JP2009030236A - 温水洗浄便座の空焚き防止装置 - Google Patents

温水洗浄便座の空焚き防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温水洗浄便座は、温水タンクに供給された水道水をヒータによって加温し所定温
度範囲に保つように温度制御部によって温度制御しているが、清掃やメンテナンス等を行
なう場合、温水洗浄便座を水洗便器に取り外してトイレの床等に横倒し状態に置いた場合
には、温水タンク内が空の状態であっても、水位制御用のフロートが移動して満水状態と
同様の状態となり、制御部によってシーズヒータが通電状態となって、温水タンク内が空
焚き状態となり、温度ヒューズが溶断し温水タンクの交換が必要となる。本発明は温度ヒ
ューズが溶断する前にシーズヒータの通電が遮断するようにして、空焚きを検知するもの
である。
【解決手段】ヒータの通電をON−OFFするために温水タンク内の水温を検知する温度
検知部が、温水タンク内の空気温度を検出したときの温度上昇が水温を検出したときの温
度上昇と異なることに基づき、温水タンク内の空焚き状態を判定してシーズヒータの通電
をOFF状態とする制御をすること。
【選択図】図9

Description

本発明は、温水洗浄便座の空焚きを防止する技術に関する。
温水洗浄便座用の温水を溜めるためにヒータを内蔵した温水タンクを備え、この温水タ
ンクは、水道水が電磁弁と減圧弁を通って供給され、温水タンク内の温水を洗浄ノズルか
ら噴射して、肛門やビデ等の局部洗浄用として使用することは周知である。(例えば、特
許文献1参照)。
特開2001−98615号公報
このような温水タンクは、一般的に、供給された水道水をヒータによって加温し、所定
温度範囲に保つように温度制御部によって温度制御しているが、この場合、温水洗浄便座
を水洗便器に設置した状態から取り外して、温水洗浄便座の清掃やメンテナンス等を行な
う場合、電源が供給された状態で温水洗浄便座を水洗便器から取り外してトイレの床等に
横倒し状態に置いた場合には、温水タンク内が空の状態であっても、水位制御用のフロー
トが移動して満水状態と同様の状態となり、制御部によってシーズヒータが通電状態とな
って、温水タンク内が空焚き状態となり、温度ヒューズが溶断してシーズヒータの通電が
遮断する。このようになれば、温水タンクの交換が必要となる。
本発明はこのような点に鑑み、温水タンク内の水温検知部による温度検知によって、温
水タンク内が空焚き状態か、水が供給されている状態かを判定して、温度ヒューズが溶断
する前にシーズヒータの通電が遮断するようにして、上記のような温水タンクの交換を避
けるようにするものである。
第1発明は、水道水配管に接続された導水管を介して供給される水道水をシーズヒータ
によって加熱する温水タンクと、前記シーズヒータの通電をON−OFFするために前記
温水タンク内の水温を検知する温度検知部を備えた温水洗浄便座において、前記温度検知
部が前記温水タンク内の空気温度を検出したときの温度上昇が、前記温水タンク内の水温
を検出したときの温度上昇と異なることに基づき、温水タンク内の空焚き状態を判定して
前記シーズヒータの通電をOFF状態とする制御部を備えたことを特徴とする空焚き防止
装置である。
第2発明は、水道水配管に接続された導水管を介して供給される水道水をシーズヒータ
によって加熱する温水タンクと、前記シーズヒータの通電をON−OFFするために前記
温水タンク内の水温を検知する温度検知部と、前記温水タンク内の水位に応じて電磁弁を
開閉して前記水道水の供給を制御するためのフロートスイッチを備え、前記温水タンク内
の水位が上昇した所定水位において前記シーズヒータの通電回路が形成される温水洗浄便
座において、前記温水タンク内が空の状態にも拘わらず前記フロートスイッチが前記所定
水位検出状態にあるとき、前記温度検知部が前記温水タンク内の空気温度を検出したとき
の温度上昇に基づく制御部による空焚き状態の判定によって、前記シーズヒータの通電を
OFF状態とすることを特徴とする空焚き防止装置である。
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記温水タンク内が空焚きのときの異
常温度によって前記シーズヒータの通電回路を遮断する温度ヒューズを備え、この温度ヒ
ューズが溶断する前に、前記制御部による空焚き状態の判定にて前記シーズヒータの通電
をOFF状態とすることを特徴とする空焚き防止装置である。
第4発明は、第2発明または第3発明において、前記フロートスイッチが前記所定水位
検出状態になったときから最初に前記温度検知部の下限設定温度T2以上になった後、ま
