JP2009046380A - 封着用ガラス組成物 - Google Patents

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【課題】本発明は、近年の環境的要請を満たしつつ、熱膨張係数が小さく、しかも600℃以下の温度で良好に流動する封着用ガラス組成物を得ることを技術的課題とする。
【解決手段】本発明の封着用ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Bi23 60〜77%未満、B23 5〜20%、ZnO 3〜15%、SiO2 1〜7%(但し、1%は含まない)含有し、且つ30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数が100×10-7/℃以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高輝度放電ランプ(HIDランプ、High Intensity Discharged Lamp)等の封着に好適な封着用ガラス組成物に関するものである。
従来から封着材料としてガラスが用いられている。ガラスは、樹脂系の接着剤に比べ、化学的耐久性および耐熱性に優れるとともに、気密信頼性を確保するのに適している。封着用ガラスは、用途によっては機械的強度、流動性、電気絶縁性等の種々の特性が要求されるが、これらの特性を満足するガラスとして、PbOを多量に含有する鉛ホウ酸系ガラスが広く用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
ところが、最近、鉛ホウ酸系ガラスに含まれるPbOに対して環境上の問題が指摘されており、鉛ホウ酸系ガラスを無鉛ガラスに置き換えることが望まれている。そのため、鉛ホウ酸系ガラスの代替品として、様々な無鉛ガラスが開発されている。その中でも、特許文献2に記載されているビスマス系ガラス(Bi23−B23系ガラス)は、化学耐久性、機械的強度等の諸特性が鉛ホウ酸系ガラスと略同等であるため、その代替候補として期待されている。
特開平5−17179号公報 特開平10−139478号公報
近年、高輝度放電ランプ、特に高圧メタルハライドランプは、高効率、長寿命、高出力、高演色性等の特性を有するため、車載用ヘッドライトとして用いられるようになってきた。
一般に、高圧メタルハライドランプは、メタルハライド、Hg、希ガス等を充填した放電容器を有している。また、高圧メタルハライドランプは、放電容器を囲み、放電容器を熱的に遮断する外管を有している。また、外管は、放電容器の破損を防止し、有害な紫外線を遮蔽する作用も有している。さらに、外管は、ランプ基材に固定されており、ランプ基材には、2つの電流供給部材(ピン)が固定されている。また、外管と放電容器の間の空間は、熱を遮断するために真空になっており、そのため、ランプ基材には、上記空間を真空にするための排気管が固定されている。通常、外管およびランプ基材には、ホウ珪酸ガラス、セラミックス等の低膨張材料(熱膨張係数が40〜60×10-7/℃)が使用されており、電流供給部材および排気管にはコバール等の金属材料が使用されている。
外管内を真空に保つためには、外管とランプ基材を気密に封着する必要がある。外管とランプ基材を封着する方法には、バーナー等で加熱して、外管とランプ基材を融着する方法、ガラス粉末等を含有する封着材料により外管とランプ基材を封着する方法があるが、近年では、気密信頼性を確保するために、後者の方法が採用されつつある。特に、高輝度放電ランプ等の製造工程を簡略化するために、リング状の封着タブレットをランプ基材上に固定し、外管とランプ基材を封着する方法が検討されている。
図1は、高圧メタルハライドランプ1の断面概念図を示している。図1から明らかなように、封着材料4を介して、外管2とランプ基材5が封着されている。また、電流供給部材3は、ランプ基材5に挿入されて、封着材料4によりランプ基材5に固定されている。さらに、排気管6は、ランプ基材5に挿入されて、封着材料4によりランプ基材5に固定されている。なお、外管2の内部には、放電容器(図示せず)が配置されている。
高輝度放電ランプに使用する封着材料には、次のような特性が要求される。
(1)外管およびランプ基材の熱膨張係数と整合していること、つまり低膨張であること。
(2)外管およびランプ基材の耐熱温度以下で封着できること、具体的には600℃以下の温度で良好に流動すること。
(3)耐失透性に優れること、具体的には600℃以下の温度で失透し難いこと。
(4)PbO等の環境負荷物質を極力含有しないこと。
従来の鉛ホウ酸系ガラスは、低膨張のチタン酸鉛固溶体と適合性が良く、ガラス粉末にチタン酸鉛固溶体を添加すれば、封着材料の熱膨張係数を40〜60×10-7/℃程度にすることができる(例えば、特許文献1参照)。この封着材料を用いて、外管とランプ基材を封着すれば、外管やランプ基材に応力が残留し難く、高輝度放電ランプ内の気密信頼性を確保することができる。しかし、既述の通り、鉛ホウ酸系ガラスは、ガラス組成中のPbOの含有量が多いため、近年の環境的要請を満たすことができず、同様にして、チタン酸鉛固溶体は、PbOを主成分として含有しているため、近年の環境的要請を満たすことができない。
