JPH0868473A - 袋ナットを有するボールバルブおよび袋ナット構造 - Google Patents

袋ナットを有するボールバルブおよび袋ナット構造

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JPH0868473A
JPH0868473A JP20329794A JP20329794A JPH0868473A JP H0868473 A JPH0868473 A JP H0868473A JP 20329794 A JP20329794 A JP 20329794A JP 20329794 A JP20329794 A JP 20329794A JP H0868473 A JPH0868473 A JP H0868473A
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JP
Japan
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cap nut
valve
ball valve
outer peripheral
pressing member
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JP20329794A
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Yoshihisa Kubo
善央 久保
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボールバルブの袋ナットを改良し、袋ナット
が破壊されにくいボールバルブを提供する。またあわせ
て剛性の高い袋ナット構造を提供する。 【構成】 袋ナット31は、底面32の外周部、に環状
の溝34が形成されている。接続スリーブ(当て部材)
37には、環状の凸壁40が設けられている。袋ナット
31を締め込んだ際に、袋ナット31の環状の溝34
と、接続スリーブ(当て部材)37の環状の凸壁40が
互いに嵌合し合うので、強い力を受けても袋ナット31
が拡径しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は袋ナット構造を有するボ
ールバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボールバルブは、圧力損失が少ないと言
う優れた特性を有するため、止水用のバルブとして広く
普及している(先行文献:特公昭53−6375号、特
公昭59−24302号、実開昭58−89656号
等)。また近年では、強靱な樹脂素材が開発されさら
に、樹脂加工技術の著しい向上から、樹脂を素材とする
ボールバルブが開発されている。ところでボールバルブ
は、前記した様に圧力損失が少ないものの、玉形弁等に
比べて止水力が劣り、漏れやすいと言う欠点がある。従
ってボールバルブでは、漏れを防ぐために、弁体やボー
ルシートをバルブ本体内でしっかりと支持することが大
切である。
【0003】そのため樹脂製のボールバルブでは、袋ナ
ット構造をもって弁体やボールシートを支持する構成が
多用されている。以下従来技術のボールバルブの構造を
図5乃至図8を参照しつつ説明する。図5は、従来技術
のボールバルブの正面断面図である。図6は、従来技術
のボールバルブの側面断面図である。図7,図8は、従
来技術のボールバルブの要部の拡大断面図である。
【0004】従来技術のボールバルブ100は、バルブ
本体1、弁体2、ボールシート3、押さえ部材5、接続
スリーブ6、袋ナット7、スピンドル8およびハンドル
10によって構成されている。ボールバルブ100の各
構成部材は、ボールシート3とスピンドル8を除いて、
すべて硬質塩化ビニル樹脂等の射出成形によって作られ
たものである。各部材の形状等を説明すると、バルブ本
体1は、全体が筒状をしており、その側面には、スピン
ドル8が挿通される孔が設けられている。バルブ本体1
の外周の両端には、雄ねじ11が設けられている。
【0005】弁体2はほぼ球状をしていて、中心には流
体の流路となる貫通孔13が設けられている。また弁体
2の側面であって前記した流路に直交する中心には係合
溝15が形成されている。ボールシート3は、四フッ化
