JP5212804B2 - 電子写真用トナー及び該電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
従来からトナーの製法としては、結着樹脂や着色剤等を溶融混練し、この混練物を粉砕、分級することにより行う粉砕法が用いられている。しかし、この粉砕法により得られるトナーはトナー粒子の粒径分布が広く、トナーの小粒径化に対して技術的に、また収率等の生産性の面から限界がある。
また、上記課題を解決するために提供する本発明に係る電子写真用トナーの製造方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、具体的には下記(5)〜(14)に記載の技術的特徴を有する。
(2)前記着色剤分散用樹脂の有機溶媒溶解液が固形分含有量が低くなるほど溶解液のヘイズ値が小さくなることを特徴とする上記(1)記載の電子写真用トナー。
(3)前記結樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の電子写真用トナー。
(4)前記トナー組成物含有液が平均分子量1000未満の結晶性化合物又は結晶性化合物組成物からなる有機低分子材料を更に含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
(5)少なくとも結着樹脂と、該結着樹脂とは異なる着色剤分散用樹脂であって、有機溶媒中では結着樹脂と相溶するが乾燥後の電子写真用トナー中では結着樹脂と分離する着色剤分散樹脂と着色剤とを有機溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成物含有液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルから、該トナー組成物含有液を放出して液滴化する液滴化工程と、液滴化されたトナー組成物含有液を固体粒子化する粒子形成工程とを有することを特徴とするトナーの製造方法。
(6)前記液滴化工程は、トナー組成物含有液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該ノズルからトナー組成物含有液を周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化工程であることを特徴とする上記(5)に記載のトナーの製造方法。
(7)前記機械的振動手段は、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とする上記(6)に記載のトナーの製造方法。
(8)前記機械的振動手段は、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とする上記(6)に記載のトナーの製造方法。
(9)前記機械的振動手段がホーン型振動子であることを特徴とする上記(8)に記載のトナーの製造方法。
(10)前記液滴化工程は、トナー組成物含有液を貯留する貯留部から、該貯留部に備えられた貫通孔より前記トナー組成物含有液を吐出する吐出工程と、該吐出工程で吐出されたトナー組成物含有液を、柱状から括れ状態を経て液滴化する液滴化工程であることを特徴とする上記(5)に記載のトナーの製造方法。
(11)前記貫通孔は、振動チャンバーノズルヘッドであることを特徴とする上記(10)に記載の電子写真用トナーの製造方法。
(12)前記機械的振動手段の振動周波数が20kHz以上2.0MHz未満であることを特徴とする上記(6)〜(9)のいずれかに記載のトナーの製造方法。
(13)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式画像形成装置。
(14)上記(1)〜(6)いずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式プロセスカートリッジ。
また本発明の電子写真用トナーの製造方法によれば、高画質、高生産性を満たし、さらには単分散化が可能な電子写真用トナーの製造方法を提供することができる。
また本発明の電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジによれば、高画質を得るための電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明におけるトナー組成物としては、少なくとも結着樹脂と、着色剤分散に用いる樹脂と着色剤が挙げられ、必要に応じて、外添剤、帯電制御剤及び有機低分子材料等のその他の成分が挙げられる。
前記結着樹脂としては、少なくとも有機溶媒に溶解する結着樹脂が挙げられる。
前記結着樹脂としては、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、溶剤に不溶なゲル成分が0.5%未満であることが好ましい。ゲル成分が含まれると噴霧ノズルの詰りが生じ、生産安定性を損なう。従ってゲル成分が含まれている樹脂を用いる場合では樹脂を溶解後にろ過工程によりゲル成分をろ過して用いる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
