JP2009036967A - 調光窓材 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度が高く、破損したとしてもガラスの破片の散乱が抑えられる調光窓材提供する。
【解決手段】外側透明基板層10、20と、外側透明基板層10、20の間に設けられた調光素子層30と、外側透明基板層10と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層40と、外側透明基板層20と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層50とを有し、調光素子層30は、2枚の内側透明基板層32と、内側透明基板層32の間に設けられた、液晶を含む調光層34とを有し、内側透明基板層32が、ガラス基板からなる、調光窓材1。
【選択図】図1
【解決手段】外側透明基板層10、20と、外側透明基板層10、20の間に設けられた調光素子層30と、外側透明基板層10と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層40と、外側透明基板層20と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層50とを有し、調光素子層30は、2枚の内側透明基板層32と、内側透明基板層32の間に設けられた、液晶を含む調光層34とを有し、内側透明基板層32が、ガラス基板からなる、調光窓材1。
【選択図】図1
Description
本発明は、調光窓材に関する。
調光窓材とは、光の透過量をコントロールできる窓材である。調光窓材としては、3枚の基板を有するグレージングユニットが提案されている(特許文献1)。該グレージングユニットは、第1硬質基材(S1)、第2硬質基材(S2)、第3硬質基材(S3)と、基材間に配置された少なくとも1つの活性系(すなわち調光層)と、基材間に配置されたグレージングユニット破損の際に破片を保持する機能を有するポリマー膜とを有する。
一方、2枚の電極付き透明ガラス基板と、該基板の間に設けられた、液晶を含む調光層とを有する調光素子(以下、液晶調光素子とも記す。)が知られている。該調光素子は、該素子に印加する電圧を変化させることによって、光の透過量をコントロールできる。該液晶調光素子は、液晶の配向方向を調節すること等により、電圧印加時に光が透過し非印加時に散乱するモード、それとは逆に電圧印加時に散乱し非印加時に光が透過するモード等、用途や目的に応じて種々のモードの調光素子となり得る。該液晶調光素子を車両用窓(特に自動車用窓)として利用する場合は、窓が湾曲形状を有することが多いことより、液晶調光素子自身も湾曲形状とする必要がある。よって、調光層を挟持する基板も湾曲形状の基板とする。該湾曲基板は、成形の容易さと優れた透明性との両立が可能なガラス基板であることが好ましい。
しかし、液晶調光素子においては、液晶を含む調光層とガラス基板との接着性が乏しいため、該調光素子をそのまま窓材として用いると、飛来物との接触や乗員の衝突等によりガラス基板が破損した場合には、調光層がガラスの破片を保持できず、ガラスの破片が散乱する。そのため、該調光素子は、そのままでは安全ガラス(たとえば、自動車用窓の合わせガラス等。)として用いることができない。
特表2005−502578号公報
本発明は、強度が高く、破損したとしてもガラスの破片の散乱が抑えられる調光窓材を提供する。
本発明の調光窓材は、2枚の外側透明基板層と、該外側透明基板層の間に設けられた調光素子層と、該調光素子層と前記外側透明基板層との間に設けられた2つの接着樹脂層とを有し、前記調光素子層は、2枚の内側透明基板層と、該内側透明基板層の間に設けられた、液晶を含む調光層とを有し、前記内側透明基板層の両方が、ガラス基板からなる層であることを特徴とする。
前記外側透明基板層の少なくとも一方は、ガラス基板からなる層であることが好ましく、前記外側基板層の両方が、ガラス基板からなる層であることがより好ましい。
また、前記2枚の外側透明基板層および前記2枚の内側透明基板層の全てが湾曲形状であり、かつそれぞれの透明基板層が略同一の形状を有することが好ましい。
前記外側透明基板層の少なくとも一方は、ガラス基板からなる層であることが好ましく、前記外側基板層の両方が、ガラス基板からなる層であることがより好ましい。
また、前記2枚の外側透明基板層および前記2枚の内側透明基板層の全てが湾曲形状であり、かつそれぞれの透明基板層が略同一の形状を有することが好ましい。
前記調光層は、液晶と硬化性化合物とを含む液晶組成物が前記内側透明基板層の間に挟持され、かつ液晶が配向された状態で、前記液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させてなる調光層であることが好ましい。
さらに、前記液晶組成物は、ネマティック液晶と旋光性の方向が互いに異なる少なくとも2種の光学活性物質を含有し、旋光性の方向に関して一方の前記光学活性物質が非硬化性化合物であり、他方の前記光学活性物質が硬化性化合物であり、液晶組成物が全体としてネマティック相を示す、液晶組成物であることが好ましい。
前記調光窓材は、車両用調光窓材であることが好ましい。
さらに、前記液晶組成物は、ネマティック液晶と旋光性の方向が互いに異なる少なくとも2種の光学活性物質を含有し、旋光性の方向に関して一方の前記光学活性物質が非硬化性化合物であり、他方の前記光学活性物質が硬化性化合物であり、液晶組成物が全体としてネマティック相を示す、液晶組成物であることが好ましい。
前記調光窓材は、車両用調光窓材であることが好ましい。
本発明の調光窓材は、強度が高く、破損したとしてもガラスの破片の散乱が抑えられる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の調光窓材の一例を示す断面図である。調光窓材1は、外側透明基板層10、20と、外側透明基板層10、20の間に設けられた調光素子層30と、外側透明基板層10と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層40と、外側透明基板層20と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層50とを有する。
図1は、本発明の調光窓材の一例を示す断面図である。調光窓材1は、外側透明基板層10、20と、外側透明基板層10、20の間に設けられた調光素子層30と、外側透明基板層10と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層40と、外側透明基板層20と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層50とを有する。
外側透明基板層10、20における透明とは、可視光線を透過できることを意味する。該透明基板層を構成する透明基板としては、ガラス基板または有機ガラスと呼ばれる樹脂基板が挙げられ、ガラス基板が好ましい。ガラス基板の材料としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、高シリカガラス等が挙げられる。また、樹脂基板の材料としては、ポリメチルメタアクリレート等のポリアクリルメタアクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリカーボネート、ポリメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等が挙げられる。
