JP2009043331A - シフトレジスタ - Google Patents

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大介 西ノ原
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Abstract

【課題】本発明は、回路規模を増大することなく、動作の安定化を実現することが可能なシフトレジスタを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るシフトレジスタは、フリップフロップFFを直列多段に重ねて構成され、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2の一方から入力されるクロック信号CK1と、他方から入力される反転クロック信号CK1Nとを用いて、シリアルの入力データ信号Dinを一桁ずつ順次シフトさせながら格納していくシフトレジスタであって、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2については、それぞれ、フリップフロップFFの所定段数毎に、敷設位置の入れ替え、信号論理の反転、及び、信号供給先の入れ替えが行われる構成とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、フリップフロップを直列多段に重ねて構成されたシフトレジスタの動作安定化技術に関するものである。
図2は、シフトレジスタの一従来例を示すブロック図である。
本図に示すように、一般的なシフトレジスタは、インバータをループ状に接続して成るマスタ・スレーブ型のDフリップフロップFFを直列多段に重ねて構成され、第1クロックラインL1から入力されるクロック信号CK1と、第2クロックラインL2から入力される反転クロック信号CK1N(クロック信号CK1の位相を反転させたクロック信号)を用いて、シリアルの入力データ信号Dinを一桁ずつ順次シフトさせながら格納していく構成とされていた。
また、DフリップフロップFFの直列段数が多い場合、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2には、それぞれ、クロック信号CK1及び反転クロック信号CK1Nの減衰(鈍り)を防止する手段として、図2に示すように、DフリップフロップFFのN段毎(Nは複数)にバッファBUF(インバータの2段直列回路)が挿入されていた。
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、本願出願人による特許文献1や特許文献2を挙げることができる。
特開平6−176593号公報 特開2003−188691号公報
確かに、上記従来のシフトレジスタであれば、ディスプレイドライバ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、メモリドライバ、SRAM、DRAM、イメージセンサ、FIFO、FILO(デジタルディレイ回路)など、様々なアプリケーションに適用することが可能である。
しかしながら、上記従来のシフトレジスタでは、第1クロックラインL1から分岐されてDフリップフロップFFにクロック信号CK1を伝達する配線の長さと、第2クロックラインL2から分岐されてDフリップフロップFFに反転クロック信号CK1Nを伝達する配線の長さには差違があり、このような配線長の違いに応じて、第1クロックラインL1にかかる負荷と第2クロックラインL2にかかる負荷にも差違が生じていた。
例えば、図2の例では、各段のDフリップフロップFFに対して、第1クロックラインL1の方が第2クロックラインL2よりも近い位置に敷設されているため、第1クロックラインL1にかかる負荷は比較的軽くなり、第2クロックラインL2にかかる負荷は比較的重くなっていた。
そのため、上記従来のシフトレジスタでは、DフリップフロップFFを多段(数百段)に接続した場合、クロックラインL1、L2の終段に向かうほど、各々のクロックラインL1、L2にかかる負荷の差違が累積される形となり、クロック信号CK1と反転クロック信号CK1Nとの遅延差が顕著となっていた。
上記のように、クロック信号CK1と反転クロック信号CK1Nとの間に遅延差が生じて、両者の位相関係がずれてしまうと、DフリップフロップFF単体として、その動作が保証されない状態(DフリップフロップFFを構成するアナログスイッチのうち、本来であれば相補的にオン/オフされるべきスイッチ対が両方ともオンされ、データ抜けを生じ得る不安定な状態)となるおそれがあり、延いては、シフトレジスタ全体として誤動作を生じるおそれがあった。
図3は、上記したシフトレジスタの動作不良原因を説明するためのチャート図である。なお、図3(a)は、クロック信号CK1と反転クロック信号CK1Nとの間に位相ずれがない場合を示しており、図3(b)は、位相ずれがある場合を示している。また、図3(b)中のハッチング部分は、DフリップフロップFFを構成するアナログスイッチのうち、本来であれば相補的にオン/オフされるべきスイッチ対が両方ともオンされる期間を示している。
