JP4937363B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機性廃棄物を処理する廃棄物処理システムに用いられる燃焼装置に関する。
脱水汚泥などの有機性廃棄物を処理する廃棄物処理システムでは、有機性廃棄物を熱分解炉内において低酸素状態で加熱分解することにより、熱分解ガス(乾留ガス)と熱分解残渣(炭化物)とに分離して排出している。熱分解炉から排出される熱分解ガスは可燃性であるため、例えば特許文献1〜3に記載されているように熱分解炉から出てくる排ガスを燃焼装置の熱源として利用している。
特開2007−270018号公報 特開2004−205161号公報 特開2006−207840号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている廃棄物処理システムにおいては、有機性廃棄物を燃焼させるか又は熱分解させる際に、有機性廃棄物に灰分が含まれる場合、煤塵が少なからず発生し、時間経過と共に熱利用機器に煤塵が付着堆積して熱伝達率を低下させるため、燃焼装置および熱利用機器の熱効率がそれぞれ低下する。また、有機性廃棄物に有機窒素が含まれる場合、燃焼排ガス中の大気汚染物質であるNOxが増加し、あるいは燃焼温度が低いと温室効果ガスである亜酸化窒素が生成される。
特許文献2または特許文献3に記載されている燃焼装置は、NOxまたは亜酸化窒素、あるいは未燃分を低減させる手法として二段燃焼方式を採用している。しかしながら、これら従来の二段燃焼方式の燃焼装置では、煤塵が熱利用機器等の内壁に付着する問題を解決することができず、内壁に付着した煤塵を機械的に除去する手法が用いられる。このような煤塵の機械的除去手段は、設備コストおよびメンテナンスコストがともに高いため、システム全体のコスト増大につながる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、煤塵の付着に起因する熱効率の低下を防止できる燃焼装置を提供することを目的とする。
本発明に係る燃焼装置は、有機性廃棄物を高温の還元性雰囲気下で熱分解させる廃棄物処理システムの熱分解炉において発生する可燃性の熱分解ガスを熱源として利用する燃焼装置であって、前記熱分解ガスを燃焼させるための燃焼スペースを規定する外筒と内筒を有する縦型二重筒状の炉体と、前記内筒は下端が開口し、前記燃焼スペースから燃焼排ガスが排出される流路を形成することと、前記燃焼スペース内で前記熱分解ガスを一次燃焼空気と混合燃焼させる上段バーナと、前記上段バーナに前記熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給ラインと、前記上段バーナに前記一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給ラインと、前記上段バーナよりも下方に配置され、二次燃焼空気を噴射させて前記燃焼スペース内の未燃焼ガスと該二次燃焼空気とを混合燃焼させる下段バーナと、前記下段バーナに前記二次燃焼空気を供給する二次燃焼空気供給ラインと、を具備し、前記上段バーナは、前記外筒の上部内周壁の周方向に火炎を噴射して前記燃焼スペース内に旋回流が形成されるように、前記外筒の上部内周壁に開口する第1の燃焼口を有することを特徴とする。
本発明によれば、炉体の内筒と外筒の間に縦型筒状の燃焼スペースを形成し、この燃焼スペースに上下二段のバーナから外筒の内周壁に内接する接線方向に燃焼噴射することにより、燃焼排ガスを燃焼スペース内において旋回下降させ、遠心力の作用により煤塵を外筒の内周壁に付着させ、煤塵付着量が増加すると、付着した煤塵は自重により内周壁から剥がれ落ち、剥がれ落ちた煤塵を燃焼装置の下部から効率よく回収することができる。このため、燃焼排ガス中に含まれる煤塵量が減少し、下流側の熱利用機器に付着する煤塵が低減され、熱利用効率が向上する。