エチレン樹脂等の摺動性に優れた素材によって作られも
のであり、中心に孔が開いた円盤状をした部材である。
押さえ部材5は、筒状をした部材であり、一方の端部に
前記したボールシート3を保持する保持凹部16が設け
られ、他端側にはフランジ17が形成されている。
【0006】接続スリーブ6の外形は筒状であり、一方
の端部には係合フランジ18が形成されている。また接
続スリーブ6の内部には、配管接続が可能な様に、管用
テーパネジが形成されている。接続スリーブ6は、管と
ボールバルブを接続する機能の他、押さえ部材5を押圧
する当て部材としても機能する。袋ナット7は、全体形
状が碗状をしており、中心には前記した接続スリーブ6
を挿通する孔が設けられている。ボールバルブ100の
組み立て形状は、バルブ本体1の中に弁体2が回転可能
に挿入され、弁体2の係合溝15には、スピンドル8の
先端が挿入されている。またスピンドル8の他端は、バ
ルブ本体1の側面から外部に突出し、ハンドル10が取
り付けられている。従ってハンドル10を回動すること
により弁体2を回動させて流体の流路を開閉できるよう
になっている。
【0007】バルブ本体1の内部では、ボールシート3
が弁体2の側面に当接している。また弁体2は、押さえ
部材5によって支持されている。そして押さえ部材5の
フランジ17には、接続スリーブ6の係合フランジ18
が合致されている。そしてさらに係合フランジ18の外
側には、袋ナット7が被せられ、袋ナット7は弁本体1
の雄ねじ12と嵌合している。従って袋ナット7の底面
は、接続スリーブ6(当て部材)のバルブ外側の面に当
接し、さらに接続スリーブ6は押さえ部材5と当接し、
押さえ部材5はボールシート3を介して弁体2を支持し
ている。
【0008】ここで特記すべきは、従来技術のボールバ
ルブ100では、袋ナット7の底面22の形状は、図7
の様に周壁20から中央の孔21に向かって漸次凹んだ
テーパ形状をしていた。また従来技術のボールバルブ1
00では、接続スリーブ6の係合フランジ18のバルブ
外側の面23は、係合フランジ18からバルブ外側に向
かってなだらかに径が小さくなる順方向のテーパ形状を
していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この種のボールバルブ
は、上記した様な構造であるため、弁体2にかかる力等
の多くは主として袋ナット7に負荷される。すなわち弁
体2に管軸方向にかかる受圧は、接続スリーブ6を介し
て袋ナット7が負担している。加えて管の軸方向の伸縮
や配管の曲げ等の力は、接続スリーブ6と袋ナット7の
嵌合を介して袋ナット7で負担している。
【0010】ところでこの袋ナット7は、通常の使用条
件では十分に耐える様に相当の剛性を持つように設計さ
れている。しかしボールバルブ100が、脈流が発生す
る流路に使用されたり、ウォータハンマやキャビテーシ
ョンの様な不測の高圧力に晒されると応力に耐えきれず
に袋ナット7が破壊してしまう問題があった。高圧を受
けて袋ナット7が破壊に至るまでの挙動を観察すると次
の通りである。
【0011】すなわち弁体2が軸方向の力を受けると、
接続スリーブ6がボールバルブ100から離れる方向
(図7 矢印の方向)に移動する。ここで従来技術のボ
ールバルブ100では、前述の様に袋ナット7の底面2
2の形状は、中央の孔21に向かって漸次凹んだテーパ
形状をしており、接続スリーブ6の係合フランジ18も
これに合致してテーパ形状をしていた。そのため袋ナッ
ト7の底面22は、くさび効果によって拡径方向に力を
受け、図8の実線の様に広がってしまう。
【0012】またさらに従来技術の構成では、袋ナット
7の底面22と係合フランジ18は、面同志の接触とな
るので、実質上接続スリーブ6の力Pは、図7の様に接
触面同志の中心に作用する。これに対して反力pは、袋
ナット7のねじ部分に作用する。従ってスリーブ6の力
Pと反力pの間に距離Lが生じ、袋ナット7に曲げモー
メント「M=PL」が発生する。そのため従来技術のボ
ールバルブ100では、くさび効果による拡径力と、曲
げモーメント「M=PL」による拡径力が同時に作用
し、遂には限界を越えて袋ナット7が破壊に至るのであ
った。従って袋ナットは、これらの力に対抗するべく、
肉厚を増大させて剛性の向上を図るべきであるが、樹脂