なお、上記したクロック信号CK1と反転クロック信号CK1Nとの位相ずれを防止する対策の一つとしては、クロック信号CK1を供給するクロックラインを1系統のみ敷設し、各段のDフリップフロップFFで、クロック信号CK1から反転クロック信号CK1Nを個別に生成する構成が考えられる。ただし、このような構成では、各段のDフリップフロップFF毎にインバータが必要となるため、回路規模が大きくなってしまい、特に、DフリップフロップFFを多段化を実現する上では、対策として非現実的であった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、回路規模を増大することなく、動作の安定化を実現することが可能なシフトレジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るシフトレジスタは、フリップフロップを直列多段に重ねて構成され、第1クロックライン及び第2クロックラインの一方から入力されるクロック信号と、他方から入力される反転クロック信号とを用いて、シリアルの入力データ信号を一桁ずつ順次シフトさせながら格納していくシフトレジスタであって、第1クロックライン及び第2クロックラインについては、それぞれ、前記フリップフロップの所定段数毎に、敷設位置の入れ替え、信号論理の反転、及び、信号供給先の入れ替えが行われる構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成るシフトレジスタにおいて、第1クロックライン及び第2クロックラインは、それぞれ、所定段数のフリップフロップに対して、前記クロック信号及び前記反転クロック信号を供給する毎に、互いの敷設位置が入れ替えられるレイアウトとされており、第1クロックライン及び第2クロックラインは、それぞれ、所定段数のフリップフロップに対して、前記クロック信号及び前記反転クロック信号を供給する毎に、各々の信号論理を反転させるインバータを有しており、かつ、第1クロックライン及び第2クロックラインは、それぞれ、互いの敷設位置が入れ替えられ、各々の信号論理が反転される毎に、前記フリップフロップのクロック信号入力端と反転クロック信号入力端との間で、互いの信号供給先が入れ替えられる構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第1または第2の構成から成るシフトレジスタにおいて、第1クロックライン及び第2クロックラインの信号入力方向と、前記フリップフロップのデータ入力方向とは、互いに逆向きとされている構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成るシフトレジスタにおいて、前記複数段のフリップフロップは、いずれも、インバータをループ状に接続して成るマスタ・スレーブ型のDフリップフロップである構成(第4の構成)にするとよい。
本発明に係るシフトレジスタであれば、回路規模を増大することなく、動作の安定化を実現することが可能となる。
図1は、本発明に係るシフトレジスタの一実施形態を示すブロック図である。
本図に示すように、本実施形態のシフトレジスタは、インバータをループ状に接続して成るマスタ・スレーブ型のDフリップフロップFF(図1では、初段のみ内部構成を明示したが、2段目から最終段目まで全て同様の構成とする)を直列多段に重ねて構成され、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2の一方から入力されるクロック信号CK1と、他方から入力される反転クロック信号CK1N(クロック信号CK1の位相を反転させたクロック信号)とを用いて、シリアルの入力データ信号Dinを一桁ずつ順次シフトさせながら格納していく構成とされている。
特に、本実施形態のシフトレジスタでは、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2について、それぞれ、DフリップフロップFFの所定段数N毎(例えば、DフリップフロップFFの全段数640に対して、N=16程度)に、敷設位置の入れ替え、信号論理の反転、及び、信号供給先の入れ替えが行われる構成とされている。
より具体的に述べると、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2は、それぞれ、N段のDフリップフロップFFに対して、クロック信号CK1及び反転クロック信号CK1Nを供給する毎に、図示のごとく、互いの敷設位置が入れ替えられるレイアウトとされている。
従って、一の区間では、DフリップフロップFFに対して、第1クロックラインL1の方が第2クロックラインL2よりも近い位置に敷設され、第1クロックラインL1にかかる負荷が比較的軽くなり、第2クロックラインL2にかかる負荷が比較的重くなる一方、次の区間では、両者の位置関係が逆になるので、第1クロックラインL1にかかる負荷が比較的重くなり、第2クロックラインにかかる負荷が比較的軽くなる。その後も、所定の区間毎に、第1クロックラインL1と第2クロックラインL2の敷設位置が入れ替えられて、各々にかかる負荷の軽重が入れ替えられる。
また、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2は、それぞれ、N段のDフリップフロップFFに対して、クロック信号CK1及び反転クロック信号CK1Nを供給する毎に、各々の信号論理を反転させるインバータINVを有している。
従って、第1クロックラインL1と第2クロックラインL2の敷設位置を入れ替えると共に、その信号論理も適切に反転することが可能となる。
さらに、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2は、それぞれ、互いの敷設位置が入れ替えられ、各々の信号論理が反転される毎に、DフリップフロップFFのクロック信号入力端と反転クロック信号入力端との間で、図示のごとく、互いの信号供給先が入れ替えられる構成とされている。
従って、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2の敷設位置の入れ替え、及び、信号論理の反転とともに、その信号供給先も適切に入れ替えることが可能となる。