本発明の第1の実施形態に係る燃焼装置を有する廃棄物処理システムを示す構成ブロック図。 (a)〜(d)は外筒に対する取り付け位置を種々変えた二段バーナをそれぞれ示す横断面図。 本発明の第1の実施形態に係る燃焼装置を示す内部透視模式図。 本発明の第2の実施形態に係る燃焼装置を示す内部透視模式図。 本発明の第3の実施形態に係る燃焼装置を有する廃棄物処理システムを示す構成ブロック図。 本発明の第3の実施形態に係る燃焼装置を示す内部透視模式図。 冷却空気導入管の取り付け位置の一例を示す横断面図。
(1)本発明の燃焼装置では、二段燃焼方式の炉体を縦型とし、さらに炉体を外筒と内筒からなる二重筒構造とすることにより縦筒形状の燃焼スペースを形成するとともに、さらに上下二段のバーナから燃焼スペースへのガス噴射方向を外筒の内周壁の周方向とすることにより燃焼スペース内に燃焼排ガスの旋回流を生じさせている。このような縦筒形状の燃焼スペースに上下二段のバーナから燃焼噴射すると、燃焼排ガスが旋回しながら下降する所謂らせん状のガス流が形成される。燃焼排ガスに遠心力が作用すると、比重の小さな煤塵は燃焼スペースの周縁部を流れ、外筒の内周壁に付着し、燃焼排ガスから煤塵が分離される。このような遠心分離作用により煤塵が燃焼排ガスから効率よく分離される。さらに煤塵の付着量が増加すると、付着堆積した煤塵は自重により内周壁から剥がれ落ち、剥がれ落ちた煤塵は燃焼装置の下部から回収される。その後に二段バーナを燃焼噴射すると、煤塵が剥がれ落ちたあとの内周壁に煤塵が再び付着し、煤塵の付着量が増加すると、これが自重で自然に剥がれ落ちる。このように本発明によれば、燃焼排ガス中の煤塵の付着→剥離落下→付着のサイクルにより、燃焼排ガスから煤塵が効率よく分離回収される。
(2)本発明において、外筒の下部は、燃焼スペース内を旋回して下降する燃焼ガス流の流速を増大させるために、下方に移行するに従って直径が漸次減少する逆円錐形状に形成されていることが好ましい(図4〜図6)。
本発明によれば、外筒の下部形状を逆円錐形状にしているので、燃焼排ガスの旋回流が燃焼スペースを下降するに従って周速度が大きくなり、遠心力が増大化する。このため、燃焼排ガスから煤塵をさらに効率よく分離することができる。
(3)本発明において、下段バーナは、外筒の上部内周壁の周方向に燃焼噴射して燃焼スペース内に燃焼排ガスの旋回流が形成されるように、第1の燃焼口よりも下方の位置で外筒の上部内周壁に開口する第2の燃焼口を有することが好ましい(図2)。
燃焼排ガス中のNOx、亜酸化窒素、未燃分を低減させるための空気比や燃焼温度の要求と、煤塵の分離を行うための流速の要求とは必ずしも一致しない場合がある。このため、1段のバーナのみでは燃焼効率の向上と煤塵分離効率の向上を両立させることが困難である。そこで、本発明では、下段バーナの第2の燃焼口から二次燃焼空気を外筒の内周壁の周方向(内接接線方向)に噴射させ、一次燃焼後の未燃焼ガスに二次燃焼空気を混入させて燃焼効率を向上させるとともに、旋回流のガス流速を増大させることにより煤塵を分離する効率を高めることができる。この場合に、二次燃焼空気として熱利用機器の下流から還流させた燃焼排ガスを用いることもできる。
(4)本発明において、下段バーナの第2の燃焼口よりも下方の位置で外筒の内周壁に開口するガス注入口をもつ冷却ガス注入管をさらに有することが好ましい(図5〜図7)。
燃焼装置の上流側に配置される熱分解炉においては、400〜600℃の温度範囲の高温空気を用いて有機性廃棄物を熱分解している。高温空気の代わりに高温水蒸気を用いて有機性廃棄物を熱分解することもできる。高温水蒸気の存在下で間接的に加熱することにより有機性廃棄物を熱分解する場合がある。有機性廃棄物に含まれるPCBやダイオキシン類などの有害汚染物質は、低い加熱温度では分解しにくい難分解物質であり、温度の上昇とともに分解率も漸次上昇していくが、100%完全に分解するものではなく、極微量が未分解の状態で残留する。本発明では、このような高温の熱分解ガスを燃焼装置内でさらに一次燃焼および二次燃焼させるために燃焼排ガスは900℃以上(さらに950℃以上あるいは1000℃以上)の高温になる。このため、燃焼装置の一部が局所的に高温になり、温度分布の不均一を生じるなどの不都合を生じやすく、運転操作の制御が難しくなる。このような温度分布の不均一の発生を防止するために、燃焼スペースに冷却ガスを注入し、高温の燃焼排ガスを希釈して温度降下させる方策が考えられる。
