JP5146665B2 - 電子写真用トナー及び該電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

電子写真用トナー及び該電子写真用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真に用いられる電子写真用トナーに関する。より詳しくは噴霧法で製造される比較的小粒径であって、安定な生産性と、良好な定着性とを有する電子写真用トナー及び該電子写真用トナーの製造方法に関する。
近年、電子写真方式による複写機あるいはプリンタ等の分野において、高画質化が要求されている。この要求を満たすべく、トナーの小粒径化が活発に検討されている。
従来からトナーの製法としては、結着樹脂や着色剤等を溶融混練し、この混練物を粉砕、分級することにより行う粉砕法が用いられている。しかし、この粉砕法により得られるトナーはトナー粒子の粒径分布が広く、トナーの小粒径化に対して技術的に、また収率等の生産性の面から限界がある。
また、最近では、懸濁重合法、乳化重合凝集法によるトナー製造法、いわゆる重合型トナーが検討されている。この他にも、ポリマー溶解懸濁法と呼ばれる体積収縮を伴う工法も検討されている(特許文献1参照)。この方法はトナー材料を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものである。この方法は懸濁重合法、乳化重合凝集法と異なり、用いることのできる樹脂に汎用性が広く、特に透明性や定着後の画像部の平滑性が要求されるフルカラープロセスに有用なポリエステル樹脂を用いることができる点で優れている。
しかしながら、上記の重合型トナーにおいては、水系媒体中で分散剤を使用することを前提としているために、トナーの帯電特性を損なう分散剤がトナー表面に残存して環境安定性が損なわれるなどの不具合が発生することや、これを除去するために非常に大量の洗浄水を必要とすることが知られており、必ずしも製法として満足のいくものではない。
これに代わるトナーの製造方法として、圧電パルスを利用して微小液滴を形成し、さらにこれを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている(特許文献2参照)。更に、ノズル内の熱膨張を利用し、やはり微小液滴を形成し、さらにこれを乾燥固化してトナー化する工法が提案されている(特許文献3参照)。更には、音響レンズを利用し、同様の処理をする方法が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、このよう噴霧式造粒法で製造したトナーは、図28Bに示したように液中の固形分散物がトナー粒子内部に集まりやすく、表面は液中に溶解していた成分の層が形成されている。その為トナー組成液中に分散されている離型剤も内部に集中し適切な耐ホットオフセット性が得られないといった問題がある。
また、噴霧式造粒法の場合、塗出液中に含まれる未溶解性分散成分の粒度が大きいほどヘッド詰りが発生しやすく、生産安定性、品質安定性の確保が困難である。(特許文献5)
特開平7−152202号公報 特開2003−262976号公報 特開2003−280236号公報 特開2003−262977号公報 特願2007−275315号(未公開)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来における上記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち本発明は高画質、定着性、高生産性を満たした電子写真用トナー及び該電子写真用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、トナー中に特定の形状特性を有する離型剤を特定の状態で分散させることにより上記課題を解決することができることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(11)の電子写真用トナー、(12)の電子写真式画像形成装置、及び(13)のプロセスカートリッジに関するものである。
(1)少なくとも樹脂と、離型剤と、着色剤とを有機溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成液を、複数のノズルから吐出させて液滴を形成し、該液滴を固化させて製造された電子写真用トナーであって、該樹脂は該有機溶媒に可溶であり、該離型剤は、トナー中において、短辺の90%径が100〜500nm、平均アスペクト比が7〜30、長辺の長さが該トナー粒径の1/2以上1未満の粒子の状態で分散していることを特徴とする電子写真用トナー。
(2)前記離型剤の融解温度が50〜100℃であることを特徴とする(1)に記載の電子写真用トナー。
(3)前記離型剤のトナー中の含有率が3〜20wt%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の電子写真用トナー。
(4)体積平均粒径が3.0〜7.0μmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(5)前記吐出は、前記トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルから、該貯留部を振動させつつ行うことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(6)前記ノズルは、振動チャンバーノズルヘッドであることを特徴とする(5)に記載の電子写真用トナー。
(7)前記吐出は、前記トナー組成液を貯留する貯留部に設けた、複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出させることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(8)前記機械的振動手段が、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とする(7)に記載の電子写真用トナー。
(9)前記機械的振動手段が、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とする(7)に記載の電子写真用トナー。
(10)前記振動手段がホーン型振動子であることを特徴とする(9)に記載の電子写真用トナー。
(11)前記機械的振動手段の振動周波数が20kHz以上2.0MHz未満であることを特徴とする(7)〜(10)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(12)(1)〜(11)のいずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式画像形成装置。
(13)(1)〜(11)のいずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式プロセスカートリッジ。
本発明の電子写真トナーによれば、高画質、定着性、高生産性を満たした電子写真用トナーを提供することができる。
また本発明の電子写真用トナーの製造方法によれば、高画質、定着性、高生産性を満たし、さらには単分散化が可能な電子写真用トナーの製造方法を提供することができる。
また本発明の電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジによれば、高画質、定着性を満たした電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明の電子写真用トナー及び該電子写真用トナーの製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるトナー組成物を構成する成分としては、少なくとも樹脂と離型剤と着色剤とが挙げられ、必要に応じて、外添剤、帯電制御剤等のその他の成分が挙げられる。
本発明において、樹脂、離型剤、及びその他のトナー成分が、有機溶媒に可溶であるか、不溶であるかの判断は以下の基準に従うものとする。
20℃下の条件で、用いられる溶媒に対し固形分濃度1%となるように樹脂、離型剤、及びその他のトナー成分を投入、1時間攪拌する。更に上記混合液を20℃下にて24時間放置する。放置後の混合液について目視評価を行う。不溶解分が容器底面に確認された場合は不溶と判断する。また、不溶解分は確認できないが液が白濁している状態の場合、該液を透明なガラスセルに入れ、光路長10mmにて測定した白色光のヘイズが2.0以下は可溶、2.0より大きいと不溶とした。
(樹脂)
前記樹脂としては、少なくとも結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、溶剤に不溶なゲル成分が0.5%未満であることが好ましい。ゲル成分が含まれると噴霧ノズルの詰りが生じ、生産安定性を損なう。従ってゲル成分が含まれている樹脂を用いる場合では樹脂を溶解後にろ過工程によりゲル成分をろ過し用いる。
本発明に用いられる樹脂の例としては、スチレン系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂、などが挙げられる。
前記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フエニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン、又はその誘導体、などが挙げられる。
前記アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、あるいはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸、又はそのエステル類、などが挙げられる。
前記メタクリル系単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸又はそのエステル類、などが挙げられる。
前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマーの例としては、以下の(1)〜(18)が挙げられる。(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルの如き不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマー。
