JP2009031989A - サーボ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータ位置検出器を用いずに負荷位置検出器のみで安定且つゲインを大きく設定することができるようにする。
【解決手段】 負荷位置検出器と負荷位置検出値を用いて負荷加速度と躍度を演算する微分器と、それぞれにゲインを乗じて補償信号を算出する補償器と補償器の出力をトルク指令値に加算する加算器を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械の負荷位置の検出値に基づいて位置を制御するサーボ制御装置に関する。
従来のサーボ制御装置は、負荷位置検出器とは別にモータ位置検出器を備え、モータ位置検出器で検出されたモータ位置を微分してモータ速度を算出し、速度フィードバックに使用して制御器を構成している(例えば、特許文献1参照)。
図5は、従来のサーボ制御装置のブロック図である。図5において、位置偏差算出部101で位置指令Pcと負荷位置検出器(従来例ではリニアスケールを表す)110で検出したテーブルの位置検出値Plの偏差を算出する。微分器113は前記モータ109に取り付けられた位置検出器108のモータの位置検出値Pmよりモータの速度検出値Vmを求める。微分器114は負荷位置検出器110の位置検出値Plより負荷(従来例ではテーブルを表す)111の速度検出値Vlを求める。微分器117が位置指令Pcを微分し速度フィードフォワード指令Vffとして出力する。減算器118と演算器119は全体として速度指令補償器を構成している。減算器118はリニアスケールから検出したテーブルの速度検出値Vlと前記速度フィードフォワード指令Vffの偏差を算出し、該偏差を演算器119に入力する。減算器118は、負荷位置検出器(リニアスケール)110から検出した負荷の速度検出値Vlと前記速度フィードフォワード指令Vffの偏差を求める。該偏差に基づき演算器119は速度指令補償値Vcpを出力する。
位置指令Pcとリニアスケール110で検出した位置検出値Plの位置偏差を減算器101にて求め、前記位置偏差に位置ループゲインKpを乗算した位置フィードバック指令Vfbと前記速度フィードフォワード指令Vffを加算器122が加算し速度指令Vcを出力する。該速度指令Vcとモータの速度検出値Vmの偏差を減算器103で求め速度偏差Vdifとして出力する。該速度偏差Vdifと前記速度指令補償値Vcpを加算器120で加算し、加算した結果と比例ゲインPvに基づいて速度偏差比例演算器104が速度偏差比例成分を求める。前記速度偏差Vdifと積分ゲインIvに基づいて速度偏差積分演算器105が速度偏差積分成分を求める。加算器106が前記速度偏差比例成分と前記速度偏差積分成分を加算しトルク指令Tcを出力する。
演算器119は、減算器118で算出されたリニアスケールから検出したテーブルの速度検出値Vlと前記速度フィードフォワード指令Vffの偏差を入力し、係数βを乗じた後ローパスフィルタの処理を施すものである。
また、図5中の微分器121は、速度フィードフォワードVffを2回微分し加加速度指令αを出力する。
係数βは0≦β≦kの範囲で任意の固定値あるいは、図5中の微分器121が出力する加加速度指令αまたは位置偏差Pdifにより可変できる値である。加加速度指令αまたは位置偏差Pdifが小さいとき前記係数βの値は小さく、加加速度指令αまたは位置偏差Pdifが大きいとき前記係数βの値は大きくなる。
また、この実施の形態においては、従来の技術に対して速度ループのフィードバック値
としてテーブルの速度Vlを用いていない。即ち、速度ループに関してはモータの速度検出値Vmをフィードバックするのみであるため、セミクローズ制御と同等な速度ループゲインが設定できた。
このように、従来のサーボ制御装置は、負荷位置検出器とは別にモータ位置検出器を備え、モータ位置検出器で検出されたモータ位置を微分してモータ速度Vmを算出し、速度フィードバックに使用することでセミクローズ制御と同等な速度ループゲインを設定するのである。
特開2005−085074号公報(第5−7頁、図1)
従来のサーボ制御装置は、負荷位置検出器とは別にモータ位置検出器を備え、モータ位置検出器で検出されたモータ位置を微分してモータ速度Vmを算出し、速度フィードバックに使用することでセミクローズ制御と同等な速度ループゲインを設定できるようになっていて、負荷位置検出器のみでは制御することができなくモータ位置検出器を必要とするため、位置検出器が2つ必要になるという問題があった。また、モータ位置検出器を無くす目的で、この制御でモータ速度の変わりに負荷速度を使用すると、システムのゲインを大きく設定できなかったり、不安定になって発振するという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、負荷の加速度と躍度を算出しそれぞれにゲインを乗じてトルク指令に加算することで、モータ位置検出器は必要とせずに負荷位置検出器のみで、安定に且つゲインを大きく設定できるサーボ制御装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、モータと、モータに接続された駆動力伝達機構を介して駆動される負荷と、負荷の位置を検出する検出器とを備えた機械の位置を前記負荷位置の検出値に基づいて制御するサーボ制御装置において、前記負荷位置の検出値を微分し速度を算出する第1の微分演算器と、前記速度を微分し加速度を算出する第2の微分演算器と、前記加速度を微分し躍度を算出する第3の