JP2009043676A - 圧入端子、端子圧入構造、および電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】
絶縁物による保持がより強固にされた圧入端子等を提供する。
【解決手段】
絶縁物2に形成された孔21に前方から圧入される圧入端子1において、圧入端子1の圧入方向FBと交わる向きに突出した、圧入端子1が圧入されるときに孔21の内面22,23に干渉する、圧入方向に並んだ複数の突部31〜36を有した圧入固定部12を有し、圧入固定部12が、複数の突部31〜36の頂部31c〜36cおよび複数の突部31〜36の間の谷部32a,33aの双方に丸みを有し、突部31〜36のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜31b〜33bが後方の斜面31d〜33dの傾斜より緩やかな形状を有する。
【選択図】 図1
絶縁物による保持がより強固にされた圧入端子等を提供する。
【解決手段】
絶縁物2に形成された孔21に前方から圧入される圧入端子1において、圧入端子1の圧入方向FBと交わる向きに突出した、圧入端子1が圧入されるときに孔21の内面22,23に干渉する、圧入方向に並んだ複数の突部31〜36を有した圧入固定部12を有し、圧入固定部12が、複数の突部31〜36の頂部31c〜36cおよび複数の突部31〜36の間の谷部32a,33aの双方に丸みを有し、突部31〜36のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜31b〜33bが後方の斜面31d〜33dの傾斜より緩やかな形状を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、絶縁物に形成された孔に圧入される圧入端子、この圧入端子と絶縁物とを有する端子圧入構造および電気コネクタに関する。
絶縁物によって形成された絶縁ハウジングの孔に端子が圧入された構造を有する電気コネクタが広く知られている。例えば、特許文献1には、モールド樹脂からなる絶縁物と、この絶縁物に圧入された端子とからなる圧入構造が示されている。端子には複数の抜止用突部が形成されている。これら複数の抜止用突部の形状は、鋭角に尖った頂部を有する鋸歯状である。この抜止用突部は、端子が絶縁物に圧入されると孔の内面に食い込んでバーブとして機能する。
特開2005−135794号公報
しかしながら、特許文献1の圧入構造では、端子が絶縁物に圧入されるときに抜止用突部によって孔の内面が削られおよび/または塑性変形させられるため、孔が押し拡げられたままの状態となる。孔が押し拡げられたままの状態では、孔の内面に対する端子の食込みが不十分となり、バーブとして機能する抜止用突部を設けているにもかかわらず端子の十分な保持力が確保されないという問題がある。ここで、保持力とは圧入された端子を絶縁物から引き抜くために要する力を意味する。
図8および図9は、従来の端子圧入構造で端子が絶縁物の孔に圧入される過程を示す断面図である。図8および図9には、端子が絶縁物の孔に圧入される過程がパート(A)から(E)まで順に示されている。なお、図8および図9では、端子および絶縁物それぞれの一部が示されており、図の見易さのため絶縁物のハッチングは省略されている。
図8に示す端子91は金属製の棒状であり、絶縁物92に形成された孔921に前方Fに挿入される。端子91の途中両側には、孔921の内面922,923に干渉する6つの突部931,932,933,934,935,936が形成されている。それぞれの突部の形状は、鋭角に尖った頂部を有している。この突部931〜936は、端子91が絶縁物921に圧入されるとバーブとして機能する。すなわち、突部931〜936は、端子91の挿入時には孔921の内面922,923に引っ掛からないが、端子91を抜こうとすると孔921の内面922,923に引っ掛かって食い込む。
図8のパート(A)には、端子91が絶縁物92の孔921に途中まで挿入されているが、突部931〜936は孔921の内面922,923にまだ干渉していない状態が示されている。
図8のパート(A)には、端子91が絶縁物92の孔921に途中まで挿入されているが、突部931〜936は孔921の内面922,923にまだ干渉していない状態が示されている。
図8のパート(B)に示すように、端子91がさらに前方Fに押し込まれると、6つの突部931〜936のうち前方Fに配置された突部931,934が孔921の内面922,923に干渉する。孔921の内面922,923は、突部931,934によって圧入端子91から遠ざかる向きに押し込まれ、孔921が拡がるように変形する。孔921の内面922,923には、突部931,934の頂部が通過するまでに弾性変形の領域にとどまらず塑性変形をも生じているのが通常である。また、突部931,934の頂部の通過によって孔921の内面922,923には削れも生じる。このため、突部931,934の頂部よりも後方Bには、孔921の内面922,923と突部931,934との間に隙間が生じ、孔921の内面922,923に対する突部931,934の食い込みが十分でない状態が生じている。
