JP2008021536A - 端子圧入孔構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子の先端を突き当てることなくスムーズ且つ確実に拾って、孔部の入口の削れ等を防止する。
【解決手段】雄端子2を合成樹脂製の壁部1の孔部3に圧入する端子圧入孔構造で、孔部3の入口に第一のテーパ形状部4,4’と、第一のテーパ形状部よりも傾斜角度θの小さな第二のテーパ形状部5,5’とを孔部軸方向に続けて形成した。第一のテーパ形状部4’と第二のテーパ形状部5’との交差部7’又は第二のテーパ形状部5’と孔部3の内面との交差部8’のうち、少なくとも一方を湾曲状に形成した。
【選択図】図1
【解決手段】雄端子2を合成樹脂製の壁部1の孔部3に圧入する端子圧入孔構造で、孔部3の入口に第一のテーパ形状部4,4’と、第一のテーパ形状部よりも傾斜角度θの小さな第二のテーパ形状部5,5’とを孔部軸方向に続けて形成した。第一のテーパ形状部4’と第二のテーパ形状部5’との交差部7’又は第二のテーパ形状部5’と孔部3の内面との交差部8’のうち、少なくとも一方を湾曲状に形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、ピン状の雄端子をコネクタハウジングや基板等の孔部にスムーズに圧入するための端子圧入孔構造に関するものである。
図7は、従来の端子圧入孔構造を有するコネクタの一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この端子圧入孔構造は、合成樹脂製のコネクタハウジング31の端子圧入用の孔部32の入口にテーパ形状部33を設けると共に、テーパ形状部33の前側に断面矩形状の幅広の導入口34を設けて構成されるものである。
孔部32には導入口34を経て導電金属製のピン状の雄端子35が圧入される。雄端子35の先端35aは尖っている。孔部32に対して雄端子35の先端35aが少し位置ずれしていても、テーパ形状部33で拾われて孔部32に圧入される。
孔部32を貫通した雄端子35の先端部分はコネクタハウジング内の防水ゴム栓36を貫通して後方に突出する。雄端子35の前半部分はコネクタハウジングのフード部37内に位置し、雄端子35の後半部分は屈曲成形されて回路基板(図示せず)に接続される。少なくともコネクタハウジング31と雄端子35とでコネクタが構成される。フード部37には相手側コネクタが嵌合接続される。
上記端子圧入孔構造は、図8に示す端子圧入孔構造に類するものであり、図8において、入口のテーパ形状部11は孔部10の内径よりも幅広な開口端12と、孔部10から開口端12に全周に渡って続く傾斜面11aとを有している。図8で、開口端12の径をD、傾斜面11aの傾斜角度をθ、孔部10の圧入距離をLで示している。
特開2002−190348号公報(図5)
しかしながら、上記従来の図7の端子圧入孔構造にあっては、孔部32の導入口34がテーパ形状部33よりも幅広で段差状となっているために、雄端子35を圧入する際に、雄端子35の先端35aが導入口34に突き当たりやすく、その場合に雄端子35の曲がり等を生じ兼ねないという懸念があった。
また、上記従来の図8の端子圧入孔構造にあっては、例えば入口のテーパ形状部11の傾斜角θは一定(適正)のままで径Dを大きくすれば、雄端子2(図9)の位置ずれが大きくても対応できるが、圧入距離Lが短くなってしまい、雄端子2の保持力(固定力)が低下したり、特に圧入代が少ない場合に、挿入後の雄端子2の振れ角が大きくなって、雄端子2のアライメントを確保できないといった問題を生じてしまう。
また、圧入距離Lを適正に確保したまま、テーパ形状部11の径Dを大きくすれば、傾斜角θが大きくなって、図9に示す如く、雄端子2の先端2aがテーパ形状部11に突き当たり、スムーズに孔部10に導入できなくなったり、テーパ形状部11や雄端子2の先端が傷付いたり削れたりする(特にコネクタハウジング13がガラス強化樹脂の場合に発生しやすい)という問題を生じてしまう。
また、テーパ形状部11の傾斜角θを適正に確保したままで径Dを小さくすれば、雄端子2のアライメントは確保できるものの、雄端子2の先端を拾いにくくなると共に、テーパ形状部11の深さが小さくなって、雄端子2の圧入時に孔部10の入口にバリを生じやすくなるといった問題を生じてしまう。
