JP4144536B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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本発明は、車両用空調装置に関する。
従来より、目標吹出温度を算出し、この目標吹出温度に応じてブロワ風量を無段階で制御する車両用空調装置、いわゆるオートエアコンがある(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−26618号公報
エアコンのブロワおよび冷媒用のコンプレッサを停止した直後には、空気の温湿度状態に応じて、冷却用熱交換器であるエバポレータが結露する、すなわちエバポレータの濡れ状態が発生していることがある。このような状態で、例えば、外気モードでの車両走行には、ブロワが停止状態であっても導入された外気によりエバポレータ周辺に空気流れが生じ、濡れいているエバポレータから湿気を奪った空気が吹出口から車室内へ吹き出されることとなる。
乗員は、このような場合に吹出口から吹き出される風、すなわち、エバポレータからの湿った空気およびこの湿気に含まれるにおいによる不快な風にさらされることになるが、上記従来技術ではこれを防ぐ対策が採られていなかった。
本発明は、上記点に鑑み、エバポレータの濡れが発生している場合に、エバポレータからの湿った不快な風が車室内に吹き出されないようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1、2に記載の発明は、車室に向かって空気を送るための通風ダクト(2)と、通風ダクトに車外の空気を導入する外気モードと、通風ダクトに車室内の空気を導入する内気モードとを切り替える内外気切替ドア(6)と、通風ダクトにおいて車室に向かう空気流を生じさせるための送風機(8)と、通風ダクトに配置され、空気流を冷却するエバポレータ(9)と、エバポレータの冷却状態を作り出す冷凍サイクルの圧縮機(11)とを備える車両用空調装置において、車室内の温度を設定温度に維持するための空調熱負荷が所定量以下の最小範囲にあることを判定する判定手段(S60)と、空調熱負荷が最小範囲にあることを判定手段(S60)が判定したときに、送風機を自動停止する送風機停止手段(S90)と、空調熱負荷が最小範囲にあることを判定手段(S60)が判定したときに、圧縮機を自動停止する圧縮機停止手段(S100)と、エバポレータの濡れ状態を検出するエバ濡れ検出手段(S210)と、車両が走行状態であるか否かを判定する走行状態判定手段(S230)と、空調熱負荷が最小範囲にあるときに、送風機停止手段(S90)によって送風機が停止状態とされているとともに、圧縮機停止手段(S100)によって圧縮機が停止状態とされている場合であって、エバ濡れ検出手段(S210)によってエバポレータの濡れ状態が検出され、さらに、車両が走行状態にあると走行状態判定手段が判定したときに、内外気切替ドアを内気モードとする切替制御手段(S240)とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、エバポレータが濡れ状態となったときに、内外気を切り替えるドアを内気を導入する内気モードにするので、エバポレータには外気が導入されることがないため、外気が濡れたエバポレータに当たってこのエバポレータの湿り気を吸収して、車室内へ吹き出されることがない。したがって、濡れたエバポレータの湿気を含んだ不快な風が乗員に当たることが阻止され、乗員の快適性を向上することができる。
この発明において、「車室内の温度を設定温度に維持するための空調熱負荷」とは、車室内温度を設定温度に維持するために、車室内吹出空気を加熱または冷却する熱量に相当するものであり、この空調熱負荷が所定量以下の最小範囲にあるときは、車室内温度が乗員にとって快適な設定温度付近に維持されている状態にある。
したがって、この空調熱負荷が所定量以下の最小範囲にあることを判定して送風機を自動停止することにより、乗員に手動操作の煩わしさを与えることなく、送風機の作動音をなくして車室内を静粛な環境とすることができる。
さらに、請求項1、2に記載の発明では、エバポレータの冷却状態を作り出す冷凍サイクルの圧縮機(11)と、空調熱負荷が最小範囲にあることを判定したときに、圧縮機を自動停止する圧縮機停止手段(S100)とを備えることから、空調熱負荷の状況を判定して送風機の自動停止に連動して冷凍サイクルの圧縮機も自動停止することができるので、送風機の消費電力低減に併せて圧縮機の駆動電力も低減できる。
しかも、空調熱負荷が最小範囲で圧縮機が停止されるため、冷凍サイクル内のエバポレータは濡れた状態で、かつ通風ダクト内の空気流れに湿気が吸収されやすくなっている。したがって、このとき内気モードとして外気を導入しないようにすれば、濡れたエバポレータの湿気を含んだ不快な風が車室内に吹き出されて乗員に当たることが阻止され、乗員の快適性を向上することができる。
請求項に記載の発明は、車室内へ吹き出す空気の温度を調整する温度調整手段(17)と、車室内へ吹き出す空気の温度が目標吹出温度(TAO)となるように、温度調整手段を自動制御する温度制御手段(S40、S50)と、空調熱負荷が最小範囲外にあるとき、目標吹出温度に応じて送風機の風量を自動制御する送風機制御手段(S70)とを備えることを特徴とする。
これによると、空調熱負荷が最小範囲外にあるときは、目標吹出温度に応じて送風機の風量を自動制御し、それにより、車室内吹出風量を目標吹出温度に応じて自動制御できる。そして、このような、風量自動制御を行うものにおいて、濡れたエバポレータの湿気を含んだ不快な風が車室内に吹き出されて乗員に当たることが阻止され、乗員の快適性を向上することができる。
また、請求項4に記載のように、送風機制御手段は、空調熱負荷が最小範囲外の所定範囲において、送風機風量を最小風量とするとともに、切替制御手段は、空調熱負荷が所定範囲の大きさとなる場合に、内外気切替ドアを内気モードとすることも可能である。
判定手段は、請求項に記載のように、目標吹出温度に基づいて空調熱負荷が最小範囲にあることを判定することが可能であり、さらに、請求項に記載のように、設定温度、車室内温度、外気温、および日射量の少なくとも1つに基づいて空調熱負荷が最小範囲にあると判定することも可能である。
