JP2009032769A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワー用スイッチ回路の電圧振動の発生を抑制し、スイッチング損失の低減が可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子IGBT102と逆並列接続する還流用ダイオードを、順方向電流が流れ始める電圧値のオン電圧が互いに異なる半導体材料からなる第1のダイオードのSiCダイオード106と第2のダイオードのSiダイオード107とを並列に接続し、かつ、少なくとも、還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際のリカバリ電流に関し、第1のダイオードのSiCダイオード106よりもオン電圧が低い第2のダイオードのSiダイオード107のリカバリ電流の遮断速度があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになるように調整する。また、SiCダイオードをショットキー型ダイオード、SiダイオードをPN接合型ダイオードまたはPIN型ダイオードとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に、電力変換器向けの、還流用ダイオードを実装する半導体装置および還流用ダイオードとスイッチング素子とを実装する半導体装置に関する。
電動車両等の高電圧出力用の電力変換器向けのパワー用スイッチ回路に用いられるパワーデバイス素子として、Si(シリコン)の単結晶からなるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)や還流用ダイオードFWD(Free Wheeling
Diode)が適用されている。
このようなSi製のパワーデバイス素子においては、使用する半導体素子の構造や、半導体自体に用いる添加物の改良により、スイッチング速度の改善、スイッチング損失の低減、耐熱性などの許容温度範囲の拡大、電流密度の増大化(電流容量の増大化)などに対応できるように、種々の開発研究がなされている。しかしながら、種々の改良も限界が近づきつつある。
一方、近年、さらなる小型・大電力化を図るために、Si材料よりも、より高い絶縁破壊電界強度を有し、かつ、より高い熱伝導率を有するSiC(炭化シリコン)材料がSi材料に置き換わる半導体材料として注目されている。例えば、特許文献1の特開2004−95670号公報「半導体装置」にも記載されているように、デバイス構造が比較的シンプルであるダイオードに、SiC材料を適用しようとする実用化研究が進んでいる。
特開2004−95670号公報
しかしながら、SiCダイオードを活性化するためのエネルギー量は、Siダイオードの場合に比して、大きいために、順方向電流が流れ始める電圧値であるオン電圧が大きく、また、SiCダイオードの空乏層容量が、Siダイオードの場合に比して、極端に小さいために、電力変換用としてスイッチング動作を行う際に、スイッチ回路の寄生インダクタンスの共振現象による電圧振動が発生し易く、スイッチング損失が大きくなってしまうという問題点がある。つまり、スイッチング動作によりSiCダイオードに流れる順方向電流が遮断する際に発生するリカバリ電流(Irr)の時間変化率(dIrr/dt)が大きいために、SiCダイオードの接合容量と配線等のメイン回路に依存する寄生インダクタンスとの間に共振現象が生じ易く、SiCダイオードの両端電圧の振動が発生し、スイッチング損失が増加し易いという問題点がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、電力変換用のパワー用スイッチ回路として、電圧振動の発生を抑制し、スイッチング損失を低減し、高速スイッチングを行うことが可能な半導体装置を提供することを、その目的としている。
本発明は、前述の課題を解決するために、パワー用スイッチ回路に用いられる還流用ダイオードとして、順方向電流が流れ始める電圧値であるオン電圧が互いに異なる半導体材料からなる第1のダイオードと第2のダイオードとを並列接続し、かつ、還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際に、第1のダイオードよりもオン電圧が低い第2のダイオードのリカバリ電流の遮断速度があらかじめ定めた閾値よりも緩やかな半導体装置とすることを特徴としている。
本発明の半導体装置によれば、パワー用スイッチ回路に用いられる還流用ダイオードとして、順方向電流が流れ始める電圧値であるオン電圧が互いに異なる半導体材料からなる第1のダイオードと第2のダイオードとを並列接続し、かつ、還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際に、第1のダイオードよりもオン電圧が低い第2のダイオードのリカバリ電流の遮断速度があらかじめ定めた閾値よりも緩やかにするように構成しているので、以下のごとき効果を奏することができる。
並列接続された第1、第2のダイオードのオン電圧が異なる結果、スイッチング動作時に、それぞれのダイオードの順方向電流が遮断する遮断タイミングが異なり、オン電圧が高い第1のダイオードの順方向電流が遮断しても、第2のダイオードがまだ通電状態にあり、第1のダイオードの両端電圧を、並列に接続されている第2のダイオードのオン電圧以上の電圧値に保持することができ、かつ、第2のダイオードが遮断した際にも、第2のダイオードの遮断時のリカバリ電流の遮断速度を緩やかにしているので、第1のダイオードの両端電圧に振動が発生することを防止することができる。而して、スイッチング損失を低減し、高速スイッチングを可能とすることができる。
