JP2005308211A - チューブ接続用のクイックコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブ接続部を高強度となし得て、チューブ接続部が折れてしまうことのないチューブ接続用のクイックコネクタを提供する。
【解決手段】軸方向の一方の側にソケット状のリテーナ保持部20を、他方の側にチューブ接続部22を備えたコネクタ本体18と、リテーナ保持部20により保持され相手パイプ14の抜止めをなすリテーナ34とを有し、チューブ接続部22の環状突起46-1,46-2をチューブ12の内面に食い込ませて抜止めをなすクイックコネクタ10において、環状突起46-2からチューブ接続部22の付根にかけての部分をテーパ面54となす。またテーパ面54の小径側の径を環状突起46-2と環状突起46-1との間の平坦面48-1の径よりも大径となす。
【選択図】 図3

Description

この発明は樹脂やゴム等から成る可撓性のチューブを相手パイプに接続する際に用いられるクイックコネクタに関し、詳しくは燃料輸送用の可撓性チューブを相手パイプに接続するためのクイックコネクタに関する。
従来、燃料輸送用、例えば、燃料タンク内の燃料をエンジン側に輸送するためのものとして、樹脂やゴム等から成る可撓性のチューブを相手パイプに接続する以下のようなクイックコネクタ、即ち(a)全体として筒状を成し、軸方向の一方の側に相手パイプを挿入させるソケット状のリテーナ保持部を、他方の側にチューブ内に圧入されるチューブ接続部を備えたコネクタ本体と、(b)リテーナ保持部により軸方向に固定状態に保持され、内周側の係合部を挿入された相手パイプの外周面の被係合部に軸方向に係合させて相手パイプの抜止めをなすリテーナと、(c)リテーナ保持部よりもチューブ接続側の奥部においてコネクタ本体内部に装着され、挿入された相手パイプの外周面に接触してシールをなすシール部材とを有しており、そしてチューブ接続部にはチューブの内面に食い込んでチューブの抜止めをなす環状突起が軸方向に間隔を隔てて複数形成されて成るクイックコネクタが用いられている。
例えば下記特許文献1にこの種のクイックコネクタが開示されている。
図8はその一例を具体的に示したものである。
図8において、200は図9のチューブ202を相手パイプ204に接続するためのクイックコネクタで、コネクタ本体206(ここでは樹脂製)を有している。
コネクタ本体206は全体として筒状をなしており、軸方向の一方の側に相手パイプ204を挿入させるソケット状のリテーナ保持部208を、他方の側にチューブ202内に圧入されるチューブ接続部210を、またそれらの中間にハウジング212を備えている。
コネクタ本体206には、リテーナ保持部208よりもチューブ接続部210側の奥部、具体的にはハウジング212内にOリング214とブッシュ216とが装着されており、挿入された相手パイプ204の外周面に対してそれらを接触させてシールするようになっている。
リテーナ保持部208には、開口形状の窓部218が設けられており、そしてその窓部218の外周側の枠部のうちの前端部(図中左端側)が、後述のリテーナ222における溝状の係合部224との係合用の被係合部220とされている。
リテーナ222(ここでは樹脂製)は、コネクタ本体206と別体を成してリテーナ保持部208により保持される部材であって、径方向に弾性変形可能とされている。
このリテーナ222は、外周側の溝状の係合部224においてリテーナ保持部208の被係合部220と係合し、それらの係合作用によってリテーナ保持部208により軸方向に固定状態に保持される。
リテーナ222はまた、係合爪からなる内周側の係合部226を有しており、この係合部226を、相手パイプ204の外周面の環状突部から成る被係合部228に軸方向に係合させて、コネクタ本体206内に挿入された相手パイプ204を抜け防止するようになっている。
このリテーナ222には更に、内周面と外周面とに係合ガイドとしての内周カム面230及び外周カム面232が設けられている。
これら内周カム面230,外周カム面232は次のように働く。
即ちリテーナ222をリテーナ保持部208に保持させた状態で相手パイプ204を軸方向に挿入すると、内周カム面230が相手パイプ204の被係合部228に当って被係合部228の挿入ガイドを成すとともに、カム作用でリテーナ222を弾性的に拡開させる。
そして被係合部228が係合部226を通過したところでリテーナ222が縮径状態に戻って、係合部226を相手パイプ204の被係合部228に軸方向に係合させる。
ここにおいて相手パイプ204がコネクタ本体206から抜止めされる。