さらに、請求項に記載の発明では、外気の温度を検出する外気温センサ(31)と、エバポレータ通過直後の空気温度を検出するエバ後温度センサ(35)とを備え、エバ濡れ検出手段は、検出された外気温度とエバ後温度センサにより検出された温度とに基づきエバポレータが濡れ状態であると判定することを特徴とする。これにより、外気温が車室内乗員にとって快適な設定温度近傍の温度である場合には、湿度検出手段を用いることなく簡易にエバポレータの濡れ状態を検出できる。
また、請求項に記載の発明では、エバ濡れ検出手段は、送風機の停止より所定時間内をエバポレータが濡れ状態であると判定することを特徴とする。これによっても、簡易にエバポレータの濡れ状態を検出することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の全体構成の概要を示すもので、車両用空調装置は車室内最前部の計器盤(図示せず)の内側部に配設される室内空調ユニット1を備えている。この室内空調ユニット1はケース2を有し、このケース2はその内側に車室内へ向かって空気が送風される空気通路が形成されており、本発明の通風ダクト2を構成する。
この通風ダクト2の最上流部に内気導入口3および外気導入口4を有する内外気切替箱5を配置している。この内外気切替箱5内に、内外気切替手段としての内外気切替ドア6を回転自在に配置している。
この内外気切替ドア6はサーボモータ7によって駆動されるもので、内気導入口3より内気(車室内空気)を導入する内気モードと外気導入口4より外気(車室外空気)を導入する外気モードとを切り替える。
内外気切替箱5の下流側には車室内に向かう空気流を発生させる電動式の送風機8を配置している。この送風機8は、遠心式の送風ファン8aをモータ8bにより駆動するようになっている。送風機8の下流側にはケース2内を流れる空気を冷却するエバポレータ9を配置している。このエバポレータ9は、送風機8の送風空気を冷却する冷房用熱交換器で、冷凍サイクル装置10を構成する要素の一つである。
なお、冷凍サイクル装置10は、圧縮機11の吐出側から、凝縮器12、受液器13および減圧手段をなす膨張弁14を介してエバポレータ9に冷媒が循環するように形成された周知のものである。凝縮器12には電動式の冷却ファン12aによって室外空気(冷却空気)が送風される。
冷凍サイクル装置10において、圧縮機11は電磁クラッチ11aを介して車両エンジン(図示せず)により駆動される。従って、電磁クラッチ11aの通電の断続により圧縮機11の作動を断続制御できる。また、エバポレータ9は、膨張弁14にて減圧された後の低温低圧の気液2相状態の冷媒が送風機8の送風空気から吸熱して蒸発することにより、送風空気を冷却する。
一方、室内空調ユニット1において、エバポレータ9の下流側にはケース2内を流れる空気を加熱するヒータコア15を配置している。このヒータコア15は車両エンジンの温水(エンジン冷却水)を熱源として、エバポレータ9通過後の空気(冷風)を加熱する暖房用熱交換器である。ヒータコア15の側方にはバイパス通路16が形成され、このバイパス通路16をヒータコア15のバイパス空気が流れる。
エバポレータ9とヒータコア15との間に温度調整手段をなすエアミックスドア17を回転自在に配置してある。このエアミックスドア17はサーボモータ18により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調節可能になっている。
このエアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る空気量(温風量)と、バイパス通路16を通過してヒータコア15をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調節するようになっている。
ケース2の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスWに向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口19、乗員の顔部に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口20、および乗員の足元部に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口21の計3種類の吹出口が設けられている。
これら吹出口19〜21の上流部にはデフロスタドア22、フェイスドア23およびフットドア24が回転自在に配置されている。これらのドア22〜24は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ25によって開閉操作される。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明すると、空調制御装置30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置30は、そのROM内に空調制御のための制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
空調制御装置30の入力側にはセンサ群31〜37からセンサ検出信号が入力され、また、車室内前部の計器盤(図示せず)付近に配置される空調パネル40から各種操作信号が入力される。
センサ群としては、具体的には、外気温(車室外温度)Tamを検出する外気温センサ31、内気温(車室内温度)Trを検出する内気温センサ32、内気および外気の相対湿度ψを検出する湿度センサ(内気湿度センサ、外気湿度センサ)33、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ34、エバポレータ9の空気吹出部に配置されてエバポレータ吹出空気温度(以下、エバ後温度という)Teを検出するエバ後温度センサ35、ヒータコア15に流入する温水(エンジン冷却水)温度Twを検出する水温センサ36、および車速Vを検出する車速センサ37等が設けられる。
このうち、湿度センサ33は、通風ダクト2内において送風ファン8aの空気流れ上流側部分、たとえば送風ファン8aの吸込口に配置されている。これにより、内気モードのときには内気の相対湿度を検出し、外気モードのときには外気の相対湿度を検出することができる。
