WO2015056764A1 - 管継手 - Google Patents
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Abstract
芯材に形成された外フランジの隅部に生ずる応力集中を抑制すると共に、外フランジの軸方向の強度を確保可能な管継手を提供する。 樹脂製の芯材(14)の外周面と外フランジ(50)とでなす隅部に凹円弧形状の第1の傾斜面(52)を形成することで、軸方向と交差方向の外力が作用した際に隅部へ生ずる応力集中を抑制出来る。金属製の袋ナット54の内フランジ(60)に第1の傾斜面(52)に当接する第2の傾斜面(64)を設け、袋ナット(54)を締め付けた際に、内フランジ(60)の第2の側壁面(61)を外フランジ(50)の第1の側壁面(51)に接触させると共に、第2の傾斜面(64)を芯材(14)の第1の傾斜面(52)に接触させる。内フランジ(60)と外フランジ(50)との接触面積を大きくとることができ、外フランジ(50)の軸方向の強度を確保できる。
Description
本発明は、管継手に関する。
管を機器のニップル等に接続する際に管継手が用いられる。この管継手として、ユニオン継手がある(例えば、特許文献1参照)。ユニオン継手は、ニップルと接続される筒状の芯材と、芯材をニップルに固定するための袋ナットとを含んで構成されている。
ユニオン継手は、ニップルの雄ネジにユニオンナットを締め込むことで、袋ナットの内フランジが、芯材の外フランジをニップル側へ押圧し、外フランジが内フランジとニップルとの間に挟持固定される。
外フランジの内フランジ側には軸方向に対して直交する側壁面が設けられ、内フランジの外フランジ側には外フランジの側壁面に対向する側壁面が設けられており、袋ナットを締め込んだ際に、内フランジの側壁面からの押圧力を外フランジの側壁面が受ける。
ユニオン継手は、ニップルの雄ネジにユニオンナットを締め込むことで、袋ナットの内フランジが、芯材の外フランジをニップル側へ押圧し、外フランジが内フランジとニップルとの間に挟持固定される。
外フランジの内フランジ側には軸方向に対して直交する側壁面が設けられ、内フランジの外フランジ側には外フランジの側壁面に対向する側壁面が設けられており、袋ナットを締め込んだ際に、内フランジの側壁面からの押圧力を外フランジの側壁面が受ける。
ところで、ユニオン継手は、外フランジが袋ナットの内フランジとニップルとに挟持固定されているので、芯材に対して軸方向と交差する方向の外力が作用すると、外フランジの隅部に応力が集中する。芯材が合成樹脂の場合には、耐久性を考慮すると応力集中を出来るだけ抑制した方が良い。
この応力集中を抑制するためには、外フランジの隅部に円弧面を形成することが一般的に考えられる。しかしながら、応力集中を考慮して円弧面を大きくすると、内フランジからの押圧力を受ける外フランジの側壁面が小さくなる傾向となり、内フランジと外フランジとの接触面積が小さくなって外フランジの一部に押圧力が集中するため、外フランジの軸方向の強度が低下する。
内フランジと外フランジとの接触面積を確保しようとして外フランジ、及び袋ナットを大型化することも考えられるが、継手のサイズが大型化し、コストも上昇する。また、内フランジと外フランジとの接触面積を確保しようとして芯材の径を小さくすると、芯材の内径が縮小することとなり、流量の低下を招く。
この応力集中を抑制するためには、外フランジの隅部に円弧面を形成することが一般的に考えられる。しかしながら、応力集中を考慮して円弧面を大きくすると、内フランジからの押圧力を受ける外フランジの側壁面が小さくなる傾向となり、内フランジと外フランジとの接触面積が小さくなって外フランジの一部に押圧力が集中するため、外フランジの軸方向の強度が低下する。
内フランジと外フランジとの接触面積を確保しようとして外フランジ、及び袋ナットを大型化することも考えられるが、継手のサイズが大型化し、コストも上昇する。また、内フランジと外フランジとの接触面積を確保しようとして芯材の径を小さくすると、芯材の内径が縮小することとなり、流量の低下を招く。
