JP2009029759A - カルボン酸の製造方法 - Google Patents

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【課題】芳香族アルコール又は芳香族アルデヒドからカルボン酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】原料の下記一般式(1)(式中、Ar1は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルコール又は下記一般式(2)(式中、Ar2は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルデヒドを、沸点100℃以上の非プロトン性極性溶媒の存在下で触媒を介して酸化する工程と、前記原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下の水を添加する工程とを有するカルボン酸の製造方法。
Figure 2009029759

【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸の製造方法に関するものである。
100℃以上の沸点を有する高沸点の非プロトン性極性溶媒は、水との高い混和性や極性が高く無機塩も溶解することができること、さらに高温での反応を行うことができるため、有機合成の溶媒として広く使用されている。特にこれらの溶媒中での酸化反応は、広く研究されている。
これら高沸点の非プロトン性極性溶媒中でのアルコールの酸化方法としては、バナジウムやパラジウム化合物を触媒として酸素雰囲気下で酸化する方法(特許文献1、非特許文献1)、酸化剤として窒素酸化物やクロム酸を使用して酸化する方法(特許文献2、非特許文献2)、ジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として、DMSOの活性化剤を使用するDMSO酸化方法(非特許文献2)が知られている。
しかし、これらの方法では、得られる酸化生成物がアルデヒドであり、カルボン酸を得ることはできない。
特表2005−506984号公報 特開昭55−49368号公報 K.P.Peterson and R.C.Larock,J. Org. Chem.,63(1998) 野口研究所時報,22(1979)
上記に示した特許文献や非特許文献のような酸化方法では、アルデヒドまでしか反応は進行せず、カルボン酸を得ることはできない。
従って、本発明の目的は、100℃以上の沸点を有する高沸点の非プロトン性極性溶媒中で芳香族アルコール又は芳香族アルデヒドからカルボン酸を製造する方法を提供することである。
上記の課題を解決するカルボン酸の製造方法は、原料の下記一般式(1)
Figure 2009029759
(式中、Ar1は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルコール又は下記一般式(2)
Figure 2009029759
(式中、Ar2は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルデヒドを、沸点100℃以上の非プロトン性極性溶媒の存在下で触媒を介して酸化する工程と、前記原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下の水を添加する工程とを有することを特徴とする。
また、上記の課題を解決するカルボン酸の製造方法は、原料の下記一般式(1)
Figure 2009029759
(式中、Ar1は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルコール又は下記一般式(2)
Figure 2009029759
(式中、Ar2は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルデヒドを、沸点100℃以上の非プロトン性極性溶媒および前記原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下の水の存在下で触媒を介して酸化する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、100℃以上の沸点を有する高沸点の非プロトン性極性溶媒中で芳香族アルコール又は芳香族アルデヒドからカルボン酸を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るカルボン酸の製造方法は、原料の下記一般式(1)
Figure 2009029759
(式中、Ar1は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルコール又は下記一般式(2)
Figure 2009029759
(式中、Ar2は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルデヒドを、沸点100℃以上の非プロトン性極性溶媒の存在下で触媒を介して酸化する工程と、前記原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下の水を添加する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明に係るカルボン酸の製造方法は、原料の上記一般式(1)で表される芳香族アルコール又は上記一般式(2)で表される芳香族アルデヒドを、沸点100℃以上の非プロトン性極性溶媒および前記原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下の水の存在下で触媒を介して酸化する工程を有することを特徴とする。