製のボールバルブでは、肉厚を増大させても剛性の向上
にはおのずと限界があった。そこで当該技術分野では、
形状上破壊されにくい袋ナット構造の開発が望まれてい
た。
【0013】そこで本発明は、従来技術の上記した問題
点に鑑み、ボールバルブの袋ナットを改良し、袋ナット
が破壊されにくいボールバルブを提供するものである。
またあわせて本発明は、剛性の高い袋ナット構造を提供
することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】そして上記した目的を達
成するための本発明は、貫通孔を有すると共に外周面に
雄ねじが設けられたバルブ本体と、該バルブ本体内に回
転可能に収納された弁体と、弁体を支持する弁押さえ部
材と、袋ナットを有し、該袋ナットの雌ねじは弁本体の
雄ねじと嵌合し、袋ナットの底面は、直接あるいは当て
部材を介して前記弁押さえ部材に当接し、弁押さえ部材
が支持されている袋ナットを有するボールバルブにおい
て、袋ナットの底面と当て部材あるいは弁押さえ部材は
相互に嵌合していることを特徴とする袋ナットを有する
ボールバルブである。
【0015】また同様の目的を達成するためのもう一つ
の発明は、貫通孔を有すると共に外周面に雄ねじが設け
られたバルブ本体と、該バルブ本体内に回転可能に収納
された弁体と、弁体を支持する弁押さえ部材と、袋ナッ
トを有し、該袋ナットの雌ねじは弁本体の雄ねじと嵌合
し、袋ナットの底面は、直接あるいは当て部材を介して
前記弁押さえ部材に当接し、弁押さえ部材が支持されて
いる袋ナットを有するボールバルブにおいて、袋ナット
は底面の外周部に当接部を有し、当接部が当て部材ある
いは弁押さえ部材と当接していることを特徴とする袋ナ
ットを有するボールバルブである。尚袋ナットの当接部
は、当該部分に弁押さえ部材等が特に強く当接されれば
足り、必ずしも袋ナットに突起や溝を要しない。
【0016】さらに同様の目的を達成するための発明
は、貫通孔を有すると共に外周面に雄ねじが設けられた
バルブ本体と、該バルブ本体内に回転可能に収納された
弁体と、弁体を支持する弁押さえ部材と、袋ナットを有
し、該袋ナットの雌ねじは弁本体の雄ねじと嵌合し、袋
ナットの底面は、直接あるいは当て部材を介して前記弁
押さえ部材に当接し、弁押さえ部材が支持されている袋
ナットを有するボールバルブにおいて、袋ナットの底面
は、外周部から中央方向に向かって隆起し、当て部材あ
るいは弁押さえ部材の袋ナットとの係合面は、外周部側
が隆起していることを特徴とする袋ナットを有するボー
ルバルブである。
【0017】さらに上記したボールバルブに適用するこ
とが望ましい袋ナット構造の発明は、外周面に雄ねじが
設けられた本体部と、本体部の雄ねじと嵌合する袋ナッ
トと、本体部および袋ナットの間に介在される当て部材
を有し、袋ナットの内面をもって当て部材を本体部に押
しつける袋ナット構造において、袋ナットは底面の外周
部に当接部を有し、該当接部が当て部材と当接している
ことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】請求項1記載のボールバルブは、袋ナットの拡
径を強制的に阻止して袋ナットの剛性を高めることを意
図したものである。すなわち本発明のボールバルブで
は、袋ナットの底面と当て部材あるいは弁押さえ部材は
相互に嵌合している。そのため請求項1記載のボールバ
ルブでは、弁体が力を受けて袋ナットが拡径方向の力を
受ける時、当該拡径方向の力は嵌合部によって負荷され
る。従って本発明の構成によると袋ナットの拡径による
ずれが減少し袋ナットに曲げの力がかかりにくい。
【0019】また請求項2記載の発明は、袋ナットの曲
げモーメント自体を抑制することを意図したものであ
る。請求項2記載の発明によると、袋ナットは底面の外
周部に当接部を有し、当接部が当て部材あるいは弁押さ
え部材と当接している。従って本発明によると、当て部
材等から袋ナットが力を受ける位置と、袋ナットの反力
の位置が近接し、曲げモーメントが小さい。そのため本
発明の構成では、袋ナットの拡径方向の力自体が小さ
い。
【0020】請求項3記載のボールバルブは、袋ナット
の拡径を強制的に阻止する作用をさらに強化させたもの
である。すなわち本発明では、袋ナットの底面は、外周
