JP2009040138A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用空調装置において、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差を広げて、乗員の快適感を損なうことのないようにする。
【解決手段】車両用空調装置において、電子制御装置26は、コンプレッサ40が停止状態では、目標吹出温度TAOが40℃よりも高いときには(ステップS191a)、温度差ΔTが生じ易い状態であるとして通常の内気比率Tを算出し(ステップS191b)、目標吹出温度TAOが40℃よりも低いときには、温度差ΔTが生じ難い状態であるとして快適性優先の内気比率Tを算出する(ステップS191c)。快適性優先の内気比率Tでは、通常の内気比率Tに比べて外気導入率が高い。これにより、温度差ΔTが生じ難い状態であると判定したときには、温度差ΔTが生じ易い状態であると判定したときに比べて、空調ケーシング31への導入空気温度が下がる。
【選択図】図6

Description

本発明は、冷房用熱交換器を備える車両用空調装置に関する。
従来、車両用空調装置において、空調ケーシング内に、空気を冷媒により冷却する冷房用熱交換器と、冷房用熱交換器から吹き出される冷風を加熱する暖房用熱交換器と、暖房用熱交換器をバイパスして冷風を流すバイパス通路と、暖房用熱交換器に流れる風気量とバイパス通路に流れる空気量との比率を変えるエアミックスドアを備え、エアミックスドアの開度を変えることにより、当該比率を変えて、車室内に吹き出す空気温度を調整している。
このものにおいて、冷房用熱交換器とともに冷凍サイクル装置を構成して冷媒を循環させるコンプレッサを備え、オートエアコンモードを実施する際には、夏期は冷房のためにコンプレッサを動作させて冷房用熱交換器により空気を十分に冷却させ、また冬期は窓ダラスの曇り防止のための除湿目的でコンプレッサを動作させて冷房用熱交換器により空気を十分に冷却させている。
また、車室内湿度を検出する湿度センサを搭載している車両においては、湿度センサの検出湿度に基づいて、冷房、湿度快適性、および窓ガラスの防曇を考慮して、最適な冷房用熱交換器の温度の目標値Teを決定して、この決定された目標値Teに冷房用熱交換器の実際の温度を近づけるようにコンプレッサを制御している(例えば、特許文献1参照)。
このことにより、ユーザーは、”オートエアコンモード”を開始するための[Auto]スイッチを押すだけで、快適・安全(防曇)・省動力な空調を実現することが可能である。
しかし、オートエアコンモードを実施する際にはコンプレッサを動作させるためのエネルギーが必要となる。このため、コンプレッサが走行用エンジンにより駆動されている場合には、コンプレッサの動作に伴って、走行用エンジンが余分な燃料を消費してしまい、燃費効率が悪化してしまう。
このため、一般的なユーザーにおいては、夏期の冷房が必要な時期以外は手動で「A/Cスイッチ」(すなわち、コンプレッサ作動スイッチ)をOFF操作してコンプレッサを停止状態にしてしまう場合が多い。
また、ユーザーによっては冷房の風が苦手で、よほど暑い時以外は「A/Cスイッチ」をOFF状態に操作する場合もある。このような操作を行うと、窓曇りが発生し易い秋、春の中間期に除湿、防曇の運転が出来ず、安全運転に支障をきたす場合がある。
また、上述の特許文献1の如く、目標値Teに冷房用熱交換器の実際の温度を近づけるようにコンプレッサを制御する場合においても、車室外の環境(外気温度・湿度・車速・日射など)の変化により目標値Teが変化する。これに伴い、コンプレッサの動力が逐次変動して、冷房用熱交換器に流れ込む冷媒量が変動する。
このため、冷房用熱交換器の外表面温度が変動し、冷房用熱交換器の外表面において水分凝縮と、水分乾燥が繰り返される。これにより、凝縮水に含まれる臭い成分が空気中に放出され、吹出口から異臭が車室内に吹き出されることが懸念されている。
一方で、近年の走行用エンジンの高効率化に伴って走行用エンジンの廃熱量が低くなっている。このため、冬期においては、暖房用熱交換器に対して十分な走行用エンジンから十分な廃熱量を供給できなくなり、暖房性能不足が懸念されている。
これは、冬期においては、窓ガラスの防曇のために車室内に外気を導入して、車室内空気の熱エネルギーを車室外に逃がしているためである。すなわち、冬期の暖房性能不足は、換気に伴うエネルギー損失が生じるためのである。
しかし、車室内の空気を循環させる内気循環と窓ガラスの防曇とは相反することであり、内気循環を実施すれば、車室内空気の熱エネルギーを車室外に逃がすことを抑制できるが、窓ガラスの曇りが生じ易くなる。このため、現在の車両用空調装置においては、窓ガラスの曇りに対する安全性の面から、外気導入をせざるを得ないのが通常である。
特許第3309528号明細書
そこで、本発明者等は、秋、春の中間期の湿度制御では、コンプレッサを停止した状態で、窓曇りの発生しない範囲で内気循環して、暖房性能を向上させることを検討した。これは、省動力や異臭発生防止だけでなく、コンプレッサの停止のために行うことのできない車室内除湿作用を補い、かつ換気(すなわち、外気導入)に伴うエネルギー損失を低減することを目的としている。
本発明者の検討によれば、室内温度が高く、内気率(すなわち、外気導入量に対する内気導入量の比率)が高い場合では、導入空気の温度が高くなり、冷房用熱交換器の吹出空気温度が上昇する。
ここで、中間期では、冬期に比べて、目標吹出温度TAOが低下する傾向にある。このため、導入空気の温度と目標吹出空気温度の差が少なくなり、冷房用熱交換器の下流側において暖房用熱交換器から空気に加えられる熱量が少ない状況となる。すなわち、暖房用熱交換器を通過した空気温度は、十分に上昇しなく、低い温度のままとなる。
このため、特にバイレベルモードにおいて、フット吹出口から吹き出される空気温度は低いままとなり、フェイス吹出口から吹き出される空気温度とフット吹出口から吹き出される空気温度との温度差が小さくなり、乗員に十分な快適感を与える事ができない。
本発明は、上記点に鑑み、車両用空調装置において、乗員の快適感を損なうことのないようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内気導入口(33)と、外気導入口(34)と、乗員の上半身側に吹き出す第1の吹出口(52)と、前記乗員の下半身側に吹き出す第2の吹出口(50)とを有する空調ケーシング(31)と、
前記内気導入口および前記外気導入口を選択的に開閉する内外気切替ドア(35)と、
前記内気導入口および前記外気導入口のうち少なくとも一方から空気を前記空調ケーシング内に導入して前記第1、第2の吹出口に向けて送風する送風機(37)と、
コンプレッサ(40)とともに冷媒を循環させる冷凍サイクル装置を構成し、前記冷媒を蒸発させて前記送風機からの送風空気を除湿冷却する冷却用熱交換器(38)と、
前記冷却用熱交換器から吹き出される冷風を加熱する暖房用熱交換器(44)と、
前記空調ケーシング内に設けられ、前記冷却用熱交換器からの冷風を前記暖房用熱交換器をバイパスして流すバイパス通路(45)と、
前記バイパス通路を流れる空気量と前記暖房用熱交換器に流れる空気量との比率を変えることにより、前記第1、第2の吹出口からそれぞれ吹き出される空気温度を調整する温度調整用ドア(46)と、
前記第1、第2の吹出口の吹出空気温度をそれぞれ目標吹出空気温度(TAO)に近づけるように前記温度調整用ドアを制御する温度調整制御手段(S106)と、を備え、
前記コンプレッサが運転された状態で、前記第1の吹出口の吹出空気温度に比べて前記第2の吹出口の吹出空気温度が高くなるように構成されている車両用空調装置であって、
当該車両の窓ガラスの曇り易さに関する曇り易さ情報を検出する検出手段(17、18、23)と、
前記検出手段により検出された曇り易さ情報に基づいて、前記窓ガラスが曇らない範囲で前記内気導入口を介して内気を導入させるように前記内外気切替ドアを制御する内外気ドア制御手段(S105)と、
前記コンプレッサが停止した状態で、前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であるか否かを判定する温度差判定手段(S191a)と、