図9のパート(C)およびパート(D)に示すように、端子91がさらに前方Fに押し込まれると、中央に配置された突部932,935、そして、さらに後方Bに配置された突部933,936が孔921の内面922,923に干渉する。しかしながら、中央の突部932,935および後方Bの突部933,936についても、孔921の内面922,923に対する食い込みが十分でない状態が生じる。また、孔921の内面922,923は、先に通過した突部931,934による削れや塑性変形のため、中央の突部932,935および後方Bの突部933,936の食い込みがさらに不十分となる。
端子91がさらに前方Fに押し込まれると、図9のパート(E)に示す状態で端子91の圧入が完了する。パート(E)に示す状態では、絶縁物92による端子91の保持が十分に確保されていないため、例えば、端子91が後方Bに力をうけると絶縁物92から抜けるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、絶縁物による保持がより強固にされた圧入端子、この圧入端子が絶縁物に圧入された圧入構造、および電気コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の圧入端子は、絶縁物に形成された孔に前方から圧入される圧入端子であって、
この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出した、この圧入端子が圧入されるときに孔の内面に干渉する、この圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
上記圧入固定部は、上記複数の突部の頂部およびこの複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
上記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする。
この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出した、この圧入端子が圧入されるときに孔の内面に干渉する、この圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
上記圧入固定部は、上記複数の突部の頂部およびこの複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
上記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする。
本発明の圧入端子が絶縁物に形成された孔に圧入されると、複数の突部を有した圧入固定部が孔の内面に干渉して、孔の内面を押し拡げるように弾性変形させる。本発明の圧入端子によれば、圧入固定部が複数の突部の頂部および複数の突部の間の谷部の双方で丸みを有しているため、鋸歯状の突部が形成された構成に比べ、突部が通過する際の孔の内面の削れが抑えられる。また、応力の集中による孔の内面での塑性変形が抑えられる。このため、突部に押し拡げられた孔の内面の変形が突部の通過後に元に戻りやすい。したがって、絶縁物と端子との密着面積の増大にともない絶縁物の弾性による端子の締付けによる摩擦力が増大し、これに傾斜の異なる斜面を有した突部の非対称な形状による抜止めが相乗的に作用するため、絶縁物による圧入端子の保持がより強固になる。
ここで、上記本発明の圧入端子において、上記複数の突部は、後方に配置された突部ほど高い頂部を有することが好ましい。
突部に押し拡げられた孔の内面の変形に塑性変形が含まれ、この結果、突部によって押し広げられた変形が完全に戻らない場合でも、先に通過した突部よりも高い頂部を有する次の突部が孔の内面で締め付けられる。
また、上記目的を達成する本発明の端子圧入構造は、孔が形成された絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに形成された孔に前方から圧入されてこの絶縁ハウジングに固定された圧入端子とを備えた端子圧入構造であって、
上記圧入端子が、この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出し、上記絶縁ハウジングの孔の内面に干渉した、この圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
上記圧入固定部は、上記複数の突部の頂部およびこの複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
上記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする。