本発明において、結着樹脂の分子量分布は、THFを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
(I)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(II)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
(III)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(IV)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の式(1)で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W ・・・(1)
開始温度:40℃、昇温速度:3.0℃/分、試験加重:10kgf、予熱時間:200秒、ダイ穴径:0.5mm、ダイ長さ:10mm
前記着色剤としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができるが、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物、などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、トナーに対して1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
例えば結着樹脂がポリエステル樹脂の場合、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
双方の樹脂を1:1の比率で混合し、使用する有機溶媒にて固形分10%液を作成する。前記固形分10%液の濁りの状態により判断する。光路長10mmセルにてヘイズ値を測定し、ヘイズが3%未満を相溶、3%以上を非相溶とした。有機溶媒中で主たる樹脂と分散用樹脂が非相溶な場合、トナー組成液中で着色剤及び分散用樹脂が凝集、沈降し安定した製造ができなくなる。
ヘイズ値は光路長10mmの石英セルに測定する溶解溶液を入れ、ヘイズ測定装置にてフィルムについて測定するのと同様にして測定する。
溶解安定性とは、樹脂を有機溶媒に溶解させた場合、通常は樹脂分(固形分)が多いほど溶解液のヘイズ値は増加していくが安定性が低い樹脂は固形分含有量が低くなるほどヘイズ値が増加する傾向にある。
本発明において使用する着色剤分散用樹脂は溶解液固形分含有量が低くなるほどヘイズ値が小さくなることを特徴とする。
分散剤は着色剤表面に吸着し着色剤粒子の2次凝集を防ぐために使用される場合がある。分散剤としては酸価、アミン価を持つウレタン系分散剤、アクリル系分散剤、ポリエステル系分散剤、ロジン変性フェノール系分散剤などが挙げられるが用いられる有機溶媒に可溶であり、且つ前記分散用樹脂と相溶するものであれば使用可能である。
分散剤は分散用樹脂と相溶し、分散用樹脂を可塑化させる性質を持つ。従って前記分散用樹脂は熱可塑性樹脂の場合、結着樹脂よりも10℃以上軟化温度を高くし耐熱性を維持することが好ましく、且つ乾燥固化したには結着樹脂と分離し、結着樹脂を可塑化させないことが重要となる。
軟化温度を結着樹脂よりも10℃以上高くすることで分散剤にて可塑化された後の耐熱保存性を維持する。更に好ましくは20℃以上である。
本発明において必要に応じて用いられる有機低分子材料は有機溶媒に不溶である平均分子量1000未満の結晶性化合物又は結晶性化合物組成物からなる。有機低分子材料の少なくとも一つは、樹脂を溶解する溶媒に不溶であり、該樹脂と不相溶である。用いられる樹脂と結晶性化合物が相溶しない場合、結晶性化合物は離型剤として機能する。この場合、離型機能を有する結晶性化合物の溶融温度は100℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下である。溶融温度が100℃以上となると定着時にコールドオフセットを発生しやすくなる。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
用いられる樹脂と結晶性化合物が、結晶性化合物の溶融温度以上の温度にて相溶する場合、結晶性化合物は可塑剤として機能する。つまり、該結晶性化合物により樹脂の軟化速度が向上し低温定着性を有することとなる。この場合該結晶性化合物の溶融温度は120℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下となる。溶融温度が120℃を超えると低温定着性に効果がなくなる。
残留溶媒200ppm未満とされた樹脂95質量部に対し有機低分子材料5質量部を添加し、すり鉢でよく混合した混合物のガラス転移点を以下の条件で測定する。
20℃から5℃/minにて昇温させた時の混合物のガラス転移点をTg1とする。
そのまま150℃まで昇温した後、10/minで20℃まで降温し、再度150℃まで昇温したときの混合物のガラス転移点をTg2とする。
Tg1−Tg2>10℃の場合は有機低分子材料と樹脂は相溶、Tg1−Tg2<8℃の場合は非相溶とする。
