JP2009037669A - 光ディスク装置および記録方法ならびに記録パラメータ設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】立ち上げ時に要求される自動調整のための時間を短縮することにより、記録開始までの時間が短縮可能な光ディスク装置および記録方法ならびに記録パラメータ設定方法を提供する。
【解決手段】この発明の1つの実施の形態によれば、調整すべきパラメータであるパワーとストラテジ条件の組み合わせにつき、パワーに関しては複数条件を同時に記録することで、フィードバックに必要なシーク回数を減らし、立ち上げ時に要求される自動調整のための時間を短縮することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】この発明の1つの実施の形態によれば、調整すべきパラメータであるパワーとストラテジ条件の組み合わせにつき、パワーに関しては複数条件を同時に記録することで、フィードバックに必要なシーク回数を減らし、立ち上げ時に要求される自動調整のための時間を短縮することができる。
【選択図】 図4
Description
この発明は、ライトストラテジやパワーに代表される記録パラメータを好適に設定可能な光ディスク装置および記録方法ならびに記録パラメータ設定方法に関する。
レーザ光を用いて情報の記録と再生が可能な情報記録媒体すなわち光ディスクが実用化されて久しい。反面、光ディスクの規格としては、CD(コンパクトディスク)規格に続いてDVD(ディジタルバーサタイルディスク)規格が実用化され、DVD規格をさらに高密度化したHD(High Definition) DVD規格も既に実用化されている。
なお、CD規格、DVD規格およびHD DVD規格のいずれにおいても、−Rタイプ(追記型)やRW/RAMタイプ(録再型/書換可能型)が用意されており、特にDVD規格やHD DVD規格においては、記録した光ディスク装置とは異なる光ディスク装置による再生を考慮して、記録マーク(ピット)列の形状が規格値、すなわち所定の管理幅に収まるよう、好適な記録パラメータ、例えば記録パワーやライトストラテジ等、を設定するための試し書き領域が用意されている。
特許文献1には、パワーとストラテジのそれぞれを、所定の手順に従って順に最適化する記録補償方法および記録再生装置が示されている。
特許文献2には、記録パワーを順次変化させながらライトストラテジに従って補正記録し、その再生信号に基づいて最適な記録パワーを決定した後、最適な記録パワーで最適なストラテジを決定する光ディスク装置が示されている。
特開2004−063024
特開2006−338724
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、ある指標(たとえば、エッジのズレとβ、γ)を用いてパワーとストラテジを最適化しようとした場合、最適な組み合わせが複数存在し、かつ複数点の信号品位が有意と呼べる差を持つ、すなわち、信号品位で見た場合には、パワーとストラテジのそれぞれにおいて局所最適解が存在し、大域的最適解にたどり着かない虞がある。
一方、特許文献2に開示された方法では、始めに最適なパワーを求め、その後パワーを固定して最適なストラテジを求めることにより、当然、好適なパワーとストラテジが設定されるまでに要求される時間が長くなることは明らかである。なお、光ディスクドライブの立ち上げ時には、ディスク判別、著作権保護情報管理、ディスク固有のコントロールデータのリード、サーボ・パワー調整等、行わねばならない処理が多数あり、調整時間(パワーとストラテジが設定されるまでに要求される時間)が伸びることは、避けられなければならない。
この発明の目的は、立ち上げ時に要求される自動調整のための時間を短縮することにより、記録開始までの時間が短縮可能な光ディスク装置および記録方法ならびに記録パラメータ設定方法を提供することである。