本発明は、上記した点に鑑み、端子の先端を突き当てることなくスムーズ且つ確実に拾う(案内する)ことができると共に、端子の先端や孔部の入口に削れ等を生じることがなく、それに加えて端子の保持力やアライメントを確保することのできる端子圧入孔構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る端子圧入孔構造は、雄端子を合成樹脂製の壁部の孔部に圧入する端子圧入孔構造であって、該孔部の入口に第一のテーパ形状部と、該第一のテーパ形状部よりも傾斜角度の小さな第二のテーパ形状部とが孔部軸方向に続けて形成されたことを特徴とする。
上記構成により、孔部に対して傾斜気味に供給された雄端子の先端が大きな開き角度の第一のテーパ形状部で拾われて孔部に向けて案内され、次いで小さな開き角度の第二のテーパ形状部に沿って孔部とほぼ同心に位置矯正されて、雄端子がかじり等なく孔部内にスムーズに圧入される。
請求項2に係る端子圧入孔構造は、請求項1記載の端子圧入孔構造において、前記第一のテーパ形状部と前記第二のテーパ形状部との交差部又は前記第二のテーパ形状部と前記孔部の内面との交差部のうち、少なくとも一方が、湾曲状に形成されたことを特徴とする。
上記構成により、第一のテーパ形状部と第二のテーパ形状部との交差部が湾曲状の形成された場合、孔部に対して傾斜気味に供給された雄端子の先端及び長手方向中間部が第一のテーパ形状部と第二のテーパ形状部との湾曲状の交差部に低摩擦で摺接して孔部内に一層スムーズに挿入される。
第二のテーパ形状部と孔部の内面との交差部が湾曲状に形成された場合は、孔部に対して傾斜気味に供給された雄端子の先端及び長手方向中間部が第二のテーパ形状部と孔部の内面との湾曲状の交差部に低摩擦で摺接して孔部内に一層スムーズに挿入される。この効果は、請求項1記載の発明の構成を合体させた場合に一層顕著に発揮される。
請求項3に係る端子圧入孔構造は、請求項1記載の端子圧入孔構造において、前記第一のテーパ形状部と前記第二のテーパ形状部との交差部と、該第二のテーパ形状部の全体とが湾曲状に形成されたことを特徴とする。
上記構成により、第二のテーパ形状部に平面的な傾斜面がないから、雄端子の傾きが大きい場合でも、雄端子の先端が第二のテーパ形状部の湾曲面に沿ってスムーズに孔部に挿入される。
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、第一のテーパ形状部で雄端子の先端が確実に拾われて、第二のテーパ形状部に沿って雄端子や孔部の削れや傷付き等なくスムーズに孔部内に圧入されるから、雄端子の圧入作業性が向上する。また、第二のテーパ形状部で圧入時の雄端子の傾きが矯正されることで、圧入後の端子の保持力やアライメントが適正に確保され、電気的接続の信頼性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、第一のテーパ形状部と第二のテーパ形状部との交差部が湾曲状に形成された場合、雄端子が第一のテーパ形状部と第二のテーパ形状部との湾曲状の交差部に低摩擦でスムーズに摺接することで、カジリ等が一層確実に防止され、雄端子の圧入性が一層向上する。
また、第二のテーパ形状部と孔部の内面との交差部が湾曲状に形成された場合は、雄端子が第二のテーパ形状部と孔部の内面との湾曲状の交差部に低摩擦でスムーズに摺接することで、カジリ等が一層確実に防止され、雄端子の圧入性が一層向上する。
請求項3記載の発明によれば、たとえ雄端子の傾きが大きい場合でも、雄端子の先端が第二のテーパ形状部の湾曲面に沿ってスムーズに孔部に挿入されるから、雄端子の圧入性が一層向上する。
図1〜図2は、本発明に係る端子圧入孔構造の一実施形態を示すものである。
この端子圧入孔構造は、合成樹脂製の壁部1に、ピン状の雄端子2(図2)を圧入するための真直な孔部3が設けられ、孔部3の入口に第一と第二のテーパ形状部4,5が孔部軸方向に続けて二段に設けられたことを特徴とするものである。
孔部3の開口端6に続く第一(一段目)のテーパ形状部4の傾斜角度θ1は大きく、第一のテーパ形状部4に続く第二(二段目)のテーパ形状部5の傾斜角度θ2は小さく設定されている。孔部3に対して第一のテーパ形状部4の傾斜角度θ1は急で、第二のテーパ形状部5の傾斜角度θ2は緩い。
一例として第一のテーパ形状部4の傾斜角度θ1は45゜であることが好ましい。第二のテーパ形状部5の傾斜角度θ2はそれよりも小さく30゜程度であることが好ましい。第一のテーパ形状部4の開口径D1は第二のテーパ形状部5の開口径D2よりも大きいことは言うまでもない。