このように、第1クロックラインL1と第2クロックラインの役割を任意の段数N毎に入れ替えることにより、両クロックラインL1、L2では、それぞれ、負荷が比較的軽くなる区間と負荷が比較的重くなる区間を交互に使う形となり、第1クロックラインL1にかかる負荷と、第2クロックラインL2にかかる負荷を均等にすることが可能となる。
従って、本実施形態のシフトレジスタであれば、DフリップフロップFFを多段(数百段)に接続した場合であっても、クロック信号CK1と反転クロック信号CK1Nとの位相関係を終段まで良好に保つことができるので、DフリップフロップFF単体の動作不良を確実に抑えて、シフトレジスタを安定に動作させることが可能となる。
特に、本実施形態のシフトレジスタは、多段の走査系を持つ高解像度(VGA、XGAなど)の液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、イメージセンサや、大容量のSRAM、DRAM、イメージセンサ、FIFO、FILO(デジタルディレイ回路)、若しくは、これらを駆動するドライバなどの動作安定化を実現する上で有用な技術である。
ただし、本発明の適用対象は、これに限定されるものではなく、フリップフロップを直列多段に重ねて構成された大型のシフトレジスタを搭載する半導体集積回路装置全般に広く適用することが可能である。
また、本実施形態のシフトレジスタにおいて、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2に設けられるインバータINVは、信号の論理反転を行う手段であるとともに、クロック信号CK1及び反転クロック信号CK1Nの減衰(鈍り)を防止する手段としても機能する。
すなわち、本実施形態のシフトレジスタにおいて、インバータINVは、別途新たに設けられるというものではなく、先出の図2で示したバッファBUF(インバータの2段直列回路)のうち、一のインバータを除いたものということができる。
従って、本実施形態のシフトレジスタであれば、動作の安定化を実現するに際して、回路規模の増大を招かないどころか、逆に、回路規模の縮小に貢献することが可能となる。
また、図1で示すように、本実施形態のシフトレジスタでは、第1クロックラインL1及び第2クロックラインL2の信号入力方向と、DフリップフロップFFのデータ入力方向とが互いに逆向きとされている。このような構成であれば、後段のDフリップフロップFFほど安定にラッチ動作を行うことができるようになるので、シフトレジスタ全体として、さらに安定した動作を実現することが可能となる。
なお、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
本発明は、ディスプレイドライバ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、メモリドライバ、SRAM、DRAM、イメージセンサ、FIFO、FILO(デジタルディレイ回路)など、フリップフロップを直列多段に重ねて構成されたシフトレジスタを用いるアプリケーションの動作安定化を実現する上で有用な技術である。
は、本発明に係るシフトレジスタの一実施形態を示すブロック図である。 は、シフトレジスタの一例を示すブロック図である。 は、シフトレジスタの動作不良原因を説明するためのチャート図である。
符号の説明
FF Dフリップフロップ
L1 第1クロックライン
L2 第2クロックライン
INV インバータ
CK1 クロック信号
CK1N 反転クロック信号

Claims (4)

  1. フリップフロップを直列多段に重ねて構成され、第1クロックライン及び第2クロックラインの一方から入力されるクロック信号と、他方から入力される反転クロック信号とを用いて、シリアルの入力データ信号を一桁ずつ順次シフトさせながら格納していくシフトレジスタであって、
    第1クロックライン及び第2クロックラインについては、それぞれ、前記フリップフロップの所定段数毎に、敷設位置の入れ替え、信号論理の反転、及び、信号供給先の入れ替えが行われることを特徴とするシフトレジスタ。
  2. 第1クロックライン及び第2クロックラインは、それぞれ、所定段数のフリップフロップに対して、前記クロック信号及び前記反転クロック信号を供給する毎に、互いの敷設位置が入れ替えられるレイアウトとされており、
    第1クロックライン及び第2クロックラインは、それぞれ、所定段数のフリップフロップに対して、前記クロック信号及び前記反転クロック信号を供給する毎に、各々の信号論理を反転させるインバータを有しており、かつ、
    第1クロックライン及び第2クロックラインは、それぞれ、互いの敷設位置が入れ替えられ、各々の信号論理が反転される毎に、前記フリップフロップのクロック信号入力端と反転クロック信号入力端との間で、互いの信号供給先が入れ替えられることを特徴とする請求項1に記載のシフトレジスタ。
  3. 第1クロックライン及び第2クロックラインの信号入力方向と、前記フリップフロップのデータ入力方向とは、互いに逆向きとされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシフトレジスタ。
  4. 前記複数段のフリップフロップは、いずれも、インバータをループ状に接続して成るマスタ・スレーブ型のDフリップフロップであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシフトレジスタ。
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