JP2009042359A - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも樹脂及び着色剤を含むトナー用材料を溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成液をノズルを通して液滴化する工程と、該液滴から溶媒を除去する脱溶媒工程とを含む電子写真用トナーの製造法において、液滴の予熱及び少なくとも恒率乾燥の一部を該液滴と水蒸気を含む脱溶媒用気体とを接触させて行うことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
【選択図】なし
Description
従来からトナーの製法としては、結着樹脂や着色剤等を溶融混練し、この混練物を粉砕、分級することにより行う粉砕法が用いられている。しかし、この粉砕法により得られるトナーはトナー粒子の粒径分布が広く、トナーの小粒径化に対して技術的に、また収率等の生産性の面から限界がある。
即ち、本件発明は以下に記載するとおりの構成を有する。
(2)少なくとも樹脂及び着色剤を含むトナー用材料を溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成液を、ノズルを通して液滴化する工程と、該液滴から溶媒を除去する脱溶媒工程とを含む電子写真用トナーの製造法において、液滴の予熱及び恒率乾燥を二段階で行ない、第一段階を該液滴と水蒸気を含む第一脱溶媒用気体とを接触させて行い、次いで、第二段階を常圧下の露点温度が−10℃以下の第二脱溶媒用気体と接触させて行うことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
(3)水蒸気を含む乾燥用気体の相対湿度が脱溶媒工程投入時の温度において85%以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電子写真用トナーの製造方法。
(4)前記ノズルが、貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介して原料流体を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より該原料液体を造粒空間に放出し、原料流体を柱状から括れ状態を経て液滴化する振動チャンバーノズルヘッドであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のトナーの製造方法
(5)該ノズルが、トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出するノズルであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかにトナーの製造方法。
(6)前記機械的振動手段が、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とする(4)に記載のトナーの製造方法。
(7)前記機械的振動手段が、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とする(4)記載のトナーの製造方法。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載のトナーの製造方法によって製造された電子写真用トナー。
(9)THF溶解分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が8.0×103〜5.0×104であることを特徴とする(8)に記載の電子写真用トナー。
(10)(8)又は(9)に記載の電子写真用トナーを用いた電子写真式画像形成装置
(11)(8)又は(9)に記載の電子写真用トナーを用いたプロセスカートリッジ
また、脱溶媒用気体中に水蒸気が存在することにより恒率乾燥時に液滴中の溶媒の水置換が発生し残留溶媒量を減少することが可能となる。また減率乾燥時にも残留した水分により同様の効果が得られ、また恒率乾燥後の半乾燥液滴を第二脱溶媒用気体と接触させることによって減率乾燥が可能となり以降の工程が不要となる。
以下、トナー組成物を構成する材料について説明する。
前記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができ、2種類以上の樹脂を混合し用いることが可能であるが、溶剤に不溶なゲル成分が0.5%未満であることが好ましい。ゲル成分が含まれると噴霧ノズルの詰りが生じ、生産安定性を損なう。従ってゲル成分が含まれている樹脂を用いる場合には樹脂を溶解後にろ過工程によりゲル成分をろ過して用いる。また、混合される樹脂の組成によりトナー形状やトナー中のWAX、顔料の位置などを制御することが可能となる。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルの如き不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマー。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
また、ポリエステル系重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1〜50mgKOH/gを有する樹脂を60質量%以上有するものが好ましい。
(1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の式(1)で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W (1)