本発明に用いられる有機溶剤は、結着樹脂及び有機低分子材料が溶解可能な有機溶剤であり、用いられる樹脂及び有機低分子材料の溶解性により適宜選択される。
本発明に用いられる溶媒の具体例としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。これら溶媒は単独もしくは2種以上を混合して用いることができる。
樹脂、有機低分子物質、着色剤以外の材料として、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として無機微粒子を使用することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の前記電子写真用トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
本発明の製造方法を具現化するための製造装置について以下に説明する。
(液滴形成手段)
前記液滴形成手段としては、具体的には従来、液体を加圧してノズルから噴霧する一流体ノズル(加圧ノズル)や液体と圧縮気体を混合して噴霧する多流体スプレーノズル、回転する円盤を用いて液体を遠心力により液滴化する回転円盤型噴霧機が知られておりこれらを用いることも可能だが、小粒径のトナーを得ることが困難であるとともに、得られたトナーの粒度分布が広く分級を必要とするため、歩留が低下し、生産性が低下してしまうという欠点を有している。
すなわち、本発明の製造方法においては、トナー組成液の液滴は複数のノズルを有する薄膜を機械的に振動させることによって、該ノズルからトナー組成液を連続的に放出することにより均一粒径の液滴を生成することができる。機械的振動手段は、ノズルを有する膜に対して垂直方向に振動すればどのような配置でもよいが、本発明においては次の二通りの方式が好ましく用いられる。
以下、各方式について説明する。
まず、機械的縦振動手段を設けたトナー製造装置の一例について図1の模式的構成図を参照して説明する。
トナーの製造装置1は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を液滴化して放出する液滴化手段としての液滴噴射ユニット2と、この液滴噴射ユニット2が上方に配置され、液滴噴射ユニット2から放出される液滴化されたトナー組成液の液滴を固化してトナー粒子Tを形成する粒子化手段としての粒子形成部3と、粒子形成部3で形成されたトナー粒子Tを捕集するトナー捕集部4と、トナー捕集部4で捕集されたトナー粒子Tがチューブ5を介して移送され、移送されたトナー粒子Tを貯留するトナー貯留手段としてのトナー貯留部6と、トナー組成液10を収容する原料収容部7と、この原料収容部7内から液滴噴射ユニット2に対してトナー組成液10を送液する配管(送液管)8と、稼動時などにトナー組成液10を圧送供給するためのポンプ9とを備えている。
図2は同液滴噴射ユニット2の概略断面説明図、図3は図2を下側から見た要部底面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、複数のノズル(吐出口)11が形成された薄膜12と、この薄膜12を振動させる機械的振動手段(以下「振動手段という)13と、薄膜12と振動手段13との間に少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成する流路部材15とを備えている。
図示した例では振動発生手段21と振動増幅手段22で構成される振動手段13としてホーン型振動子を用いており、このホーン型振動子は、圧電素子などの振動発生手段21の振幅を振動増幅手段22としてのホーン22Aで増幅することができるため、機械的振動を発生する振動発生手段21自体は小さな振動でよく、機械的負荷が軽減するために生産装置としての長寿命化につながる。
また、振動手段13としては、特に高強度なボルト締めランジュバン型振動子を用いることもできる。このボルト締めランジュバン型振動子は圧電セラミックスが機械的に結合されており、高振幅励振時に破損することがない。
この場合、振動面とは、前記複数のノズルを有する薄膜が貼り合わされた面と定義される。
図7に示す例は、振動手段80(13)として、振動発生部としての圧電体81及び振動増幅部としてのホーン82で構成されるホーン型振動子80を用いて、ホーン82の一部に貯留部(流路)14を形成したものである。この液滴噴射ユニット2は、ホーン型振動子80のホーン82に一体形成した固定部(フランジ部)83によって粒子形成部3(乾燥手段)の壁面に固定されていることが好ましい、振動の損失を防ぐ観点から、図示しない弾性体を用いて固定してもよい。
この液滴噴射ユニット2は、前述した例と同様に、ホーン型振動子を振動手段13を用いて、この振動発生手段13の周囲を囲んでトナー組成液10を供給する流路部材15を配置し、振動発生手段13のホーン22に薄膜12と対向する部分に貯留部14を形成している。さらに、流路部材15の周囲に所要の間隔を置いて気流35を流す気流路37を形成する気流路形成部材36を配置している。なお、図示を簡略化するため、薄膜12のノズル11は1個で示しているが、前述したように複数個設けられている。
