JP6590783B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に関し、特に、還流ダイオードを有する半導体装置に関するものである。
半導体装置として電力変換装置がある。電力変換装置として、モータなどの負荷へ交流電力を供給するために直流を交流へ変換するインバータ装置がある。インバータ装置は、典型的には、ハーフブリッジ回路によって構成される。ハーフブリッジ回路は、複数のスイッチング素子と、その各々に逆並列に接続されたダイオード、すなわち還流ダイオード、とを有している。スイッチング素子としては、典型的には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)素子または金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)素子が用いられる。還流ダイオードが設けられることによって、インバータ装置は回生動作を行うことができる。インバータ装置の効率を高めたり、インバータ装置からの発熱を抑えたりするためには、還流ダイオードのリカバリ損失を低くすることが求められる。このためのよく知られた方法として、還流ダイオードとして、逆回復電荷が消失する時間が短いダイオードを用いる方法がある。さらに近年では、炭化珪素(SiC)を用いたショットキーバリアダイオード(SBD)を用いることによって、逆回復電荷の発生を避ける方法も採用されている。しかしながら、このような方法によると、電流および電圧の時間微分が大きくなりやすい。すなわち、いわゆるハードスイッチングの特性が強くなりやすい。その結果、大きなリンギングが発生し得る。そこで、下記のような方法が提案されている。
特開2013−162590号公報(特許文献1)によれば、上アームおよび下アームを有する駆動回路が開示されている。上アームおよび下アームの各々は、半導体スイッチング素子に並列に接続された還流ダイオードとして、ショットキーバリアダイオードを有する。上下アームの一方における半導体スイッチング素子のゲート電圧がオフ時の値より上昇し始めてからオン時の値に達するまでの期間において、上下アームの他方における半導体スイッチング素子のゲート電圧を、所定期間、オフ時の値よりも大きな値に制御するゲート電圧上昇回路が設けられる。上記公報によれば、上下アームの一方の半導体スイッチング素子に電流が流れ始める前に他方のアームにおける半導体スイッチング素子のゲート電圧を上昇させ上下アームを短絡することによって、電圧振動を低減することができる、と主張されている。
特開2003−235240号公報(特許文献2)によれば、MOSFETのゲート・ドレイン間にコンデンサが接続されるとともに、ゲート・ソース間に抵抗が接続される。還流ダイオードの逆回復動作時に、コンデンサと抵抗とによって、ゲート・ソース間の電圧が、一定時間、閾値電圧以上とされる。上記公報によれば、還流ダイオードのリカバリ特性がソフト化し、リカバリサージを抑制することができる、と主張されている。
特開2013−162590号公報 特開2003−235240号公報
上記特開2013−162590号公報の技術においては、上下アームの一方における半導体スイッチング素子のゲート電圧がオフ時の値より上昇し始めてからオン時の値に達するまでの期間において、上下アームの他方における半導体スイッチング素子のゲート電圧を、所定期間、オフ時の値よりも大きな値に制御するための駆動回路が設けられる。このため装置が複雑なものとなってしまう。
上記特開2003−235240号公報の技術においては、ゲート・ドレイン間に、寄生容量に加えてコンデンサが追加される。これにより、ゲート・ドレイン間の電荷の放電時間が増加する。よって、ターンオン時間が長くなる。また、ターンオフ時には半導体チップ内で空乏層が広がることによって寄生容量の値が低下するものの、追加されたコンデンサの値にはそのような低下が生じない。このため、ターンオフ時間が長くなる。以上からこの技術では、リンギングを抑制することができる一方で、スイッチング速度が大きく低下しやすい。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スイッチング速度を大きく低下させることなくリンギングを抑制することができる半導体装置を提供することである。
本発明の半導体装置は、第1アームと、第2アームと、ゲートドライバとを有している。第2アームは、一方端および他方端を有しており、一方端および他方端のいずれかが第1アームに接続されている。第2アームは、ゲートを有しゲートへ第1電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオフされゲートへ第2電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオンされる少なくとも1つのスイッチング素子と、スイッチング素子に並列に接続された少なくとも1つの還流ダイオードとを有する並列回路を含む。第2アームは並列回路と一方端との間にインダクタンス成分を有している。ゲートドライバは第2アームの一方端とスイッチング素子のゲートとの間に接続されている。ゲートドライバは第1電圧範囲内の電圧と第2電圧範囲内の電圧とを交互に発生する。ゲートドライバが第1電圧範囲内の電圧を発生している際に、還流ダイオードのリカバリ電流が減少することにともなってインダクタンス成分に起電力が発生することによって、スイッチング素子が一時的にオンされる。