本発明の電子写真用トナーにおいて、結着樹脂のビニル重合体、又は共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、芳香族ジビニル化合物として、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、などが挙げられる。アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、などが挙げられる。エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの、などが挙げられる。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤は、前記ビニル重合体、又は共重合体を形成する他のモノマー100重量部に対して、0.01〜10重量部用いることが好ましく、0.03〜5重量部用いることがより好ましい。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好適に挙げられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
本発明のビニル重合体又は共重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビス(1−シクロへキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2',4'−ジメチル−4'−メトキシバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパ−オキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジークミルパーオキサイド、α−(tert−ブチルパーオキシ)イソプロピルべンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルへキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−エトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロへキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチル−オキシベンゾエ−ト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキアリルカーボネート、イソアミルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシへキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアゼレート、などが挙げられる。
本発明のトナー製造法では、結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂の場合、樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)に可溶な成分(THF可溶成分)のGPCを用いた測定による分子量分布で、分子量3,000〜50,000(数平均分子量換算)の領域にピークが存在する樹脂が、噴射安定性、オフセット性、保存性の点で好ましい。また、THF可溶成分のGPCを用いた測定において、分子量5,000〜30,000の領域にメインピークを有する結着樹脂がより好ましく、5,000〜20,000の領域にメインピークを有する結着樹脂が最も好ましい。
結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂等のビニル重合体の場合、その酸価は、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gであることがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gであることが最も好ましい。
ポリエステル系重合体を構成するモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上のアルコールを併用することが好ましい。前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
ポリエステル系重合体を形成する酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、などがあげられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステル、などが挙げられる。
結着樹脂がポリエステル系樹脂の場合は、樹脂成分のTHF可溶成分の分子量分布で、分子量3千〜5万の領域にピークが存在するのが、トナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましく、また、THF可溶分としては、分子量10万以下の成分が90〜100%となるような結着樹脂も好ましく、分子量5千〜2万の領域にピークが存在する結着樹脂がより好ましい。
結着樹脂がポリエステル樹脂の場合、その酸価としては、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gであることがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gであることが最も好ましい。
本発明において、結着樹脂の分子量分布は、THFを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
本発明のトナーに使用できる結着樹脂としては、前記ビニル重合体成分及びポリエステル系樹脂成分の少なくともいずれか中に、これらの両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含む樹脂も使用することができる。ポリエステル系樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物、などが挙げられる。ビニル重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、ポリエステル系重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1〜50mgKOH/gを有する樹脂を60質量%以上有するものが好ましい。
本発明において、トナー組成物の結着樹脂成分の酸価は、以下の方法(I)〜(IV)により求め、基本操作はJIS K−0070に準ずる。
(I)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(II)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
(III)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(IV)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の式(1)で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W ・・・(1)
トナーの結着樹脂及び結着樹脂を含む組成物は、トナー保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が35〜80℃であるのが好ましく、40〜75℃であるのがより好ましい。Tgが35℃より低いと高温雰囲気下でトナーが劣化しやすく、また定着時にオフセットが発生しやすくなることがある。また、Tgが80℃を超えると、定着性が低下することがある。
(着色剤)
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
本発明で用いる着色剤の分散は、少なくとも樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練する方法、分散剤・着色剤をあらかじめ溶媒中にて分散する方法等があるがこれに限られるものではない。混合混練するには、3本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に使用される。また、溶媒中で分散する装置としてはビーズミルが好適に使用される。
着色剤分散後の分散液中の着色剤の粒径は、500nm以下であることが望ましい。500nmより大きいと吐出ノズルに詰りを生じやすくなる。更にはトナーを形成した際に、着色剤の粒径が大きくなり、画質が低下しやすく、特に、OHPの光透過性が低下しやすい。更に好ましくは300nm以下である。300nm以下では光透過性の向上が目覚しく色再現範囲が大幅に向上する。なお、着色剤の粒径は、レーザー回折/散乱粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)で求めることができる。
分散時に用いられるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂の他に、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタンAポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(離型剤)
本発明に用いられる離型剤は、樹脂を溶解する溶媒に不溶であり、該樹脂と不相溶である。この場合、離型剤の溶融温度は100℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下である。溶融温度が100℃を超えると定着時にコールドオフセットを発生しやすくなる。
また、前記離型剤の溶融粘度としては、当該離型剤の溶融温度より20℃高い温度における測定値が5〜1000cpsであることが好ましく、10〜100cpsであることがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
離型剤のトナー中の含有率は3〜20wt%であることが好ましい。3wt%未満では離型機能が十分でなく、20wt%より多いとブリーディングが発生しやすくなり、現像・転写プロセスで問題が生じやすくなる。好ましくは5〜10%である。
離型剤の例としては、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、マレイン酸変性パラフィンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
更に脂肪酸エステル、フタル酸等の芳香族酸のエステル、燐酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステル、その他エステル、ベンジル、ベンゾイン化合物、ベンゾイル化合物等のケトン類、ヒンダードフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、芳香族スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、長鎖アルコール、長鎖ジアルコール、長鎖カルボン酸、長鎖ジカルボン酸、などが挙げられる。