微分演算器と、前記加速度にゲインを乗じ補償信号1を出力する補償器1と、前記躍度にゲインを乗じ補償信号2を出力する補償器2と、前記補償信号1と補償信号2とをトルク指令に加算する加算器を備えることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、モータと、モータに接続された駆動力伝達機構を介して駆動される負荷と、負荷の位置を検出する検出器とを備えた機械の位置を前記負荷位置の検出値に基づいて制御するサーボ制御装置において、負荷の加速度を検出する加速度検出器と、前記加速度を微分し躍度を算出する微分演算器と、前記加速度にゲインを乗じ補償信号1を出力する補償器1と、前記躍度にゲインを乗じ補償信号2を出力する補償器2と、前記補償信号1と補償信号2とをトルク指令に加算する加算器を備えることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、モータと、モータに接続された駆動力伝達機構を介して駆動される負荷と、負荷の位置を検出する検出器とを備えた機械の位置を前記負荷位置の検出値に基づいて制御するサーボ制御装置において、前記負荷位置の検出値およびトルク指令値より加速度を推定するオブザーバと、前記加速度を微分し躍度を算出する微分演算器と、前記加速度にゲインを乗じ補償信号1を出力する補償器1と、前記躍度にゲインを乗じ補償信号2を出力する補償器2と、前記補償信号1と補償信号2とをトルク指令に加算する加算器を備えることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のサーボ制御装置において、前記補償器1および前記補償器2ではゲインを乗じた後、フィルタ処理することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のサーボ制御装置において、前記オブザーバは、負荷位置、負荷速度、負荷加速度、および負荷躍度を、推定する状態量とする4次のオブザーバであることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によると、モータの位置や速度の検出器を必要とせずに、負荷位置の検出値のみで制御系を安定にすることができ、結果的にフィードバックゲインを大きく設定することができ、応答性や外乱抑圧特性を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明によると、加速度センサを付加することで、ノイズ成分の少ない加速度や躍度を得ることができ、動作中の振動や音を小さくすることができる。
また、請求項3および5に記載の発明によると、オブザーバにより加速度を推定することで、加速度センサを必要とせずに、且つ、ノイズ成分の少ない加速度や躍度を得ることができ、動作中の振動や音を小さくすることができる。
また、請求項4に記載の発明によると、補償器内でゲインを乗じると共にフィルタ処理を行うことで、ノイズ成分の少ない加速度や躍度を得ることができ、動作中の振動や音を小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
実際のサーボ制御装置には様々な機能や手段が内蔵されているが、図には本発明に関係する機能や手段のみを記載し説明することとする。また、以下同一名称には極力同一符号を付け重複説明を省略する。
図1は、本発明の第1実施例を示すサーボ制御装置のブロック図である。図において、1はモータ、2は駆動力伝達機構、3は負荷、4は負荷位置検出器、5は制御演算部、6、7、および8は微分演算器、9および10は補償器、11は加算器である。
負荷3は、駆動力伝達機構2を介してモータ1に接続されている。本実施例では、駆動力伝達機構2はボールネジを表し、負荷3は直動テーブルを表すものとする。負荷位置検出器4は、負荷の位置を検出する。制御演算部5は、位置指令refおよび負荷位置検出器の出力である負荷位置検出値x_loadに基づいて制御演算を行いトルク指令p_trefを出力する。微分演算器6は、負荷位置検出値を微分して負荷速度v_loadを算出する。デジタル制御の場合、差分近似を用いて微分を行えば良い。微分演算器7は、負荷速度v_loadを微分して負荷加速度accを算出し、微分演算器8は、負荷加速度accを微分して負荷躍度jerkを算出する。補償器9は、負荷加速度acc にゲインGa を乗じて補償トルクcomp1を算出し、補償器10は、負荷躍度jerkにゲインGjを乗じて補償トルクcomp2を算出する。加算器11は、制御演算器5の出力p_trefに補償トルクcomp1およびcomp2を加算し最終的なトルク指令値trefを算出する。
本発明が従来技術と異なる部分は、 モータに位置検出器が付加されておらず、モータ位置を微分した速度フィードバックの替わりに負荷位置を微分した速度フィードバックを行っている点、ならびに、負荷加速度accおよび負荷の躍度jerkを算出し、ゲインを乗じてフィードバックしている点である。
以下、各要素の詳細を数式を用いて説明する。
図4は、本発明における制御演算器の詳細を説明する図である。図4において、Kpは位置ループ比例ゲインを表し、Kvは速度ループ比例ゲイン、Kiは速度ループ積分ゲインを表す。制御演算器内部はどのような制御を行っても良いが、本実施例では、位置比例、速度比例積分制御を行っている。また、制御演算器内部ではフィードフォワード制御を行うこともできる。図中Jnはノミナルイナーシャ値を表すものとする。
したがって、p_trefは式(1)のように算出される。