本発明によれば、スイッチング速度を大きく低下させることなくリンギングを抑制することができる。
本発明の実施の形態1における半導体装置としてのインバータ装置を含む電気機器の構成を概略的に示す回路図である。 図1のインバータ装置に含まれ、インバータ装置の各相に対応して設けられるインバータユニットの構成を概略的に示す回路図である。 図2のインバータユニットにおいて、回生時とその直後とにおける、第2アームの並列回路から一方端へ流れる電流Iと、第2アームの一方端N21を基準とする他方端の電圧Vとの各々の時間変化を例示するグラフ図である。 図3の期間T1における電流の流れを模式的に示す図である。 図3の期間T2における電流の流れを模式的に示す図である。 図3の期間T3における電流の流れを模式的に示す図である。 図3の期間T4における電流の流れを模式的に示す図である。 図3に示された電流Iの時間変化に対応しての、第2アームのゲート電圧Vgeの時間変化を、模式的に説明するグラフ図である。 比較例のインバータの、図3に対応するグラフ図である。 本発明の実施の形態2における半導体装置としてのインバータ装置の第2アームの構成を概略的に示す部分平面図である。 本発明の実施の形態3における半導体装置としてのインバータ装置の第2ドライバの構成を概略的に示す回路図である。 本発明の実施の形態3における電流Iの時間変化に対応しての、第2アームのゲート電圧Vgeの時間変化を、模式的に説明するグラフ図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態における半導体装置としてのインバータ装置200を含む電気機器500の構成を概略的に示す回路図である。インバータ装置200は、直流を交流へ変換する電力変換装置であり、本実施の形態においては、3相交流出力を発生するための3相インバータであり、よって3つの出力端子を有している。具体的には、インバータ装置200は、U相出力端子200Uと、V相出力端子200Vと、W相出力端子200Wとを有している。U相出力端子200Uと、V相出力端子200Vと、W相出力端子200Wには、3相交流によって駆動される、モータなどの負荷400が接続されている。またインバータ装置200は、正電源端子200Pと、負電源端子200Nとを有している。正電源端子200Pと負電源端子200Nとの間には直流電源300が接続されている。また正電源端子200Pと負電源端子200Nとの間にはコンデンサ301が接続されている。なお直流電源300は、交流電圧が入力されることによって直流電圧を生成する電力変換装置、すなわちコンバータ装置、であってもよい。
インバータ装置200の各相に対応して、インバータ装置200は3つのインバータユニット100を有している。各インバータユニット100は、正電源端子100Pと、負電源端子100Nと、出力端子100Aとを有している。正電源端子100Pおよび負電源端子100Nのそれぞれは、インバータ装置200の正電源端子200Pおよび負電源端子200Nに電気的に接続されている。3つのインバータユニット100のそれぞれの出力端子100Aは、U相出力端子200U、V相出力端子200VおよびW相出力端子200Wに電気的に接続されている。
図2は、インバータユニット100の構成を概略的に示す回路図である。インバータユニット100は、第1アーム110と、第2アーム120と、第1ゲートドライバ160と、第2ゲートドライバ170(ゲートドライバ)とを有している。
第1アーム110は、ゲートを有するIGBT(スイッチング素子)111と、IGBT111に並列に(厳密にいえば逆並列に)接続された還流ダイオード116とを有する並列回路を含む。IGBT111は、ゲートへ第1電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオフされ、ゲートへ第2電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオンされる。IGBT111がnチャネル型である場合、第1電圧範囲はしきい値電圧Vthより小さい電圧範囲、好ましくはマイナス電圧範囲、であり、第2電圧範囲はしきい値電圧Vthより大きい電圧範囲である。還流ダイオード116は、本実施の形態においてはpn接合ダイオードである。ここで「pn接合ダイオード」は、いわゆるpinダイオードを含むものとする。第1アーム110は、負電源端子100Nに電気的に接続された一方端N11と、第2アームに電気的に接続された他方端N12とを有している。