リテーナ222は、相手パイプ204を挿入するに際して予め相手パイプ204側に取り付けておくこともでき、この場合、相手パイプ204をコネクタ本体206に挿入したとき、リテーナ222の外周カム面232がリテーナ保持部208の被係合部220に当って、リテーナ222を縮径方向に弾性変形させる。
そして外周側の係合部224がリテーナ保持部208の被係合部220に到ったところで、リテーナ222が拡径変形して係合部224と被係合部220とが軸方向に係合した状態となる。
前記チューブ接続部210は、ハウジング212に対して小径をなしている。そしてその付根から壁234が径方向外方に直角に立ち上っている。
この壁234は、チューブ202の先端面を当接させてチューブ202の外挿長を規定する働きをなす。
このチューブ接続部210には、軸方向に互いに間隔を隔てて複数の環状突起238-1,238-2,238-3が設けられている。
これら環状突起238-1,238-2,238-3はチューブ202の内面に食い込んで抜止めをなすもので、各先端が鋭角をなす断面鋸歯形状をなしている。
チューブ接続部210のこれら環状突起238-1,238-2,238-3間の部分は、軸方向に平行な平坦面240-1,240-2とされている。
またチューブ接続部210の付根とその付根に最も近い最奥部の環状突起238-3との間の部分も同様に軸方向に平行な平坦面240-3とされており、更に最も先端側の環状突起238-1より更に先端側の部分も同様に軸方向に平行な平坦面240-4とされている。
ここで各平坦面240-1,240-2,240-3,240-4は何れも同径寸法とされている。
このように各環状突起238-1,238-2,238-3の間に平坦面240-1,240-2を形成し、また前端部,後端部に同じく同径の平坦面240-4,240-3を形成しているのは、かかるチューブ接続部210をチューブ202内に圧入して接続したとき、チューブ接続部210とチューブ202とを良好に密着状態とすることができ、ひいてはチューブ202の抜け力を高くすることができることによる。
詳しくは、チューブ接続部210に外挿されたチューブ202はその内面がそれら平坦面240-1,240-2,240-3,240-4にほぼ密着するように撓み、各環状突起238-1,238-2,238-3のチューブ202内面への食込深さが深くなって、チューブ202に対する抜け防止効果が高まることによる。
更に、チューブ202はその内面がそれら平坦面240-1,240-2,240-3,240-4にほぼ密着状態となって、チューブ接続部210とチューブ202内面との接触面積が高まることにより抜け防止効果が高まる。
尚、242は断面矩形状をなすOリング溝であって、図9に示しているようにそこにチューブ202とのシール用のOリング246が装着されるようになっている。
このクイックコネクタ200は、図9(II)に示しているようにチューブ接続部210をチューブ202内に圧入し、また反対側から相手パイプ204をコネクタ本体206内に挿入するだけで、簡単にチューブ202と相手パイプ204とを接続状態とすることができる。
ところでこのクイックコネクタ200にあっては、小径をなすチューブ接続部210の根元の部分に応力が集中し易く、同部分が強度的な弱点部となる問題がある。
コネクタ本体206及びチューブ接続部210は、接続すべきチューブ202の径に応じて太くなったり細くなったりし、何れの場合においてもこの問題は共通して生じるが、特にチューブ202の内径に応じてチューブ接続部210の外径が小さくなると、その根元の部分に集中的に大きな荷重が働くようになり、チューブ202の接続に際して若しくは接続後においてチューブ202から曲げ力等が加わったとき等に、チューブ接続部210がその根元の部分で折れてしまう恐れがある問題がある。とりわけ、チューブ202の内径がφ5以下の場合に問題がおこりやすい。
一方、チューブ202の内径に対して、チューブ接続部210の全長が長くなる場合、より具体的にはチューブ202の内径に対するチューブ接続部210の全長の比が5以上、とりわけ6以上の場合にも同様の問題がある。
尚、下記特許文献2にはチューブ接続部の付根の断面形状をR形状(円弧形状)としたものが開示されている。
しかしながら本発明者等の実験によると、付根をこのようなR形状となした場合にも根元部分の強度を十分に高くし得ず、折れの問題を解消できない問題のあることが判明した。
特開平7−71673号公報 特開平11−201355号公報