ここでsはラプラス演算子を表すものとする。
また、負荷位置x_loadから負荷速度v_load、負荷加速度acc、負荷躍度jerkは、以下の式(2)および式(3)のように計算する。

ここで、Tsは制御演算周期を表し、kを整数とし、x_load(k)は今回(k番目)のx_loadの値、x_load(k-1)は1回前のx_loadの値を表すものとする。
補償器19および補償器210の内部では式(4)のようにゲインGaおよびゲインGjの乗算を行う。
ここで、算出された負荷加速度accおよび負荷躍度jerkが差分近似による微分の影響でノイズ成分が多い場合などは、補償器1および補償器2内部でゲインを乗じると共にフィルタ処理を行ってもよい。
この場合補償トルクcomp1およびcomp2は式(5)のように演算される。
ここでTf1とTf2はローパスフィルタの次定数を表しており、その値はトルクの波形がきれいになるか、あるいは動作中の音が小さくなるように適当に調整すれば良い。
最後に式(6)のように、算出されたp_trefおよびcomp1およびcomp2を加算器11で加算し最終的なトルク指令trefを算出する。

以上が実施例1の処理内容である。
このように、検出された負荷位置を微分して加速度と躍度を算出し、それぞれにゲインを乗じてトルク指令にフィードバックすることで、システムの全状態量をフィードバックすることができ、結果的に、システム全体を安定に制御することが可能になる。そして、結果的にフィードバックゲインを大きく設定することができ、応答性や外乱抑圧特性を向上させることができる。
図2は、本発明の第2実施例を示すサーボ制御装置のブロック図である。12は加速度検出器である。加速度検出器12は、負荷3の負荷加速度accを検出する。
本実施例が第1実施例と異なる点は検出された負荷位置x_loadを2回微分して負荷加速度accを算出する替わりに、加速度検出器12を付加し、直接、負荷加速度accを検出するところである。
このように加速度検出器12で検出された負荷加速度accを実施例1のacc(k)として使用すればよいのである。
このように負荷加速度accを直接検出できるため、負荷位置検出値を2回微分することによるノイズの増大を無くすことができ、動作中の振動(トルクや速度のリップル)や音を小さくすることができる。
図3は、本発明の第3実施例を示すサーボ制御装置のブロック図である。13はオブザーバである。オブザーバ13は、負荷位置x_loadとトルク指令値trefから負荷加速度accを推定する。
本実施例が第1実施例と異なる点は検出された負荷位置を2回微分して負荷加速度accを算出する替わりに、オブザーバ13を付加し、負荷位置x_loadとトルク指令値trefから負荷加速度accを推定するところである。
ここで、使用するオブザーバは負荷の加速度を推定するものならどのようなものでも良いが、例えば式(7)に示すようなオブザーバを使用すればよい。