本発明によれば、冷却ガス注入管から冷却ガス(熱利用機器下流から還流させた温度降下した燃焼排ガス)を未燃焼ガス燃焼後の領域にて外筒内周壁の周方向(内接接線方向)に注入し、高温の二次燃焼排ガスを低温の冷却ガスで希釈することにより、燃焼スペース下部領域における過熱が防止されるとともに、燃焼排ガスの流速をさらに増大させることにより、煤塵の分離効率が向上する。
(5)本発明において、外筒の下部に連通する煤塵回収容器をさらに有することが好ましい(図1)。
本発明によれば、付着煤塵(煤塵塊)が成長してその厚みが増すと、自重により煤塵塊が外筒の内周壁から剥がれ、剥がれた煤塵塊が煤塵回収容器のなかに自然に落下するため、掻き取り装置などの機械的除去手段が不要になる。
(6)本発明において、外筒から内筒までの半径方向の距離が全周にわたり実質的に均等になるように、内筒が外筒のなかに同軸に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、内筒を外筒のなかに同軸に配置すると、燃焼スペースの半径方向の距離(幅)が一様になり、燃焼排ガス流が乱流を生じることなく滑らかに旋回しながら下降するようになるので、煤塵の分離回収効率が向上する。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための種々の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1と図2を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
本実施形態の廃棄物処理システム1は、図1に示すように、熱分解炉3、燃焼装置4、熱利用機器5および煤塵回収容器6を備えている。この処理システム1の系内は下流側に配置された単数または複数のブロワ(図示せず)によって吸引排気されている。また、処理システム1の全体は図示しないプロセスコンピュータにより統括的に管理・制御されている。
熱分解炉3は、回転駆動される中空シャフト室31とこれを加熱する加熱ジャケット32とを有するロータリーキルン方式またはスクリュウフィーダー方式の横置き型の装置である。中空シャフト室31は、中空円筒状の耐火材壁および送給スクリュウを有し、図示しない回転駆動機構により回転可能に支持されている。図示しない供給源から廃棄物供給ラインL1を介して中空シャフト室31の中空部に有機性廃棄物を供給し、送給スクリュウを順方向に回転させて有機性廃棄物が軸方向に送給されるようになっている。廃棄物供給ラインL1は、例えばベルトコンベア、計量器、シューターおよびホッパーを含むものである。中空シャフト室31の下流側の端部(出口端部)は、熱分解ガスラインL2を介して燃焼装置4の上段バーナ43に接続されている。また、中空シャフト室31の下流側の適所に炭化物排出ラインL5が設けられ、炭化物排出ラインL5を介して熱分解後の残渣である炭化物が中空シャフト室31から排出されるようになっている。
加熱ジャケット32は、中空シャフト室31の少なくとも一部を取り囲むジャケット容器であり、熱媒供給管33と熱媒排出管34がそれぞれ接続されている。図示しない熱媒供給源から熱媒供給管33を介して熱媒として高温の空気(例えば400〜600℃のドライエア)が加熱ジャケット32内に供給され、廃棄物を加熱した後に熱媒が熱媒排出管34を介して加熱ジャケット32から排出されるようになっている。なお、熱媒供給管33と熱媒排出管34とをリターンラインで接続して循環回路を形成し、使用済みの熱媒を再利用するようにしてもよい。なお、熱分解炉3の熱源として、電気抵抗加熱装置または燃焼加熱装置などの公知の汎用加熱装置を用いることができるが、経済性の観点から燃焼加熱装置が最も適している。また、補器として温度測定装置(図示せず)には熱電対などの公知の汎用計測器を用いることができる。