前記水を原料のアルデヒド存在時に添加することが好ましい。
前記水の量が原料に対して1重量倍以上10重量倍以下である前記触媒がパラジウム化合物であることが好ましい。
前記非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミドから選択される1種または2種以上であることが好ましい。
芳香族アルコールが5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールであることが好ましい。
前記水が、原料中のヒドロキシ基又はアルデヒド基の総数に対して0.5当量以上4当量以下の強塩基を含むことが好ましい。
本発明のカルボン酸の製造方法は、原料の芳香族アルコール又は芳香族アルデヒドを、100℃以上の沸点を有する高沸点の非プロトン性極性溶媒中で触媒を介して酸化する工程と、原料に対して0.01重量倍から20重量倍の水を添加する工程とを有することを特徴としている。
反応系に水を添加することで、アルデヒドの水和物が生成し、カルボン酸まで酸化を進行させることができる。また、アルデヒドからカルボン酸への酸化速度が遅い場合には、強塩基水溶液を添加することで、カニッツァロ反応により、カルボン酸への酸化速度を上昇させることができる。
芳香族アルコールとしては、芳香環に結合したヒドロキシメチル基を有するものであり、下記一般式(1)
Figure 2009029759
(式中、Ar1は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される化合物を挙げることができる。
また、芳香族アルデヒドとしては、芳香環に結合したアルデヒド基を有するものであり、下記一般式(2)
Figure 2009029759
(式中、Ar2は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される化合物を挙げることができる。
これらの芳香族アルコール又は芳香族アルデヒドは、多官能でもよく、また、ヒドロキシメチル基とアルデヒド基を同時に有していても良い。その具体例としては、5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール、2,5−ビスヒドロキシメチルフラン、2,5−ジホルミルフラン、2−カルボキシ−5−ホルミルフラン、4−ヒドロキシメチル−2−フルフラール、2,4−ビスヒドロキシメチルフラン、2,4−ジホルミルフラン、2−カルボキシ−4−ホルミルフラン、2−ヒドロキシメチル−4−フルフラール、4−カルボキシ−2−ホルミルフラン、4−ヒドロキシメチル−3−フルフラール、3,4−ビスヒドロキシメチルフラン、3,4−ジホルミルフラン、3−カルボキシ−4−ホルミルフラン、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド等を例示できるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
反応を促進させるための触媒としては、パラジウム、白金、ロジウム等の貴金属を用いることが可能であり、パラジウム化合物が好ましい。
その具体例としては、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、又はそれらの錯体化合物等を例示できるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。これらのパラジウム化合物はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。特に好ましくは酢酸パラジウムである。また、金属成分であるパラジウムが2価であることが好ましい。
本発明にかかるカルボン酸の製造方法は次のとおりである。本発明は、芳香族アルコール又は芳香族アルデヒドの少なくとも1種と2価のパラジウム化合物の少なくとも1種を酸素の存在下、非プロトン性極性溶媒中で酸化する。非プロトン性極性溶媒としては、100℃以上の沸点を有し、酸化反応を阻害せず、反応条件下で安定であれば特に限定されるもではないが、好ましくは、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。本発明における溶媒量は、多すぎるとカルボン酸の単離工程で溶媒除去が困難になり、さらに、経済的に好ましくない。また、少なすぎると反応が十分に進行しない。そのため、原料の5重量倍以上50重量倍以下が好ましく、さらに好ましくは、10重量倍以上20重量倍以下である。
触媒は、原料1モルに対して0.1モル%以上20モル%以下添加することが好ましく、さらに好ましくは1モル%以上5モル%以下である。20モルより多いと経済的に好ましくなく、0.1モル%より少ないと反応速度の低下を招き、長時間の反応を必要とするため好ましくない。
また、触媒による酸化促進のため塩基を添加しても良い。添加する塩基は、副反応にも影響するため、強塩基よりも弱塩基が好ましい。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩や重炭酸塩、カルボン酸塩、炭酸マグネシウムや炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属と弱酸の塩、ピリジンやトリエチルアミン等の三級アミンが好ましい。その添加量は、原料1モルに対して0.1モル以上4モル以下添加することが好ましく、さらに好ましくは0.5モル以上2モル以下である。これらの弱塩基は添加しなくても反応を行うことは可能であるが、無添加や添加量が少ないと反応速度が遅く、反応に時間がかかる。