前記内外気ドア制御手段が前記内外気切替ドアを制御する際に、前記温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定したときには、前記温度差が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定したときに比べて、前記外気導入口を介して導入する外気量を増やすようになっていることを特徴とする。
これにより、温度差が生じ難い状態であると温度差判定手段が判定したときには、温度差が生じ易い状態であると温度差判定手段が判定したときに比べて、空調ケーシングへの導入空気温度が下がる。この場合、コンプレッサが停止した状態であっても、冷却用熱交換器の吹出空気温度と目標吹出温度との温度差が広がる。
したがって、暖房用熱交換器が冷却用熱交換器の吹出空気に対して十分な熱量を与えることができ、第1の吹出口の吹出空気温度が上昇するので、第1、第2の吹出口の吹出空気温度の温度差を広げることができるので、乗員の快適感を損なうことのないようにすることができる。
請求項2に記載の発明では、前記検出手段により検出された前記曇り易さ情報に基づいて、前記窓ガラスの曇り易さ度合い(RHW)を算出する算出手段(20)を備えており、
前記内外気ドア制御手段は、前記算出手段により算出された曇り易さ度合いに基づいて、前記内外気切替ドアを制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、前記算出手段は、前記窓ガラスの曇り易さ度合いとして、前記窓ガラスの内面付近の相対湿度を求めることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、前記窓ガラスの曇り易さ度合いに基づいて、前記車室内に導入する前記内気と前記外気との比率を決めるための内気指令値(S)を算出する指令値算出手段(S119)を備えており、
前記内外気ドア制御手段は、前記指令値算出手段により算出された内気指令値(S)に基づいて、前記窓ガラスが曇らない範囲で前記内気導入口を介して内気を導入させるように前記内外気切替ドアを制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、前記車室内に導入する内気の比率を段階的に増加させるように前記内気指令値(S)を算出する第1の制御モード、前記車室内に導入する前記内気および前記外気の比率を持続させるように前記内気指令値(S)を算出する第2の制御モード、前記車室内に導入する外気の比率を段階的に増加させるように前記内気指令値(S)を算出する第3の制御モードと、前記車室内に前記外気だけを導入させる前記内気指令値(S)を算出する第4の制御モードを有しており、
さらに、前記指令値算出手段は、前記窓ガラスの曇り易さ度合いが大きくなるほど前記外気の導入比率を増やすように、前記第1〜第4の制御モードのうち1つの制御モードを選択し、この選択された制御モードに基づいて前記内気指令値(S)を算出することを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、前記内外気ドア制御手段が前記内外気切替ドアを制御する際には、前記温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定したときには、前記内気指令値(S)が同一値である場合でも、前記温度差(ΔT)が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定したときに比べて、前記外気導入口を介して導入する外気量を増やすようになっていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、前記温度差判定手段は、前記目標吹出空気温度(TAO)が所定閾値未満であるか否かを判定することにより、前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であるか否かを判定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ(63)を備えており、
前記温度差判定手段は、前記日射センサにより検出された日射量が所定閾値未満であるか否かを判定することにより、前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であるか否かを判定することを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、前記第1、第2の吹出口(49、50)をそれぞれ開閉する第1、第2の吹出口ドア(52、53)と、
前記第1、第2の吹出口ドアにより前記第1、第2の吹出口をそれぞれ開口するバイレベルモードと、
前記目標吹出空気温度が中間温度域から外れたときに前記バイレベルモード以外のモードを実施するように前記第1、第2の吹出口ドアを制御し、前記目標吹出空気温度が中間温度域に入っているときに前記バイレベルモードを実施するように前記第1、第2の吹出口ドアを制御する吹出口制御手段(S103)と、
前記目標吹出空気温度が前記中間温度域に入っているときに前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定し、
前記目標吹出空気温度が前記中間温度域から外れているときに前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定することを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、前記温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定したときには、前記内外気ドア制御手段は、前記内気導入口を閉鎖して前記外気導入口からの外気だけを導入させるように前記内外気切替ドアを制御して、前記温度差が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定したときに比べて前記外気導入口を介して導入する外気量を増やすようになっていることを特徴とする。
これにより、曇り易さ情報に関係なく、空調ケーシングには外気だけが導入されるので、空調ケーシングへの導入空気温度を確実に下げることができる。この場合、コンプレッサが停止した状態であっても、冷却用熱交換器の吹出空気温度と目標吹出温度との温度差を確実に広げることができる。
したがって、暖房用熱交換器が冷却用熱交換器の吹出空気に対してより一層十分な熱量を与えることができ、第1の吹出口の吹出空気温度がより一層上昇するので、第1、第2の吹出口の吹出空気温度の温度差をより一層広げることができるので、乗員の快適感を損なうことのないようにすることが確実にできる。
請求項11に記載の発明では、前記空調ケーシングには、車室内の窓ガラスの内表面に吹き出すデフロスタ吹出口(48)が設けられており、
前記デフロスタ吹出口(48)を開閉するデフロスタドア(51)を備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、前記検出手段により検出された曇り易さ情報に基づいて、前記窓ガラスが曇り易い状態であるか否かを判定する曇り易さ判定手段(S116)と、
前記窓ガラスが曇り易い状態であると前記曇り易さ判定手段が判定したときには、前記コンプレッサを停止した状態で、前記デフロスタドアを制御して前記デフロスタ吹出口(48)を開口し、かつ前記内外気切替ドアを制御して前記内気導入口を閉鎖して前記外気導入口を開口し、前記外気導入口から導入した外気を前記デフロスタ吹出口から窓ガラスの内表面に吹き出させる第1の防曇制御手段(S117、S118)と、
を備えていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、車室外温度を検出する外気温センサ(61)と、
前記外気温センサにより検出された外気温度が所定温度以上であるか否かを判定する外気温判定手段(S112)と、
前記外気温センサにより検出された外気温度が所定温度以上であると前記外気温判定手段が判定したときには、前記コンプレッサを運転させた状態で前記デフロスタドアを制御して前記デフロスタ吹出口(48)を開口し、前記冷却用熱交換器により除湿された送風空気を前記デフロスタ吹出口から前記窓ガラスの内表面に吹き出させる第2の防曇制御手段(S113c)と、
を備えていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明では、前記車室内の空気温度の設定温を設定する温度設定手段(70)と、