燃焼装置4は、火炎噴射方式の上下二段のバーナ43,44を備えた縦型の炉本体を有している。燃焼装置4の炉本体は、同軸に配置された外筒41および内筒42からなる二重円筒形状をなすものであり、外筒41と内筒42との間に燃焼スペース40が形成されている。炉本体の上部は蓋45により塞がれている。内筒42は、下端に開口42aを有し、上端部が蓋45を貫通して燃焼排ガスラインL3に連通している。燃焼排ガスは、燃焼スペース40を旋回しながら下降し、内筒の下端開口42aから内筒42の内部流路を通過して、さらに燃焼排ガスラインL3を通って熱利用機器5に送られるようになっている。
上下二段のバーナ43,44は、外筒41の上半部を貫通して内周壁にて開口する第1及び第2の燃焼口43a,44aをそれぞれ有している。上段バーナ43には熱分解ガスラインL2を介して熱分解炉の中空シャフト室31が接続され、可燃性の熱分解ガスが供給されるようになっている。また、上段バーナ43には一次燃焼空気供給ラインL6が接続され、一次燃焼空気が供給されるようになっている。上段バーナ43から熱分解ガスとともに一次燃焼空気を同時に噴射すると両者が混合して燃焼されるようになっている。
一方、下段バーナ44には二次燃焼空気供給ラインL7が接続され、二次燃焼空気が供給されるようになっている。下段バーナ44から二次燃焼空気を噴射すると、上段バーナ43で一次燃焼された熱分解ガスのうちの未燃焼分のガスが二次燃焼空気と混合されて燃焼されるようになっている。
熱利用機器5は、入口が燃焼排ガスラインL3に接続され、出口が低温燃焼排ガスラインL4に接続されている。熱利用機器5の本体は、燃焼排ガスと熱交換しうる熱交換媒体が通流する流路が形成されている。熱利用機器5として例えば廃熱ボイラを用いることができる。
煤塵回収容器6は、燃焼装置4の下部に取り付けられ、燃焼装置4の燃焼反応で発生する煤塵を回収するために燃焼スペース40に連通する開口40aを備えている。燃焼装置4において燃焼排ガスから分離された煤塵60は、開口40aを通って回収容器6内に沈降するか、または外筒41の内周壁に付着した後に自重で壁面から剥がれ落ち、回収容器6のなかへ落下する。なお、図示しないダンパーを燃焼装置4と煤塵回収容器6との間の開口40aに取り付け、このダンパーを定期的に開閉するか、あるいは運転状況に応じて臨時に開閉することにより煤塵60を回収するようにしてもよい。
図2を参照して燃焼装置の二段バーナの構成と作用について詳しく説明する。
上下二段のバーナ43,44は、熱分解ガスのうち一次燃焼しなかった未燃焼分を二次燃焼で完全燃焼させるために、装置の軸方向(垂直方向)に所定の距離だけ離して外筒41に取り付ける必要があるが、外筒41の周方向取り付け位置(方位)については比較的自由であり、図2の(a)〜(d)に示すように種々の配置とすることができる。例えば図2の(a)に示すように、上段バーナ43と下段バーナ44とが上下重なり合うように同じ方位に取り付け、第1の燃焼口43aからの燃焼噴射と第2の燃焼口44aからの燃焼噴射とを同じ方位にしてもよい。また、図2の(b)に示すように、上段バーナ43の取り付け方位から時計回りに90°ずれた方位に下段バーナ44を取り付け、第1の燃焼口43aからの燃焼噴射から90°遅れて第2の燃焼口44aから燃焼噴射するようにしてもよい。また、図2の(c)に示すように、上段バーナ43の取り付け方位から時計回りに180°ずれた方位に下段バーナ44を取り付け、第1の燃焼口43aからの燃焼噴射から180°遅れて第2の燃焼口44aから燃焼噴射するようにしてもよい。さらに、図2の(d)に示すように、上段バーナ43の取り付け方位から時計回りに270°ずれた方位に下段バーナ44を取り付け、第1の燃焼口43aからの燃焼噴射から270°遅れて第2の燃焼口44aから燃焼噴射するようにしてもよい。
上下二段のバーナ43,44を図2(a)〜(d)のいずれの方位に取り付けた場合であっても、第1の燃焼口43aからは熱分解ガス/一次燃焼空気が外筒41の内周壁に内接する接線方向(時計回りの方向)に噴射されるとともに、第2の燃焼口44aからは二次燃焼空気が外筒41の内周壁に内接する接線方向(時計回りの方向)に噴射されるため、燃焼スペース40内において燃焼排ガスは図中の時計回りに旋回する。