また、図10に示すように、複数、例えば制御性の観点からは100〜1,000個の液滴噴射ユニット2を、粒子形成部3を構成する乾燥塔貯留部3Aに並べて配置する。これにより、より生産性の向上を図ることができる。
図11は図1に示す装置において液滴噴射ユニットをリング式のものに代えたものである。
リング式の液滴噴射ユニット2について図12〜図14を参照して説明する。なお、図12は同液滴噴射ユニット2の断面説明図、図13は図12を下側から見た要部底面説明図、図14は液滴化手段の概略断面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段11と、この液滴化手段11にトナー組成液10を供給する貯留部(液流路)14を形成した流路部材15とを備えている。
次に、この液滴化手段としての液滴噴射ユニット2による液滴形成のメカニズムについて説明する。
上述したように液滴噴射ユニット2は、貯留部14に臨む複数のノズル11を有する薄膜12に、機械的振動手段である振動手段13によって発生した振動を伝播させて、薄膜12を周期的に振動させ、比較的大面積(φ1mm以上)の領域に複数のノズル11を配置し、それら複数のノズル11より液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
また、図19、図20に示すような、より高次のモードが存在することが知られている。これらのモードは、円形膜内に、同心円状に節を1乃至複数持ち、実質的に軸対称な変形形状である。また、図21に示すように、中心部が凸形状12cとすることで液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量を調整することが可能である。
Pac(r,t)=Zr・Vm(r,t) (1)
膜の振動速度Vmは時間とともに周期的に変動しているため時間(t)の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述のとおり、膜の各所で振動方向の振動変位は異なっており、Vmは、膜上の位置座標の関数でもある。本発明で用いられる膜の振動形態は、上述のとおり軸対象である。したがって、実質的には半径(r)座標の関数となる。
気相へ周期的に排出されたトナー組成液は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成するため、液滴化が周期的に発生する。
更には、前記音圧の変位量が、10kPa以上となることによって、上述の微粒子分散促進作用がより好適に発生する。
トナー組成液の条件を変更し、粘度20mPa・s以下、表面張力20乃至75mN/mの領域においてサテライトの発生開始領域が同様であったことから、前記音圧の変位量が、500kPa以下であることが必要となる更に好適には、100kPa以下である。
均一な粒度のトナーを得る製造方法として溶解乃至分散液を貯留部へ定量的に供給し、貯留部の一部に接する振動手段により前記貯留部に振動を加えながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より該原料液体を造粒空間に放出し、原料流体を柱状から括れ状態を経て液滴化する手段等が挙げられる。
以下、図22、図23に基づいてこの方式について述べる。
前記貯留部1に振動を与える振動手段2としては、確実な振動を一定の周波数で与えることができるものであれば特に制限はなく、適宜選択して使用することができるが、上述の観点から、例えば、前記貫通孔が、圧電体の伸縮により一定の周波数で振動されるのが好ましい。
前記圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さい為、積層して使用されることが多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3、等の単結晶、などが挙げられる。
前記貫通孔4は、1個のみ設けても粒子生産は可能であるが、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を効率よく発生させる観点から、複数個設け、各貫通孔から吐出される液滴を、一の溶媒除去設備、図22に示した例では、溶媒除去設備6で乾燥させるのが好ましい。
極めて均一な粒子径を有する微小液滴をより確実に発生させるために、より好ましくは、10乃至1,000であることが望ましい。
なお、前記開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味する。
ノズルを有する薄膜は、先にも述べたように、トナー用材料の溶解乃至分散液を、吐出させて液滴とする部材である。
この薄膜12の材質、ノズル11の形状としては、特に制限はなく、適宜選択した形状とすることができるが、例えば、薄膜12は厚み5〜500μmの金属板で形成され、かつ、ノズル11の開口径が3〜30μmであることが、ノズル11からトナー組成液10の液滴を噴射させるときに、極めて均一な粒子径を有する微小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記ノズル11の開口径は、真円であれば直径を意味する。
