNrより小さいときはステップS6に進んで変速機制御装置はシフトダウンの指令を出力する。ステップS5の判断が否である場合には、現在の変速段がシフトアップもシフトダウンも必要ない状態にあるので、変速指令を出力せずにフローを終了する。なお、シフトダウンについて許可条件を設定するステップを追加し、それが満足されたときにシフトダウンの指令を発するようにしてもよい。
ステップS4の判断がYesであり、車速Vとアクセル開度Aとにより決定されたシフトアップ用の目標変速段Ndが現在の変速段Nrよりも高速段である場合には、本発明の変速機制御装置においては、アクセル開度Aがシフトアップの変速に適正な変速許可最低アクセル開度を超えているかどうかを判断する。変速許可最低アクセル開度は、車両に作用する勾配抵抗の増加に応じて増大するように、勾配抵抗の関数として設定されている。そのため、ステップS7では、車両に作用する勾配抵抗の演算(後述)を実行し、ステップS8においては、勾配抵抗と変速許可最低アクセル開度Aminの関係を表す最低アクセル開度マップを用いて、アクセル開度Aが変速許可最低アクセル開度Aminを超えているかどうかの判断を実行する。
この実施例における変速許可最低アクセル開度Aminは、勾配抵抗に対応して図2に示すように設定されている。つまり、車両が下り坂を走行中で勾配抵抗が負であるときには変速許可最低アクセル開度Aminは一定値であり、登坂路を走行中で勾配抵抗が正の場合には、勾配抵抗の増大に比例して変速許可最低アクセル開度Aminが増加する。このような勾配抵抗と変速許可最低アクセル開度との関係は、変速許可最低アクセル開度におけるエンジン出力トルク等を勘案して設定することができる。
アクセル開度Aが変速許可最低アクセル開度Aminを超えている場合はステップS9に進み、変速機制御装置がシフトアップの指令を出力して、変速段は目標変速段Ndに切り換えられる。変速許可最低アクセル開度Amin以下である場合には、シフトアップの指令を出力することなくフローを終了し、高速段への変速を禁止する。
本発明の変速機制御装置の作動は、図3のシフトマップ(シフトアップの変速点ラインのみ表示)上においては、変速許可最低アクセル開度Amin以下のアクセル開度について変速を禁止する斜線部の領域を設けたことに相当するから、無用なシフトアップが防止され登坂路においてシフトアップ、シフトダウンを繰り返すハンチングも生じない。例えば、登坂路において、図3のA点(図6のA点と同じ。以降も同様)の2速走行状態にある車両の速度が上昇しB点に移ったとしても、変速許可最低アクセル開度Amin以下であるから3速への切り換えが行われることはなく、駆動トルクの減少による車速の低下は生じない。したがって、無用なシフトアップが防止され、変速機等に過大な負担がかからないと同時に、車両に与える変速ショックや運転者に与えるフィーリングの悪化を回避することができる。そして、変速許可最低アクセル開度Aminは、車両に作用する勾配抵抗の増加に応じて増大するように設定されているので、路面の勾配の状況に応じて、車速の低下が生じないエンジントルクを確保できる。
また、本発明の変速機制御装置では、運転者の意図しないシフトアップの実行が禁止され、エンジンブレーキの制動効果を確保することが可能である。例えば、車両が図3におけるD点の2速の走行状態にあるときに、減速のために運転者がアクセルペダルから足を離すと、車両の走行状態は3速領域であるE点に移る。しかし、このときのアクセル開度は変速許可最低アクセル開度Amin以下であるから、シフトアップが禁止されて車両は2速の状態を保ち、十分なエンジンブレーキの制動力により車両の速度は迅速に減少することとなる。
ここで、変速許可最低アクセル開度Aminを決定するために必要な、車両に作用する勾配抵抗の算出方法の一例について説明する。勾配抵抗Riは、車両が走行する路面の勾配をθ、車両の質量をM、重力加速度をgとすると次式で表すことができる。
Ri=Mgsinθ
車両には、車速を検出する車速センサとともに、加速度を検出する加速度センサを装着する。車両の前後方向の加速度は、車速センサで検出された車速を微分することによって算出される。また、加速度センサでは、勾配に伴う加速度成分であるgsinθの値が加算された加速度が検出されるから、路面の勾配θは、車速センサで検出された車速を微分した加速度と、加速度センサで検出された加速度とを対比することにより算出することができる。こうした路面の勾配θの測定方法は周知のものとなっている。車両の質量Mについては、車両のサスペンションに備えられたばねの変位をストロークセンサにより計測して求め、上記の式によって勾配抵抗を計算する。
ちなみに、図5に示す動力伝達装置には、エンジンとクラッチとの間に流体継手が配置してあり、車両発進時に流体継手の滑りを利用した発進を行う。このような動力伝達装置では、流体継手のポンプとタービンとの速度比に対する伝達トルクの関係を表すトルク特性を用いて車両駆動トルクを求め、かつ、路面勾配等の車両に働く抗力と車両の加速度とを演算等で求め、運動方程式(車両に作用する力=車両質量×車両加速度)を適用して車両質量Mを計算することができる。この車両質量Mの計算方法を用いると、ばねの変位を計測するストロークセンサが不要となる。
ところで、変速機制御装置の制御系統には、何らかの原因で外乱が発生したりノイズが混入する場合があり、例えば、勾配抵抗の演算のための検出信号にノイズが混入すると、誤って変速許可最低アクセル開度が設定され、不測のシフトアップ操作が行われることになる。図4には、そのようなノイズに起因する誤操作を防止する制御フローを示す。
図4のフローは、図1のフローのステップS8とS9との間にタイマー回路を設けたものである。このフローでは、ステップS8で変速許可最低アクセル開度Aminを超えると判断されたときは、ステップS81に移行してタイマーを1周期時間だけ進行させ、ステップS82に進む。ステップS82では、タイマーが所定時間(例えば1秒)進行したか否かをチェックし、進行していない場合は処理を終え、所定時間が経過したときにステップS91に進んでシフトアップの指令を出力する。そして、ステップS8において変速許可最低アクセル開度Amin以下であると判断された場合には、ステップS83に移行してタイマーをクリアする。したがって、図4のフローでは、ノイズの混入に起因してステップS8で変速許可最低アクセル開度を超えると判断されたとしても、ノイズはごく短時間で消滅するからシフトアップが指令されることはなく、誤った判断に基づくシフトアップが防止される。
以上詳述したように、本発明は、シフトマップにより変速段を切り換える変速機制御装置において、エンジンのアクセル開度が所定値以下の状態ではシフトアップを禁止し、しかも、その所定値を車両が走行する路面の勾配抵抗に応じて変更して、登坂路での頻繁な変速操作を解消し、エンジンブレーキによる制動力を確保するものである。よって、本発明の変速機制御装置が、シフトマップを利用する制御装置であれば、自動変速機と自動変速制御の平行軸歯車機構式変速機とを問わず適用できることはいうまでもない。また、上記実施例では、シフトアップを禁止するアクセル開度が所定値を図2のように設定しているが、例えば、所定値の数値を変更したり、あるいは変速段に対応して複数の所定値を設定するなど、上記実施例に対し各種の変更が可能であることは明らかである。
本発明の変速機制御装置の作動を示すフローチャートである。 本発明の変速機制御装置で用いる変速許可最低アクセル開度のマップを表す 図である。 本発明の変速機制御装置のシフトアップ禁止作動を説明する図である。 図1のフローチャートの変形例である。 車両における動力伝達装置とその制御装置を示す図である。 変速機制御装置の一般的なシフトマップを示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 変速機
21 変速機制御装置
3 クラッチ
31 クラッチ制御装置
5 車速センサ
S1〜S9 制御フローの各ステップ