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
より大きいと吐出ノズルに詰りを生じやすくなる。更にはトナーを形成した際に、着色剤の粒径が大きくなり、画質が低下しやすく、特に、OHPの光透過性が低下しやすい。更に好ましくは300nm以下である。300nm以下では光透過性の向上が目覚しく色再現範囲が大幅に向上する。なお、着色剤の粒径は、レーザー回折/散乱粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)で求めることができる。
有機低分子物質の例としては、脂肪酸エステル、フタル酸等の芳香族酸のエステル、燐酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステル、その他エステル、ベンジル、ベンゾイン化合物、ベンゾイル化合物等のケトン類、ヒンダードフェノール化合物、べンゾトリアゾール化合物、芳香族スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、長鎖アルコール、長鎖ジアルコール、長鎖カルボン酸、長鎖ジカルボン酸、などが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
用いられる樹脂と有機低分子物質が有機低分子物質の溶融温度以上の温度にて相溶する場合、有機低分子物質は可塑剤として機能する。つまり、該有機低分子物質により樹脂の軟化速度が向上し低温定着性を有することとなる。この場合該有機低分子物質の溶融温度は120℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下となる。溶融温度が120℃を超えると低温定着性に効果がなくなる。
用いられる樹脂と有機低分子物質が相溶しない場合、有機低分子物質は離型剤として機能する。この場合該有機低分子物質の溶融温度は100℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下である。溶融温度が100℃以上となると定着時にコールドオフセットを発生しやすくなる。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
本発明に用いられる有機溶媒の具体例としては、エステル系溶媒の場合は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなど、アルコール系溶媒の場合は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなど、炭化水素系溶媒の場合はベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類等が用いられる。本発明に従って、これらは適宜組み合わされる。そのほかにアセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。
樹脂、有機低分子物質、着色剤以外の材料として、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として無機微粒子を使用することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m2/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
本発明のトナー製造方法は、少なくとも溶媒に溶解された樹脂及び着色剤を含有するトナー用材料の溶解乃至分散液をノズルを通して液滴化し、この液滴を脱溶媒する電子写真用トナーの製造法において、液滴化後の恒率乾燥に用いる脱溶媒用気体に水蒸気を含んだスチームを用いることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
なお、本明細書でいう「恒率乾燥」及び「源率乾燥」という用語について説明する。
一般に、水分を含有する材料を乾燥用気体と接触させて加熱乾燥するとき、含水率Wと時間θとの関係を示すと図29に示す通りとなる。
すなわち、初期の予熱期間(A→B)を経過すると直線的に含水率Wが減少する恒率乾燥期間(B→C)を経て、含水率が直線的に低下せず飽和していく減率乾燥期間(C→E)となる。
本発明の液滴化したトナーについては水分を除去するのではなく溶媒を除去するのであるが、溶媒を除去する際にも前記と同様の現象がおこるので、本明細書では前記のB→Cに相当する期間における脱溶媒現象を「恒率乾燥」といい、C→Dに相当する期間における脱溶媒を「減率乾燥」という。
また、以下では、「脱溶媒」を「乾燥」ということがある。
トナー組成液をノズルを通して液滴化する方法としては、トナー組成液に振動する圧力をかけてノズルから液滴を噴出させる方法と、振動チャンバー或いは振動オリフィスを用いてノズルから液柱状に噴出するトナー組成液を液滴化する方法等があるが、以下では、これらの液滴化方法を合わせて「噴霧」という表現を用いる。
前記トナー製造装置の液滴形成手段としては、次の(1)〜(4)が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(1)エアにより溶解乃至分散液を吐出口より噴射させる多流体ノズルを用いた手段
(2)圧電パルスを用い溶解乃至分散液滴を形成するノズルを用いた手段