また、特許文献2に記載のビスマス系ガラスは、熱的安定性が乏しく、低膨張の耐火性フィラー粉末と適合性が悪いことに加えて、ガラス自体の熱膨張係数が100×10-7/℃より大きい。よって、特許文献2に記載の封着材料を用いて、外管とランプ基材を封着すると、外管およびランプ基材に不当な応力が残留し、結果として、外管およびランプ基材にクラックが発生し、高輝度放電ランプ内の気密信頼性を確保することができない。
封着材料の熱膨張係数を低下させるためには、耐火性フィラー粉末との適合性を向上させることが重要であるが、ガラス自体の熱膨張係数を低下させることも重要である。そこで、本発明は、近年の環境的要請を満たしつつ、熱膨張係数が小さく、しかも600℃以下の温度で良好に流動する封着用ガラス組成物を得ることを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、ガラス組成範囲を、質量%で、Bi23 60〜77%未満、B23 5〜20%、ZnO 3〜15%、SiO2 1〜7%(但し、1%は含まない)に規制するとともに、30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数を100×10-7/℃以下に規制することで上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の封着用ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Bi23 60〜77%未満、B23 5〜20%、ZnO 3〜15%、SiO2 1〜7%(但し、1%は含まない)含有し、且つ30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数が100×10-7/℃以下であることに特徴付けられる。ここで、「30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数」は、押棒式熱膨張係数測定(TMA)装置で測定した値を指す。
第二に、本発明の封着用ガラス組成物は、ガラス組成として、更に、BaO 1〜10質量%含有し、且つモル比でZnO/BaOの値が3より大きいことに特徴付けられる。
第三に、本発明の封着用ガラス組成物は、ガラス組成として、質量%で、Bi23 60〜77%未満、B23 6〜15%、ZnO 5〜15%、BaO 1〜9%、CuO 0〜5%、Fe23 0〜2%、SiO2 1〜5%(但し、1%は含まない)、Al23 0〜7%含有し、且つモル比でZnO/BaOの値が3より大きいことに特徴付けられる。
第四に、本発明の封着用ガラス組成物は、ガラス組成として、更に、Al23を1〜7質量%含有することに特徴付けられる。
第五に、本発明の封着用ガラス組成物は、非結晶性であることに特徴付けられる。ここで、「非結晶性」とは、示差熱分析(DTA)装置の測定で600℃までに結晶化ピークが発現しないものを指す。ここで、DTAは、大気中で行い、測定試料の平均粒子径D50は10μmとし、昇温速度10℃/分で室温から測定を開始する。なお、本発明において、「平均粒子径D50」はレーザー回折法で測定した値を指す。
第六に、本発明の封着用ガラス組成物は、実質的にPbOを含有しないことに特徴付けられる。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以下の場合を指す。
第七に、本発明の封着用ガラス組成物は、ランプの封着に用いることに特徴付けられる。
本発明の封着用ガラス組成物において、ガラス組成範囲を上記のように限定した理由は下記の通りである。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を指す。
Bi23は、ガラスの軟化点を低くするための主要成分であり、その含有量は、60〜77%未満、好ましくは64〜77%未満、より好ましくは69〜77%未満、更に好ましくは71〜76%である。Bi23の含有量が60%より少ないと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎて、600℃以下の温度で流動し難くなる。一方、Bi23の含有量が77%以上であると、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなるとともに、ガラスの原料コストが高騰する。更に、Bi23の含有量が77%以上であると、ガラスの熱膨張係数が上昇しやすくなる。