たは前記温度検知部の上限設定温度T3から下降する間、または洗浄ノズルによる洗浄時
、または便座に着座(腰掛け状態)したことを着座検出スイッチが検出した状態では、前
記空焚き状態の判定は行わないことを特徴とする空焚き防止装置である。
第1発明は、温度検知部が温水タンク内の空気温度を検出したときの温度上昇が、温水
タンク内の水温を検出したときの温度上昇よりもかなり小さいので、温水タンク内が空か
否かの判定が正確に行えるようになる。そして、温度検知部は、温水タンク内の水温を所
定温度に維持するための温度検知部であるため、空焚き温度検出部を別個に設ける必要が
なく、コストアップを抑制できる。
第2発明は、温水タンク内の水位に応じて電磁弁を開閉して前記水道水の供給を制御す
るためのフロートスイッチを備えた温水洗浄便座において、洗浄ノズルによる洗浄作用を
行わない状態、即ち、単に便座としてまたはコードヒータのONによる加温便座として使
用する場合や、フロートスイッチのフロートが供給水に含まれる炭酸カルシウム等の物質
によってフロートスイッチが動作状態となる場合において、温水タンク内が空の状態にも
拘わらずフロートスイッチが所定水位検出状態と同様の状態になっても、温度検知部が検
出する温水タンク内の空気温度上昇に基づき空焚き状態と判定できるため、洗浄ノズルに
よる洗浄作用を行わない状態にしたときの空焚き防止と、フロートスイッチが動作状態に
停止したときの空焚き防止のいずれも行なえる。そして、温水タンク内の水温を所定温度
に維持するための温度検知部の検知に基づき、この空焚き防止機能が達成できるため、空
焚き温度検出部を別個に設ける必要がなく、コストアップを抑制できるものとなる。
第3発明は、第1発明または第2発明の効果に加えて、異常温度に上昇したときシーズ
ヒータの通電を遮断する温度ヒューズを設けたものにおいて、温水タンク内の水温検知部
による温度検知によって、温水タンク内が空焚き状態か、水が供給されている状態かを判
定して、温度ヒューズが溶断する前にシーズヒータの通電が遮断することができるため、
温度ヒューズが溶断した場合に行われている温水タンクの交換を避けることができる。
第4発明は、第2発明または第3発明の効果に加えて、温度勾配が逆(温度が下がる方
向)になったときの判定ミスを防ぐことができるため的確な判定ができ、また、便座に着
座(腰掛け状態)したことを着座検出スイッチが検出した状態では、温水洗浄便座が水洗
便器に設置した正規の状態であるため、空焚き状態の判定は必要なく、無駄な判定モード
を作る必要もない。
本発明に係る温水洗浄便座の空焚き防止装置は、水道水配管に接続された導水管を介し
て供給される水道水をシーズヒータによって加熱する温水タンクと、前記シーズヒータの
通電をON−OFFするために前記温水タンク内の水温を検知する温度検知部を備えた温
水洗浄便座において、前記温度検知部が前記温水タンク内の空気温度を検出したときの温
度上昇が、前記温水タンク内の水温を検出したときの温度上昇と異なることに基づき、温
水タンク内の空焚き状態を判定して前記シーズヒータの通電をOFF状態とする制御部を
備えたものであり、本発明の実施例を以下に記載する。
本発明の実施形態について説明する。図1は本発明に係る温水洗浄便座の蓋が閉まった
状態の斜視図、図2は本発明に係る温水洗浄便座の蓋を取り外した状態の斜視図、図3は
本発明に係る温水洗浄便座の蓋と機能部分のカバーを取り外した状態の斜視図、図4は本
発明に係る温水洗浄便座の機能部分のカバーを取り外した状態の平面図、図5は本発明に
係る温水洗浄便座用の温水タンクの背面斜視図、図6は本発明に係る温水洗浄便座用の温
水タンクの縦断面図、図7は本発明に係る温水洗浄便座用の温水タンクの通常状態の水温
変化図、図8は本発明に係る温水洗浄便座用の洗浄時の温水タンクの水温変化図、図9は
本発明に係る温水洗浄便座用の空焚き状態での温水タンクの水温変化図、図10は本発明
に係る温水洗浄便座用の制御部の構成を示す図である。
図において、1は本発明の温水洗浄便座を示しており、水洗便器の上部開口周縁部に載
置されるように設置され絶縁被覆されたコードヒータCHによって裏側から加温される便
座2と、便座2の上面を覆う開閉蓋3と、便座2及び開閉蓋3の後方に位置して後述の機
能部10を配置すると共に便座2及び開閉蓋3を開閉回動可能に支持する基材部8を備え
ている。基材部8には、便座2の後部下側へ延びる肛門洗浄用ノズル4Aやビデ洗浄用ノ
ズル4Bや温水タンク5や電装部6等の機能部10が配設され、この機能部10を覆うよ
うにカバー7が基材部8に着脱自在に取り付けられ、カバー7の一部がパネル7Aになっ
ている。蓋3の後端部の駆動側(図では右側)は、基材部8に支持部材を介して取り付け