部から中央方向に向かって隆起し、当て部材あるいは弁
押さえ部材の袋ナットとの係合面は、外周部側が隆起し
ている。従って袋ナットを締めつけた際、袋ナットの底
面と当て部材等は、相互に嵌合し、袋ナットの拡径は強
制的に阻止される。さらに本発明の特有の作用として、
袋ナットに縮径方向の力が発生する点が挙げられる。す
なわち従来技術のボールバルブの袋ナットと当て部材等
の当接面を仮に正方向のテーパとすると、本発明の構成
では、当該当接面の傾きは、従来技術のそれとは全く逆
方向となる。従って、両者の接触面から袋ナットが受け
る力は、中心方向に収束する。
【0021】また請求項4記載の袋ナット構造は、袋ナ
ットが底面の外周部に当接部を有し、該当接部が当て部
材と当接しているものであり、前述の請求項2記載の発
明同様、袋ナットの曲げモーメントを減少させる作用を
発揮する。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。尚以下の実施例では、袋ナットと接続スリー
ブ(当て部材)を除いて、各部品の構成は従来技術のそ
れと同一であるため、それらの部品の説明は省略する。
図1は、本発明の具体的実施例における袋ナットを有す
るボールバルブの要部の拡大断面図である。図2は、本
発明の他の実施例における袋ナットを有するボールバル
ブの要部の拡大断面図である。図3は、本発明の具体的
実施例における袋ナットを有するボールバルブの要部の
正面図である。図4は、本発明の袋ナット構造を採用し
たユニオン継手の断面図である。
【0023】図1に示すボールバルブ30では、袋ナッ
ト31は底面32が側壁33に対して垂直である。そし
て本実施例で採用する袋ナット31は、特有の構成とし
て、底面32の外周部、すなわち側壁33に近接した位
置に環状の溝34が形成されている。この溝34の凹部
には十分なR加工がされており、応力集中することが無
い様に配慮されている。一方接続スリーブ(当て部材)
37では、係合フランジ38のボールバルブ外側の面で
あって、周部に近い位置には、環状の凸壁40が設けら
れている。
【0024】そして本実施例のボールバルブ30では請
求項1に記載されているように、袋ナット31を締め込
んだ際に、袋ナット31の環状の溝34と、接続スリー
ブ(当て部材)37の環状の凸壁40が互いに嵌合し合
う。また本実施例では請求項2に記載されているよう
に、接続スリーブ(当て部材)37の環状の凸壁40の
高さは、袋ナット31の環状の溝34の深さよりも高
く、袋ナット31が締め込まれた状態では、袋ナット3
1は環状の溝34(外周部)の部位だけで接続スリーブ
(当て部材)37の係合フランジ38と当接する。
【0025】本実施例のボールバルブ30では、袋ナッ
ト31は図1の様に環状の溝34の部位で、接続スリー
ブ(当て部材)37から力Pを受ける。また袋ナット3
1の反力pは、従来技術と同様に袋ナット7のねじ部分
に作用し、袋ナット7に曲げモーメント「M=PL」が
発生する。しかしながら実施例のボールバルブ30で
は、接続スリーブ(当て部材)37から受ける力Pと、
反力pの位置が近接しており、「L」は短い。従って袋
ナット31に発生する曲げモーメントは小さい。また本
実施例のボールバルブ30では、袋ナット31は従来の
様な傾斜面を介して力が伝達されるものではないので、
袋ナット31に法線方向の力は作用しない。従って袋ナ
ット31に発生する拡径力は小さく、袋ナット31は壊
れにくい。
【0026】またこの曲げモーメントによって袋ナット
31に拡径方向の力が発生するものの、本実施例のボー
ルバルブ30では、袋ナット31の環状の溝34と、接
続スリーブ(当て部材)37の環状の凸壁40が互いに
嵌合し合うので、袋ナット31の拡径は阻止される。
【0027】本実施例のボールバルブ30では、袋ナッ
ト31側に溝34を設け、接続スリーブ(当て部材)3
7側に凸壁40を設けたが、本発明はこれにこだわるも
のではなく、袋ナット31側に凸壁を設け、接続スリー
ブ(当て部材)37側に溝を設けても良い。また袋ナッ
ト31と接続スリーブ(当て部材)37は互いに嵌合さ
せることが望ましいが、単に袋ナット31の周面近くの
位置で両者が当接し合うだけの構成であっても曲げモー
メントを減少させる相当の効果が期待できる。さらに袋
ナット31と接続スリーブ(当て部材)37は周面近く
