JP2009041800A - 熱分解炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉本体内の温度を速やかに50℃〜300℃程度の低温熱分解温度に上昇させる熱分解炉を提供する。
【解決手段】熱分解炉100の炉本体10の底面部に多孔性かつ保熱性を有する粉粒体により形成された粉粒体層20を設ける。また、熱源である発熱体31乃至33は、粉粒体層20内を貫き上方に向かって突出するように炉本体10内に位置している。熱分解対象物を熱分解炉100で熱分解させる場合、対象物投入扉12を開けて、対象物投入口11から紙屑等および熱分解対象物を投入して粉粒体層20の上に敷き詰める。次に発熱体制御部34により発熱体31乃至33を発熱させ、粉粒体層20、紙屑等および熱分解対象物を加熱する。炉本体10内の温度が50℃〜300℃程度の低温熱分解温度になると、熱分解対象物は燃焼して熱分解を始める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物を低温熱分解温度で燃焼させて熱分解を行う熱分解炉に関し、特に速やかに熱分解炉内の温度を低温熱分解温度に上昇させる熱分解炉に関する。
従来、廃棄物の処理は、焼却炉によって廃棄物を焼却することにより実施されていた。ところが、焼却炉で廃棄物を焼却する際にダイオキシン等の有害物質が発生したり、また悪臭が発生したりするため、問題となっていた。以上の問題を解決する焼却炉として、廃棄物を約800℃以上の高温で燃焼させることにより完全燃焼させた後に、完全燃焼させた廃棄物を急速冷却する焼却炉が開発された。
しかしながら、上記焼却炉は廃棄物を約800℃以上の高温で燃焼させる結果、炉内の温度が著しく上昇することになるため、極めて耐熱性に優れた焼却炉を必要とする。極めて耐熱性に優れた焼却炉は、多大なコストを要するため、コスト面で問題点があった。
そこで近年、廃棄物を200℃〜300℃程度で熱分解させる熱分解室を備えた低温ガス化分解装置が提案された(例えば、特許文献1参照。)。上記低温ガス化分解装置は、低温ガス化分解装置内部に設けられた焼却炉の炉本体に相当する熱分解室の底面に火床を備え、火床の上に保熱性材料を敷き、保熱性材料の上に廃棄物を敷く構成になっている。
上記低温ガス化分解装置によれば、火床の加熱を通じて保熱性材料を加熱することによって、保熱性材料の上に敷かれた廃棄物を200℃〜300℃程度で燃焼させて熱分解することができる。これにより、熱分解室の温度を200℃〜300℃程度に抑えることができるため、極めて耐熱性に優れた熱分解室を用いなくても廃棄物の処理ができる。
特開2006−223972号公報
しかしながら、上記低温ガス化分解装置では、火床の加熱を通じて保熱性材料を加熱するため、保熱性材料の温度を上昇させるのに比較的時間を要するという問題点があった。仮に保熱性材料の温度を上昇させる時間を短縮させるために、火床の温度を一時的に高温にしたり、外部から熱分解室に高温の火種を投入したりすると今度は熱分解室内の温度が上昇し過ぎる場合もあり、廃棄物の熱分解の際にダイオキシン等の有害物質を発生させてしまうおそれがあった。
また、上記低温ガス化分解装置では、上記説明したように保熱性材料の温度を上昇させるのに比較的時間を要するため、火床を加熱してから廃棄物の熱分解終了までに比較的時間を要することになる。その結果、低温ガス化分解装置により処理される廃棄物の単位時間当たりの量は低くなる。
そこで、本発明は、炉本体内の温度を速やかに50℃〜300℃程度の低温熱分解温度に上昇させる熱分解炉を提供することを目的とする。なお、本発明において低温熱分解温度とは、対象物を燃焼した際にダイオキシンを発生させない温度を言い、例えば50℃〜300℃程度の温度を言う。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の熱分解炉は、熱分解の対象物である熱分解対象物を低温熱分解温度で熱分解する熱分解炉において、上記熱分解対象物を収容する炉本体と、多孔性かつ保熱性を有する粉粒体により上記炉本体の内側底面部の上に形成された粉粒体層と、上記粉粒体層内を貫き上方に向かって突出した熱を発生する少なくとも1つの発熱体とを具備することを特徴とするものである。これにより、炉本体内の温度を速やかに低温熱分解温度に上昇させるという作用をもたらす。
また、本発明の熱分解炉において、磁性体により形成され、上記炉本体の内側底面部より上方に向かって突出した突出部材と、上記突出部材の所定の位置に配した磁石とをさらに具備することを特徴とする。これにより、炉本体内の温度をさらに速やかに低温熱分解温度に上昇させるという作用をもたらす。