該透明基板の形状としては、平面状、曲面状等が挙げられる。また、該透明基板は、通常、0.4〜10mmの範囲内の一定の厚さを有する。なお、外側透明基板層10、20の各厚さは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
該透明基板の形状としては、平面状、曲面状等が挙げられる。また、該透明基板は、通常、0.4〜10mmの範囲内の一定の厚さを有する。なお、外側透明基板層10、20の各厚さは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
外側透明基板層10、20は、調光窓材全体としての透明性を良好にできることより、少なくとも一方がガラス基板からなる層であることが好ましく、両方がガラス基板からなる層であることが特に好ましい。外側透明基板層10、20の少なくとも一方がガラス基板からなる層である場合、他方は樹脂基板からなる層でもよく、さらに他方は前記樹脂基板よりも薄い樹脂フィルムからなる層であってもよい。樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルローストリアセテート系樹脂等が挙げられる。樹脂フィルムの厚さは、通常25〜500μmである。
調光素子層30は、2枚の内側透明基板層32と、内側透明基板層32の対向する表面に設けられた透明電極層(図示略)と、透明電極層上に設けられた配向膜層(図示略)と、配向膜層の間に設けられた調光層34と、2枚の内側透明基板層32の周縁に形成され、2枚の内側透明基板層32の間に調光層34を封止するシール材36と、透明電極層の表面に端子(図示略)を介して接続されるバスバ38とを有する。
内側透明基板層32は、ガラス基板からなる層である。
仮に、内側透明基板層32として樹脂フィルムを用いた場合、調光素子を外側透明基板で挟んで調光窓材を製造する際、外側透明基板の形状が曲面状等の複雑な形状の場合に、調光素子が該形状に追随できず、調光素子にしわが生じやすい。さらに、液晶を含む調光層として、液晶の含有率が高い(通常、調光層全体に対して50質量%以上、好ましくは80質量%以上である。)調光層を用いる場合は、内側透明基板として樹脂フィルムを用いた場合であっても調光層と内側透明基板との接着性が乏しいため、調光層のしわが生じた部分と内側透明基板との界面にて剥離が生じやすい。
仮に、内側透明基板層32として樹脂フィルムを用いた場合、調光素子を外側透明基板で挟んで調光窓材を製造する際、外側透明基板の形状が曲面状等の複雑な形状の場合に、調光素子が該形状に追随できず、調光素子にしわが生じやすい。さらに、液晶を含む調光層として、液晶の含有率が高い(通常、調光層全体に対して50質量%以上、好ましくは80質量%以上である。)調光層を用いる場合は、内側透明基板として樹脂フィルムを用いた場合であっても調光層と内側透明基板との接着性が乏しいため、調光層のしわが生じた部分と内側透明基板との界面にて剥離が生じやすい。
内側透明基板層32の形状は、外側透明基板層10、20と概略同じ形状とする。ただし、電極取り出しのための切り欠き等の部分において、外側透明基板層と内側透明基板層との形状が部分的に一致しないことを排除するものではない。
内側透明基板の厚さは、調光窓材の用途に応じて適宜設定すればよく、通常0.4〜10mmである。なお、2枚の内側透明基板層32の各厚さは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
内側透明基板の厚さは、調光窓材の用途に応じて適宜設定すればよく、通常0.4〜10mmである。なお、2枚の内側透明基板層32の各厚さは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
透明電極層としては、SnがドープされたIn2O3(ITO)膜、SbがドープされたSnO2(ATO)膜、InがドープされたZnO(IZO)膜、GaがドープされたZnO(GZO)膜、SnO2膜等が挙げられる。
配向膜層を構成する配向膜の材料としては、ポリイミド等が挙げられる。配向膜は、ラビング処理されていてもよく、ラビング処理されていなくてもよい。
透明電極層と配向膜層との間には、絶縁層を設けてもよい。絶縁層は、シリカおよびチタニアのゾルゲル液を透明電極層の表面に塗布し、焼成することによって形成される。
調光層34は、液晶を含む層である。
調光層34としては、液晶と硬化物とを含む複合体からなる層であることが好ましい。該層は、液晶と硬化性化合物とを含む液晶組成物が2枚の内側透明基板層32の間に挟持され、かつ液晶が配向された状態で、前記液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させてなる液晶/複合体層からなる調光層であることが好ましい。
調光層34としては、液晶と硬化物とを含む複合体からなる層であることが好ましい。該層は、液晶と硬化性化合物とを含む液晶組成物が2枚の内側透明基板層32の間に挟持され、かつ液晶が配向された状態で、前記液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させてなる液晶/複合体層からなる調光層であることが好ましい。
液晶組成物としては、液晶と硬化性化合物とを含むものであれば特に限定されず、種々のものを用いることができる。また、該液晶組成物は、光学活性物質(カイラル剤)や二色性色素を含んでいてもよい。
液晶組成物としては、具体的には、特開2000−119656号公報に記載された液晶組成物や、下記液晶組成物(A)が挙げられ、下記液晶組成物(A)が好ましい。
液晶組成物としては、具体的には、特開2000−119656号公報に記載された液晶組成物や、下記液晶組成物(A)が挙げられ、下記液晶組成物(A)が好ましい。
液晶組成物(A):ネマティック液晶と旋光性の方向が互いに異なる少なくとも2種の光学活性物質を含有し、旋光性の方向に関して一方の前記光学活性物質が非硬化性化合物であり、他方の前記光学活性物質が硬化性化合物であり、液晶組成物が全体としてネマティック相を示す液晶組成物。
以下、調光層34が、前記液晶組成物(A)を前記内側透明基板層の間に挟持され、かつ液晶が配向された状態で、前記液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させてなる液晶と硬化物との複合体からなる調光層である場合について説明する。
液晶組成物(A)を用いて得られる調光層を有する調光窓材は、電圧を印加した場合に光が透過し、電圧を印加しない場合に散乱する調光窓材である。
以下、調光層34を構成する液晶と硬化物との複合体を「液晶/硬化物複合体」、または、単に「複合体」とも記載する。
液晶組成物(A)を用いて得られる調光層を有する調光窓材は、電圧を印加した場合に光が透過し、電圧を印加しない場合に散乱する調光窓材である。
以下、調光層34を構成する液晶と硬化物との複合体を「液晶/硬化物複合体」、または、単に「複合体」とも記載する。
調光層34(複合体層)は、2枚の内側透明基板層32とシール材36に囲われた空間(以下、セル空間とも記す。)内に封入されている。調光層34は、セル空間内に前記液晶組成物(A)を充填し、セル空間内に液晶組成物(A)が充填され、かつ液晶が配向された状態でその液晶組成物(A)中の硬化性化合物を重合により硬化して得られる、液晶/硬化物複合体からなる。
液晶組成物(A)中の硬化性化合物の含有率(これは、液晶/硬化物複合体中に含まれる、硬化性化合物の硬化物の含有率に実質的に等しい。)は、0.1〜20質量%が好ましい。0.1質量%未満では、液晶/硬化物複合体の散乱状態において、液晶相を硬化物により効果的な形状のドメイン構造に分割できず、所望の透過−散乱特性を得ることができない。一方、20質量%を超えると、従来の液晶/硬化物複合体と同様に透過状態でのヘイズ値が増大する。また、さらに好ましくは、液晶組成物中の硬化性化合物の含有率が0.5〜10質量%であり、液晶/硬化物複合体の散乱状態での散乱強度を高く、透過−散乱の状態が切り替わる電圧値を低くできる。