23は、ガラス形成成分として必須の成分であり、その含有量は5〜20%、好ましくは6〜15%、より好ましくは7〜13%である。B23の含有量が5%より少ないと、ガラスネットワークが十分に形成され難いため、ガラスが失透しやすくなる。一方、B23の含有量が20%より多いと、ガラスの粘性が高くなる傾向があり、600℃以下の温度で流動し難くなる。
ZnOは、ガラスの失透を抑制するとともに、ガラスの粘性の上昇を抑制する効果があり、その含有量は3〜15%、好ましくは5〜15%、より好ましくは7〜13%である。ZnOの含有量が3%より少ないと、ガラスの失透を抑制する効果が得られ難くなるとともに、ガラスの熱膨張係数が上昇しやすくなり、しかもガラスの粘性が高くなる傾向があり、600℃以下の温度で流動し難くなる。一方、ZnOの含有量が15%より多いと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。
SiO2は、封着材料を焼成する際に、ガラスの表面に結晶が析出する事態を抑制するとともに、ガラスの耐水性を向上させ、更にはガラスの熱膨張係数を低下させる成分であり、それらの含有量は1〜7%(但し、1%は含まない)、好ましくは1〜5%(但し、1%は含まない)、より好ましくは1.1〜4%である。SiO2の含有量が1%以下であると、上記効果が得られ難くなる。一方、SiO2の含有量が7%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、600℃以下の温度で流動し難くなる。
本発明の封着用ガラス組成物は、上記成分以外にも、下記の成分を含有させてもよい。
BaOは、溶融時にガラスの失透を抑制する効果がある成分であり、その含有量は0〜10%が好ましく、1〜7%がより好ましく、1〜5%が更に好ましい。特に、BaOの含有量を1〜7%とすれば、ガラスの粘性の上昇を抑制しながら、ガラスの熱的安定性を向上させることができる。BaOの含有量が10%より多いと、ガラス転移点が高くなり過ぎ、600℃以下の温度で流動し難くなるとともに、ガラスの熱膨張係数が高くなりやすい。
モル比ZnO/BaOは、ガラスの熱膨張係数およびガラスの粘性に影響を及ぼす成分比率であり、その値は3より大きいことが好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上が更に好ましく、10.0以上が特に好ましい。モル比ZnO/BaOの値が3以下であると、ガラスの熱膨張係数が上昇しやすくなり、30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数が100×10-7/℃以下になり難くなる。モル比ZnO/BaOの値は、特に上限はないが、ガラスの熱的安定性を考慮すれば、40.0以下にするのが好ましく、30.0以下にするのがより好ましい。
CuOは、ガラスの失透を抑制する効果がある成分であり、その含有量は0〜5%が好ましく、0〜3%がより好ましく、0.1〜2.5%が更に好ましい。CuOの含有量が5%より多いと、他の成分とのバランスを欠き、逆に結晶の析出速度が大きくなって、すなわち失透傾向が増大して、ガラスの流動性が悪くなる傾向がある。
Fe23は、溶融時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜2%が好ましく、0〜1%がより好ましく、0.1〜0.7%が更に好ましい。Fe23の含有量が2%より多いと、溶融時にガラスが分相しやすくなる。
Al23は、封着材料を焼成する際に、ガラスの表面に結晶が析出する事態を抑制するとともに、ガラスの耐水性を向上させ、更にはガラスの熱膨張係数を低下させる成分であり、それらの含有量は0〜7%が好ましく、1〜7%がより好ましく、1〜5%が更に好ましく、1〜3%が特に好ましい。Al23の含有量が7%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、600℃以下の温度で流動し難くなる。
本発明者は、詳細に調査した結果、本発明の封着用ガラス組成物において、必須成分として、SiO2とAl23を共存させると、低軟化特性を維持しつつ、ガラスの熱膨張係数を顕著に低下できることを見出した。例えば、SiO2を6%含有するガラス(Al23を含有しない)と比較して、他の成分の含有量が同じで、SiO2成分を3%、Al23を3%含有するガラスは、ガラス転移点が同等であるが、熱膨張係数が4×10-7/℃程度低くなる。
SrO、MgOおよびCaOは、溶融時にガラスの失透を抑制する効果がある成分であり、これらの成分の合量(SrO+MgO+CaO)は0〜10%とするのが好ましく、0〜7%とするのがより好ましい。SrO+MgO+CaOの含有量が10%より多いと、ガラス転移点が高くなる傾向がある。なお、SrO、MgOおよびCaOの含有量は、それぞれ0〜5%とするのが好ましい。SrO、MgOおよびCaOの含有量がそれぞれ5%より多いと、他の成分とのバランスを欠き、逆に結晶の析出速度が大きくなって、すなわち失透傾向が増大して、ガラスの流動性が悪くなる傾向がある。