(3)貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介して原料流体を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より該原料液体を造粒空間に放出し、原料流体を柱状から括れ状態を経て液滴化し、該液滴を造粒空間において固体粒子に変化させる手段
(4)トナー組成液を貯留する貯留部を有し、前記貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出する手段
この装置は、振動手段が前記貯留部を構成する一部に接し、前記貯留部を介してトナー組成液に振動を与えることで、トナー組成液に一括して同等に振動を加えて圧力粗密波を発生し、貫通孔より放出されるトナー組成液に一定間隔のくびれが生じ、一定量の液滴が分裂することにより単分散な粒度分布を有する真球トナーを生成する。
また、上記(4)の貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出する手段を用いることはより好ましい。
以下では、上記(4)の貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出する手段を用いるトナー製造方法について詳細に述べる。
一つは、複数のノズルを有する薄膜に対して平行な振動面を有し、垂直方向に縦振動する機械的手段(機械的縦振動手段)を用いる方式であり、他の一つは、複数のノズルを有する薄膜の周囲に円環状に形成された機械的振動手段(円環状機械的振動手段)を設ける方式である。
以下、各方式について説明する。
まず、機械的縦振動手段を設けたトナー製造装置の一例について図2の模式的構成図を参照して説明する。
トナーの製造装置1は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を液滴化して放出する液滴化手段としての液滴噴射ユニット2と、この液滴噴射ユニット2が上方に配置され、液滴噴射ユニット2から放出される液滴化されたトナー組成液の液滴を固化してトナー粒子Tを形成する粒子化手段としての粒子形成部3と、粒子形成部3で形成されたトナー粒子Tを捕集するトナー捕集部4と、トナー捕集部4で捕集されたトナー粒子Tがチューブ5を介して移送され、移送されたトナー粒子Tを貯留するトナー貯留手段としてのトナー貯留部6と、トナー組成液10を収容する原料収容部7と、この原料収容部7内から液滴噴射ユニット2に対してトナー組成液10を送液する配管(送液管)8と、稼動時などにトナー組成液10を圧送供給するためのポンプ9とを備えている。
図3は同液滴噴射ユニット2の概略断面説明図、図4は図2を下側から見た要部底面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、複数のノズル(吐出口)11が形成された薄膜12と、この薄膜12を振動させる機械的振動手段(以下「振動手段という)13と、薄膜12と振動手段13との間に少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成する流路部材15とを備えている。
振動手段13は、ノズル11を有する薄膜12に対して垂直方向の振動を与えるものであれば、どのような配置でもよいが、振動面13aと薄膜12とは平行に配置される。
図示した例では振動発生手段21と振動増幅手段22で構成される振動手段13としてホーン型振動子を用いており、このホーン型振動子は、圧電素子などの振動発生手段21の振幅を振動増幅手段22としてのホーン22Aで増幅することができるため、機械的振動を発生する振動発生手段21自体は小さな振動でよく、機械的負荷が軽減するために生産装置としての長寿命化につながる。
また、振動手段13としては、特に高強度なボルト締めランジュバン型振動子を用いることもできる。このボルト締めランジュバン型振動子は圧電セラミックスが機械的に結合されており、高振幅励振時に破損することがない。
この場合、振動面とは、前記複数のノズルを有する薄膜が貼り合わされた面と定義される。
この液滴噴射ユニット2は、前述した例と同様に、ホーン型振動子を振動手段13を用いて、この振動発生手段13の周囲を囲んでトナー組成液10を供給する流路部材15を配置し、振動発生手段13のホーン22に薄膜12と対向する部分に貯留部14を形成している。さらに、流路部材15の周囲に所要の間隔を置いて気流35を流す気流路37を形成する気流路形成部材36を配置している。なお、図示を簡略化するため、薄膜12のノズル11は1個で示しているが、前述したように複数個設けられている。
また、図11に示すように、複数、例えば制御性の観点からは100〜1,000個の液滴噴射ユニット2を、粒子形成部3を構成する乾燥塔の上部に並べて配置する。これにより、より生産性の向上を図ることができる。
図12は図1に示す装置において液滴噴射ユニットをリング式のものに代えたものである。
リング式の液滴噴射ユニット2について図13〜図15を参照して説明する。なお、図13は同液滴噴射ユニット2の断面説明図、図14は図12を下側から見た要部底面説明図、図15は液滴化手段の概略断面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段11と、この液滴化手段11にトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成した流路部材15とを備えている。
次に、この液滴化手段としての液滴噴射ユニット2による液滴形成のメカニズムについて説明する。