以下に、本発明による半導体装置の最良の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係る半導体装置は、インバータ装置やDC−DCコンバータ装置などの電力変換器に好適に適用されるパワー用スイッチ回路を構成する還流用ダイオード(FWD:Free Wheeling Diode)を実装する半導体装置および還流用ダイオードとスイッチング素子とを実装する半導体装置に関するものである。以下の実施形態においては、スイッチング素子に逆並列接続される還流用ダイオードとして並列に接続する第1のダイオード(例えばSiCダイオード)と第2のダイオード(例えばSiダイオード)のみを実装した半導体装置について、その具体的な実施形態について説明するが、スイッチング素子を還流用ダイオードと同一の回路基板上にまたは同一の給配電用のブスバー上に実装した半導体装置についても、そのまま適用することが可能である。
また、以下の実施形態の説明においては、パワー用スイッチ回路における還流用ダイオードとして、順方向電流が流れ始める電圧値であるオン電圧が互いに異なる2種類のSi(シリコン)系の半導体材料(Si単結晶、SiC(炭化シリコン))からなる第1、第2のダイオードを並列接続して用いる場合について説明するが、本発明における還流用ダイオードは、かかるSi系の半導体材料に限るものではない。例えば、Ga(ガリウム)系やIn(インジウム)系やGe(ゲルマニウム)系の半導体材料を用いる場合であっても全く同様である。また、スイッチング素子として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いる場合について説明するが、IGBTに限るものではなく、MOSFETなど他の半導体材料も用いるようにしても全く同様である。
つまり、順方向電流が流れ始める電圧値のオン電圧が互いに異なる2種類の半導体材料からなる第1のダイオードと第2のダイオードとを並列に接続し、かつ、少なくとも、還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際に、第1のダイオードよりもオン電圧が低い第2のダイオードのリカバリ電流の遮断速度があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになる半導体材料とすることができる材料であれば、如何なる半導体材料を用いてもかまわない。
また、還流用ダイオードとして並列接続するSiCダイオードとSiダイオードとが1個ずつの場合について説明するが、SiCダイオードおよび/またはSiダイオードを複数個を並列接続して構成するようにしても良い。
以下に、本発明による半導体装置の具体的な実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態の半導体装置を適用するスイッチ回路の構成を示す回路図であり、パワー用のスイッチ回路として誘導負荷Lmを駆動するハーフブリッジ回路100の回路構成の一例を示している。図1のハーフブリッジ回路100においては、Si製のスイッチング素子IGBT102およびIGBT103が、入力電源の正側、負側の電源端子104,105間に直列に接続され、かつ、スイッチング素子IGBT102とIGBT103との接続点に駆動対象となる誘導負荷Lmが接続される。
各スイッチング素子IGBT102,103それぞれには、還流用ダイオードを形成するために、本発明の第1の実施形態の半導体装置10、半導体装置10Aが接続されている。すなわち、順方向電流が流れ出す電圧値を示すオン電圧が互いに異なる第1のダイオードのSiCダイオード106と第2のダイオードのSiダイオード107とからなる半導体装置10、第1のダイオードのSiCダイオード108と第2のダイオードのSiダイオード109とからなる半導体装置10A、のそれぞれが、スイッチング素子IGBT102,103のそれぞれに逆並列に接続される。
なお、図1の半導体装置10,10Aには、SiCダイオード106とSiダイオード107、SiCダイオード108とSiダイオード109とが、それぞれ、1個ずつ用いられている場合を示している。しかし、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、電流容量が大きな還流用ダイオードを構成したい場合には、SiCダイオード、Siダイオードそれぞれを、1ないし複数個用いて構成しても良い。半導体装置10,10Aそれぞれで複数のSiCダイオードおよび/または複数のSiダイオードを用いる場合は、複数のSiCダイオードおよび/または複数のSiダイオードそれぞれが並列に接続されて構成されることになる。
図1の半導体装置10,10Aにおいて、SiCダイオード106,108は、高耐圧でかつスイッチング速度が高速のショットキー型ダイオード等のユニポーラデバイスである。一方、Siダイオード107,109は、リカバリ電流(Irr)の遮断速度(dIrr/dt)があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになるように、ライフタイムコントロールされたPN接合型またはPIN型のダイオードである。なお、前述のように、各スイッチング素子IGBT102,103それぞれに逆並列接続されたSiCダイオード106,108とSiダイオード107,109とは互いのオン電圧VSiC,VSiが異なる還流用ダイオードを構成している。