上記圧入端子が、この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出し、上記絶縁ハウジングの孔の内面に干渉した、この圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
上記圧入固定部は、上記複数の突部の頂部およびこの複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
上記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする。
また、上記本発明の端子圧入構造において、上記複数の突部は、後方に配置された突部ほど高い頂部を有することが好ましい。
また、上記本発明の端子圧入構造において、絶縁ハウジングが、孔の内面の後端に、後方に拡開するように傾斜した面取り部を備えたものであることが好ましい。
孔の内面の後端は、圧入端子の圧入時に、圧入端子の突部が最初に干渉する部分であるが、孔の内面の後端に面取り部を備えることによって、孔の内面の後端での削れおよび塑性変形が抑えられる。
また、上記目的を達成する本発明の電気コネクタは、孔が形成された絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに形成された孔に前方から圧入されてこの絶縁ハウジングに固定された圧入端子とを備えた電気コネクタであって、
上記圧入端子が、この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出し、上記絶縁ハウジングの孔の内面に干渉した、この圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
上記圧入固定部は、上記複数の突部の頂部およびこの複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
上記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする。
上記圧入端子が、この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出し、上記絶縁ハウジングの孔の内面に干渉した、この圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
上記圧入固定部は、上記複数の突部の頂部およびこの複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
上記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、絶縁物による保持がより強固にされた圧入端子、圧入端子が絶縁物に圧入された圧入構造、および電気コネクタが実現する。
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である電気コネクタを示す組立図である。図1には電気コネクタCの一部が示されている。また、図2は、図1に示す電気コネクタの、組み立てられた状態における2―2線断面を示す部分断面図である。
図1に示す電気コネクタCは、図示しない相手コネクタとの電気的接続を担う圧入端子1(以降単に端子1と称する)と、この端子1を保持する絶縁ハウジング2とを有している。
絶縁ハウジング2は合成樹脂等の絶縁物で形成されており、端子1が圧入される孔21が形成されている。端子1は金属材料からなる棒状であり、絶縁ハウジング2に貫通して取り付けられる。図2に示すように、絶縁ハウジング2の孔21への端子1の圧入が完了した状態で電気コネクタCが完成する。本実施形態において、端子1が絶縁ハウジング2に圧入される向きを前方Fとし、この反対向きを後方Bとする。なお、図1では、端子圧入構造を分かりやすく説明するため1つの端子1を示しているが、本発明の端子圧入構造および電気コネクタは絶縁物に1つの圧入端子が圧入されたものであってもよく、また複数の圧入端子が圧入されたものであってもよい。
端子1は、金属板を打抜加工等することによって形成されている。端子1は、絶縁ハウジング2への圧入が完了した圧入完了状態で絶縁ハウジング2から前方Fに突出する接触部11と、接触部11に続いて設けられ、絶縁ハウジング2の孔の内面22,23に干渉する波形に形成された圧入固定部12と、圧入固定部12に続いて設けられ、接触部11および圧入固定部12よりも幅広に形成されたオフセット部13と、オフセット部13に続いて設けられ、絶縁ハウジング2には挿入されず圧入完了状態で絶縁ハウジング2から後方Bに突出する接続部14とを有している。端子1はいわゆるオフセット型の端子であり、接触部11および圧入固定部12と接続部14とが、オフセット部13から互いにずれた線上に延びた形状を有している。端子1の絶縁ハウジング2への圧入が完了し電気コネクタCとして機能する状態では、端子1の先端側にある接触部11が図示しない相手コネクタに接触することによって電気的に接続される。また、端子1の後端側にある接続部14が図示しない基板等に接続される。