た電動機装置9によって往復回転する回転軸11に取り付けられて、蓋3が上方に開き便
座2上に閉じるように開閉回動可能である。また、便座2の後端部の駆動側(図では左側
)は、基材部8に取り付けた電動機装置12によって往復回転する回転軸13に取り付け
られている。また、便座2の後端部の従動側(図では右側)は、便座2の後端部から水平
方向に外向きに突出した円筒状軸部24が一体に形成され、この円筒状軸部24が後述の
タクトスイッチ28作動部として作用する。このため、電動機装置12によって、便座2
が便器上で上方に開き便器上に閉じるように開閉回動可能である。
温水タンク5へ供給される水道水は、パイプジョイント装置14によって水道水配管に
接続された導水管19に取り付けた電磁弁MVと減圧弁を順次通って、温水タンク5内の
底部へ供給される。15は温風用電気ヒータOHを内蔵した温風供給装置であり、基材部
8に取り付けられていて、便座2の後部下側へ延びる温風ノズル15Aから温風を供給す
る。前記電磁弁MVと減圧弁は、基材部8に取り付けられている。
温水タンク5は、下面開口の上タンク部5Aと上面開口の下タンク部5Bとが、それぞ
れ上タンク部5Aの下面開口周縁部5A1と下タンク部5Bの上面開口周縁部5B1が、
接合面Pにて接合されて一体化される構成である。この接合は、下面開口周縁部5A1と
上面開口周縁部5B1を接着剤によって接合するものと、下面開口周縁部5A1と上面開
口周縁部5B1を溶着にて接合するものとがあり、後者の場合は、高周波溶着等の手段が
ある。
上タンク部5Aの下面開口と下タンク部5Bの上面開口は、同形状をなしているが、下
タンク部5Bの下部は上部に比して小容積に絞られて、シーズヒータ16が水平方向に配
設される加温室5Cを形成している。パイプジョイント装置14から前記電磁弁MVと減
圧弁を通って供給される水は、加温室5Cの底に貫通した導水管19から加温室5C内に
設けたバッフル板20に向けて供給されが、この小容積加温室5Cによって温水タンク5
内の水は速やかに加熱され、対流によって温水タンク5内の全体の水が速やかに加熱され
る。修理等の際の温水タンク5内の水の排水は、排水パイプHPの先端の栓HSを開ける
ことにより達成でききる。
シーズヒータ16は、金属製取り付け基板17によって加温室5Cの側面に取り付けら
れ、その端子部16Aが加温室5C外に位置する。この端子部16Aは、加温室5Cの上
部が下タンク部5Bの上面開口周縁部5B1に向かって広がることによって形成される庇
部5B2によって上方が覆われ、この庇部5B2の下側空間で外部リード線と接続して、
この部分を保護している。
温水タンク5は、その内面に断熱材18の層を形成している。下面開口の上タンク部5
Aと上面開口の下タンク部5Bを型でもって合成樹脂を所定形状に成形した後、上タンク
部5Aの内面に合成樹脂の断熱材18Aの層を形成し、また下タンク部5Bの内面に合成
樹脂の断熱材18Bの層を形成する。この断熱材18A、18Bの層を形成した後、下面
開口周縁部5A1と上面開口周縁部5B1を接合して一体化する。
上タンク部5Aと下タンク部5Bは、燃えないようにABS等の不燃性の合成樹脂を採
用している。断熱材18A、18Bは、タンク内部に配設されるため、燃えることはない
ので、断熱効果が良好で、しかも耐水性であって成形し易いものとして、発泡ポリウレタ
ン樹脂等の多孔質材、または他の熱伝導性の低い材料、或いはポリエチレン系の弾力性皮
膜等が用いられる。上記のようにして形成された断熱材18A、18B、及び18の厚さ
は、比較的薄く、3mm〜4mmであれば良好な断熱効果が得られる。
温水タンク5は、その上壁に、温水タンク5内の水位の上方空間の空気温度が通常温度
よりもかなり高い所定温度(異常温度という)に上昇したとき、シーズヒータ16の通電
をOFF状態とする温度検知部21と、温水タンク5内の水位を検知して導水管19に取
り付けた前記電磁弁MVをON−OFF制御するフロートスイッチ22と、温水タンク5
内の水のオーバーフロー用パイプの取り付け部23が設けられている。また、温水タンク
5には、温水タンク5内の水温を検知してシーズヒータ16の通電をON−OFFするた
めの温度検知部24を備えている。また、シーズヒータ16の通電回路に直列に接続され
た温度ヒューズ26が、金属製取り付け基板17に取り付けられており、温水タンク5内
が空焚きになったときのシーズヒータ16の上昇した異常温度(例えば90℃)を、金属
製取り付け基板17を介して温度ヒューズ26が検知し、シーズヒータ16の通電回路を
遮断するように動作する。
洗浄用ノズル4Aと4Bは、内蔵したコイルバネによって後退した状態を保っており、