液滴化されたトナー組成物含有液は次いで溶媒除去設備において溶媒を除去してトナー粒子とする。この溶媒除去設備は上記した各方式によって得られた液滴について共通のものであるので、これを図1に基づいて説明する。
なお、以下では、「恒率乾燥」及び「減率乾燥」という用語を用いているがこの用語について説明する。一般に、水分を含有する材料を乾燥用気体と接触させて加熱乾燥するとき、初期の予熱期間を経過すると直線的に含水率Wが減少する恒率乾燥期間を経て、含水率が直線的に低下せず飽和していく減率乾燥期間となる。液滴化したトナーについては水分を除去するのではなく溶媒を除去するのであるが、溶媒を除去する際にも前記と同様の現象がおこるので、本明細書においては、初期の予熱期間を経過して含水率が直線的に減少する脱溶媒現象を恒率乾燥といい、含水率が直線的に低下せず飽和していく脱溶媒現象を「減率乾燥」という。
恒率乾燥手段である前記溶媒除去設備3としては、液滴31の溶媒を除去することができれば特に制限はないが、液滴13飛翔方向と同方向に乾燥気体35を流すことにより気流を発生させ、該気流により、液滴31を溶媒除去設備3内で搬送させると共に、該搬送中に前記液滴31中の溶媒を除去させることにより、噴霧乾燥粒子(トナー粒子)Tを形成するのが好ましい。なお、ここで、「乾燥気体」とは、大気圧下の露点温度が−10℃以下の状態の気体を意味する。前記乾燥気体としては、液滴31を乾燥可能な気体であれば特に制限はなく、例えば、空気、窒素ガス、などが好適に挙げられる。
前記トナー捕集部4は、噴霧乾燥粒子を効率的に捕集し、搬送する観点から、噴霧乾燥粒子製造装置の底部に設けられた部材である。
前記噴霧乾燥粒子捕集部4の構造としては、噴霧乾燥粒子を捕集できれば特に制限はなく、適宜選択することができるが、上述の観点から、図示の例のように、開口径が漸次縮小するテーパー面41を有してなり、該開口径が入口部より縮小した出口部から、噴霧乾燥粒子Tを、乾燥気体41を用い、該乾燥気体41の流れを形成し、該乾燥気体の流れにより、噴霧乾燥粒子を噴霧乾燥粒子貯蔵容器に移送させるのが好ましい。
前記移送の方法としては、図示の例のように、乾燥気体により、噴霧乾燥粒子Tを噴霧乾燥粒子貯蔵容器6に圧送してもよいし、噴霧乾燥粒子貯蔵容器側から噴霧乾燥粒子Tを吸い込んでもよい。
さらに、該噴霧乾燥粒子Tの搬送をより効率的に行う観点から、噴霧乾燥粒子捕集部4、及び噴霧乾燥粒子捕集容器6が、導電性の材料で形成され、かつ、これらがアースに接続されているのがより好ましい。また、前記トナー製造装置は、防曝仕様であることが好ましい。
本発明のトナー製造方法は減率乾燥手段を前記恒率乾燥手段と別途に設ける。恒率乾燥工程中の噴霧粒子温度を使用する樹脂のガラス転移点未満とすると、恒率乾燥工程後の噴霧粒子には10000ppm以上の溶媒が残留する。残留する残留溶媒を効率的に除去するのは非常に困難である。
そのような残留溶媒値の噴霧粒子をトナーとして用いることは臭気、安全性等の問題が発生する。その為に残留溶媒値を200ppm未満にする必要がある。好ましくは50ppm未満である。
このときの外添剤の体積平均粒径は50nm以上必要であり、好ましくは100nm以上である。50nm未満の粒子は混合後すぐに噴霧粒子に埋没しすぐにスペーサー効果がなくなってしまう。
図24は、本発明に係る電子写真式画像形成装置の一実施の形態であるカラー画像形成装置の内部構成図の一例を示す。この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は二成分現像剤を用いた電子写真方式の全てに適用されるものであり、本具体例に限ったものではない。図中符号100は複写装置本体、200は複写装置本体100を載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ(読取り光学系)、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体100の中央位置には、横方向へ延びる無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図示例では中間転写体を3つの支持ローラ14、15、16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
本発明においては、上述の感光体211、帯電装置手段212、現像手段213及びクリーニング手段214等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
像転写後の感光体の表面は、少なくともブレードクリーニング部材を持つクリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
本実施例では酢酸エチルを有機溶媒として用いた。
(a)ポリエステル樹脂A: DIC社製 試作品69.3℃
1%固形分液ヘイズ値2.8% 30%固形分液ヘイズ値0.8%