上述したように液滴噴射ユニット2は、貯留部14に臨む複数のノズル11を有する薄膜12に、機械的振動手段である振動手段13によって発生した振動を伝播させて、薄膜12を周期的に振動させ、比較的大面積(φ1mm以上)の領域に複数のノズル11を配置し、それら複数のノズル11より液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
また、図20、図21に示すような、より高次のモードが存在することが知られている。これらのモードは、円形膜内に、同心円状に節を1乃至複数持ち、実質的に軸対称な変形形状である。また、図22に示すように、中心部が凸形状12cとすることで液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量を調整することが可能である。
Pac(r,t)=Zr・Vm(r,t) (1)
膜の振動速度Vmは時間とともに周期的に変動しているため時間の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述のとおり、膜の各所で振動方向の振動変位は異なっており、Vmは、膜上の位置座標の関数でもある。本発明で用いられる膜の振動形態は、上述のとおり軸対象である。したがって、実質的には半径座標の関数となる。
気相へ周期的に排出されたトナー組成液は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成するため、液滴化が周期的に発生する。
更には、前記音圧の変位量が、10kPa以上となることによって、上述の微粒子分散促進作用がより好適に発生する。
トナー組成液の条件を変更し、粘度20mPa・s以下、表面張力20乃至75mN/mの領域においてサテライトの発生開始領域が同様であったことから、前記音圧の変位量が、500kPa以下であることが必要となる更に好適には、100kPa以下である。
ノズルを有する薄膜は、先にも述べたように、トナー用材料の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴とする部材である。
この薄膜12の材質、ノズル11の形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、薄膜12は厚み5〜500μmの金属板で形成され、かつ、ノズル11の開口径が3〜35μmであることが、ノズル11からトナー組成液10の液滴を噴射させるときに、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記ノズル11の開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。また、複数のノズル11の個数は、2ないし3000個が好ましい。
前記溶媒除去設備としては、乾燥用気体としての水蒸気を含んだスチームを流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴を溶媒除去設備内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴中の溶媒を除去させることにより、トナー粒子を形成する。前記乾燥用気体としては、水蒸気を含んでいれば特に制限はないが、脱溶媒工程投入時の温度(運転温度)において相対湿度が85%以上であることが好ましく飽和蒸気圧であることが特に好ましい。水蒸気を含む気体としては空気、窒素ガス、などが好適に挙げられる。
更に常圧下の露点温度が−10℃以下の第二脱溶媒用気体を溶媒除去手段の途中から流すことが可能である。この第二脱溶媒用気体を用いることにより溶媒と置換された水分の乾燥が可能となり下記に示す減率乾燥手段の時間を短縮することが可能となる。第二脱溶媒用気体としては空気または窒素を用いることが好ましい。
また、恒率乾燥において、第一段階の脱溶媒に用いられる水蒸気を含んだ脱溶媒用気体及び第二段階の脱溶媒に用いられる常圧下の露点温度が−10℃以下の第二脱溶媒用気体の脱溶媒工程投入温度は、捕集されるトナー温度が50℃以上とならない温度に設定される。
本発明のトナーは必要に応じて外添剤を混合する。外添剤混合工程と前記減率乾燥工程を同時に行うことが可能である。工程を同一化することにより工程の簡略化が可能となる。
本発明のトナーを用いる画像形成装置の概略について以下述べる。
本発明の電子写真式画像形成装置の一例として複写機の図25に示す。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図25は、本発明の一実施の形態に係るカラー画像形成装置の内部構成図の一例を示す。この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は二成分現像剤を用いた電子写真方式の全てに適用されるものであり、本具体例に限ったものではない。
補給側攪拌室と現像側攪拌室は図27に示すように仕切り板80で仕切られており、両端部に現像剤の受け渡す開口部がある。
現像側攪拌室の現像剤は現像スリーブに汲み上げられ、ドクタブレードによって量を規制され潜像坦持体との摺擦部に供給される。この時、ドクタブレードにより現像剤は最も大きな摺擦力を与えられる。
本発明においては、上述の感光体11、帯電装置手段12、現像手段13及びクリーニング手段14等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
<着色剤分散液の調製>