液晶組成物(A)中の硬化性化合物の含有率(これは、液晶/硬化物複合体中に含まれる、硬化性化合物の硬化物の含有率に実質的に等しい。)は、0.1〜20質量%が好ましい。0.1質量%未満では、液晶/硬化物複合体の散乱状態において、液晶相を硬化物により効果的な形状のドメイン構造に分割できず、所望の透過−散乱特性を得ることができない。一方、20質量%を超えると、従来の液晶/硬化物複合体と同様に透過状態でのヘイズ値が増大する。また、さらに好ましくは、液晶組成物中の硬化性化合物の含有率が0.5〜10質量%であり、液晶/硬化物複合体の散乱状態での散乱強度を高く、透過−散乱の状態が切り替わる電圧値を低くできる。
液晶組成物(A)は、旋光性の方向が互いに異なる少なくとも2種の光学活性物質とネマティック液晶とを含有し、かつ全体としてネマティック相を示す、液晶組成物である。旋光性の方向とは右旋性(dextro−rotatory)と左旋性(levo−rotatory)をいい、旋光性の方向が互いに異なるとは一方が右旋性の場合、他方が左旋性であることをいう。ネマティック液晶としては、2種類以上のネマティック液晶を組み合わせて用いてもよい。通常、ネマティック液晶に旋光性を有する光学活性物質すなわちカイラル剤を所定量以上添加すると、螺旋構造を有するカイラルネマティック液晶(コレステリック液晶ともいう。)に相変化する。ここで、螺旋構造の周期すなわち螺旋ピッチpは、カイラル剤の濃度cおよびHTP(Helical Twisting Power)を用い、p=1/(c・HTP)で表現される。本発明では、互いに異なる旋光性を有する光学活性物質、具体的には右旋性のカイラル剤および左旋性のカイラル剤をネマティック液晶に添加し、pを実質的に無限大とし、液晶組成物が全体としてネマティック相を示すようにする。pが実質的に無限大であるとは、後述のようにセルギャップをdとすると、p≧dであることをいう。これにより、液晶組成物(A)は、ネマティック液晶にカイラル剤を添加しながらも、全体としてネマティック相を示す液晶組成物である。
通常のカイラルネマティック液晶は、プレナー配向やフォーカルコニック配向、またはその混合配向等で複数の安定配向を示すことにより、一方向の均一な液晶配向を、電界を印加しない状態で実現することは困難であった。一方、ネマテッィク相を示す液晶組成物は、配向膜により、一方向の液晶配向を容易に実現できる。特に、プレチルト角が大きい、いわゆる垂直配向膜を用いた場合は、ラビング処理を行うことなく、液晶組成物を透明電極付き内側透明基板に対して垂直方向に均一に配向させることが容易に可能となる。ここで、ネマティック相であるとは、2枚の内側透明基板間における液晶のツイスト角をθとすると、θ≦360°であることをいい、θ≦180°であることが好ましい。換言すると、セルギャップdの場合、ネマティック相であるとは、螺旋ピッチp≧dであることをいい、p≧2dであることが好ましい。θ>360°すなわちp<dとなると、ネマティック液晶は、カイラルネマティック液晶の様態に近づき、配向膜による一方向の均一な液晶配向が困難になる。ネマティック液晶のツイスト角は、たとえば、少なくとも片方の基板の内面にラビング処理を施したプレチルト角が10°以下となる配向膜を備えた一対の内側透明基板間に液晶組成物を挟持して、偏光顕微鏡観察において偏光板を回転させながら透過光を観察することで測定できる。また、くさび形状のセルに液晶組成物を挟持して、その回位線間の距離の観察によって求めることができる。
液晶組成物(A)中の旋光性の方向が互いに異なる少なくとも2種の光学活性物質のうち、旋光性の方向に関して一方の光学活性物質が非硬化性化合物であり、他方の光学活性物質が硬化性化合物である。該硬化性化合物は、液晶組成物を電極付き内側透明基板に挟持した後に、硬化性化合物を硬化させることにより液晶相に複数のドメインを形成する。同時に、硬化により高分子化することでカイラル剤としての旋光機能の一部または全部を喪失する。そのため、残った非硬化性のカイラル剤により、硬化性化合物の硬化の過程でネマティック液晶がカイラルネマティック液晶に相変化する。非硬化性のカイラル剤としては、たとえば、メルク社製のS−811、S−1011、S−2011等が挙げられる。該カイラル剤は左旋性(levo−rotatory)を有するものである。該場合、同時に含まれる硬化性のカイラル剤としては、たとえば、BASF社製のPaliocolor LC 756等の右旋性(dextro−rotatory)の旋光性化合物が好適である。もちろん、非硬化性のカイラル剤として、右旋性のものを用い、硬化性のカイラル剤として左旋性の硬化性化合物を用いてもよい。自然界に存在する旋光性物質を原料にして旋光性化合物を準備すると比較的安価に右旋性の化合物を提供できる。さらに、非硬化性のカイラル剤として、左旋性のものと右旋性のものをともに用いてもよく、同様に硬化性のカイラル剤も左旋性のものと右旋性のものをともに用いてもよい。硬化性化合物が硬化する前の液晶組成物が実質的にネマティック相を示し、硬化性化合物が硬化した後の液晶相がカイラルネマティック相を形成するように構成すれば、左旋性と右旋性の組み合わせはいずれの場合でも本発明の効果を発現できる。
液晶組成物(A)から硬化性化合物を硬化して得られる液晶は、硬化物の影響を除いて、液晶組成物(A)から硬化性化合物(硬化性のカイラル剤以外の硬化性化合物も含む。)を除いた混合物の液晶物性とほぼ等しいカイラルネマティック液晶と考えられる。したがって、該混合物は液晶/硬化物複合体に要求されるカイラルネマティック液晶としての液晶物性を満たす混合物とする。該混合物に添加される硬化性のカイラル剤の旋光性の程度やその添加量は、該混合物のカイラルネマティック性を失わせてネマティック性とすることができるものである必要がある。この限りにおいて、硬化性のカイラル剤の旋光性の程度や液晶組成物中の量は、非硬化性のカイラル剤の(逆方向の)旋光性の程度や液晶組成物中の量に制約を受けるものではない。
本発明においては、液晶組成物(A)の誘電率異方性(Δε)が正であっても負であってもよく、また、内側透明基板の内面に備える配向膜のプレチルト角も10°以下の場合や60°以上の場合、いずれでもよい。
液晶組成物(A)から得られる液晶/硬化物複合体が電圧非印加時に均一な散乱状態を示し、電圧印加での透明状態で最もヘイズが小さく、透過−散乱のコントラストが大きいのは、正の誘電率異方性を有する該液晶組成物をプレチルトがほぼ90°の配向膜に接するように配置して、電極付き内側透明基板に対して垂直配向させた場合である。ここで、該液晶組成物中に含まれる硬化性を有するカイラル剤を硬化させると、硬化反応により生成する硬化物が、硬化反応の過程で出現するカイラルネマティック相を、効果的に複数の領域(ドメイン)に分割できる。よって、電圧非印加時に散乱状態、電圧印加時に透過状態の液晶調光素子を、液晶組成物(A)から極めて容易に得ることができる。硬化物により分割された複数のドメインは、それぞれに平均的な屈折率が異なるものと推察され、該液晶調光素子への入射光は、平均屈折率の異なる複数の液晶ドメインにより効果的に散乱される。