第2アーム120は、ゲートを有するIGBT(スイッチング素子)121と、IGBT121に並列に(厳密にいえば逆並列に)接続された還流ダイオード126とを有する並列回路を含む。IGBT121は、ゲートへ第1電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオフされ、ゲートへ第2電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオンされる。IGBT111がnチャネル型である場合、第1電圧範囲はしきい値電圧Vthより小さい電圧範囲、好ましくはマイナス電圧範囲、であり、第2電圧範囲はしきい値電圧Vthより大きい電圧範囲である。還流ダイオード126は、本実施の形態においてはpn接合ダイオードである。ここで「pn接合ダイオード」は、いわゆるpinダイオードを含むものとする。第2アーム120は、第1アーム110に電気的に接続された一方端N21と、正電源端子に電気的に接続された他方端N22とを有している。
交流出力のための出力端子100Aは、第1アーム110の他方端N12と、第2アーム120の一方端N21との間に電気的に接続されている。
第1アーム110は、上記並列回路と一方端N11との間にインダクタンス成分119を有している。インダクタンス成分119は、配線のインダクタンス成分であってよい。第1ゲートドライバ160は、第1アーム110の一方端N11とスイッチング素子111のゲートとの間に接続されている。第1ゲートドライバ160は、第1電圧範囲内の電圧と第2電圧範囲内の電圧とを交互に発生する。詳しい動作は後述するが、第1ゲートドライバ160が第1電圧範囲内の電圧を発生している際に、還流ダイオード116のリカバリ電流が減少することにともなって、インダクタンス成分119に起電力が発生する。これによって、スイッチング素子111が一時的にオンされる。
第2アーム120は、上記並列回路と一方端N21との間にインダクタンス成分129を有している。インダクタンス成分129は、配線のインダクタンス成分であってよい。第2ゲートドライバ170は、第2アーム120の一方端N21とスイッチング素子121のゲートとの間に接続されている。第2ゲートドライバ170は第1電圧範囲内の電圧と第2電圧範囲内の電圧とを交互に発生する。詳しい動作は後述するが、第2ゲートドライバ170が第1電圧範囲内の電圧を発生している際に、還流ダイオード126のリカバリ電流が減少することにともなって、インダクタンス成分129に起電力が発生する。これによって、スイッチング素子121が一時的にオンされる。
図2においては、第1ゲートドライバ160がその等価回路によって模式的に表されている。具体的には、第1ゲートドライバ160は、オン電源161とオフ電源162と、スイッチング素子166と、スイッチング素子167と、ゲート抵抗169とを有している。オン電源161は上記第2電圧範囲内の電圧を発生するものである。オフ電源162は上記第1電圧範囲内の電圧を発生するものである。スイッチング素子166がオン状態とされ、かつスイッチング素子167がオフ状態とされることによって、ゲート抵抗169を介してIGBT111のゲートへ、オン電源161から電圧が供給される。またスイッチング素子166がオフ状態とされ、かつスイッチング素子167がオン状態とされることによって、ゲート抵抗169を介してIGBT111のゲートへ、オフ電源162から電圧が供給される。
同様に、図2においては、第2ゲートドライバ170がその等価回路によって模式的に表されている。具体的には、第2ゲートドライバ170は、オン電源171とオフ電源172と、スイッチング素子176と、スイッチング素子177と、ゲート抵抗179とを有している。オン電源171は上記第2電圧範囲内の電圧を発生するものである。オフ電源172は上記第1電圧範囲内の電圧を発生するものである。スイッチング素子176がオン状態とされ、かつスイッチング素子177がオフ状態とされることによって、ゲート抵抗179を介してIGBT121のゲートへ、オン電源171から電圧が供給される。またスイッチング素子176がオフ状態とされ、かつスイッチング素子177がオン状態とされることによって、ゲート抵抗179を介してIGBT121のゲートへ、オフ電源162から電圧が供給される。
電気機器500(図1)において負荷400が駆動される際に、インバータ装置200において回生が生じる。この回生時とその直後とにおけるインバータ装置200の動作について、回生電流が第2アーム120(図2)に流れる場合を例として、以下に詳しく説明する。
図3は、回生時とその直後とにおける、第2アーム120の一方端N21へ向かってインダクタンス成分129を流れる電流Iと、第2アーム120の一方端N21を基準とする他方端N22の電圧Vとの各々の時間変化を例示するグラフ図である。図4〜図7のそれぞれは、図3の期間T1〜T4における電流の流れを模式的に示す図である。
