JP2009043834A - 電気回路素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電体層に新たな材料を用いる必要がなく、構造が単純で低コストのキャパシタを実現する。
【解決手段】基板1上に設けられた第1の樹脂層2と、第1の樹脂層2上に設けられた第1の配線層3と、第1の配線層3を覆い第1の樹脂層2上に設けられた第2の樹脂層4と、第2の樹脂層4上に設けられた第2の配線層5とを少なくとも備え、第1の配線層3および第2の配線層5がキャパシタを構成した電気回路素子とする。第1の配線層3または第2の配線層5の少なくとも一方が金属めっき層からなることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】基板1上に設けられた第1の樹脂層2と、第1の樹脂層2上に設けられた第1の配線層3と、第1の配線層3を覆い第1の樹脂層2上に設けられた第2の樹脂層4と、第2の樹脂層4上に設けられた第2の配線層5とを少なくとも備え、第1の配線層3および第2の配線層5がキャパシタを構成した電気回路素子とする。第1の配線層3または第2の配線層5の少なくとも一方が金属めっき層からなることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば高周波用集積回路に利用することが可能な、ウエハレベルパッケージ技術を応用したキャパシタ(容量素子)の構造に関する。
高周波用途の集積化受動素子で使用されるMIMキャパシタ(MIM:金属/誘電体/金属)は、下部電極(金属)、上部電極(金属)とそれらの間に配される誘電体層からなる。MIMキャパシタを用いる技術は、(1)ウエハレベルCSP技術に属するものと、(2)高周波IC回路技術に属するものとの、大きくは二つに分類されるものと考えられる。
ウエハレベルCSP技術に属するものとしては、特許文献1〜3が挙げられる。例えば、特許文献1の図1には、ウエハレベルCSP技術によるMIMキャパシタの断面図が示されており、下から半導体基板、パッシベーション層、保護膜、UBM、第1配線層が順に積層されている。これまでは通常のWLPプロセスで製造することができる。その上に設けられた核心部となる容量素子部は、下部電極、誘電体層、上部電極から形成されており、通常のWLPプロセスとは別に余分な別プロセスが要求される。また、その容量素子の複雑な構造については、特許文献1の段落0037以降に記載されているように、多くの工程を必要とする。
高周波IC回路技術に属するものとしては、特許文献4,5が挙げられる。例えば、特許文献5の図2(d)には、キャパシタ、抵抗体、シールド層の形成について示されており、その製造工程は、段落0035以下に述べられている。
特開2005−108929号公報
特開2002−57291号公報
特開2000−235979号公報
特開2002−64345号公報
特開2001−267320号公報
しかしながら、従来の技術には、下記の問題点がある。
1.下部電極として金属配線層上部に薄膜金属層を付加した場合、スパッタプロセスおよびパターニング等の工数が増えることにより、製造コストが増加する。
2.パッシベーション層や封止層、保護層とは違う材質を誘電体層として用いた場合、この新たな誘電体層の形成のためのプロセス(誘電体層形成工程、パターニング工程)が要求され、工数とコストの増加を招く。
3.高周波用途では、キャパシタの容量は電極面積のみならず、電極の厚さにも依存する(フリンジ容量)。すなわち電極厚みを増やせば容量は大きくなる。しかし下部電極として薄膜電極を用いた場合、電極厚みのコントロールが不可能である。
4.特許文献1に記載された容量素子については、構造が極めて複雑である。厚い金属配線層のオブジェクトに巻きつくように薄膜電極が形成されており、機械構造上、ストレスが発生するなど、信頼性に懸念がある。また、構造が複雑であるため、高周波特性の把握が容易ではなく、高周波特有のクロストーク等の現象に悩まされる可能性が考えられる。
1.下部電極として金属配線層上部に薄膜金属層を付加した場合、スパッタプロセスおよびパターニング等の工数が増えることにより、製造コストが増加する。
2.パッシベーション層や封止層、保護層とは違う材質を誘電体層として用いた場合、この新たな誘電体層の形成のためのプロセス(誘電体層形成工程、パターニング工程)が要求され、工数とコストの増加を招く。
