JP2007163078A - 廃棄物処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排ガス中のCOを削減し、低コストで運転できる廃棄物処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ストーカ型熱処理炉1内で廃棄物を処理する方法において、火格子8上の廃棄物を、該廃棄物の最低着火温度と該廃棄物中の炭素が水分と反応を開始する温度のいずれよりも低い上限温度以下で乾燥させた後に上記上限温度以下で熱分解させ、生成された熱分解ガスを0.2〜0.8の空気比のもとで一次燃焼させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物、特に都市ごみ等の廃棄物を処理するストーカ型熱処理炉を用いた処理方法及び装置に関する。
この種の装置としては、特許文献1に開示された廃棄物焼却炉が知られている。
この特許文献1の装置は、ホッパから落下供給される廃棄物を燃焼させる燃焼室下部に火格子を有し、この火格子はホッパに近い方から、乾燥火格子、燃焼火格子、後燃焼火格子と区分されている。乾燥火格子上では、廃棄物は主として乾燥そして着火される。次に、燃焼火格子上で熱分解、部分酸化が行われ、生成された可燃性ガスは燃焼室内空間で燃焼する。この燃焼火格子上で、廃棄物はその燃焼が実質的に完了する。しかる後、後燃焼火格子上で、廃棄物中に僅かに残った未燃分まで完全に燃焼する。このように、火格子上で廃棄物は完全に燃焼し、燃焼灰は主灰シュートから排出される。
特開2004−239509
しかしながら、特許文献1の焼却炉により廃棄物を処理する場合、廃棄物はほとんどが燃焼するので、その排ガス中にCOが大量に含まれてしまい、COは地球温暖化の原因となり、大気へ放出されると問題を生ずる。したがって、この問題を回避するには、CO排出を抑制するために排ガス中のCOを回収する装置が追加的に必要となり、設備の大型化・費用の高額化につながる。
本発明は、このような事情に鑑み、廃棄物を熱処理する際に排ガス中のCO量を削減して廃棄物中の炭素含有物質を回収可能とする運転ができる廃棄物処理方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係る廃棄物処理方法では、ストーカ型熱処理炉内で廃棄物を処理する。
かかる方法において、本発明は、火格子上の廃棄物を、該廃棄物の最低着火温度と該廃棄物中の炭素が水分と反応を開始する温度のいずれよりも低い上限温度以下で乾燥させた後に熱分解させ、生成された熱分解ガスを0.2〜0.8の空気比のもとで一次燃焼させることを特徴としている。
ここで、空気比は廃棄物の燃焼に必要な理論空気量に対する、実際に熱処理炉内に供給する空気量の比をいう。従来のストーカ型焼却炉では空気比が1.3〜1.7で燃焼処理されている。
このような本発明の処理方法によると、廃棄物は上記上限温度以下で、乾燥され、そして燃焼可能な限界酸素濃度以下の雰囲気下で熱分解される。すなわち廃棄物は熱分解され可燃ガスを含む熱分解ガスを生成して、廃棄物中の炭素分は燃焼そして水蒸気との反応(酸化)がなされないので、COの発生を大幅に抑制できる。そして、炭素を含有する炭化物あるいは金属酸化物と不燃物が熱分解残渣として排出される。これらは、溶融処理により比重分離して排出することが可能であり、後にそれぞれ有効利用される。また、廃棄物の最低着火温度以下にされるので、乾燥域そして熱分解域での廃棄物の発火が大幅に抑制されCO排出が抑制される。また、生成された熱分解ガスは0.2〜0.8という低い空気比で一次燃焼されるために、熱分解ガスのCOや炭化水素の炭素分から燃焼によって生成するCOが削減される。この一次燃焼で生成する煤が多くなり、煤は下流側で除塵機により回収され、廃棄物中の炭素分は煤として回収される。その結果COの生成を抑制できる。また熱分解された残渣及び飛灰を還元雰囲気で溶融処理した後に金属類とスラグとして分離回収することができる。熱分解残渣中の炭素分はスラグに含有され、回収される。
