JP2009029847A - 増粘剤とそれを用いた化粧料 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、液体の粘性を高めるためて使用性を向上させるために用いられる増粘剤とそれを用いた化粧料に関する。
従来、化粧品の各種処方では、適切なポリマーや界面活性剤による増粘あるいはゲル化が必要である。しかし、界面活性剤の添加によって増粘効果を得ることは、コストの増加や皮膚への刺激性を高めると言う問題がある。
そこで、化粧品には各種の高分子増粘剤が使用されている。例えば、HEC(ヒドロキシエチルセルロース),HPC(ヒドロキシプロピルセルロース),CMC(カルボキシメチルセルロース),キサンタンガム、アルギン酸塩、グアガム、カラギーナン等の天然高分子材料が、医薬品、医薬部外品、化粧品に多く用いられている。これらの原料の欠点は、分子量、粘度その他の基本的物性の再現性が困難であることや、微生物とのコンタミネーション、酸化や加水分解による水溶液中での不安定、増燃効果が相対的に弱いことであった。
また、単に粘度を上げるだけでなく、チキソトロピック性を調整できることなど、様々の流動性をもつ商品を開発するため合成高分子増粘剤の必要性が高まっている。
近年、高い分子量のアクリル酸系水溶性高分子に比較的大きな疎水性基をグラフトさせた増粘剤である会合型増粘剤が普及している。代表的なものとして(アクリル酸アルキル・メタクリル酸ステアレス−20)コポリマーがある。この増粘剤はエマルジョンであるが、アルカリを添加してpH7以上で増粘してクリアなジェルを作ることができる。また、グラフトされている側鎖の疎水基が溶液中の界面活性剤、その他の疎水性成分と会合して3次元網目を形成するため、少量の添加量でたいへん高い増粘効果を得ることができる。
特開平9−272796号公報
しかしながら、この構造の高分子は弱酸性領域での会合性増粘や溶液の長期安定性を実現するには分子量、親水性・疎水性のバランスを最適化する必要があり、理想的な化学構造にたどりつくのは困難であった。従って、従来の増粘剤では長期(数ヶ月から数年)にわたり安定な溶液やジェルを作るには、処方の制限が大きいものであった。そこで、より安定性に富み、増粘効果の高いアクリレート会合型増粘剤の開発と、その幅広い化粧品への応用が求められた。
この発明は上記背景技術に鑑みてなされたもので、粘度の長期安定性とより高い増粘効果を有したアクリレート会合型の増粘剤とその化粧品を提供することを目的とする。
本願発明者は上記の目的を達成するため、種々のアクリル系モノマーの共重合と種々の長さのオキシエチレンアルキル官能基のグラフトを検討して、新たに以下の構造のメタクリル酸・アルキル酸アルキル共重合体において、最も安定で高い増粘効果が得られるものを見出したものである。
この発明の物質は、(Methyl Acrylate/Methacrylic
Acid/Buthyl Acrylate/Beheneth-25 Methacrylate/Steareth-30 Methacrylate)
Copolymerであり、以下の化学構造式で表される。
またこの発明は、上記化学構造を有した増粘剤を含む化粧料である。
Acid/Buthyl Acrylate/Beheneth-25 Methacrylate/Steareth-30 Methacrylate)
Copolymerであり、以下の化学構造式で表される。
前記増粘剤は、整髪料、毛染め液、又はシャンプー等の洗剤に含まれるものである。
この発明の増粘剤とそれを用いた化粧料は、増粘効果が高く、数ヶ月から数年の長期にわたる安定性がある溶液やジェルを作ることができるものである。
次に、この発明の増粘剤について、以下の9種類の試験を行った試験結果を示す。以下の実施例に示すように、本願発明の増粘剤は、十分な長期安定性が確認され、化粧料として利用可能なことが確認された。
2.NaOH添加量と粘度の関係
本願の増粘剤について、以下の表2に示すサンプルに、pH4.10〜12.24の間の9個のpH値となるように適量のNaOH(10%水溶液)を添加し、それぞれのpH値について溶液の粘度を測定し、NaOH添加量と粘度の関係について調べた。その結果を図1に示す。なお、粘度の測定はブルックフィールド社製粘度計DVII+;スピンドル#6@20rpmで行った。
本願の増粘剤について、以下の表2に示すサンプルに、pH4.10〜12.24の間の9個のpH値となるように適量のNaOH(10%水溶液)を添加し、それぞれのpH値について溶液の粘度を測定し、NaOH添加量と粘度の関係について調べた。その結果を図1に示す。なお、粘度の測定はブルックフィールド社製粘度計DVII+;スピンドル#6@20rpmで行った。
3.固形分(wt%)と粘度の関係
本願の増粘剤について、以下の表3に示す異なる固形分(wt%)のサンプルNO.1〜NO.5に、適量のNaOH(10%水溶液)を加えてpHをほぼ中性にし、各サンプルについてそれぞれ粘度を測定し、固形分(wt%)と粘度の関係について調べた。その結果を表3と図2に示す。
本願の増粘剤について、以下の表3に示す異なる固形分(wt%)のサンプルNO.1〜NO.5に、適量のNaOH(10%水溶液)を加えてpHをほぼ中性にし、各サンプルについてそれぞれ粘度を測定し、固形分(wt%)と粘度の関係について調べた。その結果を表3と図2に示す。
4.NaCl添加量と粘度の関係
本願の増粘剤について、以下の表4に示すように、所定量のNaClを加えたサンプルNO.1〜NO.8の粘度をそれぞれ測定し、耐塩性能の試験を行った。その結果を表4と図3に示す。
本願の増粘剤について、以下の表4に示すように、所定量のNaClを加えたサンプルNO.1〜NO.8の粘度をそれぞれ測定し、耐塩性能の試験を行った。その結果を表4と図3に示す。
5.凍結・融解サイクルと粘度の関係
本願の増粘剤について、以下の表5に示すサンプルに、表6に示す回数の凍結・融解サイクルを行い、所定回数の凍結・融解サイクルを行ったサンプルについてそれぞれ粘度を測定し、凍結・融解サイクルと粘度の関係について調べた。その結果を、表6と図4に示す。
本願の増粘剤について、以下の表5に示すサンプルに、表6に示す回数の凍結・融解サイクルを行い、所定回数の凍結・融解サイクルを行ったサンプルについてそれぞれ粘度を測定し、凍結・融解サイクルと粘度の関係について調べた。その結果を、表6と図4に示す。
6.分散安定性
本願の増粘剤について、以下の表7に示すサンプルに、以下の4種類の粉体を分散させて2週間放置して観察し、分散安定性について調べた。室温と50℃の2種類行った。その結果を、表8に示す。
本願の増粘剤について、以下の表7に示すサンプルに、以下の4種類の粉体を分散させて2週間放置して観察し、分散安定性について調べた。室温と50℃の2種類行った。その結果を、表8に示す。
1. ホホバ(ロットNo.JBDL06)、植物性粉体
2. リポスパー0258(750ミクロン)、リポ化学薬品社製
3. リポAPS 40/60、リポ化学薬品社製アンズ種粉
4.リポパール0091(1000 〜2800ミクロン)リポ化学薬品製
7.エタノール添加量と粘度の関係
本願の増粘剤について、以下の表9に示すように、所定量のエタノールを加えたサンプルNO.1〜NO.6の粘度をそれぞれ測定し、エタノール添加量と粘度の関係について調べた。その結果を以下の図5に示す。
本願の増粘剤について、以下の表9に示すように、所定量のエタノールを加えたサンプルNO.1〜NO.6の粘度をそれぞれ測定し、エタノール添加量と粘度の関係について調べた。その結果を以下の図5に示す。
8.保湿剤の添加量と粘度の関係
本願の増粘剤について、以下の表10、表11に示すように、所定量の保湿剤を加えたサンプルNO.1〜NO.13の粘度をそれぞれ測定し、各種エタノール添加量と粘度の関係について調べた。その結果を以下の表10、表11に示す。保湿剤は、グリセリン(NO.2〜NO.5)とプロピレングリコール(NO.6〜NO.9)、ソルビトール(NO.10〜NO.13)の3種類について測定した。
本願の増粘剤について、以下の表10、表11に示すように、所定量の保湿剤を加えたサンプルNO.1〜NO.13の粘度をそれぞれ測定し、各種エタノール添加量と粘度の関係について調べた。その結果を以下の表10、表11に示す。保湿剤は、グリセリン(NO.2〜NO.5)とプロピレングリコール(NO.6〜NO.9)、ソルビトール(NO.10〜NO.13)の3種類について測定した。
9.中和に必要な中和剤の添加量
本願の増粘剤について、以下の表12〜表14に示すように、pH6、pH7、pH8となるように中和剤を添加してサンプルNO.1〜NO.3とし、pH6、pH7、pH8となるように必要とした中和剤の添加量を調べた。中和剤は、NaOH(10%水溶液)、KOH(10%水溶液)、TEA(99%)の3種類について測定した。その結果を、NaOH(10%水溶液)は以下の表12に、KOH(10%水溶液)は表13、TEA(99%)は表14に示す。
本願の増粘剤について、以下の表12〜表14に示すように、pH6、pH7、pH8となるように中和剤を添加してサンプルNO.1〜NO.3とし、pH6、pH7、pH8となるように必要とした中和剤の添加量を調べた。中和剤は、NaOH(10%水溶液)、KOH(10%水溶液)、TEA(99%)の3種類について測定した。その結果を、NaOH(10%水溶液)は以下の表12に、KOH(10%水溶液)は表13、TEA(99%)は表14に示す。
次に、この発明の増粘剤を使用して製造する毛髪染料の実施例について説明する。この毛髪染料は、染料混合物と基材とを混入させた第1液と、酸化剤である第2液から成る。染料混合物の配合例をA,B2種類、基材の配合例を1種類、酸化剤の配合例をA,B2種類、以下に示す。
次に、この発明の増粘剤を使用して製造するボディシャンプーについて説明する。ボディシャンプーは、サンプルNO.1〜NO.4の4種類の配合比を表20に記す。サンプルNO.1〜NO.4についてpHと粘度を測定し、表20に示している。
Claims (3)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007192541A JP2009029847A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 増粘剤とそれを用いた化粧料 |
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- 2007-07-24 JP JP2007192541A patent/JP2009029847A/ja active Pending
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