JP5514864B2 - ヘッダー - Google Patents
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Description
そこで、配管の接続用に広く用いられているT字型(チーズ型)の管継手を(特許文献2参照)、短寸のパイプを介して複数個連結して、分岐管を任意の方向に調整したヘッダーを連結構成するという方法が採られていた。
また、T字型(チーズ型)の管継手を連結する際、短寸のパイプを切断し、その両端部にT字型(チーズ型)の管継手の挿入筒部を差し込んで連結していくと、分岐管のピッチが広くなり、ヘッダー全体が長くなって圧力損失が大きくなるという欠点があった。しかも、短寸のパイプの両端部を加工して挿入筒部に順次接続していくのが、非常に面倒で作業に手間が掛かっていた。
また、上記挿入筒部は、上記拡径部の外周面に凹周溝を有し、かつ、上記嵌着筒部は、上記先端部の内周面に係止低突隆部を有し、上記挿入筒部を上記嵌着筒部に圧入して差し込む際、該嵌着筒部の上記先端部を弾性変形させつつ上記係止低突隆部を上記凹周溝に嵌め込んで係合させ、上記挿入筒部を回転可能かつ引抜不可状態として上記嵌着筒部に嵌着連結しているものである。
また、上記ヘッダー単体は、流路分岐部に増大径部を形成して、上記挿入筒部を上記嵌着筒部に差し込んだ状態で、該挿入筒部の先端側開口部と上記増大径部が同一内径にて連続する流路を構成しているものである。
図1に示すように、本発明のヘッダーは、長手方向一端側に形成される挿入筒部3と、長手方向他端側に形成される嵌着筒部5と、長手方向と直交する方向に突設された分岐用接続突部16とを、有するT字状ヘッダー単体2を複数個備えている。
ヘッダー単体2の挿入筒部3は、被接続用パイプ6の端部6aに挿入可能であり、かつ、別個のヘッダー単体2の嵌着筒部5に差込んで連結可能に形成されている。本発明のヘッダーは、挿入筒部3を嵌着筒部5に回転自在として順次差し込んで複数個のT字状ヘッダー単体2を長手方向に連結して構成されている。
図1に於て、本発明のヘッダーの端末には、チーズ型管継手Tが取付けられ、嵌着筒部5に挿入筒部3と同一形状の筒部を差し込んで嵌着連結されている。チーズ型管継手Tは、エルボ型やソケット型のものと置き換えても良い。
挿入筒部3は、図外の給湯器(給水器)から水等を供給するための幹線流路接続用のφ25mmの幹線用パイプ6に接続可能であって、分岐筒部4は、分岐流路接続用のφ20mm又はφ16mmの分岐用パイプ8に接続可能として形成されている。挿入筒部3と分岐筒部4は、内径寸法d3,d4が相違しているが、全体として相似形状であるように形成されている。なお、挿入筒部3は、φ20mmパイプ又はφ16mmパイプに対応させて形成しても良く、挿入筒部3と分岐筒部4の内径寸法d3,d4が同一の場合、形状も同一となる。挿入筒部3(分岐筒部4)は、管継手Tの構成部分と共通しており、T字状ヘッダー単体2とチーズ型管継手Tは、共用の金型をもって形成することが可能である。T字状ヘッダー単体2は、この挿入筒部3(分岐筒部4)を差し込むことができる受け口としての嵌着筒部5を、一体に有している。
なお、本発明に於て、「異径相似形状」とは、挿入筒部3と分岐筒部4のような2つの構成が、拡大・縮小の関係にあることを言い、その内径寸法d3,d4が相違する場合でも、全体のバランスを保ったまま拡大・縮小されたものである。なお、内径寸法d3:d4の比率に対して、長さ寸法や厚み寸法の拡大・縮小比率が完全に同一でないものを包含する。
挿入筒部3は、外周面に凹溝部17,17が小間隔をもって配設され、この凹溝部17,17に2本のシール部材(Oリング)24,24が装着されている。挿入筒部3の先端側には、センタリング用突片25,26が突設されている。センタリング用突片25,26は、挿入筒部3の最先端外周面に先端縮径状に形成された誘導テーパ部25と、リップ部26とを、有している。