上記処理方法を実施するための装置は、本発明によると、ストーカ型熱処理炉内で廃棄物を処理する装置において、火格子上の廃棄物が該火格子上で移動する方向に向け、該火格子上の領域が乾燥域そして熱分解域を順に形成していると共に、該熱分解域の直上の燃焼室内空間に熱分解ガスの一次燃焼域を形成し、上記乾燥域は廃棄物の最低着火温度と該廃棄物中の炭素が水分と反応を開始する温度のいずれよりも低い上限温度以下に廃棄物の温度を維持し、一次燃焼域では、生成された熱分解ガスを0.2〜0.8の空気比のもとで一次燃焼させるように設定されていることを特徴とする。
本発明において、乾燥域と熱分解域の少なくともいずれか一方の直上位置に向け脈動流を送る脈動流発生装置が設けられていることが好ましい。脈動流は流速が周期的に変動するガス流れである。脈動流は定常流の2〜4倍の高い熱伝導率であるので脈動流により一次燃焼域からの高熱伝達が良好になされ、乾燥域または熱分解域の廃棄物の昇温が促進される。その結果、熱分解域での廃棄物の熱分解と炭化が促進、すなわちCOガスの排出が削減される。
本発明においては、脈動流発生装置がパルス燃焼器及び1/4波長管の少なくとも一方で形成されているようにできる。
本発明においては、乾燥域の火格子上の廃棄物層内に脈動流を送る脈動流発生装置が設けられていることが好ましい。廃棄物層内に脈動流を送ることにより、廃棄物層の加熱をすすめ、乾燥と熱分解が促進され、COの排出が削減される。
本発明において、一次燃焼火炎の上下方向位置を定位置に保つ火炎位置安定化装置が設けられていることが好ましい。
熱分解域直上で一次燃焼火炎が定位置を保つと、熱分解ガスの一次燃焼が安定して行われるようになり、廃棄物への熱伝達、熱伝導、熱輻射が安定して行われるため廃棄物の熱分解と炭化が促進され、COの排出が抑制される。そして熱分解時のタール発生が抑制されタールによるトラブルが抑制される。
上記火炎位置安定化装置は、熱分解ガスの上昇流に対向するように高温ガスを吹込み、淀み領域を形成する装置とすることがよい。淀み領域はガス流れが停滞している領域をいう。淀み領域が形成されるということは、その淀み領域で熱分解ガスは滞留して高温に加熱され、安定して一次燃焼するので一次燃焼火炎位置が安定するということになる。
ストーカ型熱処理炉は熱分解ガスを一次燃焼する一次燃焼室と二次燃焼する二次燃焼室を備え、火炎位置安定化装置は、高温ガスの一部または全部として、一次燃焼室の一次燃焼域と二次燃焼室入口との間の領域から未燃の熱分解ガスを受けるように接続されている
ようにすることができる。高温ガスとして本発明装置の未燃の熱分解ガスを用いることにより、未燃の熱分解ガスが低酸素含有量であるので低空気比燃焼に好適であり、また、所望の高温となっているので好ましい。
また、火炎位置安定化装置がパルス燃焼器及び1/4波長管の少なくとも一方で形成されているようにすることができる。
さらに、火炎位置安定化装置は高温ガスノズルであり、燃焼室内の一次燃焼域と二次燃焼室入口との間の領域から未燃の熱分解ガスを導くエゼクタをも兼ねているようにすることができる。
火炎位置安定化装置は脈動流発生装置を兼ねているようにすることもできる。火炎位置安定化装置から吹き込むガス流れを脈動流とすることにより、熱伝達が促進される。
本発明において、上記脈動流発生装置による脈動流の周波数は50〜500Hzの範囲であることが好ましい。50Hz以下だと、脈動による熱伝達促進効果が小さく一次燃焼火炎の安定性確保が保証できないし、また低周波騒音の原因となるからであり、500Hz以上だと、この周波数を得るのに装置を小さくする必要がり、脈動効果を得るための装置の数が多くなってしまうからである。