前記車室内の空気温度を前記設定温に維持するために必要である前記第1、第2の吹出口の吹出空気温度として前記目標吹出空気温度を算出する目標温度算出手段(S102)と、を備えていることを特徴とする。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1に、本発明に係る車両用空調装置の第1実施形態の概略構成を示す。
車両用空調装置は、室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)内側部等に配設される。この室内空調ユニット30は空調ケーシング31を有し、この空調ケーシング31内に車室内へ向かって空気が送風される空気通路を構成する。
この空調ケーシング31の空気通路の最上流部に内外気切替箱32を配置し、内気導入口33および外気導入口34を内外気切替ドア35により切替開閉するようになっている。この内外気切替ドア35はサーボモータ36によって駆動される。
内外気切替箱32の下流側には車室内に向かって空気を送風する電動式の送風機37を配置している。この送風機37は、遠心式の送風ファン37aをモータ37bにより駆動するようになっている。送風機37の下流側には送風空気を冷却する冷房用熱交換器をなす蒸発器38を配置している。
この蒸発器38は、冷凍サイクル装置39を構成する要素の一つであり、低温低圧の冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する。なお、冷凍サイクル装置39は周知のものであり、コンプレッサ40の吐出側から、凝縮器41、受液器42および減圧手段をなす膨張弁43を介して蒸発器38に冷媒が循環するように構成されている。凝縮器41には電動式の冷却ファン41aによって室外空気(冷却空気)が送風される。この冷却ファン41aはモータ41bによって駆動される。
冷凍サイクル装置39において、コンプレッサ40としては、例えば、冷媒吐出容量を変更可能である可変容量型コンプレッサが用いられる。コンプレッサ40は、電磁クラッチ40aを介して車両エンジン(図示せず)により駆動される。従って、電磁クラッチ40aの通電の断続によりコンプレッサ40の作動を断続制御できる。
一方、室内空調ユニット30において、蒸発器38の下流側には空調ケーシング31内を流れる空気を加熱するヒータユニット44を配置している。このヒータユニット44は車両エンジンの温水(すなわち、エンジン冷却水)を熱源として、蒸発器38通過後の空気(冷風)を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータユニット44の上側にはバイパス通路45が形成され、このバイパス通路45をヒータユニット44のバイパス空気が流れる。
蒸発器38とヒータユニット44との間に温度調整手段をなすエアミックスドア46を回転自在に配置してある。このエアミックスドア46はサーボモータ47により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調整可能になっている。
エアミックスドア46の開度によりヒータユニット44を通る空気量(温風量)と、バイパス通路45を通過してヒータユニット44をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整するようになっている。
空調ケーシング31の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラス12に向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口48、乗員顔部(乗員上半身)に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口49、および乗員足元部(乗員下半身)に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口50の計3種類の吹出口が設けられている。空調ケーシング31内においてバイパス通路45を通過する冷風とヒータユニット44を通過する温風とが混合されて吹出口48、49、50から車室内に吹き出される。
これら吹出口48〜50の上流部にはデフロスタドア51、フェイスドア52およびフットドア53が回転自在に配置されている。これらのドア51〜53は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ54によって開閉操作される。
このように構成されて、コンプレッサ40が運転されて蒸発器38による除湿が行われている状態では、フェイス吹出口49の吹出空気温度に比べてフット吹出口50の吹出空気温度が高くなり、乗員に対して快適感を与えるように構成されている。
電子制御装置26は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この電子制御装置26は、そのROM内に空調制御のためのコンピュータプログラムを記憶しており、そのコンピュータプログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
電子制御装置26には、後述する検出装置10の検出値が入力される他に、周知の空調用センサ群61〜65からの検出信号、および空調操作パネル70からの各種操作信号が入力される。
空調用センサ群としては、具体的には、外気温(車室外温度)Tamを検出する外気センサ61、内気温(車室内温度)Trを検出する内気センサ62、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ63、蒸発器38の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを検出する蒸発器温度センサ64、ヒータユニット44に流入する温水(エンジン冷却水)温度Twを検出する水温センサ65等が設けられる。
また、空調操作パネル70には各種空調操作部材として、車室内の設定温度Tsetを設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ71、吹出モードドア51〜53により切り替わる吹出モードをマニュアル設定する吹出モードスイッチ72、内外気切替ドア35による内外気吸込モードをマニュアル設定する内外気切替スイッチ73、コンプレッサ40の作動指令信号(電磁クラッチ40aのON信号)を出すエアコンスイッチ74、送風機37の風量をマニュアル設定する送風機作動スイッチ75、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ76等が設けられる。
電子制御装置26の出力側には、コンプレッサ40の電磁クラッチ40a、各機器の電気駆動手段をなすサーボモータ36、47、54、送風機37のモータ37b、凝縮器冷却ファン41aのモータ41b等が接続され、これらの機器の作動が電子制御装置26の出力信号により制御される。
次に、検出装置10の構成について図2〜図4を用いて説明する。図2は検出装置10を車両の窓ガラス(具体的には、フロント側窓ガラス)の内面に装着した状態を示す概略断面図で、図3は検出装置10の概略斜視図であり、図4は検出装置10の電気的構成図である。
検出装置10は、樹脂等により成形されたケース11を有している。このケース11は高さの低い薄型の直方体状であって、底面部は全面的に開口した形状になっている。
ケース11の前面および背面の壁面には凸形状の開口部11aを形成している。この前面および背面の開口部11aによりケース11の内部空間が周辺の空間、すなわち、車室内空間に常時連通するようになっている。ケース11の前面および背面の壁面のうち、開口部11aの左右両側部分は窓ガラス12の内面12aへの取付ステー部11bを構成する。
窓ガラス12は本例では車両の前面(フロント)ガラスであり、図1の上面側が車室内に面する内面12aであり、図1の下面側が車室外に面する外面12bである。従って、図2は窓ガラス12の内面12aを図示している。取付ステー部11bの下端面には遮光フィルム13が貼り付けられ、さらに、遮光フィルム13が窓ガラス12の内面12aに貼り付けられる。なお、遮光フィルム13は取付ステー部11bの下端面および窓ガラス12の内面に対して接着等の手段で貼り付ければよい。
