JP2014020418A - 配管接続具および配管接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産効率の向上等を図りつつ、破損を防止できる配管接続具を提供する。
【解決手段】本発明の配管接続具は、挿入パイプ部21の後端外周にフランジ25が設けられた接続具本体2と、ナット本体31の前端内周に内側に突出するようにフランジ抑止片35が設けられた袋ナット3とを備え、フランジ抑止片35の内周に設けられた挿通孔に、挿入パイプ部21が挿通配置された状態では、フランジ抑止片35によってフランジ25を抑止可能になっている。接続具本体2が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成される。接続具本体2における挿入パイプ部21の外周面とフランジ25の前面との間の入隅コーナー部26が、曲率半径が1mm以上の湾曲面27に形成されている。袋ナット3におけるフランジ抑止片35の内周端面とフランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部36に面取り部37が形成されている
【選択図】図6
【解決手段】本発明の配管接続具は、挿入パイプ部21の後端外周にフランジ25が設けられた接続具本体2と、ナット本体31の前端内周に内側に突出するようにフランジ抑止片35が設けられた袋ナット3とを備え、フランジ抑止片35の内周に設けられた挿通孔に、挿入パイプ部21が挿通配置された状態では、フランジ抑止片35によってフランジ25を抑止可能になっている。接続具本体2が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成される。接続具本体2における挿入パイプ部21の外周面とフランジ25の前面との間の入隅コーナー部26が、曲率半径が1mm以上の湾曲面27に形成されている。袋ナット3におけるフランジ抑止片35の内周端面とフランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部36に面取り部37が形成されている
【選択図】図6
Description
この発明は、給湯用や給水用の配管を、他の機器に接続するための配管接続具および配管接続構造に関する。
従来、給湯機からお湯や水を供給する給湯管や給水管としては、金属製の配管を使用するのが一般的であった。ところが、金属製の配管は、柔軟性に乏しい上さらに、高重量であるため、位置合わせ作業や搬出入作業が困難であり、敷設施工作業等が困難になってしまう。
そこで、近年になって、給湯管や給水管として、合成樹脂層を主構成とする、軽量かつフレキシブルな配管を用いる技術が多く開発されている。このような柔軟性の高い給湯管等の配管を、他の機器、例えば給湯機や他の配管に接続するための配管接続具として、下記特許文献1に示す配管接続具が周知である。
この配管接続具は、挿入パイプ部の後端側外周にフランジが設けられた接続具本体と、ナット本体の前端側内周に、内側に突出するようにフランジ抑止片が設けられた袋ナットとを備えている。そして接続具本体の挿入パイプ部を袋ナットのフランジ抑止片の内周部に挿通配置させつつ、フランジを袋ナットの内部に配置しておき、その状態で、挿入パイプ部にその前方側から給湯管等の配管を外嵌して固定する。こうして配管が固定された配管接続具における袋ナットの後端側を、他の機器の配管接続口に設けられた雄ねじ部材にねじ止めする。これにより、袋ナットのフランジ抑止片によって接続具本体のフランジが他の機器の配管接続口側に抑圧された状態に固定される。こうして配管と他の機器とが配管接続具を介して接続される。
上記従来の配管接続具における接続具本体は、例えば真鍮等の金属によって構成されている。このため、接続具本体の加工が困難で、生産効率の低下およびコストの増大を来してしまうという課題があった。さらに、真鍮等の金属は、材料費も高く、より一層コストの増大を来すという課題があった。
一方、接続具本体を、例えば樹脂によって構成すれば、生産効率の向上およびコストの削減を図ることができる。
しかしながら、接続具本体を樹脂によって構成すれば、十分な強度を得ることが困難となってしまう。このため例えば、接続具本体のフランジが挿入パイプ部に対し前後(軸心方向)に揺動するような応力が発生した際に、フランジの根元部分が割れて、フランジが破損してしまい、場合によっては、接続具本体が袋ナットの前方へ外れてしまうおそれがある。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、生産効率の向上およびコストの削減を図りつつ、十分な強度を確保できて、割れや破損を防止することができる配管接続具および配管接続構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]配管の端部に挿入可能な挿入パイプ部の後端外周にフランジが設けられた接続具本体と、ナット本体の前端内周に内側に突出するようにフランジ抑止片が設けられ、かつ前記ナット本体の後端側が、他の機器の雄ねじ部材にねじ止め可能な袋ナットとを備え、前記フランジ抑止片の内周に設けられた挿通孔に、その後方から前記挿入パイプ部が挿通配置された状態では、前記フランジ抑止片によって前記フランジを後側に抑止可能になっている配管接続具であって、