本発明はこのような事情を背景とし、チューブ接続部を高強度となし得て、かかるチューブ接続部が折れてしまうことのないチューブ接続用のクイックコネクタを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、可撓性のチューブを相手パイプに接続するための部材であって、(a)全体として筒状を成し、軸方向の一方の側に該相手パイプを挿入させるリテーナ保持部を、他方の側に前記チューブ内に圧入されるチューブ接続部を備えたコネクタ本体と、(b)前記リテーナ保持部により軸方向に固定状態に保持され、内周側の係合部を前記挿入された相手パイプの外周面の被係合部に軸方向に係合させて該相手パイプの抜止めをなすリテーナと、(c)前記リテーナ保持部よりも前記チューブ接続部側の奥部において前記コネクタ本体内部に装着され、前記挿入された相手パイプの外周面に接触してシールをなすシール部材と、を有しており、該チューブ接続部には前記チューブの内面に食い込んで該チューブの抜止めをなす環状突起が軸方向に間隔を隔てて複数形成されて成るクイックコネクタにおいて、前記チューブ接続部の付根に最も近い、前記チューブから見て最奥部の環状突起から該付根にかけての部分が、該付根に向って漸次拡径するテーパ面となしてあるとともに、該テーパ面は小径側の前記最奥部の環状突起側の径が、前記環状突起と環状突起との間の径よりも大径となしてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記チューブ接続部における環状突起と環状突起との間には軸方向に平行な平坦面が設けてあり、前記テーパ面における小径側の前記最奥部の環状突起側の径が、該平坦面よりも大径となしてあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記チューブ接続部の付根からは前記チューブの先端面を当接させる壁が径方向外方に立ち上っており、該壁にて該チューブの外挿長が規定されるようになしてあることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記テーパ面の前記チューブ接続部の付根側の最大径が、前記最奥部の環状突起よりもチューブ接続部の先端側の前記環状突起の径と実質同径となしてあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記最奥部の環状突起の径がこれよりもチューブ接続部の先端側の前記環状突起の径よりも大径となしてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、チューブから見て最奥部の環状突起からチューブ接続部の付根にかけての部分を、その付根に向って漸次拡径するテーパ面となすとともに、そのテーパ面の上記最奥部の環状突起側の小径側の径を、それより先端側の環状突起と環状突起との間の径よりも大径となしたものである。
本発明のクイックコネクタにあっては、最も応力集中し易いチューブ接続部の最奥部の環状突起から付根にかけての根元の部分が全体的に厚肉,大径であり、しかもその肉厚,径は付根に向って漸次増大する形状をなしているため、根元の部分を高強度となし得、チューブ接続作業に際して若しくはチューブ接続後にチューブ等を通じチューブ接続部に大きな曲げ力が加わった場合等においても、かかるチューブ接続部が根元の部分で折れを生じるのを効果的に防止することができる。
本発明においては、チューブ接続部における環状突起と環状突起との間には軸方向に平行な平坦面を設けておき、そしてテーパ面における小径側となる最奥部の環状突起側の径を、その平坦面よりも大径となしておくことができる(請求項2)。
このように環状突起と環状突起との間に軸方向に平行な平坦面を設けておくことで、チューブ接続部に外挿したチューブ内面をその平坦面にほぼ密着させてチューブをより効果高く抜け防止することができる。
本発明は、チューブの先端面を当接させる壁がチューブ接続部の付根から径方向外方に立ち上がり、その壁にてチューブの外挿長を規定するようになしたクイックコネクタに適用して特に効果の大なるものである(請求項3)。
この形態のクイックコネクタにあっては、特にチューブ接続部の根元の部分に、チューブ等を通じて加わる曲げ力等による応力集中が生じ易く、かかる形態のクイックコネクタに本発明を適用することによって、根元の部分でのチューブ接続部の折れを効果的に防止することが可能となる。
本発明においてはまた、上記テーパ面の、チューブ接続部における付根側の最大径を、最奥部の環状突起よりも先端側の環状突起の径と実質同径となしておくことができる(請求項4)。
テーパ面の最大径が、その先端側の環状突起の径よりも大径となってしまうと、その先端側の環状突起によるチューブへの食込量及びこれに基づく抜け防止効果が低下してしまう。
しかるに請求項4によればそうした不具合を回避することができる。
本発明においてはまた、最奥部の環状突起の径を、これより先端側の環状突起の径よりも大径となしておくことができる(請求項5)。