(b)ポリエステル樹脂B: 三洋化成社製 試作品 軟化点62.4℃
1%固形分液ヘイズ値5.2% 30%固形分液ヘイズ値1.2%
(c)スチレンアクリル樹脂: 三洋化成社製 試作品 軟化点75.3℃
1%固形分液ヘイズ値0.1% 30%固形分液ヘイズ値0.3%
(d)アクリルウレタン樹脂: 日本ポリウレタン社製 試作品 軟化点測定不可
1%固形分液ヘイズ値0.1% 30%固形分液ヘイズ値0.3%
(e)フェノールノボラック樹脂: DIC社製 TD−2090 軟化点120℃
1%固形分液ヘイズ値0.1% 30%固形分液ヘイズ値0.1%
(f)帯電制御樹脂A: 藤倉化成社製 FCA−2508N 試作品 軟化点測定不可
1%固形分液ヘイズ値0.3% 30%固形分液ヘイズ値0.9%
各樹脂、酢酸エチルを1:1:18の混合比で溶解させた溶解液のヘイズ値が3%未満を○、3%以上を×とした。
上記の試験結果を表1に示す。
各樹脂、酢酸エチルを1:1:18の混合比で溶解させた溶解液を噴射乾燥した粉体断面をTEM観察し、樹脂の分離が確認できる場合を○、確認できない場合を×とした。
上記の試験結果を表2に示す。
[着色剤分散液A]
シアン顔料(P.B.15:3 東洋インキ社製PFG7351) 10部
着色剤分散剤A(味の素社製試作品) 1部
酢酸エチル 39部
を混合攪拌した液を1mm径のジルコニアビーズを用いてボールミルにて分散し、該分散液に
(a)ポリエステル樹脂A 9部
酢酸エチル 41部
を混合攪拌し溶解させた溶解液を投入後、ペイントシェーカーにて8時間分散し着色剤分散液Aを得た。
シアン顔料(P.B.15:3 東洋インキ社製PFG7351) 10部
着色剤分散剤A(味の素社製試作品) 1部
酢酸エチル 39部
を混合攪拌した液を1mm径のジルコニアビーズを用いてボールミルにて分散し、該分散液に
(b)ポリエステル樹脂B 9部
酢酸エチル 41部
を混合攪拌し溶解させた溶解液を投入後、ペイントシェーカーにて8時間分散し着色剤分散液Bを得た。
シアン顔料(P.B.15:3 東洋インキ社製PFG7351) 10部
着色剤分散剤B(味の素社製試作品) 1部
酢酸エチル 39部
を混合攪拌した液を1mm径のジルコニアビーズを用いてボールミルにて分散し、該分散液に
(d)アクリルウレタン樹脂 9部
酢酸エチル 41部
を混合攪拌し溶解させた溶解液を投入後、ペイントシェーカーにて8時間分散し着色剤分散液Cを得た。
マゼンタ顔料(P.R.269 DIC社製1022KB) 10部
着色剤分散剤B(EFKA社製) 1部
酢酸エチル 39部
を混合攪拌した液を1mm径のジルコニアビーズを用いてボールミルにて分散し、該分散液に
(e)フェノールノボラック樹脂 9部
酢酸エチル 41部
を混合攪拌し溶解させた溶解液を投入後、ペイントシェーカーにて8時間分散し着色剤分散液Dを得た。
次に、結着樹脂としての樹脂、及びワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
結着樹脂としてのポリエステル樹脂A300質量部、パラフィンワックス(HPE−11)90質量部、マレイン酸変性パラフィンワックス(P−166)10質量部を、酢酸エチル600質量部に、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施した。
[トナー組成物含有液Aの調製](比較例)
着色剤分散液A 50質量部
ワックス分散液 50質量部
(a)ポリエステル樹脂A 70質量部
酢酸エチル 830質量部
を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成物含有液Aを作成した。
トナー組成物含有液Aは作成直後、室温放置3日後でも安定した分散状態を保っていた。
着色剤分散液B 50質量部
ワックス分散液 50質量部
(a)ポリエステル樹脂A 70質量部
酢酸エチル 830質量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成物含有液Aを作成した。
トナー組成物含有液Bは作成直後は安定した分散状態を保っていたが、室温放置3日後には着色剤が沈降し、透明な上澄液が生じていた。
着色剤分散液C 50質量部
ワックス分散液 50質量部
(a)ポリエステル樹脂A 70質量部
酢酸エチル 830質量部
を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成物含有液Aを作成した。
トナー組成物含有液Cは作成直後、室温放置3日後でも安定した分散状態を保っていた。
着色剤分散液D 50質量部
ワックス分散液 50質量部
(a)ポリエステル樹脂A 70質量部
酢酸エチル 830質量部
を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成物含有液Dを作成した。
トナー組成物含有液Dは作成直後、室温放置3日後でも安定した分散状態を保っていた。
着色剤分散液B 50質量部
ワックス分散液 50質量部
(c)スチレンアクリル樹脂 70質量部、酢酸エチル830質量部を混合、ホモミキサーで攪拌し固形分10%トナー組成物含有液Eを作成した。