具体的には、ジメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノブチルフマレート、モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジフェニルアジペート、ジベンジルテレフタレート、ジベンジルイソフタレート、ベンジル、ベンゾインイソプロピルエーテル、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、2−ベンゾイルナフタレン、ジベンゾイルメタン、4−ビフェニルカルボキシリックアシッド、ステアリルステアリン酸アミド、オレイルステアリン酸アミド、ステアリンオレイル酸アミド、オクタデカノール、n−オクチルアルコール、テトラコサン酸、エイコサン酸、ステアリン酸、ラウリン、ノナデカン酸、パルミチン酸ヒドロキシオクタン酸、ドコサン酸、特開2002−105414号公報に記載の一般式(1)〜(17)の化合物、等が挙げられる。
これら離型剤は樹脂との組み合わせにより以下の機能を示す場合がある。
用いられる樹脂と離型剤が、離型剤の溶融温度以上の温度にて相溶する場合、離型剤は可塑剤として機能する。つまり、該離型剤により樹脂の軟化速度が向上し低温定着性を有することとなる。この場合該離型剤の溶融温度は120℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下となる。溶融温度が120℃を超えると低温定着性に効果がなくなる。
本発明において、離型剤が、樹脂に可溶(相溶)であるか、不溶(非相溶)であるかの判断は以下の基準に従うものとする。
残留溶媒200ppm未満とされた樹脂95重量部に対し離型剤5重量部を添加し、すり鉢でよく混合した混合物のガラス転移点を以下の条件で測定する。
20℃から5℃/minにて昇温させた時の混合物のガラス転移点をTg1とする。
そのまま150℃まで昇温した後、10/minで20℃まで降温し、再度150℃まで昇温したときの混合物のガラス転移点をTg2とする。
Tg1−Tg2>10℃の場合は離型剤と樹脂は相溶、Tg1−Tg2<8℃の場合は非相溶とする。
本発明に用いられる離型剤はトナー組成物含有液中の有機溶媒中において短辺の90%径が100nm以上500nm以下且つアスペクト比が7.0以上30以下の粒子の状態で分散している。また、この分散状態はトナー組成物含有液が噴霧乾燥された後のトナー中においても同様に保たれる。本発明においてトナー中における分散状態すなわち短辺の90%径が100nm以上500nm以下且つアスペクト比が7.0以上30以下の粒子の状態で分散している点を規定しているのは間接的に有機溶媒中における分散状態を規定しているのである。
また、トナー中において離型剤は長辺がトナー粒径の1/2以上1未満である粒子の状態で分散していることを特徴とする。
短辺の90%径が500nmを超える場合、ノズル詰りが発生しやすく安定した製造が困難となる。
また短辺の90%径が100nm未満である場合、再凝集を起こしやすくなり分散状態を保つことが困難となる。
長辺がトナー粒径の1/2未満であると離型剤はトナー粒子表面近傍に位置しない可能性が高く定着時トナー外部に染み出しにくくなり、離型機能が不十分となる。また1以上であるとトナー粒子表面に露出し、ブリードによるトナー帯電特性への影響、トナー付着力の増加などの不具合を生じ地肌汚れ等の不良画像が生じる。
また、長辺が前記条件を満たしアスペクト比が7未満の場合、粒子強度の低下による装置内での微粉化、トナー中の離型剤量が過剰となり定着時のコールドオフセット性が低下する。
分散された離型剤の分散粒径は分散液を電子顕微鏡で観察し行う。図28C,Dに示したような電子顕微鏡写真を2値化し画像解析ソフトにて処理し解析する。このとき重なり合った離型剤を同一のものと処理しないように、観察サンプルを可能な限り薄い層にするのはもちろんであるが、重なりの部分の画像を手作業で分離する作業を行っている。
(有機溶剤)
本発明に用いられる有機溶剤は、結着樹脂及び離型剤が溶解可能な有機溶剤であり、用いられる樹脂及び離型剤の溶解性により適宜選択される。
本発明に用いられる溶媒の具体例としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。これら溶媒は単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。
(その他の材料)
樹脂離型剤、着色剤以外の材料として、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として無機微粒子を使用することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記電子写真用トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
(トナー製造方法)
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも樹脂と、離型剤と、着色剤とを有機溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成物含有液を貯留する貯留部から、該貯留部に備えられた貫通孔より前記トナー組成物含有液を吐出する吐出工程と、該吐出工程で吐出されたトナー組成物含有液を、柱状から括れ状態を経て液滴化する液滴化工程と、前記液滴を、乾燥固化させる乾燥固化工程とを順次有する。
更に必要に応じて乾燥固化工程後に減率乾燥工程、分級工程、混合工程を有する。
本発明の電子写真用トナーの製造方法に使用される装置としては、噴霧乾燥製造方法により電子写真用トナーを製造可能な装置であれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、少なくとも樹脂と離型剤、及び着色剤とを含有するトナー組成物含有液をノズルから吐出させて液滴とする液滴形成手段、該液滴を乾燥させる恒率乾燥手段、残留溶媒値をトナーとして用いることが可能な残留溶媒値200ppm以下とする減率乾燥手段及び外添剤と混合する混合手段とを有するトナー製造装置であり、恒率乾燥手段後の噴霧乾燥物の残留溶媒値が10000ppm以上の状態で体積平均粒径が50nm以上の外添剤を混合し、減率乾燥手段を経て200ppm未満とすることを特徴とする。
(液滴形成手段)
前記液滴形成手段としては、具体的には従来、液体を加圧してノズルから噴霧する一流体ノズル(加圧ノズル)や液体と圧縮気体を混合して噴霧する多流体スプレーノズル、回転する円盤を用いて液体を遠心力により液滴化する回転円盤型噴霧機が知られておりこれらを用いることも可能であるが、小粒径のトナーを得ることが困難であるとともに、得られたトナーの粒度分布が広く分級を必要とするため、歩留が低下し、生産性が低下してしまうという欠点を有している。
本発明者等はこの欠点を改良した、均一な粒度のトナーを得る製造方法として、複数の均一径ノズルを有する薄膜からトナー組成液を機械的振動手段により周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化方法を見出した。
すなわち、本発明の製造方法においては、トナー組成液の液滴は複数のノズルを有する薄膜を機械的に振動させることによって、該ノズルからトナー組成液を連続的に放出することにより均一粒径の液滴を生成することができる。機械的振動手段は、ノズルを有する膜に対して垂直方向に振動すればどのような配置でもよいが、本発明においては次の二通りの方式が好ましく用いられる。
一つは、複数のノズルを有する薄膜に対して平行な振動面を有し、垂直方向に縦振動する機械的手段(機械的縦振動手段)を用いる方式であり、他の一つは、複数のノズルを有する薄膜の周囲に円環状に形成された機械的振動手段(円環状機械的振動手段)を設ける方式である。
以下、各方式について説明する。

(機械的縦振動手段)
まず、機械的縦振動手段を設けたトナー製造装置の一例について図1の模式的構成図を参照して説明する。
トナーの製造装置1は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を液滴化して放出する液滴化手段としての液滴噴射ユニット2と、この液滴噴射ユニット2が上方に配置され、液滴噴射ユニット2から放出される液滴化されたトナー組成液の液滴を固化してトナー粒子Tを形成する粒子化手段としての粒子形成部3と、粒子形成部3で形成されたトナー粒子Tを捕集するトナー捕集部4と、トナー捕集部4で捕集されたトナー粒子Tがチューブ5を介して移送され、移送されたトナー粒子Tを貯留するトナー貯留手段としてのトナー貯留部6と、トナー組成液10を収容する原料収容部7と、この原料収容部7内から液滴噴射ユニット2に対してトナー組成液10を送液する配管(送液管)8と、稼動時などにトナー組成液10を圧送供給するためのポンプ9とを備えている。
また、原料収容部7からのトナー組成液10は、液滴噴射ユニット2による液滴化現象により自給的に液滴噴射ユニット2に供給されるが、装置稼働時等には上述したように補助的にポンプ9を用いて液供給を行う構成としている。なお、トナー組成液10として、ここでは、少なくとも樹脂及び着色剤、有機溶媒に可溶である結晶性化合物又は結晶性化合物組成物を含有するトナー組成物を溶剤に溶解又は分散した溶液、分散液を用いている。
次に、液滴噴射ユニット2について図2、3に基づいて説明する。
図2は同液滴噴射ユニット2の概略断面説明図、図3は図2を下側から見た要部底面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、複数のノズル(吐出口)11が形成された薄膜12と、この薄膜12を振動させる機械的振動手段(以下「振動手段という)13と、薄膜12と振動手段13との間に少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成する流路部材15とを備えている。
前記複数のノズル11を有する薄膜12は、前記振動手段13の振動面13aに対して平行に設置されており、薄膜12の一部がハンダまたはトナー組成液に溶解しない樹脂結着材料によって流路部材15に接合固定されており、振動手段13の振動方向とは実質的に垂直な位置関係となる。前記振動手段13の振動発生手段21の上下面に電圧信号が付与されるように、通信手段24が設けられており、駆動信号発生源23からの信号を機械的振動に変換することができる。電気信号を与える通信手段としては、表面を絶縁被覆されたリード線が適している。また、振動手段13は後述する各種ホーン型振動子、ボルト締めランジュバン型振動子など、振動振幅の大きな素子を用いることが、効率的かつ安定なトナー生産には好適である。