端子1の圧入固定部12は、端子1が圧入されるときに孔の内面22,23に干渉する6つの突部31,32,33,34,35,36を有している。突部31〜36は、圧入固定部12の両側に分かれて配置されており、端子1が圧入される向きに沿った圧入方向すなわち前後方向FBと交わる向きに突出している。6つの突部31〜36のうちの3つの突部31,32,33は、前後方向FBに並んで設けられ、これら3つの突部31,32,33の反対側に、残りの3つの突部34,35,36が前後方向FBに並んで設けられている。
図3は、図1に示す端子の圧入固定部部分を示す拡大図である。
端子1の圧入固定部12は、前後方向FBの対称軸に対し対称に形成されている。圧入固定部12の一方の側面には、3つの突部31,32,33が前後方向FBに並んで配置されている。突部31,32,33のそれぞれは、前後方向FBと交わる向きに突出しており、後方Bに配置された突部ほど高い頂部を有している。すなわち、後方B側の突部33の頂部33cは、中央の突部32の頂部32cよりも高く、そして、中央の突部32の頂部32cは、前方F側の突部31の頂部31cよりも高く形成されている。また、突部31,32,33のそれぞれの頂部31c,32c,33cは丸みを有しており、また、突部31および突部32の間に形成された谷部32a、および、突部32および突部33の間に形成された谷部33aも丸みを有している。また、前方F側の突部31と接触部11との境部31aも丸みを有している。ここで、丸みを有しているとは、前後方向FBに沿った輪郭が、角を有さず滑らかにつながっていることを意味し、輪郭が曲線だけで構成されているものに加え、輪郭が直線を含んだものも含む意味である。つまり、圧入固定部12は、3つの突部31,32,33に亘り滑らかな形状に形成されている。突部31,32,33のそれぞれについてより詳細に説明すると、頂部31c,32c,33cよりも前方Fの斜面31b,32b,33b、および後方Bの斜面31d,32d,33dには直線部分が含まれている。また、後方B側の突部33の頂部33cは、絶縁ハウジング2に圧入された端子1のこじりに対する強度を高めるため、前後方向FBに平行な直線部分を有している。また、突部31,32,33のそれぞれは、頂部31c,32c,33cよりも前方Fの斜面31b,32b,33bの傾斜が、後方Bの斜面31d,32d,33dの傾斜よりも緩やかに形成されている。
圧入固定部12の一方の側面に設けられた3つの突部31,32,33について説明したが、3つの突部31,32,33は、圧入固定部12の他方の側面に設けられた残り3つの突部34,35,36と対称に設けられている。突部34,35,36の形状は、上述した突部31,32,33と同様の形状であるので説明を省略する。
図4は、図1に示す絶縁ハウジングの2―2線断面を示す部分断面図である。
図1および図4を参照して絶縁ハウジング2について説明する。絶縁ハウジング2の孔21の途中には段部26が形成されている。孔21の段部26よりも後方Bは、端子1のオフセット部13が収容される程度に幅広に形成されており、段部26よりも前方Fは端子1の圧入固定部12の幅よりわずかに狭い幅に形成されている。絶縁ハウジング2の孔21に圧入された絶縁ハウジング2は、オフセット部13が段部26に突き当たることによって位置決めされる。孔21の段部26よりも前方Fの側における内面22,23には、端子1の圧入固定部12が干渉する。孔21の内面22,23の後端には、後方Bに拡開するように傾斜した面取り部24,25が形成されている。面取り部24,25は、端子1が絶縁ハウジング2の孔21に挿入されるとき、端子1の先端を孔21の内部に案内する。
図5および図6は、図1に示す端子が絶縁ハウジングに圧入される過程を示す断面図である。図5および図6のパート(A)からパート(B)までには、端子1が絶縁ハウジング2に圧入される過程が順に、図1の2―2線断面図として示されている。なお、絶縁ハウジング2の変形の様子を見やすくするため、絶縁ハウジング2のハッチングは省略されている。
図5のパート(A)に示すように、端子1が絶縁ハウジング2の孔21に挿入され、前方Fに向かって押し込まれると、端子1の接触部11が絶縁ハウジング2から前方Fに突出する。また、端子1の圧入固定部12が面取り部24,25に突き当てられる。
図5のパート(B)に示すように、端子1がさらに前方Fに押し込まれると、端子1の前方F側の突部31,34が、面取り部24,25を両側に押し広げながら前方Fに進む。絶縁ハウジング2のうち突部31に突当てられた部分は、矢印M11で示すように前方Fに移動するように変形し、突部31の頂部付近では、矢印M12で示すように端子1から離れる向きに押し込まれるように変形する。面取り部24,25は後方Bに向かって拡開するように傾斜した形状であるため、孔の内面22,23が突部31によって突当てられ押し込まれる際の削れや、応力の集中による塑性変形が抑えられる。なお、端子1および絶縁ハウジング2のうち、突部31が設けられた一方の側について絶縁ハウジング2の変形を説明したが、他方の側の突部34は突部31と対称に形成されており、突部34が設けられた他方の側における絶縁ハウジング2の変形は突部31が設けられた側と同様である。以降も、主に一方の側についてのみ説明し他方については説明を省略する。