本発明は上記事実を考慮し、芯材に形成された外フランジの隅部に応力集中を抑制する傾斜面を形成した場合であっても、外フランジの軸方向の強度を確保可能な管継手の提供を目的とする。
第1の態様に係る管継手は、円筒状に形成され、長手方向一端部に管体が接続される合成樹脂製の芯材と、前記芯材の他端部に形成され、径方向外側に向けて延びる環状の外フランジと、前記外フランジに形成され、前記芯材と前記外フランジの隅部に設けられて軸方向に沿った断面で見たときに前記芯材の外周面に対して傾斜する第1の傾斜面を含む当接面と、雌ねじ部が形成された筒部、前記筒部の端部から径方向内側へ張り出し、前記芯材が挿通される孔を有する内フランジ、前記内フランジの角部に形成されて前記第1の傾斜面と当接する第2の傾斜面を含み、前記当接面と当接する被当接面、を備えた袋ナットと、を有する。
第1の態様に係る管継手は、例えば、ニップルと芯材に形成した外フランジとの間に環状のシール部材を配置して袋ナットの雌ねじ部をニップルの雄ねじ部に螺合して締め付け、芯材に設けた接続部に管体を接続することで、管体とニップルとを相互に接続することができる。
また、継手本体の外フランジには、外フランジの隅部に設けられた第1の傾斜面を含む当接面が形成され、袋ナットの内フランジには、外フランジの第1の傾斜面に当接する第2の傾斜面を含んで外フランジの当接面に当接する被当接面が設けられているので、袋ナットを締め付けた際の内フランジと外フランジとが接触する接触面積を大きくとることができる。このため、外フランジの隅部に生ずる応力集中が抑えられて芯材の軸方向と直交する方向の強度が確保されると共に、外フランジの軸方向の強度を確保することが出来る。
なお、ここでいう傾斜面とは、一定角度で傾斜する直線状の傾斜面だけでなく、傾斜角度が徐々に変化する湾曲した傾斜面も含まれる。
なお、ここでいう傾斜面とは、一定角度で傾斜する直線状の傾斜面だけでなく、傾斜角度が徐々に変化する湾曲した傾斜面も含まれる。
第2の態様は、第1の態様に係る管継手において、前記芯材の外周面から前記外フランジの外周面までの径方向に沿った前記外フランジの径方向寸法Hに対する前記第1の傾斜面の径方向寸法hが40%以上に設定されている。
第2の態様にかかる管継手では、芯材の外周面から外フランジの外周面までの径方向に沿った外フランジの径方向寸法Hに対する第1の傾斜面の径方向寸法hを40%以上に設定したので、芯材に軸方交差する方向の外力が作用した際の応力集中を効果的に抑制することが出来る。
第3の態様は、第1の態様または第2の態様に係る管継手において、前記第1の傾斜面が曲率半径r1の凹円弧面であり、前記第2の傾斜面が曲率半径r2の凸円弧面であり、r1=r2に設定されている。
第3の態様に係る管継手では、第1の傾斜面を曲率半径r1の凹円弧面とし、第2の傾斜面を曲率半径r2の凸円弧面とし、r1=r2に設定したので、凹円弧面とされる第1の傾斜面と、凸円弧面とされる第2の傾斜面とを全面的かつ確実に当接させることができる。
第4の態様は、第1の態様~第3の態様の何れか一つの管継手において、前記当接面は、前記芯材の外周面に対して直交する第1の側壁面を備え、前記被当接面は、前記第1の側壁面と当接する第2の側壁面を備えている。
第4の態様に係る管継手では、当接面は、芯材の外周面に対して直交する第1の側壁面と、凹円弧面とされた第1の傾斜面とを備え、被当接面は、第1の側壁面と当接する第2の側壁面と、第1の傾斜面と当接する第2の傾斜面とを備えている。
このため、第1の傾斜面と第2の傾斜面を当接させると共に、第1の側壁面と第2の側壁面とを当接させることができる。
このため、第1の傾斜面と第2の傾斜面を当接させると共に、第1の側壁面と第2の側壁面とを当接させることができる。