振動手段13は、振動を発生する振動発生手段21と、この振動発生手段21で発生した振動を増幅する振動増幅手段22とで構成され、駆動回路(駆動信号発生源)23から所要周波数の駆動電圧(駆動信号)が振動発生手段21の電極21a、21b間に印加されることによって、振動発生手段21に振動が励起され、この振動が振動増幅手段22で増幅され、薄膜12と平行に配置される振動面13aが周期的に振動し、この振動面13aの振動による周期的な圧力によって薄膜12が所要周波数で振動する。
この振動手段13としては、薄膜12に対して確実な縦振動を一定の周波数で与えることができるものであれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、薄膜12を振動させることから、振動発生手段21にはバイモルフ型のたわみ振動の励起される圧電体21Aが好ましい。圧電体21Aは、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する機能を有する。具体的には、電圧を印加することにより、たわみ振動が励起され、薄膜12を振動させることが可能となる。
振動発生手段21を構成する圧電体21Aとしては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さい為、積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO、等の単結晶、などが挙げられる。
振動手段13は、ノズル11を有する薄膜12に対して垂直方向の振動を与えるものであれば、どのような配置でもよいが、振動面13aと薄膜12とは平行に配置される。
図示した例では振動発生手段21と振動増幅手段22で構成される振動手段13としてホーン型振動子を用いており、このホーン型振動子は、圧電素子などの振動発生手段21の振幅を振動増幅手段22としてのホーン22Aで増幅することができるため、機械的振動を発生する振動発生手段21自体は小さな振動でよく、機械的負荷が軽減するために生産装置としての長寿命化につながる。
ホーン型振動子としては、公知の代表的なホーン形状でよく、例えば図4に示すようなステップ型、図5に示すようなエクスポネンシャル型、図6に示すようなコニカル型などを挙げることができる。これらのホーン型振動子は、ホーン22Aの面積の大きい面に圧電体21Aが配置され、圧電体21Aは縦振動を利用し、ホーン22Aの効率的な振動を誘起し、ホーン22Aに面積の小さい面を振動面13aとして、この振動面13aが最大振動面となるように設計されている。圧電体21の上方と下方にはリード線24が配置され、駆動回路23より交流電圧信号を与える。これらホーン振動子の最大振動面は、13aとなるように形状を設計されるものである。
また、振動手段13としては、特に高強度なボルト締めランジュバン型振動子を用いることもできる。このボルト締めランジュバン型振動子は圧電セラミックスが機械的に結合されており、高振幅励振時に破損することがない。
貯留部及び前記機械的振動手段、前記薄膜の構成を、図2の概略図を用いて詳細に説明する。貯留部14には、液供給チューブ18が少なくとも1箇所設けられており、一部断面図に示されるように、流路を通じて液貯留部に液を導入する。また、必要に応じて気泡排出チューブ19を設けることも可能である。この流路部材15に取り付けた図示しない支持部材によって液滴噴射ユニット2が粒子形成部3の天面部に設置保持されている。なお、ここでは、粒子形成部3の天面部に液滴噴射ユニット2を配置している例で説明しているが、粒子形成部3となる乾燥部側面壁又は底部に液滴噴射ユニット2を設置する構成とすることもできる。
機械的振動を発生する振動手段13の大きさは、発振振動数の減少に伴い大きくなることが一般的であり、必要な周波数に応じて、適宜振動手段に直接穴あけ加工を施し貯留部を設けることができる。また、貯留部全体を効率的に振動させることも可能である。
この場合、振動面とは、前記複数のノズルを有する薄膜が貼り合わされた面と定義される。
このような構成の液滴噴射ユニット2の異なる例について図7及び図8を参照して説明する。 図7に示す例は、振動手段80(13)として、振動発生部としての圧電体81及び振動増幅部としてのホーン82で構成されるホーン型振動子80を用いて、ホーン82の一部に貯留部(流路)14を形成したものである。この液滴噴射ユニット2は、ホーン型振動子80のホーン82に一体形成した固定部(フランジ部)83によって粒子形成部3(乾燥手段)の壁面に固定されていることが好ましい、振動の損失を防ぐ観点から、図示しない弾性体を用いて固定してもよい。
図8に示す例は、振動手段90(13)として、振動発生部としての圧電体91A、91B及びホーン92A、92Bがボルトで機械的に強固に固定されて構成されるボルト締めランジュバン型振動子90を用いて、ホーン92Aに貯留部(流路14)を形成したものである。周波数条件により、素子が大きくなる場合もあり、図示のように振動子の一部に流体導入/排出路及び貯留部を加工し、複数の薄膜を有する金属薄膜を貼り付けることができる。
なお、図1では、液滴噴射ユニット2が1個だけ粒子形成部3に取り付けられている例を示しているが、複数個の液滴噴射ユニット2を粒子形成部3(乾燥塔)上部に並列にすることが、生産性向上の観点から好ましく、その個数は100〜1000個の範囲であることが、制御性の観点から好ましい。この場合、液滴噴射ユニット2の各貯留部14には配管8を介して原料収容部(共通液溜め)7に通じ、トナー組成液10が供給される構成とする。トナー組成液10は、液滴化に伴って自給的に供給される構成とすることもできるし、また、装置稼働時等、補助的にポンプ9を用いて液供給を行う構成とすることもできる。
液滴噴射ユニットの他の例について図9を参照して説明する。なお、図9は同液滴噴射ユニットの模式的断面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、前述した例と同様に、ホーン型振動子を振動手段13を用いて、この振動発生手段13の周囲を囲んでトナー組成液10を供給する流路部材15を配置し、振動発生手段13のホーン22に薄膜12と対向する部分に貯留部14を形成している。さらに、流路部材15の周囲に所要の間隔を置いて気流35を流す気流路37を形成する気流路形成部材36を配置している。なお、図を簡略化するため、薄膜12のノズル11は1個で示しているが、前述したように複数個設けられている。
また、図10に示すように、複数、例えば制御性の観点からは100〜1,000個の液滴噴射ユニット2を、粒子形成部3を構成する乾燥塔貯留部3Aに並べて配置する。これにより、より生産性の向上を図ることができる。
(円環状機械的振動手段)
図11は図1に示す装置において液滴噴射ユニットをリング式のものに代えたものである。
リング式の液滴噴射ユニット2について図12〜図14を参照して説明する。なお、図12は同液滴噴射ユニット2の断面説明図、図13は図12を下側から見た要部底面説明図、図14は液滴化手段の概略断面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段11と、この液滴化手段11にトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成した流路部材15とを備えている。
液滴化手段16は、複数のノズル(吐出口)11が形成された薄膜12と、この薄膜12を振動させる円環状の振動発生手段(電気機械変換手段)17とで構成されている。ここで、薄膜12は、最外周部(図14の斜線を施して示す領域)をハンダ又はトナー組成液に溶解しない樹脂結着材料によって流路部材15に接合固定している。振動発生手段17は、この薄膜12の変形可能領域16A(流路部材15に固定されていない領域)内の周囲に配されている。この振動発生手段17にはリード線21、22を通じて駆動回路(駆動信号発生源)23から所要周波数の駆動電圧(駆動信号)が印加されることで、例えば撓み振動を発生する。
液滴化手段16は、貯留部14に臨む複数のノズル11を有する薄膜12の変形可能領域16A内の周囲に円環状の振動発生手段17が配されていることによって、例えば図15に示す比較例構成のように振動発生手段17Aが薄膜12の周囲を保持している構成に比べて、相対的に薄膜12の変位量が大きくなり、この大きな変位量が得られる比較的大面積(φ1mm以上)の領域に複数のノズル11を配置することができ、これら複数のノズル15より一度に多くの液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
図11では、液滴噴射ユニット2が1個配置されている例で図示しているが、好ましくは、図16に示すように、複数、例えば制御性の観点からは100〜1,000個(図16では4個のみ図示)の液滴噴射ユニット2を、粒子形成部3の天面部3Aに並べて配置し、各液滴噴射ユニット2には配管8Aを原料収容部7(共通液溜め)に通じさせてトナー組成液10を供給するようにする。これによって、一度により多くの液滴を放出させることができて、生産効率の向上を図ることができる。
(液滴形成メカニズム)
次に、この液滴化手段としての液滴噴射ユニット2による液滴形成のメカニズムについて説明する。
上述したように液滴噴射ユニット2は、貯留部14に臨む複数のノズル11を有する薄膜12に、機械的振動手段である振動手段13によって発生した振動を伝播させて、薄膜12を周期的に振動させ、比較的大面積(φ1mm以上)の領域に複数のノズル11を配置し、それら複数のノズル11より液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
図17に示すような単純円形膜12の周辺部12Aを固定した場合、基本振動は周辺が節になり、図18に示すように、薄膜の中心Oで変位ΔLが最大(ΔLmax)となる断面形状となり、振動方向に周期的に上下振動する。
また、図19、図20に示すような、より高次のモードが存在することが知られている。これらのモードは、円形膜内に、同心円状に節を1乃至複数持ち、実質的に軸対称な変形形状である。また、図21に示すように、中心部が凸形状12cとすることで液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量を調整することが可能である。
円形薄膜の振動により、円形膜各所に設けられたノズル近傍の液体には、膜の振動速度Vmに比例した音圧Pacが発生する。音圧は、媒質(トナー組成液)の放射インピーダンスZrの反作用として生じることが知られており、音圧は、放射インピーダンスと膜振動速度Vmの積で下記式(1)の方程式を用いて表される。
ac(r,t)=Z・V(r,t) (1)