このように最奥部の環状突起の径を大径となしておくことで、その最奥部の環状突起からチューブ接続部の付根にかけての部分を大径となした場合においても、その最奥部の環状突起のチューブ内面への食込量及びこれによるチューブの抜け防止効果を高く維持することができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1〜図3において、12は燃料輸送用として用いられる可撓性のチューブ(ここでは樹脂製)であり、例えば、軽自動車や自動二輪車等の小型車両に用いられる。
ここでチューブ12の内径はDとされている。
また、10はこの可撓性チューブ12を金属製の相手パイプ14に接続するためのクイックコネクタである。
ここで相手パイプ14の外周面には、先端近傍位置に環状突部からなる被係合部16が設けられている。
尚、本発明において小型車両とは、自動二輪車、自動三輪車、ATV(All Terrain Vehicle)等を意味する。
上記クイックコネクタ10は、コネクタ本体18(ここでは樹脂製)を有している。
コネクタ本体18は全体として筒状を成しており、軸方向の一方の側に相手パイプ14を挿入させるソケット状のリテーナ保持部20を、また他方の側にチューブ12内に圧入されるチューブ接続部22を、またそれらの中間にハウジング24を備えている。
ハウジング24は、リテーナ保持部24よりも小径のシール保持部24aと、チューブ接続部側に設けられたシール保持部24aよりも更に小径のパイプ支持部24bとを有している。
シール保持部24aには、Oリング26とブッシュ28とが装着されており、挿入された相手パイプ14の外周面にそれらが接触することによってシールを行う。
リテーナ保持部20には、開口形状の窓部30が設けられており、そしてその窓部30の外周側の枠部のうちの前端部(図中左端側)が、後述のリテーナ34における溝状の係合部(外周側の係合部)36との係合用の被係合部32とされている。
このリテーナ34は、外周側の溝状の係合部36においてリテーナ保持部20の被係合部32と係合し、それらの係合作用によってリテーナ保持部20により軸方向に固定状態に保持される。
リテーナ34にはまた、内周側に開口形状の係合部(内周側の係合部)38が設けられており、その係合部38内に相手パイプ14の環状突部から成る被係合部16を嵌め入れることによって、かかる被係合部16と軸方向に係合し、相手パイプ14を抜け防止する。
リテーナ34には更に、内周面と外周面とに係合ガイドとしての内周カム面39及び外周カム面40が設けられている。
内周カム面39,外周カム面40はそれぞれ次のように働く。
即ちリテーナ34をリテーナ保持部20に保持させた状態で相手パイプ14を軸方向に挿入すると、内周カム面39が相手パイプ14の被係合部16に当ってその挿入ガイドをなすとともに、カム作用でリテーナ34を弾性的に拡開させる。
そして被係合部16が開口形状の係合部38に到ったところでリテーナ34が弾性的な拡開状態から縮径状態に戻って、リテーナ34の係合部38と相手パイプ14の被係合部16とが軸方向に係合した状態となる。
ここにおいて相手パイプ14がコネクタ本体18から抜止めされる。
リテーナ34は、相手パイプ14を挿入するに際して予め相手パイプ14側に取り付けておくこともでき、この場合、相手パイプ14をコネクタ本体18に挿入したとき、リテーナ34の外周カム面40がリテーナ保持部20における被係合部32に当って挿入ガイドをなすとともに、リテーナ34を縮径方向に弾性変形させる。
そして外周側の係合部36がリテーナ保持部20の被係合部32に到ったところで、リテーナ34が縮径状態から拡径状態に戻って、係合部36と被係合部32とが軸方向に係合した状態となる。
尚、リテーナ34には先端部(図中左端部)にリテーナ34を縮径方向に変形操作するための操作つまみ42が設けてある。
尚リテーナ34はここでは樹脂製の部材であって、全体として図3に示しているように径方向に弾性変形可能なCリング状のものとされていて、コネクタ本体18に軸方向から係合するものとされているが、コネクタ本体18に、リテーナが軸直角方向に移動可能な窓部を形成して、リテーナを軸直角方向からスライドさせ、相手パイプ14の環状突部から成る被係合部16を係合させるようなリテーナであっても良い。
このような軸直角方向に移動可能なリテーナであれば、断面円形或いは矩形の線材,樹脂を曲げ加工や成形加工によってリング状やステープル状に形成したものでも良く、このようにすればコスト面から有利である。
前記チューブ接続部22は、図4に詳しく示しているようにハウジング24に対して小径をなしている。
そしてその付根からパイプ支持部24bに向かって壁44が径方向外方に直角に立ち上っている。