3.高周波用途では、キャパシタの容量は電極面積のみならず、電極の厚さにも依存する(フリンジ容量)。すなわち電極厚みを増やせば容量は大きくなる。しかし下部電極として薄膜電極を用いた場合、電極厚みのコントロールが不可能である。
4.特許文献1に記載された容量素子については、構造が極めて複雑である。厚い金属配線層のオブジェクトに巻きつくように薄膜電極が形成されており、機械構造上、ストレスが発生するなど、信頼性に懸念がある。また、構造が複雑であるため、高周波特性の把握が容易ではなく、高周波特有のクロストーク等の現象に悩まされる可能性が考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、誘電体層に新たな材料を用いる必要がなく、構造が単純で低コストのキャパシタを実現可能な電気回路素子およびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、基板上に設けられた第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に設けられた第1の配線層と、前記第1の配線層を覆い前記第1の樹脂層上に設けられた第2の樹脂層と、前記第2の樹脂層上に設けられた第2の配線層とを少なくとも備え、第1の配線層および第2の配線層の少なくとも一方がキャパシタを構成していることを特徴とする電気回路素子を提供する。
本発明の電気回路素子においては、第1の配線層または第2の配線層の少なくとも一方が金属めっき層を有することが好ましい。
前記キャパシタにおいて、第1の配線層または第2の配線層の対向する面の少なくとも一方が湾曲形状であることが好ましい。
前記第1の配線層は、前記第2の樹脂層を貫通する導体を通じて、前記第2の樹脂層上に設けられた第3の配線層と導通していることが好ましい。
前記基板が半導体基板であり、該半導体基板に形成された集積回路と、前記第1の配線層とが、前記半導体基板上に形成されたパッド部および前記第1の樹脂層を貫通する導体を通じて導通していることが好ましい。
本発明の電気回路素子においては、第1の配線層または第2の配線層の少なくとも一方が金属めっき層を有することが好ましい。
前記キャパシタにおいて、第1の配線層または第2の配線層の対向する面の少なくとも一方が湾曲形状であることが好ましい。
前記第1の配線層は、前記第2の樹脂層を貫通する導体を通じて、前記第2の樹脂層上に設けられた第3の配線層と導通していることが好ましい。
前記基板が半導体基板であり、該半導体基板に形成された集積回路と、前記第1の配線層とが、前記半導体基板上に形成されたパッド部および前記第1の樹脂層を貫通する導体を通じて導通していることが好ましい。
また、本発明は、基板上に設けられた樹脂層と、前記樹脂層の上に設けられた第1の配線層および第2の配線層とを少なくとも備え、第1の配線層および第2の配線層の互いに対向する部位がインターデジタル形状であり、第1の配線層および第2の配線層がキャパシタを構成していることを特徴とする電気回路素子を提供する。
また、本発明は、基板上に第1の樹脂層を設ける工程と、前記第1の樹脂層上に、第1の配線層が設けられる領域が開口した第1のレジストを設ける工程と、前記第1のレジストの開口に第1の配線層を設ける工程と、前記第1のレジストを剥離する工程と、前記第1の配線層を覆う第2の樹脂層を、前記第1の樹脂層上に設ける工程と、前記第2の樹脂層上に、第2の配線層が設けられる領域が開口した第2のレジストを設ける工程と、前記第2のレジストの開口に第2の配線層を設ける工程とを少なくとも備え、第1の配線層および第2の配線層によりキャパシタを構成することを特徴とする電気回路素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、第1の配線層および第2の配線層により、構造が単純で低コストのキャパシタを実現することが可能になる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の第1形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。図1に示す電気回路素子は、基板1上に設けられた第1の樹脂層2と、第1の樹脂層2上に設けられた第1の配線層3と、第1の配線層3を覆い第1の樹脂層2上に設けられた第2の樹脂層4と、第2の樹脂層4上に設けられた第2の配線層5とを少なくとも備え、第1の配線層3および第2の配線層5によりキャパシタが構成されたものである。図1の場合、基板1の片面にはパッシベーション膜などの保護膜1aが設けられ、第1の樹脂層2は、保護膜1aの上に設けられている。また、図1に示す電気回路素子は、第2の配線層5を覆い第2の樹脂層4上に設けられた封止樹脂層6を有しており、この封止樹脂層6により、キャパシタが封止されている。本発明において、基板としては、半導体基板、セラミック基板、ガラス基板などが挙げられる。