膜の振動速度Vmは時間とともに周期的に変動しているため時間(t)の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述のとおり、膜の各所で振動方向の振動変位は異なっており、Vmは、膜上の位置座標の関数でもある。本発明で用いられる膜の振動形態は、上述のとおり軸対象である。したがって、実質的には半径(r)座標の関数となる。
以上のように、分布を持った膜の振動変位速度に対して、それに比例する音圧が発生し、音圧の周期的変化に対応してトナー組成液が、気相へ吐出される。
気相へ周期的に排出されたトナー組成液は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成するため、液滴化が周期的に発生する。
液滴化を可能とする膜の振動周波数としては20kHz〜2.0MHzの領域が用いられ、50kHz〜500kHzの範囲がより好適に用いられる。20kHz以上の振動周期であれば、液体の励振によって、トナー組成液中の顔料やワックスなどの微粒子の分散が促進される。
更には、前記音圧の変位量が、10kPa以上となることによって、上述の微粒子分散促進作用がより好適に発生する。
ここで、形成される液滴の直径は、前記膜のノズル近傍における振動変位が大きいほど大きくなる傾向にあり、振動変位が小さい場合、小滴が形成されるか、または液滴化しない。このような、各ノズル部位における液滴サイズのばらつきを低減するためには、ノズル配置を、膜振動変位の最適な位置に規定することが必要である。
本発明においては、図18〜20で説明されるように、前記機械的振動手段により発生するノズル近傍における膜の振動方向変位ΔLの最大値ΔLmaxと最小値ΔLmimの比R(=ΔLmax/ΔLmin)が、2.0以内である部位にノズルが配置することにより、上記液滴サイズのばらつきを、高画質な画像を提供することのできるトナー微粒子として必要な領域に保てることを見出した。
トナー組成液の条件を変更し、粘度20mPa・s以下、表面張力20乃至75mN/mの領域においてサテライトの発生開始領域が同様であったことから、前記音圧の変位量が、500kPa以下であることが必要となる更に好適には、100kPa以下である。
(その他の液滴形成方法)
均一な粒度のトナーを得る製造方法として溶解乃至分散液を貯留部へ定量的に供給し、貯留部の一部に接する振動手段により前記貯留部に振動を加えながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より該原料液体を造粒空間に放出し、原料流体を柱状から括れ状態を経て液滴化する手段等が挙げられる。
以下、図22、図23に基づいてこの方式について述べる。
前記貯留部は、少なくとも、前記トナー組成物含有液を加圧された状態において保持される必要があるため、SUS、アルミなどの金属等の部材からなり、10MPa程度の耐圧性があることが望ましいが、これに限るものではない。また、例えば、図23に示すように、貯留部へ液を供給する配管8で接続され、貫通孔を有する板を保持する機構9とを設けた構造が望ましい。また、貯留部全体を振動する振動手段2が、前記貯留部に接している。振動手段には振動発生装置10と導電線11によって接続されており、制御される形態が望ましい。貯留部内の圧力調整を行ったり、内部の気泡を除去するための開放弁12を設けることが、液柱の安定形成を行う上で好ましい。
前記振動手段2は、一つの振動手段により、該貫通孔を有する貯留部全体を励振させるのが好ましい。
前記貯留部1に振動を与える振動手段2としては、確実な振動を一定の周波数で与えることができるものであれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、上述の観点から、例えば、前記貫通孔が、圧電体の伸縮により一定の周波数で振動されるのが好ましい。
前記圧電体は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する機能を有する。具体的には、電圧を印加することにより、伸縮し、この伸縮により、貫通孔を振動させることができる。
前記圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さい為、積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO、等の単結晶、などが挙げられる。
前記一定の周波数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100kHz乃至10MHzが好ましく、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から、200kHz乃至2MHzがより好ましい。
前記振動手段2は、貯留部と接しており、貯留部は貫通孔を有する板が保持されており、前記振動手段と貫通孔を有する板は、貫通孔から発生する液柱に振動を均一に与える観点から、平行に配置されていることが最も好ましく、振動の過程における変形が起こっても、その関係は傾きが10°以内に保たれることが望ましい。
前記貫通孔4は、1個のみ設けても粒子生産は可能であるが、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を効率よく発生させる観点から、複数個設け、各貫通孔から吐出される液滴を、一の溶媒除去設備、図示の例では、溶媒除去設備6で乾燥させるのが好ましい。
更なる生産性の向上の観点から、前記振動手段を有する貯留部も複数設けることが、より好ましい。この際、トナー粒子の生産性は、単位時間あたりに発生する液滴の個数(周波数)と、振動手段の数と、1つの振動手段により作用する貫通孔の数の積で決定されるが、操作性の観点から、可能な限り1つの振動手段により作用する貫通孔の数、つまり1つの貯留部の有する貫通孔の数が多ければよいが、無制限に多いと、粒子径の均一性を保てない。従って、前記一個の振動手段により振動させる一個の貯留部に付随する貫通孔の個数としては、生産性と制御性の観点から、10乃至10,000であるのが好ましい。極めて均一な粒子径を有する微小液滴をより確実に発生させるために、より好ましくは、10乃至1,000であることが望ましい。
前記振動手段2の一部を、固定支持するための支持手段3は、装置に貯留部及び振動手段を固定するために設けられており、材質に限定は特に無いが、金属などの剛体であればよい。必要によっては余分な共振による貯留部の振動の乱れを発生させないために、振動緩和材としてのゴム材、樹脂材などが一部に設けられることもできる。
液滴形成手段である前記貫通孔4は、先にも述べたように、前記トナー組成物原料流体を、液柱として吐出させる部材である。前記貫通孔の材質及び形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、吐出孔が、厚み5〜50μmの金属板で形成され、かつ、その開口径が1〜40μmであることが、前記トナー組成物原料流体中に含まれる1μm以下の微粒子分散物を閉塞させることなく、かつ100kHz以上の振動周波数で極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させることを両立させる観点から好ましい。これは、前記液滴化現象により安定的に液滴を得ることが可能な周波数領域は、実質上貫通孔の直径が大きくなるにつれて減少するため、生産性を考慮して、100kHz以上の振動周波数を想定している。なお、前記開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。
前記共通液室へ液を供給する手段5としては、チューブポンプ、ギアポンプ、ロータリーポンプ、シリンジポンプなどの定量ポンプであることが望ましい。また、圧縮空気などによって加圧し送液するタイプのポンプであってもよい。これら液供給手段で前記共通液室は前記トナー組成物原料流体で満たされ、更に液滴化可能な圧力まで昇圧することが可能である。液圧力はポンプ付属の圧力ゲージまたは専用の圧力センサにて測定が可能である。
(複数のノズルを有する薄膜)
ノズルを有する薄膜は、先にも述べたように、トナー用材料の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴とする部材である。

この薄膜12の材質、ノズル11の形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、薄膜12は厚み5〜500μmの金属板で形成され、かつ、ノズル11の開口径が3〜30μmであることが、ノズル11からトナー組成液10の液滴を噴射させるときに、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記ノズル11の開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。
(乾燥手段)
液滴化されたトナー組成物含有液は次いで溶媒除去設備において溶媒を除去してトナー粒子とする。この溶媒除去設備は上記した各方式によって得られた液滴について共通のものであるので、これを図1に基づいて説明する。
なお、以下では、「恒率乾燥」及び「減率乾燥」という用語を用いているがこの用語について説明する。一般に、水分を含有する材料を乾燥用気体と接触させて加熱乾燥するとき、初期の予熱期間を経過すると直線的に含水率Wが減少する恒率乾燥期間を経て、含水率が直線的に低下せず飽和していく減率乾燥期間となる。液滴化したトナーについては水分を除去するのではなく溶媒を除去するのであるが、溶媒を除去する際にも前記と同様の現象がおこるので、本明細書においては、初期の予熱期間を経過して含水率が直線的に減少する脱溶媒現象を恒率乾燥といい、含水率が直線的に低下せず飽和していく脱溶媒現象を「減率乾燥」という。
(恒率乾燥手段)
恒率乾燥手段である前記溶媒除去設備3としては、液滴31の溶媒を除去することができれば特に制限はないが、液滴13飛翔方向と同方向に乾燥気体35を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴31を溶媒除去設備6内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴31中の溶媒を除去させることにより、噴霧乾燥粒子(トナー粒子)Tを形成するのが好ましい。なお、ここで、「乾燥気体」とは、大気圧下の露点温度が−10℃以下の状態の気体を意味する。前記乾燥気体としては、液滴31を乾燥可能な気体であれば特に制限はなく、例えば、空気、窒素ガス、などが好適に挙げられる。
