JP2009034754A - パワーアシスト装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御装置2aを備え、作業者の作業動作をアシストするべく前記作業者の作業動作に協調して自律的に作動するパワーアシスト装置1の制御方法において、制御装置2aには、一連の作業タスクを複数の作業区間に分割し、作業区間ごとに制御ロジックが設定されるパワーアシスト装置1の制御方法であって、パワーアシスト装置1が自由度を有する作動方向ごとに、制御ロジックが設定される。
【選択図】図3
Description
ワークの組み付け作業は、ワークの搬送と位置決めから成り立つ作業であるが、作業者とパワーアシスト装置でワークを協調搬送することにより、ワークの搬送に必要な力はパワーアシスト装置に負担させることができ、ワークの位置決めについてもパワーアシスト装置にティーチングすることで効率よく位置決めをすることができる。つまり、パワーアシスト装置を用いるねらいは、作業者の労力軽減を図るとともに、作業性の向上を図ることにある。
例えば、搬送対象物たるワークを把持する把持手段の傾き(角度)を検出して、前記把持手段を上下方向に駆動する装置が知られており、特許文献1にその技術が開示されている。
そこで本発明は、このような現状を鑑み、ワークの位置決めをする際には、作業者による判断や経験(勘やコツ)を活かしながら、位置決めの一部についてパワーアシスト装置に負担させることにより、ワークの位置決め作業に対する作業者の負担を軽減しつつ、位置決め精度の向上と作業性の向上を果たすパワーアシスト装置の制御方法を提供することを課題としている。
図1は本発明の一実施例に係るパワーアシスト装置の全体構成を示す模式図、図2は本発明の一実施例に係る一連のリアウィンドウ取付作業を示す模式図、図3は同じくリアウィンドウ取付作業における作動方向ごとの制御状態を作業区間ごとに示すマトリクス図、図4は本発明の一実施例に係る一連のフロントウィンドウ取付作業を示す模式図、図5は同じくフロントウィンドウ取付作業における作動方向ごとの制御状態を作業区間ごとに示すマトリクス図である。
図1に示す如く、本実施例に示すパワーアシスト装置1は、多関節型ロボット2、吸着治具3およびフリージョイント4等により構成している。
本実施例に示す多関節型ロボット2は、制御装置2a、関節部分に配置されるモータ2b・2c等を備えており、天井面等に支持されている。尚、本実施例に示す多関節型ロボット2は、天井面に固定支持される構成としているが、例えば、ホイスト等によって走行可能に支持される構成とすることも可能である。また、本発明を適用するパワーアシスト装置1に用いるロボットは、多関節型ロボット2に限定するものではなく、その他の産業用ロボットを用いることも可能である。
本実施例では、力センサ3c・3cとして6分力ロードセルを用いる構成としており、作業者がハンドル3b・2bを把持して吸着治具を所望する方向へ操作することにより、そのときの操作方向や操作力等を検知できるように構成している。
さらに、吸盤3a・3a・・・には、吸着保持されたウィンドウ10・20から受ける圧力を検知する接圧センサ3d・3d・・・を内蔵しており、接圧センサ3d・3d・・・による検知圧の偏り具合によってウィンドウ10・20が均等に押圧されているか否かを判断するようにしている。
尚、本発明を適用するロボットは、多自由度を備えているものに限らず、1自由度のみを有するロボットであっても本発明を適用することが可能である。
また、制御装置2aには、吸着治具3の位置情報に関するマップが予め記憶されている。位置情報に関するマップには、搬送対象物(ウィンドウ10・20等)の搬送経路として適当な軌道に関する情報(軌道情報)が含まれており、この軌道情報に基づいて軌道に沿って吸着治具3を動作させる構成としている。また、吸着治具3の位置情報に対応させて、モータ2b・2cやブレーキ機構4aの作動状況を変化させる構成としている。