図1は、本発明の第1形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。図1に示す電気回路素子は、基板1上に設けられた第1の樹脂層2と、第1の樹脂層2上に設けられた第1の配線層3と、第1の配線層3を覆い第1の樹脂層2上に設けられた第2の樹脂層4と、第2の樹脂層4上に設けられた第2の配線層5とを少なくとも備え、第1の配線層3および第2の配線層5によりキャパシタが構成されたものである。図1の場合、基板1の片面にはパッシベーション膜などの保護膜1aが設けられ、第1の樹脂層2は、保護膜1aの上に設けられている。また、図1に示す電気回路素子は、第2の配線層5を覆い第2の樹脂層4上に設けられた封止樹脂層6を有しており、この封止樹脂層6により、キャパシタが封止されている。本発明において、基板としては、半導体基板、セラミック基板、ガラス基板などが挙げられる。
このような電気回路素子によれば、第1の配線層3および第2の配線層5をそのままキャパシタの下部電極および上部電極として使用することができるので、別途、電極を形成する工程が不要である。また、第2の樹脂層4をそのままキャパシタの誘電体層として使用するので、構造が単純で低コストのキャパシタを実現することができる。
第1形態例に係る電気回路素子は、例えば以下の手順によって作製することができる。まず、基板1上に第1の樹脂層2を設けた後、第1の樹脂層2上に、第1の配線層3が設けられる領域が開口した第1のレジストを設ける。次に、第1のレジストの開口に第1の配線層3を設けた後、第1のレジストを剥離する。次に、第1の配線層3を覆う第2の樹脂層4を、第1の樹脂層2上に設けた後、第2の樹脂層4上に、第2の配線層5が設けられる領域が開口した第2のレジストを設ける。次に、第2のレジストの開口に第2の配線層5を設けた後、第2のレジストを剥離する。次に、第2の配線層5を覆い第2の樹脂層4上に設けられた封止樹脂層6を設ける。
第2の樹脂層4は、キャパシタの誘電体層となるものであるため、第1の樹脂層2より誘電率の高い誘電体材料(封止樹脂層6を設ける場合は、第1の樹脂層2および封止樹脂層6より誘電率の高い誘電体材料)を用いることが好ましい。これにより、電気容量の増加を図ることができる。一方、第2の樹脂層4を、第1の樹脂層2と同じ材料(封止樹脂層6を設ける場合は、第1の樹脂層2および封止樹脂層6と同じ材料)とすることにより、コストの低減を図ることができる。
図2は、本発明の第2形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。図2に示す電気回路素子は、基板11の保護膜11a上に設けられた第1の樹脂層12と、第1の樹脂層12上に設けられた第1の配線層13と、第1の配線層13を覆い第1の樹脂層12上に設けられた第2の樹脂層14と、第2の樹脂層14上に設けられた第2の配線層15と、第2の配線層15を覆い第2の樹脂層14上に設けられた封止樹脂層16を備え、第1の配線層13および第2の配線層15によりキャパシタが構成されたものである。本形態例においては、第1の配線層13および第2の配線層15は、それぞれシード層13a,15aと、その上に形成されためっき層13b,15bとからなる積層体により構成されている。
このような電気回路素子によれば、第1の配線層13および第2の配線層15をそのままキャパシタの下部電極および上部電極として使用することができるので、別途、電極を形成する工程が不要であり、工数の削減・コストの低減を実現できる。また、第2の樹脂層14をそのままキャパシタの誘電体層として使用するので、構造が単純で低コストのキャパシタを実現することができる。電極となる配線層13,15の厚みが主としてめっき層13b,15bによって確保されているので、信頼性を向上することができる。
下部電極となる第1の配線層13および上部電極となる第2の配線層15の厚みが主としてめっき層13b,15bによって確保されているので、フリンジ容量の効果を利用でき、結果として容量値の増大が可能となる。また、めっき層の厚みによって容量値の制御がある程度可能になる。フリンジ容量を増大するには、第1の配線層13または第2の配線層15の少なくとも一方が金属めっき層13b,15bを有するものとすることが好ましい。そして、めっき層13b,15bにより、少なくとも一方の配線層13,15の厚みを5〜20μmとすると、フリンジ容量を増大することができ、好ましい。