リモートコントロール盤RCBのスイッチ操作に基づき、導水管19に取り付けた前記電
磁弁MVが開き、それによって温水タンク5内にかかる水道水圧によって、選択された洗
浄用ノズル4Aまたは4Bの一方が前方へ突出する仕組みである。
電装部6は、温度検知部24の検知に基づきシーズヒータ16の通電をON−OFFす
る制御と、フロートスイッチ22によって前記電磁弁MVを開閉する制御と、リモートコ
ントロール盤RCBのスイッチ操作に基づき便座2と蓋3を開閉するための電動機装置9
と電動機装置12をON−OFFする制御と、前記リモートコントロール盤RCBのスイ
ッチ操作に基づき温水タンク5内の水温を変える制御と、前記リモートコントロール盤R
CBのスイッチ操作に基づき洗浄用ノズル4Aまたは4Bから噴射する水勢を可変するよ
うに流量調整機構用電動機25を作動させる制御と、前記リモートコントロール盤RCB
のスイッチ操作に基づき、洗浄用ノズル4Aまたは4Bのいずれかによる洗浄状態とする
ために、導水管19に取り付けた前記電磁弁MVを開いて水道水圧によってまたは電動機
装置によって洗浄用ノズル4Aまたは4Bのいずれかを前方へ進出させる制御と、前記リ
モートコントロール盤RCBのスイッチ操作に基づき洗浄用ノズル4Aまたは4Bのいず
れから温水を噴射するかの制御と、前記リモートコントロール盤RCBのスイッチ操作に
基づき温風供給装置15をON−OFFする制御と、温度検知部21の検知に基づきシー
ズヒータ16の通電をOFF状態とする制御と、便座2に人が着座したことを検知して洗
浄用ノズル4Aまたは4Bによる洗浄可能状態とする制御と、リモートコントロール盤R
CBのスイッチ操作に基づき便座2の裏側に配置したコードヒータCHのON−OFF制
御等を行う制御部30が設けられている。制御部30は、マイクロコンピュータ制御方式
であり、これらの制御と後述の空焚き判定制御は、予め設定したプログラムに基づき制御
されるものである。
温度検知部24は、その一つとして、温水タンク5内の温度の上昇に応じて電気抵抗が
増加するサーミスタであり、温水タンク5内の水温を検知して電装部6の制御部30の動
作によって、下限設定温度T2と上限設定温度T3の作動温度に応じてシーズヒータ16
の通電回路をON−OFF制御することにより、温水タンク5内の水温を所定温度に維持
するものである。
温度検知部21は、その一つとして、温水タンク5内の空気温度の上昇に応じて電気抵
抗が増加するサーミスタであり、または、温水タンク5内の空気温度を検知してシーズヒ
ータ16の通電回路をOFFする接点を有するバイメタル式サーモスタットである。この
ため、例えば、温水タンク5内の空気温度が50℃に上昇したとき、サーミスタの場合は
、それを感知して電装部6の制御部30の動作によってシーズヒータ16の通電回路をO
FFし、また、バイメタル式サーモスタットの場合は、この50℃に上昇したことを感知
して接点が開いて、シーズヒータ16の通電回路をOFFする安全装置である。
フロートスイッチ22は、温水タンク5内に上下に延びたガイド棒22Cと、ガイド棒
22Cの上限ストッパ22C1と下限ストッパ22C2間を温水タンク5内の水位に応じ
て上下動するようにガイド棒22Cに支持したフロート22Aと、ガイド棒22Cの上部
位置に設けたリードスイッチ22Bで構成され、フロート22Aが温水タンク5内の水位
に応じて上下動することにより、フロート22Aに設けた磁石Mgがリードスイッチ22
BをON−OFF作動する構成である。フロートスイッチ22のON(またはOFF)に
て、即ち、ロート22Aの上限水位位置にて磁石Mgによってリードスイッチ22BがO
N(またはOFF)することによって、導水管19に取り付けた前記電磁弁MVを閉じ、
フロート22Aが下降して磁石Mgがリードスイッチ22Bから離れたとき、導水管19
に取り付けた前記電磁弁MVを開くように制御して、温水タンク5内に所定量の水が供給
されるようにする。
温水タンク5内の水温を任意温度に設定する操作は、前記リモートコントロール盤RC
Bのスイッチ操作に基づき行なわれる。温度検知部24は、その一つとして、温度上昇に
応じて電気抵抗が増加するサーミスタであり、前記リモートコントロール盤RCBのスイ
ッチ操作に基づき設定された温水タンク5内の水温T℃を維持するように、このサーミス
タ24の水温検知に基づき電装部6の制御部30の動作によって、シーズヒータ16の通
電回路をON−OFF制御する。この場合、この設定された水温T℃に対して、1〜2℃
高い上限設定温度(図7に示すようにT3)を検出したとき電装部6の制御部の動作によ
って、シーズヒータ16の通電回路をOFFし、1〜2℃低い下限設定温度(図7に示す