以上説明したように本発明の管継手によれば、芯材に形成された外フランジの隅部に応力集中を抑制する傾斜面を形成した場合であっても、外フランジの軸方向の強度を確保することができる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る管継手10を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施形態の管継手10は、継手本体12と袋ナット54とを含んで構成されている。
(継手本体)
継手本体12は、芯材14、スリーブ16、中間リング18、係合解除部材20、止水部材としてのOリング22、及びロックリング24を備え、これらの部材は互いに中心軸を一致させて配置されている。なお、本実施形態では芯材14、スリーブ16、中間リング18、及び係合解除部材20が合成樹脂の成形品である。
本発明の第1の実施形態に係る管継手10を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施形態の管継手10は、継手本体12と袋ナット54とを含んで構成されている。
(継手本体)
継手本体12は、芯材14、スリーブ16、中間リング18、係合解除部材20、止水部材としてのOリング22、及びロックリング24を備え、これらの部材は互いに中心軸を一致させて配置されている。なお、本実施形態では芯材14、スリーブ16、中間リング18、及び係合解除部材20が合成樹脂の成形品である。
芯材14は、矢印L方向側が接続対象である樹脂管Pに挿入可能なコア部26とされている。このコア部26の外周面には一対の嵌挿溝28が形成され、これらの嵌挿溝28にOリング22が夫々嵌め込まれている。このOリング22は、コア部26が樹脂管Pに挿入されると、樹脂管Pの内周面に密着し、樹脂管Pと芯材14との間をシールする。
芯材14の矢印R方向側は、コア部26よりも大径に形成された大径部30とされており、大径部30には、コア部26との境界近傍に溝32が形成されている。
芯材14の矢印R方向側は、コア部26よりも大径に形成された大径部30とされており、大径部30には、コア部26との境界近傍に溝32が形成されている。
中間リング18は、芯材14の矢印L方向側の外周面の外側に配置されている。
中間リング18の矢印R方向側の端部は芯材14の溝32に入り込んで嵌合されており、これにより中間リング18が芯材14に固定されている。
中間リング18の内周面、コア部26の外周面、及び大径部30の端部で囲まれる中空円筒の挿入部34は、樹脂管Pの端部分を一定寸法挿入可能な大きさに設定されている。
中間リング18の矢印R方向側の端部は芯材14の溝32に入り込んで嵌合されており、これにより中間リング18が芯材14に固定されている。
中間リング18の内周面、コア部26の外周面、及び大径部30の端部で囲まれる中空円筒の挿入部34は、樹脂管Pの端部分を一定寸法挿入可能な大きさに設定されている。
中間リング18の矢印R方向側の外周面には、凹凸状とされたスリーブ係合部36が形成されている。
スリーブ16は略筒状とされ、中間リング18の矢印L方向側の外周面の外側に配置されている。
スリーブ16の内周面には、矢印L方向側にスリーブ係合部36と嵌合可能な凹凸状の被係合部38が形成されている。この被係合部38にスリーブ係合部36が嵌合されてスリーブ16に対して中間リング18が固定されている。
スリーブ16の被係合部38よりも矢印L方向側には、矢印L方向へ向かうに従って内径が縮小する傾斜部40、一定内径の第1の一定径部42、及び第1の一定径部42よりも内径が小径の第2の一定径部44が順次形成されている。
スリーブ16は略筒状とされ、中間リング18の矢印L方向側の外周面の外側に配置されている。
スリーブ16の内周面には、矢印L方向側にスリーブ係合部36と嵌合可能な凹凸状の被係合部38が形成されている。この被係合部38にスリーブ係合部36が嵌合されてスリーブ16に対して中間リング18が固定されている。