液晶組成物(A)は、たとえば米国特許第5437811号明細書に記載されたPSCT(Polymer Stabilized Cholesteric Texture)と異なり、液晶/硬化物複合体形成の過程で液晶組成物の硬化時に電圧を印加する必要がなく、電圧非印加の状態で硬化性化合物を硬化させるのみでよい。すなわち、硬化性化合物が光硬化性化合物であれば、光照射のみで液晶光学素子が得られる。また、液晶を硬化性化合物に溶解させて全体を等方相とした後に、重合相分離方式によって液晶/硬化物複合体を得る場合とは異なり、高い相転移温度Tcの液晶相が要求される場合であっても液晶組成物からの液晶相の析出を防止するために加熱する必要もない。さらに、本発明の液晶組成物から得られる液晶/硬化物複合体は、硬化物の含有率が低いため、大面積の液晶光学素子とした場合においても透過状態でのヘイズ値は低く、素子を観察する角度により透明性が良好である。
なお、上述のように、誘電率異方性の極性は、正負どちらでもよいが、駆動電圧を低減するためには、誘電率異方性が大きい方が好ましい。また、散乱強度を高めて、透過−散乱のコントラストを改善するためには、液晶組成物(A)の屈折率異方性(Δn)を大きくすることが好ましい。一方、誘電率異方性が大き過ぎると液晶組成物の電気絶縁性(比抵抗値)が低下するおそれがある。また、屈折率異方性が大き過ぎると、紫外線に対する耐久性が低下するおそれもある。
さらに、液晶組成物(A)には光学活性物質ではない硬化性化合物が含まれていてもよい。たとえば、正の誘電率異方性を有する液晶にメソゲン構造を有さない硬化性化合物が含まれていると、得られる液晶相の散乱状態を安定化することができ、大面積においても均一な液晶光学素子を提供できる。該硬化性化合物としては、たとえば、アルキルアクリレート、アルキルジアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルジアクリレート、ポリエーテル系ウレタンアクリレート等が挙げられる。光学活性化合物ではない硬化性化合物としては、さらに、メソゲン構造を有する硬化性化合物であってもよい。メソゲン構造を有する硬化性化合物としては、たとえば、特開2000−119656号公報に記載の下式(2)や下式(4)の硬化性化合物が挙げられる。
前記のように液晶組成物中の硬化性化合物の含有率は液晶組成物に対して0.1〜20質量%が好ましく、光学活性物質である硬化性化合物のHTP(Helical Twisting Power)に依存して0.1〜20質量%の範囲内において適宜選択することが好ましい。光学活性物質である硬化性化合物のHTPが大きい場合は、ネマティック液晶と非硬化性の光学活性物質との混合物からなるカイラルネマティック液晶に添加して全体としてネマティック相を示す液晶組成物を調製するために必要な光学活性物質である硬化性化合物の量は少なくてよい。たとえば、HTPが大きい(HTPが30〜60程度である。)光学活性物質である硬化性化合物を用いる場合、最も好ましい液晶組成物中の硬化性化合物の含有率は0.5〜5質量%である。光学活性物質である硬化性化合物のHTPが30よりも小さい場合は、前記のように0.5〜10質量%が好ましい。
液晶組成物(A)中の光学活性物質ではない硬化性化合物の含有量が多過ぎると、透過時のヘイズ値が大きくなるおそれがある。したがって、液晶組成物(A)における硬化性化合物の総量(光学活性化合物である硬化性化合物を含めた量)は、液晶組成物全体に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。また、前記のように光学活性物質である硬化性化合物としてHTPが大きい(30〜60程度)の硬化性化合物を用いる場合、液晶組成物全体に対する硬化性化合物の総量は、5質量%以下が好ましい。
また、誘電率異方性が正の液晶組成物をプレチルト角が大きい配向膜上に設ける場合、ネマティック相を有する液晶組成物の未硬化状態での配向状態がそのまま固定化されて、電圧印加有無でのコントラストが低下することがある。したがって、該場合は、液晶組成物における硬化性化合物の総量は液晶組成物全体に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
また、誘電率異方性が正の液晶組成物をプレチルト角が大きい配向膜上に設ける場合、ネマティック相を有する液晶組成物の未硬化状態での配向状態がそのまま固定化されて、電圧印加有無でのコントラストが低下することがある。したがって、該場合は、液晶組成物における硬化性化合物の総量は液晶組成物全体に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
一方、負の誘電率異方性を有する液晶組成物を用いる場合には、透過−散乱のコントラストを大きくするために、プレチルト角の大きい配向膜を用い、液晶を電極付き内側透明基板に垂直となるよう配向させた状態を維持しつつ硬化性化合物を硬化させて、その配向状態を固定化させることが好ましい。そのためには、液晶組成物が前記メソゲン構造を有する硬化性化合物を所定量含むことが好適である。光学活性物質でない硬化性化合物としてメソゲン構造を有する硬化性化合物を用いることが好ましい場合は、得られる液晶相の透過状態でのヘイズ値の増大が少なく、該場合はメソゲン構造を有する硬化性化合物の含有率が10質量%を超えても良好な特性の光学素子が得られる。したがって、後述のメソゲン構造を有する硬化性化合物を含む液晶組成物の場合は、硬化性化合物の総量は20質量%を上限とすることが好ましく、15質量%を上限とすることが特に好ましい。
該場合、メソゲン構造を有する硬化性化合物の量は、液晶組成物全体に対して3〜18質量%が好ましく、5〜14質量%が特に好ましい。ただし、該場合であっても、硬化性化合物の総量は液晶組成物全体に対して20質量%以下が好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
該場合、メソゲン構造を有する硬化性化合物の量は、液晶組成物全体に対して3〜18質量%が好ましく、5〜14質量%が特に好ましい。ただし、該場合であっても、硬化性化合物の総量は液晶組成物全体に対して20質量%以下が好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
また、液晶組成物中の非硬化性の光学活性物質の含有量は、非硬化性の光学活性物質のHTPに依存して決まる。すなわち、非硬化性の光学活性物質のHTPが大きい場合は、液晶/硬化物複合体中の液晶(カイラルネマティック相を示す液晶)において所望のピッチを得るための非硬化性の光学活性物質の量は少なくてよい。たとえば、HTPが20〜50の非硬化性の光学活性物質を用いる場合、液晶組成物中の該光学活性物質の含有率は、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
液晶組成物(A)には、前記硬化性化合物の硬化を開始させる硬化剤や硬化を促すための硬化促進剤(硬化触媒等。)が含まれていてもよい。特に、硬化反応を開始させる硬化剤を用いることが好ましい。硬化性化合物が重合性化合物である場合、重合開始剤を用いることが好ましい。たとえば、光重合によって硬化反応を行う場合、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等の光重合開始剤を用いることができる。硬化開始剤や硬化促進剤を用いる場合、その量は液晶組成物(A)中の硬化性化合物の総量に対して5質量%以下が好ましく、3質量%が特に好ましい。
さらに、コントラスト比や安定性の向上を目的として、種々の化合物を添加してもよい。たとえば、コントラストの向上を目的として、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素を用いてもよい。該場合、二色性色素は、基本的に液晶化合物と相溶し、硬化性化合物とは不相溶であることが好ましい。他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種可塑剤等の添加も、安定性や耐久性向上の点から好ましい。これら種々の化合物を添加する場合、その総量は液晶組成物(A)に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