図4を参照して、期間T1(図3)において、出力端子100Aから、第2アーム120の還流ダイオード126を介して、正電源端子100Pへ、回生電流(図中、矢印参照)が流れている。よって電流Iは、期間T1(図3)に示すように、マイナスの値を有している。また第2アーム120の一方端N21と他方端N22との間は、還流ダイオード126を介してほぼ短絡された状態にある。よって一方端N21を基準とする他方端N22の電圧Vは、おおよそゼロとなっている。なお回生電流が流れる期間である期間T1においては、IGBT111およびIGBT121の各々のゲートには、第1電圧範囲の電圧としてマイナス電圧が印加されている。
図5を参照して、期間T2(図3)において、第1ゲートドライバ160において、スイッチング素子166がオン状態とされスイッチング素子167がオフ状態とされる。これによりIGBT111のゲートに印加される電圧が徐々に上昇する。その結果、IGBT111がオン状態とされる。これにともなって、出力端子100Aからインバータユニット100へ入ってくる電流の一部が、第2アーム120の還流ダイオード126ではなく第1アームのIGBT111を流れ始める。そして第2アーム120を流れる電流に対する第1アームを流れる電流の割合が徐々に増大していく。逆に言えば、第2アームを流れる電流Iが徐々にゼロとなる。これにより回生動作が終了する。この時点で、還流ダイオード126中には少数キャリアが残存している。
図6を参照して、期間T3(図3)において、上記少数キャリアの存在に起因して、還流ダイオード126から、還流ダイオード126にとって逆方向電流であるリカバリ電流が流れる。リカバリ電流は、インダクタンス成分129を経由して第1アーム110のIGBT111へと流れる。よって電流Iは、期間T3(図3)に示すように、プラスの値を有している。
図7を参照して、期間T4(図3)において、還流ダイオード126から流れるリカバリ電流が減少し始める。これにより、矢印DI(図3)に示すように、インダクタンス成分129を流れる電流Iが減少する。この電流変化に起因してインダクタンス成分129に起電力が発生する。この起電力によって、IGBT121のゲート電圧Vgeが、前述した第1電圧範囲内の電圧(図中、電圧−V)から、矢印AR(図8)に示すように増大することによって、しきい値Vthを超えて、前述した第2電圧範囲内に入る。これによりIGBT121がオン状態とされる。その結果、IGBT121を介して正電源端子100Pからインダクタンス成分129へ電流が流れる。これにより、矢印DJ(図8)に示すように、電流Iの減少が止み、電流Iが増大し始める。その結果、IGBT121のゲート電圧Vgeが減少し、前述した第1電圧範囲内に入る。これによりIGBT121がオフ状態に戻る。その結果、電流Iの増大が止み、電流Iは再びゼロへと近づく。
図9は、比較例のインバータの、図3に対応するグラフ図である。本比較例は、図8に示されたようにIGBT121を一時的にオン状態とする機能を有していないインバータの動作を示している。本比較例においては、リカバリ電流の減少にともなって電流Iが減少し始めた際に、上記本実施の形態のように電流Iを強制的に増大させる手段が設けられていない。このため、本実施の形態(図3)に比して本比較例においては、電流Iは、矢印DIvに示すように、ゼロになった後にマイナスの値を取る。それに続いて、電流Iの、顕著な周期的振動が発生する。すなわち電流Iの顕著なリンギングが発生する。電流Iの顕著なリンギングにともなって、電流Iの時間微分と、一のインバータユニット100(図1)およびコンデンサ301(図1)からなる回路ループ全体のインダクタンスとの積に対応した大きな起電力が生じる。これにより電圧Vにも顕著なリンギングが発生する。
本実施の形態によれば、還流ダイオード126のリカバリ電流が減少することにともなって、インダクタンス成分129に起電力が発生する。これによってスイッチング素子121が一時的にオンされる。これにより、第2アーム120を流れる電流の時間微分の大きさが抑制される。よって、リカバリ時のリンギングが緩和される。また、リンギングを抑制するためにコンデンサを付加する従来技術とは異なり、スイッチング速度を大きく低下させることが避けられる。以上から、還流ダイオード126としてリカバリ電流をともなうダイオードが用いられる場合に、スイッチング速度を大きく低下させることなくリンギングを抑制することができる。
還流ダイオードとしてpn接合ダイオードが用いられる場合に発生するリカバリ電流は、比較的大きな電流である。よってその変化にともなって比較的大きな上記起電力を容易に発生させることができる。