CeO2は、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%が好ましく、0〜3%がより好ましく、0〜1%が更に好ましい。CeO2の含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が上昇し、600℃以下の温度で流動し難くなる。
WO3は、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%が好ましく、0〜2%がより好ましい。ビスマス系ガラスの軟化点を下げるためには、主要成分のBi23の含有量を多くする必要があるが、Bi23の含有量を多くすると、焼成時にガラスが失透しやすくなる。特に、Bi23の含有量が70%以上であると、その傾向が顕著になる。そこで、WO3を適量添加すれば、Bi23の含有量が70%以上であっても、ガラスの失透を抑制することができる。一方、WO3の含有量が5%より多いと、他の成分とのバランスを欠き、逆にガラスの熱的安定性が悪化する傾向がある。
Sb23は、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%が好ましく、0〜2%がより好ましい。ビスマス系ガラスの軟化点を下げるためには、主要成分のBi23の含有量を多くする必要があるが、Bi23の含有量を多くすると、焼成時にガラスが失透しやすくなる。特に、Bi23の含有量が70%以上であると、その傾向が顕著になる。そこで、WO3を適量添加すれば、Bi23の含有量が70%以上であっても、ガラスの失透を抑制することができる。一方、Sb23の含有量が5%より多いと、他の成分とのバランスを欠き、逆にガラスの熱的安定性が悪化する傾向がある。
In23+Ga23は、ガラスの失透を抑制するための成分であり、焼成時にビスマス系ガラスに結晶が析出して、流動性が損なわれることを防止する目的で添加される成分である。In23+Ga23の含有量は0〜7%が好ましく、0〜5%がより好ましく、0〜3%が更に好ましい。ビスマス系ガラスの軟化点を下げるためには、主要成分のBi23の含有量を多くする必要があるが、Bi23の含有量を多くすると、焼成時にガラスが失透しやすくなる。特に、Bi23の含有量が70%以上であると、その傾向が顕著になる。そこで、In23+Ga23を適量添加すれば、Bi23の含有量が70%以上であっても、ガラスの失透を抑制することができる。一方、In23+Ga23の含有量が7%より多いと、他の成分とのバランスを欠き、逆にガラスの熱的安定性が悪化する傾向がある。特に、ガラスの失透を抑制する目的から、In23の含有量を0〜3%に規制するのが好ましい。また、同様の理由でGa23の含有量を0〜3%に規制するのが好ましい。
Li2O、Na2O、K2OおよびCs2Oのアルカリ金属酸化物は、ガラスの軟化点を低くする成分であるが、溶融時にガラスの失透を促進する作用を有するため、これらの成分の合量は2%以下とするのが好ましい。
25は、溶融時にガラスの失透を抑制する成分であるが、その含有量が多いと、溶融時にガラスが分相しやくなる。それ故、P25の含有量は1%以下とするのが好ましい。
MoO3+La23+Y23(MoO3、La23およびY23の合量)は、溶融時にガラスの分相を抑制する効果があるが、これらの成分の合量が多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、600℃以下の温度で流動し難くなる。それ故、これらの成分の合量は3%以下とするのが好ましい。
既述の通り、本発明の封着用ガラス組成物は、環境的要請から、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。また、ガラス組成中にPbOを含有させると、ガラス中にPb2+が拡散して、電気絶縁性が低下するおそれがある。
なお、本発明の封着用ガラス組成物は、ガラス組成として、上記成分以外にも、他の成分を10%まで導入することができる。
上記封着用ガラス組成物において、各成分の好適な含有範囲を適宜選択し、好ましいガラス組成範囲とすることは、可能である。その中でも、ガラス組成範囲として、Bi23 60〜77%未満、B23 6〜15%、ZnO 5〜15%、BaO 1〜9%、CuO 0〜5%、Fe23 0〜2%、SiO2 1〜5%(但し、1%は含まない)、Al23 0〜5%含有し、且つモル比でZnO/BaOの値が3より大きいことがより好ましい。このようにすれば、ガラスの熱膨張係数を確実に低下させることができる。