クランプリング9は、円周1箇所にスリットを有するC字状のバネ鋼から成り、図示省略の拡径片によって、弾発力に抗して拡げられて、拡径状態とされている。クランプリング9は、スリットに拡径片を離脱可能に挟持し、パイプ8が挿入されると、拡径片が離脱してクランプリング9が弾発力により絞られて縮径し、パイプ端部8aを強力な面圧にて弾発的に押圧するように構成されている。
分岐筒部4は、外周面に凹溝部27,27が小間隔をもって配設され、この凹溝部27,27に2本のシール部材(Oリング)28,28が装着されている。分岐筒部4の先端側には、センタリング用突片29,30が突設されている。センタリング用突片29,30は、分岐筒部4の最先端外周面に先端縮径状に形成された誘導テーパ部29と、リップ部30とを、有している。
図3に示す嵌着筒部5の先端部5Aは、図2に示す包囲筒体10の基部10Aと同一形状乃至異径相似形状の嵌着構造を有している。即ち、複数個のT字状ヘッダー単体2は、(従来から用いられてきた管継手Tと共用の構成である)包囲筒体10の嵌込みと同様の方法により連結できるように構成されている。
挿入筒部3は、嵌着筒部5に対して十分に深く差し込まれているため、ガタつかず、嵌着構造が不意に引き抜かれて外れることが極めて少ない。また、挿入筒部3のガタつきが小さく、嵌着筒部5の内径公差が小さく真円度が高いので、挿入筒部3と嵌着筒部5の嵌着連結の際に、クランプリング9(及びストップリング20)が必要無く、構造を簡素化することができる。また、挿入筒部3が嵌着筒部5に対して深く差し込まれているが、隣接する分岐筒部4,4相互間のピッチP0は、50mm〜55mm(従来の一体成型樹脂ヘッダと同等)として比較的短く設定されている。より好ましくは、挿入筒部3の挿入深さ寸法L0は、1.1d5≦L0≦1.3d5となるように設定する。
仮に、挿入筒部3の挿入深さ寸法L0が、下限値未満であると、挿入筒部3がガタつく(こぜる)虞れがあり、また、上限値を越えると、分岐筒部4,4相互間のピッチP0が大きくなりすぎる虞れがある。
挿入筒部3を嵌着筒部5に差し込む際、センタリング用突片25,26は、挿入筒部3と嵌着筒部5の軸心を一致させて誘導案内するセンタリングの機能を有し、嵌着連結完了の後に、長時間にわたってセンタリングしている。
なお、リップ部26は、自由状態下で嵌着筒部5の内径よりも(僅かに)大きく形成され、連結状態で嵌着筒部5の内周面に軽く接触して弯曲変形している。リップ部26は、誘導テーパ部25とは主目的(主機能)が異なり、シール部材24,24への液体浸入を阻止する副シール機能を主として有し、センタリングの機能も兼ねている。リップ部26は、2つ以上設けても良い。
ストップリング20は、1箇所に切れ目を有するC字状の円環体であり、材質はPPSU等の硬質合成樹脂が好ましい。ストップリング20は、外周面に先端縮径状のテーパ面35を有し、内周面に係止爪36,36を有している。また、分岐筒部4の先端近傍には、係止凹溝19,19が形成されている。
図示省略するが、分岐筒部4と包囲筒体10の間のパイプ端部挿入空間14にパイプ8が挿入される際、クランプリング9がパイプ端部8aを強力に締付けて、パイプ8が分岐筒部4から引抜かれないように接続している。だが、さらに大きな引抜き力が作用した場合であっても、ストップリング20は、包囲筒体10(第2筒体12)の内周面にテーパ面35を摺接させ、パイプ8に係止爪36,36を食い込ませるように絞られて、強力な圧力をもってパイプ8の抜け出しを阻止する。しかも、パイプ8に食い込んだ係止爪36,36と、分岐筒部4の係止凹溝19,19が対応するように配設されているため、パイプ8の抜け出しを強力に阻止することができる。
図5と図6に示すように、挿入筒部3と嵌着筒部5の嵌着連結構造に於て、挿入筒部3の拡径部22及び嵌着筒部5の先端部5Aに係止する外環係止部材40を具備している。その他の構成は上述の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