この壁44は、チューブ12の先端面を当接させてチューブ12の外挿長を規定する働きをなす。
本実施形態において、チューブ接続部22には軸方向に互いに間隔を隔てて2つの環状突起46-1,46-2が設けられている。
ここで、チューブ接続部の全長はL,内径はd0とされている。
これら環状突起46-1,46-2は、チューブ12の内面に食い込んで抜止めをなすもので、各先端が鋭角をなす断面鋸歯形状をなしている。
これら環状突起46-1と46-2との間には、軸方向に平行な平坦面48-1が形成されており、また環状突起46-1より先端側においても同様に軸方向に平行な平坦面48-2が形成されている。
ここで平坦面48-1と48-2とは同一の外径d1とされている。
尚、環状突起46-1と46-2との間には断面矩形状をなすOリング溝50が設けられていて、そこにシール用のOリング52が嵌込装着される。
本実施形態においては、環状突起46-2即ちチューブ12から見て最奥部の環状突起46-2からチューブ接続部22の付根にかけての部分が、その付根に向って漸次拡径するテーパ面54となしてある。
またこのテーパ面54は、小径側となる環状突起46-2側の径d2が、平坦面48-1,48-2の径d1よりも大径となしてある。
一方テーパ面54の大径側の径d3即ちチューブ接続部22の付根側の径d3は、環状突起46-1,46-2の径と実質同径とされている。
本実施形態のクイックコネクタ10は、図1及び図2に示しているようにチューブ接続部22をチューブ12内に圧入し、そして相手パイプ14をリテーナ保持部20側からコネクタ本体18内部に挿入することで、簡単にチューブ12と相手パイプ14とを接続状態とすることができる。
このときチューブ接続部22における環状突起46-1,46-2が、チューブ12の内面に食い込んだ状態となって、チューブ12を良好に抜止めする。
またこの接続状態においてチューブ12の内面は、チューブ接続部22における平坦面48-1,48-2及びテーパ面54にほぼ密着状態となって、環状突起46-1,46-2による抜け防止が効果的に働く。
以上のような本実施形態のクイックコネクタ10によれば、最も応力集中し易いチューブ接続部22における最奥部の環状突起46-2から付根にかけての根元の部分が全体的に厚肉,大径であり、しかもその肉厚,径は付根に向って漸次増大する形状をなしているため、根元の部分を高強度となし得、チューブ12の接続作業に際して若しくは接続後においてチューブ12を通じチューブ接続部22に大きな曲げ力等が加わった場合においても、チューブ接続部22が根元の部分で折れを生じるのを効果的に防止することができる。
また本実施形態では環状突起46-1と環状突起46-2との間に、軸方向に平行な平坦面48-1を設けてあるので、チューブ接続部22に外挿したチューブ12内面を、その平坦面48-1にほぼ密着させることでチューブ12をより効果高く抜け防止することができる。
次の表1は、図5(A)に示す本実施形態のクイックコネクタ10におけるチューブ接続部22の強度を、図5(B)に示す比較例のクイックコネクタ10Aにおけるチューブ接続部22Aの強度と比較して示したものである。
Figure 2005308211
尚、本実施形態のクイックコネクタ10におけるチューブ接続部22の(長さ)L寸法は16mm,d0寸法はφ2mm,d1寸法はφ3.5mm,d2寸法はφ4.5mm,d3寸法はφ5mmとし(d0〜d3,Lは図4参照)、接続する樹脂チューブ12の(内径)D寸法は2.5とした(Dは図1参照)。従って、樹脂チューブ12の内径に対するチューブ接続部の長さL/Dは6.4である。
一方比較例品におけるd1相当寸法はφ3.5mm,d3相当寸法はφ5mmとした。
尚比較例のクイックコネクタ10Aにおいては、テーパ面54Aと環状突起46-2Aとの間に平坦面56Aが設けてある。この平坦面56Aの外径寸法はφ4.5mmとした。
図6は強度測定試験方法を示している。
この強度測定試験では、室温(23℃)下においてチューブ接続部22,22Aに樹脂製のチューブ12を圧入により接続し、そしてチューブ接続部22,22Aの根元の部分が折れるまでチューブ12を下方に一定速度(100mm/分)で引張りながら、荷重測定を行い、強度測定を行った。
表1に示しているようにこの測定試験では、本実施形態のクイックコネクタ10におけるチューブ接続部22が高強度を有するものであった。
図7は本発明の他の実施形態を示したもので、この実施形態は環状突起46-2の径を、今一方の環状突起46-1の径よりも大径となしたものである。
即ちチューブ接続部22における付根に近い側の最奥部の環状突起46-2の突出高さを、それより先端側の環状突起46-1の突出高さよりも高くした例である。