Claims (3)

  1. 車両に搭載された変速機の変速段を制御する変速機制御装置であって、
    前記変速機制御装置は、前記車両の車速と前記車両に搭載されたエンジンのアクセル開度とに対応して変速段を決定する変速段決定手段を有し、さらに、
    前記変速機制御装置は、前記変速段決定手段により決定された変速段が現在の変速段よりも高速段である場合は、前記アクセル開度が所定値以下であるときには高速段への変速を禁止し、かつ、アクセル開度の前記所定値が前記車両に作用する勾配抵抗の増加に応じて増大するように設定されていることを特徴とする変速機制御装置。
  2. 前記変速機制御装置は、前記アクセル開度が所定時間以上連続して前記所定値を超えるときに、高速段への変速を行う請求項1に記載の変速機制御装置。
  3. 前記変速機が、前記変速機制御装置により変速段の制御を行う平行軸歯車機構式変速機である請求項1又は請求項2に記載の変速機制御装置。
JP2007212036A 2007-08-16 2007-08-16 車両用変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP5145821B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007212036A JP5145821B2 (ja) 2007-08-16 2007-08-16 車両用変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007212036A JP5145821B2 (ja) 2007-08-16 2007-08-16 車両用変速機の変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009047204A true JP2009047204A (ja) 2009-03-05
JP5145821B2 JP5145821B2 (ja) 2013-02-20