ケース11の内部空間において開口部11aの上端部と上側壁面11cとの間に回路基板14が窓ガラス12の面と平行に配置され、図示しない取付手段にて回路基板14はケース11の内壁面に固定される。回路基板14は絶縁基板上に導体回路部を構成する一般にプリント基板と称される部材であり、以下に述べるセンサ類および回路部が実装される。
回路基板14のうち、窓ガラス12側の表面(図1の下側面)には、湿度センサ17、空気温度検出用温度センサ18、増幅器19、演算回路20、および通信回路21が実装されている。
なお、湿度センサ17と温度センサ18は回路基板14の長手方向(図2の左右方向)の中央部に配置され、開口部11aの上端部付近、すなわち、車室内空間への連通部位に配置されている。このため、湿度センサ17と温度センサ18は車室内の窓ガラス内面付近の空気の代表的な湿度と温度を検出できる。
遮光フィルム13のうちセンサ側の表面の1箇所にガラス温度検出用の温度センサ23が一体化して配置される。遮光フィルム13は上述のように熱伝導率の高い薄膜状部材であるから、窓ガラス12の車室内側表面温度(内面温度)とほぼ同一の温度になっている。
なお、本例では、湿度センサ17として、感湿膜の誘電率が空気の相対湿度に応じて変化し、それにより、静電容量が空気の相対湿度に応じて変化する容量変化型のものを用いている。また、温度センサ18、23としては温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを用いている。
リード線25はケース11の内部空間からケース11の外部へ取り出される電源線および通信線であり、回路基板14の電気回路部(増幅器19、演算回路20、および通信回路21)と、外部回路(後述の図4の電子制御装置26、車両電源等)との間を電気的に接続するものである。
なお、前述したケース11の取付ステー部11bは、回路基板14および回路基板14上に実装される各種センサ類と窓ガラス12の内面12aとの間隔を規定する位置決め手段としての役割を果たす。
次に、図4により検出装置10電気的構成を説明すると、各センサ17、18、23の出力信号をそれぞれ増幅器19a〜19dで増幅して演算回路20a〜20cに加える。
そして、演算回路20aが、湿度センサ17(具体的には増幅回路20aの出力値)の出力値Vに基づいて、窓ガラス付近の車室内空気の相対湿度RHを演算する。すなわち、湿度センサ17の出力値Vを相対湿度RHに変換するための所定の演算式が予め設定されており、この演算式に出力値Vを適用することにより、相対湿度RHを演算する。下記(1)式は、この湿度演算式の具体例である。
RH=αV+β ……(1)
但し、αは制御係数で、βは定数である。
次に、演算回路20bが空気温度センサ18の出力値(具体的には増幅回路20bの出力値)を予め設定された所定の演算式に適用することにより、窓ガラス付近の車室内空気温度を演算する。
さらに、演算回路20cが、ガラス温度センサ23の出力値(具体的には増幅回路20cの出力値)を予め設定された所定の演算式に適用することにより、窓ガラス温度(ガラス室内側表面温度)を演算する。
さらに、演算回路20dが、相対湿度RH、空気温度および窓ガラス温度に基づいて、窓ガラス表面相対湿度(窓ガラス室内側表面の相対湿度:曇り易さ)RHWを演算する。すなわち、湿り空気線図を用いることにより、相対湿度RHと空気温度と窓ガラス温度とから窓ガラス表面相対湿度RHWを演算できる。そして、その窓ガラス表面相対湿度RHWが通信回路21を通して電子制御装置26に出力するようになっている。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。
図5は、基本空調制御処理のフローチャートを示す。電子制御装置26は、図5に示すフローチャートにしたがって、コンピュータプログラムを実行する。当該コンピュータプログラムの実行は、イグニッションスイッチIGがオンされると開始される。
まず、ステップS100において、空調操作パネル70からの操作信号(設定温度Tset)を読み込む。
次のステップS101において、センサ群61〜65からの検出信号、および検出装置10からの検出信号(窓ガラス表面相対湿度RHW)を読み込む。
次のステップS102において、車室内吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。目標吹出温度TAOは、車室内の空調熱負荷の変動にかかわらず、温度設定スイッチ71により設定した設定温度Tsetに車室内温度(内気温)Trを維持するために必要な車室内吹出空気温度である。具体的には、下記数式(1)により目標吹出温度TAOを演算する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr
−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(1)
ここで、Trは内気センサ62により検出される内気温、Tamは外気センサ61により検出される外気温、Tsは日射センサ63により検出される日射量、Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインおよびCは補正用の定数である。
次に、ステップS103において、目標吹出温度TAOに基づいて、サーボモータ54を制御して、フェイスドア52およびフットドア53を開閉する。
具体的には、吹出モードを目標吹出温度TAOに基づいて決定する。本実施形態では、目標吹出温度TAOが低温域に入っていると判定したとき吹出モードとしてフェイスモードを実施し、目標吹出温度TAOが中間温度域に入っていると判定したとき吹出モードとしてバイレベル(B/L)モードを実施し、目標吹出温度TAOが高温度域のとき吹出モードとしてフットモードを実施する。
ここで、フェイスモードでは、フェイスドア52によりフェイス吹出口49を開口し、かつフットドア53によりフット吹出口50を閉鎖する。バイレベル(B/L)モードでは、フェイスドア52によりフェイス吹出口49を開口し、かつフットドア53によりフット吹出口50を開口する。フットモードでは、デフロスタドア51によりデフロスタ吹出口48を若干開口し、かつフットドア53によりフット吹出口50を開口する。
なお、フットモードでは、後述するフットデフモードおよびデフモードに比べてデフロスタ吹出口48の開度(開口面積)を小さくする。
次に、ステップS104において、目標吹出温度TAOに基づいて、送風機37を制御する。目標吹出温度TAOが中間温度域では、モータ37bに与えるブロワ電圧を最小値にして、送風機37の風量を最小風量にする。一方、目標吹出温度TAOが低温域および高温域である場合には、モータ37bに印加するブロワ電圧を最大値にして、送風機37の風量を最大風量にする。目標吹出温度TAOが低温域(または高温域)から中間温度域に向かって変化するにつれてブロワ電圧を高くし、送風機37の風量を増加させる。
次に、ステップS105において、外気温Tam、目標吹出温度TAO、および窓ガラス表面相対湿度RHWに基づいて内外気切替ドア35を制御する。具体的な内外気切替ドア35の制御処理については後述する。
次に、ステップS106にて、エアミックスドア46の目標開度SWを目標吹出温度TAO、蒸発器吹出空気温度Te、及びエンジン冷却水温度Twに基づいて次の数式(2)により算出する。
SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕×100(%)…(2)
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア46の最大冷房位置であり、バイパス通路16を全開し、ヒータコア15側の通風路を全閉する。これに対し、SW=100(%)は、エアミックスドア46の最大暖房位置であり、バイパス通路16を全閉し、ヒータコア15側の通風路を全開する。このように算出される目標開度SWにエアミックスドア46の実際の開度を近づけるようにサーボモータ47を制御する。その後、ステップS100〜ステップS107の処理を繰り返す。
次に、本実施形態の内外気切替ドア35の制御処理(ステップS105)について図6〜図15を参照して説明する。図6は、内外気切替ドア35の制御処理の概略を示すフローチャートである。
まず、ステップS110において、電磁クラッチ40aを制御してコンプレッサ40を停止させる。次のステップS111において、検出回路10で演算された窓ガラス表面相対湿度RHWを読み込む。