外環係止部材40は、内周面に2つの低凸部41,42を有している。嵌着筒部5の先端部5Aには、係止低突隆部43が外面突出状に形成されている。
ヘッダー単体2に於て、挿入筒部3が先端側開口部に向けて次第に薄肉化して、挿入筒部3は先端側開口部の内部流路がテーパー状に拡径されている。増大径部23は、挿入筒部3の先端側開口部と同一の内径寸法を有している。つまり、増大径部23は、挿入筒部3及び分岐筒部4よりも内径寸法が大きく、挿入筒部3の内径寸法d3と同一半径の開口部33をもって挿入筒部3に連通し、分岐筒部4の内径寸法d4と同一半径の開口部34をもって分岐筒部4に連通している。この構成により、挿入筒部3の先端側開口部から増大径部23を通過する流体の直進方向の流れに変化が生じ、直進方向と分岐方向の流量の勝ち負けを減らすことができ、流体を挿入筒部3と分岐筒部4の両方にバランス良く流すことができる。
3 挿入筒部
4 分岐筒部
5 嵌着筒部
5A 先端部
6 被接続用パイプ
6a 端部
8 分岐用パイプ
8a 端部
9 クランプリング
10 包囲筒体
10A 基部
14 パイプ端部挿入空間
15 流路分岐部
16 分岐用接続突部
21 基端部
22 拡径部
22a 凹周溝
23 増大径部
32 係止低突隆部
L0 挿入深さ寸法
d5 内径寸法
Claims (4)
- 長手方向一端側に形成される挿入筒部(3)と、長手方向他端側に形成される嵌着筒部(5)と、長手方向と直交する方向に突設されて分岐用パイプ(8)の端部(8a)に挿入される分岐筒部(4)とを、有するT字状ヘッダー単体(2)を複数個備え、
該ヘッダー単体(2)の上記挿入筒部(3)は、被接続用パイプ(6)の端部(6a)に挿入可能であり、かつ、別個のヘッダー単体(2)の上記嵌着筒部(5)に差込んで連結可能に形成され、さらに、上記挿入筒部(3)と上記分岐筒部(4)が、同一形状乃至異径相似形状に形成され、
上記挿入筒部(3)は、基端側に拡径部(22)を有し、該拡径部(22)に上記嵌着筒部(5)の先端部(5A)が引き抜けないように嵌着され、該挿入筒部(3)を上記嵌着筒部(5)に回転自在として順次差し込んで複数個の上記T字状ヘッダー単体(2)を長手方向に連結し、
上記分岐筒部(4)には、上記パイプ端部(8a)を弾発的に締付けるためのC字状クランプリング(9)と、上記分岐筒部(4)及び上記C字状クランプリング(9)を包囲状としてパイプ端部挿入空間(14)を形成する包囲筒体(10)とが、付設され、上記分岐筒部(4)の基端部(21)に、上記包囲筒体(10)の基部(10A)が引き抜けないように嵌着され、
上記嵌着筒部(5)の先端部(5A)と上記包囲筒体(10)の基部(10A)が、同一形状乃至異径相似形状の嵌着構造を有していることを特徴とするヘッダー。 - 上記挿入筒部(3)の挿入深さ寸法(L 0 )は、上記嵌着筒部(5)の内径寸法(d 5 )に対し、1.0d 5 ≦L 0 ≦2.0d 5 となるように設定されている請求項1記載のヘッダー。
- 上記挿入筒部(3)は、上記拡径部(22)の外周面に凹周溝(22a)を有し、かつ、上記嵌着筒部(5)は、上記先端部(5A)の内周面に係止低突隆部(32)を有し、
上記挿入筒部(3)を上記嵌着筒部(5)に圧入して差し込む際、該嵌着筒部(5)の上記先端部(5A)を弾性変形させつつ上記係止低突隆部(32)を上記凹周溝(22a)に嵌め込んで係合させ、上記挿入筒部(3)を回転可能かつ引抜不可状態として上記嵌着筒部(5)に嵌着連結している請求項1又は2記載のヘッダー。 - 上記ヘッダー単体(2)は、流路分岐部(15)に増大径部(23)を形成して、上記挿入筒部(3)を上記嵌着筒部(5)に差し込んだ状態で、該挿入筒部(3)の先端側開口部と上記増大径部(23)が同一内径にて連続する流路を構成している請求項1,2又は3記載のヘッダー。
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