さらに、制御装置2aには、自動車の車種情報に関するマップが予め記憶されている。そして、取付対象となる自動車の車種に応じて、前述した軌道情報を選択的に切り替えるようにしたり、また、ウィンドウ装着時の適正角度に関する情報等を自動的に変更したりする構成としている。
作業者がハンドル3bを所望する方向に操作すると、力センサ3cが操作方向および操作力等を検知し、その検知情報が制御装置2aに入力される。そして、制御装置2aからは入力された検知情報に基づいて、モータ2b・2cに対する駆動信号の出力がなされ、作業者の所望する搬送位置やウィンドウの保持角度に合致するように多関節型ロボット2の姿勢が制御される。
このようにパワーアシスト装置1は、作業者によるハンドル3bの自然な操作によって所望する方向に応じてウィンドウ10の運搬を行うとともに、ウィンドウ10の荷重を支持するようにしており、作業者の作業負荷を軽減しつつ、作業者と協調しながら自立的に作動する構成としている。
図2に示す如く、本実施例では、点O1に位置するウィンドウ10が、前記搬送具により軌道Pに沿って搬送されて、ボディ11上の点C1の位置に組み付けられるまでを一連の作業タスクとしている。
また、軌道P上には、点O1、点A1、点B1、点C1が設定されており、点O1〜点A1間を「区間1」、点A1〜点B1間を「区間2」、点B1〜点C1間を「区間3」と定義している。
さらに、制御装置2aに予め記憶されている位置情報に基づいて、吸着治具3が軌道P上のどの区間に位置しているかを判断するようにしている。
尚、本実施例では、一連の作業タスクを「区間1」乃至「区間3」の計3区間に分割する場合を例示しているが、作業区間の分割数によって本発明を限定するものではない。
また、X方向(正)に向かって反時計回りの回転方向をロール方向(正)、Y方向(正)に向かって時計回りの回転方向をピッチ方向(正)、Z方向(正)に向かって反時計回りの回転方向をヨー方向(正)としている。
尚、本実施例では、6自由度を有するパワーアシスト装置1を用いた例を示しているが、これに限定するものではなく、自由度の数に限らず本発明を適用することができる。
図2、図3に示す如く、「区間1」内では、パワーアシスト装置1によってZ方向の並進動作のみを自動的に行うようにしている。また、X方向およびY方向の並進動作については、作業者の操作(入力)を無効とするようにしている。ここで、「作業者の操作(入力)を無効にする」とは、力センサ3cが作業者操作に基づく操作方向および操作力等を検知したとしても、制御装置2aからはモータ2b・2cに対する駆動信号が出力されずに多関節型ロボット2の姿勢の制御が行われないことをいう。
さらに、ロール・ピッチ・ヨーの各方向への回転動作については、ブレーキ機構4aによりフリージョイント4の動きを固定し、作業者の操作(入力)を受け付けないようにするとともに、各回転動作を行わない構成としている。
つまり、「区間1」においては、作業者が操作(入力)を行わなくても、「区間1」の終点、かつ、「区間2」の始点である点A1までは、ウィンドウ10が自動的に降下し搬送されるようにしている。
尚、この「区間1」から「区間2」に移る瞬間に(即ち、点A1で)、パワーアシスト装置1の動作を一瞬停止させることにより、作業者に作業区間が遷移したことを容易に報知することもできる。
図2、図3に示す如く、「区間2」内では、引き続きZ方向の並進動作をパワーアシスト装置1に担わせるようにしている。また、X方向の並進動作については、作業者の操作(入力)に応じてパワーアシスト装置1が自立的に作動するようにしている。そして、Y方向の並進動作については、引き続き作業者の操作(入力)を無効とするようにしている。
さらに、ピッチ方向への回転動作については、パワーアシスト装置1により自立的に制御されて、ウィンドウ10を適当な角度まで回転させるようにしている。ここでは、制御装置2aに予め記憶している車種情報を用いて、車種に応じてウィンドウ10の搬送角度を調整するようにしている。