スリーブ16の被係合部38よりも矢印L方向側には、矢印L方向へ向かうに従って内径が縮小する傾斜部40、一定内径の第1の一定径部42、及び第1の一定径部42よりも内径が小径の第2の一定径部44が順次形成されている。
ロックリング24は、スリーブ16の傾斜部40の内周側、且つ中間リング18と後述する係合解除部材20との間に配置されている。このロックリング24は周方向に間隔をあけて内周側へ突出する弾性変形可能な爪部24Aを複数備えており、この爪部24Aの先端部を通る仮想円の径が樹脂管Pの外径よりも若干小径に設定されている。
係合解除部材20は、内径が樹脂管Pの外径よりも若干大径の略筒状とされ、スリーブ16の内周側に中心軸K1に沿って移動可能に配置されている。この係合解除部材20は、矢印R方向側に爪部24Aを押圧するための押圧傾斜部46、及び押圧傾斜部46の矢印L方向側に一定外径部分48を備えている。
係合解除部材20がスリーブ16から外れないように、係合解除部材20の一定外径部分48は、スリーブ16の第1の一定径部42よりも小径で、かつ第2の一定径部44よりも大径に形成されている。
係合解除部材20がスリーブ16から外れないように、係合解除部材20の一定外径部分48は、スリーブ16の第1の一定径部42よりも小径で、かつ第2の一定径部44よりも大径に形成されている。
図1、及び図2に示すように、芯材14の大径部30の矢印R方向の端部には、径方向外側に向けて延びる環状の外フランジ50が形成されている。
図2Bに示すように、大径部30の外周面と外フランジ50の第1の側壁面51とでなす隅部(外フランジ50の基部)には、第1の傾斜面52が形成されている。
本実施形態の第1の側壁面51は、芯材14の軸方向に沿った断面で見たときに、芯材14の軸線に対して直交している。第1の傾斜面52は、芯材14の軸方向に沿った断面で見たときに、大径部30の径方向外側に曲率中心を持つ半径r1の凹円弧形状であり、大径部30の外周面及び第1の側壁面51に対して滑らかに接続されている。
なお、本実施形態の第1の側壁面51と第1の傾斜面52とが、本発明の当接面に相当する。
図2Bに示すように、大径部30の外周面と外フランジ50の第1の側壁面51とでなす隅部(外フランジ50の基部)には、第1の傾斜面52が形成されている。
本実施形態の第1の側壁面51は、芯材14の軸方向に沿った断面で見たときに、芯材14の軸線に対して直交している。第1の傾斜面52は、芯材14の軸方向に沿った断面で見たときに、大径部30の径方向外側に曲率中心を持つ半径r1の凹円弧形状であり、大径部30の外周面及び第1の側壁面51に対して滑らかに接続されている。
なお、本実施形態の第1の側壁面51と第1の傾斜面52とが、本発明の当接面に相当する。
(袋ナット)
図1、及び図2に示すように、袋ナット54は、六角柱状の金属部材から形成されている。軸心には矢印R方向側の端部から矢印L方向側に向けて第1の孔56が形成され、第1の孔56の矢印L方向側には、第1の孔56よりも小径の第2の孔58が形成されている。第1の孔56には、矢印R方向側の端部から孔底に向けて雌ねじ62が形成されている。
図1、及び図2に示すように、袋ナット54は、六角柱状の金属部材から形成されている。軸心には矢印R方向側の端部から矢印L方向側に向けて第1の孔56が形成され、第1の孔56の矢印L方向側には、第1の孔56よりも小径の第2の孔58が形成されている。第1の孔56には、矢印R方向側の端部から孔底に向けて雌ねじ62が形成されている。
第1の孔56の内径は、芯材14の外フランジ50が挿入可能な寸法に設定されている。一方、第2の孔58の内径は、芯材14の外フランジ50の外径よりも小さく、かつ芯材14の大径部30の外径よりも若干大きい寸法に設定されている。これにより、袋ナット54は、芯材14に対して相対回転自在、かつ、軸方向に移動自在となっている。
袋ナット54の矢印L方向側の端部と第1の孔56の底部との間は、第1の孔56の内面から径方向内側へ延びる環状の内フランジ60とされている。