酸化剤は、酸素または酸素を含有する気体混合物であれば良く、その導入方法もバブリングや常圧下、加圧下で導入することができる。
酸化を行う反応温度は、30℃以上150℃以下で、好ましくは60℃以上120℃以下である。
反応時間は、原料の種類や濃度、反応温度、塩基の有無等により変化するが、通常5時間から72時間程度である。
次に、水添加の工程について詳細に説明する。水は、アルデヒドの水和物を形成し、カルボン酸まで酸化を進行するために必要である。水の添加は、予め反応前に添加しても良いし、反応中に添加しても良いが、反応を効率的に行うためには、アルデヒドの存在時に添加するのが好ましい。その添加量は、多すぎると酸化反応の阻害原因となるため、反応速度が著しく低下し、少ないと水和物を形成させることができず、カルボン酸まで酸化することができない。したがって、水の添加量は原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下が好ましい。水の添加量が0.01重量倍以上であればカルボン酸まで酸化することは可能であるが、原料によっては酸化速度が非常に遅くなることがある。また、水の添加量が増加するにつれて酸化反応が阻害され、反応速度が遅くなることがある。そのため、水の添加量は、原料の1重量倍以上10重量倍以下がさらに好ましい。また、酸化過程で生成する水も利用することができるが、生成量が少ないため、別に添加するのが好ましい。
アルデヒドからカルボン酸への酸化速度が遅い場合には、強塩基水溶液を添加することで、水和物の形成を促進し、さらに、カニッツァロ反応によるカルボン酸生成を促進することができる。強塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を例示できる。その添加量は、多いと副反応の進行を促進するため収率低下の原因となり、少ないとカルボン酸生成の効果が低いため、原料1モルに対して0.5モル以上4モル以下が好ましく、さらに好ましくは1モル以上2モル以下である。
本発明において、前記反応終了後、生成したカルボン酸を含む混合溶液から蒸留、昇華又は水での希釈後に酸で再沈殿する等によりカルボン酸を単離することが可能である。また、生成したカルボン酸が非プロトン性極性溶媒に不溶であれば、ろ過により単離可能である。このときのろ液は、酸化反応の溶媒として繰り返し使用することも可能である。
以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
冷却管、三方コック付酸素風船を取り付けた25mLのフラスコを用意した。このフラスコに、原料の5−ヒドロキシメチルフルフラール(0.63g;5ミリモル)と、酢酸パラジウム(0.056g;0.25ミリモル)、炭酸水素ナトリウム(0.84g;10ミリモル)、ジメチルスルホキシド10mL(水分含量は原料の0.08重量倍)を量りとった。撹拌しながら、三方コックにポンプを取り付け、減圧した後にコックを切り替え酸素風船から酸素を導入した。この操作を3回繰り返し、フラスコ内の空気を酸素へ置換した。80℃に設定したオイルバスに浸し、20時間保持した。
その後、5N水酸化ナトリウム水溶液2mL(水添加量は原料の3.2重量倍、強塩基添加量は原料1モルに対して2モル、水酸化ナトリウム0.4g:10ミリモル)を添加し、さらに5時間保持した。この混合物を室温まで冷却した後、水10mLで希釈した。この溶液に塩酸をpH1以下になるまで添加した。析出した粗製2,5−フランジカルボン酸の収量は0.48g、収率62モル%であった。また、1H−NMR(DMSO−d6、20℃)による分析結果は、δ:3.4(s、2H、−OH)、δ:7.2(s、2H、フラン環)であり、目的物と一致した。
実施例2
冷却管を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、フルクトース(5.0g;28ミリモル)、アンバーリスト15ドライ(登録商標、2.0g、オルガノ株式会社)、ジメチルスルホキシド50mL(水分含量は原料の0.08重量倍)を量りとった。撹拌しながら120℃に設定したオイルバスに浸し、5時間保持した。冷却後、アンバーリストをろ過した。
得られたろ液は、高速液体クロマトグラフィーで分析し、標準物質の検量線から収率を計算した。、その結果、5−ヒドロキシメチルフルフラールの収率は87モル%であった。
このろ液15g(原料の5−ヒドロキシメチルフルフラール0.77g;6ミリモル)を、冷却管、三方コック付酸素風船を取り付けた25mLのフラスコに量りとった。さらに、酢酸パラジウム(0.069g;0.3ミリモル)、炭酸水素ナトリウム(1.03g;12ミリモル)を量りとった。撹拌しながら、三方コックにポンプを取り付け、減圧した後にコックを切り替え酸素風船から酸素を導入した。この操作を3回繰り返し、フラスコ内の空気を酸素へ置換した。80℃に設定したオイルバスに浸し、30時間保持した。
その後、5N水酸化ナトリウム水溶液2.4mL(水添加量は原料の3.2重量倍、強塩基添加量は原料1モルに対して2モル、水酸化ナトリウム0.48g:12ミリモル)を添加し、さらに7時間保持した。この混合物を室温まで冷却した後、水10mLで希釈した。この溶液に塩酸をpH1以下になるまで添加した。析出した粗製2,5−フランジカルボン酸の収量は0.45g、収率は47モル%であった。フルクトースからの収率は41モル%であった。