変形例として、還流ダイオードとしてpn接合ダイオードに代わってショットキーバリアダイオードを用いることもできる。この場合はインダクタンス成分における起電力が、pn接合ダイオードのリカバリ電流の変化に代わって、ショットキーバリアダイオードの容量電流の変化によって発生する。容量電流はリカバリ電流に比して、より瞬間的に流れる電流である。本変形例によれば、このように瞬間的に流れる電流変化に対応しての、還流ダイオードに並列に接続されたスイッチング素子の一時的なオン動作を、適切なタイミングで行うことができる。本実施の形態だけでなく他の実施の形態においても還流ダイオードとしてショットキーバリアダイオードを用い得る。
なお還流ダイオードに用いられる半導体材料は特に限定されず、例えばSi(シリコン)、SiC(炭化珪素)またはGaN(窒化ガリウム)を用い得る。
比較例として、上述した作用効果を用いる代わりに、ゲート・ドレイン間に、寄生容量に加えてコンデンサが追加されたものを想定する。この方法によってもリンギングは抑制され得る。しかしながら、ゲート・ドレイン間の電荷の放電時間が増加することによって、ターンオン時間が長くなる。よってターンオン損失が増加してしまう。また、ターンオフ時には半導体チップ内で空乏層が広がることによって寄生容量の値が低下するものの、追加されたコンデンサの値にはそのような低下が生じない。このため、ターンオフ時間が長くなる。よってターンオフ損失も増加してしまう。また、トランジスタの入力容量が大きくなることによって、ゲートドライバでの損失も増加してしまう。また、追加されるコンデンサを大きくし過ぎると、半導体装置を帰還増幅回路と見立てた時に、ループゲインが増加してしまうために、装置が発振する可能性が高くなる。
なお本実施の形態においては、IGBT111のしきい値電圧とIGBT121のしきい値電圧とが同じであり、かつIGBT111のスイッチング動作に用いられる電圧とIGBT121のスイッチング動作に用いられる電圧とが同じである場合について説明した。しかしながら、IGBT111のしきい値電圧と、IGBT121のしきい値電圧とは互いに異なっていてもよい。またIGBT111のスイッチング動作に用いられる電圧と、IGBT121のスイッチング動作に用いられる電圧とは互いに異なっていてもよい。
また上記においては、図2における下アームを「第1アーム」と定義し上アームを「第2アーム」と定義して説明したが、図2における上アームを「第1アーム」と定義し下アームを「第2アーム」と定義することも可能である。その場合、第2アームの一方端および他方端は、図2における一方端N11および他方端N12に対応し、第1アームには一方端N11ではなく他方端N12が接続される。
またIGBT111およびIGBT121がnチャネル型である場合について詳しく説明したが、pチャネル型を用いることも可能である。
<実施の形態2>
図10を参照して、本実施の形態においては、第2アーム120(実施の形態1)に代わり第2アーム120vが用いられる。第2アーム120vは、還流ダイオードとしての第1ダイオード126aおよび第2ダイオード126bと、スイッチング素子としてのIGBT121aおよびIGBT121bと、絶縁基板130と、エミッタ側配線層140と、コレクタ側配線層131と、ボンディングワイヤ151aと、ボンディングワイヤ151bと、ボンディングワイヤ156aと、ボンディングワイヤ156bとを有している。
エミッタ側配線層140と、コレクタ側配線層131とは、絶縁基板130上に、互いに離れて配置されている。IGBT121aおよびIGBT121bは、そのコレクタ電極がコレクタ側配線層131に接するように、コレクタ側配線層131上に実装されている。第1ダイオード126aおよび第2ダイオード126bは、そのカソード電極がコレクタ側配線層131に接するように、コレクタ側配線層131上に実装されている。ボンディングワイヤ151aは、IGBT121aのエミッタ電極と第1ダイオード126aのアノード電極とを互いに電気的に接続している。ボンディングワイヤ151bはIGBT121bのエミッタ電極と第2ダイオード126bのカソード電極とを互いに電気的に接続している。
エミッタ側配線層140は、主パターン141と、幅狭パターン142(金属パターン)とを有している。主パターン141と幅狭パターン142とは、互いにつながっている。主パターン141は一方端N21(図2)を構成している。幅狭パターン142には、第1ダイオード126aおよび第2ダイオード126bのそれぞれがボンディングワイヤ156aおよびボンディングワイヤ156bによって電気的に接続されている。よって幅狭パターン142は、第1ダイオード126aおよび第2ダイオード126bの各々と第2アーム120の一方端N21との間をつなぐ電気的経路に含まれる。幅狭パターン142は、第1ダイオード126aと第2ダイオード126bとの間へ幅寸法Wよりも大きな長さ寸法Lで延びている。好ましくは、幅寸法Wは10mm以下である。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、第2アーム120は、第1ダイオード126aおよび第2ダイオード126bの各々と第2アーム120の一方端N21との間をつなぐ電気的経路に含まれる幅狭パターン142を有している。これにより、幅狭パターン142に、第1ダイオード126aおよび第2ダイオード126bの両方のリカバリ電流が流れる。さらに、幅狭パターン142は、幅寸法に比して大きな長さ寸法を有しているので、高いインダクタンスを有することができる。よって、還流ダイオード126のリカバリ電流が減少することにともなってインダクタンス成分129に発生する起電力を大きくすることができる。