本発明の封着用ガラス組成物において、30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数は100×10-7/℃以下、好ましくは98×10-7/℃以下、より好ましくは96×10-7/℃以下である。30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数が100×10-7/℃より大きいと、耐火性フィラー粉末を添加しても、封着材料の熱膨張係数が十分に低下せず、熱膨張係数が小さいホウ珪酸ガラス等を封着し難くなる。30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数の下限値は、特に限定されないが、一般的にガラスの熱膨張係数が小さいと、ガラスの軟化点が上昇しやすくなるため、30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数は65×10-7/℃以上に設定するのが目安になる。
本発明の封着用ガラス組成物において、軟化点は550℃以下が好ましく、520℃以下がより好ましく、500℃以下が更に好ましく、480℃以下が特に好ましい。軟化点が550℃より高いと、600℃以下の焼成でガラスが流動し難くなり、所望の封着強度を確保できないおそれが生じる。
本発明の封着用ガラス組成物は、非結晶性(非晶質)であることが好ましい。このようにすれば、600℃以下の焼成でガラスの表面に結晶が析出し難く、つまりガラスが流動する前に、ガラスが失透し難く、所望の流動性を確保しやすくなる。また、封着用ガラス組成物が非結晶性であると、封着強度が高まり、高輝度放電ランプ等の気密信頼性を確保しやすくなる。
本発明の封着用ガラス組成物は、被封着物との熱膨張係数差が適切である場合には、ボールミル等の粉砕機を用いて、ガラス粉末に加工し、そのまま封着材料として使用することができる。
また、熱膨張係数が適合しない材料、例えばホウ珪酸ガラス(40〜60×10-7/℃)等を封着する場合、本発明の封着用ガラス組成物からなるガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加し、被封着物の熱膨張係数に整合させることが重要である。これは、封着部位(封着層)および被封着物にかかる歪を小さくして、封着部位および被封着物の応力破壊を防ぐためである。また、熱膨張係数の調整以外にも、例えば機械的強度の向上のために、耐火性フィラー粉末を添加することもできる。
ガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加する場合、その混合割合は、ガラス粉末35〜100%、耐火性フィラー粉末0〜65%が好ましく、ガラス粉末35〜95体積%、耐火性フィラー粉末5〜65体積%がより好ましく、ガラス粉末55〜75体積%、耐火性フィラー粉末25〜45体積%が更に好ましく、ガラス粉末40〜60体積%、耐火性フィラー粉末40〜60体積%が特に好ましい。両者の割合をこのように規定した理由は、耐火性フィラー粉末が5体積%より少ないと、被封着物と熱膨張係数が整合し難くなり、残留応力により封着部位および被封着物が破壊しやすくなり、65体積%より多いと、相対的にガラス粉末の含有量が少なくなるため、封着材料の流動性が悪くなり、高輝度放電ランプ等の気密信頼性を維持し難くなる。
耐火性フィラー粉末は、ガラス粉末に添加しても熱的安定性を低下させない程度に反応性が低いことが要求されるとともに、熱膨張係数が低く、機械的強度が高いことも要求される。また、耐火性フィラー粉末としては、環境的要請から、実質的にPbOを含有しない耐火性フィラー粉末を使用するのが好ましい。このような観点から、耐火性フィラー粉末は、ウイレマイト、ジルコン、酸化スズ、コーディエライト、β−ユークリプタイト、石英ガラス、アルミナ、ムライト、アルミナ−シリカ系セラミックス、リン酸ジルコニウム化合物(例えば、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム等)、タングステン酸ジルコニウムおよびNZP型結晶(例えばNbZr(PO43、 [AB2(MO43]の基本構造をもつ結晶物、
A:Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cu、Ni、Mn等
B:Zr、Ti、Sn、Nb、Al、Sc、Y等
M:P、Si、W、Mo等)
若しくはこれらの固溶体が使用可能である。特に、コーディエライトは、ビスマス系ガラスの失透を抑制する効果が高く、低膨張であり、更には機械的強度に優れているため、好ましい。
また、耐火性フィラー粉末は、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコン、チタニア、ジルコニア等で被覆すると、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末との間での反応を調整することができる。
本発明の封着用ガラス組成物は、ランプの封着に用いることが好ましく、高輝度放電ランプの封着に用いることがより好ましく、高圧メタルハライドランプの封着に用いることが更に好ましい。本発明の封着用ガラス組成物を用いて、ランプを封着すると、製造工程を簡略化できるとともに、気密信頼性を確保することができる。