トナー組成物含有液Eは作成直後に着色剤が凝集し、室温放置10分で着色剤が沈降し、透明な上澄液が生じていた。
トナー組成物含有液Aに(f)帯電制御樹脂A0.5質量部、酢酸エチル9.5質量部を混合攪拌しトナー組成物含有液Fを作成した。
トナー組成物含有液Fは作成直後に着色剤が凝集し、室温放置10分で着色剤が沈降し、透明な上澄液が生じていた。
トナー組成物含有液Cに(f)帯電制御樹脂A0.5質量部、酢酸エチル9.5質量部を混合攪拌しトナー組成液Gを作成した。
トナー組成物含有液Gは作成直後、室温放置3日後でも安定した分散状態を保っていた。
各トナー組成物含有液における結着樹脂と着色剤樹脂との組み合わせ、及び分散状態についての結果をまとめると次の表3に示すとおりである。
トナー組成物含有液Cの室温放置3日後の状態を示す図を図28Cとして、また、トナー組成物含有液Aの室温放置3日後の状態を示す図を図28Dとして示した。
作成したトナー組成物含有液のうち作成直後では分散状態を保つトナー組成物含有液A,B,C,D,Gを図1、図11、図22に示した電子写真用トナー製造装置を用いて噴霧乾燥させてトナー母体A,B,C,D,G、A’,B’,C’,D’,G’、A”,B”,C”,D”,G”を得た。
具体的には上述の方法で製造されるが、貯留部へ定量的に供給し、貯留部の一部に接する振動手段により、前記貯留部を介してトナー組成物含有液を励振しながら、貯留部に設けた複数の貫通孔より該トナー組成物含有液を造粒空間に放出し、トナー組成物含有液を柱状から括れ状態を経て液滴化し、該液滴を造粒空間において固体粒子に変化させる振動チャンバーノズルヘッド(図23参照)を用いた噴霧手段を用いて噴霧乾燥した後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥してトナー母体A,B,C,D,Gを作成した。
更にチャンバーノズルヘッドを用いた噴霧手段の代わりにトナー組成物含有液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該薄膜のノズルから前記トナー組成液を周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化する機械的縦振動手段の液噴射ユニット(図1参照)を用いた噴霧手段を用いて噴霧乾燥した後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥してトナー母体A’,B’,C’,D’,G’を作成した
更にリング式の液滴噴射ユニット(図11参照)を用いた噴霧手段を用いて噴霧乾燥した後、流動層乾燥機にて50℃雰囲気で減率乾燥してトナー母体A”,B”,C”,D”,G”を作成した。
また、得られたトナー母体のTEM断面観察を行い、トナー内部の顔料分散状態及び結着樹脂と着色剤分散用樹脂の分離状態を確認した。
図28AにトナーCの、図28BにトナーAのそれぞれの断面写真を示した。
測定装置:針入度試験機(日科エンジニアリング)、ダイヤルゲージ、針、針保持具、重り、架台,水準器、水平調整ネジ、タッピングマシン、30mlスクリューバイアル、恒温槽
(1)30mlスクリューバイアルにトナー母体を10g入れ蓋をする。
(2)そのスクリューバイアルをタッピングマシンにセットし100回タッピングする。
(3)タッピング後の資料を槽内温度50℃とした恒温槽に24時間放置する。
(4)恒温槽から取り出し、23℃環境に2時間放置する。
(5)放置後蓋を開け針入度試験機にセットする。
(6)落下した針のトナー層に刺さった深さを読み取る。
(7)10回測定し平均値を求める。
針の進入した深さが深いほどトナーの耐熱保存性が優れている。ここでは3mm以上を合格、3mm未満を不合格とした。
試験結果を表4に示す。
各噴射手段を用いたトナー母体A,B,C,D,G、A’,B’,C’,D’,G’、A”,B”,C”,D”,G”の記号が同じトナー母体は同材料構成、同状態の為、基本的には同じ特性を示す。以下ではトナー母体A,B,C,D,G、について外添剤の混合を行いトナーを作成した例を評価する。
トナー母体A,B,C,Dに100質量部に対しH1303(疎水化シリカ)1.5質量部、MA150AI(疎水化チタニア)0.8質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーA,B,C,Dを得た。前記外添剤は流動性の付与及び帯電特性の調整の為混合した。
トナー母体Gは、母体の帯電能力が優れており、耐熱性も向上しているため外添剤での帯電能力の必要がなく、流動性の調整の為、トナー母体G 100質量部に対しH1303(疎水化シリカ)0.5質量部、MA150AI(疎水化チタニア)0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、トナーGを得た。
本発明のトナーは一成分現像剤、二成分現像剤どちらかに限られるものではないが、本実施例では下記のキャリアとトナー:キャリアが7:93となるよう混合し二成分現像剤A,B,C,D,Gとして評価を行った。