なお本実施の形態においてはボンディングワイヤが用いられる場合について説明したが、ボンディングワイヤに代わって他の配線構造が用いられてもよく、たとえばDirect Lead Bonding(DLB)構造が用いられてもよい。また、絶縁基板およびその上に設けられる配線層の構造、すなわち配線基板の構造、は、図10に示されたものに限定されるわけではない。また第2アームだけでなく第1アームも、上記と同様の構成とされてよい。
<実施の形態3>
図11を参照して、本実施の形態においては、第2ゲートドライバ170(図2)に代わり第2ゲートドライバ170vが用いられる。第2ゲートドライバ170vは、第2ゲートドライバ170(図2)の構造に加えてさらに、オフ電源172vおよびスイッチング素子175を有している。第2ゲートドライバ170vにおいては、第2ゲートドライバ170(図2)と異なり、オフ電源172およびオフ電源172vのいずれが使用されるかがスイッチング素子175によって選択可能とされている。
図12を参照して、上記構成により第2ゲートドライバ170vは、前述した第1電圧範囲内の電圧として電圧−V(第1電圧)を発生するオフ期間(第1期間)と、第1電圧範囲内の電圧として電圧−V(第2電圧)を発生する待機期間(第2期間)とを有している。電圧−Vは、電圧−Vと、しきい値電圧Vthを超える電圧範囲との間の電圧である。よって、第2電圧は、第1電圧と、前述した第2電圧範囲との間の値を有していると言える。
待機期間は、還流ダイオード126のリカバリ電流が流れる期間の少なくとも一部を包含するように設定されている。好ましくは、待機期間は、リカバリ期間の開始タイミング(期間T3の開始タイミング)を含むように設定されている。例えば、待機期間は、期間T3と、その前後200ns以内の期間とを包含するように設定されている。なお、図示されているように、期間T2の開始に同期して待機期間が開始されてもよい。
待機期間においては、第2ゲートドライバ170vが生成する電圧自体は、しきい値電圧Vthを超えない電圧−Vである。よって待機期間に入った時点ではIGBT121(図2)はオフ状態にある。その後、矢印DI(図12)に示すように、インダクタンス成分129(図2)を流れる電流Iが減少する。これによりIGBT121(図2)のゲート電圧Vgeが、電圧−Vから、矢印ARv(図12)に示すように、しきい値Vthを超える。その結果、IGBT121がオン状態とされる。その結果、IGBT121を介して正電源端子100P(図2)からインダクタンス成分129へ電流が流れる。これにより、矢印DJ(図12)に示すように、電流Iの減少が止み、電流Iが増大し始める。その結果、IGBT121のゲート電圧Vgeが減少することで、IGBT121がオフ状態に戻る。その結果、電流Iの増大が止み、電流Iは再びゼロへと近づく。一時的にIGBT121がオン状態とされるのに必要なゲート電圧Vgeの変化量(図12における矢印ARv)は、実施の形態1におけるもの(図8における矢印AR)に比して、より小さくてよい。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1または2の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、還流ダイオード126のリカバリ電流が流れる期間の少なくとも一部の間、ゲート電圧がしきい値電圧へより近づけられる待機期間が設定される。これにより、還流ダイオード126のリカバリ電流が減少することにともなってインダクタンス成分129に起電力が発生することによるゲート電圧Vgeの変化量(図12の矢印ARv参照)が小さくても、ゲート電圧Vgeがしきい値電圧Vthをより確実に超えることができる。よってスイッチング素子121(図2)を一時的にオンさせる動作を、より確実に発生させることができる。
一方、オフ期間においては、スイッチング素子をより確実にオフ状態に保つことができる。よって、望ましくない電流がスイッチング素子に流れることが抑制される。
なお上記各実施の形態においてはスイッチング素子としてIGBTが用いられる場合について説明したが、代わりに、ゲートを有する他のスイッチング素子が用いられてもよい。他のスイッチング素子としては、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)素子が用いられてもよい。この場合、IGBTにおけるコレクタおよびエミッタのそれぞれが、MOSFETにおけるドレインおよびソースに対応する。またMOSFET以外の金属絶縁体半導体電界効果トランジスタ(MISFET)素子が用いられもよい。