また、本形態例によれば、キャパシタ全体の構成が、めっき配線−樹脂層−めっき配線という単純な構造であるため、構造上頑丈であり、そのため信頼性の向上を実現することができる。
また、本形態例によれば、キャパシタ全体の構成が、めっき配線−樹脂層−めっき配線という単純な構造であるため、構造上頑丈であり、そのため信頼性の向上を実現することができる。
第2形態例に係る電気回路素子は、例えば以下の手順によって作製することができる。まず、保護膜11a付き基板11を用意し、スピンコートやスプレーコート等によって第1の樹脂層12を形成する。次に、図3(a)に示すように、第1の樹脂層12の上にスパッタ法等によってシード層13aを形成する。次に、図3(b)に示すように、めっき層13bが設けられる領域に開口部17aを有するめっき用レジスト17を、シード層13aの上に形成する。次に、図3(c)に示すように、電気めっきにより、めっき用レジスト17の開口部17aにめっき層13bを設ける。次に、めっき用レジスト17を除去した後、めっき層13bをマスクとしてその外側のシード層13aをエッチングすることにより、図4(a)に示すように、下部電極となる第1の配線層13が完成する。
次に、図4(b)に示すように、スピンコートやスプレーコート等によって第2の樹脂層14を形成した後、第2の樹脂層14の上にスパッタ法等によってシード層15aを形成する。次に、図4(c)に示すように、めっき層15bが設けられる領域に開口部18aを有するめっき用レジスト18を、シード層15aの上に形成する。次に、図5(a)に示すように、電気めっきにより、めっき用レジスト18の開口部18aにめっき層15bを設ける。次に、めっき用レジスト18を除去した後、めっき層15bをマスクとしてその外側のシード層15aをエッチングすることにより、図5(b)に示すように、上部電極となる第2の配線層15が完成する。最後に、封止樹脂層16を形成することで、図2に示す容量素子を有する電気回路素子が完成する。
第2の樹脂層14は、キャパシタの誘電体層となるものであるため、第1の樹脂層12および封止樹脂層16より誘電率の高い誘電体材料を用いることが好ましい。これにより、電気容量の増加を図ることができる。一方、第2の樹脂層14を、第1の樹脂層12および封止樹脂層16と同じ材料とすることにより、コストの低減を図ることができる。
図6は、本発明の第3形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。図6に示す電気回路素子は、基板31の保護膜31a上に設けられた第1の樹脂層32と、第1の樹脂層32上に設けられた第1の配線層33と、第1の配線層33を覆い第1の樹脂層32上に設けられた第2の樹脂層34と、第2の樹脂層34上に設けられた第2の配線層35と、第2の配線層35を覆い第2の樹脂層34上に設けられた封止樹脂層36を備え、第1の配線層33は金属薄膜からなり、第2の配線層35はシード層35aとめっき層35bの積層体からなり、第1の配線層33および第2の配線層35によりキャパシタが構成されたものである。このように、第1の配線層または第2の配線層の少なくとも一方が金属薄膜からなるものとすることにより、製造工数を削減することができる。
また、この例においては、上部電極となる第2の配線層35の厚みが主としてめっき層35bによって確保されているので、フリンジ容量の効果を利用でき、結果として容量値の増大が可能となる。
また、この例においては、上部電極となる第2の配線層35の厚みが主としてめっき層35bによって確保されているので、フリンジ容量の効果を利用でき、結果として容量値の増大が可能となる。
図6に示す例では、下部電極となる第1の配線層33が金属薄膜からなるものを例示したが、逆に、上部電極となる第2の配線層が金属薄膜からなるものとしてもよく、また、第1の配線層および第2の配線層を両方とも金属薄膜からなるものとしてもよい。
また、図6に示す例では、上部電極となる第2の配線層35がめっき層を有するものを例示したが、逆に、下部電極となる第1の配線層がめっき層を有するものとしてもよく、また、第1の配線層および第2の配線層を両方ともめっき層を有するものとしてもよい。
また、図6に示す例では、上部電極となる第2の配線層35がめっき層を有するものを例示したが、逆に、下部電極となる第1の配線層がめっき層を有するものとしてもよく、また、第1の配線層および第2の配線層を両方ともめっき層を有するものとしてもよい。