また、本発明の熱分解炉において、上記突出部材は、上記炉本体の内側底面部より下に突出し、上記磁石は、上記炉本体の内側底面部より下に位置する上記突出部材の所定の位置に配されたことを特徴とする。これにより、磁石の磁力を低下させないという作用をもたらす。
また、本発明の熱分解炉において、上記炉本体の外側から空気を取り入れる少なくとも1つの外気取入管と、上記外気取入管の外縁に配された磁石とをさらに具備することを特徴とする。これにより、炉本体内に取り入れられる酸素を活性化させるという作用をもたらす。
また、本発明の熱分解炉において、上記磁石が配された上記外気取入管は、少なくとも2つ設けられており、磁性体により形成され、上記磁石と磁石との間を架橋して配された架橋部材をさらに具備することを特徴とする。これにより、炉本体内の温度をさらに速やかに低温熱分解温度に上昇させるという作用をもたらす。
また、本発明の熱分解炉において、上記炉本体の外側面付近に少なくとも1つの磁石を配したことを特徴とする。これにより、炉本体内の酸素の活性化した状態を維持させるという作用をもたらす。
また、本発明の熱分解炉において、上記磁石を配した位置に対応する上記炉本体の内側面と外側面との間に空隙をさらに設けたことを特徴とする。これにより、磁石の磁力を低下させないという作用をもたらす。
また、本発明の熱分解炉において、上記炉本体の所定の内側面に遠赤外線放射塗料を塗布したことを特徴とする。これにより、炉本体内の温度をさらに速やかに低温熱分解温度に上昇させるという作用をもたらす。
本発明によれば、熱分解炉における炉本体内の温度を速やかに低温熱分解温度に上昇させるという優れた効果を奏し得る。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における熱分解炉100を示す図である。本発明の実施の形態における熱分解炉100は、熱分解させる対象物(以下、熱分解対象物と呼ぶ。)を概ね50℃〜300℃程度の低温熱分解温度で燃焼させて熱分解することを想定したものである。これにより、ダイオキシンが発生する温度以下の温度で熱分解を実現できるため、熱分解対象物の熱分解に際してダイオキシンの発生を抑えることができる。
熱分解炉100は、炉本体10と、対象物投入口11と、対象物投入扉12と、粉粒体層20と、発熱体31乃至33と、発熱体制御部34と、突出部材41と、磁石42と、磁石51および52と、空隙60と、外気取入管71および72と、磁石73および74と、架橋部材80と、遠赤外線放射塗料90とを備える。
炉本体10は、熱分解対象物を収容するものである。そして、熱分解対象物の熱分解は炉本体10内で行われる。また、炉本体10は、耐熱材により形成されている。なお、熱分解炉100は、上記説明したように対象物を低温熱分解温度で熱分解させるため、炉本体10を極めて耐熱性に優れたものにしなくても済む。このため、熱分解炉100の製造コストを低減することができる。ただし、以上の説明は、極めて耐熱性に優れた炉本体10を本発明の実施の形態における熱分解炉100から除外する趣旨ではない。
また、炉本体10の形状として、例えば中空円柱形状が想定されるが、これに限るものではなくその他の形状であってもよい。また、炉本体10は、内側面と外側面との間に空隙を設けた構造にしてもよい。具体的には、炉本体10の構造として、外側面を構成する中空円柱体の内部に一回り小さな中空円柱体を保持させた二重構造が想定されるが、これに限るものではない。こうすることによって、炉本体10の外側面の温度の上昇を妨げることができる。
対象物投入口11は、外部から炉本体10内に熱分解対象物を投入するために設けられた開口である。そして、対象物投入口11には、開閉自在な対象物投入扉12が取り付けられている。外部から炉本体10内に熱分解対象物を投入する際には、対象物投入扉12を開いて熱分解対象物を投入する。また、対象物投入扉12を閉めることにより、対象物投入口11を外部空間から遮断することができる。
なお、図1において熱分解対象物は、炉本体10の側面に設けられた対象物投入扉12付きの対象物投入口11より投入する構成になっているが、これに限るものではなく炉本体10の上端面に開閉扉付の投入口を設けてその投入口から熱分解対象物を投入する構成であっても良い。
粉粒体層20は、多孔性かつ保熱性を有する粉粒体により炉本体10の内側底面部の上に形成された層である。粉粒体層20は、炉本体10の内側底面部の上に多孔性かつ保熱性を有する粉粒体を対象物投入口11から所定量投入して炉本体10の内側底面部の上に敷き詰めることにより形成することができる。なお、多孔性かつ保熱性を有する粉粒体として、例えば磁性セラミックス灰が想定されるが、これに限るものではなく、多孔性かつ保熱性を有する粉粒体であればその他の粉粒体でもよい。