次のステップS112において、外気センサ61で検出される外気温Tamが一定温度(例えば15℃)以上であるか否かを判定する。外気温Tamが一定温度以上であるときには、YESと判定して防曇付きオート制御(この制御処理については後述する)を実施する。
一方、外気温Tamが一定温度未満であるときにはステップS112でNOと判定して、ステップS114に移行して、コンプレッサ40が停止中であるか否かを判定する。このとき、コンプレッサ40が動作中であるときには、NOと判定して、ステップS115において電磁クラッチ40aを制御してコンプレッサ40を停止させて、ステップS116に進む。一方、コンプレッサ40が停止中であるときには、ステップS115においてYESとステップS116に進む。
ステップS116において、窓ガラス表面相対湿度RHWに基づいて、内外気制御を選択するか否かを判定する。窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHW(90%RH)未満であるか否かを判定し、窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHW未満であると判定したときには内外気制御を選択し、窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHW以上であると判定したときには省電力防曇制御を選択する。
なお、内外気制御を選択するか、或いは省電力防曇制御を選択するかの判定には制御ハンチングを抑えるためにヒステリシス特性が設定されている。
ステップS116において、窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHW(90%RH)以上であるときには、NOと判定して、ステップS117に進んで、内外気切替ドア35により内気導入口33を開口し、かつ外気導入口34を閉鎖する。これにより、空調ケーシング31内には外気だけが導入されることになる。その後、ステップS117に進んで、窓ガラス表面相対湿度RHWに基づいて省電力防曇制御を実施する。この省電力防曇制御の詳細については後述する。
一方、ステップS116において、窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHW(90%RH)未満であるとしてYESと判定したときには、ステップS119において、内外気制御に用いる内外気制御指令値Sを算出する。ここで、内外気制御指令値Sは、車室内への内気比率T(すなわち、導入口33、34からの導入空気のうち内気の占める割合を示す比率)を決めるための数値であり、S=1からS=7に向かって内気比率が順次増大する。
図8は上記の内外気制御指令値Sの算出処理(ステップS119)の具体例を示すフローチャートであり、図8を参照して内外気制御指令値Sの算出処理について具体的に説明する。
まず、車速SPDが低速域Aにあるか高速域Bにあるかを図9のマップに基づいて判定する(ステップS120)。そして、車速SPDが高速域Bにあるときは、図10のマップに示すように窓ガラス表面相対湿度RHWに基づいて内外気制御指令値Sを決定する(ステップS210)。
すなわち、窓ガラス表面相対湿度RHWが第2の基準湿度RHWaよりも上昇すると、窓ガラスに曇りが生じ易いとして外気モードを実施する、また窓ガラス表面相対湿度RHWが第3の基準湿度RHWbよりも低下すると、窓ガラスに曇りが生じ難いとして、内気モードを実施する。
ここで、外気モードでは、内外気切替ドア35により内気導入口33を閉鎖し、かつ外気導入口34を開口し、内気モードでは内外気切替ドア35により内気導入口33を開口し、かつ外気導入口34を閉鎖する。
第2の基準湿度RHWaとしては、窓ガラスに曇りが生じない上限湿度付近のレベルとして、例えば、80%が用いられ、第3の基準湿度RHWbとしては、例えば、65%が用いられる。
一方、車速SPDが低速域Aにあるときは、窓ガラス表面相対湿度RHWに基づいて、図8のマップに示す制御モード1、2、3、4のうち1つの制御モードを決定する(ステップS122)。
すなわち、図11に示すように、窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHWと同一であるときには制御モード4を決定し、また窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHWよりも低く、かつ第4の基準湿度RHWdよりも高いときは制御モード3を決定する。さらに、窓ガラス表面相対湿度RHWが第4の基準湿度RHWdよりも低く、かつ第5の目標窓ガラス表面相対湿度RHWcよりも高いときは制御モード2を決定し、窓ガラス表面相対湿度RHWが第5の目標窓ガラス表面相対湿度RHWcよりも低下すると制御モード1を決定する。
なお、制御モード1が特許請求範囲に記載の第1の制御モードに相当し、制御モード2が特許請求範囲に記載の第2の制御モードに相当し、制御モード3が特許請求範囲に記載の第3の制御モードに相当し、制御モード4が特許請求範囲に記載の第4の制御モードに相当する。
ここで、第5の基準湿度TRHWc→→第4の基準湿度RHWd→第1の基準湿度TRHWの順に湿度が高くなり、これらの順で徐々に窓ガラスに曇りが生じ易くなる傾向になっている。すなわち、窓ガラスに曇り易さ度合いが高くなる。なお、第5の基準湿度TRHWcとしては、例えば、82%が用いられ、第4の基準湿度RHWdとしては、例えば、88%が用いられる。
また、制御モード1を決定したときは所定時間経過ごとにS=S+1の制御処理を行う(図8中S123)。すなわち、所定時間ごとに内外気制御指令値Sの値を「1」ずつ増加して、内気比率を所定割合ずつ順次増加する制御処理を行う。
また、制御モード2を決定したときは窓ガラス表面相対湿度RHWが基準湿度TRHW付近にあるため、S=Sの制御処理、すなわち、内外気制御指令値Sの値として、前回算出のSの値を持続する制御処理を行う(図8中ステップS124)。
また、制御モード3を決定したときは所定時間経過ごとにS=S−1の制御処理を行う(図8中ステップS125)。すなわち、所定時間ごとに内外気制御指令値Sの値を「1」ずつ減少して、内気比率を所定割合ずつ減少する制御処理を行う。このため、制御モード3を決定したときは最初、内外気制御指令値S≠0であっても、時間経過に伴って、S=S−1を繰り返すと内外気制御指令値S=0になる。さらに、制御モード4を決定したときはS=0の制御処理、具体的には外気モードを実施する制御を行う(図8中ステップS126)。
再び、図6に戻って、ステップS119aにおいて、コンプレッサ40が停止状態では、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態であるか否かを判定する。具体的には、目標吹出温度TAOが40℃以下であるか否かを判定する。
このとき、目標吹出温度TAOが40℃よりも高いときには、コンプレッサ40が停止状態では、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ易い状態であるとしてNOと判定して、ステップS191bに進んで、通常の内気比率Tを算出する。
具体的には、図12のマップを用いて内外気指令値S(0<S<7)に基づいて内気比率Tを決める。内外気指令値Sが「0」から「7」の間において内外気指令値Sが大きくなるにつれて、内気比率Tが0%から100%まで増加し、内外気指令値Sが小さくなるにつれて、内気比率Tが100%から0%まで減少する。
また、ステップS191aにおいて、目標吹出温度TAOが40℃以下であるときには、コンプレッサ40が停止状態では、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態であるとしてYESと判定して、ステップS191cに進んで、快適性を優先して内気比率Tを算出する。
具体的には、図13のマップを用いて内外気指令値S(0<S<7)に基づいて内気比率Tを決める。内外気指令値Sが「0」から「7」の間において内外気指令値Sが大きくなるにつれて、内気比率Tが0%から30%まで増加し、内外気指令値Sが小さくなるにつれて、内気比率Tが30%から0%まで減少する。
このことにより、通常の内気比率T(図12のマップ)に比べて、内外気指令値Sが同一値であっても、内気比率Tの値が小さくなる。すなわち、快適性優先の内気比率Tは、通常の内気比率T(図12のマップ)に比べて、外気比率(すなわち、導入口33、34からの導入空気のうち外気の占める割合を示す比率)が大きくなる。
以上のようにステップS191b、191cで算出した内気比率Tに対応するように内外気切替ドア35の開度を制御する。このことにより、窓ガラス表面相対湿度RHWが高くなるほど、内気比率を下げる(すなわち、外気導入率を上げる)ように内外気切替ドア35の開度を制御して、窓ガラスの防曇を行う。
次に、省電力防曇制御の詳細について図7を参照して説明する
省電力防曇制御では窓ガラス表面相対湿度RHWに応じてモード1、2、3のうちいずれかが選択されて、窓ガラス表面相対湿度RHWが大きくなるにつれて、モード1→モード2→モード3が替わる。
具体的には、窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHWと第5の基準湿度RHWeとの間に入っていると判定したときにはモード1を決定し、窓ガラス表面相対湿度RHWが第5の基準湿度RHWeと第6の基準湿度RHWfとの間に入っていると判定したときにはモード2を決定し、窓ガラス表面相対湿度RHWが第6の基準湿度RHWf以上であると判定したときにはモード3が決定する。
モード1では、フットデフモードを実施し、かつ上述のステップS104で決められたブロワ電圧に対して一定電圧を増加する。すなわち、上述のステップS104で決められた送風機37の風量に対して一定風量を増加させる。
フットデフモードでは、デフロスタドア51によりデフロスタ吹出口48を開口し、フェイスドア52によりフェイス吹出口49を閉鎖し、フットドア53によりフット吹出口50を開口する。
モード2では、上述のステップS103で決められたフットモード、フェイスモード、バイレベルモード等を実施しても、それら吹出モードに関係なく、強制的にサーボモータ54を制御してデフモードを実施する。
デフモードでは、デフロスタドア51によりデフロスタ吹出口48を開口し、フェイスドア52によりフェイス吹出口49を閉鎖し、フットドア53によりフット吹出口50を閉鎖する。
モード3では、上述のモード1の制御処理とモード2の制御処理とを両方とも実施する。すなわち、上述のステップS104で決められた送風機37の風量に対して一定風量を増加させ、かつデフモードを実施する。
次に、防曇付きオート制御(ステップS113c)の処理について説明する。
また、上述したステップS112において、外気温Tamが一定温度以上であるとしてYESと判定したときにはステップS113aに進んで、コンプレッサ40が動作中か否かを判定する。コンプレッサ40が動作状態であるときには、YESと判定してステップS113cに移行する。一方、コンプレッサ40が停止状態であるときにはNOと判定して、コンプレッサ40を動作させて(ステップS113b)、ステップS113cに移行する。
ステップS113cでは、窓ガラス表面相対湿度RHWに基づいて制御モード10〜制御モード40のいずれかを選択する。
以下、図14、図15を参照して制御モード10〜制御モード40の選択について説明する。
図14は制御モードの選択の際に用いる閾値を示すマップであり、図15は制御モードの選択処理を示すフローチャートである。
図15において、窓ガラス表面相対湿度RHWが第4の基準湿度RHWdよりも高いときには、ステップS130においてYESと判定して、ステップS131において制御モード40を実行する。また、制御モード40の制御処理については、後述する。
窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHWよりよりも高く、かつ第4の基準湿度TRHWdより低いときには、ステップS132においてYESと判定してステップS133において制御モード30を実行する。また、制御モード30の制御処理については、後述する。
窓ガラス表面相対湿度RHWが第1の基準湿度TRHWより低く、かつ第5の基準湿度RHWcよりも高いときには、ステップS134においてYESと判定してステップS135において制御モード20を実行する。また、制御モード20の制御処理については、後述する。
窓ガラス表面相対湿度RHWが第5の基準湿度RHWcより低いときには、ステップ134においてNOと判定してステップ136において制御モード10を実行する。また、制御モード10の制御処理については、後述する。
以上のように、制御モード40、30、20、10は、実施されるもので、コンプレッサ40が動作して蒸発器38による冷却除湿が行われた状態で、窓ガラス表面相対湿度RHWが低くなるほど、制御モード40→制御モード30→制御モード20→制御モード10(通常オート制御モード)の順に段階的に切り替わる。制御モード10→20→…50→60の順で、防曇効果が段階的に高くなるようになっている。以下に、制御モード10〜40の具体的な制御処置について説明する。
(制御モード10)
制御モード10では、フットモードを実施する。加えて、目標吹出温度TAOが中間温度域よりも低い低温域に入っていると判定したときには内気モードを実施し、目標吹出温度TAOが中間温度域内に入っていると判定したときには半内気モードを実施し、目標吹出温度TAOが中間温度域より高いよりも高温域に入っていると判定したときには外気モードを実施する。この半内気モードでは、内外気切替ドア35により内気導入口33および外気導入口34をそれぞれ開口する。
(制御モード20)
この制御モード20では、フットモードを実施する。加えて、上述のステップS104で決められたブロワ電圧に対して一定電圧を増加する。すなわち、上述のステップS104で決められた送風機37の風量に対して一定風量を増加させる。
(制御モード30)
この制御モード30では、強制的にフットデフモードを実施する。
(制御モード40)
制御モード40では、上述の制御モード20、30のそれぞれの制御処理を両方とも実施する。すなわち、上述のステップS104で決められた送風機37の風量に対して一定風量を増加させ、かつフットデフモードを実施する。
以上説明したように本実施形態によれば、電子制御装置26は、コンプレッサ40が停止状態では、目標吹出温度TAOが40℃以下であるか否かを判定することにより、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態であるか否かを判定する。
このとき、目標吹出温度TAOが40℃よりも高いときには、温度差ΔTが生じ易い状態であるとして通常の内気比率Tを算出する一方、目標吹出温度TAOが40℃よりも低いときには、温度差ΔTが生じ難い状態であるとして快適性優先の内気比率Tを算出する。ここで、快適性優先の内気比率Tでは、通常の内気比率Tに比べて外気導入率が高い。
これにより、温度差ΔTが生じ難い状態であると判定したときには、温度差ΔTが生じ易い状態であると判定したときに比べて、空調ケーシングへの導入空気温度が下がる。この場合、コンプレッサ40が停止した状態であっても、蒸発器38の吹出空気温度と目標吹出温度TAOとの温度差が広がる。
したがって、ヒータユニット44が蒸発器38の吹出空気に対して十分な熱量を与えることができ、フット吹出口50の吹出空気温度が上昇するので、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差を広げることができるので、乗員の快適感を損なうことのないようにすることができる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、図6中のステップS191cにおいて、快適性優先の内気比率Tとしては、内外気指令値Sの増減に応じて、内気比率Tが変化するようにした例について説明したが、これに代えて、図17に示すように、本実施形態では内外気指令値Sの増減に関係なく、外気だけを導入させるようにする。図17は内外気モード制御の一部を示すフローチャートであり、図6中のSに相当する部分である。
すなわち、図17中のステップS191cに進むと、内外気切替ドア35により内気導入口33を閉鎖し、かつ外気導入口34を開放する。これにより、温度差ΔTが生じ難い状態であると判定したときには、温度差ΔTが生じ易い状態であると判定したときに比べて、空調ケーシングへの導入空気温度を確実に下げることができる。
この場合、コンプレッサ40が停止した状態であっても、蒸発器38の吹出空気温度と目標吹出温度TAOとの温度差が広がる。