図7は、本発明の第4形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。図7に示す電気回路素子は、基板41の保護膜41a上に設けられた第1の樹脂層42と、第1の樹脂層42上に設けられた第1の配線層43と、第1の配線層43を覆い第1の樹脂層42上に設けられた第2の樹脂層44と、第2の樹脂層44上に設けられた第2の配線層45と、第2の配線層45を覆い第2の樹脂層44上に設けられた封止樹脂層46を備え、第1の配線層43および第2の配線層45は、それぞれシード層43a,45aとめっき層43b,45bの積層体からなり、めっき層43bの第2の配線層45と対向する面43cが湾曲形状であり、第1の配線層43および第2の配線層45によりキャパシタが構成されたものである。このように、第1の配線層または第2の配線層の対向する面の少なくとも一方が湾曲形状であるものとすることにより、電極の表面積を増大し、キャパシタの容量を増加させることができる。湾曲形状の大きさは、厚み方向の高低差で5〜20μm、面に沿う方向の単位長さあたりの湾曲の数で1個/20μm程度とすることが好ましい。
図7に示す例では、下部電極となる第1の配線層43の上面43cが湾曲形状であるものを例示したが、逆に、上部電極となる第2の配線層の下面が湾曲形状であるものとしてもよく、その場合は、例えば第2の樹脂層の上面に湾曲形状の部分を形成することで、上部電極の下面が湾曲形状とすることができる。また、第1の配線層の上面および第2の配線層の下面を、両方とも湾曲形状としてもよい。
図8は、本発明の第5形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図であり、図9は、本発明の第6形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。
図8に示す電気回路素子は、基板51の保護膜51a上に設けられた第1の樹脂層52と、第1の樹脂層52上に設けられた第1の配線層53と、第1の配線層53を覆い第1の樹脂層52上に設けられた第2の樹脂層54と、第2の樹脂層54上に設けられた第2の配線層55および第3の配線層57と、第2の配線層55および第3の配線層57を覆い第2の樹脂層54上に設けられた封止樹脂層56を備え、第1〜第3の配線層53,55,57はそれぞれシード層53a,55a,57aとめっき層53b,55b,57bの積層体からなり、第1の配線層53および第2の配線層55によりキャパシタが構成され、第1の配線層53は、第2の樹脂層54を貫通する導体(ビア部57c)を通じて、第3の配線層57と導通しているものである。
また、図9に示す電気回路素子は、基板61の保護膜61a上に設けられた第1の樹脂層62と、第1の樹脂層62上に設けられた第1の配線層63と、第1の配線層63を覆い第1の樹脂層62上に設けられた第2の樹脂層64と、第2の樹脂層64上に設けられた第2の配線層65および第3の配線層67と、第2の配線層65および第3の配線層67を覆い第2の樹脂層64上に設けられた封止樹脂層66を備え、第1〜第3の配線層63,65,67はそれぞれシード層63a,65a,67aとめっき層63b,65b,67bの積層体からなり、第1の配線層63および第2の配線層65によりキャパシタが構成され、下部電極となる第1の配線層63の上面63cが湾曲形状とされ、第1の配線層63は、第2の樹脂層64を貫通する導体(ビア部67c)を通じて、第3の配線層67と導通しているものである。
図8,図9に示す形態例のように、第2の樹脂層54,64を貫通する導体57c,67cを通じて、第1の配線層53,63が第2の樹脂層54,64上に設けられた第3の配線層57,67と導通していることにより、第3の配線層55,65を介して第1の配線層53,63と外部装置(図示せず)とを電気的に導通させることができる。
図10は、本発明の第7形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図であり、図11は、本発明の第8形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。