前記乾燥気体の温度は、乾燥効率の面においてはより高温である方が好ましく、また噴霧乾燥の特性上、使用する溶媒の沸点以上の乾燥気体を使用したとしても、乾燥途中の恒率乾燥領域では液滴温度が溶媒沸点以上に上昇することはなく、得られるトナーに熱的損傷を与えることはない。しかしながら、トナーの主構成材料が熱可塑性樹脂であることから、乾燥後すなわち減率乾燥領域において、使用する樹脂のガラス転移点以上の乾燥気体にさらされると、トナー同士が熱融着を発生したり、形状が球形化したりしてしまう。したがって、前記乾燥気体の温度は、乾燥後の品温が50℃未満となるように風量、吐出液量と兼ねて最適化することが望ましい。
本発明のトナー製造装置は減率乾燥手段を前記気流乾燥手段と別途に設けることができる。減率乾燥手段としては伝導電熱式攪拌乾燥機、流動層乾燥機、移動層乾燥機等が用いられる。減率乾燥時の乾燥温度は使用する樹脂のガラス転移点及び離型剤の融解温度点よりも低い温度であることが好ましく、さらに好ましくは10℃以上低い温度が好ましい。
(トナー捕集部)
前記トナー捕集部4は、トナーを効率的に捕集し、搬送する観点から、トナー粒子製造装置の底部に設けられた部材である。
前記トナー捕集部4の構造としては、トナーを捕集できれば特に制限はなく、適宜選択することができるが、上述の観点から、図示の例のように、開口径が漸次縮小するテーパー面41を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、トナー粒子Tを、乾燥気体Aを用い、該乾燥気体の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、トナー粒子をトナー貯蔵容器6に移送させるのが好ましい。
前記移送の方法としては、図示の例のように、乾燥気体により、トナー粒子Tをトナー貯蔵容器に圧送してもよいし、トナー貯蔵容器側からトナー粒子Tを吸い込んでもよい。
前記乾燥気体の流れとしては、特に制限はないが、遠心力を発生させて確実にトナー粒子Tを移送できる観点から、渦流であることが好ましい。
さらに、該トナー粒子Tの搬送をより効率的に行う観点から、トナー捕集部、及びトナー捕集容器が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアースに接続されているのがより好ましい。また、前記トナー製造装置は、防曝仕様であることが好ましい。
(減率乾燥及び外添剤混合手段)
本発明のトナー製造方法は減率乾燥手段を前記恒率乾燥手段と別途に設ける。恒率乾燥工程中の噴霧粒子温度を使用する樹脂のガラス転移点未満とすると、恒率乾燥工程後の噴霧粒子には10000ppm以上の溶媒が残留する。残留する残留溶媒を効率的に除去するのは非常に困難である。
そのような残留溶媒値の噴霧粒子をトナーとして用いることは臭気、安全性等の問題が発生する。その為に残留溶媒値を200ppm未満にする必要がある。好ましくは50ppm未満である。
減率乾燥手段としては伝導伝熱式攪拌乾燥機、流動層乾燥機、移動層乾燥機等が用いられる。通常噴霧乾燥粒子の離型剤物質の融解温度点は使用する樹脂のガラス転移点以上であるため、減率乾燥時の乾燥温度は使用する樹脂のガラス転移点Tgよりも低い温度であることが好ましく、さらに好ましくは10℃以上低い温度が好ましい。また、乾燥効率を上げるために常温以上の乾燥温度であることが好ましい。更に好ましくは使用する樹脂のガラス転移点Tg−20℃以上好ましい。
本発明は恒率乾燥工程後の噴霧乾燥物の残留溶媒値が10000ppm以上の状態で体積平均粒径が50nm以上の外添剤を混合し、減率乾燥工程を経て200ppm未満とすること特徴とする。残留溶媒値が10000ppm以上の噴霧粒子に外添剤を混合することにより噴霧粒子間のスペーサーとなることで粒子同士の凝集、結着を防ぎ、更には噴霧粒子の表面が乾燥気体に晒されることにより乾燥効率を大幅に向上させることが可能である。
このときの外添剤の体積平均粒径は50nm以上必要であり、好ましくは100nm以上である。50nm未満の粒子は混合後すぐに噴霧粒子に埋没しすぐにスペーサー効果がなくなってしまう。
また(外添剤)でも前述したが50nm以上の外添剤はスペーサー効果を付与し、現像性、転写性を向上させるが、一方でトナー粒子から離脱しやすく、離脱した外添剤は画像形成装置内で感光体、転写体等に固着しフィルミングの原因となる問題がある。トナー粒子残留溶媒値が10000ppm以上の状態で混合することにより、トナー粒子表面が若干可塑化された状態で混合可能なためその一部が埋め込まれ離脱率が大きく減少し、更に50nm以上と比較的大きい粒径のせいか完全にトナー粒子に埋没することなく、そのスペーサー効果は維持された状態を作り出すことが可能となる。また、10000ppm未満での混合は離脱率を抑制することが困難となる。
前記外添剤混合工程と減率乾燥工程は例えば伝導伝熱攪拌乾燥方式の減率乾燥を用いることにより同時に行うことが可能である。その装置の一例として大川原製作所のリボコーンが挙げられる。外添剤の混合と減率乾燥を同工程で行うことにより、より効率的にトナー粒子を得ることが可能となる。
減率乾燥にはストリッピング法が効果的である。ストリッピング法とは残留溶媒を除供する手段として水蒸気に暴露させ、樹脂と溶媒との親和性を低下させると共に溶媒と水との共沸現象を利用して乾燥を促進する手法であり、溶媒を用いた造粒法では乾燥時に一般的に用いられる手法である。ストリッピングにより残留溶媒を除去した後水分乾燥することで残留溶媒値は飛躍的に減少する。
このストリッピング法を用いる場合でも体積平均粒径が50nm以上の外添剤を混合した後行うことで溶媒除去効率を上げることが可能であることが発明者の検討の結果判明した。
ストリッピング法での水分乾燥は伝導伝熱式攪拌乾燥、流動層乾燥、移動層乾燥等が用いられる。伝導伝熱式攪拌乾燥にて真空乾燥をすることで更に効率的な乾燥が可能となる。
電子写真用トナーは流動性、帯電性の付与の為、目的に応じて体積平均粒径30nm未満の外添剤を使用する。このような外添剤はトナー粒子に埋没するとその機能が発生しにくくなることが確認されている。また、粒径が30nm未満と小さいためトナー粒子に埋没しやすい傾向にもある。
トナー粒子残留溶媒値10000ppm以上の状態で混合すると該外添剤は完全に埋没しその効果を発生しない。また、トナー粒子の残留溶媒値200ppm未満にてを混合すると埋没しにくくその効果を発生するトナー粒子への付着状態への混合が可能となる。
(その他の手段)
本発明のトナーは必要に応じて外添剤を混合する。外添剤混合工程と前記減率乾燥工程を同時に行うことが可能である。工程を同一化することにより工程の簡略化が可能となる。
(作用)
以上の詳細に説明した本発明のトナー粒子製造方法によれば、1貫通孔から発生する液滴の粒子数は、1秒当たり数万乃至数百万個と、非常に多く、貫通孔の閉塞も起こりづらい。また、このため、非常に均一な液滴径が得られ、分級工程を必要としない高効率、低コストで充分な生産性の点からも、トナーを生産するのに最も好適な方法といえる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図24は、電子写真式画像形成装置の一例であるカラー画像形成装置の内部構成の一例を示す図である。この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は二成分現像剤を用いた電子写真方式の全てに適用されるものであり、本具体例に限ったものではない。図中符号100は複写装置本体、200は複写装置本体100を載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ(読取り光学系)、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100の中央位置には、横方向へ延びる無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図示例では中間転写体を3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つの支持ローラの中で、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つの支持ローラの中で第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成部20を構成する。タンデム画像形成部20の直上には、図24に示すように、さらに露光装置21を設ける。
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。上述した2次転写装置22は、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動させた後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16のうちの1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置2との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
さて、上述したタンデム画像形成部20において、個々の画像形成手段18は、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62などを備えている。感光体クリーニング装置63は少なくともブレードクリーニング部材を持つ。また、現像装置61は、図25に示すように現像剤容器65内に、現像剤攪拌・搬送手段としてのトナー補給側攪拌スクリュー66、現像剤担持体側攪拌スクリュー67、現像剤担持体(現像ローラ)68、ドクタブレード77を備える。第一の現像剤撹拌室86の容器外壁には図示しない補給口を設けて図示しないトナー補給装置からトナーが供給される。トナー補給側の攪拌スクリュー66は、トナー補給装置から補給されたトナーと現像剤容器65内の現像剤(磁性粒子とトナーとを有する二成分現像剤)とを攪拌、搬送する。また、第二の現像剤撹拌室87(現像剤担持体側)の攪拌スクリュー67は、現像剤容器65内の現像剤を攪拌、搬送する。(以後、第二の現像剤攪拌室を現像側攪拌室と呼ぶ。)補給側攪拌室と現像側攪拌室は図26に示すように仕切り板80で仕切られており、両端部に現像剤の受け渡す開口部がある。現像側攪拌室の現像剤は現像スリーブに汲み上げられ、ドクタブレードによって量を規制され潜像坦持体である感光体との摺擦部に供給される。この時、ドクタブレードにより現像剤は最も大きな摺擦力を与えられる。
図27にプロセスカートリッジの概略構成を示す。図27において、210はプロセスカートリッジ全体を示し、211は感光体、212は帯電手段、213は現像手段、214はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体211、帯電装置手段212、現像手段213及びクリーニング手段214等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