ようにT2)を検出したとき電装部6の制御部30の動作によって、シーズヒータ16の
通電回路をONすることによって、その平均温度として設定された水温T℃を得る制御で
ある。これらの制御は、電装部6の制御部30の動作によって行なわれる。
温水洗浄便座1を水洗便器に設置した当初から温水タンク5内の水を加熱する初期加熱
と待機状態について、図7に基づいて説明する。通常状態の動作として、温水洗浄便座1
を水洗便器に設置した当初は、温水タンク5内は空である。また、フロート22Aは降下
して磁石Mgはリードスイッチ22Bから離れた状態であり、OFF(またはON)の状
態である。この状態で温水洗浄便座1側の電源プラグを電源コンセントに差し込むことに
よって、導水管19に取り付けた電磁弁MVが開いて、水道水が温水タンク5内に供給さ
れる。そして、温水タンク5内の水位の上昇によってフロート22Aが上昇し、磁石Mg
によってリードスイッチ22BがON(またはOFF)したとき、導水管19に取り付け
た電磁弁MVが閉じて、温水タンク5内への水道水の供給が停止する。このようにフロー
ト22Aが上昇して磁石Mgによってリードスイッチ22BがON(またはOFF)した
こと(図7のt0時点)により、通電回路によってシーズヒータ16へ通電され、温水タ
ンク5内の水が加熱される。t0時点では温水タンク5内の水温は供給された水道水温T
1℃である。
この加熱によって上昇した水温が時刻t1にて上限設定温度T3になれば、温度検知部
24の検知に基づき電装部6の制御部30の動作によって、シーズヒータ16の通電回路
をOFFする。洗浄用ノズル4Aまたは4Bによる洗浄がない場合は、自然による温度低
下によって水温が時刻t2にて下限設定温度T2になれば、温度検知部24の検知に基づ
き電装部6の制御部30の動作によって、シーズヒータ16の通電回路をONし、シーズ
ヒータ16に電力が供給されて発熱し、温水タンク5内の水を加熱する。この加熱によっ
て上昇した水温が時刻t3にて上限設定温度T3になれば、温度検知部24の検知に基づ
き電装部6の制御部30の動作によって、シーズヒータ16の通電回路をOFFする。こ
のようなサイクル動作によって、温水タンク5内の水温が前記リモートコントロール盤(
図示せず)のスイッチ操作に基づき設定されたT℃の湯に保たれる。これらの制御は、電
装部6の制御部30の動作によって行なわれる。
次に洗浄用ノズル4Aまたは4Bによる洗浄が行われる場合を説明する。図8には洗浄
用ノズル4Aまたは4Bによる洗浄が行われる場合の温度変化を示している。温水洗浄便
座1の使用時には、便座2に着座(腰掛け状態)したことを着座検出スイッチSZが検出
しONする。着座検出スイッチSZは、便座2に着座した人を検知する赤外線センサや、
着座によって便座2が下がることにより作動するスイッチ等で構成される。図8に示すよ
うに、例えば時刻t5に至るまでは上記のように図7に基づき説明したように、温水タン
ク5内の水温が設定されたT℃に保たれる動作が行なわれた状態であって、着座検出スイ
ッチSZがON状態において、時刻t6において前記リモートコントロール盤RCBの洗
浄開始スイッチ操作に基づき洗浄開始状態となれば、洗浄用ノズル4Aまたは4Bのいず
れかによる洗浄状態とするために、導水管19に取り付けた前記電磁弁MVを開いて水道
水圧を温水タンク5内に掛ける。これによって、その水道水圧によって選択操作された洗
浄用ノズル4Aまたは4Bが前方へ進出し、その進出した洗浄用ノズルから温水タンク5
内の湯水が噴出し、その分の水量が導水管19から補給される関係によって、進出した洗
浄用ノズルから湯水の連続噴出が続き、便座2に着座した人の部位を洗浄する。そして、
時刻t7において前記リモートコントロール盤RCBの洗浄停止スイッチ操作に基づく洗
浄停止によって、導水管19に取り付けた電磁弁MVが閉じ、進出した洗浄用ノズルは前
記バネによって後退して、洗浄工程を終わる。この洗浄工程が、図8に示す洗浄時である
。これらの制御は、電装部6の制御部30の動作によって行なわれる。
この洗浄工程によって、図8に示すように、前記洗浄開始スイッチ操作によって洗浄開
始となれば、シーズヒータ16の通電回路がONして通電状態となるが、導水管19から
温水タンク5内へ補給される水の水温によって、温水タンク5内の水温が下限設定温度T
2よりもかなり低下するが、前記洗浄停止スイッチ操作に基づく洗浄停止に伴って、温水
タンク5内の水温が上昇し始める。そして、水温が時刻t8にて上限設定温度T3になれ
ば、温度検知部24の検知に基づき電装部6の制御部30の動作によって、シーズヒータ
16の通電回路をOFFする。以後、洗浄工程に入りまで、図7に示すように、上記同様