図10に示す電気回路素子は、半導体基板である基板71の保護膜71a上に設けられた第1の樹脂層72と、第1の樹脂層72上に設けられた第1の配線層73と、第1の配線層73を覆い第1の樹脂層72上に設けられた第2の樹脂層74と、第2の樹脂層74上に設けられた第2の配線層75と、第2の配線層75を覆い第2の樹脂層74上に設けられた封止樹脂層76と、第2の配線層75の引き出し配線75cを通じて電気的に接続されたバンプ77を備え、第1の配線層73および第2の配線層75はそれぞれシード層73a,75aとめっき層73b,75bの積層体からなり、第1の配線層73および第2の配線層75によりキャパシタが構成され、第1の配線層73は、第1の樹脂層72を貫通する導体(ビア部73c)を通じて、基板71に形成されたパッド部71bと導通し、パッド部71bは、IC配線部71cを通じて、基板71に形成されたIC回路71dと導通しているものである。
図11に示す電気回路素子は、半導体基板である基板81の保護膜81a上に設けられた第1の樹脂層82と、第1の樹脂層82上に設けられた第1の配線層83と、第1の配線層83を覆い第1の樹脂層82上に設けられた第2の樹脂層84と、第2の樹脂層84上に設けられた第2の配線層85と、第2の配線層85を覆い第2の樹脂層84上に設けられた封止樹脂層86と、第2の配線層85の引き出し配線85cを通じて電気的に接続された電子部品87を備え、第1の配線層83および第2の配線層85はそれぞれシード層83a,85aとめっき層83b,85bの積層体からなり、第1の配線層83および第2の配線層85によりキャパシタが構成され、下部電極となる第1の配線層83の上面83cが湾曲形状とされ、第1の配線層83は、第1の樹脂層82を貫通する導体(ビア部83d)を通じて、基板81に形成されたパッド部81bと導通し、パッド部81bは、IC配線部81cを通じて、基板81に形成されたIC回路81dと導通しているものである。
図10,図11に示す形態例のように、半導体基板71,81に形成されたIC回路71d,81dと、第1の配線層73,83とが、半導体基板71,81上に形成されたパッド部71b,81bおよび第1の樹脂層72,82を貫通する導体73c,83dを通じて導通していることにより、IC回路とキャパシタを導通させることができる。
さらに、第2の配線層75,85が、キャパシタの外に引き出された引き出し配線75c,85cを有することにより、この引き出し配線75c,85cを通じてバンプ77や電子部品87等の外部構造物と導通させることができる。
さらに、第2の配線層75,85が、キャパシタの外に引き出された引き出し配線75c,85cを有することにより、この引き出し配線75c,85cを通じてバンプ77や電子部品87等の外部構造物と導通させることができる。
図12は、本発明の第9形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図であり、図13は、本発明の第10形態例に係る電気回路素子を模式的に示す断面図である。図12,図13においては、インターデジタルキャパシタを実線でより明瞭に図示するため、封止樹脂層104,116を2点鎖線で表している。
図12に示す電気回路素子は、基板101の保護膜101a上に設けられた第1の樹脂層102と、第1の樹脂層102上に設けられた第1の配線層103aおよび第2の配線層103bと、第1の配線層103aおよび第2の配線層103bを覆い第1の樹脂層102上に設けられた第2の樹脂層(封止樹脂層)104を備え、第1の配線層103aおよび第2の配線層103bの互いに対向する部位がインターデジタル形状であり、第1の配線層103aおよび第2の配線層103bがキャパシタを構成しているものである。図12に示すキャパシタでは、第2の樹脂層104のうち、第1の配線層103aと第2の配線層103bの間にある部分104aがキャパシタの誘電体層となる。図12の図では、第2の樹脂層104は封止樹脂層であるが、第2の樹脂層104の上に第2の配線層(図示せず)を設け、第2の配線層上にさらに封止樹脂層を形成してもよい。
図13に示す電気回路素子は、基板111の保護膜111a上に設けられた第1の樹脂層112と、第1の樹脂層112上に設けられた第1の配線層113aおよび第2の配線層113bと、第1の配線層113aおよび第2の配線層113bを覆い第1の樹脂層112上に設けられた第2の樹脂層114と、第2の樹脂層114上に設けられた第3の配線層115aおよび第4の配線層115bと、第3の配線層115aおよび第4の配線層115bを覆い第2の樹脂層114上に設けられた封止樹脂層116と、第2の樹脂層114を貫通して第1の配線層113aと第3の配線層115aとを導通する第1の貫通導体117aと、第2の樹脂層114を貫通して第2の配線層113bと第4の配線層115bとを導通する第2の貫通導体117bとを備え、第1の配線層113aおよび第2の配線層113bの互いに対向する部位がインターデジタル形状であり、第3の配線層115aおよび第4の配線層115bの互いに対向する部位がインターデジタル形状であり、第1の配線層113aおよび第2の配線層113bが構成するキャパシタと、第3の配線層115aおよび第4の配線層115bが構成するキャパシタとが、貫通導体117a,117bにより並列接続されているものである。