さらに、本発明では、廃棄物処理装置は、制御装置を有し、排ガス中のCOまたはOの検出濃度にもとづいて、火格子下供給空気量及び脈動流発生装置による脈動流の振幅の少なくともいずれかを調整するようになっていることが好ましい。
排ガス中のCOまたはOの検出濃度が所定値より高い場合には、火格子下供給空気量を小さくすることと、脈動流の振幅を小さくすることの少なくともいずれかを行うように調整する。COまたはOの検出濃度が所定値より低い場合は、逆の操作をするように調整する。
上記火格子下供給空気量を必要最小量に調整することで、乾燥域そして熱分解域での廃棄物中の炭素の酸化が抑制され、CO排出が削減される。また、脈動流の振幅を必要最小値とすることで、脈動流による熱分解と炭化の促進を行いつつ、かつ脈動流発生装置のパルス燃焼器での燃料を適正最小値として省エネルギを図れる。
本発明は、以上のように、廃棄物をストーカ型熱処理炉内で燃焼そして廃棄物中の炭素の水との反応をさせずに乾燥そして熱分解させることとしたので、COガスの発生を大幅に削減できる。また、熱分解域の直上に熱分解ガスの一次燃焼火炎を定在させることとしたので、廃棄物の熱分解と炭化が促進されCOの排出を抑制できる。
以下、添付図面の図1にもとづき、本発明の一実施形態を説明する。
図1(A)は本実施形態装置の概要構成を示す縦断面図であり、図1(B)は図1(A)におけるB−B断面図である。
図1(A)において、熱処理炉1は、炉本体2と、該炉本体2の一次燃焼室3へ廃棄物Pを供給するホッパ5と、上記炉本体2の二次燃焼室4に接続された廃熱ボイラ6を有している。
一次燃焼室3は、左壁下部に開口せる廃棄物Pの受入口7にて上記ホッパ5と連通し、底部に火格子8(8A,8B,8C,8D)を有し、右側底部に開口した排出口9が設けられている。上記一次燃焼室3は右壁中間部に連通口26が形成されていて上記二次燃焼室4と連通されている。
各火格子8(8A〜8D)には、独立して流量調整される弁10(10A〜10D)を介して空気を供給する送気部11(11A〜11D)が設けられている。
火格子上では、供給された廃棄物Pが積層をなし、上記火格子8Aの部分で乾燥域を、そしてそれ以降の火格子8B〜8Dの部分で熱分解域を形成している。また、該熱分解域における廃棄物の積層の直上方空間では廃棄物が熱分解して発生した熱分解ガスの一次燃焼域を形成している。これらの乾燥域、熱分解域そして一次燃焼域については、後に再度、説明する。
上記一次燃焼室3内には、上記二次燃焼室4との連通口26と間隔をおいて中間天井12が配設されており、一次燃焼室3から二次燃焼室4へ向けての流路を上下で迂回するように形成している。好ましい形態としては、一次燃焼室3とホッパ5とを連通する受入口7寄りの位置で、乾燥域の廃棄物の積層の上方位置に、上記中間天井12に類似する遮熱板13が設けられている。遮蔽板13は熱分解ガスの一次燃焼火炎により、乾燥域の廃棄物の積層が過剰に加熱されて、発火温度以上に昇温されないように遮熱するものであり、耐火物で構成される。
上記熱分解域を形成する火格子8B〜8D上の廃棄物の積層の直上方位置に向け脈動流を送り込む脈動流発生装置14が炉壁に取り付けられている(図1(B)参照)。ここで脈動流発生装置14は熱分解ガスの一次燃焼火炎の火炎位置安定化装置を兼ねている。図1(B)に見られるごとく、脈動流発生装置14は、パルス燃焼器であり、燃料供給装置15と空気ブロワ16とからそれぞれ燃料と空気を受け、後述する一次燃焼室から導入した未燃の熱分解ガスとともに燃焼させ、発生した高温ガスを脈動流としてその吹込管14Aから上記一次燃焼室3へ、上記廃棄物の積層の直上方位置に向け吹き込んでいる。この吹込管14Aは、対向する炉壁にも設けられていて、両吹込管14Aからの脈動流14Bが廃棄物層からの熱分解ガスの上昇流に対向するようになっていて、淀み領域14Cを形成し、火炎が上下方向で安定して定在する。