また、空調パネル40には各種操作スイッチとして、図2に示すスイッチ41〜47が設けられている。温度設定スイッチ41は車室内の設定温度の信号を出すもので、設定温度上昇用の操作ノブ41aと、設定温度低下用の操作ノブ41bと、設定温度表示部41cとを備えている。
吹出モードスイッチ42は吹出モードドア22〜24により設定される各種吹出モードをマニュアル設定するための信号を出すもので、フェイスモードの設定ノブ42a、バイレベルモードの設定ノブ42b、フットモードの設定ノブ42c、フットデフロスタモードの設定ノブ42d、およびデフロスタモードの設定ノブ42eを備えている。
内外気切替スイッチ43は内外気切替ドア6による内気モードと外気モードをマニュアル設定する信号を出すもので、内気モードの設定ノブ43aと外気モードの設定ノブ43bを備えている。
エアコンスイッチ44は圧縮機11の作動指令信号(電磁クラッチ11aのON信号)を出すものである。エコノミースイッチ45は目標エバ後温度TEOを引き上げる信号を出して圧縮機11の稼働率を低下させるものである。
送風機作動スイッチ46は送風機8の風量切替をマニュアル設定するための信号を出すもので、送風機8を停止するOFF用ノブ46a、低風量用の操作ノブ46b、第1中風量用の操作ノブ46c、第1中風量より所定量多い第2中風量用の操作ノブ46d、および大風量用の操作ノブ46eを備えている。
オートスイッチ47は空調自動制御状態の指令信号を出すもので、オートスイッチ47をオン状態にすると、エアコンスイッチ44がオフ状態であっても、電磁クラッチ11aに通電して、圧縮機11を作動状態にし、かつ、各種空調機器の作動を自動制御する状態にする。
空調制御装置30の出力側には、圧縮機11の電磁クラッチ11a、各機器の電気駆動手段をなすサーボモータ7、18、25、送風機8のモータ8b、凝縮器冷却ファン12aのモータ12b等が接続され、これらの機器の作動が空調制御装置30の出力信号により制御される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。最初に、室内空調ユニット1の作動の概要を説明すると、送風機8を作動させることにより、内気導入口3または外気導入口4より導入された空気がケース2内を車室内に向かって送風される。また、電磁クラッチ11aに通電して電磁クラッチ11aを接続状態とし、圧縮機11を車両エンジンにて駆動することにより、冷凍サイクル装置10内を冷媒が循環する。
送風機8の送風空気は、先ずエバポレータ9を通過して冷却、除湿され、この冷風は次にエアミックスドア17の回転位置(開度)に応じてヒータコア15を通過する流れとバイパス通路16を通過する流れとに分けられる。ヒータコア15を通過する流れは加熱されて温風となり、バイパス通路16を通過する流れは冷風のままである。
従って、エアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る空気量(温風量)と、バイパス通路16を通過する空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調節できる。そして、この温度調節された空調風が、ケース2の空気通路の最下流部に位置するデフロスタ吹出口19、フェイス吹出口20およびフット吹出口21のうち、いずれか1つまたは複数の吹出口から車室内へ吹き出して、車室内の空調および車両の前面窓ガラスWの曇り止めを行う。
次に、本実施形態における空調の自動制御を図3に基づいて説明する。図3は空調制御装置30のマイクロコンピュータにより実行される空調制御ルーチンのフローチャートであり、この空調制御ルーチンはオートスイッチ47の投入によりスタートし、先ず、ステップS10にてセンサ群31〜37の検出信号、空調パネル40からの各種操作信号等を読み込む。
次に、ステップS20にて車室内への吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは空調熱負荷変動にかかわらず、空調パネル40の温度設定スイッチ41により乗員が設定した設定温度Tsetに車室内温度を維持するために必要な車室内吹出空気温度である。このTAOは設定温度Tset、外気温Tam、内気温Tr、日射量Tsに基づいて下記数式(1)により算出する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C (1)
但し Kset、Kr、Kam、Ks:制御ゲイン
C:補正用の定数
次に、ステップS30にて目標エバ後温度TEOを算出する。ここで、目標エバ後温度TEOは、主に、車室内吹出空気の温度制御、車両前面窓ガラスWの曇り止め制御、圧縮機11の省動力(エコノミー)制御等のために決定される制御値であって、目標吹出温度TAO、外気温度Tam等に応じて算出される。
具体的には、目標吹出温度TAOの低下に応じて低下する特性を持った第1目標エバ後温度TEOaと、外気温度Tamの低温域と高温域とで低下し、外気温度Tamの中間温度域で上昇する特性を持った第2目標エバ後温度TEObのうち、低い方を最終的に目標エバ後温度TEOとして決定する。
なお、車室内湿度制御のために車室内湿度に応じて決定される第3目標エバ後温度TEOcを算出し、第1、第2、第3目標エバ後温度TEOa、TEOb、TEOcのうち、最も低い温度を最終的に目標エバ後温度TEOとして決定するようにしてもよい。
次に、ステップS40にてエアミックスドア17の目標開度SWを、目標吹出温度TAOと、エバ後温度センサ35により検出されるエバ後温度Teと、水温センサ44により検出される温水温度Twとに基づいて次式(2)により算出する。
SW={(TAO−Te)/(Tw−Te)}×100(%) (2)
次に、ステップS50にて、エアミックスドア17の実際の開度が上記目標開度SWとなるように、サーボモータ18によりエアミックスドア17を駆動制御する。これにより、車室内吹出温度が目標吹出温度TAOとなるように制御され、車室内温度Trが設定温度Tsetに維持される。
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア17の最大冷房位置であり、バイパス通路16を全開し、ヒータコア15側の通風路を全閉する。これに対し、SW=100(%)は、エアミックスドア17の最大暖房位置であり、バイパス通路16を全閉し、ヒータコア15側の通風路を全開する。