図13に示すキャパシタでは、第2の樹脂層114のうち、第1の配線層113aと第2の配線層113bの間にある部分114aがキャパシタの誘電体層となり、封止樹脂層116のうち、第3の配線層115aと第4の配線層115bの間にある部分116aがキャパシタの誘電体層となる。
図12,図13に示す形態例のように、同じ樹脂層の上に設けられた2つの配線層の互いに対向する部位がインターデジタル形状であり、これらの配線層がキャパシタを構成している場合、1層の配線層のみでキャパシタを構成することができる。また、図13に示す形態例のように、2層(あるいは3層以上)にインターデジタルタイプのキャパシタを形成し、それぞれの層のキャパシタを並列接続すれば、容量を増大することができる。
本発明は、ウエハレベルパッケージ技術を応用したキャパシタ(容量素子)を備える各種電気回路素子に利用することができる。
1,11,31,41,51,61,71,81,101,111…基板、2,12,32,42,52,62,72,82,102,112…第1の樹脂層、3,13,33,43,53,63,73,83,103a,113a…第1の配線層、4,14,34,44,54,64,74,84,104,114…第2の樹脂層、5,15,35,45,55,65,75,85,103b,113b…第2の配線層、43c,63c,83c…湾曲形状の面、57c,67c…第2の樹脂層を貫通する導体(ビア部)、71b,81b…パッド部、71d,81d…IC回路、73c,83d…第1の樹脂層を貫通する導体(ビア部)。
Claims (7)
- 基板上に設けられた第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に設けられた第1の配線層と、前記第1の配線層を覆い前記第1の樹脂層上に設けられた第2の樹脂層と、前記第2の樹脂層上に設けられた第2の配線層とを少なくとも備え、
第1の配線層および第2の配線層がキャパシタを構成していることを特徴とする電気回路素子。 - 第1の配線層または第2の配線層の少なくとも一方が金属めっき層を有することを特徴とする請求項1に記載の電気回路素子。
- 前記キャパシタにおいて、第1の配線層または第2の配線層の対向する面の少なくとも一方が湾曲形状であることを特徴とする請求項2に記載の電気回路素子。
- 前記第1の配線層は、前記第2の樹脂層を貫通する導体を通じて、前記第2の樹脂層上に設けられた第3の配線層と導通していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電気回路素子。
- 前記基板が半導体基板であり、該半導体基板に形成された集積回路と、前記第1の配線層とが、前記半導体基板上に形成されたパッド部および前記第1の樹脂層を貫通する導体を通じて導通していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電気回路素子。
- 基板上に設けられた樹脂層と、前記樹脂層の上に設けられた第1の配線層および第2の配線層とを少なくとも備え、第1の配線層および第2の配線層の互いに対向する部位がインターデジタル形状であり、第1の配線層および第2の配線層がキャパシタを構成していることを特徴とする電気回路素子。
- 基板上に第1の樹脂層を設ける工程と、
前記第1の樹脂層上に、第1の配線層が設けられる領域が開口した第1のレジストを設ける工程と、
前記第1のレジストの開口に第1の配線層を設ける工程と、
前記第1のレジストを剥離する工程と、
前記第1の配線層を覆う第2の樹脂層を、前記第1の樹脂層上に設ける工程と、
前記第2の樹脂層上に、第2の配線層が設けられる領域が開口した第2のレジストを設ける工程と、
前記第2のレジストの開口に第2の配線層を設ける工程とを少なくとも備え、
第1の配線層および第2の配線層によりキャパシタを構成することを特徴とする電気回路素子の製造方法。
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