多孔性かつ保熱性を有する粉粒体として、磁性セラミックス灰を採用した場合、磁性セラミックス灰により、炉本体10内に磁場を形成することができる。一般的に、酸素等の気体が磁場を通過すると、その酸素等の気体は活性化すると考えられている。このため、炉本体10内の酸素等の気体は磁性セラミックス灰により形成される磁場により活性化される。これにより、炉本体10内の酸素が少量であっても炉本体10内における熱分解対象物の低温熱分解温度での燃焼を継続させることができる。
粉粒体層20は、多孔性を有する粉粒体により構成されているため、熱分解対象物が熱分解される際に発生する水分を吸収することができる。また、粉粒体層20は、保熱性を有する粉粒体により構成されているため、粉粒体層20を加熱すると粉粒体層20は長い時間遠赤外線を放射することができる。これにより、粉粒体層20は、炉本体10内に投入された熱分解対象物の温度を短時間に上昇させることに資する。
発熱体31乃至33は、熱を発生する熱源であり、粉粒体層20内を貫き上方に向かって突出している。発熱体31乃至33として、例えば円柱形状のヒーターが想定されるが、これに限るものではない。すなわち、発熱体31乃至33の形状は円柱形状以外であってもよいし、また、ヒーター以外の熱源であってもよい。
図1において発熱体31乃至33は円柱形状になっているが、発熱体31乃至33の一端は炉本体10の内側底面部に固定され、他端は粉粒体層20内を貫き粉粒体層20よりも上に位置している。
発熱体制御部34は、炉本体10内の温度が低温熱分解温度内に維持されるように発熱体31乃至33を発熱させるものである。すなわち、発熱体制御部34は、炉本体10内の温度が低温熱分解温度内になるように発熱体31乃至33の発熱を制御している。
発熱体制御部34の温度制御態様の一例を以下説明する。発熱体制御部34に設けられた(図示しない)操作部を操作して発熱体31乃至33の発熱を開始させる。発熱体制御部34は、炉本体10内の温度を計測する(図示しない)温度センサから供給される情報により炉本体10内の温度を監視して、炉本体10内の温度が低温熱分解温度内に維持されるように発熱体31乃至33の発熱を制御する。
炉本体10の内側底面部を以上のように構成すれば、上記従来技術で説明した火床により保熱性材質を加熱する場合よりも速やかに炉本体10内の温度を上昇させられることが出願人により確認されている。上記従来技術で説明した火床により保熱性材質を加熱する場合よりも本発明の構成のほうが炉本体10内の温度を早く上昇させられるのは、本発明の発熱体31乃至33は粉粒体層20に放射状に熱を伝えるのに対し、上記従来技術で説明した火床により保熱性材質を加熱する場合はその構成上保熱性材料の底部から上部に順にしか熱を伝えられないからであると推測される。
突出部材41は、磁性体により形成されており、その一端が炉本体10の内側底面部より上方に向かって突出している。また、突出部材41は、その他端が炉本体10の内側底面部より下に突出するように配しても良い。
突出部材41の形状として、円筒形状が想定されるが、これに限るものではなく、その他の形状(例えば、円柱形状)であっても良い。さらに突出部材41の側面に少なくとも1つ以上の孔を設けるようにしてもよい。その孔の位置は、炉本体10内に位置する突出部材41の側面であってもよいし、炉本体10の外側に位置する突出部材41の側面であってもよい。また、突出部材41の材質として、鉄が想定されるが、これに限るものではなく、その他の磁性体であってもよい。
図1において円筒形状の突出部材41は、炉本体10の内側底面部の中心に位置しており、その一端が粉粒体層20を貫き上方に向かって突出している。そして、突出部材41の他端は炉本体10の内側底面部より下に突出している。そして、突出部材41の他端付近に磁石42が配されている。この磁石42により突出部材41は磁化される。
他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けた場合、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けない場合に比べて、炉本体10内の温度を速やかに上昇させられると出願人は推測した。そして、出願人は、そのことを確認するため、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けた場合と他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けない場合とにおける炉本体10内の温度の上がり方を測定した。