の位置で両者を当接させることが望ましいが、他の部位
で当接したり、面をもって当接しあう構成としても、袋
ナット31と接続スリーブ(当て部材)37は互いに嵌
合させる構成でありさえすれば、袋ナット31の拡径阻
止は可能である。
【0028】つぎに請求項3記載の本発明の他の実施例
について説明する。図2に示すボールバルブ50では、
袋ナット51は底面52が側壁33に対して逆テーパに
なっている。すなわち袋ナット51の底面52には隆起
56があり、この隆起56は外周部から中央方向に向か
って漸次高くなっている。また接続スリーブ(当て部
材)57についても逆テーパが形成されている。すなわ
ち接続スリーブ(当て部材)57の係合フランジ58の
ボールバルブ外側の面は、外周部側が隆起し、中心に向
かうにつれてその隆起59は漸次低くなっている。そし
て本実施例のボールバルブ50では、袋ナット51を締
め込んだ際に、袋ナット51のテーパ面と接続スリーブ
(当て部材)57のテーパ面は互いに嵌合し合う。
【0029】従って本実施例のボールバルブ50は、先
の実施例と同様に袋ナット51の拡径は阻止される。
【0030】また本実施例のボールバルブ50では、接
続スリーブ(当て部材)57と袋ナット51間の力の伝
達は、従来技術とは逆方向のテーパ面によって行われ
る。すなわち接続スリーブ(当て部材)57から受ける
力の法線方向力Nは、接続スリーブ(当て部材)57の
中心方向に向かう。従って袋ナット51には縮径方向の
力が発生し、袋ナット51は破壊されにくい。袋ナット
51の底面52の形状および接続スリーブ(当て部材)
57の形状は、前記した様に逆テーパ状であることが望
ましいが、袋ナット51の底面52については、外周部
から中央方向に向かって隆起し、接続スリーブ(当て部
材)57については外周部側が隆起しておりさえすれば
接続スリーブ(当て部材)57の中心方向に向かう法線
方向力Nは発生する。
【0031】以上の実施例では、説明を簡単にするため
に袋ナットの素材等は、普通に利用されている射出成形
によって製造されたものを前提として説明した。しかし
ながら袋ナットの素材等は、むしろ本発明の目的である
破壊防止と言う観点から改良が加えられるべきである。
この観点から推奨される袋ナットの素材は、ガラスマッ
トやガラスクロスあるいはカーボンクロス等が内蔵され
たものが望ましく、また樹脂内にはガラス短繊維等が配
合されて剛性が高められたものであることが望ましい。
また脈動等の厳しい条件下で使用する場合には、対衝撃
性向上のため、袋ナットにゴム系成分(例えば、MBS,MA
S )が配合されていることが望ましく、このゴム成分の
添加により、耐久性が向上する。
【0032】また物理的に袋ナットの破壊防止を補助す
る方策としては、図3の様に針金60をもってボールバ
ルブを縛りつけることも推奨される。
【0033】本発明の袋ナット構造は、ボールバルブへ
の適応を目的として開発されたものであるが、目的の範
囲を逸脱しないかぎりにおいて、他の部材への転用も可
能である。転用の例としては、図4(a)(b)の様な
樹脂製ユニオン継手が考えられる。図4(a)に示した
ユニオン継手70は、図1に相当する構造を採用し、図
4(b)に示したユニオン継手71は、図2に相当する
構造を採用している。いずれのユニオン継手において
も、左側の部材73の外周面に雄ねじが設けられ、当該
部材が本体として機能する。本ユニオン継手70,71
の袋ナット構造は、図1および図2と同一の部材には、
同一の番号を付することにより、詳細な説明を省略す
る。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載のボールバルブでは袋ナッ
トの底面と当て部材あるいは弁押さえ部材は相互に嵌合
しているので、袋ナットの拡径は強制的に阻止される。
そのため本発明のボールバルブは、袋ナットの剛性が高
くて耐久性に優れる効果がある。
【0035】請求項2記載の発明では、袋ナットが力を
受ける位置と、袋ナットの反力の位置が近接していて、
曲げモーメントが小さいので、袋ナットの拡径方向の力
自体が小さい効果がある。その結果請求項2記載の発明
では、袋ナットの剛性が高くて耐久性に優れる効果があ
る。
【0036】さらに請求項3記載のボールバルブは、袋