尚図7の実施形態では、チューブ接続部22の付根に若干のR形状(円弧形状)を与えている。
このような若干のR形状を持たせておくことで、よりクイックコネクタ10におけるチューブ接続部22を高強度にすることができる。
好ましくはRを0.2〜1.5、より好ましくはRを0.5〜1.2とする。
この図7に示す実施形態によれば、最奥部の環状突起46-2の径を先端側の環状突起46-1の径よりも大径となしてあるため、その最奥部の環状突起46-2からチューブ接続部22の付根にかけての根元の部分を大径となした場合においても、その最奥部の環状突起46-2のチューブ12内面への食込量及びこれによるチューブ12の抜け防止効果を高く維持することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態のクイックコネクタを、チューブ及び相手パイプとの接続状態で示す断面図である。 同実施形態のクイックコネクタを、コネクタ本体とリテーナとに分解した状態でチューブ及び相手パイプとともに示す図である。 同実施形態のクイックコネクタを、コネクタ本体とリテーナとに分解した状態でチューブ及び相手パイプとともに示す斜視図である。 同実施形態の要部の拡大断面図である。 チューブ接続部の強度測定に供した本実施形態のクイックコネクタと比較例のクイックコネクタとを示す図である。 強度測定試験の方法の説明図である。 本発明の他の実施形態の要部拡大断面図である。 従来のクイックコネクタの一例を示す図である。 図8のクイックコネクタによるチューブ接続の手順の一部を示す説明図である。
符号の説明
10 クイックコネクタ
12 チューブ
14 相手パイプ
16 被係合部
18 コネクタ本体
20 リテーナ保持部
22 チューブ接続部
26 Oリング(シール部材)
28 ブッシュ(シール部材)
32 被係合部
34 リテーナ
36 係合部(外周側の係合部)
38 係合部(内周側の係合部)
44 壁
46-1,46-2 環状突起
48-1 平坦面
54 テーパ面





Claims (5)

  1. 可撓性のチューブを相手パイプに接続するための部材であって、(a)全体として筒状を成し、軸方向の一方の側に該相手パイプを挿入させるリテーナ保持部を、他方の側に前記チューブ内に圧入されるチューブ接続部を備えたコネクタ本体と、(b)前記リテーナ保持部により軸方向に固定状態に保持され、内周側の係合部を前記挿入された相手パイプの外周面の被係合部に軸方向に係合させて該相手パイプの抜止めをなすリテーナと、(c)前記リテーナ保持部よりも前記チューブ接続部側の奥部において前記コネクタ本体内部に装着され、前記挿入された相手パイプの外周面に接触してシールをなすシール部材と、を有しており、該チューブ接続部には前記チューブの内面に食い込んで該チューブの抜止めをなす環状突起が軸方向に間隔を隔てて複数形成されて成るクイックコネクタにおいて、
    前記チューブ接続部の付根に最も近い、前記チューブから見て最奥部の環状突起から該付根にかけての部分が、該付根に向って漸次拡径するテーパ面となしてあるとともに、該テーパ面は小径側の前記最奥部の環状突起側の径が、前記環状突起と環状突起との間の径よりも大径となしてあることを特徴とするチューブ接続用のクイックコネクタ。
  2. 請求項1において、前記チューブ接続部における環状突起と環状突起との間には軸方向に平行な平坦面が設けてあり、前記テーパ面における小径側の前記最奥部の環状突起側の径が、該平坦面よりも大径となしてあることを特徴とするチューブ接続用のクイックコネクタ。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記チューブ接続部の付根からは前記チューブの先端面を当接させる壁が径方向外方に立ち上っており、該壁にて該チューブの外挿長が規定されるようになしてあることを特徴とするチューブ接続用のクイックコネクタ。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記テーパ面の前記チューブ接続部の付根側の最大径が、前記最奥部の環状突起よりもチューブ接続部の先端側の前記環状突起の径と実質同径となしてあることを特徴とするチューブ接続用のクイックコネクタ。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記最奥部の環状突起の径がこれよりもチューブ接続部の先端側の前記環状突起の径よりも大径となしてあることを特徴とするチューブ接続用のクイックコネクタ。
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