Family

ID=40499607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007212036A Expired - Fee Related JP5145821B2 (ja) 2007-08-16 2007-08-16 車両用変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5145821B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114658838A (zh) * 2022-03-22 2022-06-24 陕西法士特齿轮有限责任公司 一种自动变速器档位控制方法及计算机程序产品

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59147945U (ja) * 1983-03-24 1984-10-03 日産ディーゼル工業株式会社 車両の自動変速機
JPS6198635U (ja) * 1984-12-06 1986-06-24
JPH0241941A (ja) * 1988-07-30 1990-02-13 Aisin Aw Co Ltd 車両のクルーズ制御による定走行状態におけるハンチング防止方法及びそのための電子制御装置
JPH0658395A (ja) * 1992-08-05 1994-03-01 Jatco Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07127731A (ja) * 1993-11-05 1995-05-16 Unisia Jecs Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07167273A (ja) * 1993-12-16 1995-07-04 Mitsubishi Electric Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07305762A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Mazda Motor Corp 半自動変速機の制御装置
JPH07315079A (ja) * 1994-05-25 1995-12-05 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のシフトハンチング防止装置
JPH0972414A (ja) * 1995-09-07 1997-03-18 Unisia Jecs Corp 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH10252885A (ja) * 1997-03-14 1998-09-22 Unisia Jecs Corp 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2000337503A (ja) * 1999-05-27 2000-12-05 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP2002323130A (ja) * 2001-04-24 2002-11-08 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機の変速制御装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59147945U (ja) * 1983-03-24 1984-10-03 日産ディーゼル工業株式会社 車両の自動変速機
JPS6198635U (ja) * 1984-12-06 1986-06-24
JPH0241941A (ja) * 1988-07-30 1990-02-13 Aisin Aw Co Ltd 車両のクルーズ制御による定走行状態におけるハンチング防止方法及びそのための電子制御装置
JPH0658395A (ja) * 1992-08-05 1994-03-01 Jatco Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07127731A (ja) * 1993-11-05 1995-05-16 Unisia Jecs Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07167273A (ja) * 1993-12-16 1995-07-04 Mitsubishi Electric Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH07305762A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Mazda Motor Corp 半自動変速機の制御装置
JPH07315079A (ja) * 1994-05-25 1995-12-05 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機のシフトハンチング防止装置
JPH0972414A (ja) * 1995-09-07 1997-03-18 Unisia Jecs Corp 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH10252885A (ja) * 1997-03-14 1998-09-22 Unisia Jecs Corp 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2000337503A (ja) * 1999-05-27 2000-12-05 Nissan Motor Co Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP2002323130A (ja) * 2001-04-24 2002-11-08 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機の変速制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114658838A (zh) * 2022-03-22 2022-06-24 陕西法士特齿轮有限责任公司 一种自动变速器档位控制方法及计算机程序产品
CN114658838B (zh) * 2022-03-22 2023-12-08 陕西法士特齿轮有限责任公司 一种自动变速器档位控制方法及计算机存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP5145821B2 (ja) 2013-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4306713B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法、その制御方法をコンピュータで実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4432984B2 (ja) 自動変速機の制御装置
US8165763B2 (en) Method for controlling shifting of a stepped automatic transmission
JP4918570B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2009047216A (ja) 車両用変速機の変速制御装置
JP4175291B2 (ja) 車両の減速制御装置
KR101124927B1 (ko) 자동 변속기의 제어 장치 및 제어 방법
JP4386095B2 (ja) 無段変速機の制御装置、制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP2008133731A (ja) 車両用動力伝達装置の変速時制御装置
JP5194753B2 (ja) 車両用変速機の変速制御装置
JP4538306B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御方法及びシステム
JP4848769B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP5145821B2 (ja) 車両用変速機の変速制御装置
JP5223206B2 (ja) 車両の速度制限装置
JP4792818B2 (ja) 自動変速制御装置
JP4696692B2 (ja) 自動変速制御装置
JP4924562B2 (ja) 車両の発進制御装置
JP4415310B2 (ja) 自動変速制御装置
WO2018051632A1 (ja) 自動変速機用制御装置
JP5034767B2 (ja) 車両用変速機の変速制御装置
JP7315015B2 (ja) 車両の定速走行制御方法及び車両の定速走行制御装置
KR20120001430A (ko) 자동변속기의 변속제어장치 및 방법
JP4591031B2 (ja) 自動変速機の制御装置
WO2008069109A1 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP5963352B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120904

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5145821

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151207

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees