JP2009039883A - スタッドレスタイヤおよびスタッドレスタイヤの製造方法 - Google Patents

スタッドレスタイヤおよびスタッドレスタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ストリップワインド(STW)方式を採用し、外観および耐オゾン性を向上させることができるスタッドレスタイヤの製造方法、および該製造方法により製造されたスタッドレスタイヤを提供することを目的としている。
【解決手段】ストリップ上層ゴム部(A)とストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材を用いてスタッドレスタイヤを製造するスタッドレスタイヤの製造方法と該製造方法により得られるスタッドレスタイヤ。
【選択図】図4

Description

本発明は、スタッドレスタイヤおよびスタッドレスタイヤの製造方法に関する。
タイヤに求められる性能の一つとして、外観がきれいであるという性能がある。
天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルーブタジエンゴムなどのゴムは空気入りタイヤのトレッド部あるいはサイドウォール部のゴム組成物に汎用されている。これらのタイヤ用ゴム組成物は長期間にわたる走行により激しい屈曲変形を受けるとともに、高温条件下におかれ、さらに紫外線に曝されるため、経時変化を起こし使用に耐え得なくなる。この現象を経年劣化という。
ゴム組成物の老化は、種々の要因によって生ずる。外部的な要因としては、空気中の酸素、酸化物、熱、光、オゾン、マンガン化合物、放射線、タイヤ走行時の繰返し変形などがある。一方、内部的な要因としては、ゴム成分の種類、ゴムの加硫条件および加硫の程度、加硫剤の種類および加硫促進剤の種類などがある。これらの諸要因は相互に作用しあってゴムの経年劣化をもたらす。
ゴム組成物の劣化現象には酸素による老化とオゾンによる老化がある。酸素による老化は、ゴム分子の炭化水素が酸素存在下で熱または光の影響で炭化水素ラジカルと水素ラジカルが生成する。そして炭化水素ラジカルは酸素と反応してヒドロペルオキシドを生成し、このヒドロペルオキシドが他のゴム分子の炭化水素に反応してさらに炭化水素ラジカルを生成する。この反応は連鎖的に起こることによってゴム分子の主鎖の分解がおこり、その物性が低下する。
一方、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのジエン系ゴムはオゾンによって老化を生ずる。オゾンはゴム分子の二重結合に求電子的に反応し、その二重結合部分を切断するもので、前記酸化反応と本質的に異なっている。酸素あるいはオゾンによる劣化は、タイヤ走行時の繰返し屈曲変形および昇温により、相乗して、一層促進されることになる。
従来これらの老化を防止するために老化防止剤がゴム組成物に配合される。あらかじめ老化防止剤の配合量を多めに配合した場合であっても、タイヤの長期間使用に伴い、ゴム組成物中の老化防止剤はオゾン、熱、紫外線などと反応し徐々にその量は消化されるため、老化防止効果が減少することとなる。
老化現象の進行とともにゴム組成物の硬度は高くなるため、この硬度を一定に保持する方法として、ゴム組成物にオイルを配合する方法がある。このオイルは一般にゴム組成物中を移行する性質があり、これを防止することにより長期間にわたり硬度を一定に保持する例もあるが、単にオイルを配合しただけでは、ゴム組成物の引張り強度の向上、トレッド部におけるグリップ性能の向上などの課題が残されている。
一方、空気入りタイヤのトレッド部においては、その物性変化を抑制するために、再架橋抑制剤を配合している例もあるが、再架橋抑制剤を配合しただけでは、架橋形態の変化を防止し、硬化抑制するにとどまり、外部環境刺激に対するバリアー効果を得ることができない。
さらに、トレッド部において、初期の性能を向上させるために、無機充填剤を配合している例もあるが、性能低下を防止できるという課題が残されている。
本発明は、ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材から構成されるスタッドレスタイヤにおいて、被巻付体に、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、このストリップ上層ゴム(a)よりもストリップ巾が狭い下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなり、ストリップ上層ゴム部(A)によりストリップ下層ゴム部(B)がタイヤ表面に現れないことを特徴とする複合ゴムストリップを用いることを基本として、ストリップワインド(STW)方式を採用しつつ、外観および耐オゾン性を向上させることができるスタッドレスタイヤの製造方法、および該製造方法により製造されたスタッドレスタイヤを提供することを目的としている。
本発明は、ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材を用いてスタッドレスタイヤを製造するスタッドレスタイヤの製造方法であって、被巻付体に、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、このストリップ上層ゴム部よりもストリップ巾が狭い下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップを供給するストリップ供給ステップと、供給される前記複合ゴムストリップを前記被巻付体に巻き付けて前記ゴム部材を形成する巻付けステップとを有し、かつ、この巻き付けにおいて、ストリップ上層ゴム部(A)によりストリップ下層ゴム部(B)がタイヤ表面に現れないことを特徴とするスタッドレスタイヤの製造方法に関する。
また、本発明は、前記被巻付体に、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、このストリップ上層ゴム部よりも老化防止剤を多く含有する下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる濃度勾配を持つ複合ゴムストリップを供給するストリップ供給ステップを有することが好ましいスタッドレスタイヤの製造方法に関する。
また、本発明は、前記複合ゴムストリップが、タイヤトレッド部に配されることが好ましいスタッドレスタイヤの製造方法に関する。
また、本発明は、前記複合ゴムストリップが、上層ゴムを押出し成形した上層ゴムのストリップ片と、下層ゴムを押出し成形した下層ゴムのストリップ片とを互いに貼り合わせた貼合わせ体からなることが好ましいスタッドレスタイヤの製造方法に関する。
また、本発明は、前記複合ゴムストリップが、上層ゴムと下層ゴムとを2層押出機により一体押出し成形した押出し成形体からなることが好ましいスタッドレスタイヤの製造方法に関する。
また、本発明は、前記貼合わせ体または前記押出し成形体が、カレンダロール間で狭圧させたことが好ましいスタッドレスタイヤの製造方法に関する。
また、本発明は、ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより形成されたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材を有するスタッドレスタイヤであって、前記ゴムストリップは、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップであり、前記複合ゴムストリップのストリップ厚さTsが0.5〜6.0mmの範囲であり、前記ストリップ上層ゴム部(A)のストリップ巾Waが5〜50mmの範囲であり、
前記ストリップ下層ゴム部(B)のストリップ巾Wbが式(1):
Wa>Wb (1)
を満たすスタッドレスタイヤに関する。
また、ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより形成されたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材を有するスタッドレスタイヤであって、前記ゴムストリップは、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップであり、前記上層ゴム(a)と下層ゴム(b)における老化防止剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対してそれぞれ0.3〜4重量部の範囲であり、上層ゴム(a)の老化防止剤の配合量(Aa1)と下層ゴム(b)の老化防止剤の配合量(Bb1)が式(2):
Aa1<Bb1 (2)
を満たすことが好ましいスタッドレスタイヤに関する。
また、本発明は、前記ゴムストリップが、老化防止剤を含有する上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、老化防止剤を含有する下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップである請求項8記載のスタッドレスタイヤに関する。
また、本発明は、前記複合ゴムストリップが、タイヤトレッド部に配されることが好ましいスタッドレスタイヤに関する。
また、本発明は、前記複合ゴムストリップが、タイヤキャップトレッド部に配されることが好ましいスタッドレスタイヤに関する。
本発明は、ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材から構成されるスタッドレスタイヤにおいて、被巻付体に、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、このストリップ上層ゴム(a)よりもストリップ巾が短い下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなり、ストリップ上層ゴム部(A)によりストリップ下層ゴム部(B)がタイヤ表面に現れないことを特徴とする複合ゴムストリップを用いることを基本として、ストリップワインド(STW)方式を採用しつつ、外観および耐オゾン性を向上させることができるスタッドレスタイヤの製造方法、および該製造方法により製造されたスタッドレスタイヤを提供することができる。
本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
(1)本発明の複合ゴムストリップを有するスタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)について説明する。
図1は、本発明の複合ゴムストリップ12から構成される本実施形態のスタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)1の断面図を示したものである。スタッドレスタイヤ1は、トレッド部2と、その両端部からタイヤ半径方向内方に伸びる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に設けられたビード部4とを有し、この例では乗用車用のタイヤが示されている。
スタッドレスタイヤ1は、例えば各ビード部4のビードコア5、ビードコア5間をトロイド状にまたがってのびているカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたトレッド補強コード層7とを含んで構成されている。
前記カーカス6は、例えばラジアル構造の1枚のカーカスプライから形成される。前記カーカスプライは、例えばビードコア5をまたがるトロイド状の本体部6aと、その両側に連なりビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返された一対の折返し部6bとを有する。またカーカスプライの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5から半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配されている。
また、前記トレッド補強コード層7は、金属コードをタイヤ周方向に対して配列した2枚のベルトプライ(9Aおよび9B)を重ねて構成したベルト9と、そのタイヤ半径方向外側に配されたタイヤ周方向にのびるコードを有したバンドプライからなるバンド10とを含んで構成されている。なおバンド10は、必要に応じて省略することもできる。
前記各カーカス6のカーカスプライ、ベルト9のベルトプライおよびバンド10バンドプライは、いずれもコードと、これらを被覆するトッピングゴムとで構成される。
前記カーカス6の外側において、サイドウォール領域には、タイヤ外皮をなすサイドウォールゴム3Gが配されまたビード領域には、クリンチゴム4Gがそれぞれ配されている。ここで、クリンチゴム4Gのタイヤ半径方向の外端は、前記サイドウォールゴム3Gに接続されており、同タイヤ半径方向の内端は、金属製のリムRに接触することができる。
また本実施形態において、スタッドレスタイヤ1は、前記トレッド補強コード層7のタイヤ半径方向外側に、ベースゴム部11を介してトレッドゴム2Gが配される。
またベースゴム部11のタイヤ軸方向の両側縁は、前記サイドウォールゴム3Gに接続されている。
本発明のトレッドゴム2Gは、本発明の複合ゴムストリップ12を螺旋状に巻き重ねることにより形成されたゴムストリップ巻付体から作られている。なお図1には理解しやすいように、トレッドゴム2G中の隣り合う複合ゴムストリップ12の境界線を示している。
(2)本発明の複合ゴムストリップ12について説明する。
図2は、本発明のスタッドレスタイヤにおける1本の複合ゴムストリップ12の断面図を示したものである。該複合ゴムストリップ12は、本実施形態では偏平な矩形状の断面を有し、その1本中に、上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aと、この上層ゴムよりもストリップ巾が短い下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bとを一体に含んで構成される。
(2−1)複合ゴムストリップ12の形態について説明する。
図2に示されるように、前記複合ゴムストリップ12は、そのストリップ巾Waは5〜50mmであり、またストリップ厚さTsは0.5〜6.0mmの範囲である。ストリップ巾Waが5mm未満の場合またはストリップ厚さTsが0.5mm未満の場合、螺旋状に巻き付けてゴム部材を形成する場合に複合ゴムストリップ12の巻回数が著しく増加し、かつ、薄いストリップは作業成形性が劣り、生産性が低下する。逆にストリップ巾Waが50mmを超える場合またはストリップ厚さTsが6.0mmを超える場合、微妙な断面形状を作るのが困難になる。このような観点から、前記ストリップ巾Waは、10〜40mmが好ましく、15〜30mmがさらに好ましい。同じくして、前記ストリップ厚さTsは、1.0〜5.5mmが好ましく、2.0〜5.0mmがさらに好ましい。
前記複合ゴムストリップ12において、ストリップ上層ゴム部12aのストリップ巾Waは5〜50mmの範囲であることが好ましく、ストリップ厚さTaは断面形状の設計および成形性という理由から、1.0〜2.0mmの範囲であることが好ましい。
本発明の複合ゴムストリップ12は、上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aと、この上層ゴムよりもストリップ巾が狭い下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bとを一体に含んで構成されることを特徴とし、前記ストリップ上層ゴム部12aのストリップ巾Waが5〜50mmの範囲であり、前記ストリップ下層ゴム部12bのストリップ巾Wbが式(1):
Wa>Wb (1)
を満たすことを特徴とする。
本発明の複合ゴムストリップ12は、本実施形態では偏平な矩形状の断面を有し、その1本中に、上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aと、下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bとを一体に含んで構成される。
そして、図2に示されるように上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aは、複合ゴムストリップ12を厚さ方向に貫通しない表面層であり、前記複合ゴムストリップ12の一方側の表面(複合ゴムストリップ12のストリップ上層ゴム部12a側の表面)F1を形成しており、また、下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bは、複合ゴムストリップ12のストリップ上層ゴム部12aと他方側の表面(複合ゴムストリップ12のストリップ下層ゴム部12b側の表面)F2を形成している。
(2−2)複合ゴムストリップ12のゴム配合について説明する。
前記複合ゴムストリップ12を構成するストリップ上層ゴム部12aの上層ゴムおよび下層ゴム部12bの下層ゴムは、ジエン系ゴム、オイル、老化防止剤およびワックスを含有する。
上層ゴムおよび下層ゴムに含まれるジエン系ゴム成分としては、とくに制限はなく、たとえば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、イソモノオレフィンとパラアルキルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などがあげられ、これらのジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、操縦安定性と耐摩耗性のバランス、成形性、スタッドレス配合として低温時の低温特性が優れる理由から、SBR、NR、BRが好ましく、NR、BRがより好ましい。
NRとしては、とくに制限はなく、例えばRSS♯3、TSR20などの通常ゴム工業で使用されるものを使用することができる。
ゴム成分中のNRの含有率は、ウェットグリップ性能および成形性に優れるという理由から、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。
BRとしては、とくに制限はなく、例えば宇部興産(株)製のBR150など通常ゴム工業で使用されるものを使用することができる。
ゴム成分中のBRの含有率は、低温特性に優れるという理由から、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。
上層ゴムおよび下層ゴムに含まれる充填剤として、カーボンブラックおよびシリカを用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、とくに制限はなく、例えばS−SAF、SAF、ISAF、HAF、FEFなど通常ゴム工業で使用されるグレードのものを使用することができる。
カーボンブラックおよびシリカなどの充填剤の配合量は、グリップ性能、耐摩耗性および低温特性に優れるという理由から、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、40重量部以上が好ましく、45重量部以上がより好ましい。また、カーボンブラックおよびシリカなどの充填剤の配合量は、耐摩耗性および低温特性に優れるという理由から、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、90重量部以下が好ましく、85重量部以下がより好ましい。
上層ゴムおよび下層ゴムに含まれるオイルとしては、とくに制限はなく、例えばアロマ代替オイルまたはミネラルオイルなど通常ゴム工業で使用されるものを使用することができる。
上層ゴムおよび下層ゴムに含まれる老化防止剤としては、とくに制限はなく、例えばアンチゲン6Cまたはアンチゲン6RDなど通常ゴム工業で使用されるものを使用することができる。
老化防止剤の配合量は、耐オゾン性および耐熱のために劣化防止に優れるという理由から、ゴム成分100重量部に対して、それぞれ0.3〜4重量部の範囲であり、ストリップ上層ゴム部12aの上層ゴムの老化防止剤の配合量(Aa1)とおよび下層ゴム部12bの下層ゴムの老化防止剤の配合量(Bb1)が式(2):
Aa1<Bb1 (2)
を満たす配合が好ましい。
上層ゴムおよび下層ゴムに含まれるワックスとしては、とくに制限はなく、例えばサンノックSまたはサンノックNなど通常ゴム工業で使用されるものを使用することができる。
ワックスの配合量は、耐オゾン性および劣化防止に優れるという理由から、ゴム成分100重量部に対して、それぞれ0.3〜4重量部の範囲であり、ストリップ上層ゴム部12aの上層ゴムのワックスの配合量(Aa1)とおよび下層ゴム部12bの下層ゴムのワックスの配合量(Bb1)が式(2):
Aa1<Bb1 (2)
を満たす配合であればよい。
(3)複合ゴムストリップ12について説明する。
本発明の複合ゴムストリップ12は、ジエン系ゴム、オイル、老化防止剤およびワックスを含有し、上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aと、この上層ゴムよりもストリップ巾が短い下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bとを一体に含んで構成される。
本発明の複合ゴムストリップ12の比率について説明する。
本発明でいう複合ゴムストリップ12の比率とは、上層ゴムと下層ゴムの比率を意味し、例えばストリップ上層ゴム部12aの厚さTaとストリップ下層ゴム部12bの厚さTbを適宜調節することによって調節できる。
また、本発明の複合ゴムストリップ12は、老化防止剤やワックスの濃度勾配をコントロールすることができるという理由から、外観および耐オゾン性を向上させることができるスタッドレスタイヤを提供することができる。
ここで本発明の複合ゴムストリップ12は、ストリップ上層ゴム部12aとストリップ下層ゴム部12bからなるので、ストリップ上層ゴム部12aとストリップ下層ゴム部12bの合計比率を100(%)とする。
例えばストリップ上層ゴム部12aの厚さTaとストリップ下層ゴム部12bの厚さTbで規定する場合、複合ゴムストリップ12に対するストリップ下層ゴム部12bの比率は、下層ゴム部に老化防止性能能の高い薬品を多く配合させ、経年劣化を有利にし、タイヤ表面部の上層ゴム部には老化防止性能能の高い薬品の配合量を少なくすることにより、タイヤ表面へ析出を防ぎ外観を向上させることができるという理由から、50以上が好ましく、55以上がより好ましい。
図2に示されるように、例えば、複合ゴムストリップ12のストリップ上層ゴム部12aのストリップ巾とストリップ下層ゴム部12bのストリップ巾が同じである場合、ストリップ上層ゴム部12aのストリップ厚さTaとストリップ下層ゴム部12bのストリップ厚さTbを調節することで、ストリップ上層ゴム部12aとストリップ下層ゴム部12bの比率を調節することができる。
本発明の複合ゴムストリップ12を構成するストリップ上層ゴム部12aの上層ゴムおよび下層ゴム部12bの下層ゴムは、ジエン系ゴム、オイル、老化防止剤、ワックス、カーボンブラック、硫黄などの加硫剤ならびに各種加硫促進剤短繊維以外にも、従来タイヤ工業で配合される配合剤、たとえば、シリカに代表されるカーボンブラック以外の補強用充填剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、などを必要に応じて適宜配合することができる。
(4)本発明の複合ゴムストリップ12を有するスタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)の製造方法(ストリップワインド(STW)方式)ついて説明する。
図3〜6は、本発明の複合ゴムストリップ12を用いて、ストリップワインド(STW)方式によるトレッドゴム2Gを作る工程を示したものである。
(4−1)トレッドゴム2Gにおける複合ゴムストリップ12の態様について説明する。
図3は、本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12を用いて、ストリップワインド(STW)方式により作製されるトレッドゴム2Gを示したものである。図3には、成形ドラムの成形面に、予めトレッド補強コード層7と、ベースゴム部11とが配されている。図3におけるベースゴム部11は、一例として1本のゴムストリップを、巾方向の一端部S1から他端部S2に向かって螺旋状かつ重ね代を有して連続して巻き付けることにより環状に形成されたものが示される。このようなゴムストリップの巻き付けは、例えば押出機から連続して供給されるゴムストリップの一端を成形ドラムの巾方向の所定の位置に止着するととともに、成形ドラムを回転させながら、ゴムストリップを巾方向に櫛多動させることにより行う。
次に、図3に示されるように、前記ベースゴム部11の外側には、本発明の複合ゴムストリップ12を用いてトレッドゴム2Gが形成される。
この工程では、予め成形ドラムに巻き付けられたベースゴム部11を被巻付体とし、図5および図6に概念的に示すように、複合ゴムストリップ形成装置からの複合ゴムストリップ12を前記被巻付体に供給するストリップ供給ステップと、供給される複合ゴムストリップ12を、送り出しローラを有するストリップ巻付け装置を用いて被巻付体に連続して巻き重ねてトレッドゴム2Gを形成する巻付けステップとを有する。
本実施形態のトレッドゴム2Gは、前記複合ゴムストリップ12を、前記ベースゴム部11の一端部S1から他端部S2に向けて重ね代を持って螺旋状に巻き重ねられることによりゴムストリップ巻付体として形成される。ゴムストリップ巻付体の厚さの変化は、例えば複合ゴムストリップ12の巾方向の巻付けピッチを変えることによって行い得る。図3の例では、一端部S1から他端部S2に向けて複合ゴムストリップ12を移動させて巻き付けを終えているが、例えば他端部S2で向き返して2層に巻き重ねてトレッドゴム2Gを形成することもできる。
図4は、本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12が、前記巻付けステップによって作られたトレッドゴム2Gの部分拡大図を示したものである。このトレッドゴム2Gでは、複合ゴムストリップ12が、所定の巻付けピッチPを有して、順次巾方向に位置ずれしている。
従って、前記ストリップ上層ゴム部12aを半径方向外方に向けて(すなわち前記表面F1を半径方向外方に向けて)複合ゴムストリップ12を螺旋巻きすることにより、前記巾方向の位置ずれによって、ストリップ上層ゴム部12aをトレッドゴム2Gの半径方向外周面で露出させることが可能となる。そして、複合ゴムストリップ12を加硫成形後も、ストリップ下層ゴム部12bのストリップ巾が短いために、本発明の特徴であるストリップ上層ゴム部12aのみが外周面で露出されることが可能となる。
次に、このようにして作られたトレッドゴム2Gは、前記トレッド補強コード層7及びベースゴム部11とともに成形ドラムから取り外される。そして、これらは、成型フォーマに円筒状に巻き付けられたカーカスプライ、サイドウォールゴム3G、クリンチゴム4Gに外挿されるとともに、トロイド状にシェービングされるカーカスプライと一体化される。これにより、生カバーが形成される。そして、該生カバーは、加硫金型によって加硫されスタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)1が製造される。
このような生カバーを加硫したスタッドレスタイヤ1は、本実施形態では偏平な矩形状の断面を有し、その1本中に、上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aと、ストリップ上層ゴム部12aよりもストリップ巾が短い下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bとを一体に含んで構成される本発明の複合ゴムストリップ12から構成されるので、ストリップ上層ゴム部12aのみが外周面で露出されることで、外観および耐オゾン性を向上させることができるスタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)1を提供することができる。
従って、本発明によれば、ストリップワインド(STW)方式を採用しつつ、外観および耐オゾン性を向上させることができるスタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)1を提供できる。しかも、下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bのストリップ巾が上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aのストリップ巾よりも短いために、どの摩耗段階においても上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aのみが外周面で露出し得る。
(4−2)複合ゴムストリップ12からトレッドゴム2Gの作製について説明する。
図5は、一体押出し形成装置による本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12の作製について示したものである。前記複合ゴムストリップ12は、図5に示すように、複合ゴムストリップ形成装置13により形成できる。本例では、この複合ゴムストリップ形成装置13として2層押出機を用い、前記上層ゴム、下層ゴムを2層押出機13により一体押出し成形した押出し成形体14として複合ゴムストリップ12を形成したものを例示している。
なお、図5に示す押出し成形体14においても、上層ゴムと下層ゴムとのシュリンク量の違いにより、複合ゴムストリップ12の表面F1(またはF2)に隆起部等が形成される傾向があり、従って一体押出し成形の場合にも、表面F1(またはF2)の平滑化のために、前記押出し成形体14をカレンダロール18、18問で狭圧させるのが好ましい。
図6は、2台の押出機による本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12の作製について示したものである。また、複合ゴムストリップ形成装置として、図6に示すように、独立した2台の押出機15A、15Bを用いることができる。この場合、押出機15Aの上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部のストリップ片16a、押出機15Bの下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部のストリップ片16bをそれぞれ押出し成形する。そして、このストリップ片16a、16bを互いに貼り合わせた貼合わせ体17として複合ゴムストリップ12を形成することもできる。
なお、ストリップ片16a、16b間の粘着を高めるために、前記貼合わせ体17をカレンダロール18、18間で狭圧させることが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
本発明の実施形態では、一例として、偏平な矩形状の断面を有し、その1本中に、上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aと、ストリップ上層ゴム部12aよりもストリップ巾が短い下層ゴムからなるストリップ下層ゴム部12bとを一体に含んで構成される本発明の複合ゴムストリップ12において、所定のオイル、老化防止剤およびワックスの配合量を適切に変化させ、どの摩耗段階においても上層ゴムからなるストリップ上層ゴム部12aのみが外周面で露出し得る複合ゴムストリップ12であり、外観および耐オゾン性が向上したスタッドレスタイヤおよびその製造方法を示した。しかし、タイヤに要求される性能に従って、他の配合を採用することももちろん可能である。
実施例にもとづいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種薬品をまとめて説明する。
スチレン−ブタジエンゴム(SBR):住友化学(株)製のN9520(37.5重量%油展ポリマー)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(ISAF、N220)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスP−200
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックS
ステアリン酸:日本油脂(株)製
亜鉛華:三井金属鉱業(株)製
硫黄:鶴見化学工業(株)製
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(スタッドレスタイヤの作製)
図1に示す基本構造を有する本発明のスタッドレスタイヤは、本発明のトレッド用ゴム組成物またはキャップトレッド用ゴム組成物を、ストリップワインド(STW)方式によりトレッドまたはキャップトレッドとして形成することで製造できる。
(1)ベーストレッド用ゴム組成物の作製
バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を160℃以下の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃以下の条件下で2分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で15分間プレス加硫し、ベーストレッド用ゴム組成物を得た。
(2)キャップトレッド用ゴム組成物A〜Iの作製
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を160℃以下の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃以下の条件下で2分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を、キャップトレッド用のゴム部材として、ストリップワインド方式によりベーストレッドに積層形成し、170℃の条件下で15分間プレス加硫し、キャップトレッド用ゴム組成物A〜Iを得た。
Figure 2009039883
(3)スタッドレスタイヤの作製(実施例1〜3および比較例1〜3)
未加硫状態のベーストレッド用ゴム組成物とキャップトレッド用ゴム組成物とを、表2および表3記載の組み合わせで2層のトレッドに押し出し、ストリップワインド方式により本発明のキャップトレッドゴムを形成し他の部材とともに貼り合わせ、170℃の条件下で15分間プレス加硫することで、実施例1〜3および比較例1〜3の試験用スタッドレスタイヤDS2(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
実施例1〜3および比較例1〜3のいずれの実施例および比較例の複合ゴムストリップのスリップのストリップ厚さTsは4.0mmとした。また、いずれの実施例および比較例においてもストリップ上層ゴム部12aのスリップ巾Waは25mm、ストリップ下層ゴム部12bのスリップ巾Wbは20mmとした。
なお、実施例1では、ストリップ上層ゴム部12aのストリップ厚さTaが2.0mm、ストリップ下層ゴム部12bのストリップ厚さTbが2.0mmであり、表1ではTa/Tb比率(上層/下層)を50/50と記載した。
(4)従来法によるスタッドレスタイヤの作製(比較例4)
バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を160℃以下の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃以下の条件下で2分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で15分間プレス加硫し、キャップトレッド用ゴム組成物Aおよびベーストレッド用ゴム組成物を得た。
未加硫状態のベーストレッド用ゴム組成物とキャップトレッド用ゴム組成物Aとを、従来法により貼り合わせ(表3)、170℃の条件下で15分間プレス加硫することで、比較例4の試験用スタッドレスタイヤDS2(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
そして、実施例1〜3および比較例1〜4の供試タイヤの外観および耐オゾン性を測定した。
実施例1〜3および比較例1〜4
(外観)
製造した新品タイヤの外観を、試験官5人が目視で評価し、平均を評価値とした。比較例4(従来法によるスタッドレスタイヤ)の外観を基準値5として10段階で評価した。評価値の値が高いほど、薬品の表面への析出が抑制されており、外観に優れることを示す。表2および表3において、外観(オリジナル)とは製造した新品タイヤの外観を評価した値であり、外観(熱労化後)とは製造した新品タイヤを温度80℃の雰囲気下、2週間曝露後の外観を評価した値である。
(耐オゾン性)
製造した新品タイヤを、JIS K6259にしたがって、オゾン濃度50pphmの雰囲気下、48時間曝露後の耐オゾン性を評価した。比較例4(従来法によるスタッドレスタイヤ)の耐オゾン性を基準値5として10段階で評価した。評価値の値が高いほど、耐オゾン性に優れることを示す。表2および表3において、耐オゾン性(オリジナル)とは製造した新品タイヤの耐オゾン性を評価した値であり、耐オゾン性(熱労化後)とは製造した新品タイヤを、前記オゾン雰囲気下に曝露後、さらに温度80℃の雰囲気下、2時間曝露後の耐オゾン性を評価した値である。
Figure 2009039883
Figure 2009039883
実施例1〜3は、ベース配合とキャップ配合をストリップワインド方式を採用して、トレッドゴム配合として作成したスタッドレスタイヤである。外観および耐オゾン性能において、オリジナルおよび熱老化後、ともに良好な評価結果を示していることがわかる。
比較例1は、ベース配合とキャップ配合をストリップワインド方式を採用して、トレッドゴム配合として作成したスタッドレスタイヤであるが、キャップ配合においてストリップ上層およびストリップ下層がともにAであるスタッドレスタイヤである。外観および耐オゾン性能において、オリジナルおよび熱老化後ともに実施例と比較して劣っているとの評価結果を示していることがわかる。
比較例2は、ベース配合とキャップ配合をストリップワインド方式を採用して、トレッドゴム配合として作成したスタッドレスタイヤであるが、キャップ配合において老化防止剤の配合量が本発明を満たさないストリップ上層Fを含むスタッドレスタイヤである。外観において、オリジナルおよび熱老化後ともに良好である。しかし、耐オゾン性において、オリジナルおよび熱老化後ともに実施例と比較して劣っているとの評価結果を示していることがわかる。
比較例3は、ベース配合とキャップ配合をストリップワインド方式を採用して、トレッドゴム配合として作成したスタッドレスタイヤであるが、キャップ配合においてワックスの配合量が本発明を満たさないストリップ上層Gを含むスタッドレスタイヤである。外観において、オリジナルおよび熱老化後ともに良好である。しかし、耐オゾン性において、オリジナルおよび熱老化後ともに実施例と比較して劣っているとの評価結果を示していることがわかる。
本発明の複合ゴムストリップ12から構成される一実施形態のスタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)1の断面図を示したものである。 本発明のスタッドレスタイヤにおける1本の複合ゴムストリップ12の断面図を示したものである。 本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12を用いて、ストリップワインド(STW)方式により作製されるトレッドゴム2Gを示したものである。 本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12が、前記巻付けステップによって作られたトレッドゴム2Gの部分拡大図を示したものである。 一体押出し形成装置による本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12の作製について示したものである。 2台の押出機による本発明のスタッドレスタイヤにおける複合ゴムストリップ12の作製について示したものである。
符号の説明
1 スタッドレスタイヤ(空気入りタイヤ)
2 トレッド部