また、ロール・ヨーの各方向への回転動作については、引き続きブレーキ機構4aにより、作業者の操作(入力)を受け付けないようにするとともに、各回転動作を行わない構成としている。
尚、ここでも「区間2」から「区間3」に移る瞬間に(即ち、点B1で)、パワーアシスト装置1の動作を一瞬停止させることにより、作業者に作業区間が遷移したことを容易に報知することができる。
図3に示す如く、「区間3」内では、ブレーキ機構4aを解除し、全方向(即ち、X・Y・Zの各方向)への並進動作と、全方向(即ち、ロール・ピッチ・ヨーの各方向)への回転動作を全て作業者に担わせる構成としている。
つまり、「区間3」においては、作業者の経験や勘を活かすことによって微妙な位置決めをスムーズに行うようにしている。
また、「区間3」に至るまでは、作業者がウィンドウ10の接触等に配慮しなくとも、パワーアシスト装置1が半自動的に大まかな取付位置(即ち、点B1)まで搬送するようにしているため、「区間3」内での位置決めに意識を集中させることができる。これにより、作業者の精神的な負担を軽減させることができる。
このような構成とすることにより、作業区間ごとに、かつ、パワーアシスト装置1が自由度を備える作動方向ごとに、当該区間内で作業者が調整可能な作動方向を規制することができるのである。
このような構成とすることにより、作業区間ごとに、かつ、パワーアシスト装置1が自由度を備える作動方向ごとに、当該区間内で作業者による調整が不要な作動方向に対して、パワーアシスト装置が作動することを規制することができるのである。またこれにより、作業者は、作業者により調整可能な作動方向への調整に専念することができ、位置決め作業を効率的に行うことができるのである。
図4に示す如く、本実施例では、点O2に位置するウィンドウ20が、軌道Qに沿って搬送されて、ボディ21上の点C2の位置に組み付けられるまでを一連の作業タスクとしている。
また、軌道Q上には、点O2、点A2、点B2、点C2が配置されており、点O2〜点A2間を「区間1」、点A2〜点B2間を「区間2」、点B2〜点C2間を「区間3」と定義している。
図4、図5に示す如く、「区間1」内では、パワーアシスト装置1によってZ方向の並進動作のみを自動的に行うようにしている。また、X方向およびY方向の並進動作については、作業者の操作(入力)を無効とするようにしている。また、X方向およびY方向の並進動作については、作業者の操作(入力)を無効とする構成としている。
さらに、ロール・ピッチ・ヨーの各方向への回転動作については、ブレーキ機構4aにより、作業者の操作(入力)を受け付けないようにするとともに、各回転動作を行わない構成としている。
つまり、「区間1」においては、作業者が操作(入力)を行わなくても、「区間1」の終点、かつ、「区間2」の始点である点A2までは、ウィンドウが自動的に搬送されるようにしている。
尚、第一実施例と同様に、この「区間1」から「区間2」に移る瞬間に(即ち、点A2で)、パワーアシスト装置1の動作を一瞬停止させることにより、作業者に作業区間が遷移したことを容易に報知することもできる。
図4、図5に示す如く、「区間2」内では、X方向およびZ方向への並進動作については、作業者の操作(入力)に応じてパワーアシスト装置1が自立的に作動するようにしている。そして、Y方向の並進動作については、引き続き作業者の操作(入力)を無効とするようにしている。
さらに、ピッチ方向への回転動作については、パワーアシスト装置1により自立的に制御し、ウィンドウ20を大まかにボディの傾斜に合う角度まで回転させる構成としている。また、ロール・ヨーの各方向への回転動作については、フリーな状態としており、作業者がウィンドウ20をロール・ヨーの各方向に回動させることにより、パワーアシスト装置1に対してウィンドウ20を所望する方向へ移動するように入力指示ができる構成としている。