図1において、スイッチング素子IGBT103がオフ時に、誘導負荷Lmに流れる負荷電流をiL、SiCダイオード106、Siダイオード107それぞれの順方向に流れている順方向電流をIf1,If2と表現する。また、スイッチング素子IGBT103がオフからオンへ切り替わった時に、SiCダイオード106、Siダイオード107の順方向電流If1,If2から切り替わって、スイッチング素子IGBT103へ流れ込むコレクタ電流をIcと表現する。また、スイッチング素子IGBT103オフからオンに切り替わった際に、SiCダイオード106、Siダイオード107の順方向電流If1,If2が徐々に減少して遮断後に遮断電流(Irr:リカバリ電流)が流れる状態以降において発生するSiCダイオード106、Siダイオード107の両端電圧をVfと表現する。
図2は、本発明の半導体装置の第1の実施形態におけるダイオード順方向電流・電圧特性を示す特性図であり、図1のハーフブリッジ回路100においてダイオード還流時におけるSiCダイオード106、Siダイオード107の順方向電流If1,If2と両端電圧Vfとの関係を示している。
図2の横軸が、スイッチング素子IGBT103がオフからオンに切り替わる時点において、SiCダイオード106、Siダイオード107の両端にかかる両端電圧Vfの変化を示すものであり、縦軸が、その時点におけるSiCダイオード106、Siダイオード107それぞれの順方向電流If1,If2の変化を示すものである。
つまり、図1の回路構成において、スイッチング素子IGBT103が、ゲートへのPWM信号の印加によって、オフからオンに切り替わる時点で、誘導負荷電流iLがSiCダイオード106およびSiダイオード107の双方の還流用ダイオードに流れる際の電流値すなわち順方向電流If1,If2とSiCダイオード106、Siダイオード107の両端電圧Vfとの関係を太い破線(凡例にSiC+Siとして表示)で図2に示し、さらに、参考のため、還流用ダイオードがSiCダイオードのみの場合について細い点線(凡例にSiCとして表示)で、また、還流用ダイオードがSiのみの場合について細い鎖線(凡例にSiとして表示)で図2に示している。
図2に示すように、SiCダイオード106の順方向電流If1の通電開始時のオン電圧VSiCは、Siダイオード107の順方向電流If2の通電開始時のオン電圧VSiよりも大きい。また、SiCダイオード106、Siダイオード107の両端電圧Vfが高く、誘導負荷電流iLが大きいときには、ほとんどの電流がSiCダイオード106側に流れるが、逆に、SiCダイオード106、Siダイオード107の両端電圧Vfが低くなり、誘導負荷電流iLが小さくなるに従って、Siダイオード107のみに電流が流れるようになる。
図3は、本発明の半導体装置の第1の実施形態における誘導負荷スイッチング動作時の電圧・電流波形の一例を示す波形図であり、図1のハーフブリッジ回路100のスイッチング動作時のSiCダイオード106,Siダイオード107の両端電圧Vf、順方向電流If1,If2、および、スイッチング素子IGBT103に流れるコレクタ電流Icの波形の一例を示している。
図3に示すように、SiCダイオード106、Siダイオード107の順方向電流If1,If2が通電中の状態にある際に、スイッチング素子IGBT103がオフからオンに切り替わったとき、誘導負荷電流iLの還流電流が減少を開始し、すなわち、SiCダイオード106、Siダイオード107の順方向電流If1,If2が減少を開始し、スイッチング素子IGBT103のコレクタ電流Icが上昇を開始する。しかる後、誘導負荷電流iLの還流電流、すなわち、ダイオード順方向電流If1,If2が遮断しようとする状態に達した場合、図2で示したように、SiCダイオード106のオン電圧VSiCとSiダイオード107のオン電圧VSiとのオン電圧特性の差異により、必ず、Siダイオード107の順方向電流If2よりもSiCダイオード106の順方向電流If1の方が先に遮断することになる。
したがって、SiCダイオード106の順方向電流If1が先に遮断したとき、誘導負荷電流iLは、コレクタ電流Icとしてスイッチング素子IGBT103にすべて流れ込むのではなく、Siダイオード107にも順方向電流If2として一部の電流が流れる状態が継続する。このため、Siダイオード107はまだ通電中の状態となるので、少なくとも、Siダイオード107のオン電圧VSi以上の電圧値でSiCダイオード106の両端が保持されることとなるため、図3に示すように、SiCダイオード106およびSiダイオード107の両端電圧Vfは振動することなく、高速で、かつ、安定したスイッチング波形を得ることができる。
図1で示した誘導負荷Lmを駆動するスイッチング回路すなわちハーフブリッジ回路100について、安定したスイッチング動作が得られるという効果をさらに明確にするために、還流用ダイオードをSiCダイオードまたはSiダイオードの一方のみを用いて図4に示すような回路構成とした場合との比較を行った結果について、図5、図6に、誘導負荷スイッチング動作時の電圧・電流波形の一例を示す。