なお、上記の測定に用いた炉本体10の材質は鉄で、形状は中空円柱形状(中空円柱形状の内直径約1340mm、中空円柱形状の外直径約1380mm、中空円柱形状の高さ約1545mm)である。また、上記の測定に用いた突出部材41の材質は鉄で、形状は側面に多数の孔を設けた円筒形状である。その円筒形状の突出部材41の直径および高さは、それぞれ約70mm、約1236mm(炉本体10の高さの約4/5)である。そして、突出部材41は、炉本体10の内側底面部の中心に位置するように設置した。また、発熱体31乃至33の温度を約300℃とし、炉本体10の底面に磁性セラミックス灰を敷いた。
以上のような条件で約1.8mの熱分解対象物を炉本体10内に投入して炉本体10内の温度を測定した結果、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けた場合は、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けない場合に比べて約半分の時間で所定の低温熱分解温度に達した。以上の結果から明らかなように、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けた場合、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けない場合に比べて、炉本体10内の温度を速やかに上昇させられる。
以上のような結果になるのは、突出部材41自体の温度が発熱体31乃至33等により上昇させられ、突出部材41自体が発熱体31乃至33と同様に発熱体としての役割を果たすからであると推測される。
また、以上のような結果になるのは、突出部材41の上端部から炉本体10内にある活性化された酸素が入り込み、突出部材41の側面に設けられた多数の孔からその活性化された酸素が突出部材41の外周付近に位置する熱分解対象物に供給されるためであると推測される。活性化された酸素が突出部材41の外周付近に位置する熱分解対象物に供給されると、突出部材41の外周付近に位置する熱分解対象物の熱分解が促進される。その結果炉本体10内の温度が上昇する。
さらに、以上のような結果になるのは、突出部材41の他端付近に磁石42を配しているため、突出部材41自体が磁化され炉本体10内に磁場を形成して炉本体10内の酸素等を活性化させるからであると推測される。その結果、炉本体10内の酸素等は活性化された状態を維持することができるため、炉本体10内における熱分解対象物の熱分解を促進させることができる。その結果炉本体10内の温度が上昇する。
上記測定において炉本体10、突出部材41の大きさ等の条件を変えたとしても以上述べた理由により、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けた場合、他端付近に磁石42を配した突出部材41を炉本体10に取り付けない場合に比べて、炉本体10内の温度を速やかに上昇させられると考えられる。
磁石51および52は、炉本体10の外側底面部付近に配されている。すなわち、磁石51および52は、炉本体10の外側底面部に直接配される構成であってもよいし、炉本体10の外側底面部より所定距離離して配される構成であってもよい。また、磁石51および52は、炉本体10の外側底面部付近以外の場所、例えば外側側面部付近または外側上面部付近に配されてもよい。
磁石51および52を炉本体10の外側面付近に配することによって、炉本体10内に磁場を形成することができる。これにより、炉本体10内の酸素等の気体を活性化することができると考えられるため、その結果少量の酸素でも熱分解対象物の低温熱分解温度での燃焼を継続させることができる。
空隙60は、炉本体10の内側底面部と外側底面部との間に設けられた空間である。空隙60を設けることにより、炉本体10内の温度が磁石51および52に伝わることを妨げられる。これにより、磁石51および52の磁力が低下するのを妨げることができる。なお、磁石51および52を炉本体10の外側底面部より下方に所定距離離した位置に固定すれば、炉本体10内の温度が磁石51および52に伝わることをより一層妨げることができ、磁石51および52の磁力を維持することができる。
また、磁石51および52が外側底面部付近以外の場所に配された場合は、空隙60は、磁石51および52が配された場所に対応する位置における炉本体10の内側面部と外側面部との間に設けるとよい。
外気取入管71および72は、例えば自然吸気により、外気を炉本体10内に取り入れる管である。なお、多量の外気を炉本体10内に取り入れると、炉本体10内における熱分解により発生する熱分解ガスが多量になるため、外気取入管71および72により炉本体10内に取り入れられる外気の量は、少量とすることが好ましい。
また、磁石73および74は、それぞれ外気取入管71および72の外縁に配されている。外気取入管71および72の外縁に磁石73および74を配すると、外気取入管71および72内には磁場が形成され、外気取入管71および72を通じて取り入れられる外気は磁場を通過する。