x:負荷位置(=x_load)、K:ばね定数、J1:一次側イナーシャ、J2:二次側イナーシャ、L1〜L4:オブザーバゲイン
このようにオブザーバで推定された負荷加速度accを実施例1のacc(k)として使用すればよいのである。
本実施例では、負荷加速度をオブザーバにより推定するため、負荷位置検出値を2回微分することによるノイズの増大を無くすことができ、動作中の振動(トルクや速度のリップル)や音を小さくすることができる。
本発明の第1実施例を示すサーボ制御装置のブロック図 本発明の第2実施例を示すサーボ制御装置のブロック図 本発明の第3実施例を示すサーボ制御装置のブロック図 本発明における制御演算器の詳細を説明する図 従来のサーボ制御装置のブロック図
符号の説明
1 モータ
2 駆動力伝達機構
3 負荷
4 負荷位置検出器
5 制御演算器
6、7、8 微分演算器
9 補償器1
10 補償器2
11 加算器
12 加速度検出器
13 オブザーバ
101 位置偏差算出部
102 速度指令演算部
103 速度偏差演算部
104 速度偏差比例演算器
105 速度偏差積分演算器
106 加算器
108 位置検出器
109 モータ
110 リニアスケール
111 テーブル
113、114、117 微分器
118 減算器
119 演算器
120 加算器
121、122 微分器

Claims (5)

  1. モータと、モータに接続された駆動力伝達機構を介して駆動される負荷と、負荷の位置を検出する検出器とを備えた機械の位置を前記負荷位置の検出値に基づいて制御しトルク指令を出力するサーボ制御装置において、
    前記負荷位置の検出値を微分し速度を算出する第1の微分演算器と、
    前記速度を微分し加速度を算出する第2の微分演算器と、
    前記加速度を微分し躍度を算出する第3の微分演算器と、
    前記加速度にゲインを乗じ補償信号1を出力する補償器1と、
    前記躍度にゲインを乗じ補償信号2を出力する補償器2と、
    前記補償信号1と補償信号2とをトルク指令に加算する加算器を備えることを特徴とするサーボ制御装置。
  2. モータと、モータに接続された駆動力伝達機構を介して駆動される負荷と、負荷の位置を検出する検出器とを備えた機械の位置を前記負荷位置の検出値に基づいて制御しトルク指令を出力するサーボ制御装置において、
    負荷の加速度を検出する加速度検出器と、
    前記加速度を微分し躍度を算出する微分演算器と、
    前記加速度にゲインを乗じ補償信号1を出力する補償器1と、
    前記躍度にゲインを乗じ補償信号2を出力する補償器2と、
    前記補償信号1と補償信号2とをトルク指令に加算する加算器を備えることを特徴とするサーボ制御装置。
  3. モータと、モータに接続された駆動力伝達機構を介して駆動される負荷と、負荷の位置を検出する検出器とを備えた機械の位置を前記負荷位置の検出値に基づいて制御しトルク指令を出力するサーボ制御装置において、
    前記負荷位置の検出値およびトルク指令値より加速度を推定するオブザーバと、
    前記加速度を微分し躍度を算出する微分演算器と、
    前記加速度にゲインを乗じ補償信号1を出力する補償器1と、
    前記躍度にゲインを乗じ補償信号2を出力する補償器2と、
    前記補償信号1と補償信号2とをトルク指令に加算する加算器を備えることを特徴とするサーボ制御装置。
  4. 前記補償器1および前記補償器2ではゲインを乗じた後、フィルタ処理することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のサーボ制御装置。
  5. 前記オブザーバは、負荷位置、負荷速度、負荷加速度、および負荷躍度を、推定する状態量とする4次のオブザーバであることを特徴とする請求項3に記載のサーボ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107368078A (zh) * 2017-08-29 2017-11-21 华南理工大学 一种基于加速度传感器反馈的跟踪控制装置及方法
CN113405572A (zh) * 2020-03-16 2021-09-17 半导体元件工业有限责任公司 传播延迟补偿电路以及计算传播延迟补偿的方法

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