前記接続具本体が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成され、
前記接続具本体における前記挿入パイプ部の外周面と前記フランジの前面との間の入隅コーナー部が、曲率半径が1mm以上の湾曲面に形成されるとともに、
前記袋ナットにおける前記フランジ抑止片の内周端面と前記フランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部に、その出隅コーナー部が欠如されるようにして面取り部が形成されていることを特徴とする配管接続具。
前記接続具本体が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成され、
前記接続具本体における前記挿入パイプ部の外周面と前記フランジの前面との間の入隅コーナー部が、曲率半径が1mm以上の湾曲面に形成されるとともに、
前記袋ナットにおける前記フランジ抑止片の内周端面と前記フランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部に、その出隅コーナー部が欠如されるようにして面取り部が形成されていることを特徴とする配管接続具。
[2]前記フランジの軸心方向の寸法である厚みが、3.0mm〜3.5mmに設定されている前項1に記載の配管接続具。
[3]前記フランジと前記フランジ抑止片との径方向の接触長さが、0.25mm〜0.75mmに設定されている前項1または2に記載の配管接続具。
[4]前記接続具本体は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂によって構成されている前項1〜3のいずれか1項に記載の配管接続具。
[5]前記接続具本体の挿入パイプ部におけるフランジに隣接して、肉厚が厚い補強部が設けられ、
前記補強部の肉厚が、3.0mm〜3.5mmに設定されている前項1〜4のいずれか1項に記載の配管接続具。
前記補強部の肉厚が、3.0mm〜3.5mmに設定されている前項1〜4のいずれか1項に記載の配管接続具。
[6]前記接続具本体の挿入パイプ部におけるパイプ孔の孔径が、8.0mm〜9.0mmに設定されている前項1〜5のいずれか1項に記載の配管接続具。
[7]挿入パイプ部の後端外周にフランジが設けられた接続具本体と、ナット本体の前端内周に内側に突出するようにフランジ抑止片が設けられた袋ナットとを備えた配管接続具における前記フランジ抑止片の内周に設けられた挿通孔に、その後方から前記挿入パイプ部が挿通配置された状態で、前記挿入パイプ部が配管の端部に挿入固定される一方、前記袋ナットの後端部が、他の機器の雄ねじ部材にねじ止め固定されることにより、前記フランジが前記フランジ抑止片によって前記雄ねじ部材側に抑止されるようにした配管接続構造であって、
前記接続具本体が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成され、
前記接続具本体における前記挿入パイプ部の外周面と前記フランジの前面との間の入隅コーナー部が、曲率半径が1mm以上の湾曲面に形成されるとともに、
前記袋ナットにおける前記フランジ抑止片の内周端面と前記フランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部に、その出隅コーナー部が欠如されるようにして面取り部が形成されていることを特徴とする配管接続構造。
前記接続具本体が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成され、
前記接続具本体における前記挿入パイプ部の外周面と前記フランジの前面との間の入隅コーナー部が、曲率半径が1mm以上の湾曲面に形成されるとともに、
前記袋ナットにおける前記フランジ抑止片の内周端面と前記フランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部に、その出隅コーナー部が欠如されるようにして面取り部が形成されていることを特徴とする配管接続構造。