上記説明したように酸素等の気体が磁場を通過すると、その酸素等の気体は活性化すると考えられている。したがって、外気取入管71および72を通じて取り入れられる外気に含まれる酸素等が磁場の影響で活性化された状態で炉本体10内に取り入れられることになる。これにより、炉本体10内に取り入れられた酸素が少量であっても、酸素が活性化した状態にあるため、炉本体10内における熱分解対象物の低温熱分解温度での燃焼を継続させることができる。
なお、外気取入管71および72に、例えばバルブのような外気通路の開閉を行う機構である(図示しない)外気通路開閉機構を設けてもよい。そして、外気通路の開閉は、例えば外気通路の開閉の制御を行う(図示しない)外気通路開閉制御部からの指示によって行われるようにしてもよい。外気通路開閉制御部は、例えば炉本体10内の温度に応じて外気通路の開閉の指示を出すことが想定されるが、これに限るものではない。これにより、炉本体10内に取り入れられる外気の量を制御することができる。
架橋部材80は、磁性体により形成されており、磁石73と磁石74との間を架橋して配された部材である。架橋部材80としては、鉄線や金属棒が想定されるが、これに限るものではない。これは、上記説明した突出部材41と同様の効果を得ることができる。その理由も上記説明した突出部材41の場合と同様である。
遠赤外線放射塗料90は、加熱されると遠赤外線を放射する塗料である。遠赤外線放射塗料90は、炉本体10の所定の内側面に塗布される。図1において遠赤外線放射塗料90は炉本体10の内側側面に塗布されているが、これに限るものではなく、内側上面部および内側底面部に塗布するようにしてもよい。これにより、炉本体10内の温度を一定に保ちやすくなる。
熱分解ガス排出管110は、炉本体10内で熱分解を行った結果発生した熱分解ガスを排出する排出管である。図1において熱分解ガス排出管110は、炉本体10の上端面から引かれているが、これに限るものではない。炉本体10内で行われた熱分解対象物の熱分解の結果発生した熱分解ガスは、熱分解ガス排出管110を通じて吸引部120により吸引される。熱分解ガス排出管110の他端は(図示しない)浄化装置と接続されており、熱分解ガスは、(図示しない)浄化装置に送られて浄化される。
次に本発明の実施の形態における熱分解炉100の動作について図面を参照して説明する。
図2は、本発明の実施の形態における熱分解炉100により熱分解対象物を熱分解させる流れを示す図である。まず、図2(a)に示すように熱分解炉100の対象物投入扉12を開けて、対象物投入口11から紙屑、オガ屑等の助燃物210を炉本体10内に投入して粉粒体層20の上に助燃物210を敷き詰める。これにより、炉本体10内において粉粒体層20の上に助燃物210により形成された助燃物層211が位置するようになる。なお、本発明の実施の形態において助燃物とは、燃焼しやすい物質を言う。
次に、図2(b)に示すように対象物投入口11から熱分解対象物220を炉本体10内に投入して助燃物層211の上に熱分解対象物220を敷き詰める。炉本体10内において助燃物層211の上に熱分解対象物220により形成された熱分解対象物層221が位置するようになる。熱分解対象物220の投入が終了した後に、図2(c)に示すように対象物投入扉12を閉めて対象物投入口11を外部空間から遮断する。
次に、発熱体31乃至33を発熱させる。発熱体31乃至33を発熱させる場合、例えば発熱体制御部34に設けられた(図示しない)操作部を操作して発熱体31乃至33の発熱を開始させる。発熱体制御部34は、炉本体10内の温度を計測する(図示しない)温度センサから供給される情報により炉本体10内の温度を監視して、炉本体10内の温度が低温熱分解温度内に維持されるように発熱体31乃至33の発熱を制御する。
発熱体31乃至33を発熱させると、まず、粉粒体層20が加熱されて、粉粒体層20を構成する粉粒体から遠赤外線が放射される。粉粒体から遠赤外線が放射されると、助燃物層211における助燃物が加熱されて燃焼を始め、その燃焼より発生する熱により熱分解対象物層221における熱分解対象物が燃焼され熱分解が始まる。
本発明の実施の形態における熱分解炉100は、図1において説明したように従来の熱分解炉よりも速やかに温度を上昇させられる構成になっているため、発熱体31乃至33を発熱させてから熱分解対象物の熱分解が始まるまでの時間が短い。
なお、熱分解対象物および助燃物の燃焼に際して酸素が必要になるが、この酸素は外気取入管71および72の自然吸気により炉本体10の外部から炉本体10内に取り入れられる。外気取入管71および72の自然吸気により炉本体10内に取り入れられる酸素は少量である。このため、熱分解により発生する熱分解ガスの量を低減させることができる。