本実施形態において、燃焼排ガスは、燃焼スペース40を旋回しながら下降し、内筒の下端開口42aから内筒42の内部流路を通過し、さらに燃焼排ガスラインL3を通って熱利用機器5に送られる。燃焼排ガスに遠心力が作用すると、比重の小さな煤塵は燃焼スペースの周縁部を流れ、外筒41の内周壁に付着し、燃焼排ガスから煤塵が分離される。このような遠心分離作用により煤塵が燃焼排ガスから効率よく分離される。さらに煤塵の付着量が増加すると、付着堆積した煤塵は自重により内周壁から剥がれ落ち、剥がれ落ちた煤塵は燃焼装置の下部から回収される。その後に二段バーナ43,44から燃焼噴射すると、煤塵が剥がれ落ちたあとの内周壁に煤塵が再び付着し、煤塵の付着量が増加すると、これが自重で自然に剥がれ落ちる。このようにして燃焼排ガスから煤塵が効率よく分離回収される。
(第2の実施形態)
次に図3を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と共通する部分の説明を省略する。
本実施形態の燃焼装置4Aでは、装置の下部に煤塵回収容器を取り付けないで、外筒41の下端開口を開閉可能な底蓋49で塞いでいる。
本実施形態の装置において、煤塵60は、外筒41の内周壁に付着するが、壁面から剥がれ落ちて最終的には底蓋49の上に堆積する。底蓋49を定期的に開けて、堆積した煤塵60を外筒41のなかから回収する。
本実施形態によれば、底蓋付きの外筒が煤塵回収容器として機能するため、別途に煤塵回収容器を設置する必要がなく、小型でコンパクトな装置となる。
(第3の実施形態)
次に図4を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と共通する部分の説明を省略する。
本実施形態の燃焼装置4Bでは、外筒の下半部を逆円錐筒形状にしている。すなわち、外筒の上半部41aを円筒形状とし、外筒の下半部41bを逆円錐形状とし(縮径部)、外筒の最下部41cを小円筒状の排出部としている。外筒の逆円錐筒形状部41bは、下方に移行するにしたがって内径が漸次小さくなっている。内筒の下端開口42aが外筒の逆円錐筒形状部41bのところに位置するように、内筒42は外筒のなかに配置されている。また、外筒の排出部41cは、下端に開口41dを有する。この排出部の開口41dは図示しない煤塵回収容器に連通している。
本実施形態の装置において、煤塵60は、外筒の逆円錐筒形状部41bの内周壁に付着し、壁面から剥がれ落ちて、排出部41cの開口41dを通って図示しない回収容器のなかに落下する。
本実施形態によれば、外筒の下部形状を逆円錐筒形状にしているので、燃焼排ガスの旋回流が燃焼スペースを下降するに従って周速度が大きくなり、遠心力が増大化する。このため、燃焼排ガスから煤塵をさらに効率よく分離することができる。
(第4の実施形態)
次に図5〜図7を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と共通する部分の説明を省略する。
本実施形態の燃焼装置4Cでは、外筒の逆円錐筒形状部に冷却ガス注入管46を取り付け、この冷却ガス注入管46に熱利用機器5の出口側からの排ガス循環ラインL4を接続して、熱利用機器5から出てくる使用済みの低温燃焼排ガスを冷却ガス注入管46から燃焼スペース40の下部に注入している。
燃焼排ガス中のNOx、亜酸化窒素、未燃分を低減させるための空気比や燃焼温度の要求と、煤塵の分離を行うための流速の要求は必ずしも一致しない場合がある。この場合に、二次燃焼後の燃焼排ガスに、別の流体を混入させ、流速を増大させることにより煤塵を分離する効率を高められる。このとき、混入させる流体として、熱利用機器を通過した低温燃焼排ガスを用いた場合、空気等を利用する場合と比較して熱効率が向上する。
熱利用後の低温燃焼排ガスは、温度が100℃以上350℃以下の範囲にあり、低温燃焼排ガスライン(排ガス循環ライン)L4を経由して冷却ガス導入管46から燃焼スペース40に導入される。