発明[1]の配管接続具によれば、接続具本体を合成樹脂の一体成形品によって構成しているため、熱成形によって効率良く製造することが可能で、生産効率の向上を図ることができるとともに、コストの削減も図ることができる。また本願発明は、挿入パイプ部外周面とフランジ前面との間の入隅コーナー部を、曲率半径が1mm以上の湾曲面によって構成しているため、フランジが軸心方向に揺動するような応力が作用したとしても、その応力は入隅コーナー部の湾曲面全域に分散して作用する。このため、上記の応力が、入隅コーナー部に局部的に集中して作用するのを防止でき、フランジが割れたり破損したりするような不具合を有効に防止することができる。
発明[2]の配管接続具によれば、接続具本体の強度をより高めることができる。
発明[3]の配管接続具によれば、フランジ抑止片によってフランジを確実に抑止することができる。
発明[4]の配管接続具によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[5]の配管接続具によれば、接続具本体の強度をより一層高めることができる。
発明[6]の配管接続具によれば、接続具本体の強度を十分に確保しつつ、接続具本体内を流通する流動体の流量を十分に確保することができる。
発明[7]によれば、上記と同様に、同様の効果を奏する配管接続構造を提供することができる。
図1〜図3はこの発明の実施形態である配管接続具1が適用された配管接続構造を示す図である。
これらの図に示すように、本実施形態の配管接続構造に適用される配管接続具1は、接続具本体2と、袋ナット3とを基本的な構成要素として備えている。なお本明細書においては、発明の理解を容易にするため、図2,3の紙面に向かって左側が前方側(先端側)、右側が後方側(基端側)として説明する。また配管接続具1を構成する接続具本体2または袋ナット3の軸心に沿った方向を軸心方向とし、さらに配管接続具1または接続具本体2の軸心を通り、かつその軸心に対し直交する方向を径方向として説明する。
図4に示すように、接続具本体2は、いわゆるタケノコと称される細長い筒状の挿入パイプ部21と、その挿入パイプ部21の後端外周に外側に突出するように一体形成されたフランジ25とを有している。
本実施形態において、接続具本体2は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を主成分とする硬質合成樹脂の一体成形品をもって構成されている。言うまでもなく、本発明においては、接続具本体2の素材は、PPS樹脂に限られず、他の樹脂を用いて製作するようにしても良い。
さらに本発明においては、接続具本体2を成形するための熱成形方法も特に限定されるものではないが、射出成形等を好適に用いることができる。
挿入パイプ部21の外周面には、その前端から中間部のやや後部にかけて、タケノコ山と称される複数の抜け止め部22が形成されている。各抜け止め部22は、その前端から後端にかけて外径が次第に大きくなるように形成されており、これにより各抜け止め部22の外周面が、後方に向かうに従って漸次拡径するテーパー面に形成されている。
挿入パイプ部21の外周面におけるフランジ25の近傍には、肉厚が厚い補強部23が形成されている。この補強部23は、フランジ25に隣接するように形成されている。さらに補強部23は、その外径がフランジ25の外径よりも小さく形成されている。
本実施形態において、フランジ25の前面と挿入パイプ部21の外周面との間の入隅コーナー部26は所定の曲率半径mを有する湾曲面(R面)27によって構成されている。
なお、入隅コーナー部26の曲率半径mを含む接続具本体2の各部分の具体的な寸法については、後に詳述する。
図5に示すように、袋ナット3は、六角ナット形状のナット本体31と、ナット本体31の前端内周に内側に向かって突出し、かつナット本体31に一体に形成された内向きフランジ状のフランジ抑止片35とを有している。
本実施形態において、袋ナット3は、真鍮によって構成されている。なお、本発明において、袋ナット3の素材は、真鍮に限定されず、他の金属を用いて製作するようにしても良い。
ナット本体31の内周面における後半部には、雌ねじ32が刻設され、この雌ねじ32を介して、袋ナット3を後述の他の機器における配管接続口に設けられた雄ねじ部材5にねじ止めして固定できるようになっている。
フランジ抑止片35の内周には、フランジ抑止片35の内周端面によって囲まれた挿通孔39が形成されている。この挿通孔39には、上記接続具本体2の挿入パイプ部21を挿通配置できるようになっている。
本実施形態において、フランジ抑止片35の内周端面と、フランジ抑止片35の後面(裏面)との間の出隅コーナー部36は、C面加工により欠如された面取り部37によって構成されている。
図2に示すように給湯管、給水管等によって構成される配管4は、柔軟性および弾力性を有する合成樹脂を主構成とするものである。なお本発明においては、配管4を、その主要部を構成する合成樹脂層に、アルミニウム等の軽金属を介在させた多層構造によって構成するようにしても良い。