図4は、図1に示すハーフブリッジ回路100の還流用ダイオードをSiCダイオードまたはSiダイオードのいずれか一方のみとした回路構成を示す回路図である。つまり、図4のハーフブリッジ回路100Aは、誘導負荷Lmを駆動するスイッチ回路のスイッチング素子IGBT102,103それぞれに逆並列接続される還流用ダイオードとしてSiCダイオード106,108またはSiダイオード107,109のいずれかのみで構成した場合の回路構成を示している。
図5は、誘導負荷スイッチング動作時の還流用ダイオードの両端電圧Vfの電圧波形を示す波形図であり、図1の本発明に係る半導体装置10,10Aの一実施形態を適用したハーフブリッジ回路100の場合と、図4のハーフブリッジ回路100Aの場合との双方について比較のために記載している。また、図6は、誘導負荷スイッチング動作時の還流用ダイオードの遮断電流(Irr:リカバリ電流)と等価な電流としてスイッチング素子IGBT103に流れるコレクタ電流(Ic)に重畳される電流波形の様子を示す波形図であり、図1の本発明に係る一実施形態におけるハーフブリッジ回路100の場合と、図4のハーフブリッジ回路100Aの場合との双方について比較のために記載している。
図5に示すように、図4のハーフブリッジ回路100Aにおいて還流用ダイオードをSiCダイオードのみで構成した場合には、還流用ダイオードつまりSiCダイオード106の両端電圧Vfが振動しているのに対して、図1に示す本発明の実施形態では、還流用ダイオードとしてSiCダイオード106と並列に、SiCダイオード106のオン電圧VSiCよりもオン電圧VSiが低く、かつ、リカバリ電流(Irr:遮断電流)の遮断速度(dIrr/dt)があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになるSiダイオード107を接続しており、図4のハーフブリッジ回路100Aにおいて還流用ダイオードをSiダイオードのみで構成した場合とほぼ同様に、還流用ダイオードつまりSiCダイオード106、Siダイオード107の両端電圧Vfはほとんど振動していないことがわかる。
また、図6のスイッチング素子IGBT103のコレクタ電流Icの電流波形に示すように、図1に示す本発明の実施形態では、還流用ダイオードとしてSiCダイオード106と並列に、SiCダイオード106のオン電圧VSiCよりもオン電圧VSiが低く、かつ、リカバリ電流(Irr)の遮断速度(dIrr/dt)があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになるSiダイオード107を接続しており、スイッチング素子IGBT103がオフからオンに切り替わる際に還流用ダイオードつまりSiCダイオード106、Siダイオード107に流れるリカバリ電流(Irr)が、図4のハーフブリッジ回路100Aにおいて還流用ダイオードをSiダイオード107のみで構成した場合のリカバリ電流(Irr)よりも小さくすることができ、図4のハーフブリッジ回路100Aにおいて還流用ダイオードをSiCダイオード106のみで構成した場合のリカバリ電流(Irr:遮断電流)とほぼ同等の電流値にすることができる。この結果、図1のハーフブリッジ回路100に示すようなスイッチ回路構成とすることにより、SiCダイオード106およびSiダイオード107の両端電圧Vfが振動することなく、高速で、かつ、安定したスイッチング波形を得ることができる。
以上のように、順方向電流が流れ始めるオン電圧が互いに異なる半導体材料からなる第1のダイオードのSiCダイオード106と第2のダイオードのSiダイオード107とを並列接続とし、かつ、少なくとも、還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際のリカバリ電流(Irr)に関して、第1のダイオードのSiCダイオード106よりもオン電圧が低い第2のダイオードのSiダイオード107のリカバリ電流(Irr)の遮断速度(dIrr/dt)があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになる半導体材料とした図1のハーフブリッジ回路100(スイッチ回路)においては、スイッチング動作時に還流用ダイオードの両端電圧Vfについて振動現象が発生することを抑えることが可能になるため、スイッチング素子IGBT102,103のスイッチング速度の高速化を図ることが可能となり、かつ、スイッチング損失の低減を実現することができる。
なお、SiCダイオード106に並列接続するSiダイオード107のチップサイズは、SiCダイオード106のリカバリ電流(Irr)が遮断する際における還流用ダイオードの両端電圧の振動を抑制するための電圧保持機能を主な目的とする場合には、電流容量をあまり必要としないので、比較的小さなサイズで十分となる。例えば、SiCダイオード106との面積比で10〜100分の1のサイズ以下で十分である。
一方、前述した電圧振動の抑制機能に加えて、さらに、還流用ダイオードのスイッチング損失のさらなる低減を行う場合には、SiCダイオード106に並列接続するSiダイオード107のチップサイズは、スイッチング損失低減効果量に応じて、大きいサイズとする必要がある。
一般に、例えば、3相PWMインバータ動作時の還流用ダイオードのスイッチング損失つまり伝導損失Psatは、次の式(1)のように記述することができる。
Figure 2009032769
ただし、Ifp: 還流用ダイオード順方向電流の最大値(A)
Vfp: 還流用ダイオード順方向電圧の最大値(V)
x : 電気角(rad)