本実施形態によれば、冷却ガス注入管46から冷却ガスとして熱利用後の低温燃焼排ガスを未燃焼ガス燃焼後の領域にて外筒内周壁の周方向(内接接線方向)に注入し、高温の二次燃焼排ガスを低温の冷却ガスで希釈することにより、燃焼スペース下部領域における過熱が防止されるとともに、燃焼排ガスの流速をさらに増大させることにより、煤塵の分離効率が向上する。
1,1C…廃棄物処理システム、
3…熱分解炉、31…中空シャフト室、32…加熱ジャケット、33…熱媒供給管、34…熱媒排出管、
4,4A,4B,4C…燃焼装置、
40…燃焼スペース、40a…開口、
41…外筒、41a…円筒形状部、41b…逆円錐形状部(縮径部)、41c…排出部、41d…開口、
42…内筒、42a…開口、
43…上段バーナ、43a…第1の燃焼口、
44…下段バーナ、44a…第2の燃焼口、
45…上蓋、46…冷却ガス注入管(希釈空気導入管)、46a…ガス注入口、
49…下蓋、
5…熱利用機器、
6…煤塵回収容器、60…煤塵、
L1…有機性廃棄物供給ライン、
L2…熱分解ガスライン、
L3…燃焼排ガスライン、
L4…低温燃焼排ガスライン(排ガス循環ライン)、
L5…炭化物排出ライン、
L6…一次燃焼空気ライン、L7…二次燃焼空気ライン。

Claims (6)

  1. 有機性廃棄物を高温の還元性雰囲気下で熱分解させる廃棄物処理システムの熱分解炉において発生する可燃性の熱分解ガスを熱源として利用する燃焼装置であって、
    前記熱分解ガスを燃焼させるための燃焼スペースを規定する外筒と内筒を有する縦型二重筒状の炉体と、前記内筒は下端が開口し、前記燃焼スペースから燃焼排ガスが排出される流路を形成することと、
    前記燃焼スペース内で前記熱分解ガスを一次燃焼空気と混合燃焼させる上段バーナと、
    前記上段バーナに前記熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給ラインと、
    前記上段バーナに前記一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給ラインと、
    前記上段バーナよりも下方に配置され、二次燃焼空気を噴射させて前記燃焼スペース内の未燃焼ガスと該二次燃焼空気とを混合燃焼させる下段バーナと、
    前記下段バーナに前記二次燃焼空気を供給する二次燃焼空気供給ラインと、
    を具備し、
    前記上段バーナは、前記外筒の上部内周壁の周方向に火炎を噴射して前記燃焼スペース内に旋回流が形成されるように、前記外筒の上部内周壁に開口する第1の燃焼口を有することを特徴とする燃焼装置。
  2. 前記外筒の下部は、前記燃焼スペース内を旋回して下降する燃焼ガス流の流速を増大させるために、下方に移行するに従って直径が漸次減少する逆円錐形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
  3. 前記下段バーナは、外筒の上部内周壁の周方向に燃焼噴射して燃焼スペース内に燃焼排ガスの旋回流が形成されるように、第1の燃焼口よりも下方の位置で外筒の上部内周壁に開口する第2の燃焼口を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の燃焼装置。
  4. 前記下段バーナの第2の燃焼口よりも下方の位置で前記外筒の内周壁に開口するガス注入口をもつ冷却ガス注入管をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の燃焼装置。
  5. 前記外筒の下部に連通する煤塵回収容器をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃焼装置。
  6. 前記外筒から前記内筒までの半径方向の距離が全周にわたり実質的に均等になるように、前記内筒が前記外筒のなかに同軸に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃焼装置。
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