また図1〜図3に示すように、本実施形態の配管接続具1が固定される雄ねじ部材5は、円筒状の形状を有しており、外周面の前端部には、雄ねじ52が刻設されている。この雄ねじ52には、既述したように上記袋ナット3の雌ねじ32をねじ止めして固定できるようになっている。
本実施形態において、雄ねじ部材5は、他の機器の配管接続口に設けられるものであり、例えば、雄ねじ部材5は、給湯機における吐出側および吸込側の配管接続口、給湯口アダプターにおける吐出側および吸込側の配管接続口、他の給湯管および給水管等の他の配管の端部開口等に設けられている。なお本発明において、雄ねじ部材5は、他の機器の配管接続口に一体に形成されている場合も含まれる。
本実施形態の配管接続具1を用いて、配管4を雄ねじ部材5に固定する場合、まず、袋ナット3の挿通孔39に、その後面側(裏面側)から、接続具本体2の挿入パイプ部21を挿通する。これにより、袋ナット3のフランジ抑止片35の後方に、接続具本体2のフランジ25を対向させるとともに、そのフランジ25を袋ナット3内に配置しておく。
その状態で、挿入パイプ部21を配管4の端部開口に圧入するようにして、配管4の端部を挿入パイプ部21に外嵌する。これにより、配管4の端部に配管接続具1を固定する。なお必要ならば、挿入パイプ部21の外周にOリングを装着し、このOリングによって挿入パイプ部21の外周面と配管4の内周面との間の水密性を、より一層向上させるようにしても良い。
次に配管4の端部に固定した配管接続具1を、他の機器の配管接続口に固定された雄ねじ部材5に取り付ける。すなわち、配管接続具1の接続具本体2におけるフランジ25の後端面をパッキン6を介して雄ねじ部材5の前端面に押し当てつつ、袋ナット3におけるナット本体31の後端を、雄ねじ部材5の前端外周に対応させて配置し、その状態で、袋ナット3を回転操作する。こうして、袋ナット3の雌ねじ32を雄ねじ部材5の雄ねじ52に螺合させて、袋ナット3を雄ねじ部材5の前端部に強固に締結固定する。これにより、接続具本体2のフランジ25が、袋ナット3のフランジ抑止片35によって雄ねじ部材5の前端面に強く抑え付けられて、接続具本体2の後端面が雄ねじ部材5の前端面にパッキン6を介して圧接した状態に固定される。
この組付状態においては、雄ねじ部材5の流通孔51が配管接続具1のパイプ孔24に連通接続されるとともに、そのパイプ孔24が配管4の管孔41に連通接続される。つまり、雄ねじ部材5の連通孔51が、配管接続具1のパイプ孔24を介して配管4の管孔41に連通接続される。
またこの組付状態においては、配管接続具1の接続具本体2における挿入パイプ部21の外周面が袋ナット3におけるフランジ抑止片35の内周端面に接触し、接続具本体2におけるフランジ25の外周部前面が、袋ナット3におけるフランジ抑止片35の外周部後面に接触している。
なお言うまでもなく、本発明において、配管接続具1(配管接続構造)の組付手順は上記の手順に限定されるものではない。例えば配管接続具1を、他の機器の雄ねじ部材5にねじ止め固定した後、その配管接続具1の挿入パイプ部21に、配管4を外嵌して固定するようにしても良い。
本実施形態の配管接続構造においては、接続具本体2の後端部を支点にして、接続具本体2の前端側が径方向に揺動するような応力が作用したとしても、つまり、接続具本体2におけるフランジ25が部分的に軸心方向に沿って前後に揺れ動くような応力が作用したとしても、接続具本体2のフランジ25が割れたり破損するような不具合を有効に防止することができる。
すなわち、本実施形態において、接続具本体2における挿入パイプ部21の外周面とフランジ25の前面との間の入隅コーナー部26が湾曲面(R面)27によって構成されているため、上記の応力が作用したとしても、その応力が入隅コーナー部26の湾曲面27の全域に分散して作用する。このため、上記応力が、入隅コーナー部26の一点に局部的に集中して作用するのを防止でき、フランジ25が割れたり破損したりするような不具合を有効に防止することができる。
さらに本実施形態においては、図6に示すように、袋ナット3におけるフランジ抑止片35の内周端面とフランジ抑止片35の後端面(裏面)との間の出隅コーナー部36をC面加工して面取り部37として構成しているため、この出隅コーナー部36の面取り部37と、接続具本体2の入隅コーナー部26の湾曲面(R面)27との間に隙間11が形成されている。このため、袋ナット3側の出隅コーナー部36の一部が、接続具本体2の入隅コーナー部26に部分的に接触している場合に、その接触部において、フランジ25に強い押圧力が作用して、フランジ25が割れたり破損するような不具合を、より一層確実に防止することができる。