本発明のトナーを収容したプロセスカートリッジを有する画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザビーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受ける。こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は現像手段によりトナーで現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、少なくともブレードクリーニング部材を持つクリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定され
るものではない。
(着色剤分散液の調製)
先ず、着色剤としての、カーボンブラックの分散液を調製した。
カーボンブラック(Regal400;Cabot社製)18重量部、顔料分散剤2重量部を、酢酸エチル80重量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。
該顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。得られた一次分散液に、ポリエステル樹脂ワニス(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000 酢酸エチル溶解液固形分20%)を100重量部混合しダイノーミルを用いて強力なせん断力により細かく分散し、凝集体を完全に除去した二次分散液を調製した。更に、0.5μmの細孔を有するフィルター(PTFE製)を通過させ、サブミクロン領域まで分散させた固形分20%液を調製した。
(ワックス分散液Aの調製)
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)300重量部、パラフィンワックス(HPE−11)90重量部、マレイン酸変性パラフィンワックス(P−166)10重量部を、酢酸エチル600重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施した。
分散液の電子顕微鏡の写真を画像処理ソフトにて解析した結果、分散しているワックスは、長辺の50%径が2.8μm、90%径が4.5μm、短辺の50%径が0.1μm、90%径が0.2μm、平均アスペクト比が24であった。
(ワックス分散液Bの調製)
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)300重量部、パラフィンワックス(HPE−11)80重量部、マレイン酸変性パラフィンワックス(P−166)20重量部を、酢酸エチル600重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施した。次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
分散液の電子顕微鏡の写真を画像処理ソフトにて解析した結果、分散しているワックスは、長辺の50%径が2.2μm、90%径が3.2μm、短辺の50%径が0.3μm、90%径が0.4μm、平均アスペクト比が7であった。
(ワックス分散液Cの調製)
ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)300重量部、エステルワックス(試作品44 日本油脂社製)100重量部を、酢酸エチル600重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施した。
分散液の電子顕微鏡の写真を画像処理ソフトにて解析した結果、分散しているワックスは、長辺の50%径が1.8μm、90%径が2.5μm、短辺の50%径が0.3μm、90%径が0.4μm、平均アスペクト比が6であった。
(ワックス分散液Dの調製)
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)300重量部、パラフィンワックス(HPE−11)100重量部を、酢酸エチル600重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施した。
分散液の電子顕微鏡の写真を画像処理ソフトにて解析した結果、分散しているワックスは、長辺の50%径が1.8μm、90%径が2.5μm、短辺の50%径が0.4μm、90%径が0.5μm、平均アスペクト比が5であった。
(ワックス分散液Eの調製)
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)200重量部、スチレン系樹脂RSWD−A(三洋化成社製)100重量部、カルナウバワックス(WA−05)100重量部を、酢酸エチル600重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施した。
分散液の電子顕微鏡の写真を画像処理ソフトにて解析した結果、分散しているワックスは、長辺の50%径が1.2μm、90%径が2.0μm、短辺の50%径が0.2μm、90%径が0.3μm、平均アスペクト比が6であった。
(ワックス分散液Fの調製)
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)300重量部、パラフィンワックス(HPE−11)70重量部、マレイン酸変性パラフィンワックス(P−166)30重量部を、酢酸エチル600重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施した。
分散液の電子顕微鏡の写真を画像処理ソフトにて解析した結果、分散しているワックスは、長辺の50%径が1.8μm、90%径が2.5μm、短辺の50%径が0.4μm、90%径が0.6μm、平均アスペクト比が6であった。
(ワックス分散液Gの調製)
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)300重量部、パラフィンワックス(HPE−11)90重量部、マレイン酸変性パラフィンワックス(P−166)10重量部を、酢酸エチル600重量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて2時間分散を施した。
分散液の電子顕微鏡の写真を画像処理ソフトにて解析した結果、分散しているワックスは、長辺の50%径が3.5μm、90%径が6.2μm、短辺の50%径が0.3μm、90%径が0.4μm、平均アスペクト比が14であった。
<トナー組成液Aの調製>
着色剤分散液25重量部、ワックス分散液A50重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)75重量部、酢酸エチル850重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Aを作成した。
<トナー組成液Bの調製>
着色剤分散液25重量部、ワックス分散液B100重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)55重量部、酢酸エチル820重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Bを作成した。
<トナー組成液Cの調製>
着色剤分散液25重量部、ワックス分散液C100重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)55重量部、酢酸エチル820重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Cを作成した。
<トナー組成液Dの調製>
着色剤分散液25重量部、ワックス分散液D70重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)67重量部、酢酸エチル838重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Dを作成した。
<トナー組成液Eの調製>
着色剤分散液25重量部、ワックス分散液E100重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)55重量部、酢酸エチル820重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Eを作成した。
<トナー組成液Fの調製>
着色剤分散液25重量部、ワックス分散液F150重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)45重量部、酢酸エチル780重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Fを作成した。
<トナー組成液Gの調製>
着色剤分散液25重量部、ワックス分散液D70重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)67重量部、酢酸エチル838重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Gを作成した。
<トナー組成液Hの調製>
着色剤分散液25重量部、ポリエステル樹脂(DIC社製試作品ポリエステルTg:54.9℃ 体積平均分子量34000)95重量部、酢酸エチル880重量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成液Hを作成した。
(トナー母体の作成)
得られたトナー組成物含有液A〜を図1に示した電子写真用トナー製造装置を用いて噴霧乾燥させて表1に示すようなトナー母体A〜H、A’〜H’、A’’〜H’’を得た。
[トナー母体A〜Hの製造]
トナー組成液を図22に示したトナー製造装置の貯留部へ定量的に供給し、貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介してトナー組成物含有液を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より該トナー組成物含有液を造粒空間に放出し、トナー組成物含有液を柱状から括れ状態を経て液滴化し、該液滴を造粒空間において固体粒子に変化させる振動チャンバーノズルヘッドを用いた噴霧手段を用いて噴霧乾燥した後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥してトナー母体A〜Hを作成した。
[トナー母体A’〜H’の製造]