実施例3
冷却管、三方コック付酸素風船を取り付けた25mLのフラスコを用意した。このフラスコに、原料の2−カルボキシ−5−ホルミルフラン(0.7g;5ミリモル)と、酢酸パラジウム(0.056g;0.25ミリモル)、炭酸水素ナトリウム(0.84g;10ミリモル)、ジメチルスルホキシド/水:9/1の混合溶液10mL(水分含量は原料の1.4重量倍)を量りとった。撹拌しながら、三方コックにポンプを取り付け、減圧した後にコックを切り替え酸素風船から酸素を導入した。この操作を3回繰り返し、フラスコ内の空気を酸素へ置換した。80℃に設定したオイルバスに浸し、34時間保持した。
得られた生成物は、液体クロマトグラフィーで分析し、標準物質の検量線から収率を計算した。その結果、2,5−フランジカルボン酸の収率は27モル%であった。
実施例4
冷却管、三方コック付酸素風船を取り付けた25mLのフラスコを用意した。このフラスコに、原料のベンジルアルコール(0.54g;5ミリモル)と、酢酸パラジウム(0.056g;0.25ミリモル)、炭酸水素ナトリウム(0.84g;10ミリモル)、ジメチルスルホキシド/水:9/1の混合溶液10mL(水分含量は原料の1.9重量倍)を量りとった。撹拌しながら、三方コックにポンプを取り付け、減圧した後にコックを切り替え酸素風船から酸素を導入した。この操作を3回繰り返し、フラスコ内の空気を酸素へ置換した。80℃に設定したオイルバスに浸し、69時間保持した。
得られた生成物は、液体クロマトグラフィーで分析し、標準物質の検量線から収率を計算した。その結果、安息香酸の収率は66モル%、ベンズアルデヒドの収率は10モル%であった。
実施例5
実施例1と同じ条件で強塩基水溶液の替わりに水2mL(水添加量は原料の3.2重量倍)を添加して行った。80℃に設定したオイルバスに浸し、25時間保持した。
得られた生成物は、液体クロマトグラフィーで分析し、標準物質の検量線から収率を計算した。その結果、2,5−フランジカルボン酸の収率は18モル%であった。
実施例6
実施例1と同じ条件で強塩基水溶液を添加せずに反応を行った(水分含量は原料の0.08重量倍)。80℃に設定したオイルバスに浸し、25時間保持した。得られた生成物を液体クロマトグラフィーで分析し、反応液の重量と2,5−フランジカルボン酸の濃度から計算した結果、収率は7モル%であった。
実施例7
実施例3と同じ条件で、ジメチルスルホキシド/水:9/1の混合溶液の替わりにジメチルスルホキシド(水分含量は原料の0.07重量倍)を溶媒として反応を行った。80℃に設定したオイルバスに浸し、66時間保持した。得られた生成物を液体クロマトグラフィーで分析し、標準物質の検量線から収率を計算した。その結果、2,5−フランジカルボン酸の収率は1.2モル%であった。
本発明は、100℃以上の沸点を有する高沸点の非プロトン性極性溶媒中で芳香族アルコール又は芳香族アルデヒドからカルボン酸を製造することができるので、芳香族カルボン酸の製造方法に利用することができる。

Claims (8)

  1. カルボン酸の製造方法であって、原料の下記一般式(1)
    Figure 2009029759
    (式中、Ar1は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルコール又は下記一般式(2)
    Figure 2009029759
    (式中、Ar2は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルデヒドを、沸点100℃以上の非プロトン性極性溶媒の存在下で触媒を介して酸化する工程と、前記原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下の水を添加する工程とを有することを特徴とするカルボン酸の製造方法。
  2. カルボン酸の製造方法であって、原料の下記一般式(1)
    Figure 2009029759
    (式中、Ar1は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルコール又は下記一般式(2)
    Figure 2009029759
    (式中、Ar2は置換基を有しても良い芳香環を表す。)で表される芳香族アルデヒドを、沸点100℃以上の非プロトン性極性溶媒および前記原料に対して0.01重量倍以上20重量倍以下の水の存在下で触媒を介して酸化する工程を有することを特徴とするカルボン酸の製造方法。
  3. 前記水を原料のアルデヒド存在時に添加する請求項1または2記載のカルボン酸の製造方法。
  4. 前記水の量が原料に対して1重量倍以上10重量倍以下である請求項1乃至3のいずれかの項に記載のカルボン酸の製造方法。
  5. 前記触媒がパラジウム化合物である請求項1乃至4のいずれかの項に記載のカルボン酸の製造方法。
  6. 前記非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミドから選択される1種または2種以上である請求項1乃至5のいずれかの項に記載のカルボン酸の製造方法。
  7. 芳香族アルコールが5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールである請求項1乃至6のいずれかの項に記載のカルボン酸の製造方法。
  8. 前記水が、原料1モルに対して0.5モル以上4モル以下の強塩基を含む請求項1に記載のカルボン酸の製造方法。
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