Duty:スイッチング素子駆動用のPWM信号のデューティ
式(1)より、スイッチング素子駆動用のPWM信号のデューティが一定であっても、還流用ダイオードの順方向電流の最大値Ifpと順方向電圧の最大値Vfpとの積を小さくすれば、還流用ダイオードの伝導損失Psatつまりスイッチング損失を低減することが可能であることがわかる。
また、還流用ダイオードとして用いられるSiダイオードの順方向電流密度と電圧との関係は、次の式(2)のように記述することができる。
Figure 2009032769
ただし、J: 還流用ダイオード順方向電流密度(A/cm)
Vf: 還流用ダイオード順方向電圧(V)
Js: デバイス定数
k: ボルツマン定数
q: 電荷量(1.6×10−19)(C)
T: 絶対温度(k)
さらに、還流用ダイオードの順方向電流Ifは、前述の還流用ダイオード順方向電流密度Jとチップ面積Dとの積、
If=J×D
として表すことができるので、式(1)および式(2)より、Siダイオードの還流用ダイオード順方向電圧つまりSiダイオード107の両端電圧Vfが同じ電圧値であった場合、チップサイズすなわちチップ面積Dを大きくことにより、Siダイオード107の還流用ダイオードの順方向電流Ifを大きくすることができることがわかる。
よって、Siダイオード107のチップ面積Dを大きくすることにより、Siダイオード107の順方向電流電圧特性の傾きすなわちSiダイオード107の両端電圧Vfに対する順方向電流の立ち上がり勾配を大きくすることができる。つまり、図2のダイオード順方向電流電圧特性において、Siダイオード107の特性曲線の立ち上がり勾配(Siダイオード107間の両端電圧Vfに対する順方向電流If2の値)を大きくして、図2の領域Sを大きくすればする程、還流用ダイオードの伝導損失Psatを低減することができ、スイッチング損失の低減効果を大きくすることができる。
ただし、図2の領域Sを大きくして、伝導損失Psatを低減し、スイッチング損失の低減効果を大きくしようとすると、Siダイオード107のチップ面積Dを大きくする必要があり、半導体装置10,10Aの回路モジュールの小型化を行う上での妨げになってしまう。
次に、スイッチング損失と半導体装置10,10Aの回路モジュールサイズとの関係についてさらに説明する。
図7には、図1に示す半導体装置10のSiCダイオード106とSiダイオード107とのトータルチップ面積と、任意の動作点におけるダイオード伝導損失Pとの関係を、図4のようにSiダイオード107のみで構成した場合(一点鎖線表示)と対比して示している。ここで、ダイオード伝導損失Pとは、図1の半導体装置10のSiCダイオード106に順方向電圧を発生させることができる電流値以上で動作させた際の損失を意味している。
図7に示すように、任意の或るダイオード伝導損失値P1におけるダイオードのトータルチップ面積について、還流用ダイオードを、本発明の実施形態の一例である図1のように並列接続したSiCダイオード106とSiダイオード107とで構成した場合と、図4のようにSiダイオード107のみで構成した場合とを比較すると、SiCダイオード106にSiダイオード107を並列接続させて組み合わせた図1の場合の方が、図4のようなSiダイオード107のみの場合よりも、還流用ダイオードのトータルチップ面積を小さくすることができる。
なお、図7に示すダイオードのトータルチップ面積は、SiCダイオード106のチップ面積をあらかじめ定めた所定の値に固定して、還流用ダイオードの伝導損失を低減するために、Siダイオード107のチップ面積を大きくしていくようにした場合について算出したものである。
したがって、SiCダイオード106,108とSiダイオード107,109とからなる半導体装置10,10Aに要求される回路モジュールサイズ(トータルチップ面積)に応じて、SiCダイオード106,108と組み合わせるSiダイオード107,109のチップサイズを選定することによって、小型化(トータルチップ面積)とスイッチング損失低減とのトレードオフ関係における最適解を得ることができる。
以上のように、本実施形態においては、パワー用スイッチ回路に用いられる還流用ダイオードを実装する半導体装置10,10Aにおいて、還流用ダイオードを、順方向電流が流れ始める電圧値であるオン電圧が互いに異なる半導体材料からなる第1のダイオードのSiCダイオード106,108と第2のダイオードSiダイオードの107,109とを並列に接続して構成し、かつ、少なくとも、還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際に、第1のダイオードのSiCダイオード106,108よりもオン電圧が低い第2のダイオードのSiダイオード107,109のリカバリ電流の遮断速度があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになる半導体材料を用いる構成としているので、次のような効果が得られる。
すなわち、並列接続されたSiCダイオード106,108、Siダイオード107,109のオン電圧が異なる結果、スイッチング動作時に、それぞれのダイオードの順方向電流が遮断する遮断タイミングが異なり、オン電圧VsiCが高いSiCダイオード106,108の順方向電流が遮断しても、Siダイオード107,109がまだ通電状態にあり、SiCダイオード106,108の両端電圧Vfを、並列に接続されているオン電圧が低いSiダイオード107,109のオン電圧Vsi以上の電圧値に保持することができ、かつ、Siダイオード107,109が遮断した際にも、Siダイオード107,109の遮断時のリカバリ電流(Irr)の遮断速度(dIrr/dt)を緩やかにしているので、SiCダイオード106,108の両端電圧に振動が発生することを防止することができる。而して、スイッチング損失を低減し、高速スイッチングを可能とすることができる。