図5のパート(C)に示すように、端子1がさらに前方Fに押し込まれると、孔21の内面22,23に突部31,34の全体が干渉する。このとき、絶縁ハウジング2のうち突部31の頂部31c(図3参照)よりも前方Fの斜面31b(図3参照)に突当てられた部分は、矢印M21で示すように前方Fに向かってわずかに変形し、突部31の頂部31c付近では、矢印M22で示すように押し込まれる向きにわずかに変形する。突部31の頂部31cは丸みを有した形状であるため、孔21の内面22に加えられる力が頂部31cの周囲に分散する。このため、頂部31c付近における孔21の内面22の変形は弾性変形の範囲に留まり、塑性変形が抑えられている。また、塑性変形は、頂部31cよりも前方Fの斜面31b(図3参照)の傾斜が後方Bの斜面31dの傾斜より緩やかな形状を有していることによっても抑えられている。この結果、孔21の内面22のうち、突部31の頂部31c(図3参照)が通過した部分は、矢印M23で示すように頂部31cの丸みに沿って端子1に向かって戻る。
図6のパート(D)に示すように、端子1がさらに前方Fに押し込まれると、中央の突部32,35も孔21の内面に干渉する。孔21の内面22のうち、前方F側の突部31が干渉している部分の変形(矢印M31,M32,M33)は、図5のパート(C)の矢印M21,M22,M23で示した変形と同様である。絶縁ハウジング2のうち、中央の突部32の頂部31c(図3参照)よりも前方Fの斜面31bに突き当てられる部分は、矢印M34で示すように前方Fに向かって変形する。端子1の前方F側の突部31を乗り越えて端子1の側に向かって戻る変形(M33)と、中央の突部32に押し出された変形(M34)の双方によって、孔21の内面22における、前方F側の突部31と中央の突部32の間の谷部32a(図3参照)に向かって戻る量が増加する。また、前方F側の突部31による変形のうち、わずかながら塑性変形した部分は突部31を乗り越えても元に戻らないため、突部31が通過する前に比べ孔21が広がったままの状態となる。しかし、中央の突部32は、前方F側の突部31よりも高い頂部32cを有しているため、前方F側の突部31によって拡がるように変形した孔の内面にも広い面積で密着する。
図6のパート(E)およびパート(F)に示すように、端子1がさらに前方Fに押し込まれると、後方B側の突部33,36も孔21の内面に干渉する。図6のパート(E)およびパート(F)において、絶縁ハウジング2のうち、端子1の前方F側の突部31による変形(M41,M42,M43,M51,M52,M53)は、パート(D)における、突部31による変形(M31,M32,M33)と同様である。また、図6のパート(E)およびパート(F)における、中央の突部32による変形(M44,M45,M46,M54,M55,M56)は、前方F側の突部31による変形(M41,M42,M43,M51,M52,M53)と同様の仕組みによって生じる。図6のパート(F)に示す状態では、後方B側の突部33による、矢印M57,M58で示す変形が加わる。
図6のパート(G)に示すように、端子1がさらに前方Fに押し込まれると、オフセット部13が段部26に突き当たり、端子1の圧入が完了する。図6のパート(G)に示す状態で、端子1が絶縁ハウジング2に圧入された、電気コネクタにおける端子圧入構造が完成する。図6のパート(G)に示す状態では、孔21の内面22のうち後方B側の突部33の頂部33c(図3参照)を乗り越えた部分が、矢印M69で示すように端子1の側に向かって戻る。
このようにして、端子1の突部31〜36による絶縁ハウジング2の塑性変形が抑えられ、弾性変形によって突部を乗り越えた部分が突部と突部の間の谷部に入り込むように戻る。したがって、端子1の圧入固定部12と内面22,23との密着面積が増大するとともに絶縁ハウジング2による端子の締付けによる摩擦力が増大する。さらに、この摩擦力の増大に、突部の非対称な形状による抜止めが相乗的に作用し、絶縁ハウジング2による端子1の保持が強固になる。
続いて、上記実施形態の形状を有する端子を作成し、絶縁ハウジングに圧入した状態における端子保持力を求めた実施例について説明する。
まず実施例の試料として、上述した実施形態の形状、すなわち、圧入固定部が突部の頂部および谷部で丸みを有し、各突部における頂点よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有する圧入端子を作成した。また、圧入固定部が直線のみで構成され頂部および谷部が角を有する形状の圧入端子を比較例1として作成し、圧入固定部が曲線で構成されているが、各突部における頂点の前後の斜面の傾斜が同一に形成された圧入端子を比較例2として作成した。