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、所定強度の光を出力する光源と、前記光源に駆動電流を供給する駆動装置と、再生用の強度の光が前記光源から出力され、記録媒体で反射された反射光を検出し、その光強度に対応する出力を出力する光検出器と、前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流の大きさを設定する第1の設定装置と、前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを設定する第2の設定装置と、前記第1の設定装置により設定される駆動電流の大きさを所定の大きさに固定し、固定された駆動電流の大きさと前記第2の設定装置により設定される駆動電流のパルス波形あるいはタイミングとを組み合わせて前記駆動装置に供給し、前記光検出器からの出力に基いて、前記第2の設定装置により設定されるべき駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを変更する第3の設定装置と、を有することを特徴とする光ディスク装置である。
この発明の1つの実施の形態を用いることで、立ち上げ時に要求される自動調整のための時間が短縮でき、記録開始までの時間が低減される。また、光ディスク装置よりも後年に製品化された光ディスクや新規なディスクメーカから提供されるディスクに対しても、最適な記録波形を提供することができる。さらに、自動調整のために確保される時間内でより多くの(高度な)調整を行うことができ、ディスクメーカや製造時期に拘わりなく、提供されるディスクへの記録対応能力の向上が期待できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示す光ディスク装置1は、例えばDVD−R/RWディスクやHD(High Definition) DVD−R/RWディスク等に代表される情報記録媒体としての光ディスク42に対して情報の記録及び再生を行う。光ディスク42は、同心円状または螺旋状に溝(グルーブ)が刻まれており、溝の凹部をランド、凸部をグルーブと呼び、グループまたはランドの一周をトラックと呼ぶ。
ユーザデータは、トラック(グルーブのみ、またはグルーブおよびランド)に沿って、記録すべきデータに従って強度変調されたライトパワー(Write Power)のレーザ光が照射されて記録マークが形成されることにより、光ディスク42に記録される。データ再生は、記録時より弱いリードパワー(Read Power)のレーザ光を、トラック(または再生専用ディスクにおけるマーク(ピット)列)に沿って照射して、記録マークによる反射光の強度の変化を検出することにより行われる。データの消去は、リードパワーより強いイレースパワー(Erase Power)のレーザ光をトラックに沿って照射し、記録層を結晶化することにより行われる。
光ディスク42は、スピンドルモータ2によって回転駆動される。スピンドルモータ2に一体に設けられたロータリエンコーダ2aからスピンドルモータ駆動回路3に、回転角信号が出力される。スピンドルモータ2が1回転すると、回転角信号は、例えば5パルス発生する。これにより、スピンドルモータ制御回路4は、スピンドルモータ駆動回路3を介してロータリエンコーダ2aから入力される回転角信号に基づいてスピンドルモータ2の回転角度および回転数を判定することができ、スピンドルモータ2の回転を制御する。
光ディスク42への情報の記録、または光ディスク42からの情報の再生は、光ピックアップ(PUH)5によって行われる。光ピックアップ5は、ギア18およびスクリューシャフト19を介して送りモータ20と連結されている。送りモータ20は、送りモータ駆動回路21により制御される。送りモータ20が送りモータ駆動回路21から供給された送りモータ駆動電流によって回転することで、光ピックアップ5が光ディスク42の半径方向に移動する。
光ピックアップ5には、図示しないワイヤまたは板ばねもしくは所定形状が与えられたハウジング(樹脂ばね)によって、光ディスク42の記録面のトラックに対して上述したレーザ光を集光するとともに、トラック(再生専用ディスクの場合には記録マーク列)の記録マークから反射される反射レーザ光を捕捉する対物レンズ6が設けられる。
対物レンズ6は、フォーカスアクチュエータ8により、フォーカシング方向(レンズの光軸方向)への移動が可能であり、また、トラッキングアクチュエータ7により、トラッキング方向(レンズの光軸と直交する方向であって光ディスクの半径方向に沿った方向)への移動が可能である。
レーザ制御回路17は、記録時にレーザダイオード9を制御するためのレーザ制御信号を生成する記録レーザ制御回路17−1と再生時にレーザダイオード9を制御するためのレーザ制御信号を生成する再生レーザ制御回路17−2とを含み、情報記録時(マーク形成時)には、ホスト装置43からインタフェース回路41を介して供給される記録データ(変調回路44において例えばEFM変調方式などにより変調された記録データ)に基づいて、書き込み用信号をレーザダイオード(レーザ発光素子)9に供給する。レーザ制御回路17はまた、情報読取り時に、書き込み信号より小さい読取り用信号をレーザダイオード9に供給する。なお、レーザ制御回路17には、ユーザデータを光ディスク42に記録する際に用いられるライトストラテジと呼ばれる、符号長パターンごとのエッジタイミングを微調整するための情報(以下、エッジタイミング微調整情報と称する)が予め設定されており、このエッジタイミング微調整情報に基づいて、エッジタイミング調整されたレーザ駆動電流(レーザ制御信号)がレーザダイオード9に出力される。
ストラテジとパワーの関係を図8に示す。
図8(a)は、光ディスクが用いている基準となるクロックの信号の模式図である。また、図8(b)は、NRZI(Non Return to Zero Invert, “1”の位置と記録マークまたはピットのエッジ部/境界部を一致させる方法)形式に変換された状態の記録データを示している。図8(c)は、記録波形の形状の1例を示している。図8(d)は、プリグルーブ上に記録された記録マークの形状を示す模式図である。ここで、記録波形は、1つのマークを記録するために複数のパルスを使用するように設定されている。
複数のパルスのうち先頭のものをファーストパルス、最後のものをラストパルス、その間のものをマルチパルスと呼ぶ。また、ラストパルスの後に、バイアスパワー1(クーリングパルス)を出力する部分も設けられている。
記録波形の形状は、図8(c)の場合は、レベル方向に、記録パワー、消去パワー、バイアスパワー1およびバイアスパワー2の4つのレベルで規定されている。同じく、記録波形の時間方向には、NRZI形式のデータの立ち上がり、およびクロック信号を基準に、ファーストパルス(1Tより長い、“T”は、図8(a)に示すように、“1”クロック周期)の開始時間F1、ファーストパルスの終了時間F3、ファーストパルスの間隔F2といった時間情報で規定される。また、ファーストパルスの開始時間F1やラストパルス(1Tより短い)の終了時間L3等、特に記録マークの形成に影響を与えやすいパラメータに関しては、NRZI信号のパターンに応じてそれぞれの間隔を、記録中に動的変更する。
これらの情報は、装置のRAM(図1の40)に保存されるほか、フォーマット情報としてディスクに保存される。記録学習を行う場合は、試し書きされた記録マークの再生信号をもとに、これらのパラメータを調整することになる。
フロントモニタフォトダイオード10は、レーザダイオード9が発生するレーザ光の一部がハーフミラー11により一定比率だけ分岐された光量すなわち照射パワーに比例した受光信号を検出し、検出された受光信号をレーザ制御回路17に供給する。レーザ制御回路17は、フロントモニタフォトダイオード10から供給された受光信号を取得し、取得した受光信号に基づいて、CPU(Central Processing Unit)38により予め設定された再生時のレーザパワー(リードパワー)、記録時のレーザパワー(ライトパワー)、および消去時のレーザパワー(イレースパワー)で発光するようにレーザダイオード9を制御する。
レーザダイオード9は、レーザ制御回路17から供給される信号に応じてレーザ光を発光する。レーザダイオード9から発光されるレーザ光は、コリメータレンズ12、ハーフプリズム13、および対物レンズ6を介して光ディスク39上に照射される。光ディスク42からの反射レーザ光は、対物レンズ6、ハーフプリズム13、集光レンズ14、およびシリンドリカルレンズ15を介して、光検知器16に導かれる。
光検知器16は、例えば4分割の光検知セルを含み、個々のセルにより検知した光を光電変換して検知信号を生成し、生成された検知信号をRFアンプ23に出力する。
RFアンプ23は、光検知器16からの検知信号を処理し、ジャストフォーカスからの誤差を示すフォーカス誤差信号(FE)、レーザ光のビームスポット中心とトラック中心との誤差を示すトラッキング誤差信号(TE)、および検知信号の全加算信号である再生信号(RF)を生成し、生成されたフォーカス誤差信号(FE)、トラッキング誤差信号(TE)、および再生信号(RF)をA/D変換器30に供給する。
フォーカス制御回路25は、RFアンプ23からA/D変換器30を介して取り込まれたフォーカス誤差信号(FE)に応じてフォーカス制御信号を生成し、生成されたフォーカス制御信号をフォーカスアクチュエータ駆動回路24に供給する。フォーカスアクチュエータ駆動回路24は、フォーカス制御回路25から供給されたフォーカス制御信号に基づいて、フォーカスアクチュエータ8を駆動するためのフォーカスアクチュエータ駆動電流をフォーカシング方向のフォーカスアクチュエータ8に供給する。これにより、レーザ光が光ディスク42の記録膜上に常時ジャストフォーカスとなるフォーカスサーボが行われる。
トラック制御回路27は、RFアンプ23からA/D変換器30を介して取り込まれたトラッキング誤差信号(TE)に応じてトラッキング制御信号を生成し、生成されたトラッキング制御信号をトラッキングアクチュエータ駆動回路26に供給する。トラッキングアクチュエータ駆動回路26は、トラッキング制御回路27から供給されたトラッキング制御信号に基づいて、トラッキングアクチュエータ7を駆動するためのトラッキングアクチュエータ駆動電流をトラッキング方向のトラッキングアクチュエータ7に供給する。これにより、レーザ光が光ディスク42上に形成されたトラック上を常にトレースするトラッキングサーボが行われる。
このようなフォーカスサーボおよびトラッキングサーボがなされることで、光検知器16(各光検知セル)からの検知信号の全加算信号である再生信号(RF)には、記録情報に対応して光ディスク42のトラック上に形成されたピット等からの反射光の変化が反映される。この再生信号は微弱なアナログ信号であり、RFアンプ23により増幅されて、A/D変換器30において、一定周波数でサンプリングされた後、データ再生回路31に供給される。
また、データ再生回路31は、A/D変換器30から供給される再生信号の振幅やオフセットの補正を行うとともに、PLL(Phase Locked Loop)回路29にて再生クロック信号に同期した信号へと変換した上で等化器32に出力する。
等化器32は、任意のPR(Partial Response)特性を用いて、データ再生回路31から入力された再生信号を任意のPR特性に近い等化再生信号に変換し、変換された等化再生信号をビタビ復号回路33、評価指標測定回路35、およびパルス誤差検出回路36に出力する。
ビタビ(Viterbi)復号回路(ML(Maximum Likelihood)復号回路と称されることもある)33は、等化器32から入力された等化再生信号とのユークリッド距離が最も小さいパスを選択し、選択されたパスに対応する符号長ビット系列を復号データとしてエラー訂正回路34に出力するとともに、この復号データを等化器32、評価指標測定回路35、およびパルス誤差検出回路36に、それぞれ出力する。
評価指標測定回路35は、等化器32およびビタビ復号回路33から、それぞれ入力された等化再生信号および復号データに基づいて、再生信号の評価指標として、例えばPRSNR(Partial Response Signal to Noise Ratio)やSbER(Simulated Bit Error Rate)、アシンメトリ等を算出し、算出されたPRSNRやSbER、アシンメトリなどに関するデータを、バス37を介してCPU38に供給する。このとき、ビタビ復号回路33において、等化再生信号がビタビ復号化されると、符号長(例えば2Tや3T等、Tは、1クロック周期を示す)ごとに、分別(弁別)されるとともに、再生信号の各波高値が得られる。また、得られた再生信号の各波高値の平均を取ることにより、再生信号のアシンメトリが算出される。
パルス誤差検出回路36は、等化器32およびビタビ復号回路33からそれぞれ入力された等化再生信号および復号データに基づいて、例えば特開2004−63204で開示されている技術を用いることにより、再生信号のパルス誤差を検出する。
CPU38は、RFアンプ23から出力され、A/D変換器30を介してディジタル信号に変換されたフォーカス誤差信号(FE)およびトラッキング誤差信号(TE)などのディジタル信号に種々の演算処理を施し、スピンドルモータ制御回路4、送りモータ制御回路22、フォーカス制御回路25、およびトラッキング制御回路27を制御する。
また、レーザ制御回路17、PLL回路29、A/D変換器30、エラー訂正回路34、評価指標測定回路35、およびパルス誤差測定回路36等は、バス37を介してCPU38によって制御される。
CPU38はまた、インタフェース回路41を介してホスト装置43から供給される動作コマンドに従うとともに、ROM(Read Only Memory)39に記憶されているプログラムおよびROM39からRAM(Random Access Memory)40にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行し、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより光ディスク装置1を統括的に制御する。
ところで、光ディスク42にデータを記録する際には、ホスト装置43から供給される記録データが変調回路44により変調され、レーザ制御回路17に送られる。レーザ制御回路17の上述した記録レーザ制御回路17−1には、「記録ストラテジ(または単に、ストラテジあるいはライトストラテジ)」と呼ばれる符号パターン毎のタイミング微調整情報と記録パワーが設定されており、この情報に基づいて、タイミングおよびパワー調整されたレーザ駆動電流(ライトパワー)がレーザダイオードに流される。これにより、レーザダイオードが発光して生成された記録レーザビームは、光学系すなわちPUH5を通じて、ディスク42の表面のトラックに照射される。
すなわち、図2に示すように、パワーに対してシンメトリが最適なストラテジパルス幅を求めることができる。これを候補となる記録パワーの全組み合わせに対して求め、その組み合わせのうち信号品位での最適解を一つを選択すれば、パワーとストラテジを求めることができる。
ここで、パワーpは、たとえば図8における記録パワー、消去パワー、バイアスパワー1,バイアスパワー2,の4パラメータを含むベクトルであり、ストラテジsはたとえば図8における(F1,F2,F3,M1,M2,M3,L1,L2)というパラメータを含むベクトルがNRZI符号パターンごとに含まれるマトリクスであるとする。
詳細には、ストラテジsの初期値が設定されると(STP1)、パワーpをp1〜p4まで順に変化するループR11が実行される。
以下、i番目のパワーをpiと記載し、piに対応するj番目のストラテジ条件をsijと記載する。
なお、ループR11は、一例ではあるが、
pに「p1」が、sに「s11」がセットされて(STP21)、
試し書きが実行され(STP22)、
光ピックアップ(PUH)5がシークされ、その位置すなわちSTP22で試し書きが実行された位置において、STP21でセットされたパワーによる試し書きの結果から、ストラテジsを規定するパルス波形あるいはそのタイミングの誤差が求められ(STP23)、
求められた誤差からストラテジsに影響の大きな、例えばタイミングF1,L3が調整(変化)され、sには新たにs12がセットされる(STP24)。
ストラテジsにより記録されたマークを再生した再生波形が所定の条件に達するまで、STP22〜25が繰り返される。
pに「p1」が、sに「s11」がセットされて(STP21)、
試し書きが実行され(STP22)、
光ピックアップ(PUH)5がシークされ、その位置すなわちSTP22で試し書きが実行された位置において、STP21でセットされたパワーによる試し書きの結果から、ストラテジsを規定するパルス波形あるいはそのタイミングの誤差が求められ(STP23)、
求められた誤差からストラテジsに影響の大きな、例えばタイミングF1,L3が調整(変化)され、sには新たにs12がセットされる(STP24)。
ストラテジsにより記録されたマークを再生した再生波形が所定の条件に達するまで、STP22〜25が繰り返される。
続いて、sを調整した結果を「s(p1)」として記憶し(STP27)、
記録品位qを、「q(p1)」として記憶する(STP28)。
記録品位qを、「q(p1)」として記憶する(STP28)。
次に、pに「p2」がセットされ、p=p2についてループが実行される。
以下、pに、予定された最大の数、すなわち図2の例では、「p4」まで、順にループが実行される。
このようにして、p1〜p4の総てのpについて記録品位「q(p)」を求め、最良またはそれに近い「q(p)」が得られたpを「p0」として選定し、パワーp0およびタイミング(ストラテジ)s(p0)が最適なパラメータとして選択される(STP29)。
しかしながら、図2に示した手順は、図3に示す通り、試し書き領域のトラックをたどることになる。図3の1ブロックは試し書きの単位で、たとえば変復調ブロック単位や物理セグメント、セクタなどの単位が用いられる。
図3において、ブロック内に記したpi(i=1,2,3,4)は、それぞれパワー条件を示し、sij(i=1,2,3,4,j=1,2)は、パワーpiでのストラテジ条件を示す。ここでの試し書き領域は、DTZ(Drive Test Zone)を想定しており、一般に外周から内周に向かって使用するため、p1/s11を記録しては測定し、p1/s12を記録しては測定、...といった順序で記録と測定を交互に行う。s(ストラテジ)の最適化(フロー中の「s調整条件達成」)には一般に数回ステップを必要とするが、図3の例では、それぞれのパワーについて、4回のストラテジの記録と測定が必要である。すなわち、図3に示す例では、ブロック数分の記録と測定を繰り返すことになるが、一度の記録および測定のたびに、レンズシーク(対物レンズ6すなわちPUH5の移動)が発生する。実際は、ほぼ同一トラックに対して記録および測定を行うことになるため、ほぼディスク一周分の回転待ちが発生する。また、図3では、説明の簡略化のため、パワーを4種類、ストラテジを2種類ずつという組み合わせであるが、現実はより多数の組み合わせ数が多くなるとトータルの調整時間が長くかかり、実装上は、好ましくない。
これに対し、パワーごとの調整は独立であることに着目すると、測定を元に再調整、というパスが必要となる要因は、si1からsi2への更新のような同一パワー条件に限られることから、異なるパワーに対する記録を同時に行い、図4および図5に示すように、それぞれのストラテジ条件を同時に測定し同時に更新することで、シークの回数を減らすことができる。従って、図3と同じ条件の調整が図5のように整理され、シーク回数が、16回から4回に低減できる。
詳細には、図4に示すように、ストラテジsの初期値が設定されると(STP1)、
p,sのそれぞれについて、1から予定された最大の数までの任意の「i,j」について、先ず、「p=p1,s=s11」から試し書きが、ループR101により実行される。
p,sのそれぞれについて、1から予定された最大の数までの任意の「i,j」について、先ず、「p=p1,s=s11」から試し書きが、ループR101により実行される。
すなわち、p(パワー),s(ストラテジ)のそれぞれが、pi,sijとして変数化され、{p1,s11},{p2,s21},{p3,s31},{p4,s41}という組み合わせがループ内で選択され(STP111)、
試し書きが実行される(STP112)。このループの間、ビームはトラック上をトレースしており、レンズシークは発生しない。ストラテジおよびパワーの切り換えは、ブロック等によってタイミング制御され、バンク切り替えなどの施策によって切り換えタイミングで一斉に切り替わるものとする。
試し書きが実行される(STP112)。このループの間、ビームはトラック上をトレースしており、レンズシークは発生しない。ストラテジおよびパワーの切り換えは、ブロック等によってタイミング制御され、バンク切り替えなどの施策によって切り換えタイミングで一斉に切り替わるものとする。
その後、光ピックアップ(PUH)5がシークされ、その位置すなわちSTP112において試し書きが実行された位置において、STP111でセットされたパワーによる試し書きの結果から、ストラテジsの誤差が求められる(STP102)。
その結果を基に、sijのjに「1」が加算されて更新され(STP103)、
記録品位「q(pi)」が記憶され(STP104)、
ストラテジs1j,s2j,s3j,s4jがすべて所定の条件に達するまで、p1〜p4の総てのpと、piに関連付けられる任意数のsについての更新が、ループR101により行われる(STP105)。
記録品位「q(pi)」が記憶され(STP104)、
ストラテジs1j,s2j,s3j,s4jがすべて所定の条件に達するまで、p1〜p4の総てのpと、piに関連付けられる任意数のsについての更新が、ループR101により行われる(STP105)。
次に、最良またはそれに近い「q(p)」が得られたpを「p0」として選定し、パワーp0およびタイミング(ストラテジ)s(p0)が最適なパラメータとして選択される(STP108)。
また、図6に示すような、それぞれのパワーに対するsの調整回数が異なるようなケース、すなわち図2に示した手続き(フロー)において、「s調整条件」が、p1に関しては4回必要であるが、p2およびp3に関してはそれぞれ2回、p4に関しては1回で満たされる、というようなケースにおいては、同様に図4に示した手続き(フロー)を適用することで、図7に示す通り、シーク回数は、18回から8回に低減できる。
すなわち、1回のシークが回転待ち時間とほぼ同等であるとして、一回転が約40Hz程度であると仮定すると、この二つの例では、250msecから300msecの節約になる。光ディスクドライブの立ち上げ時には、ディスク判別、著作権保護情報管理、ディスク固有のコントロールデータリード、サーボ・パワー調整などなど行わねばならない処理が多数あり、調整時間の短縮は非常に大きな意味を持つ。
なお、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
また、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
なお、本発明の内容はここに記述した形態だけに限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で、他にも様々な形態を取り得ることはいうまでもない。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて、もしくは一部を削除して実施されてもよく、その場合は、組み合わせもしくは削除に起因したさまざまな効果が得られる。
1…光ディスク装置、2…スピンドルモータ、2a…ロータリエンコーダ、3…スピンドルモータ駆動回路、4…スピンドル制御回路、5…光ピックアップ、6…対物レンズ、7…トラッキングアクチュエータ、8…フォーカスアクチュエータ、9…レーザダイオード、10…フロントモニタフォトダイオード、11…ハーフミラー、12…コリメータレンズ、13…ハーフプリズム、14…集光レンズ、15…シリンドリカルレンズ、16…光検出器、17…レーザ制御回路、18…ギア、19…スクリューシャフト、20…送りモータ、21…送りモータ駆動回路、22…送りモータ制御回路、23…RFアンプ、24…フォーカスアクチュエータ駆動回路、25…フォーカスアクチュエータ制御回路、26…トラッキングアクチュエータ駆動回路、27…トラッキング制御回路、28…水晶、29…PLL回路、30…A/D変換器、31…データ再生回路、32…等化器、33…ビタビ復号回路、34…エラー訂正回路、35…評価指標測定回路、36…パルス誤差検出回路、37…バス、38…CPU、39…ROM、40…RAM、41…インタフェース回路、42…光ディスク、43…ホスト装置、44…変調回路。
Claims (9)
- 所定強度の光を出力する光源と、
前記光源に駆動電流を供給する駆動装置と、
再生用の強度の光が前記光源から出力され、記録媒体で反射された反射光を検出し、その光強度に対応する出力を出力する光検出器と、
前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流の大きさを設定する第1の設定装置と、
前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを設定する第2の設定装置と、
前記第1の設定装置により設定される駆動電流の大きさを所定の大きさに固定し、固定された駆動電流の大きさと前記第2の設定装置により設定される駆動電流のパルス波形あるいはタイミングとを組み合わせて前記駆動装置に供給し、前記光検出器からの出力に基いて、前記第2の設定装置により設定されるべき駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを変更する第3の設定装置と、
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記第3の設定装置は、前記光源に供給される駆動電流の大きさをp、前記光源に供給される駆動電流のパルス波形あるいはタイミングをsとするとき、pを変動させつつ、pの変動種類に対応した複数のsによる試し書きを行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記第3の設定装置は、前記光源に供給される駆動電流の大きさをp、前記光源に供給される駆動電流のパルス波形あるいはタイミングをsとするとき、pi、sij(i,jは任意の整数)により規定される任意のpとsとの組み合わせにおいて、任意のpに対して複数のsによる試し書きを行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 