の動作によって、シーズヒータ16の通電回路のON−OFFによって、設定されたT℃
に保たれる。これらの制御は、電装部6の制御部30の動作によって行なわれる。
温水洗浄便座1の洗浄用ノズル4A及び4Bによる洗浄機能を使用せず、単に便座とし
てまたはコードヒータCHのONによる加温便座(暖房便座ともいう)として使用する場
合がある。この場合、パイプジョイント装置14等に設けた止水栓(図示せず)を閉めて
水道水が導水管19から温水タンク5へ供給されないようにする。また、排水パイプHP
の先端の栓HSを開けて温水タンク5内の水を排水して空にする。また、温水洗浄便座1
の洗浄用ノズル4A及び4Bによる洗浄機能を使用する設定状態において、修理や点検時
にパイプジョイント装置14等に設けた止水栓(図示せず)を閉めて水道水が導水管19
から温水タンク5へ供給されないようにする。また、排水パイプHPの先端の栓HSを開
けて温水タンク5内の水を排水して空にする場合がある。
このように温水タンク5内の水を排水して空にした場合において、シーズヒータ16の
通電をOFFするスイッチ操作を忘れた場合に問題である。即ち、温水洗浄便座1を水洗
便器に設置した正規の状態から取り外して、温水洗浄便座1の清掃やメンテナンス等を行
なう場合、電源が供給された状態で温水洗浄便座1を水洗便器から取り外してトイレの床
等に横倒し状態に置いた場合には、温水タンク5内が空の状態であっても、フロート22
Aが移動してフロート22Aの磁石Mgによってリードスイッチ22BがONし、温水タ
ンク5内に所定水位の水が存在する状態となり、制御部30によってシーズヒータ16が
通電状態となる。この通電状態が継続することにより、温水タンク5内が空焚き状態とな
り、温度ヒューズ26が溶断する状態となり、温水タンク5の交換が必要となる。
本発明は、このような点に鑑み、温度ヒューズ26が溶断する前に、温水タンク5内が
空焚き状態となったことを検出して、シーズヒータ16の通電をOFFすることにより、
安全を図るものである。この場合、温水タンク5内が空焚き状態となったことを検出する
手段として、空焚き検出センサを別個に設けるのではなく、温水タンク5内の水温を検知
する温度検知部(サーミスタ)24が検知する温度上昇によって、温水タンク5内の水温
を検知しているか空気温度を検知しているかを、電装部6の制御部30に設けた判定部に
よって判定する手段をとっている。
上記において図7に基づき説明したように、温水タンク5内に水が供給されてシーズヒ
ータ16で加熱される場合は、図7の実線及び図9の一点鎖線に示すように、フロート2
2Aが上昇して磁石Mgによってリードスイッチ22BがON(またはOFF)したこと
(図7のt0時点)により、通電回路によってシーズヒータ16へ通電され、温水タンク
5内の水が加熱される。しかし、温水洗浄便座1を洗浄用ノズル4A及び4Bによる洗浄
機能を使用せず、単に便座としてまたはコードヒータCHのONによる加温便座として使
用する場合において、温水洗浄便座1を水洗便器から取り外してトイレの床等に横倒し状
態に置いた場合には、上記のように、温水タンク5内が空焚き状態となる。この場合、本
発明では、電装部6の制御部30は、温水タンク5内の水温の温度上昇(温度上昇勾配)
と、温水タンク5内の空気の温度上昇(温度上昇勾配)が異なることに着目し、温度検知
部(サーミスタ)24でこれを検知して温水タンク5内が空焚き状態であると判定し、温
度ヒューズ26が溶断する前にシーズヒータ16の通電を停止するように制御する。
具体的には、図9に示すように、温水タンク5内の水温(A)の温度上昇(温度上昇勾
配、即ち単位時間Δtに対する温度上昇ΔTA)に比して、温水タンク5内の空気(B)
の温度上昇(温度上昇勾配、即ち単位時間Δtに対する温度上昇ΔTB)が異なる(かな
り小さい)。このため、温度検知部(サーミスタ)24で検知する単位時間当たりの温度
上昇値と、電装部6の制御部30に設定した基準温度上昇値を比較し、この基準温度上昇
値以上または基準温度上昇値を超えるときは、温水タンク5内に水(湯)が存在すると判
定してシーズヒータ16の通電を継続する。一方、温度検知部(サーミスタ)24で検知
する単位時間当たりの温度上昇値が、この基準温度上昇値以下または基準温度上昇値未満
であるときは、温水タンク5内に水が存在しない空焚き状態であると判定して、温度ヒュ
ーズ26が溶断する前にシーズヒータ16の通電を停止するように制御する。このように
、温度検知部(サーミスタ)24で検知する単位時間当たりの温度上昇値が、所定の温度
上昇範囲内である場合は温水タンク5内に水が存在すると判定し、所定の温度上昇範囲外