次に、ステップS60にて目標吹出温度TAOが、前記設定温度Tset付近の所定中間温度域にあるか判定する。この設定温度Tset付近の所定中間温度域は具体的には18℃〜34℃である。前記設定温度Tsetは、乗員が快適と感じる温度であって、通常、25℃前後の温度が設定される。従って、TAO=18℃〜34℃という、この中間温度域は、室内空調ユニット1の空調熱負荷が最小となる温度域であると言うことができる。ここで、室内空調ユニット1の空調熱負荷とは、車室内温度Trを設定温度Tsetに維持するために、室内空調ユニット1の吸い込み空気を冷却または加熱する熱量を言う。
空調装置の起動時、例えば、夏期の冷房起動時では車室内が50℃以上にも及ぶ高温になることがあるので、目標吹出温度TAOが冷房起動時には−30℃以下の低温度として算出される。このため、ステップS60の判定はNOとなる。
また、冬期の暖房起動時には車室内が逆に0℃以下のような低温になるので、目標吹出温度TAOが暖房起動時には90℃以上にも及ぶ高温として算出される。このため、ステップS60の判定はNOとなる。
このように、空調装置の起動直後の冷房立ち上げ時および暖房立ち上げ時には室内空調ユニット1の空調熱負荷が非常に大きくなって、目標吹出温度TAOが設定温度Tsetから大きく離れた高温または低温として算出されるので、ステップS60の判定がNOとなり、ステップS70に進む。
このステップS70では、送風機8を作動(ON)状態にするとともに、送風機8の風量を目標吹出温度TAOの変化に応じて自動制御する。
この風量制御を図4に基づいて具体的に説明すると、夏期の冷房起動時には通常、目標吹出温度TAOが、図4の第1所定温度T1(例えば−30℃)より低い温度として算出されるので、送風機8の駆動モータ8bへの印加電圧を最大にして、送風機8の風量を最大風量(Hi)に設定する。
そして、車室内の冷房が進行して車室内温度(内気温)Trが低下するにつれて目標吹出温度TAOが上昇する。目標吹出温度TAOが第1所定温度T1以上に上昇すると、これにつれて、送風機8の駆動モータ8bへの印加電圧を連続的に低下して送風機8の風量を連続的に低下させる。
目標吹出温度TAOが第2所定温度T2(例えば8℃)まで上昇すると送風機8の風量を最小風量(Lo)まで低下させる。
これに対し、冬期の暖房起動時には通常、目標吹出温度TAOが図4の第6所定温度T6(例えば90℃)より高い温度として算出されるので、送風機8の駆動モータ8bへの印加電圧を最大にして、送風機8の風量を最大風量(Hi)に設定する。
なお、図4では、目標吹出温度TAOの低温側(冷房側)の最大風量(Hi)と目標吹出温度TAOの高温側(暖房側)の最大風量(Hi)とを同一値として示しているが、一般に最大冷房時の必要風量の方が最大暖房時の必要風量より大きいので、実際には、目標吹出温度TAOの高温側(暖房側)の最大風量(Hi)を目標吹出温度TAOの低温側(冷房側)の最大風量(Hi)よりも所定量小さく設定する。
そして、車室内の暖房が進行して車室内温度(内気温)Trが上昇するにつれて目標吹出温度TAOが低下する。目標吹出温度TAOが第6所定温度T6以下に低下すると、これにつれて、送風機8の駆動モータ8bへの印加電圧を連続的に低下して送風機8の風量を連続的に低下させる。
目標吹出温度TAOが第5所定温度T5(例えば44℃)まで低下すると送風機8の風量を最小風量(Lo)まで低下させる。
図3において、次のステップS80では、圧縮機11を作動(ON)状態にするとともに、圧縮機11の能力制御を行う。具体的には、エバポレータ9の吹出空気温度Te(エバ後温度センサ35の検出温度)が目標エバ後温度TEOとなるように圧縮機11の能力制御を行う。
本実施形態では、圧縮機11として常に一定の吐出容量で作動する固定容量型圧縮機を用いているので、具体的には、図5に示すように圧縮機11の作動を断続制御する。すなわち、エバポレータ9の実際の吹出空気温度であるエバ後温度Teが目標エバ後温度TEOまで上昇すると、電磁クラッチ11aに通電して圧縮機11を作動状態とし、エバポレータ9の実際のエバ後温度Teが目標エバ後温度TEO−αまで低下すると、電磁クラッチ11aへの通電を遮断して圧縮機11を停止(OFF)状態とする。ここで、αはハンチング防止のためのヒステリシス幅で、例えば、1℃程度である。
このように、圧縮機11の作動を断続制御することにより、圧縮機11の稼働率、ひいては冷媒吐出能力が制御されて、エバポレータ9の実際のエバ後温度Teが目標エバ後温度TEO付近に維持される。
ところで、春秋の中間季節等においては、車室内空調の熱負荷が元々小さいので、送風機8の風量を最小風量(Lo)まで低下しても、車室内温度(内気温)Trを乗員が設定した設定温度Tset付近に維持することができる。このような空調熱負荷条件下では、目標吹出温度TAOが前記した設定温度Tset付近の所定中間温度域である第3所定温度T3(=18℃)から第4所定温度T4(=34℃)の範囲内に入る。
この場合には、図3のステップS60の判定がYESとなるので、ステップS90に進み、送風機8の駆動モータ8bへの通電を遮断して送風機8を完全に停止(OFF)する。続いて、ステップS100にて電磁クラッチ11aへの通電を遮断状態に維持して、圧縮機11を完全な停止(OFF)状態に維持する。なお、ステップS70〜S100でのそれぞれの処理において、送風機8および圧縮機11がON状態かOFF状態かを識別できるフラグが立てられる。
これにより、車室内を送風機騒音が全くない静粛な雰囲気にすることができ、車室内の快適性を向上できるとともに、送風機8の消費電力低減および圧縮機11の駆動動力低減効果を発揮できる。しかも、車室内空調の熱負荷が小さい状況を判定して、送風機8および圧縮機11の自動停止制御を行うから、乗員の手動操作を必要とせず、乗員に操作負担をかけることもない。
更に、送風機8の風量を最小風量(Lo)にする第2所定温度T2と第5所定温度T5との温度範囲(例えば、8℃〜4℃)の内側に入る所定温度範囲である第3所定温度T3と第4所定温度T4との間の範囲(例えば、18℃〜34℃)を車室内空調の熱負荷が最小となる範囲とし、この空調熱負荷最小範囲にて送風機8および圧縮機11を自動停止しているから、送風機8および圧縮機11の停止状態が持続されて、目標吹出温度TAOが上記空調熱負荷最小範囲(例えば、18℃〜34℃)の外側へ変動した場合に、送風機8が必ず最小風量で再起動する。
従って、送風機8が最小風量よりも高い風量で急に再起動するという違和感を乗員に与えることを確実に回避できる。このことも乗員の快適性向上に貢献できる。
次に、本発明の実施形態における内外気切替制御について、図6に基づいて説明する。図6は、空調制御装置30のマイクロコンピュータにより実行される内外気切替制御ルーチンのフローチャートである。この内外気切替制御ルーチンは、上記空調制御ルーチンと並行して実行される。
まず、ステップS200で、送風機8が停止状態か否かが判定される。これは、上記ステップS90において送風機8が停止(OFF)状態とされたとき、あるいはステップS70において送風機8が作動(ON)状態に設定されたときのフラグの状態に基づき行われる。なお、この送風機8の停止状態の判定は、ステップS20で算出された目標吹出温度TAOが第3所定温度T3(=18℃)と第4所定温度T4(=34℃)との間の値(T3≦TAO≦T4)か否かにより行うようにしてもよい。
上述のように、本実施形態では、続くステップS100にて圧縮機11も停止状態とされるので、このステップS200において判定される送風機8の停止状態は、実質的に圧縮機11も同時に停止状態となっている。ステップS200での判定結果がnoの場合は、スタートに戻り、判定結果がyesの場合は、ステップS210へ移行する。
ステップS210では、読み込まれたセンサ情報として、エバポレータ9へ流入する空気の温度TamまたはTrおよび湿度ψと、エバ後温度Teとに基づき、エバポレータ9が濡れた状態にあるかを演算により推定することにより、検出する。
具体的には、ステップS210において、その時点での内外気切替ドア6の状態が外気モードであれば、外気温センサ31からの外気温Tamと外気モードにおいて湿度センサ33により検出された外気の相対湿度ψamとから、外気の露点温度Tdpを算出する。この露点温度は、予め、周知の湿り空気線図データがマップとしてコンピュータに記憶されており、この湿り空気線図に基づき、検出された外気の温度Tamおよび相対湿度ψamより算出される。
あるいは、ステップS210の実行時点で内気モードであれば、内気温センサ32からの内気温Trと内気モードにおいて湿度センサ33により検出された内気の相対湿度ψrとから、湿り空気線図に基づき、内気の露点温度Tdpを算出する。
そして、ステップS220にて、外気(または内気)の露点温度Tdpと、エバ後温度センサ35により検出されたエバ後温度Teとを比較し、露点温度がエバ後温度より高い(Tdp>Te)場合に、エバポレータ9が濡れていると判定し、Tdp≦Teの場合にエバポレータ9が濡れいていないと判定する。エバポレータ9が濡れていないと判定されたら、スタートへ戻る。
エバポレータ9が濡れていると判定されたときは、次に、ステップS230で、車両が走行中か否か、車速センサ37により検出された車速Vが0であるか否かに基づき判定される。そして、車速V≠0、すなわち走行中であると判定された場合は、ステップS240にて内外気切替ドア6を内気モードとする。すなわち現在、内気モードであれば、その内気モードを維持し、現在、外気モードであれば、内外気切替ドア6を制御して外気モードから内気モードへ切り替える。
また、車速V=0、すなわち車両が停止中であると判定された場合は、ステップS250にて内外気切替ドア6を外気モードとする。すなわち現在、外気モードであれば、その外気モードを維持し、現在、内気モードであれば、内外気切替ドア6を制御して内気モードから外気モードへ切り替える。
以上のように、本実施形態では、送風機8は、車室内空調の熱負荷が小さい条件下、すなわち目標吹出温度TAOが設定温度Tset付近に維持されている(18℃≦TAO≦34℃)条件下で停止(OFF)状態とされる。このような状態で、濡れたエバポレータ9の周辺に空気流が生ずると、エバポレータ9の湿気がこの空気流に奪われ、空気流は湿気を含んだものとなるので、この空気流が吹出口19〜21より車室内に向けて吹き出されると、乗員には不快な風が当たることとなる。
そこで、本実施形態では、空調熱負荷が小さい条件下で送風機8が停止状態に制御されているときに、エバポレータ9が濡れている(結露している)状態であると判定された場合に、内外気切替ドア6を内気モードとするので、エバポレータ9の周辺には空気流れが発生せず、このため、濡れたエバポレータ9から水分を奪った湿った空気が通風ダクト2から車室内へ流れることがない。したがって、濡れたエバポレータ9の湿気を含んだ、さらには不快なにおいを含んだ不快な風が乗員に当たることが阻止され、乗員の快適性を向上することができる。
さらに、本実施形態では、送風機8の停止状態でエバポレータ9に濡れが生じている場合に、特に車両走行中に内外気切替ドア6を内気モードとするので、車両走行に伴い外気導入口4から通風ダクト2内への空気の流入が阻止でき、したがって、濡れたエバポレータ9の湿気を含んだ、さらには不快なにおいを含んだ不快な風が、吹出口から車室内へ吹き出されて乗員に当たることが阻止され、乗員の快適性を向上することができる。また、車両が走行中でない場合には、外気が通風ダクト2内に流入し、不快な風が車室内へ吹き出される可能性が低いため、外気モードとすることができる。
なお、第1実施形態における具体的手段と本発明の構成要素との対応関係を述べると、図1の外気温センサ31、内気温センサ32および湿度センサ33により、「通風ダクトに導入される空気の温度および湿度を検出する温湿度検出手段」を構成する。
また、図3のステップS60により「空調熱負荷が所定量以下の最小範囲にあることを判定する判定手段」を構成する。また、図3のステップS90により「空調熱負荷が最小範囲にあることを判定したときに、車室内へ向かって空気を送風する送風機8を自動停止する送風機停止手段」を構成する。
また、図3のステップS100により「空調熱負荷が最小範囲にあることを判定したときに、圧縮機11を自動停止する圧縮機停止手段」を構成する。
また、図3のステップS40、S50により「車室内へ吹き出す空気の温度が目標吹出温度(TAO)となるようにエアミックスドア(温度調整手段)17を自動制御する温度制御手段」を構成する。