所定強度の光を出力する光源と、前記光源に駆動電流を供給する駆動装置と、再生用の強度の光が前記光源から出力され、記録媒体で反射された反射光を検出し、その光強度に対応する出力を出力する光検出器と、前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流の大きさを設定する第1の設定装置と、前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを設定する第2の設定装置と、前記第1の設定装置により設定される駆動電流の大きさを所定の大きさに固定し、固定された駆動電流の大きさと前記第2の設定装置により設定される駆動電流のパルス波形あるいはタイミングとを組み合わせて前記駆動装置に供給し、前記光検出器からの出力に基いて、前記第2の設定装置により設定されるべき駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを変更する第3の設定装置と、を有し、
前記第3の設定装置は、駆動電流の大きさおよび駆動電流のパルス波形あるいはタイミングの組み合わせにより試し書きした領域を再生して得られた検出結果から、試し書きの駆動電流の大きさおよび駆動電流のパルス波形あるいはタイミングの組み合わせを変化させて、再び試し書きすることで、良好な品位信号が得られる駆動電流の大きさおよび駆動電流のパルス波形あるいはタイミングに更新することを特徴とする記録方法。 - 試し書きにおいて、駆動電流の大きさを変動させつつ、駆動電流の大きさの変動種類に対応した複数の駆動電流のパルス波形あるいはタイミングによる試し書きを1度に行うことで、複数の駆動電流の大きさに対するストラテジ条件を同時に更新することを特徴とする請求項4記載の記録方法。
- 試し書きにおいて、駆動電流の大きさをp、駆動電流のパルス波形あるいはタイミングをsとするとき、pi、sij(i,jは任意の整数)により規定される任意のpとsとの組み合わせにおいて、任意のpに対して複数のsによる試し書きを行うことを特徴とする請求項4または5記載の記録方法。
- 所定強度の光を出力する光源と、前記光源に駆動電流を供給する駆動装置と、再生用の強度の光が前記光源から出力され、記録媒体で反射された反射光を検出し、その光強度に対応する出力を出力する光検出器と、前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流の大きさを設定する第1の設定装置と、前記光源から記録用の強度の光を出力させる際に前記駆動装置から前記光源に供給する駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを設定する第2の設定装置と、前記第1の設定装置により設定される駆動電流の大きさを所定の大きさに固定し、固定された駆動電流の大きさと前記第2の設定装置により設定される駆動電流のパルス波形あるいはタイミングとを組み合わせて前記駆動装置に供給し、前記光検出器からの出力に基いて、前記第2の設定装置により設定されるべき駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを変更する第3の設定装置と、を有し、
前記第3の設定装置は、駆動電流の大きさおよび駆動電流のパルス波形あるいはタイミングの組み合わせにより試し書きした領域を再生して得られた検出結果から、試し書きの駆動電流の大きさおよび駆動電流のパルス波形あるいはタイミングの組み合わせを変化させて、再び試し書きすることで、良好な品位信号が得られる駆動電流の大きさおよび駆動電流のパルス波形あるいはタイミングに更新し、各駆動電流の大きさでの駆動電流のパルス波形あるいはタイミング条件が満たされた時点での、各駆動電流の大きさに対する最適な駆動電流のパルス波形あるいはタイミングとそのときの記録品位を保持し、記録品位が最良な駆動電流のパルス波形あるいはタイミングを決定することを特徴とする記録方法。 - 試し書きにおいて、駆動電流の大きさを変動させつつ、駆動電流の大きさの変動種類に対応した複数の駆動電流のパルス波形あるいはタイミングによる試し書きを1度に行うことで、複数の駆動電流の大きさに対するストラテジ条件を同時に更新することを特徴とする請求項7記載の記録方法。
- 試し書きにおいて、駆動電流の大きさp、駆動電流のパルス波形あるいはタイミングをsとするとき、pi、sij(i,jは任意の整数)により規定される任意のpとsとの組み合わせにおいて、任意のpに対して複数のsによる試し書きを行うにより規定される任意のpとsとの組み合わせにおいて、任意のpに対して複数のsによる試し書きを行うことを特徴とする請求項7または8記載の記録方法。
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