内フランジ60の第1の孔56側(矢印R方向側)の第2の側壁面61は、袋ナット54の軸方向に沿った断面で見たときに、袋ナット54の軸線に対して直交しており、外フランジ50の第1の側壁面51と対向して第1の側壁面51と当接可能となっている。
内フランジ60の第1の孔56側(矢印R方向側)の第2の側壁面61は、袋ナット54の軸方向に沿った断面で見たときに、袋ナット54の軸線に対して直交しており、外フランジ50の第1の側壁面51と対向して第1の側壁面51と当接可能となっている。
また、内フランジ60の第1の孔56側(矢印R方向側)の内角部には、継手本体12の芯材14に形成された第1の傾斜面52と対向する第2の傾斜面64が形成されている。この第2の傾斜面64は、軸方向に沿った断面で見たときに、内フランジ60の径方向内側に曲率中心を持つ半径r2の凸円弧形状である。本実施形態では、第1の傾斜面52の半径r1と、第2の傾斜面64の半径r2とは、同一寸法に設定されている。
なお、本実施形態の第2の側壁面61と第2の傾斜面64とが、本発明の被当接面に相当する。
なお、本実施形態の第2の側壁面61と第2の傾斜面64とが、本発明の被当接面に相当する。
これにより、内フランジ60の第2の側壁面61と外フランジ50の第1の側壁面51とを当接させると共に、内フランジ60の第2の傾斜面64と外フランジ50の第1の傾斜面52とを当接させることができる。
(作用、効果)
次に、本実施形態の管継手10の使用方法を説明する。
先ず、管継手10と一方の接続相手であるニップル66との接続手順を説明する。
図1に示すように、管継手10の芯材14の外フランジ50とニップル66との間に環状のシール68を配置し、袋ナット54の雌ねじ62をニップル66の雄ねじ70に螺合して袋ナット54を締め付ける。
次に、本実施形態の管継手10の使用方法を説明する。
先ず、管継手10と一方の接続相手であるニップル66との接続手順を説明する。
図1に示すように、管継手10の芯材14の外フランジ50とニップル66との間に環状のシール68を配置し、袋ナット54の雌ねじ62をニップル66の雄ねじ70に螺合して袋ナット54を締め付ける。
袋ナット54を締め付けることで、管継手10がニップル66に接続され、図2に示すように、外フランジ50とシール68とが、内フランジ60とニップル66との間に挟持される。
これにより、内フランジ60の第2の側壁面61が外フランジ50の第1の側壁面51に当接すると共に、内フランジ60の第2の傾斜面64が外フランジ50の第1の傾斜面52に当接する。
これにより、内フランジ60の第2の側壁面61が外フランジ50の第1の側壁面51に当接すると共に、内フランジ60の第2の傾斜面64が外フランジ50の第1の傾斜面52に当接する。
本実施形態の管継手10では、大径部30の外周面と外フランジ50の第1の側壁面51とでなす隅部に円弧状の第1の傾斜面52を形成したので、芯材14に対して軸方向と交差する方向の力が作用した際の上記隅部に生ずる応力集中を抑制することが出来る。
軸方向と交差する方向の力とは、例えば、隣接する他の管継手10の袋ナット54の締め付け作業を行っているスパナが当たった場合等の外力を指しているが、樹脂管Pが引っ張られた際に作用する外力等、その他の外力であっても良い。
なお、上記応力集中を効果的に抑制するには、図2Bに示すように、大径部30の外周面から外フランジ50の外周面までの径方向に沿って計測する外フランジ50の高さ寸法をH、同じく径方向に沿って計測する第1の傾斜面52の径方向寸法をhとしたときに、hをHの40%以上とすることが好ましい。
軸方向と交差する方向の力とは、例えば、隣接する他の管継手10の袋ナット54の締め付け作業を行っているスパナが当たった場合等の外力を指しているが、樹脂管Pが引っ張られた際に作用する外力等、その他の外力であっても良い。