である場合は温水タンク5内に水が存在しない空焚き状態であると判定して、温度ヒュー
ズ26が溶断する前にシーズヒータ16の通電を停止するように制御する。
上記のように、リードスイッチ22BがON(またはOFF)してシーズヒータ16へ
通電される状態において、空焚き状態か否かを電装部6の制御部30で判断する。そして
、空焚き状態であると判定したときは電装部6の制御部30によって、シーズヒータ16
の通電を停止するが、この通電停止が所定時間経過したとき、制御部30によってシーズ
ヒータ16を再び通電状態にして、再度同様の判定を行うようにしてもよい。また、図9
に示すように、リードスイッチ22BがON(またはOFF)した時点(図7のt0時点
)から所定時間後に上記の判定を行うようにしてもよい。
なお、リードスイッチ22BがON(またはOFF)した時点(図7のt0時点)から
、最初に下限設定温度T2以上になった後はこの判定を行わないようにするのが好ましい
。何となれば、下限設定温度T2以上になるということは、温水タンク5内に水が供給さ
れている状態であるからである。また、上限設定温度T3から下降する間や、図8の洗浄
時(t6〜t7)には、温度下降状態であるため温度勾配が逆になり、空焚き状態と判定
されかねないため、この期間は制御部30で空焚き状態の判定は行なわないようにするの
が好ましい。更に、便座2に着座(腰掛け状態)したことを着座検出スイッチSZが検出
した状態では、温水洗浄便座1が水洗便器に設置した正規の状態であるため(フロート2
2Aは降下して磁石Mgはリードスイッチ22Bから離れた状態となりシーズヒータ16
へ通電されない状態)、上記のような空焚き状態の判定は行わないようにするのが好まし
い。
何らかの理由で、フロート22Aが上昇したまま下降しない状態、例えば、水に含まれ
る炭酸カルシウム等の物質がガイド棒22Cやフロート22Aに付着して、フロート22
Aが上昇してリードスイッチ22BがON(またはOFF)したままの状態となることが
あり、このときは電磁弁MVが閉じている。
この状態において、上記のように、温水洗浄便座1の洗浄用ノズル4A及び4Bによる
洗浄機能を使用せず、単に便座としてまたはコードヒータCHのONによる加温便座(暖
房便座ともいう)として使用する場合、パイプジョイント装置14等に設けた止水栓(図
示せず)を閉めて、水道水が導水管19から温水タンク5へ供給されないようにする。そ
して、排水パイプHPの先端の栓HSを開けて温水タンク5内の水を排水し空にして使用
する。
このとき、シーズヒータ16の通電をOFFするスイッチ操作を忘れた場合には、温水
タンク5内が空であるにも拘らず、フロート22Aの磁石Mgによってリードスイッチ2
2BがONしており、温水タンク5内に所定水位の水が存在する状態と同様の状態となり
、本発明を採用しない場合には、制御部30によってシーズヒータ16が通電状態となり
、所謂、空焚き状態となり問題である。
また、温水洗浄便座1の洗浄用ノズル4A及び4Bによる洗浄機能を使用する場合には
温水タンク5内に水が供給されている。この状態において、上記のように炭酸カルシウム
等の物質付着等の理由でフロート22Aが上昇したまま下降しない状態となる。また、長
期間洗浄用ノズル4A及び4Bによる洗浄機能を使用しない場合には、温水タンク5内の
水がバルブの隙間から洗浄用ノズル4A及び4Bを通じて漏れる場合があり、その場合は
温水タンク5内の水位が下がり、温度検知部(サーミスタ)24が水面上に露出して温水
タンク5内の空気温度を感知するようになり、温水タンク5内の水温を検知していた場合
に比して、温度検知部(サーミスタ)24が検知する温度が低下してシーズヒータ16を
OFFする温度まで上昇せず、シーズヒータ16が連続通電状態となることが懸念される
しかし、本発明では、これらの場合も上記同様に、温度検知部(サーミスタ)24が温
水タンク5内の空気温度を感知し、空焚き状態の判定制御によって、温度ヒューズ26が
溶断する前にシーズヒータ16の通電を停止するように制御するため、シーズヒータ16
の通電継続や空焚きが継続するのを防止できる効果がある。なお、上記において空焚き状
態であると判定したとき、リモートコントロール盤RCBのスイッチ操作に基づき選択設
定された水温の表示LEDを点滅させるか、別個に設けた警告用LEDを点滅させる等の
警告表示を行なえば、使用者がそれに気付き、対処し易くなる。
本発明は上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態の温水洗浄便座の空焚き防
止制御が可能となるものであり、本発明の技術範囲において種々の実施形態に適用できる
ものである。