芯材:平均粒径35ミクロンの球形フェライト粒子
コート材:シリコーン樹脂とメラミン樹脂の混合物
前記装置の現像ユニットに現像剤を投入し、付着量0.3mg/cm2に調整した5cm×5cmのベタ画像を特菱アート(三菱製紙社製110K紙)に光沢度30となる定着温度で出力し、1枚目、10枚目、100枚目、1000枚目、10000枚目についてX-Rite918にてID及びL*a*b*を測定し画質評価を行い、平均値及びバラツキ巾を評価した。トナー粒子内の顔料分散状態は画像のID、彩度c*(√(a*2+b*2))に表れ、分散状態が優れているほど値が大きくなる。
試験結果を表5に示す。
2 液滴噴射ユニット
3 溶媒除去設備(粒子形成部)
4 トナー捕集部
5 チューブ
6 トナー捕集部
7 原料収容部
8 配管
9 ポンプ
10 トナー組成液
11 ノズル
12 薄膜
13 振動手段
13a振動面
14 貯留部
15 流路部材
16 液滴化手段
17 振動発生手段(電気機械変換手段)
18 液供給チューブ
19 気泡排出チューブ
20 支持部材
21 振動発生手段
21A 圧電体
22 振動増幅手段
22A ホーン
23 駆動回路(駆動信号発生源)
24 通信手段
31 液滴
35 気流
36 気流路形成部材
37 気流路
80 ホーン型振動子
81 圧電体
82 ホーン
83 固定部
90 ランジュバン型振動子
91 圧電体
92 ホーン
T トナー粒子
Claims (14)
- 少なくとも結着樹脂と、着色剤の分散に用いる着色剤分散樹脂と着色剤とを有機溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成物含有液を、該トナー組成物含有液を気相中で液滴化し、次いで液滴を固体粒子化して製造された電子写真用トナーにおいて、着色剤分散樹脂が結着樹脂とは異なり、有機溶媒中では結着樹脂と相溶するが乾燥後の電子写真用トナー中では結着樹脂と分離することを特徴とする電子写真用トナー。
- 前記着色剤分散用樹脂の有機溶媒溶解液が固形分含有量が低くなるほど溶解液のヘイズ値が小さくなることを特徴とする請求項1の電子写真用トナー。
- 前記結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1、2の電子写真用トナー。
- 前記トナー組成物含有液が平均分子量1000未満の結晶性化合物又は結晶性化合物組成物からなる有機低分子材料を更に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 少なくとも結着樹脂と、該結着樹脂とは異なる着色剤分散用樹脂であって、有機溶媒中では結着樹脂と相溶するが乾燥後の電子写真用トナー中では結着樹脂と分離する着色剤分散樹脂と着色剤とを有機溶媒に溶解乃至分散させたトナー組成物含有液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルから、該トナー組成物含有液を放出して液滴化する液滴化工程と、液滴化されたトナー組成物含有液を固体粒子化する粒子形成工程とを有することを特徴とするトナーの製造方法。
- 前記液滴化工程は、トナー組成物含有液を貯留する貯留部に設けた複数のノズルを有する薄膜を機械的振動手段によって振動させることによって該ノズルからトナー組成物含有液を周期的に放出し、液滴化する周期的液滴化工程であることを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段は、前記薄膜のノズルを設けた領域の周囲に円環状に形成された振動発生手段であることを特徴とする請求項6記載のトナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段は、前記薄膜に対して平行な振動面を有し、該振動面が垂直方向に縦振動する振動手段であることを特徴とする請求項6記載のトナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段がホーン型振動子であることを特徴とする請求項8記載のトナーの製造方法。
- 前記液滴化工程は、トナー組成物含有液を貯留する貯留部から、該貯留部に備えられた貫通孔より前記トナー組成物含有液を吐出する吐出工程と、該吐出工程で吐出されたトナー組成物含有液を、柱状から括れ状態を経て液滴化する液滴化工程であることを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
- 前記貫通孔は、振動チャンバーノズルヘッドであることを特徴とする請求項10に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 前記機械的振動手段の振動周波数が20kHz以上2.0MHz未満であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式画像形成装置。
- 請求項1〜4いずれかに記載の電子写真用トナーを用いたことを特徴とする電子写真式プロセスカートリッジ。
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