雄端子2の長さは壁部1の厚さ(孔部3の全長)よりも長い。雄端子2としては、全長に渡ってピン状の端子の他に、例えば一方にピン状の電気接触部、他方に雌型の電気接触部を有する端子等も使用可能である。
図1の例で、各テーパ形状部4,5は四面の傾斜面4a,5aで構成されている。各テーパ形状部4,5ごとに見れば、四つの各傾斜面(4a又は5a)の傾斜角度は等しい。本例で両テーパ形状部4,5の深さh1,h2はほぼ同じである。必要に応じて第二のテーパ形状部5を第一のテーパ形状部4よりも少し深く設定したり、その逆に設定することも可能である。
両テーパ形状部4,5の境目部分(交差部)7は断面視で直線的に交差し、周方向に線状(環状)に続いている。第二のテーパ形状部5と孔部3の内面との境目部分(交差部)8も同様に断面視で直線的に交差し、周方向に線状(環状)に続いている。
第一のテーパ形状部4の開口端6の径は端子拾い寸法であり、雄端子2の先端2aを拾う機能を担い、第一のテーパ形状部4の傾斜角度θ1は端子拾い角度であり、同様に雄端子2の先端2aを拾う機能を担い、第二のテーパ形状部5の傾斜角度θ2は端子挿入角度であり、雄端子2をスムーズに圧入する機能を担う。
図2の如く、雄端子2が孔部3に対して偏心し且つ斜めに挿入されようとした場合でも、雄端子2のテーパ状の先端部2b(正確には先端部の先端2a)が大径な第一のテーパ形状部4で確実に拾われて案内され、且つ傾斜(開き)角度の小さな第二のテーパ形状部5に沿って雄端子2が突き当たることなく孔部3内の収容空間に低摩擦抵抗でスムーズに案内される。
これにより、雄端子2の先端2aや孔部3の入口に削れや傷付き等を生じることが防止され、しかも雄端子2が傾斜角度θ2の小さな第二のテーパ形状部5に摺接することで、雄端子2の倒れ(傾き)が矯正され、雄端子2が真っ直ぐ(同心)に孔部3に圧入されて、孔部3の内面の削れや傷付きが防止されると共に、アライメント(隣合う雄端子2間の距離)が正確に規定される。
図3(a)に従来の端子圧入孔10のテーパ形状部11、図3(b)に本発明の端子圧入孔3のテーパ形状部4,5をそれぞれ示す如く、本発明の第一と第二のテーパ形状部4,5の深さ(奥行き)hの総和が従来のテーパ形状部11の深さ(奥行き)hと等しく設定されることで、図1の孔部3の圧入距離Lが従来の図8の孔部10の圧入距離と等しくなり、これによって圧入後の端子保持力が適正に確保され、且つ雄端子2のアライメントも適正に確保される。
このように、第一のテーパ形状部4で雄端子2を拾いやすくし、第二のテーパ形状部5で雄端子2の突き当たり(ドツキ)を生じにくくしているから、例えば雄端子2の傾きが大きくて、第二のテーパ形状部5に雄端子2の先端2aが突き当たった場合でも、第二のテーパ形状部5の傾斜角度5が小さいから、雄端子2をスムーズに孔部3内の収容空間に圧入することができ、端子圧入時のバリも生じにくくなる。
二段階のテーパ形状部4,5を形成したことで、端子保持力の低下(圧入空間の縮小)を防止しつつ、雄端子2の拾い・雄端子2の突き当たり防止・雄端子2のアライメント確保・端子圧入によるバリ防止の全てをバランス良く実現することができる。
図4〜図5は、本発明に係る端子圧入孔構造の他の実施形態を示すものである。
この端子圧入孔構造は、上記図1〜図2の端子圧入孔構造における第一のテーパ形状部4と第二のテーパ形状部5との境目部分(交差部)7と、第二のテーパ形状部5と孔部3の内面との境目部分(交差部)8とを、それぞれ断面視で直線的に交差させるのではなく、それぞれ円弧状に交差させたことを特徴とするものである。
すなわち、第一のテーパ形状部4’は第二のテーパ形状部5’に断面円弧状の交差部(R付け部)7’で続き、第二のテーパ形状部5’は孔部3の内面に断面円弧状の交差部(R付け部)8’で続いている。
本例で、第一のテーパ形状部4’は前半(開口端側)の断面直線的な傾斜面4a’と後半の湾曲面(断面円弧面)4b’とで構成され、第二のテーパ形状部5’は湾曲面(断面円弧面)5a’のみで構成されている。湾曲面5a’で成る第二のテーパ形状部5’(ここで言うテーパとは湾曲形状を含むものとする)と第一のテーパ形状部4’の後半の湾曲面4b’とで一つの大きな湾曲面が構成され、大きな湾曲面は開口端側の断面直線的な傾斜面4a’に続いている。
第二のテーパ形状部5’の前半を図示しない湾曲面(断面円弧面)、後半を図示しない断面直線的な傾斜面で構成することも可能である。この場合、前半の湾曲面は第一のテーパ形状部4’の後半の湾曲面4b’に接線方向に滑らかに続く。