つぎに、誘電率異方性が正の液晶組成物(A)を、電極付き内側透明基板に垂直方向に配向させて硬化性化合物を硬化させることにより得られる調光素子の動作について説明する。透明電極の間に電圧を印加すると、電極間の電界により正の誘電率異方性を有する液晶が垂直配向して、調光層34は透過状態となる。一方、透明電極の間に電圧を印加していないときは、上述の通り、硬化反応の過程で出現するカイラルネマティック液晶が透明電極間でランダム配向しているため、調光層34は散乱状態となると推察される。このように電圧の印加、非印加により、散乱状態と透明状態が変化するため、光の透過量を制御できる。また、所望の画像等を表示できる。なお、負の誘電率異方性を有する液晶組成物を、電極付き内側透明基板に垂直方向に配向させて硬化性化合物を硬化させることにより得られる調光素子では、電圧印加時に散乱状態、電圧非印加時に透過状態となる調光素子とすることもできる。
調光素子は、たとえば、下記ステップS1〜S6を経て製造できる。
ステップS1:
内側透明基板の表面に透明電極を形成する。
透明電極の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等が挙げられる。透明電極は、フォトリソグラフィ法により所定のパターン形状にパターニングされてもよい。
内側透明基板の表面に透明電極を形成する。
透明電極の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等が挙げられる。透明電極は、フォトリソグラフィ法により所定のパターン形状にパターニングされてもよい。
ステップS2:
透明電極の上に、必要に応じて絶縁膜を形成し、ついで配向膜を形成する。
配向膜は、調光層34に含まれる液晶を所定の方向(たとえば、内側透明基板層32の法線方向等。)に配向させるため、ラビング処理されていてもよい。
透明電極の上に、必要に応じて絶縁膜を形成し、ついで配向膜を形成する。
配向膜は、調光層34に含まれる液晶を所定の方向(たとえば、内側透明基板層32の法線方向等。)に配向させるため、ラビング処理されていてもよい。
ステップS3:
内側透明基板の配向膜の表面に、散布機を用いてスペーサを散布する。
スペーサによって、内側透明基板層32の間隔を適宜調整できる。内側透明基板層32の間隔は、2〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。スペーサとしては、ガラス粒子、シリカ粒子、樹脂ビーズ(架橋アクリル樹脂粒子等。)等が挙げられる。
内側透明基板の配向膜の表面に、散布機を用いてスペーサを散布する。
スペーサによって、内側透明基板層32の間隔を適宜調整できる。内側透明基板層32の間隔は、2〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。スペーサとしては、ガラス粒子、シリカ粒子、樹脂ビーズ(架橋アクリル樹脂粒子等。)等が挙げられる。
ステップS4:
内側透明基板板の周縁に沿ってシール材36を塗布する。
シール材36は、内側透明基板板の一方のみに塗布してもよく、内側透明基板板の両方に塗布してもよい。シール材36の材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。なお、シール材36がスペーサを含んでいてもよい。
内側透明基板板の周縁に沿ってシール材36を塗布する。
シール材36は、内側透明基板板の一方のみに塗布してもよく、内側透明基板板の両方に塗布してもよい。シール材36の材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。なお、シール材36がスペーサを含んでいてもよい。
ステップS5:
2枚の内側透明基板を貼り合わせ、これにより形成されたセル空間内に液晶組成物を充填する。
ここで、シール材36に2カ所以上設けた切り欠きの一方を液晶組成物に浸し、他方より吸引する(吸引法)。また、シール材36に切り欠きを1カ所以上設け、セル空間を真空とし、液晶組成物の入った容器に切り欠きを浸漬した状態で大気圧に戻し、セル空間の内圧と大気圧の差圧にてセル空間内に液晶組成物を充填できる(真空注入法)。さらに、ODF(one−drop−fill)法(液晶滴下法、真空滴下法等とも呼ばれる。)を用いて、内側透明基板の内面に、所定量の液晶組成物を滴下し、減圧下で、2枚の内側透明基板の間をシール材36により貼り合わせてもよい。ODF法は、真空装置を要するが、吸引法や真空注入法に比べ、短時間で、液晶組成物を充填でき、大型液晶光学素子の製造に効果的である。
本発明において液晶組成物(A)を用いると、内側透明基板層32の内面間に液晶組成物が挟持された状態において、液晶組成物はネマティック相を示すので、配向膜によって液晶を容易に一方向へ配向できる。
2枚の内側透明基板を貼り合わせ、これにより形成されたセル空間内に液晶組成物を充填する。
ここで、シール材36に2カ所以上設けた切り欠きの一方を液晶組成物に浸し、他方より吸引する(吸引法)。また、シール材36に切り欠きを1カ所以上設け、セル空間を真空とし、液晶組成物の入った容器に切り欠きを浸漬した状態で大気圧に戻し、セル空間の内圧と大気圧の差圧にてセル空間内に液晶組成物を充填できる(真空注入法)。さらに、ODF(one−drop−fill)法(液晶滴下法、真空滴下法等とも呼ばれる。)を用いて、内側透明基板の内面に、所定量の液晶組成物を滴下し、減圧下で、2枚の内側透明基板の間をシール材36により貼り合わせてもよい。ODF法は、真空装置を要するが、吸引法や真空注入法に比べ、短時間で、液晶組成物を充填でき、大型液晶光学素子の製造に効果的である。
本発明において液晶組成物(A)を用いると、内側透明基板層32の内面間に液晶組成物が挟持された状態において、液晶組成物はネマティック相を示すので、配向膜によって液晶を容易に一方向へ配向できる。
ステップS6:
液晶組成物(A)中の硬化性化合物を硬化させ、液晶/硬化物複合体を含む調光層34を形成する。
本発明においては、液晶組成物が内側透明基板層32の内面間に挟持され、かつ、液晶が配向した状態において硬化性化合物を硬化させる。硬化物の硬化前において液晶は一方向に配向しているため、電極間に電圧を印加しない状態で硬化性化合物を硬化できる。
硬化性化合物が光硬化性化合物の場合には、紫外線光源等により露光し、硬化させる。露光により、光硬化性化合物が硬化し、液晶/硬化物の調光層34が形成される。シール材36が硬化性材料の場合、シール材36も同時に硬化される。
液晶組成物(A)中の硬化性化合物を硬化させ、液晶/硬化物複合体を含む調光層34を形成する。
本発明においては、液晶組成物が内側透明基板層32の内面間に挟持され、かつ、液晶が配向した状態において硬化性化合物を硬化させる。硬化物の硬化前において液晶は一方向に配向しているため、電極間に電圧を印加しない状態で硬化性化合物を硬化できる。
硬化性化合物が光硬化性化合物の場合には、紫外線光源等により露光し、硬化させる。露光により、光硬化性化合物が硬化し、液晶/硬化物の調光層34が形成される。シール材36が硬化性材料の場合、シール材36も同時に硬化される。
接着樹脂層40、50は、外側透明基板を、該基板の間に調光素子を挟持した状態で貼り合わせるために用いる。
接着樹脂層40、50の接着樹脂としては、調光素子への負荷を考慮すると、140℃以下で溶融または軟化する樹脂が好ましく、100℃以下で溶融または軟化する樹脂がより好ましい。
該樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アイオノマー樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等が挙げられる。
接着樹脂層40、50は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、染料、顔料等を含んでいてもよい。
接着樹脂層40、50の接着樹脂としては、調光素子への負荷を考慮すると、140℃以下で溶融または軟化する樹脂が好ましく、100℃以下で溶融または軟化する樹脂がより好ましい。
該樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アイオノマー樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等が挙げられる。
接着樹脂層40、50は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、染料、顔料等を含んでいてもよい。
調光窓材1は、通常の合わせガラスの製造方法によって製造できる。
たとえば、外側透明基板の間に、フィルム状の接着樹脂を介して調光素子を挟み込んで積層物とし、該積層物を加熱して接着樹脂を軟化または溶融させ、ついで接着樹脂を固化または硬化させる方法が挙げられる。
加熱は、真空引きをした後または真空引きをしながら行うことが好ましい。
たとえば、外側透明基板の間に、フィルム状の接着樹脂を介して調光素子を挟み込んで積層物とし、該積層物を加熱して接着樹脂を軟化または溶融させ、ついで接着樹脂を固化または硬化させる方法が挙げられる。
加熱は、真空引きをした後または真空引きをしながら行うことが好ましい。
以上説明した調光窓材1は、外側透明基板層10、20および内側透明基板層32、32の合計4枚の基板を有するため、強度(耐衝撃性)に優れる。また、調光素子層30を、接着樹脂層40、50を介して外側透明基板層10、20によって挟持した構成とするため、ガラス基板との接着力に乏しい液晶を含む調光層を有する調光素子を用いた調光窓材であっても、安全ガラスとして有用な窓材とできる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の調光窓材の他の例を示す断面図である。調光窓材2は、外側透明基板層10、20と、外側透明基板層10、20の間に設けられた調光素子層30と、外側透明基板層10と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層40と、外側透明基板層20と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層50と、接着樹脂層40と調光素子層30との間に設けられた紫外線カットフィルタ層60とを有する。
第1の実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、該構成の説明は省略する。
図2は、本発明の調光窓材の他の例を示す断面図である。調光窓材2は、外側透明基板層10、20と、外側透明基板層10、20の間に設けられた調光素子層30と、外側透明基板層10と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層40と、外側透明基板層20と調光素子層30との間に設けられた接着樹脂層50と、接着樹脂層40と調光素子層30との間に設けられた紫外線カットフィルタ層60とを有する。
第1の実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、該構成の説明は省略する。
紫外線カットフィルタ層60を構成する紫外線カットフィルタとしては、たとえば、SiO2、TiO2等の誘電体を多層積層した積層膜、紫外線吸収剤を混練した樹脂フィルム等が挙げられる。
調光窓材2は、通常の合わせガラスの製造方法によって製造できる。
たとえば、外側透明基板の間に、フィルム状の接着樹脂を介して紫外線カットフィルタおよび調光素子を挟み込んで積層物とし、該積層物を加熱して接着樹脂層を軟化または溶融させ、ついで接着樹脂層を固化または硬化させる方法が挙げられる。
加熱は、真空引きした後または真空引きしながら行うことが好ましい。
たとえば、外側透明基板の間に、フィルム状の接着樹脂を介して紫外線カットフィルタおよび調光素子を挟み込んで積層物とし、該積層物を加熱して接着樹脂層を軟化または溶融させ、ついで接着樹脂層を固化または硬化させる方法が挙げられる。
加熱は、真空引きした後または真空引きしながら行うことが好ましい。
以上説明した調光窓材2は、外側透明基板層10、20および内側透明基板層32、32の合計4枚の基板を有するため、強度(耐衝撃性)に優れる。また、調光素子層30を、接着樹脂層40、50を介して外側透明基板層10、20によって挟持した構成とするため、ガラス基板との接着力に乏しい液晶を含む調光層を有する調光素子を用いた調光窓材であっても、安全ガラスとして有用な窓材とできる。さらに、紫外線カットフィルタ層60を有するため、調光層34の劣化が抑えられ、耐光性に優れる。
(他の実施形態)
本発明の調光窓材は、図示例の調光窓材1、2に限定はされない。たとえば、本発明の調光窓材は、他の層を有していてもよい。
他の層としては、ガラス破損防止用金網、樹脂基板の表面の傷発生防止用コーティング層、着色層、赤外線吸収フィルム層、防曇用コーティング層、防曇フィルム層、加熱用抵抗線、加熱用コーティング層等が挙げられる。
本発明の調光窓材は、図示例の調光窓材1、2に限定はされない。たとえば、本発明の調光窓材は、他の層を有していてもよい。
他の層としては、ガラス破損防止用金網、樹脂基板の表面の傷発生防止用コーティング層、着色層、赤外線吸収フィルム層、防曇用コーティング層、防曇フィルム層、加熱用抵抗線、加熱用コーティング層等が挙げられる。
(窓)
本発明の調光窓材は、各種フレームに取り付けることにより窓として用いられる。
窓としては、自動車用窓(フロントガラス、サンシェード、リアガラス、フロントドアガラス、リアドアガラス、サンルーフ、リアクオーターガラス等。)列車用窓、航空機用窓、建築物(オフィスビル、住宅等。)用窓等が挙げられる。
本発明の調光窓材は、各種フレームに取り付けることにより窓として用いられる。
窓としては、自動車用窓(フロントガラス、サンシェード、リアガラス、フロントドアガラス、リアドアガラス、サンルーフ、リアクオーターガラス等。)列車用窓、航空機用窓、建築物(オフィスビル、住宅等。)用窓等が挙げられる。
自動車のリアドアガラスの場合、散乱を低く抑えて温調の負担を軽減でき、調光窓材越しの視認性の向上および散乱光による眩しさの減少を実現でき、しかも低透過率状態では、調光窓材越しに一方の方向からは見えても逆の方向からは見られないようにする適度な視界の遮蔽性を実現できる。
自動車のサンルーフの場合、散乱光による眩しさの減少を実現でき、しかも高透過率状態では、温調の負担を軽減したまま、太陽光を浴びることができる。
自動車のサンルーフの場合、散乱光による眩しさの減少を実現でき、しかも高透過率状態では、温調の負担を軽減したまま、太陽光を浴びることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。例1、2、4、5は、実施例であり、例3は、比較例である。
(耐衝撃性試験)
調光窓材について、JIS R3212(自動車用安全ガラス試験法)に準じて、耐衝撃性試験を行った。下記(a)および(b)の両方を満足する場合を合格とした。
(a)貫通がないこと。
(b)剥離破片の合計量が15g以下であること。
調光窓材について、JIS R3212(自動車用安全ガラス試験法)に準じて、耐衝撃性試験を行った。下記(a)および(b)の両方を満足する場合を合格とした。