このように、作業区間の端点の定義方法は、位置情報のみならず、センサの検知情報やスイッチのON−OFF等の入力情報をもって端点を定義することも可能である。
つまり、「区間2」においては、パワーアシスト装置1のアシストを受けながら、作業者が操作を行い、点B2の位置にウィンドウ20の上辺部20aを位置決めし、「区間2」の終点で、かつ、「区間3」の始点である点B2の位置において位置決めが完了するまで、ウィンドウ20が半自動的に搬送されるようにしている。
図4、図5に示す如く、「区間3」内では、各方向(即ち、X・Y・Zの各方向)への並進動作の入力は無効とし、位置決めをしたウィンドウ20に位置ズレが生じないようにしている。また、ピッチ方向への回転動作は、パワーアシスト装置1のアシストを受けながら、作業者が操作をするようにしている。
そして「区間3」では、下部側2個の接圧センサ3d・3dにより、点C2と下端部20bが合致したことを検知し、この検知情報をもって「区間3」が完了したものと判断するようにしている。
つまり、「区間3」では、パワーアシスト装置1が半自動的にボディ21上の取付位置(即ち、点C2)までウィンドウ20を搬送するようにしている。そのため作業者は、「区間3」内では位置決め等に意識を集中させる必要がなく、ウィンドウ20を傾倒させる速度を調整するだけでよいので、作業者の労力軽減を果たすことができる。
このような構成とすることにより、作業区間ごとに、かつ、パワーアシスト装置1が自由度を備える作動方向(即ち、並進方向(X・Y・Z方向)および回転方向(ロール・ピッチ・ヨー方向)ごとに、パワーアシスト装置1の作動状態を制御することができるのである。
2 多関節型ロボット
2a 制御装置
3 吸着治具
4 フリージョイント
Claims (6)
- ワークを把持して搬送するための搬送具、および前記搬送具の動作を制御する制御手段を備え、
ワークを搬送するための作業者の作業動作をアシストするべく前記作業者の作業動作に協調して前記搬送具を自律的に作動させることによりワークの搬送を行うパワーアシスト装置の制御方法であって、
前記パワーアシスト装置により行われる一連の作業タスクを複数の作業区間に分割し、
作業区間ごとに、
前記パワーアシスト装置が自由度を有する各作動方向についての制御ロジックを、
前記制御手段に対して設定する、
ことを特徴とするパワーアシスト装置の制御方法。 - 前記制御ロジックは、
作業者の操作許容可否と、
前記パワーアシスト装置の自律動作可否と、
により組成される、
ことを特徴とする請求項1記載のパワーアシスト装置の制御方法。 - 前記パワーアシスト装置は、
作業者の操作を規制するブレーキ機構を備え、
前記制御手段によって、
前記パワーアシスト装置が自由度を有する各作動方向に対して、
前記ブレーキ機構を制御する、
ことを特徴とする請求項2記載のパワーアシスト装置の制御方法。 - ワークを把持して搬送するための搬送具、および前記搬送具の動作を制御する制御手段を備え、
ワークを搬送するための作業者の作業動作をアシストするべく前記作業者の作業動作に協調して前記搬送具を自律的に作動させることによりワークの搬送を行うパワーアシスト装置であって、
前記制御手段においては、
前記パワーアシスト装置により行われる一連の作業タスクが複数の作業区間に分割され、
作業区間ごとに、
前記パワーアシスト装置が自由度を有する各作動方向について制御ロジックが設定される、
ことを特徴とするパワーアシスト装置。 - 前記制御ロジックは、
作業者の操作許容可否と、
前記パワーアシスト装置の自律動作可否と、
により組成される、
ことを特徴とする請求項4記載のパワーアシスト装置。 - 作業者の操作を規制するブレーキ機構を備え、
前記制御手段は、
前記パワーアシスト装置が自由度を有する各作動方向に対して、
前記ブレーキ機構を制御する、
ことを特徴とする請求項5記載のパワーアシスト装置。
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