チャンバーノズルヘッドを用いた噴霧手段の代わりに図1に示したトナー製造装置を用いてトナー母体を製造した。すなわち、トナー組成物含有液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段(ホーン型振動子)によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出して液滴化する液噴射ユニット(図2参照)を用いた噴霧手段を用いて噴霧乾燥した後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥してトナー母体A’〜H’を作成した。
使用したノズルプレートは、外径8.0mmで厚み20μmのニッケル板に、真円形状の直径8μmの吐出孔を、電鋳法による加工で作製した。吐出孔は各吐出孔間の距離が100μmとなるように千鳥格子状に、ノズルプレートの中心の約5mmφの範囲にのみ設けた。この場合の計算上の有効吐出孔数は1000個となる。
分散液調製後、以下のようなトナー作製条件で、液滴を吐出させた後、該液滴を乾燥固化することにより、トナー母体粒子を作製した。
〔噴射乾燥条件〕
乾燥空気流量 :分散用窒素ガス 2.0L/分、
装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分
装置内温度 :38〜40℃
ノズル振動数 :180kHz
圧電体印加電圧 :10V
[トナー母体A”〜H”の製造]
図12に示す円環状の振動発生手段を用いたリング式の液滴噴射ユニットを備えた図11のトナー製造装置を用いて噴霧乾燥した後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥してトナー母体A”〜H”を作成した。
ノズルプレート及び噴射乾燥条件は前記したものと同様とした。
このトナー母体の作成時にトナーの製造安定性について評価を行った。トナー母体粒子を1.0kg得るためにトナー材料液10kgを連続噴霧したときのノズルヘッドの流量安定性を10kg吐出後流量/初期流量にて評価を行い99%以上を安定性が高いとして○、99%未満を安定性が得られていないとして×評価した。
また、得られたトナー母体のTEM断面観察を行い、トナー内部の離型剤状態を観察し、離型剤長辺/トナー粒径を算出した。
(トナーの作成)
各噴射手段を用いたトナー母体A〜H、A’〜 H’、A’’〜 H’’の記号が同じトナー母体は同材料構成、同状態の為、基本的には同じ特性を示す。以下ではトナー母体トナー母体A〜Hについて外添剤の混合を行いトナーを作成した例を評価する。
トナー母体A〜H100重量部に対しH1303(疎水化シリカ)1.5重量部、MA150AI(疎水化チタニア)0.8重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーA〜Hを得た。前記外添剤は流動性の付与及び帯電特性の調整のために混合した。
図28Aは実施例のトナーのTEM断面写真である(左:実施例1、右:実施例2)。
図28Bは比較例のTEM断面写真である(左上:比較例3、右上:比較例4、左下:比較例5、右下:比較例1)。
図28Cはアスペクト比が本発明の範囲内にあるワックスの分散状態を示す図である。
図28Dはアスペクト比が小さいワックスの分散状態を示す図である。
(現像剤の作成)
本発明のトナーは一成分現像剤、二成分現像剤どちらかに限られるものではないが、本実施例では下記のキャリアとトナー:キャリアが7:93となるよう混合し二成分現像剤A〜Hとして評価を行った。
(キャリア)
芯材:平均粒径35ミクロンの球形フェライト粒子
コート材:シリコーン樹脂とメラミン樹脂の混合物
タンデム型カラー電子写真装置(「Imagio Neo C350」;株式会社リコー製)によって以下の評価を行った。
前記装置の現像ユニットに現像剤を投入し(第一回A〜D、第二回E〜G)画像占有率5%画像にてリコー社製6000ペーパーを用いて10000枚のランニングを実施し地肌汚れの評価を行った。
非画像部のID値変動が0.03未満を合格、0.03以上を不合格とした。
(定着評価)
上記装置にて、トナー付着量が0.8mg/cm2のベタ画像となるよう装置を調整し、定着温度を130℃から10℃毎に順次上昇させ定着温度範囲を測定した(第一回A〜D、第二回E〜H)。このとき各トナーのベタ画像が重ならないように調整し、定着温度範囲は得られた画像の光沢値が前温度条件よりも低下した温度を上限温度とした。
離型剤を用いていない現像剤Hの定着上限温度よりも+30℃で合格、+30℃未満で不合格とした。また130℃定着性にてコールドオフセットを発生したサンプルも不合格とした。
以上により本発明はノズルより噴霧されたトナーにおいて、安定連続噴霧性を持ち、安定した定着性を併せ持つトナーであることは明らかである。また本発明のトナー製造法により単分散であり安定した定着性を持つトナーが作成可能となる。
本発明のトナーは,単分散性に優れており、高画質、定着性、高生産性を満たしているので、電子写真用トナーとして好適に使用することができる。
本発明に係るトナーの製造装置の一例を示す概略構成図である。 同トナーの製造装置の液滴噴射ユニットの説明に供する拡大説明図である。 図2を下側から見た底面説明図である。 同液滴噴射ユニットの振動発生手段を構成するステップ型のホーン型振動子の例を示す模式的説明図である。 同液滴噴射ユニットの振動発生手段を構成するエクスポネンシャル型のホーン型振動子の例を示す模式的説明図である。 同液滴噴射ユニットの振動発生手段を構成するコニカル型のホーン型振動子の例を示す模式的説明図である。 同トナーの製造装置の液滴噴射ユニットの他の例の説明に供する拡大説明図である。 同トナーの製造装置の液滴噴射ユニットの更に他の例の説明に供する拡大説明図である。 同トナーの製造装置の液滴噴射ユニットの更にまた他の例の説明に供する拡大説明図である。 図9の液滴噴射ユニットを複数個配置した例の説明に供する説明図である。 本発明に係るトナーの製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。 同トナーの製造装置の液滴噴射ユニットの説明に供する拡大説明図である。 図13を下側から見た底面説明図である。 同液滴噴射ユニットの液滴化手段の拡大断面説明図である。 比較例構成に係る液滴化手段の拡大断面説明図である。 同トナーの製造装置の具体的適用の説明に供する要部説明図である。 同液滴噴射ユニットによる液滴化の動作原理の説明に供する薄膜の模式的説明図である。 同じく基本振動モードの説明に供する説明図である。 同じく2次振動モードの説明に供する説明図である。 同じく3次振動モードの説明に供する説明図である。 同じく薄膜の中央部に凸部を形成した場合の説明図である。 本発明を実施するためのトナー粒子製造装置の一例の説明図である。 本発明におけるトナー製造装置の貯留部の一例の説明図である。 カラー画像形成装置の内部構成の一例を示す図である。 現像装置の内部構成図の一例を示す図である。 現像装置の内部構成図の一例を示す図である。 プロセスカートリッジの概略構成を示す図である。 本発明に係わるトナーに係わる実施例のトナー断面写真の例である。 本発明に係わるトナーに係わる比較例のトナー断面写真の例である。 アスペクト比が本発明の範疇であるワックスの分散状態を示す図である。 アスペクト比が小さいワックスの分散状態を示す図である。
符号の説明
1 トナーの製造装置
2 液滴噴射ユニット
3 粒子形成部(溶媒除去部)
4 トナー捕集部
5 チューブ
6 トナー貯蔵容器
7 原料収容部
8 配管
9 ポンプ
10 トナー組成液
11 ノズル
12 薄膜
13 振動手段
13a振動面
14 貯留部
15 流路部材
16 液滴化手段
17 振動発生手段(電気機械変換手段)
18 液供給チューブ
19 気泡排出チューブ
20 支持部材
21 振動発生手段
21A 圧電体
22 振動増幅手段
22A ホーン
23 駆動回路(駆動信号発生源)
24 通信手段
31 液滴
35 気流
36 気流路形成部材
37 気流路
80 ホーン型振動子
81 圧電体
82 ホーン
83 固定部
90 ランジュバン型振動子
91 圧電体
92 ホーン
T トナー粒子

Claims (13)

  1. 少なくとも樹脂と、離型剤と、着色剤とを有機溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成液を、複数のノズルから吐出させて液滴を形成し、該液滴を固化させて製造された電子写真用トナーであって、該樹脂は該有機溶媒に可溶であり、該離型剤は、トナー中において、短辺の90%径が100〜500nm、平均アスペクト比が7〜30、長辺の長さが該トナー粒径の1/2以上1未満の粒子の状態で分散していることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記離型剤の融解温度が50〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記離型剤のトナー中の含有率が3〜20wt%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
  4. 体積平均粒径が3.0〜7.0μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 前記吐出は、前記トナー組成液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルから、該貯留部を振動させつつ行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. 前記ノズルは、振動チャンバーノズルヘッドであることを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナー。
  7. 前記吐出は、前記トナー組成液を貯留する貯留部に設けた、複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記機械的振動手段が、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真用トナー。
  9. 前記機械的振動手段が、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真用トナー。
  10. 前記振動手段がホーン型振動子であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真用トナー。
  11. 前記機械的振動手段の振動周波数が20kHz以上2.0MHz未満であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式画像形成装置。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式プロセスカートリッジ。
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