本発明に係る温水洗浄便座の蓋が閉まった状態の斜視図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座の蓋を取り外した状態の斜視図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座の蓋と機能部分のカバーを取り外した状態の斜視図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座の機能部分のカバーを取り外した状態の平面図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座用の温水タンクの背面斜視図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座用の温水タンクの縦断面図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座用の温水タンクの通常状態の水温変化図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座用の洗浄時の温水タンクの水温変化図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座用の空焚き状態での温水タンクの水温変化図である。(実施例1) 本発明に係る温水洗浄便座用の制御部の構成を示す図である。(実施例1)
符号の説明
1・・・・・温水洗浄便座
2・・・・・便座
3・・・・・開閉蓋
4A・・・・肛門洗浄用ノズル
4B・・・・ビデ洗浄用ノズル
5・・・・・温水タンク
5A・・・・上タンク部
5B・・・・下タンク部
6・・・・・電装部
7・・・・・カバー
8・・・・・取り付け基材部
9・・・・・電動機装置
10・・・・機能部
12・・・・電動機装置
16・・・・シーズヒータ
18・・・・タンク内面の断熱材
21・・・・温度検知部
22・・・・フロートスイッチ
23・・・・オーバーフロー用パイプの取付部
24・・・・温水タンク内の水温を検知する温度検知部
30・・・・制御部

Claims (4)

  1. 水道水配管に接続された導水管を介して供給される水道水をシーズヒータによって加熱
    する温水タンクと、前記シーズヒータの通電をON−OFFするために前記温水タンク内
    の水温を検知する温度検知部を備えた温水洗浄便座において、前記温度検知部が前記温水
    タンク内の空気温度を検出したときの温度上昇が、前記温水タンク内の水温を検出したと
    きの温度上昇と異なることに基づき、温水タンク内の空焚き状態を判定して前記シーズヒ
    ータの通電をOFF状態とする制御部を備えたことを特徴とする温水洗浄便座の空焚き防
    止装置。
  2. 水道水配管に接続された導水管を介して供給される水道水をシーズヒータによって加熱
    する温水タンクと、前記シーズヒータの通電をON−OFFするために前記温水タンク内
    の水温を検知する温度検知部と、前記温水タンク内の水位に応じて電磁弁を開閉して前記
    水道水の供給を制御するためのフロートスイッチを備え、前記温水タンク内の水位が上昇
    した所定水位において前記シーズヒータの通電回路が形成される温水洗浄便座において、
    前記温水タンク内が空の状態にも拘わらず前記フロートスイッチが前記所定水位検出状態
    にあるとき、前記温度検知部が前記温水タンク内の空気温度を検出したときの温度上昇に
    基づく制御部による空焚き状態の判定によって、前記シーズヒータの通電をOFF状態と
    することを特徴とする温水洗浄便座の空焚き防止装置。
  3. 前記温水タンク内が空焚きのときの異常温度によって前記シーズヒータの通電回路を遮
    断する温度ヒューズを備え、この温度ヒューズが溶断する前に、前記制御部による空焚き
    状態の判定にて前記シーズヒータの通電をOFF状態とすることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の温水洗浄便座の空焚き防止装置。
  4. 前記フロートスイッチが前記所定水位検出状態になったときから最初に前記温度検知部
    の下限設定温度T2以上になった後、または前記温度検知部の上限設定温度T3から下降
    する間、または洗浄ノズルによる洗浄時、または便座に着座(腰掛け状態)したことを着
    座検出スイッチが検出した状態は、前記空焚き状態の判定は行わないことを特徴とする請
    求項2または請求項3に記載の温水洗浄便座の空焚き防止装置。
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