なお、上記応力集中を効果的に抑制するには、図2Bに示すように、大径部30の外周面から外フランジ50の外周面までの径方向に沿って計測する外フランジ50の高さ寸法をH、同じく径方向に沿って計測する第1の傾斜面52の径方向寸法をhとしたときに、hをHの40%以上とすることが好ましい。
また、本実施形態の管継手10では、外フランジ50の第1の傾斜面52に内フランジ60の第2の傾斜面64を当接させると共に、外フランジ50の第1の側壁面51に内フランジ60の第2の側壁面61を当接させるので、外フランジ50と内フランジ60との接触面積を大きくとることができる。
このため、外フランジ50の隅部に第1の傾斜面52が形成されているが、袋ナット54を締め付けた際に、外フランジ50の内フランジ側の側部全体で内フランジ60の押圧力を受けることができ、外フランジ50の一部分に押圧力が集中しないので、外フランジの軸方向の強度を確保することが出来る。
このため、外フランジ50の隅部に第1の傾斜面52が形成されているが、袋ナット54を締め付けた際に、外フランジ50の内フランジ側の側部全体で内フランジ60の押圧力を受けることができ、外フランジ50の一部分に押圧力が集中しないので、外フランジの軸方向の強度を確保することが出来る。
本実施形態の管継手10では、第1の傾斜面52、及び第2の傾斜面64を単純な円弧状としたので、第1の傾斜面52及び第2の傾斜面64を形成し易く、第1の傾斜面52及び第2の傾斜面64の寸法安定性も良く、第1の傾斜面52と第2の傾斜面64とを確実に当接させることが出来る。
最後に、管継手10と他方の接続相手である樹脂管Pとの接続手順を説明する。
継手本体12の挿入部34に樹脂管Pを挿入し、樹脂管Pの端部を大径部30の端部に突き当てる。樹脂管Pを挿入部34に挿入することで、ロックリング24の爪部24Aが樹脂管Pによって押し拡げられ、爪部24Aの先端部が樹脂管Pの外周面に引っ掛かり、樹脂管Pの抜けが阻止され、樹脂管Pが管継手10に確実に接続される。なお、継手本体12に樹脂管Pが接続されると、樹脂管Pの内周面に芯材14のOリング22が密着するので、樹脂管Pと芯材14との間のシール性が確保される。
継手本体12の挿入部34に樹脂管Pを挿入し、樹脂管Pの端部を大径部30の端部に突き当てる。樹脂管Pを挿入部34に挿入することで、ロックリング24の爪部24Aが樹脂管Pによって押し拡げられ、爪部24Aの先端部が樹脂管Pの外周面に引っ掛かり、樹脂管Pの抜けが阻止され、樹脂管Pが管継手10に確実に接続される。なお、継手本体12に樹脂管Pが接続されると、樹脂管Pの内周面に芯材14のOリング22が密着するので、樹脂管Pと芯材14との間のシール性が確保される。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る管継手10を図4にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
第1の実施形態では、第1の傾斜面52が、大径部30の径方向外側に曲率中心を持つ半径r1の凹円弧形状であったが、本発明はこれに限らず、図4に示すような大径部30の外周面、及び第1の側壁面51に対して一定角度で傾斜する直線状の傾斜面であっても良い。この場合、袋ナット54の第2の傾斜面64は、第1の傾斜面52に当接する形状とする。
次に、本発明の第2の実施形態に係る管継手10を図4にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
第1の実施形態では、第1の傾斜面52が、大径部30の径方向外側に曲率中心を持つ半径r1の凹円弧形状であったが、本発明はこれに限らず、図4に示すような大径部30の外周面、及び第1の側壁面51に対して一定角度で傾斜する直線状の傾斜面であっても良い。この場合、袋ナット54の第2の傾斜面64は、第1の傾斜面52に当接する形状とする。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る管継手10を図5にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、第1の傾斜面52は、円弧面52Aと一定角度で傾斜する直線状の傾斜面52Bとを含んで構成されていても良い。この場合も、袋ナット54の第2の傾斜面64は、円弧面52A及び傾斜面52Bを含んだ第1の傾斜面52に当接する形状とする。