本発明の封着用ガラス組成物は、熱膨張係数が100×10-7/℃以下であるため、封着用ガラス組成物からなるガラス粉末に耐火性フィラー粉末を適量添加すれば、ホウ珪酸ガラス等の熱膨張係数に整合させやすい。また、本発明の封着用ガラス組成物は、低融点であるため、600℃以下の温度で良好に流動するとともに、耐失透性に優れるため、600℃以下の温度で失透し難い。さらに、本発明の封着用ガラス組成物は、PbOを実質的に含有しない態様にすることができるため、近年の環境的要請を満たすことができる。したがって、本発明の封着用ガラス組成物を用いると、封着材料に求められる既述の特性(1)〜(4)を満たすことができるため、高輝度放電ランプの外管とランプ基材を良好に封着することができる。なお、本発明の封着用ガラス組成物は、電流供給部材とランプ基材の封着、排気管とランプ基材の封着にも好適である。
本発明の封着用ガラス組成物からなるガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加し、封着材料とした場合、封着材料の軟化点は570℃以下が好ましく、540℃以下がより好ましく、500℃以下が更に好ましく、480℃以下が特に好ましい。封着材料の軟化点が570℃より高いと、600℃以下の焼成で流動し難くなり、所望の封着強度を確保できないおそれが生じる。ここで、「軟化点」とは、マクロ型DTA装置で測定した値を指す。ここで、DTAは、大気中で行い、昇温速度10℃/分とし、室温から測定を開始する。
高輝度放電ランプ等の製造工程において、封着材料は、ビークルと混合し、ペースト状にして被封着物に塗布されたり、タブレットに加工して、被封着物に固定されたりする。
ガラスペーストの塗布は、スクリーン印刷機やディスペンサー等の塗布機で行われる。ガラスペーストは、所望の封着パターンを正確に形成するために、適正な粘度に規制する必要がある。また、ガラスペーストは、塗布後、速やかに乾燥し、グレーズ工程で有機樹脂が良好に分解することも要求される。このような事情から、ビークルは、一般的に、揮発しやすい有機溶媒に、低温で分解しやすい有機樹脂を溶かしたものが使用される。
有機樹脂は、ペーストの粘度を調整する成分であり、その添加量は、封着材料100質量%に対し、1〜20質量%であることが好ましい。有機樹脂として、アクリル樹脂、エチルセルロ−ス、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル樹脂、ニトロセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
有機溶媒は、封着材料をペースト化するための成分であり、その添加量は、封着材料100質量%に対し、5〜30質量%であることが好ましい。有機溶媒として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、有機樹脂等の溶解性も良好であるため、好ましい。
本発明の封着用ガラス組成物からなるガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加し、封着材料とした場合、封着材料を封着タブレットに加工することが好ましい。このようにすれば、高輝度放電ランプ等の製造工程を簡略化することができる。ここで、封着タブレットの形状は、特に限定されないが、高輝度放電ランプ等のランプ基材への固定を想定すれば、リング状が好ましい。封着タブレットは、以下のように複数回の熱処理工程を別途独立に経て、製造される。まず、封着材料に有機樹脂や有機溶剤を添加し、スラリーを形成する。その後、このスラリーをスプレードライヤー等の造粒装置に投入し、顆粒を作製する。その際、顆粒は、有機溶剤が揮発する程度の温度(100〜200℃程度)で熱処理される。さらに、作製された顆粒は、所定の寸法に設計された金型に投入され、リング状に乾式プレス成型され、プレス体が作製される。次に、ベルト炉等の熱処理炉にて、このプレス体に残存するバインダーを分解揮発させるとともに、ガラス粉末の軟化点程度の温度で焼結し、封着タブレットが作製される。また、熱処理炉での焼結は、複数回行われる場合がある。焼結を複数回行うと、封着タブレットの強度が向上し、封着タブレットの欠損、破壊等を防止することができる。
有機樹脂は、粉末同士を結合し、顆粒化するための成分であり、その添加量は、封着材料100質量%に対し、0〜20質量%であることが好ましい。有機樹脂として、アクリル樹脂、エチルセルロ−ス、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル樹脂は、熱分解性が良好であるため、好ましい。