(a)貫通がないこと。
(b)剥離破片の合計量が15g以下であること。
(ヘッドフォーム衝撃試験)
調光窓材について、JIS R3212(自動車用安全ガラス試験法)に準じて、ヘッドフォーム衝撃試験を行った。下記(c)〜(e)のすべてを満足する場合を合格とした。
(c)き裂が衝撃点から80mm以内であること。
(d)き裂長さが35mm以下であること。
(e)ヘッドフォームに破片が刺さらないこと。
調光窓材について、JIS R3212(自動車用安全ガラス試験法)に準じて、ヘッドフォーム衝撃試験を行った。下記(c)〜(e)のすべてを満足する場合を合格とした。
(c)き裂が衝撃点から80mm以内であること。
(d)き裂長さが35mm以下であること。
(e)ヘッドフォームに破片が刺さらないこと。
(比抵抗値)
調光窓材の調光層の部分の比抵抗値を、インピーダンスメータを用いて測定した。
ついで、スーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製、SX75)を用いて、調光窓材に光を1500時間照射した。光照射後の調光窓材について、比抵抗値を測定した。
調光窓材の調光層の部分の比抵抗値を、インピーダンスメータを用いて測定した。
ついで、スーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製、SX75)を用いて、調光窓材に光を1500時間照射した。光照射後の調光窓材について、比抵抗値を測定した。
(応答性)
スーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製、SX75)を用いて、調光窓材に光を1500時間照射した。光照射後の調光窓材に電圧を印加し、調光機能の有無を確認した。
スーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製、SX75)を用いて、調光窓材に光を1500時間照射した。光照射後の調光窓材に電圧を印加し、調光機能の有無を確認した。
〔例1〕
液晶組成物の調製:
正の誘電率異方性を示すネマティック液晶(メルク社製、BL−002、Tc=72℃、Δn=0.246、Δε=16)に、左旋性の光学活性物質(メルク社製、S−1011、前記ネマティック液晶中のHTPは38)を、液晶組成物に対して3.0質量%添加し、螺旋ピッチが約0.82μmのカイラルネマティック液晶を調製した。つぎに、右旋性の光学活性物質(BASF社製、Paliocolor LC756、前記ネマティック液晶中のHTPは56)を添加し、再び螺旋ピッチが約18μmのネマティック液晶とした。前記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、前記液晶組成物におけるその含有率は2.0質量%である。さらに、前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより液晶組成物を得た。該液晶組成物についてセルギャップが6μmの場合のツイスト角を測定するため、液晶組成物を内面にプレチルト角が10°以下となるポリイミド薄膜を配向膜として備えた一対のガラス基板間に、微量の直径が6μmの球状スペーサととに挟持した。ここで、片側のポリイミド薄膜にはラビング処理を施したものを用いた。該液晶組成物を挟持したガラス基板を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶組成物のツイスト角は約120°であった。
液晶組成物の調製:
正の誘電率異方性を示すネマティック液晶(メルク社製、BL−002、Tc=72℃、Δn=0.246、Δε=16)に、左旋性の光学活性物質(メルク社製、S−1011、前記ネマティック液晶中のHTPは38)を、液晶組成物に対して3.0質量%添加し、螺旋ピッチが約0.82μmのカイラルネマティック液晶を調製した。つぎに、右旋性の光学活性物質(BASF社製、Paliocolor LC756、前記ネマティック液晶中のHTPは56)を添加し、再び螺旋ピッチが約18μmのネマティック液晶とした。前記右旋性の光学活性物質は光硬化性化合物であり、前記液晶組成物におけるその含有率は2.0質量%である。さらに、前記液晶組成物に含まれる光硬化性化合物に対し、約1質量%の光重合開始剤(ベンゾインイソプロピルエーテル)を添加することにより液晶組成物を得た。該液晶組成物についてセルギャップが6μmの場合のツイスト角を測定するため、液晶組成物を内面にプレチルト角が10°以下となるポリイミド薄膜を配向膜として備えた一対のガラス基板間に、微量の直径が6μmの球状スペーサととに挟持した。ここで、片側のポリイミド薄膜にはラビング処理を施したものを用いた。該液晶組成物を挟持したガラス基板を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶組成物のツイスト角は約120°であった。
調光素子の作製:
本実施例においては、ODF法により調光素子を作製した。
所望の湾曲形状を有する2枚の透明ガラス基板(旭硝子社製、ソーダライムガラスフロート板、厚さ2mm)の表面にスパッタリング法にてITO膜を形成した。ITO膜の上に、絶縁層としてSiO2−TiO2系の金属酸化物薄膜(セイミケミカル社製:MIC−55)を約50nmの厚さで形成した。さらにその上にプレチルト角が約90°となるポリイミド薄膜からなる配向膜を形成した。
本実施例においては、ODF法により調光素子を作製した。
所望の湾曲形状を有する2枚の透明ガラス基板(旭硝子社製、ソーダライムガラスフロート板、厚さ2mm)の表面にスパッタリング法にてITO膜を形成した。ITO膜の上に、絶縁層としてSiO2−TiO2系の金属酸化物薄膜(セイミケミカル社製:MIC−55)を約50nmの厚さで形成した。さらにその上にプレチルト角が約90°となるポリイミド薄膜からなる配向膜を形成した。
一方の透明ガラス基板のポリイミド薄膜の表面に、散布機を用いて直径6μmの樹脂ビーズからなるスペーサを散布し、ついで周縁にエポキシ樹脂(シール材)を塗布した。該透明ガラス基板を、ポリイミド薄膜を上側にして受け台に載置し、該透明ガラス基板の表面に、所定量の液晶組成物を滴下した。
つぎに、受け台に設けられている3箇所の穴の途中までそれぞれピンを挿し込み、該ピンの先端に、他方の透明ガラス基板を、ポリイミド膜を下側にして載置した。
重ね合わされた2枚の透明ガラス基板が載置された受け台を真空チャンバ内に格納した。真空チャンバ内には、受け台の鉛直上方にアルミニウム製のモールドが保持されている。
真空チャンバ内を20Pa以下まで減圧し、受け台を上昇させ、モールドと受け台とで透明ガラス基板の周縁をプレスした。2枚の透明ガラス基板は、エポキシ樹脂を介して貼り合わせられ、いわゆる液晶ガラスセルが形成された。
受け台を下降させ、初期状態の位置まで戻した。
重ね合わされた2枚の透明ガラス基板が載置された受け台を真空チャンバ内に格納した。真空チャンバ内には、受け台の鉛直上方にアルミニウム製のモールドが保持されている。
真空チャンバ内を20Pa以下まで減圧し、受け台を上昇させ、モールドと受け台とで透明ガラス基板の周縁をプレスした。2枚の透明ガラス基板は、エポキシ樹脂を介して貼り合わせられ、いわゆる液晶ガラスセルが形成された。
受け台を下降させ、初期状態の位置まで戻した。
真空チャンバ内を常圧に戻し、透明ガラス基板を受け台と一緒に真空チャンバ外に取り出した。液晶ガラスセル内外の圧力変化に伴い、2枚の透明ガラス基板は、樹脂ビーズによって保たれるセルギャップまで引き寄せられ、液晶ガラスセル内に液晶組成物が均一に充満した。このときのセルはヘイズのほとんどない透明状態を示した。