そして、外気取入管71および72の外縁に配された磁石73および74が形成する磁場により、外気取入管71および72を通る酸素が活性化されると考えられるため、炉本体10内に取り入れられる外気が少量であっても、熱分解対象物の低温熱分解温度での燃焼を継続させることができる。
なお、熱分解炉100には、さらに炉本体10の外側面付近に磁石51および52が配されているため、炉本体10内にも磁場が形成される。また、粉粒体層20を磁性セラミックス灰により形成した場合、磁性セラミックス灰による磁場も炉本体10内に形成される。このため、炉本体10内に存在する酸素等の気体を漏れなく活性化させられると考えられるため、熱分解対象物の低温熱分解温度での燃焼を継続させることに資する。
熱分解対象物層221における熱分解対象物を所定時間燃焼させて、図2(d)に示すように熱分解対象物を所定の炭化物231に変化させることにより、熱分解は終了する。
このように、本発明の実施の形態における熱分解炉100によれば、炉本体10内の温度を速やかに上昇させることができる。これにより、発熱体31乃至33を発熱させてから熱分解対象物の熱分解が終了するまでの時間を低減することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
本発明の実施の形態における熱分解炉100を示す図である。 本発明の実施の形態における熱分解炉100により熱分解対象物を熱分解させる流れを示す図である。
符号の説明
11 対象物投入口
12 対象物投入扉
20 粉粒体層
31、32、33 発熱体
34 発熱体制御部
41 突出部材
42、51、52、73、74 磁石
60 空隙
71、72 外気取入管
80 架橋部材
90 遠赤外線放射塗料
100 熱分解炉
110 熱分解ガス排出管
120 吸引部
210 助燃物
211 助燃物層
220 熱分解対象物
221 熱分解対象物層
231 炭化物

Claims (8)

  1. 熱分解の対象物である熱分解対象物を低温熱分解温度で熱分解する熱分解炉において、
    前記熱分解対象物を収容する炉本体と、
    多孔性かつ保熱性を有する粉粒体により前記炉本体の内側底面部の上に形成された粉粒体層と、
    前記粉粒体層内を貫き上方に向かって突出した熱を発生する少なくとも1つの発熱体と
    を具備することを特徴とする熱分解炉。
  2. 磁性体により形成され、前記炉本体の内側底面部より上方に向かって突出した突出部材と、
    前記突出部材の所定の位置に配した磁石と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の熱分解炉。
  3. 前記突出部材は、前記炉本体の内側底面部より下に突出し、
    前記磁石は、前記炉本体の内側底面部より下に位置する前記突出部材の所定の位置に配されたことを特徴とする請求項2記載の熱分解炉。
  4. 前記炉本体の外側から空気を取り入れる少なくとも1つの外気取入管と、
    前記外気取入管の外縁に配された磁石と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の熱分解炉。
  5. 前記磁石が配された前記外気取入管は、少なくとも2つ設けられており、
    磁性体により形成され、前記磁石と磁石との間を架橋して配された架橋部材をさらに具備することを特徴とする請求項4記載の熱分解炉。
  6. 前記炉本体の外側面付近に少なくとも1つの磁石を配したことを特徴とする請求項1記載の熱分解炉。
  7. 前記磁石を配した位置に対応する前記炉本体の内側面と外側面との間に空隙をさらに設けたことを特徴とする請求項6記載の熱分解炉。
  8. 前記炉本体の所定の内側面に遠赤外線放射塗料を塗布したことを特徴とする請求項1記載の熱分解炉。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013253758A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Toyota Motor Corp 熱処理方法、及び熱処理炉
JP2014050813A (ja) * 2012-09-09 2014-03-20 Yama Enterprise:Kk 有機性廃棄物の低温熱分解減容化装置及びその使用方法
JP2014122865A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Yama Enterprise:Kk 放射性有機廃棄物の減容化無害化装置及びその使用方法

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