そして、図3のステップS70により「空調熱負荷が最小範囲外にあるとき、目標吹出温度(TAO)に応じて車室内へ吹き出す空気の風量を自動制御する送風機制御手段」を構成する。
さらに、図6のステップS210(およびS220)により、「エバポレータの濡れ状態を検出するエバ濡れ検出手段」を構成する。また、図6のステップS230により「車両が走行状態であるか否かを判定する走行状態判定手段」を構成する。また、図6のステップS240により「エバポレータの濡れ状態が検出されたときに、内外気切替ドアを内気モードとする切替制御手段」を構成する。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、送風機8が完全に停止した状態において、エバポレータ9の濡れ判定に基づく内気モードへの切り替え制御を行っているが、第2実施形態では、送風機8の風量が最小風量(Lo)の状態においても、エバポレータ9の濡れ判定に基づく内気モードへの切り替え制御を行うものである。
図7は第2実施形態の内外気切替制御ルーチンを示すもので、第1実施形態の内外気切替制御ルーチンと同じ処理工程には同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS202において、目標吹出温度TAOが第2所定温度T2(=8℃)と第5所定温度T5(=44℃)との間の値(T2≦TAO≦T5)か否かが判定される。すなわち、図4に示した送風機制御特性線図において、目標吹出温度TAOが第2所定温度T2と第3所定温度T3との範囲、および第4所定温度T4と第5所定温度T5との範囲においては、送風機8の風量は最小風量Loとされる。
そして、第1実施形態と同様、ステップS210以降の処理により、エバポレータ9が濡れていると判定された場合であって、かつ、車両が走行中には内気モードに切替または維持される。
送風機8の風量が最小風量で作動している場合には、乗員へ当たる風量は極めて小さく、乗員には風の存在が感じられない場合もある。したがって、このような最小風量Loの状態では、送風機8が完全に停止している状態におけるのと同様、エバポレータ9が濡れているときに走行中の外気導入により、濡れたエバポレータ9の湿気を含んだ、さらには不快なにおいを含んだ不快な風が車室内へ吹き出されて乗員に当たることが考えられる。
そこで、本第2実施形態においては、乗員に不快な風を当てないようにする内外気切替制御を行うべき送風機作動状態として、上述のように、送風機8の完全停止状態と最小風量Lo状態との両状態を設定することができ、この乗員に不快な風が当たる可能性がある状態において、エバポレータ9の濡れを検出したときに、走行中ならば内外気切替ドア6を内気モードとすることにより、不快な風が車室内へ吹き出されて乗員に当たることを確実に防止して、乗員の快適性を向上することができる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、送風機8が完全に停止した状態において、エバポレータ9の濡れ判定に基づく内気モードへの切り替え制御を行っているが、第3実施形態では、エバポレータ9が濡れた状態において、さらに、エバ後温度Teが所定温度以上であるときに内気モードへの切り替え制御を行うものである。
図8は第3実施形態の内外気切替制御ルーチンを示すもので、第1実施形態の内外気切替制御ルーチンと同じ処理工程には同じ符号を付して説明を省略する。
第3実施形態では、ステップS220でエバポレータ9が濡れていると判定されたときに、ステップS225において、エバ後温度Teが所定温度(15℃)以上であるか否かを判定する。この判定結果がYES、すなわち、送風機8が停止状態、かつ、エバポレータ9が濡れた状態、かつエバ後温度Teが所定温度(例えば、15℃)以上の場合には、第1実施形態と同様、ステップS230へ移行して、走行中であれば内外気切替ドア6を内気モードに、走行中でなければ内外気切替ドア6を外気モードとする処理を行う。
ステップS225での判定結果がNOの場合には、ステップS250へ移行し、車両の走行状態に拘らず内外気切替ドア6を外気モードとする。
エバ後温度Teが比較的高温(例えば、15℃以上)のときに、エバポレータ9が濡れている場合には、エバポレータ9を通過した空気は、乗員にとってより不快な風、すなわち高温の湿り気と、その高温の湿り気によってより多く感じられる不快なにおいを含んだ風となる。したがって、本第3実施形態においては、このような場合において確実に、乗員へ不快な風を当てないようにすることができる。
なお、エバポレータ9が濡れている場合であっても、エバ後温度Teが所定温度(15℃)より低い場合や、走行中でない場合には、乗員に不快な風が当たる可能性が低いため外気モードとすることができる。
(他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、以下に例示するように種々に変形可能である。
(1)上記各実施形態では、空調制御装置30が、目標吹出温度TAOに応じて自動的に送風機8を停止(OFF)または、所定風量で作動させるものであった。すなわち、自動的に送風機8が停止状態となったときに、乗員に不快な風が当たらないよう内外気切替ドア6を内気モードへ制御するものであったが、これに限らない。すなわち、例えば、乗員が、OFF用ノブ46aを操作することにより送風機8を手動で停止したときにも、空調制御装置30は、送風機8の停止状態をフラグ等により検知することができる。したがって、上記各実施形態と同様、空気の露点温度とエバ後温度との比較に基づきエバポレータ9の濡れが検出され、かつ、走行中であるときには内外気切替ドア6を内気モードに制御することにより、湿った不快な風が車室内へ吹き出されて乗員に当たることが防止され、乗員の快適性を向上することができる。
(2)上記各実施形態では、湿度センサ33を送風ファン8aの吸込口に設置することにより、この湿度センサ33で内気モードにで内気の湿度を、外気モードで外気の湿度を検出する例を示したが、これに限らず、車室内の所定箇所、例えば、インストルメントパネルのフェイス吹出口19近傍に湿度センサを配置し、この湿度センサにより、内気湿度、および、エバポレータ9が乾いている状態で外気モードで車室内に導入された外気の湿度を検出するようにしてもよい。