また本実施形態の配管接続具1においては、接続具本体2を合成樹脂の一体成形品によって構成しているため、射出成形等の熱成形によって効率良く製造することが可能で、生産効率の向上を図ることができるとともに、コストの削減も図ることができる。
さらに本実施形態の配管接続具1において、接続具本体2を構成する合成樹脂は、真鍮等の金属に比べて安価であるため、材料費を安くすることができ、より一層コストの削減を図ることができる。
ここで、本実施形態においては、接続具本体2の入隅コーナー部26の湾曲面(R面)27における曲率半径mを、1mm以上に設定する必要があり、好ましくは1mm〜1.25mmに設定するのが良い。すなわち入隅コーナー部26の曲率半径mが小さ過ぎる場合には、上記の応力が、接続具本体2の入隅コーナー部26に部分的に集中して作用し、フランジ25が割れたり破損するおそれがある。逆に曲率半径mが大き過ぎる場合には、フランジ25の前面におけるフランジ抑止片35との接合面積を十分に確保することができず、応力発生時に、フランジ25のフランジ抑止片35に対する係合が解除されてしまうという不具合が発生するおそれがある。
さらに本実施形態において、袋ナット3のフランジ抑止片35の内周端部にC面加工によって形成される面取り部37の面取り寸法nは、1.0mm〜1.25mm、より好ましくは1.0mm〜1.1mmに設定するのが良い。すなわちこの面取り寸法nが小さ過ぎる場合には、面取り部37の一部が、接続具本体2における入隅コーナー部26の湾曲面27に強く接触し、その接触部において、フランジ25が割れたり破損したりするおそれがある。逆に面取り寸法nが大き過ぎる場合には、フランジ抑止片35の裏面におけるフランジ25との接触面積を十分に確保することができず、応力発生時に、フランジ25のフランジ抑止片35に対する係合が解除されてしまうという不具合が発生するおそれがある。
また図4に示すように本実施形態において、接続具本体2のフランジ25における軸心方向の寸法である厚みA1は、3.0mm〜3.5mm、より好ましくは3.0mm〜3.2mmに設定するのが良い。すなわちフランジ25の厚みA1が薄過ぎる場合には、フランジ25の強度を十分に確保することができず、応力発生時にフランジ25が割れたり破損したりするおそれがある。また袋ナット3、配管4、雄ねじ部材5等との間での寸法関係を考慮すると、所定の厚さ以上に厚くするのは困難である。
また図6に示すように本実施形態において、フランジ25とフランジ抑止片35との径方向の接触長さA2は、0.25mm〜0.75mm、より好ましくは0.4mm〜0.5mmに設定するのが良い。すなわちこの接触長さA2が短過ぎる場合には、フランジ抑止片35の裏面におけるフランジ25との接触面積を十分に確保することができず、応力発生時に、フランジ25のフランジ抑止片35に対する係合が解除されてしまうという不具合が発生するおそれがある。また接触長さA2を必要以上に長く確保しようとすると、相対的に接続具本体2の入隅コーナー部26における湾曲面27の曲率半径mが小さくなり、フランジ25が破損するおそれがある。
図4に示すように本実施形態において、接続具本体2における補強部23の肉厚A3は、3.0mm〜3.5mm、より好ましくは3.0mm〜3.25mmに設定するのが良い。すなわちこの肉厚A3が薄過ぎる場合には、挿入パイプ部21およびフランジ25の強度を十分に確保できず、挿入パイプ部21およびフランジ25が割れたり破損したりするおそれがある。逆に補強部23の肉厚A3が厚過ぎる場合には、相対的にパイプ孔24の内径が小さくなり、湯水の流量を十分に確保できなくなるため、好ましくない。
さらに接続具本体2の強度を、より確実に向上させるために、袋ナット3を組み付けた状態において、補強部23の一部(前端部)が袋ナット3よりも前方へ突出するように調整するのが良い。すなわち補強部23を袋ナット3よりも前方へ突出させた場合、袋ナット3に対し挿入パイプ部21が径方向に揺動するような応力が作用した際に、補強部23の外周面が袋ナット3における挿通孔39の内周面に接触するため、上記の応力を、接続具本体2の湾曲面27以外に、補強部23にも分散させることができ、総合的に強度を向上させることができる。この点を考慮すると、補強部23のの軸心方向長さA4は、4mm以上に設定するのが良い。
本実施形態において、挿入パイプ部21におけるパイプ孔24の孔径(直径)A5は、8.0mm〜9.0mm、より好ましくは8.3mm〜8.5mmに設定するのが良い。すなわち孔径A5が大き過ぎる場合には、相対的に挿入パイプ部21の肉厚が小さくなり、強度を十分に確保できず、挿入パイプ部21が破損するおそれがある。逆に孔径A5が小さ過ぎる場合には、湯水の流量を十分に確保できなくなるため、好ましくない。