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(Regal400;Cabot社製)16重量部、顔料分散剤4重量部を、酢酸エチル80重量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液を、ダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、凝集体を完全に除去した虹分散液を調製した。更に、1μmの細孔を有するフィルター(PTFE製)を通過させ、サブミクロン領域まで分散させた液を調製した。
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
結着樹脂としてのポリエステル樹脂(花王社製RN−300)14重量部、パラフィンワックス(HPE−11)10重量部、三洋化成社製ワックス分散剤6重量部を、酢酸エチル80重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて分散を施した。この段階の分散液を、着色剤分散液調製時と同様に、1μmのフィルター(PTFE製)で濾過した。
着色剤分散液 : 50部
ワックス分散液 : 50部
結着樹脂 : 90部
(日本カーバイト社製スチレンアクリル樹脂 NCI 10B−85 重量平均分子量(Mw)8500 )
酢酸エチル: 720部
着色剤分散液 : 50部
ワックス分散液 : 50部
結着樹脂 : 90部
(花王社製ポリエステル樹脂RN−300 重量平均分子量(Mw)14000)
酢酸エチル :720部
着色剤分散液 : 50部
ワックス分散液 : 50部
結着樹脂 : 70部
(花王社製ポリエステル樹脂RN−300 重量平均分子量(Mw)14000)
結着樹脂 : 20部
(日本カーバイト社製スチレンアクリル樹脂 NCI 10B−85 重量平均分子量(Mw)8500 )
酢酸エチル :720部
着色剤分散液 : 50部
ワックス分散液 : 50部
結着樹脂 : 90部
(花王社製ポリエステル樹脂RN−104 重量平均分子量(Mw)50000)
酢酸エチル :720部
前記で得られたトナー材料液A〜Dを下記の製造法1〜3にてそれぞれトナー母体A1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3、D1、D2、D3を作成した。作成したトナーは全て平均粒径(D4)が5.8μmの単一分散粒子であった。
トナー組成液を貯留する貯留部を有し、前記貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出する図3に示したホーン型振動子ノズルヘッドを用いた噴霧手段を持つ図23に示したトナー製造装置にて噴霧乾燥した後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥したトナー母体A1〜D1を作成した。
このときの乾燥用気体は温度50℃、相対湿度85%RHの水蒸気を含んだスチームであり、ホーン型振動子ノズルヘッドを用いた噴霧手段の噴射量は10g/minとした。
トナー母体A1からD1の減率乾燥後の残留溶媒値及び固形分を表1に示す。
尚、評価基準として残留溶媒値50ppm未満を◎、50ppm以上100ppm未満を○、100ppm以上200ppm未満を△、200ppm以上を×とした。残留溶媒値が200ppmを超えると電子写真式画像形成装置にて該トナーを使用すると臭気、感光体フィルミング等の問題発生することが確認されている。
なお、使用した薄膜は、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板に、真円形状の直径8μmの吐出孔(ノズル)を、電鋳法による加工で作製した。吐出孔は各吐出孔間の距離が100μmとなるように千鳥格子状に、薄膜の中心の約5mmφの範囲にのみ設けた。
圧電体としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を積層して使用し、振動周波数は180KHzとした。
トナー組成液を貯留する貯留部を有し、前記貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出する図3に示したホーン型振動子ノズルヘッドを用いた噴霧手段を持つ図24に示したトナー製造装置にて噴霧乾燥したトナー母体A2〜D2を作成した。
このときの第一乾燥用気体は気体温度50℃、相対湿度95%RHの水蒸気を含んだスチームであり、第二乾燥気体は温度40℃、相対湿度5%RH未満の乾燥空気とした。ホーン型振動子ノズルヘッドを用いた噴霧手段の噴射量は10g/minとした。
トナー母体A2からD2の噴霧乾燥後の残留溶媒値及び固形分を表2に示す。
製造法2を用いることにより減率乾燥工程が削減可能となる。
なお、使用した薄膜は、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板に、真円形状の直径8μmの吐出孔(ノズル)を、電鋳法による加工で作製した。吐出孔は各吐出孔間の距離が100μmとなるように千鳥格子状に、薄膜の中心の約5mmφの範囲にのみ設けた。
圧電体としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を積層して使用し、振動周波数は180KHzとした。
トナー製造法1の乾燥用気体をスチームから温度50℃、相対湿度5%RH未満の乾燥窒素に変更した製造方法にて恒率乾燥を行った後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥したトナー母体A3〜D3を作成した。
トナー母体A3からD3の減率乾燥後の残留溶媒値及び固形分を表3に示す。
1 トナーの製造装置
2 液滴噴射ユニット
3 粒子形成部(溶媒除去部)
4 トナー捕集部