また、還流用ダイオードとして、第1のダイオードのSiCダイオード106,108および/または第2のダイオードのSiダイオード107,109を、必要に応じて、複数個、並列に接続して構成することも可能であり、例えば、さらに大きな電流容量を必要とした場合についても、適宜、対応することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態の図1に示す還流用ダイオードを構成するSiCダイオード106、Siダイオード107からなる半導体装置10のチップ構成の一例について、図8、図9を用いて説明する。
図8および図9は、図1に示すハーフブリッジ回路100に還流用ダイオードとして適用される、並列接続したSiCダイオード106、Siダイオード107のベアチップの配置例を示す模式図であり、それぞれ、第1、第2の配置例を示している。
図8に示す第1の配置例においては、第1のダイオードのSiCダイオード106を形成する第1の半導体チップであるSiCダイオードチップ1と、第1のダイオードのSiCダイオード106に並列接続される第2のダイオードのSiダイオード107を形成する第2の半導体チップであるSiダイオードチップ2とを、対ブスバー3との間の距離、および、SiCダイオードチップ1とSiダイオードチップ2との両チップ間の距離があらかじめ定めた閾値以内に収まるように(つまり最短となるように)、両チップを隣接させて、同一の回路基板上に、または、給配電用のブスバー3上に配置する。
図8の例においては、SiCダイオードチップ1とSiダイオードチップ2とを同一の回路基板上に隣接させて配置している場合を示しており、給配電用のブスバー3に対して、平行な状態で、互いに近接させて配置し、SiCダイオードチップ1およびSiダイオードチップ2の上面の各アノード電極Aと給配電用のブスバー3との間をワイヤ4によりワイヤーボンディング接続して各チップのアノード電極Aを並列に接続する。
なお、SiCダイオードチップ1およびSiダイオードチップ2の各チップ裏面(カソード電極側)は、カソード電極Kとして共通電位となるように実装される。
一方、図9に示す第2の配置例においては、図8の場合と同様、SiCダイオードチップ1とSiダイオードチップ2とを同一の回路基板上に隣接させて配置している場合を示しているが、第1のダイオードのSiCダイオード106を形成する第1の半導体チップであるSiCダイオードチップ1が、対ブスバー3との間の距離があらかじめ定めた閾値以内に収まるように(つまり最短になるように)、また、第1のダイオードのSiCダイオード106に並列接続されるSiダイオード107を形成する第2の半導体チップであるSiダイオードチップ2との間の距離があらかじめ定めた閾値以内に収まるように(つまり最短になるように)、給配電用のブスバー3に対してSiCダイオードチップ1、Siダイオードチップ2の順に垂直な状態で、互いに近接させて、両チップを配置する。
SiCダイオードチップ1上面のアノード電極Aとブスバー3との間をワイヤ4Aによりワイヤーボンディング接続し、さらに、SiCダイオードチップ1上面のアノード電極AとSiダイオードチップ2上面のアノード電極Aとの間をワイヤ4Bによりワイヤーボンディング接続して、各チップのアノード電極Aを並列に接続する。なお、SiCダイオードチップ1およびSiダイオードチップ2の各チップ裏面(カソード電極側)は、図8の場合と同様、カソード電極Kとして共通電位となるように実装される。
また、SiCダイオード106、Siダイオード107がベアチップからなる場合のみに限らず、パッケージ入りチップからなっている場合であっても、図8や図9と同様に、互いに隣接させて、対ブスバー間、両チップ間の距離があらかじめ定めた閾値以内の最短の距離となるように配置すれば良い。
かくのごとく、SiCダイオード106を形成するSiCダイオードチップ1とSiダイオード107を形成するSiダイオードチップ2と給配電用のブスバー3との間の互いの距離をできる限り短くするように実装することによって、還流用ダイオードのSiCダイオード106、Siダイオード107間のインピーダンスを小さく抑えることができるので、還流用ダイオードの両端電圧Vfの振動を、より確実に抑制する効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図10を用いて説明する。図10は、本発明に係る半導体装置の第3の実施形態として、SiCダイオードとSiダイオードとを並列接続した半導体装置のチップ構造の一例を示す構造図であり、第2の実施形態において示した図8、図9の場合とは異なり、図1のハーフブリッジ回路100において、スイッチング素子IGBT102に逆並列接続する第1のダイオードのSiCダイオード106、第2のダイオードのSiダイオード107の半導体装置10として、第1のダイオードのSiCダイオード107を形成する第1の半導体チップであるSiCダイオードチップ内に、第2のダイオードのSiダイオード107を形成した一例を示している。