封着材料を顆粒化する際に、有機溶媒を添加すれば、スプレードライヤー等で顆粒化しやすくなるとともに、顆粒の粒度を調整しやすくなる。有機溶媒の添加量は、封着材料100質量%に対し、5〜35質量%であることが好ましい。有機溶媒として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、トルエンは、有機樹脂等の溶解性も良好であり、150℃程度で良好に揮発するため、好ましい。
本発明の封着用ガラス組成物は、有機ELディスプレイの封着に用いることが好ましい。このようにすれば、有機ELディスプレイ内の気密性を確保することができ、その結果、有機発光層等の経時劣化を防ぐことができ、有機ELディスプレイの長寿命化を図ることができる。有機ELディスプレイは、有機発光層やTFT等が熱劣化しやすいため、低温で封着する必要がある。このような事情から、有機ELディスプレイでは、構成部材の熱劣化を抑制するために、レーザー光等で封着材料を局所加熱し、ガラス基板同士を封着している。本発明の封着用ガラス組成物において、ガラス組成として、CuO+Fe23(CuOとFe23の合量)の含有量を0.1%以上とすれば、レーザー光等を吸収しやすく、本用途に好適に使用することができる。また、本発明の封着用ガラス組成物は、600℃以下の温度域で良好に流動するため、レーザー光等の局所加熱でガラス基板同士を強固に封着することができる。
有機ELディスプレイの封着に用いる場合、本発明の封着用ガラス組成物からなるガラス粉末に耐火性フィラー粉末を添加し、得られる封着材料の熱膨張係数を65×10-7/℃未満に規制することが好ましく、60×10-7/℃未満に規制することがより好ましい。一般的に、有機ELディスプレイは、ガラス基板として、無アルカリガラス基板(40×10-7/℃以下)が使用される。封着材料の熱膨張係数を65×10-7/℃未満に規制すれば、無アルカリガラス基板の熱膨張係数に整合しやすくなり、封着部位に不当な応力が残留し難くなる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1〜3は、本発明の実施例(試料No.1〜16)、本発明の比較例(試料No.17、18)を示している。
表1〜3に記載の各試料は次のようにして調製した。
まず、表中に示したガラス組成となるように各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1000〜1200℃で2時間溶融した。次に、溶融ガラスの一部をTMA用試料としてステンレス製の金型に流し出し、その他の溶融ガラスは、水冷ローラーにより、薄片状に成形した。最後に、薄片状のガラスをボールミルにて粉砕後、目開き105メッシュの篩いを通過させて、平均粒子径D50が10μmの各粉末試料を得た。
以上の試料を用いて熱膨張係数、密度、ガラス転移点、軟化点および耐失透性を評価した。
熱膨張係数は、TMA装置により30〜300℃の温度範囲で測定した。
密度は、周知のアルキメデス法で測定した。
ガラス転移点は、TMA装置により求めた。軟化点は、各粉末試料を用いて、DTA装置により求めた。
耐失透性は、次のようにして評価した。まず、各粉末試料とビークル(アクリル樹脂含有のα−ターピネオール)を三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した後、各試料の被封着物である高歪点ガラス基板(縦40×横40×2.8mm厚)の端部に線状(長さ40×幅3×1.5mm厚)に塗布し、乾燥オーブンで150℃10分間乾燥した。次に、室温から10℃/分で昇温し、高歪点ガラス基板を550℃10分間焼成した後、室温まで10℃/分で降温した。最後に、得られた焼成体の表面を観察して、表面に結晶が認められなかったものを「○」とし、表面に結晶が僅かに認められたものを「△」とし、表面全体に結晶が認められたものを「×」とした。
表1〜3から明らかなように、本発明の実施例に係る試料No.1〜16は、30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数が90.0〜97.0×10-7/℃、密度が5.91〜6.76g/cm3、ガラス転移点が390〜424℃、軟化点が457〜497℃であり、耐失透性の評価も良好であった。
表3から明らかなように、本発明の比較例に係る試料No.17は、30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数が100×10-7/℃より大きく、被封着物が低膨張である場合に、封着材料として使用し難いと考えられる。また、本発明の比較例に係る試料No.18は、ZnOの含有量が多いため、耐失透性の評価が不良であった。
表4に示す割合で試料No.7、11および12と耐火性フィラー粉末を混合し、封着材料を作製した。表4は、本発明の実施例(試料No.A〜D)を示している。
耐火性フィラー粉末として、コーディエライト粉末、タングステン酸ジルコニウム粉末を使用した。なお、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50は10μmとした。