したがって、上記脈動流発生装置14は火炎位置安定化装置としても機能する。上記一次燃焼室3には、二次燃焼室4に向かう一次燃焼域の下流域と二次燃焼室4の連通口26との間の領域17から未燃の熱分解ガスの一部を取り出し脈動流発生装置14のパルス燃焼器で燃焼させ、脈動高温ガスとして一次燃焼室3へ流入せしめる循環路18が対向する両側の炉壁に設けられている。この循環路18の出口部に上記吹込管14Aが配されているので、エゼクタとして未燃の熱分解ガスを誘引する効果がある。かくして、上記未燃の熱分解ガスを引き込んで吹込管14Aから脈動流14Bが流入される。上記脈動流発生装置14では、脈動流の周波数が50〜500Hzが好ましい。
また、パルス燃焼器とした場合に、燃焼ガスの吹込管14Aの先端位置は必ずしも一次燃焼室3内に突出させる必要はなく、例えば循環路18の下流端から全長の1/4の距離の位置に、設けることにより、1/4波長管を形成させるようにして脈動流を発生させることとしてもよい。
一次燃焼室3の左壁下部に別の脈動流発生装置30が設けられ、乾燥域の火格子8A上の廃棄物層内に脈動流を吹き込んでいる。
上記一次燃焼室3の上壁部には、火格子8、特に乾燥域の火格子8A上の廃棄物の積層に火炎が発生しているかどうかを監視するための火炎検出器19が設けられている。該火炎検出器19は例えば光電子増倍管等の光を検出するセンサであって、その出力信号は、空気流量制御装置20にもたらされる。該空気流量制御装置20は、空気ブロワ21から送気部11A,11Bを経て送る空気量を調整する弁10A,10Bの開度をそれぞれ制御する。火炎検出器19が火炎を検知したときには、上記送気部11A,11Bへの空気量を減ずるように弁10A,10Bを制御する。上記弁10A,10Bを経て送気部11A,11Bに送られる空気に高温の排ガスを混合して、ロータリバルブ23A,23Bで間欠的に流通させることによって脈動流として供給することにより、廃棄物層内を脈動加熱することもできる。なお、上記空気ブロワ21からの空気は、必要に応じ、予熱器22で予熱することとしてもよい。
一方、送気部11C,11Dに対しては、弁10C,10Dを介して他の空気ブロワ24から空気が送られる。
このような火格子8(8A〜8D)上に積層された廃棄物の温度は、該廃棄物の最低着火温度と、該廃棄物中の炭素が水分と反応を開始する温度のいずれよりも低い上限温度(例えば450℃)以下となるように、そして、一次燃焼室3に供給される空気の空気比が0.2〜0.8となるように、上記弁10A〜10Dの開度が制御装置によって設定されている。勿論、この温度は、乾燥域での乾燥そして熱分解域での熱分解が効果的に行われるように、上記上限温度に近い温度であることが好ましい。
乾燥域と熱分解域の廃棄物積層の温度は一次燃焼室3の上壁部に設けた図示しない放射温度計により計測される。光電子増倍管を用いた光強度検出器により光強度を検出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、上記炉本体2の二次燃焼室4の入口近くに、冷空気そして低温EGR(排ガス再循環)を吹き込む送気口25が設けられていて、二次燃焼室4内の未燃の熱分解ガスの燃焼状態を調整している。
炉本体2の二次燃焼室4には、上記廃熱ボイラ6が接続されている。該廃熱ボイラ6自体は、本発明の特徴たるところはなく、公知のものでよい。
かかる熱処理炉1の下方には溶融炉27が設けられており、火格子8から落下する熱分解残渣、排出口9から落下する熱分解残渣、廃熱ボイラ6で集塵された飛灰そして図示しない集塵機で排ガスから除塵された飛灰が上記溶融炉27で溶融されて炭素を含有するスラグそして金属類として分離取出しされる。
本実施形態装置において、廃棄物は次のようにして処理される。