したがって、ヒータユニット44が蒸発器38の吹出空気に対して十分な熱量を与えることができ、フット吹出口50の吹出空気温度が上昇するので、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差を広げることができるので、乗員の快適感を損なうことのないようにすることができる。
(第3実施形態)
上述の第1実施形態では、図6中のステップ191aにおいて、コンプレッサ40が停止状態では、目標吹出温度TAOが40℃以下であるか否かを判定することにより、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態であるか否かを判定した例について説明したが、これに代えて、本第2実施形態では、日射量Tsを用いてフェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態であるか否かを判定してもよい。
具体的には、図18に示すように、第1基準日射量TS1よりも日射センサ63の検出日射量Tsが低くなると、温度差ΔTが生じ易い状態であるとして、NOと判定する。第2基準日射量TS1よりも日射センサ63の検出日射量Tsが高くなると、温度差ΔTが生じ難い状態であるとしてYESと判定して、上述の第1実施形態の如く、快適性を優先する内外気比率Tを算出して(図6中ステップ191c)、その内外気比率Tに基づいて内外気制御(ステップ191d)を実施する。
ここで、車室内への日射が強いときは車室内の温度が上昇する。したがって、車室内への日射が強い状態で内気を多く空調ケーシング31内に導入すると、導入空気温度が上昇し、蒸発器38の吹出空気温度が上昇する。すると、上述の如く、蒸発器38の吹出空気温度と目標吹出空気温度TAOと温度差小さくなり、蒸発器38の下流側においてヒータユニット44からから空気に加えられる熱量が少ない状況となる。結果としてフット吹出口50から足元に吹出される空気は十分に加熱されておらず、乗員不快感につながる。したがってこの状況では快適性を優先する制御を行うと判定する必要がある。
これに対し、本実施形態では、第1基準日射量TS1よりも日射センサ63の検出日射量Tsが高くなると、温度差ΔTが生じ難い状態であるとしてYESと判定する。この場合、快適性を優先する内外気比率Tを算出して、その内外気比率Tに基づいて内外気制御を実施する。したがって、上述の第1実施形態と同様に、乗員の快適感を損なうことのないようにすることができる。
上述の第1実施形態では、車室内の窓ガラス内面付近の空気湿度、窓ガラス内面付近の空気温度、およびガラス温度をそれぞれ検出し、これらの検出値から窓ガラス表面相対湿度RHWを演算した例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
(1)車室内の窓ガラス内面付近の空気湿度、および窓ガラス内面付近の空気温度を検出し、これら空気湿度、および空気温度からガラス温度を推定し、この推定ガラス温度、空気温度を検出し、および空気湿度から窓ガラス表面相対湿度RHWを演算する。
(2)車室内の窓ガラス表面の温度センサ、湿度センサを直接貼り付け、ガラス温度、および窓ガラス表面相対湿度RHWを検出する。
(3)車室内の空気湿度、車室内の空気温度、およびガラス温度を検出し、これら検出値から窓ガラス表面相対湿度RHWを演算する。
(4)車室内の空気湿度、車室内の空気温度を検出し、これらからガラス温度を推定し、この推定ガラス温度、車室内の空気湿度、および車室内の空気温度から窓ガラス表面相対湿度RHWを演算する。
上述の第1実施形態では、目標吹出温度TAOが40℃以下であるか否かを判定することにより、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態であるか否かを判定した例について説明したが、これに代えて、目標吹出空気温度TAOが中間温度域に入ってバイレベル(B/L)モードが実施されているときに、フェイス吹出口49の吹出空気温度とフット吹出口50の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態であると判定してもよい。
以下、上記実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、「車室内の窓ガラス内面付近の空気湿度、窓ガラス内面付近の空気温度、およびガラス温度」が「当該車両の窓ガラスの曇り易さに関する曇り易さ情報」に相当し、湿度センサ17、温度センサ18、23が検出手段に相当し、フェイスドア52が第1の吹出口に相当し、フットドア53が第2の吹出口に相当し、エアミックスドア46が温度調整用ドアに相当し、ステップS106の制御処理が温度調整制御手段に相当し、湿度センサ17、空気温度検出用温度センサ18、及び温度センサ23が検出手段に相当し、ステップS105の制御処理が内外気ドア制御手段に相当し、算出手段が演算回路20に相当し、ステップS119の制御処理が指令値算出手段に相当し、ステップS103の制御処理が吹出口制御手段に相当し、ステップS117の制御処理が曇り易さ判定手段に相当し、空調操作パネル70の温度設定スイッチ71が温度設定手段に相当し、ステップS102の制御処理が目標温度算出手段に相当する。
本発明の第1実施形態の車両用空調装置の全体システム構成図である。 図1の検出装置の概略断面図である。 図1の検出装置の概略斜視図である。 図1の検出装置の電気的ブロック図である。 第1実施形態による空調装置側制御の基本ロジックを示すフローチャ−トである。 第1実施形態による内外気制御ロジックを示すフローチャ−トである。 窓ガラス表面相対湿度RHWと省電力防曇制御モードとの関係を示す特性図である。 内外気制御指令値を求めるためのフローチャートである 内外気制御における車速判定の特性図である。 窓ガラス表面相対湿度RHWと内外気モードとの関係を示す特性図である。 窓ガラス表面相対湿度RHWと内外気制御のモードとの関係を示す特性図である。 内気比率と内外気指令値との関係を示す特性図である。 内気比率と内外気指令値との関係を示す特性図である。 窓ガラス表面相対湿度と防曇付きオート制御のモードとの関係を示す特性図である。 第1実施形態による防曇付きのオート制御のロジックを示すフローチャ−トである。 本発明の第2実施形態による内外気モード制御の一部を示すフローチャ−トである。 本発明の第3実施形態において、フェイス吹出口の吹出空気温度とフット吹出口の吹出空気温度との温度差ΔTが生じ難い状態か否かの判定を説明するための特性図である。
符号の説明
10…検出装置、26…電子制御装置、30…室内空調ユニット、
31…空調ケーシング、35…内外気切替ドア、36…サーボモータ、
37…送風機、38…蒸発器、40…コンプレッサ、44…ヒータユニット、
45…バイパス通路、46…エアミックスドア、49…フェイス吹出口、
50…フット吹出口。

Claims (14)

  1. 内気導入口(33)と、外気導入口(34)と、乗員の上半身側に吹き出す第1の吹出口(52)と、前記乗員の下半身側に吹き出す第2の吹出口(50)とを有する空調ケーシング(31)と、
    前記内気導入口および前記外気導入口を選択的に開閉する内外気切替ドア(35)と、
    前記内気導入口および前記外気導入口のうち少なくとも一方から空気を前記空調ケーシング内に導入して前記第1、第2の吹出口に向けて送風する送風機(37)と、
    コンプレッサ(40)とともに冷媒を循環させる冷凍サイクル装置を構成し、前記冷媒を蒸発させて前記送風機からの送風空気を除湿冷却する冷却用熱交換器(38)と、
    前記冷却用熱交換器から吹き出される冷風を加熱する暖房用熱交換器(44)と、
    前記空調ケーシング内に設けられ、前記冷却用熱交換器からの冷風を前記暖房用熱交換器をバイパスして流すバイパス通路(45)と、
    前記バイパス通路を流れる空気量と前記暖房用熱交換器に流れる空気量との比率を変えることにより、前記第1、第2の吹出口からそれぞれ吹き出される空気温度を調整する温度調整用ドア(46)と、
    前記第1、第2の吹出口の吹出空気温度をそれぞれ目標吹出空気温度(TAO)に近づけるように前記温度調整用ドアを制御する温度調整制御手段(S106)と、を備え、
    前記コンプレッサが運転された状態で、前記第1の吹出口の吹出空気温度に比べて前記第2の吹出口の吹出空気温度が高くなるように構成されている車両用空調装置であって、