また、図4で開口端側の断面直線的な傾斜面4a’を湾曲面として、全体を一つのさらに大きな湾曲面とすることも可能である。但し、この場合は第一のテーパ形状部4a’の傾斜角度θ1が大きくなって、雄端子2の先端2aが第一のテーパ形状部4a’に突き当たり、雄端子2の案内がスムーズに行われなくなる懸念がある。
図4におけるその他の構成は図1の構成と同様であるので、同様な構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図5の如く、雄端子2が孔部3に対して偏心し且つ斜めに挿入されようとした場合でも、雄端子2の先端2aが大径な第一のテーパ形状部4’で確実に拾われて案内され、且つ傾斜角度θ2の小さな湾曲状の第二のテーパ形状部(湾曲形状部)5’に沿って雄端子2が突き当たることなく孔部3内の収容空間に低摩擦抵抗でスムーズに案内される。これにより、上記した図1の実施形態におけると同様の作用効果が奏される。
図4の実施形態は図3にも対応し、第一のテーパ形状部4’と第二のテーパ形状部(湾曲状形状部)5’との深さの総和hを従来の端子圧入孔10の深さhと同じにすることで、圧入後の端子保持力やアライメントも確保されることは言うまでもない。
なお、図4の実施形態においては、第一のテーパ形状部4’と第二のテーパ形状部5’との交差部7’と、第二のテーパ形状部5’と孔部3の内面との交差部8’との両方を湾曲状に形成したが、例えば第一のテーパ形状部4’と第二のテーパ形状部5’との交差部7’のみを湾曲状に形成したり、第二のテーパ形状部5’と孔部3の内面との交差部8’のみを湾曲状に形成することも有効である。
図6は、上記図1〜図5に示す各実施形態の適用の一例を示すものである。便宜上、図4の例の符号を用いて説明する。
図6に孔部3の正面図を示す如く、孔部3は矩形状に形成され、第一のテーパ形状部4’と第二のテーパ形状部5’とが孔部3の収容空間に向けて順次径(幅)を狭めて形成されている。
例えば図7の従来例のように、合成樹脂製のコネクタハウジング(図示せず)の基壁を図1,図4の壁部1とすることができる。図7の従来例では雄端子の後半部分が回路基板に接続され、前半部分が相手コネクタ内の雌端子に接続されるが、例えば雄端子の前半と後半とを各相手コネクタ内の雌端子に接続し、雄端子を介して両相手コネクタをジョイント接続させることも可能である。また、電気接続箱(図示せず)のコネクタハウジングに適用して、コネクタハウジング内の雄端子2を相手側のハーネスコネクタと電気接続箱内の回路に接続させることも可能である。
1 壁部
2 雄端子
3 孔部
4,4’ 第一のテーパ形状部
5,5’ 第二のテーパ形状部
7,7’ 交差部
8,8’ 交差部
θ1,θ2 傾斜角度
2 雄端子
3 孔部
4,4’ 第一のテーパ形状部
5,5’ 第二のテーパ形状部
7,7’ 交差部
8,8’ 交差部
θ1,θ2 傾斜角度
Claims (3)
- 雄端子を合成樹脂製の壁部の孔部に圧入する端子圧入孔構造であって、該孔部の入口に第一のテーパ形状部と、該第一のテーパ形状部よりも傾斜角度の小さな第二のテーパ形状部とが孔部軸方向に続けて形成されたことを特徴とする端子圧入孔構造。
- 前記第一のテーパ形状部と前記第二のテーパ形状部との交差部又は前記第二のテーパ形状部と前記孔部の内面との交差部のうち、少なくとも一方が、湾曲状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の端子圧入孔構造。
- 前記第一のテーパ形状部と前記第二のテーパ形状部との交差部と、該第二のテーパ形状部の全体とが湾曲状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の端子圧入孔構造。
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JP2006192447A JP2008021536A (ja) | 2006-07-13 | 2006-07-13 | 端子圧入孔構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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-
2006
- 2006-07-13 JP JP2006192447A patent/JP2008021536A/ja not_active Withdrawn
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