なお、上記本実施形態においては、袋ナット3のフランジ抑止片35の内周端部に形成される面取り部37を、C面加工によって形成するようにしているが、本発明において、袋ナット3の面取り部37は、C面加工以外の手段で形成するようにしても良い。例えば、袋ナット3の面取り部37を、R付きの湾曲面となるように形成したり、軸心に対する傾斜角度が45°以外の切断面、例えば傾斜角度が30°や60°等の切断面で切り取るように形成しても良い。
この発明の配管接続具は、例えば給湯用や給水用の配管を他の機器に接続する配管接続構造に適用することができる。
1:配管接続具
11:隙間
2:接続具本体
21:挿入パイプ部
23:補強部
24:パイプ孔
25:フランジ
26:入隅コーナー部
27:湾曲面(R面)
3:袋ナット
31:ナット本体
35:フランジ抑止片
36:出隅コーナー部
37:面取り部
39:挿通孔
4:配管
5:雄ねじ部材
A1:フランジ厚み
A2:接触長さ片)
A3:補強部の肉厚
A5:挿通孔の孔径
m:曲率半径
11:隙間
2:接続具本体
21:挿入パイプ部
23:補強部
24:パイプ孔
25:フランジ
26:入隅コーナー部
27:湾曲面(R面)
3:袋ナット
31:ナット本体
35:フランジ抑止片
36:出隅コーナー部
37:面取り部
39:挿通孔
4:配管
5:雄ねじ部材
A1:フランジ厚み
A2:接触長さ片)
A3:補強部の肉厚
A5:挿通孔の孔径
m:曲率半径
Claims (7)
- 配管の端部に挿入可能な挿入パイプ部の後端外周にフランジが設けられた接続具本体と、ナット本体の前端内周に内側に突出するようにフランジ抑止片が設けられ、かつ前記ナット本体の後端側が、他の機器の雄ねじ部材にねじ止め可能な袋ナットとを備え、前記フランジ抑止片の内周に設けられた挿通孔に、その後方から前記挿入パイプ部が挿通配置された状態では、前記フランジ抑止片によって前記フランジを後側に抑止可能になっている配管接続具であって、
前記接続具本体が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成され、
前記接続具本体における前記挿入パイプ部の外周面と前記フランジの前面との間の入隅コーナー部が、曲率半径が1mm以上の湾曲面に形成されるとともに、
前記袋ナットにおける前記フランジ抑止片の内周端面と前記フランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部に、その出隅コーナー部が欠如されるようにして面取り部が形成されていることを特徴とする配管接続具。 - 前記フランジの軸心方向の寸法である厚みが、3.0mm〜3.5mmに設定されている請求項1に記載の配管接続具。
- 前記フランジと前記フランジ抑止片との径方向の接触長さが、0.25mm〜0.75mmに設定されている請求項1または2に記載の配管接続具。
- 前記接続具本体は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂によって構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の配管接続具。
- 前記接続具本体の挿入パイプ部におけるフランジに隣接して、肉厚が厚い補強部が設けられ、
前記補強部の肉厚が、3.0mm〜3.5mmに設定されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の配管接続具。 - 前記接続具本体の挿入パイプ部におけるパイプ孔の孔径が、8.0mm〜9.0mmに設定されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の配管接続具。
- 挿入パイプ部の後端外周にフランジが設けられた接続具本体と、ナット本体の前端内周に内側に突出するようにフランジ抑止片が設けられた袋ナットとを備えた配管接続具における前記フランジ抑止片の内周に設けられた挿通孔に、その後方から前記挿入パイプ部が挿通配置された状態で、前記挿入パイプ部が配管の端部に挿入固定される一方、前記袋ナットの後端部が、他の機器の雄ねじ部材にねじ止め固定されることにより、前記フランジが前記フランジ抑止片によって前記雄ねじ部材側に抑止されるようにした配管接続構造であって、
前記接続具本体が硬質合成樹脂の一体成形品によって構成され、
前記接続具本体における前記挿入パイプ部の外周面と前記フランジの前面との間の入隅コーナー部が、曲率半径が1mm以上の湾曲面に形成されるとともに、
前記袋ナットにおける前記フランジ抑止片の内周端面と前記フランジ抑止片の後面との間の出隅コーナー部に、その出隅コーナー部が欠如されるようにして面取り部が形成されていることを特徴とする配管接続構造。
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