(1)廃棄物Pはホッパ5へ投入され、該ホッパ5内を降下して下部の受入口7から炉本体2の火格子8上に至る。
(2)火格子8上では、火格子8Aから火格子8Dに向け廃棄物は徐々に移動し、火格子8A〜8D上に分布して積層を形成する。火格子8A,8Bには下方から脈動空気が供給され、火格子8C,8Dには下方から定常流空気が供給される。一方、火格子8A上の廃棄物層内には脈動流発生装置30から脈動流が吹き込まれる。上記廃棄物の積層の直上方には、脈動流発生装置14からの高温ガスの脈動流14Bが対向両炉壁から吹き込まれて、該脈動流14Bが廃棄物の熱分解ガスの上昇流と対向して上記積層表面近くに安定した高温ガスの淀み領域を形成する。この淀み領域での高温ガスは、廃棄物を熱伝導、熱伝達及び熱輻射により加熱して、熱分解と炭化を促進させる。また、熱分解ガスの一次燃焼火炎を安定して定在させる。
(3)廃棄物は廃棄物の最低着火温度と該廃棄物中の炭素が水分と反応を開始する温度のいずれよりも低い上限温度以下でこの上限温度に近い雰囲気温度に保たれているので、廃棄物の燃焼が抑制されて、先ず火格子8A上で乾燥され、しかる後、火格子8Bそして火格子8C,8Dへ移動しながら順次熱分解そして炭化され、排出口9から熱分解残渣が落下排出される。
(4)排出口から排出された熱分解後残渣は、溶融炉27にて溶融され、炭素含有スラグと金属類に分離されて取り出される。
(5)一方、火格子8B〜8D上で廃棄物の熱分解により生じたガスは一次燃焼室3で燃焼し、その燃焼ガスは中間天井12の上下側から二次燃焼室4へ流入し、未燃の熱分解ガスが二次燃焼し、次に廃熱ボイラ6へ至る。
廃棄物は上述のごとく、燃焼されることなく熱分解により炭化されるようにするために、一次燃焼室3に供給される空気の空気比が0.2〜0.8と低空気比で上記上限温度以下で熱処理されるが、熱分解と炭化が円滑に行われるように、一次燃焼室3内の各部位では、次のように配慮されている。
(a)火格子8A上の廃棄物層内に脈動流発生装置30から脈動流が吹き込まれ、廃棄物を脈動加熱し、乾燥と熱分解を促進する。
(b)火格子上の廃棄物の積層の直上方で、熱分解ガスの一次燃焼火炎を定在させるために、脈動流発生装置14によって、上記積層の直上方位置に高温ガスの脈動流を流入させている。この脈動流は炉の両側壁から対向して流入されて廃棄物からの熱分解ガスの上昇流と対向して淀み領域を形成し、熱分解ガスの一次燃焼火炎は、上下方向で常に安定した位置にあり、積層表面に対面する。廃棄物は定在している一次燃焼火炎からの熱伝導、熱伝達、そして熱輻射により、熱分解、炭化が促進される。
(c)火格子8A,8Bには、ロータリバルブ23A,23Bを経て、脈動空気が供給され、火格子8A,8B上の廃棄物の均一乾燥、熱分解を図っている。
(d)排ガス中のCOの濃度を検出し、この検出値にもとづき、上記火格子8A,8Bへの空気供給量そして上記脈動流発生装置における脈動流の振幅(強さ)の少なくともいずれか一方を調整する。
排ガス中のCOまたはOの検出濃度が所定値より高い場合には、火格子下供給空気量を小さくすることと、脈動流の振幅を小さくすることの少なくともいずれかを行うように調整する。COまたはOの検出濃度が所定値より低い場合は、逆の操作をするように調整する。
(e)乾燥域、すなわち火格子8A上の廃棄物の積層は乾燥されるのみで燃焼されないように操業するが、万が一、発火した場合の措置として、火炎検出器19で上記積層が発火していることを検出したときには、空気流量制御装置20により弁10A,10Bの開度を小さくして火格子8A、さらには火格子8Bへの供給空気量を少なくすることにより、鎮火を図る。
表1に本発明の廃棄物の熱処理方法による排ガス中のCO濃度と従来のストーカ型焼却炉(比較例)によるものとを比較して示す。
本発明では従来に比べてCO排出量を50%削減できることを確認できた。