ナットの拡径を強制的に阻止する作用が高く、耐久性に
優れる効果がある。以上請求項1乃至3のボールバルブ
は、いずれも袋ナットにかかる曲げの力が軽減されボー
ルバルブの耐久性を向上することができる。また、規定
の水圧以上でも十分に使用することができ、極度の脈動
がかかってもボールバルブの寿命を延ばすことができる
優れた効果を持つ。
【0037】また請求項4の袋ナット構造は、袋ナット
が底面の外周部に当接部を有し、該当接部が当て部材と
当接しているものであり、剛性に優れる効果がある。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例における袋ナットを有す
るボールバルブの要部の拡大断面図である。
【図2】本発明の他の実施例における袋ナットを有する
ボールバルブの要部の拡大断面図である。
【図3】本発明の具体的実施例における袋ナットを有す
るボールバルブの要部の正面図である。
【図4】本発明の袋ナット構造を採用したユニオン継手
の断面図である。
【図5】従来技術のボールバルブの正面断面図である。
【図6】従来技術のボールバルブの側面断面図である。
【図7】従来技術のボールバルブの要部の拡大断面図で
ある。
【図8】従来技術のボールバルブの要部の拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 バルブ本体 2 弁体 13 貫通孔 30 50 ボールバルブ 31 51 袋ナット 32 52 底面 33 側壁 34 溝(外周部) 37 57 接続スリーブ(当て部材) 38 58 係合フランジ 40 凸壁 70 71 ユニオン継手

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有すると共に外周面に雄ねじが
    設けられたバルブ本体と、該バルブ本体内に回転可能に
    収納された弁体と、弁体を支持する弁押さえ部材と、袋
    ナットを有し、該袋ナットの雌ねじは弁本体の雄ねじと
    嵌合し、袋ナットの底面は、直接あるいは当て部材を介
    して前記弁押さえ部材に当接し、弁押さえ部材が支持さ
    れている袋ナットを有するボールバルブにおいて、袋ナ
    ットの底面と当て部材あるいは弁押さえ部材は相互に嵌
    合していることを特徴とする袋ナットを有するボールバ
    ルブ。
  2. 【請求項2】 貫通孔を有すると共に外周面に雄ねじが
    設けられたバルブ本体と、該バルブ本体内に回転可能に
    収納された弁体と、弁体を支持する弁押さえ部材と、袋
    ナットを有し、該袋ナットの雌ねじは弁本体の雄ねじと
    嵌合し、袋ナットの底面は、直接あるいは当て部材を介
    して前記弁押さえ部材に当接し、弁押さえ部材が支持さ
    れている袋ナットを有するボールバルブにおいて、袋ナ
    ットは底面の外周部に当接部を有し、当接部が当て部材
    あるいは弁押さえ部材と当接していることを特徴とする
    袋ナットを有するボールバルブ。
  3. 【請求項3】 貫通孔を有すると共に外周面に雄ねじが
    設けられたバルブ本体と、該バルブ本体内に回転可能に
    収納された弁体と、弁体を支持する弁押さえ部材と、袋
    ナットを有し、該袋ナットの雌ねじは弁本体の雄ねじと
    嵌合し、袋ナットの底面は、直接あるいは当て部材を介
    して前記弁押さえ部材に当接し、弁押さえ部材が支持さ
    れている袋ナットを有するボールバルブにおいて、袋ナ
    ットの底面は、外周部から中央方向に向かって隆起し、
    当て部材あるいは弁押さえ部材の袋ナットとの係合面
    は、外周部側が隆起していることを特徴とする袋ナット
    を有するボールバルブ。
  4. 【請求項4】 外周面に雄ねじが設けられた本体部と、
    本体部の雄ねじと嵌合する袋ナットと、本体部および袋
    ナットの間に介在される当て部材を有し、袋ナットの内
    面をもって当て部材を本体部に押しつける袋ナット構造
    において、袋ナットは底面の外周部に当接部を有し、該
    当接部が当て部材と当接していることを特徴とする袋ナ
    ット構造。
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