    当該車両の窓ガラスの曇り易さに関する曇り易さ情報を検出する検出手段(17、18、23)と、
    前記検出手段により検出された曇り易さ情報に基づいて、前記窓ガラスが曇らない範囲で前記内気導入口を介して内気を導入させるように前記内外気切替ドアを制御する内外気ドア制御手段(S105)と、
    前記コンプレッサが停止した状態で、前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であるか否かを判定する温度差判定手段(S191a)と、
    前記内外気ドア制御手段が前記内外気切替ドアを制御する際に、前記温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定したときには、前記温度差が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定したときに比べて、前記外気導入口を介して導入する外気量を増やすようになっていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記検出手段により検出された前記曇り易さ情報に基づいて、前記窓ガラスの曇り易さ度合い(RHW)を算出する算出手段(20)を備えており、
    前記内外気ドア制御手段は、前記算出手段により算出された曇り易さ度合いに基づいて、前記内外気切替ドアを制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記算出手段は、前記窓ガラスの曇り易さ度合いとして、前記窓ガラスの内面付近の相対湿度を求めることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記窓ガラスの曇り易さ度合いに基づいて、前記車室内に導入する前記内気と前記外気との比率を決めるための内気指令値(S)を算出する指令値算出手段(S119)を備えており、
    前記内外気ドア制御手段は、前記指令値算出手段により算出された内気指令値(S)に基づいて、前記窓ガラスが曇らない範囲で前記内気導入口を介して内気を導入させるように前記内外気切替ドアを制御することを特徴とする請求項2または3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記車室内に導入する内気の比率を段階的に増加させるように前記内気指令値(S)を算出する第1の制御モード、前記車室内に導入する前記内気および前記外気の比率を持続させるように前記内気指令値(S)を算出する第2の制御モード、前記車室内に導入する外気の比率を段階的に増加させるように前記内気指令値(S)を算出する第3の制御モードと、前記車室内に前記外気だけを導入させる前記内気指令値(S)を算出する第4の制御モードを有しており、
    さらに、前記指令値算出手段は、前記窓ガラスの曇り易さ度合いが大きくなるほど前記外気の導入比率を増やすように、前記第1〜第4の制御モードのうち1つの制御モードを選択し、この選択された制御モードに基づいて前記内気指令値(S)を算出することを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記内外気ドア制御手段が前記内外気切替ドアを制御する際には、前記温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定したときには、前記内気指令値(S)が同一値である場合でも、前記温度差(ΔT)が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定したときに比べて、前記外気導入口を介して導入する外気量を増やすようになっていることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記温度差判定手段は、前記目標吹出空気温度(TAO)が所定閾値未満であるか否かを判定することにより、前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 車室内に照射される日射量を検出する日射センサ(63)を備えており、
    前記温度差判定手段は、前記日射センサにより検出された日射量が所定閾値未満であるか否かを判定することにより、前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記第1、第2の吹出口(49、50)をそれぞれ開閉する第1、第2の吹出口ドア(52、53)と、
    前記第1、第2の吹出口ドアにより前記第1、第2の吹出口をそれぞれ開口するバイレベルモードと、
    前記目標吹出空気温度が中間温度域から外れたときに前記バイレベルモード以外のモードを実施するように前記第1、第2の吹出口ドアを制御し、前記目標吹出空気温度が中間温度域に入っているときに前記バイレベルモードを実施するように前記第1、第2の吹出口ドアを制御する吹出口制御手段(S103)と、
    前記目標吹出空気温度が前記中間温度域に入っているときに前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定し、
    前記目標吹出空気温度が前記中間温度域から外れているときに前記第1の吹出口の吹出空気温度と前記第2の吹出口の吹出空気温度との温度差(ΔT)が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  10. 前記温度差(ΔT)が生じ難い状態であると前記温度差判定手段が判定したときには、前記内外気ドア制御手段は、前記内気導入口を閉鎖して前記外気導入口からの外気だけを導入させるように前記内外気切替ドアを制御して、前記温度差が生じ易い状態であると前記温度差判定手段が判定したときに比べて前記外気導入口を介して導入する外気量を増やすようになっていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 前記空調ケーシングには、車室内の窓ガラスの内表面に吹き出すデフロスタ吹出口(48)が設けられており、
    前記デフロスタ吹出口(48)を開閉するデフロスタドア(51)を備えることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  12. 前記検出手段により検出された曇り易さ情報に基づいて、前記窓ガラスが曇り易い状態であるか否かを判定する曇り易さ判定手段(S116)と、
    前記窓ガラスが曇り易い状態であると前記曇り易さ判定手段が判定したときには、前記コンプレッサを停止した状態で、前記デフロスタドアを制御して前記デフロスタ吹出口(48)を開口し、かつ前記内外気切替ドアを制御して前記内気導入口を閉鎖して前記外気導入口を開口し、前記外気導入口から導入した外気を前記デフロスタ吹出口から窓ガラスの内表面に吹き出させる第1の防曇制御手段(S117、S118)と、
    を備えていることを特徴とする請求項11にいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  13. 車室外温度を検出する外気温センサ(61)と、
    前記外気温センサにより検出された外気温度が所定温度以上であるか否かを判定する外気温判定手段(S112)と、
    前記外気温センサにより検出された外気温度が所定温度以上であると前記外気温判定手段が判定したときには、前記コンプレッサを運転させた状態で前記デフロスタドアを制御して前記デフロスタ吹出口(48)を開口し、前記冷却用熱交換器により除湿された送風空気を前記デフロスタ吹出口から前記窓ガラスの内表面に吹き出させる第2の防曇制御手段(S113c)と、
    を備えていることを特徴とする請求項1ないし11にいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  14. 前記車室内の空気温度の設定温を設定する温度設定手段(70)と、
    前記車室内の空気温度を前記設定温に維持するために必要である前記第1、第2の吹出口の吹出空気温度として前記目標吹出空気温度を算出する目標温度算出手段(S102)と、
    を備えていることを特徴とする請求項1ないし13にいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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