Figure 2007163078
本発明の一実施形態装置の概要構成を示し、(A)は装置全体を示す断面図、(B)は(A)におけるB−B断面図である。
符号の説明
1 熱処理炉
3 一次燃焼室
8 火格子
14 脈動流発生装置(火炎位置安定化装置)

Claims (14)

  1. ストーカ型熱処理炉内で廃棄物を処理する方法において、火格子上の廃棄物を、該廃棄物の最低着火温度と該廃棄物中の炭素が水分と反応を開始する温度のいずれよりも低い上限温度以下で乾燥させた後に熱分解させ、生成された熱分解ガスを0.2〜0.8の空気比のもとで一次燃焼させることを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 熱分解された残渣及び飛灰を還元雰囲気で溶融処理した後に金属類とスラグとを分離回収することとする請求項1に記載の廃棄物処理方法。
  3. ストーカ型熱処理炉内で廃棄物を処理する装置において、火格子上の廃棄物が該火格子上で移動する方向に向け、該火格子上の領域が乾燥域そして熱分解域を順に形成していると共に、該熱分解域の直上の燃焼室内空間に熱分解ガスの一次燃焼域を形成し、上記乾燥域は廃棄物の最低着火温度と該廃棄物中の炭素が水分と反応を開始する温度のいずれよりも低い上限温度以下に廃棄物の温度を維持し、一次燃焼域では、生成された熱分解ガスを0.2〜0.8の空気比のもとで一次燃焼させるように設定されていることを特徴とする廃棄物処理装置。
  4. 乾燥域と熱分解域の少なくともいずれか一方の直上位置に向け脈動流を送る脈動流発生装置が設けられていることとする請求項3に記載の廃棄物処理装置。
  5. 脈動流発生装置がパルス燃焼器及び1/4波長管の少なくとも一方で形成されていることとする請求項4に記載の廃棄物処理装置。
  6. 乾燥域の火格子上の廃棄物層内に脈動流を送る脈動流発生装置が設けられていることとする請求項3または請求項4に記載の廃棄物処理装置。
  7. 一次燃焼火炎の上下方向位置を定位置に保つ火炎位置安定化装置が設けられていることとする請求項3に記載の廃棄物処理装置。
  8. 火炎位置安定化装置は熱分解ガスの上昇流に対向するように高温ガスを吹込み、淀み領域を形成することとする請求項7に記載の廃棄物処理装置。
  9. ストーカ型熱処理炉は熱分解ガスを一次燃焼する一次燃焼室と二次燃焼する二次燃焼室を備え、火炎位置安定化装置は、高温ガスの一部または全部として、一次燃焼室の一次燃焼域と二次燃焼室入口との間の領域から未燃の熱分解ガスを受けるように接続されていることとする請求項8に記載の廃棄物処理装置。
  10. 火炎位置安定化装置がパルス燃焼器及び1/4波長管の少なくとも一方で形成されていることとする請求項7ないし請求項9のうちの一つに記載の廃棄物処理装置。
  11. 火炎位置安定化装置は高温ガスノズルであり、燃焼室内の一次燃焼域と二次燃焼室入口との間の領域から未燃の熱分解ガスを導くエゼクタをも兼ねていることとする請求項9に記載の廃棄物処理装置。
  12. 火炎位置安定化装置は脈動流発生装置を兼ねていることとする請求項4そして請求項7ないし請求項11のうちの一つに記載の廃棄物処理装置。
  13. 脈動流発生装置による脈動流の周波数が50〜500Hzの範囲であることとする請求項4ないし請求項6そして請求項12のうちの一つに記載の廃棄物処理装置。
  14. 廃棄物処理装置は、制御装置を有し、排ガス中のCOまたはOの検出濃度にもとづいて、火格子下供給空気量及び脈動流発生装置による脈動流の振幅の少なくともいずれかを調整するようになっていることとする請求項3ないし請求項6そして請求項12のうちの一つに記載の廃棄物処理装置。
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