つぎに、室温にて、ガラス基板面に中心波長が365nmで照射強度が30W/m2の紫外線をセルの両面から10分間照射して、硬化性化合物を硬化させることにより調光素子を得た。
つぎに、室温にて、ガラス基板面に中心波長が365nmで照射強度が30W/m2の紫外線をセルの両面から10分間照射して、硬化性化合物を硬化させることにより調光素子を得た。
紫外線照射後、本実施例の調光素子は白濁を呈した。つぎに、前記一対のITO電極間に200Hz、30Vの矩形波電圧を印加したところ、調光素子は透明となった。すなわち、電圧印加時に透過状態、電圧非印加時に散乱状態となる調光素子が得られた。前記透過状態におけるヘイズ値は2%以下であり、透明性は良好であった。さらに、透明状態の調光素子をガラス基板に対して垂直方位から傾けて観察してもヘイズの増加はほとんど見られなかった。集光角5°のシュリーレン光学系にて、調光素子の透明状態と白濁状態とのコントラストを室温にて測定したところ、25であった。
調光窓材の製造:
該調光素子を、2枚の透明ガラス基板(旭硝子社製、ソーダライムガラスフロート板、厚さ2mm)の間に、EVAフィルム(厚さ0.4mm)を介して挟み込んで積層物とした。
該積層物をゴム袋に入れ、電気オーブン中にてゴム袋内を真空引きし、つぎに加熱した後、室温に戻して、調光窓材を得た。
該調光窓材について、耐衝撃性試験およびヘッドフォーム衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
該調光素子を、2枚の透明ガラス基板(旭硝子社製、ソーダライムガラスフロート板、厚さ2mm)の間に、EVAフィルム(厚さ0.4mm)を介して挟み込んで積層物とした。
該積層物をゴム袋に入れ、電気オーブン中にてゴム袋内を真空引きし、つぎに加熱した後、室温に戻して、調光窓材を得た。
該調光窓材について、耐衝撃性試験およびヘッドフォーム衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
〔例2〕
外側透明基板の一方を、ハードコートが施されたPETフィルム(厚さ0.2mm)に変更した以外は、例1と同様にして調光窓材を製造した。
該調光窓材について、耐衝撃性試験およびヘッドフォーム衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
外側透明基板の一方を、ハードコートが施されたPETフィルム(厚さ0.2mm)に変更した以外は、例1と同様にして調光窓材を製造した。
該調光窓材について、耐衝撃性試験およびヘッドフォーム衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
〔例3〕
調光素子の片面のみにEVAフィルムを介して透明ガラス基板を積層した以外は、例1と同様にして調光窓材を製造した。
該調光窓材について、耐衝撃性試験およびヘッドフォーム衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
調光素子の片面のみにEVAフィルムを介して透明ガラス基板を積層した以外は、例1と同様にして調光窓材を製造した。
該調光窓材について、耐衝撃性試験およびヘッドフォーム衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
表中、調光窓材の構成は、左側が車外側であり、右側が車内側である。また、中間に位置する[FL/液晶調光層/FL]は、調光素子である。また、FLは、透明ガラス基板であり、HCは、ハードコートである。
調光素子を、EVAを介して2枚の基板で挟み込んだ例1、2の調光窓材は、耐衝撃性試験、ヘッドフォーム衝撃試験ともに合格した。これに対し、調光素子の片側にしか基板のない例3の調光窓材は、耐衝撃性試験、ヘッドフォーム衝撃試験ともに不合格であった。
〔例4〕
EVAフィルムに代えて、紫外線カット機能を有するEVAフィルム(以下、UV−EVAと記す。)を用い、さらに紫外線カットフィルタを、UV−EVAと調光素子との間に挿入した以外は、例1と同様にして調光窓材を製造した。UV−EVAは394nmまでの紫外線をカットし、紫外線カットフィルタは、波長410nmまでの紫外線をカットする。
該調光窓材について、比抵抗値を測定した。また、光照射後の比抵抗値を測定し、応答性を評価した。結果を表2に示す。
EVAフィルムに代えて、紫外線カット機能を有するEVAフィルム(以下、UV−EVAと記す。)を用い、さらに紫外線カットフィルタを、UV−EVAと調光素子との間に挿入した以外は、例1と同様にして調光窓材を製造した。UV−EVAは394nmまでの紫外線をカットし、紫外線カットフィルタは、波長410nmまでの紫外線をカットする。
該調光窓材について、比抵抗値を測定した。また、光照射後の比抵抗値を測定し、応答性を評価した。結果を表2に示す。
例1〜4の結果から下記のことがわかる。
1.調光素子を、EVA(接着樹脂層)を介して2枚の外側透明基板で挟み込むことによって、ガラス製の内側透明基板との接着力に乏しい液晶を含む調光層を有する調光素子を用いた調光窓材であっても、自動車用窓に適した安全ガラスとなる。
2.調光窓材に紫外線カット機能を設けることにより、自動車用途に必要な長期耐光特性を有する調光窓材が得られる。
1.調光素子を、EVA(接着樹脂層)を介して2枚の外側透明基板で挟み込むことによって、ガラス製の内側透明基板との接着力に乏しい液晶を含む調光層を有する調光素子を用いた調光窓材であっても、自動車用窓に適した安全ガラスとなる。
2.調光窓材に紫外線カット機能を設けることにより、自動車用途に必要な長期耐光特性を有する調光窓材が得られる。
本発明の調光窓材は、自動車用窓、建築用窓等に有用であり、自動車窓に特に有用である。
1 調光窓材
2 調光窓材
10 外側透明基板層
20 外側透明基板層
30 調光素子層
32 内側透明基板層
34 調光層
40 接着樹脂層
50 接着樹脂層
2 調光窓材
10 外側透明基板層
20 外側透明基板層
30 調光素子層
32 内側透明基板層
34 調光層
40 接着樹脂層
50 接着樹脂層
Claims (7)
- 2枚の外側透明基板層と、該外側透明基板層の間に設けられた調光素子層と、該調光素子層と前記外側透明基板層との間に設けられた2つの接着樹脂層とを有し、
前記調光素子層は、2枚の内側透明基板層と、該内側透明基板層の間に設けられた、液晶を含む調光層とを有し、
前記内側透明基板層の両方が、ガラス基板からなる層である、調光窓材。 - 前記外側透明基板層の少なくとも一方が、ガラス基板からなる層である、請求項1に記載の調光窓材。
- 前記外側透明基板層の両方が、ガラス基板からなる層である、請求項1に記載の調光窓材。
- 前記2枚の外側透明基板層および前記2枚の内側透明基板層の全てが湾曲形状であり、かつそれぞれの透明基板層が略同一の形状を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の調光窓材。
- 前記調光層が、液晶と硬化性化合物とを含む液晶組成物が前記内側透明基板層の間に挟持され、かつ液晶が配向された状態で、前記液晶組成物中の硬化性化合物を硬化させてなる調光層である、請求項1〜4のいずれかに記載の調光窓材。
- 前記液晶組成物が、ネマティック液晶と旋光性の方向が互いに異なる少なくとも2種の光学活性物質を含有し、旋光性の方向に関して一方の前記光学活性物質が非硬化性化合物であり、他方の前記光学活性物質が硬化性化合物であり、液晶組成物が全体としてネマティック相を示す、液晶組成物である、請求項5に記載の調光窓材。
- 前記調光窓材が車両用調光窓材である請求項1〜6のいずれかに記載の調光窓材。
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