(3)外気湿度は、送風ファン8aの吸込口に設置した湿度センサ33を用いるのではなく、湿度センサを車室外、例えば、外気導入口4付近の上流側に設け、この車室外の湿度センサにより直接、検出するようにしてもよい。
(4)外気湿度は、車両の内または外に車載された湿度センサにより検出するではなく、車載された通信情報端末で入手可能な、車外から通信により得られる天気情報に含まれる湿度情報を空調制御装置30に入力するようにしてもよい。
(5)上記各実施形態では、ステップS210でのエバポレータ9の濡れ検出において、送風ファン8aの吸込口に配置された湿度センサ(内気湿度センサ、外気湿度センサ)33を用いて、内気モードのときには内気の温湿度を用いてエバポレータ9を通過する空気の露点温度を算出し、あるいは、外気モードのときには外気の温湿度を用いてエバポレータ9を通過する空気の露点温度Tdpを算出し、この露点温度Tdpと検出されたエバ後温度Teとの大小比較によりエバポレータ9の濡れを検出する例を示したが、これに限らず、露点温度を用いない次のような方法によりエバポレータ9の濡れ状態を検出(推定)するようにしてもよい。
(5−1)外気温センサ31により検出された外気温Tamが、乗員に比較的快適と感じられる中間温度域(例えば、10〜20℃)の範囲内の温度であるとき、エバ後温度センサ35により検出されたエバ後温度Teが、エバポレータ9が凍らない温度(例えば、3℃以上)であれば、空気の露点温度を算出することなくエバポレータ9は濡れていると推定する。
(5−2)送風機8が自動停止、または手動スイッチ操作による停止がなされた場合、この送風機8の停止後、所定時間(例えば3分)が経過するまでの間は、エバポレータ9が濡れているとみなす。
(5−3)エバポレータ9の周辺に、さらに湿度センサ38を設け、これにより検出されるエバポレータ周辺の湿度が、送風ファン8aの吸込口に配置された湿度センサ33により検出される通風ダクト2に導入される空気の湿度より高いときに、エバポレータ9が濡れていると推定する。
以上のような推定結果に基づいて、送風機8が停止しているとき、走行中であれば、内外気切替ドア6を内気モードとする制御を行うことにより、吹出口から風が吹き出されないので、乗員に不快な風が当たることが防止される。
(6)上記各実施形態では、送風機8の停止および作動状態を決定する車室内空調の熱負荷最小範囲を目標吹出温度TAOに基づいて判定しているが、目標吹出温度TAOの代わりに、次のように種々のファクタにより空調の熱負荷最小範囲を判定することができる。
(6−1)目標吹出温度TAOの代わりに車室内温度(内気温)Trと日射量Tsを用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定する。この場合、車室内への日射がないときの車室内温度Trとして乗員が快適と感じる温度範囲(具体的には18℃〜25℃の範囲)を設定し、そして、この快適温度範囲Aを、日射量が増加するにつれて低温側にずらして、日射の影響を補償する。そして、車室内温度Trがこのように設定された快適温度範囲A内にあるときを空調の熱負荷最小範囲であると判定して、送風機8および圧縮機11の自動停止制御を行う。このような判定方法を採用しても、上記各実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
車室内温度Trが上記日射量により補正された快適温度範囲A外にあるとき、および日射量が快適温度範囲Aの上限値(例えば、700W/m)以上のときは、送風機8および圧縮機11を作動状態とし、図3のS70、S80の制御を行う。
なお、この変形例として、日射量Tsを考慮せずに、車室内温度Trのみで空調の熱負荷最小範囲を判定してもよい。例えば、車室内温度Trが乗員の快適温度範囲(例えば、15℃〜25℃の範囲)内にあるときを空調の熱負荷最小範囲であると判定してもよい。
(6−2)目標吹出温度TAOの代わりに外気温Tamと日射量Tsを用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定する。この場合、車室内への日射がないときの外気温Tamとして乗員が快適と感じる温度範囲(具体的には13℃〜20℃の範囲)を設定し、そして、この快適温度範囲Bを、日射量が増加するにつれて低温側にずらして日射の影響を補償する。そして、外気温Tamがこのように設定された快適温度範囲B内にあるときを空調の熱負荷最小範囲であると判定して、送風機8および圧縮機11の自動停止制御を行う。このような判定方法を採用しても、上記各実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
車室内温度Trが上記日射量により補正された快適温度範囲B外にあるとき、および日射量が快適温度範囲Bの上限値(例えば、700W/m)以上のときは、送風機8および圧縮機11を作動状態とし、図3のS70、S80の制御を行う。
なお、この変形例として、日射量Tsを考慮せずに、外気温Tamのみで空調の熱負荷最小範囲を判定してもよい。例えば、外気温Tamが乗員の快適温度範囲(例えば、10℃〜20℃の範囲)内にあるときを空調の熱負荷最小範囲であると判定してもよい。
(6−3)目標吹出温度TAOの代わりに、車室内温度Trと設定温度Tsetとの温度差を用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定する。すなわち、車室内温度Trと設定温度Tsetとの温度差が減少するにつれて空調の熱負荷が減少するという関係にあることに着目して、車室内温度Trと設定温度Tsetとの温度差が所定値以内(例えば、±3℃以内)にあるときを空調の熱負荷最小範囲であると判定することができる。
(6−4)目標吹出温度TAOの代わりに、外気温Tamと設定温度Tsetとの温度差を用いて、空調の熱負荷最小範囲を判定する。すなわち、外気温Tamと設定温度Tsetとの温度差が減少するにつれて空調の熱負荷が減少するという関係にあることに着目して、外気温Tamと設定温度Tsetとの温度差が所定値以内(例えば、±5℃以内)にあるときを空調の熱負荷最小範囲であると判定することができる。