次に、実施例および比較例1,2の端子を絶縁ハウジングに圧入し、端子保持力を得た。
図7は、実施例および比較例1,2における各端子の端子保持力を示す表である。
図7の表に示すように、実施例の端子は、比較例1、比較例2のいずれと比べても大きな端子保持力を有していた。
なお、上述した実施形態では、電気コネクタの例で説明したが、本発明の圧入端子、および端子圧入構造は、電気コネクタに限られるものではなく、絶縁物に端子が圧入される構造を有する種々の部品に適用することが可能である。
また、上述した実施形態では、圧入端子の両側に3つずつ合計6つの突部を備えた例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、突部が圧入端子の両側でなく片側のみに設けられたものであってもよい。また、突部の数は6つ以外の偶数または奇数であってもよい。
また、上述した実施形態では、オフセット部13を備えた端子1の例で説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばオフセット部が設けられていないタイプの圧入端子にも適用可能である。
C 電気コネクタ
1 端子(圧入端子)
11 接触部
12 圧入固定部
13 オフセット部
14 接続部
2 絶縁ハウジング
21 孔
22,23 孔の内面
24,25 面取り部
31,32,33,34,35,36 突部
32a,33a 谷部
31b,32b,33b 前方の斜面
31c,32c,33c 頂部
31d,32d,33d 後方の斜面
1 端子(圧入端子)
11 接触部
12 圧入固定部
13 オフセット部
14 接続部
2 絶縁ハウジング
21 孔
22,23 孔の内面
24,25 面取り部
31,32,33,34,35,36 突部
32a,33a 谷部
31b,32b,33b 前方の斜面
31c,32c,33c 頂部
31d,32d,33d 後方の斜面
Claims (6)
- 絶縁物に形成された孔に前方から圧入される圧入端子であって、
この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出した、この圧入端子が圧入されるときに孔の内面に干渉する、該圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
前記圧入固定部は、前記複数の突部の頂部および該複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
前記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする圧入端子。 - 前記複数の突部は、後方に配置された突部ほど高い頂部を有することを特徴とする請求項1記載の圧入端子。
- 孔が形成された絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに形成された孔に前方から圧入されて該絶縁ハウジングに固定された圧入端子とを備えた端子圧入構造であって、
前記圧入端子が、この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出し、前記絶縁ハウジングの孔の内面に干渉した、該圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
前記圧入固定部は、前記複数の突部の頂部および該複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
前記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする端子圧入構造。 - 前記複数の突部は、後方に配置された突部ほど高い頂部を有することを特徴とする請求項3記載の端子圧入構造。
- 絶縁ハウジングが、孔の内面の後端に、後方に拡開するように傾斜した面取り部を備えたものであることを特徴とする請求項3または4記載の端子圧入構造。
- 孔が形成された絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングに形成された孔に前方から圧入されて該絶縁ハウジングに固定された圧入端子とを備えた電気コネクタであって、
前記圧入端子が、この圧入端子の圧入方向と交わる向きに突出し、前記絶縁ハウジングの孔の内面に干渉した、該圧入方向に並んだ複数の突部を有した圧入固定部を有し、
前記圧入固定部は、前記複数の突部の頂部および該複数の突部の間の谷部の双方に丸みを有し、
前記複数の突部のそれぞれは、頂部よりも前方の斜面の傾斜が後方の斜面の傾斜より緩やかな形状を有するものであることを特徴とする電気コネクタ。
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