図10に示すように、まず、SiCカソード電極板21の上にN+SiC層11とN−SiC層12とを順次積層して、N+SiC層11とN−SiC層12とが接合したSiCダイオードチップを形成する。しかる後、SiCダイオードチップと絶縁分離した状態でSiCダイオードチップ上にSiダイオードを形成するために、絶縁膜17を形成した後、該絶縁膜17の上面に、N−Si層13を形成する。
さらに、N+Si層14とP−Si層15とを形成するためのN−Si層13上の所定の領域を所定のレベルまでエッチングにより穿設し、また、ショットキーメタル19を形成するためのN−Si層13上の所定の領域を絶縁膜17とともに穿設して、N−SiC層12を露出させる。
しかる後、N−Si層13上に穿設された所定の領域にN+Si層14とP−Si層15とを形成し、さらに、P−Si層15の上面の所定の領域をエッチングして、そのエッチング箇所にP+Si層16を形成することによって、PN接合型のSiダイオードを形成する。つまり、Siダイオードは、アノード電極側から不純物濃度勾配を意味するP+層、P−層、N−層、N+層の各層が順次形成された状態のPN接合型ダイオードとして形成される。
さらに、N−Si層13を絶縁膜17とともに穿設することにより露出させたN−SiC層12上に接合させる状態でショットキーメタル19を形成することにより、ショットキーメタル19、N−SiC層12、N+SiC層11からなるショットキー型のSiCダイオードを形成する。
しかる後、N−Si層13の左右側面を絶縁分離するためにエッチングによりパターニングした後、全面に絶縁膜18を形成する。
次いで、Siダイオード側のSiカソード電極22、SiCダイオードおよびSiダイオードに共通のアノード電極20を形成するために、まず、SiダイオードのN+Si層14上の絶縁膜18の所定の領域と、SiダイオードのP+Si層16上の絶縁膜18の所定の領域とショットキーメタル19上の絶縁膜18を、エッチングにより除去した後、N+Si層14上にSiカソード電極22を形成し、P+Si層16上およびショットキーメタル19上にアノード電極20を形成する。この結果、SiCダイオードのアノード端子は、ショットキーメタル19を介した形で、Siダイオードのアノード端子とアノード電極20を共用するように形成される。
なお、Siカソード電極22は、SiCカソード電極21と半導体チップの外部でワイヤ等によって接続される。
以上に説明した本実施形態は、SiCダイオード上面にSiダイオードを形成した縦型構造の一例を示したものであるが、横型構造に形成して、SiCカソード電極およびSiカソード電極をチップ内部で接続することももちろん可能である。
本実施形態においては、第1のダイオードのSiCダイオードを形成する第1の半導体チップのSiCダイオードチップ内に第2のダイオードのSiダイオードを一体化して同一チップとして形成しているので、半導体装置として、さらに小型化を実現することが可能となる。
(その他の実施形態)
以上に説明した各実施形態においては、還流用ダイオードとしてSiCダイオードとSiダイオードとを、1個ずつ、並列接続して構成した場合について説明したが、前述したように、本発明は、かかる場合に限るものではなく、SiCダイオードおよび/またはSiダイオードを、複数個さらに並列接続して構成するようにしても良いし、また、還流用ダイオードの第1のダイオード、第2のダイオードとして、SiCダイオード、Siダイオード以外のGa(ガリウム)系やIn(インジウム)系やGe(ゲルマニウム)系などの半導体材料からなるダイオードを採用しても良い。
つまり、パワー用スイッチ回路に用いられる還流用ダイオードを、順方向電流が流れ始める電圧値であるオン電圧が互いに異なる半導体材料からなる第1のダイオードと第2のダイオードとを並列に接続し、かつ、少なくとも、還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際に、第1のダイオードよりもオン電圧が低い第2のダイオードのリカバリ電流の遮断速度があらかじめ定めた閾値よりも緩やかになる半導体材料を用いるという基本的な要件を満たすものであれば、如何なる種類の半導体材料を用いても良いし、また、並列接続するダイオードの個数も、必要に応じて任意に設定しても良い。
また、パワー用スイッチ回路として、還流用ダイオードと逆並列接続するスイッチング素子を、同一半導体装置内に一体化して、還流用ダイオードと同一の回路基板上または同一のブスバー上に形成するようにしても良い。かかる場合において、還流用ダイオードと逆並列接続するスイッチング素子として、Si製のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いるようにしても良いし、あるいは、場合によっては、パワー用MOSFETを用いるようにしても良い。
本発明に係る第1の実施形態の半導体装置を適用するスイッチ回路の構成を示す回路図回路図である。 本発明の半導体装置の第1の実施形態におけるダイオード順方向電流・電圧特性を示す特性図である。 本発明の半導体装置の第1の実施形態における誘導負荷スイッチング動作時の電圧・電流波形の一例を示す波形図である。 図1に示すハーフブリッジ回路の還流用ダイオードについてSiCダイオードまたはSiダイオードのいずれか一方のみとした回路構成を示す回路図である。 誘導負荷スイッチング動作時の還流用ダイオードの両端電圧Vfの電圧波形を示す波形図である。 誘導負荷スイッチング動作時のスイッチング素子IGBTに流れるコレクタ電流の電流波形を示す波形図である。 SiCダイオードとSiダイオードとのトータルチップ面積と任意の動作点におけるダイオード伝導損失との関係を示す特性図である。 並列接続したSiCダイオード、Siダイオードのベアチップの第1の配置例を示す模式図である。 並列接続したSiCダイオード、Siダイオードのベアチップの第2の配置例を示す模式図である。 本発明に係る半導体装置の第3の実施形態として、SiCダイオードとSiダイオードとを並列接続した半導体装置のチップ構造の一例を示す構造図である。