本発明の第1実施形態を示す全体システム構成図である。 第1実施形態における空調パネルの正面図である。 第1実施形態の空調制御の概要を示すフローチャートである。 第1実施形態による送風機制御の特性図である。 第1実施形態による固定容量型圧縮機の断続制御の特性図である。 第1実施形態の内外気切替制御の概要を示すフローチャートである。 第2実施形態の内外気切替制御の概要を示すフローチャートである。 第3実施形態の内外気切替制御の概要を示すフローチャートである。
符号の説明
2…通風ダクト(ケース)、6…内外気切替ドア、8…送風機、
9…エバポレータ(冷房用熱交換器としての蒸発器)、11…圧縮機、
30…空調制御装置、31…外気温センサ、32…内気温センサ、
33…湿度センサ、35…エバ後温度センサ、37…車速センサ。

Claims (6)

  1. 車室に向かって空気を送るための通風ダクト(2)と、
    前記通風ダクトに車外の空気を導入する外気モードと、前記通風ダクトに車室内の空気を導入する内気モードとを切り替える内外気切替ドア(6)と、
    前記通風ダクトにおいて車室に向かう空気流を生じさせるための送風機(8)と、
    前記通風ダクトに配置され、前記空気流を冷却するエバポレータ(9)と
    前記エバポレータの冷却状態を作り出す冷凍サイクルの圧縮機(11)とを備える車両用空調装置において、
    前記車室内の温度を設定温度に維持するための空調熱負荷が所定量以下の最小範囲にあることを判定する判定手段(S60)と、
    前記空調熱負荷が前記最小範囲にあることを前記判定手段(S60)が判定したときに、前記送風機を自動停止する送風機停止手段(S90)と、
    前記空調熱負荷が前記最小範囲にあることを前記判定手段(S60)が判定したときに、前記圧縮機を自動停止する圧縮機停止手段(S100)と、
    前記エバポレータの濡れ状態を検出するエバ濡れ検出手段(S210)と、
    車両が走行状態であるか否かを判定する走行状態判定手段(S230)と、
    前記空調熱負荷が前記最小範囲にあるときに、前記送風機停止手段(S90)によって前記送風機が停止状態とされているとともに、前記圧縮機停止手段(S100)によって前記圧縮機が停止状態とされている場合であって、前記エバ濡れ検出手段(S210)によって前記エバポレータの濡れ状態が検出され、さらに、前記車両が走行状態にあると前記走行状態判定手段が判定したときに、前記内外気切替ドアを内気モードとする切替制御手段(S240)とを備えており、
    さらに、前記外気の温度を検出する外気温センサ(31)と、前記エバポレータ通過直後の空気温度を検出するエバ後温度センサ(35)とを備え、
    前記エバ濡れ検出手段は、前記検出された外気温度と前記エバ後温度センサにより検出された温度とに基づき前記エバポレータが濡れ状態であると判定することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 車室に向かって空気を送るための通風ダクト(2)と、
    前記通風ダクトに車外の空気を導入する外気モードと、前記通風ダクトに車室内の空気を導入する内気モードとを切り替える内外気切替ドア(6)と、
    前記通風ダクトにおいて車室に向かう空気流を生じさせるための送風機(8)と、
    前記通風ダクトに配置され、前記空気流を冷却するエバポレータ(9)と
    前記エバポレータの冷却状態を作り出す冷凍サイクルの圧縮機(11)とを備える車両用空調装置において、
    前記車室内の温度を設定温度に維持するための空調熱負荷が所定量以下の最小範囲にあることを判定する判定手段(S60)と、
    前記空調熱負荷が前記最小範囲にあることを前記判定手段(S60)が判定したときに、前記送風機を自動停止する送風機停止手段(S90)と、
    前記空調熱負荷が前記最小範囲にあることを前記判定手段(S60)が判定したときに、前記圧縮機を自動停止する圧縮機停止手段(S100)と、
    前記エバポレータの濡れ状態を検出するエバ濡れ検出手段(S210)と、
    車両が走行状態であるか否かを判定する走行状態判定手段(S230)と、
    前記空調熱負荷が前記最小範囲にあるときに、前記送風機停止手段(S90)によって前記送風機が停止状態とされているとともに、前記圧縮機停止手段(S100)によって前記圧縮機が停止状態とされている場合であって、前記エバ濡れ検出手段(S210)によって前記エバポレータの濡れ状態が検出され、さらに、前記車両が走行状態にあると前記走行状態判定手段が判定したときに、前記内外気切替ドアを内気モードとする切替制御手段(S240)とを備えており、
    前記エバ濡れ検出手段は、前記送風機の停止より所定時間内を前記エバポレータが濡れ状態であると判定することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記車室内へ吹き出す空気の温度を調整する温度調整手段(17)と、
    前記車室内へ吹き出す空気の温度が目標吹出温度(TAO)となるように、前記温度調整手段を自動制御する温度制御手段(S40、S50)と、
    前記空調熱負荷が前記最小範囲外にあるとき、前記目標吹出温度に応じて前記送風機の風量を自動制御する送風機制御手段(S70)とを備えることを特徴とする請求項またはに記載の車両用空調装置。
  4. 前記送風機制御手段は、前記空調熱負荷が前記最小範囲外の所定範囲において、前記送風機風量を最小風量とするとともに、
    前記切替制御手段は、前記空調熱負荷が記所定範囲の大きさとなる場合に、前記内外気切替ドアを前記内気モードとすることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  5. 前記判定手段は、前記目標吹出温度に基づいて前記空調熱負荷が前記最小範囲にあることを判定することを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記判定手段は、前記設定温度、前記車室内温度、外気温、および日射量の少なくとも1つに基づいて前記空調熱負荷が前記最小範囲にあると判定することを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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