また、図示はしないが、第1の傾斜面52は、曲率半径の異なる複数の凹円弧形状を連ねた曲線形状であっても良く、傾斜角度の異なる複数の直線状の傾斜面(各々は一定角度)を連ねたものであっても良い。
次に、本発明の第3の実施形態に係る管継手10を図5にしたがって説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、第1の傾斜面52は、円弧面52Aと一定角度で傾斜する直線状の傾斜面52Bとを含んで構成されていても良い。この場合も、袋ナット54の第2の傾斜面64は、円弧面52A及び傾斜面52Bを含んだ第1の傾斜面52に当接する形状とする。
また、図示はしないが、第1の傾斜面52は、曲率半径の異なる複数の凹円弧形状を連ねた曲線形状であっても良く、傾斜角度の異なる複数の直線状の傾斜面(各々は一定角度)を連ねたものであっても良い。
(その他の実施形態)
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
上記実施形態では、芯材14の外フランジ50の内フランジ側に第1の側壁面51と第1の傾斜面52が形成されていたが、本発明はこれに限らず、外フランジ50の内フランジ側に軸方向と直交する第1の側壁面51が無く、内フランジ側が全て第1の傾斜面52となっていても良い。この場合、袋ナット54の内フランジ60は、外フランジ側を全て第2の傾斜面64とする。
上記実施形態では、第1の傾斜面52の半径r1と、第2の傾斜面64の半径r2とを一致させていたが、袋ナット54を締め付けた際に第1の傾斜面52と第2の傾斜面64とが接触すれば良く、製造上の誤差等により半径r1と半径r2とが完全に一致しなくても良い。
10 管継手、12 継手本体、14 芯材、16 スリーブ(接続部)、18 中間リング(接続部)、22 Oリング(接続部)、24 ロックリング(接続部)、26 コア部(接続部)、50 外フランジ、51 第1の側壁面(当接面)、52 第1の傾斜面(当接面)、54 袋ナット、56 第1の孔、58 第2の孔、60 内フランジ、61 第2の側壁面(被当接面)、62 雌ねじ、64 第2の傾斜面(被当接面)
Claims (4)
- 円筒状に形成され、長手方向一端部に管体が接続される合成樹脂製の芯材と、
前記芯材の他端部に形成され、径方向外側に向けて延びる環状の外フランジと、
前記外フランジに形成され、前記芯材と前記外フランジの隅部に設けられて軸方向に沿った断面で見たときに前記芯材の外周面に対して傾斜する第1の傾斜面を含む当接面と、
雌ねじ部が形成された筒部、前記筒部の端部から径方向内側へ張り出し、前記芯材が挿通される孔を有する内フランジ、前記内フランジの角部に形成されて前記第1の傾斜面と当接する第2の傾斜面を含み、前記当接面と当接する被当接面、を備えた袋ナットと、
を有する管継手。 - 前記芯材の外周面から前記外フランジの外周面までの径方向に沿った前記外フランジの径方向寸法Hに対する前記第1の傾斜面の径方向寸法hが40%以上に設定されている、請求項1に記載の管継手。
- 前記第1の傾斜面が曲率半径r1の凹円弧面であり、前記第2の傾斜面が曲率半径r2の凸円弧面であり、r1=r2に設定されている、請求項1または請求項2に記載の管継手。
- 前記当接面は、前記芯材の外周面に対して直交する第1の側壁面を備え、
前記被当接面は、前記第1の側壁面と当接する第2の側壁面を備えている、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の管継手。
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