符号の説明
1…SiCダイオードチップ、2…Siダイオードチップ、3…ブスバー、4,4A,4B…ワイヤ、10,10A…半導体装置、11…N+SiC層、12…N−SiC層、13…N−Si層、14…N+Si層、15…P−Si層、16…P+Si層、17…絶縁膜、18…絶縁膜、19…ショットキーメタル、20…アノード電極、21…SiCカソード電極板、22…Siカソード電極、100,100A…ハーフブリッジ回路、102,103…IGBT、104,105…電源端子、106…SiCダイオード、107…Siダイオード、108…SiCダイオード、109…Siダイオード、Ic…コレクタ電流、If1…SiCダイオード順方向電流、If2…Siダイオード順方向電流、iL…誘導負荷電流、Irr…リカバリ電流、Lm…誘導負荷、Vf…ダイオード両端電圧、VSiC…SiCダイオードオン電圧、VSi…Siダイオードオン電圧。

Claims (10)

  1. パワー用スイッチ回路に用いられる還流用ダイオードを実装する半導体装置において、前記還流用ダイオードを、順方向電流が流れ始める電圧値であるオン電圧が互いに異なる半導体材料からなる第1のダイオードと第2のダイオードとを並列に接続して構成し、かつ、少なくとも、前記還流用ダイオードの順方向電流が遮断する際に、前記第1のダイオードよりもオン電圧が低い前記第2のダイオードのリカバリ電流の遮断速度があらかじめ定めた閾値よりも緩やかであることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、前記第1のダイオードおよび/または前記第2のダイオードが、並列接続した複数個のダイオードから構成されることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置において、前記第1のダイオードは、半導体材料としてSiC(炭化シリコン)を用いたSiCダイオードであり、前記第2のダイオードは、半導体材料としてSi(シリコン)を用いたSiダイオードであることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項3に記載の半導体装置において、前記第1のダイオードを形成するSiCダイオードが、ショットキー型ダイオードであり、前記第2のダイオードを形成するSiダイオードが、PN接合型ダイオードまたはPIN型ダイオードであることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置において、前記第1のダイオードを形成する第1の半導体チップと前記第2のダイオードを形成する第2の半導体チップとを、両者の半導体チップ間の距離、および、給配電用のブスバーとの間の距離が、あらかじめ定めた閾値以内に収まるように、互いに隣接させて、同一の回路基板上または同一の前記ブスバー上に配置することを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置において、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを、同一の回路基板上に隣接させて配置する場合、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを並列接続する前記ブスバーに対して、平行な状態で配置することを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項5に記載の半導体装置において、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを、同一の回路基板上に隣接させて配置する場合、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを並列接続する前記ブスバーに対して、垂直な状態で配置することを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置において、前記第1のダイオードを形成する第1の半導体チップ内に前記第2のダイオードを形成することを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置において、さらに、前記還流用ダイオードと逆並列接続するスイッチング素子を、前記還流用ダイオードと同一の回路基板上または同一の給配電用のブスバー上に形成することを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置において、前記還流用ダイオードと逆並列接続する前記スイッチング素子が、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であることを特徴とする半導体装置。
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