5 チューブ
6 トナー捕集部
7 原料収容部
8 配管
9 ポンプ
10 トナー組成液
11 ノズル
12 薄膜
13 振動手段
13a振動面
14 貯留部
15 流路部材
16 液滴化手段
17 振動発生手段(電気機械変換手段)
18 液供給チューブ
19 気泡排出チューブ
20 支持部材
21 振動発生手段
21A 圧電体
22 振動増幅手段
22A ホーン
23 駆動回路(駆動信号発生源)
24 通信手段
31 液滴
35 気流
36 気流路形成部材
37 気流路
80 ホーン型振動子
81 圧電体
82 ホーン
83 固定部
90 ランジュバン型振動子
91 圧電体
92 ホーン
T トナー粒子
(図23,24について)
1 貯留部
2 振動手段
3 ノズルヘッド
4 スチーム発生手段(第一乾燥風発生手段)
5 液供給手段
6 溶媒除去手段
7 トナー材料液貯蔵部
8 送液管
9 貫通孔保持機構
10 振動発生装置
11 導電線
12 開放弁
13 液滴
14 乾燥用スチーム
15 第二乾燥風発生手段
16 第二乾燥風
(図25〜28について)
10 中間転写体
14・15・16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成部
22 2次転写装置
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
55 切換爪
56排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
64除電装置
63感光体クリーニング装置
61現像装置
86 トナー補給側攪拌室
87 現像側攪拌室
68 現像スリーブ
75 トナー濃度センサ
77 ドクタブレード
87 第二の現像剤撹拌室
80 仕切り板
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (11)
- 少なくとも樹脂及び着色剤を含むトナー用材料を溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成液をノズルを通して液滴化する工程と、該液滴から溶媒を除去する脱溶媒工程とを含む電子写真用トナーの製造法において、液滴の予熱及び少なくとも恒率乾燥の一部を該液滴と水蒸気を含む脱溶媒用気体とを接触させて行うことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
- 少なくとも樹脂及び着色剤を含むトナー用材料を溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成液を、ノズルを通して液滴化する工程と、該液滴から溶媒を除去する脱溶媒工程とを含む電子写真用トナーの製造法において、液滴の予熱及び恒率乾燥を二段階で行ない、第一段階を該液滴と水蒸気を含む第一脱溶媒用気体とを接触させて行い、次いで、第二段階を常圧下の露点温度が−10℃以下の第二脱溶媒用気体と接触させて行うことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
- 水蒸気を含む乾燥用気体の相対湿度が脱溶媒工程投入時の温度において85%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 前記ノズルが、貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介して原料流体を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より該原料液体を造粒空間に放出し、原料流体を柱状から括れ状態を経て液滴化する振動チャンバーノズルヘッドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法
- 該ノズルが、トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜から前記トナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出するノズルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかにトナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段が、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とする請求項4に記載のトナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段が、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とする請求項4にトナーの製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のトナーの製造方法によって製造された電子写真用トナー。
- THF溶解分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が8.0×103〜5.0×104であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真用トナー。
- 請求項8又は9に記載の電子写真用トナーを用いた電子写真式画像形成装置。
- 請求項8又は9に記載の電子写真用トナーを用いたプロセスカートリッジ。
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