2G トレッドゴム
3 サイドウォール部
3G サイドウォールゴム
4 ビード部
4G クリンチゴム
5 ビートコア
6 カーカス
6a カーカスプライの本体部
6a カーカスプライの折返し部
7 コード層
8 ビードエイペックスゴム
9 ベルト
9A ベルトプライ
9B ベルトプライ
10 バンド
11 ベースゴム部
12 複合ゴムストリップ
12a ストリップ上層ゴム部
12b ストリップ下層ゴム部
13 複合ゴムストリップ形成装置(2層押出機)
14 一体押出し成形した押出し成形体
15A 2台の押出機
15B 2台の押出機
16a 上層ゴムのストリップ片
16b 下層ゴムのストリップ片
17 上層ゴムのストリップ片および下層ゴムのストリップ片の貼合わせ体
18 カレンダロール
F1 複合ゴムストリップのストリップ上層ゴム部側の表面
F2 複合ゴムストリップのストリップ下層ゴム部側の表面
P 巻付けピッチ
R 金属製のリム
S1 ゴムストリップの巾方向の一端部
S2 ゴムストリップの巾方向の他端部
Ts 複合ゴムストリップの厚さ
Ta ストリップ上層ゴム部の厚さ
Tb ストリップ下層ゴム部の厚さ
Wa ストリップ上層ゴム部のストリップ巾
Wb ストリップ下層ゴム部のストリップ巾

Claims (11)

  1. ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材を用いてスタッドレスタイヤを製造するスタッドレスタイヤの製造方法であって、
    被巻付体に、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、このストリップ上層ゴム部よりもストリップ巾が狭い下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップを供給するストリップ供給ステップと、
    供給される前記複合ゴムストリップを前記被巻付体に巻き付けて前記ゴム部材を形成する巻付けステップとを有し、
    かつ、この巻き付けにおいて、ストリップ上層ゴム部(A)によりストリップ下層ゴム部(B)がタイヤ表面に現れないことを特徴とするスタッドレスタイヤの製造方法。
  2. 被巻付体に、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、このストリップ上層ゴム部よりも老化防止剤を多く含有する下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる濃度勾配を持つ複合ゴムストリップを供給するストリップ供給ステップを有することを特徴とする請求項1記載のスタッドレスタイヤの製造方法。
  3. 前記複合ゴムストリップが、タイヤトレッド部に配されることを特徴とする請求項1または2記載のスタッドレスタイヤの製造方法。
  4. 前記複合ゴムストリップが、上層ゴムを押出し成形した上層ゴムのストリップ片と、下層ゴムを押出し成形した下層ゴムのストリップ片とを互いに貼り合わせた貼合わせ体からなることを特徴とする請求項1、2または3記載のスタッドレスタイヤの製造方法。
  5. 前記複合ゴムストリップが、上層ゴムと下層ゴムとを2層押出機により一体押出し成形した押出し成形体からなることを特徴とする請求項1、2または3記載のスタッドレスタイヤの製造方法。
  6. 前記貼合わせ体または前記押出し成形体が、カレンダロール間で狭圧させたことを特徴とする請求項4または5記載のスタッドレスタイヤの製造方法。
  7. ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより形成されたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材を有するスタッドレスタイヤであって、
    前記ゴムストリップは、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップであり、
    前記複合ゴムストリップのストリップ厚さTsが0.5〜6.0mmの範囲であり、
    前記ストリップ上層ゴム部(A)のストリップ巾Waが5〜50mmの範囲であり、
    前記ストリップ下層ゴム部(B)のストリップ巾Wbが式(1):
    Wa>Wb (1)
    を満たすスタッドレスタイヤ。
  8. ゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより形成されたゴムストリップ巻付体からなるゴム部材を有するスタッドレスタイヤであって、
    前記ゴムストリップは、上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップであり、
    前記上層ゴム(a)と下層ゴム(b)における老化防止剤の配合量が、ゴム成分100重量部に対してそれぞれ0.3〜4重量部の範囲であり、
    上層ゴム(a)の老化防止剤の配合量(Aa1)と下層ゴム(b)の老化防止剤の配合量(Bb1)が式(2):
    Aa1<Bb1 (2)
    を満たす請求項7記載のスタッドレスタイヤ。
  9. 前記ゴムストリップが、老化防止剤を含有する上層ゴム(a)からなるストリップ上層ゴム部(A)と、老化防止剤を含有する下層ゴム(b)からなるストリップ下層ゴム部(B)とからなる複合ゴムストリップである請求項8記載のスタッドレスタイヤ。
  10. 前記複合ゴムストリップが、タイヤトレッド部に配されることを特徴とする請求項7、8または9記載のスタッドレスタイヤ。
  11. 前記複合ゴムストリップが、タイヤキャップトレッド部に配されることを特徴とする請求項7、8、9または10記載のスタッドレスタイヤ。
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