以上の試料を用いて、熱膨張係数、軟化点、流動径および耐失透性を評価した。
熱膨張係数は、各試料を焼結させた後、5φ×20mmに加工して、TMA装置により30〜300℃の温度範囲で測定した。
軟化点は、各粉末試料を用いて、DTA装置により求めた。
流動径は、封着材料の真比重に相当する重量の粉末を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、そのボタン試料を流気式熱処理炉に投入した後に空気中で10℃/分の速度で昇温し、560℃で10分間保持し、その後10℃/分の速度で室温まで降温し、得られた焼成ボタンの直径を測定することで評価した。なお、流動径が18mm以上であると、流動性が良好であることを意味している。
耐失透性は、次のようにして評価した。まず、各試料とビークル(アクリル樹脂含有のα−ターピネオール)を三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した後、各試料の被封着物であるホウ珪酸ガラス基板(縦40×横40×2.8mm厚、熱膨張係数50×10-7/℃)の端部に線状(長さ40×幅3×1.5mm厚)に塗布し、乾燥オーブンで150℃10分間乾燥した。次に、室温から10℃/分で昇温し、基板を550℃10分間焼成した後、室温まで10℃/分で降温した。最後に、得られた焼成体の表面を観察して、表面に結晶が認められなかったものを「○」とし、表面に結晶が僅かに認められたものを「△」とし、表面に結晶が認められたものを「×」とした。
表4から明らかなように、試料No.A〜Dは、30〜300℃における熱膨張係数が44.5〜49.0×10-7/℃であり、ホウ珪酸ガラスの熱膨張係数に整合していた。なお、上記耐失透性の評価において、ホウ珪酸ガラス基板に残留する応力値は適切であり、ホウ珪酸ガラス基板にクラックは発生していなかった。また、試料No.A〜Dは、軟化点が517〜558℃、流動径が18mm以上であり、更には耐失透性も良好であった。
以上の結果から明らかなように、試料No.A〜Dは、ホウ珪酸ガラス基板(熱膨張係数40〜60×10-7/℃)等の封着に好適な封着材料であり、高輝度放電ランプ等の外管とランプ基材の封着に好適であることが分かる。
本発明の封着材料は、高輝度放電ランプ等の封着、具体的には高輝度放電ランプの外管とランプ基材の封着に好適であり、高輝度放電ランプは、車載用ヘッドライト、室内照明等に使用することができる。
本明細書は、高輝度放電ランプを中心に説明したが、本発明の封着材料は、これらの用途に限定されるものではない。つまり、本発明の封着材料は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、各種形式のフィールドエミッションディスプレイ(FED)、蛍光表示管(VFD)、有機ELディスプレイ等の表示装置、水晶振動子等の圧電デバイス、ICパッケージ等のセラミックパッケージ等の封着にも使用することができる。
高圧メタルハライドランプの構成を説明するための断面概念図である。
符号の説明
1 高圧メタルハライドランプ
2 外管
3 電流供給部材(ピン)
4 封着材料
5 ランプ基材
6 排気管

Claims (7)

  1. ガラス組成として、質量%で、Bi23 60〜77%未満、B23 5〜20%、ZnO 3〜15%、SiO2 1〜7%(但し、1%は含まない)含有し、且つ30〜300℃の温度範囲における熱膨張係数が100×10-7/℃以下であることを特徴とする封着用ガラス組成物。
  2. ガラス組成として、更に、BaOを1〜10質量%含有し、且つモル比でZnO/BaOの値が3より大きいことを特徴とする請求項1に記載の封着用ガラス組成物。
  3. ガラス組成として、質量%で、Bi23 60〜77%未満、B23 6〜15%、ZnO 5〜15%、BaO 1〜9%、CuO 0〜5%、Fe23 0〜2%、SiO2 1〜5%(但し、1%は含まない)、Al23 0〜7%含有し、且つモル比でZnO/BaOの値が3より大きいことを特徴とする封着用ガラス組成物。
  4. ガラス組成として、Al23を1〜7質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の封着用ガラス組成物。
  5. 非結晶性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の封着用ガラス組成物。
  6. 実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の封着用ガラス組成物。
  7. ランプの封着に用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の封着用ガラス組成物。
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