本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
L 長さ寸法、N11,N21 一方端、N12,N22 他方端、W 幅寸法、100 インバータユニット、100A 出力端子、100N,200N 負電源端子、100P,200P 正電源端子、110 第1アーム、111,121,121a,121b IGBT(スイッチング素子)、166,167,175,176,177 スイッチング素子、116,126 還流ダイオード、119,129 インダクタンス成分、120,120v 第2アーム、126a 第1ダイオード、126b 第2ダイオード、130 絶縁基板、131 コレクタ側配線層、140 エミッタ側配線層、141 主パターン、142 幅狭パターン、151a,151b,156a,156b ボンディングワイヤ、160 第1ゲートドライバ、161,171 オン電源、162,172,172v オフ電源、169,179 ゲート抵抗、170,170v 第2ゲートドライバ(ゲートドライバ)、200 インバータ装置、200U U相出力端子、200V V相出力端子、200W W相出力端子、300 直流電源、301 コンデンサ、400 負荷、500 電気機器。

Claims (8)

  1. 第1アームと、
    一方端および他方端を有し、前記一方端および前記他方端のいずれかが前記第1アームに接続され、ゲートを有し前記ゲートへ第1電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオフされ前記ゲートへ第2電圧範囲内のゲート電圧が印加されることによってオンされる少なくとも1つのスイッチング素子と、前記スイッチング素子に並列に接続された少なくとも1つの還流ダイオードとを有する並列回路を含み、前記並列回路と前記一方端との間にインダクタンス成分を有する第2アームと、
    前記第2アームの前記一方端と前記スイッチング素子の前記ゲートとの間に接続され、前記第1電圧範囲内の電圧と前記第2電圧範囲内の電圧とを交互に発生するゲートドライバと、
    を備え、
    前記ゲートドライバが前記第1電圧範囲内の電圧を発生している際に、前記還流ダイオードのリカバリ電流が減少することにともなって前記インダクタンス成分に起電力が発生することによって、前記スイッチング素子が一時的にオンされる、半導体装置。
  2. 前記少なくとも1つの還流ダイオードは第1ダイオードおよび第2ダイオードを含み、前記第2アームは、前記第1ダイオードおよび前記第2ダイオードの各々と前記第2アームの前記一方端との間をつなぐ電気的経路に含まれる金属パターンを有し、前記金属パターンは、前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの間へ幅寸法よりも大きな長さ寸法で延びている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ゲートドライバは前記第1電圧範囲内の電圧として第1電圧を発生する第1期間と前記第1電圧範囲内の電圧として第2電圧を発生する第2期間とを有し、前記第2電圧は前記第1電圧と前記第2電圧範囲との間の値を有し、前記第2期間は、前記還流ダイオードのリカバリ電流が流れる期間の少なくとも一部を包含するように設定されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記スイッチング素子は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ素子および金属酸化物半導体電界効果トランジスタ素子の少なくともいずれかを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体装置は電力変換装置である、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体装置は、交流出力を発生するためのインバータ装置であって、
    前記半導体装置は、前記交流出力のための、前記第1アームと前記第2アームとの間に電気的に接続された出力端子をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記還流ダイオードはpn接合ダイオードである、請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記還流ダイオードはショットキーバリアダイオードである、請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置。
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