JP2009029378A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 製品の外観を保ちつつ、冷却効果を損なうことのない空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 ランフラットタイヤ1のタイヤサイド部3に、複数の乱流発生用突条20を周方向に沿って間欠的に設け、互いに隣接する乱流発生用突条20同士の間には、装飾用突条30がタイヤ周方向に複数列配置されている。それぞれの装飾用突条30は、タイヤ径方向に沿って延在されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 ランフラットタイヤ1のタイヤサイド部3に、複数の乱流発生用突条20を周方向に沿って間欠的に設け、互いに隣接する乱流発生用突条20同士の間には、装飾用突条30がタイヤ周方向に複数列配置されている。それぞれの装飾用突条30は、タイヤ径方向に沿って延在されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、乱流発生用突条を備えた冷却器機能を有するランフラットタイヤ、重荷重用タイヤなどの空気入りタイヤに関する。
一般に空気入りタイヤのタイヤ温度の上昇は、材料物性の変化といった経時的変化を促進したり、高速走行時にはトレッドの破損などの原因になり、耐久性の観点から好ましくない。特に、重荷重での使用となるオフザロードラジアル(ORR)タイヤ、トラックバスラジアル(TBR)タイヤや、パンク走行時(内圧0kPa走行時)のランフラットタイヤにおいては、耐久性を向上させるためにタイヤ温度を低減させることが大きな課題となっている。例えば三日月形補強ゴムを有するランフラットタイヤでは、パンク走行時に補強ゴムに径方向の変形が集中してこの部分が非常に高温に達し、耐久性に多大な影響を与える。このタイヤ温度低減手段としては、タイヤサイド部にタイヤ径方向に沿って乱流発生用突条を形成することで、タイヤ表面における乱流の発生を促進させて、冷却効果を向上させたものがある(特許文献1参照)。タイヤを構成するゴムは熱伝導性の悪い材料であるため、放熱面積を拡大させて冷却効果を狙うよりも、乱流発生を促進することによる冷却効果のほうが有効であることが知られている。
国際公開第2007/032405号パンフレット
しかし、タイヤは文字、リッヂ、セレーション等の装飾を入れることは必須であるが、それらが乱流発生用突条間に当たることにより乱流の発生が抑制されては冷却効果が十分ではなく耐久性が下がってしまう。
そこで、本発明の目的は、製品の外観を保ちつつ、冷却効果を損なうことのない空気入りタイヤを提供することにある。
タイヤはその性質上、文字やリッヂ等の装飾用突条が必須となる。しかしそれを入れることで乱流が阻害されてしまっては不都合であるため、装飾用突条を入れても問題とならない範囲を規定した。
請求項1記載の発明は、タイヤサイド部の表面にタイヤ径方向に沿って延在され、且つタイヤ周方向に沿って間隔を隔てて形成された複数の乱流発生用突条と、タイヤ周方向に沿って互いに隣接する乱流発生用突条同士の間に、タイヤサイド部の表面から突出するように形成された複数列の装飾用突条と、を備えたことを特徴とする。
この請求項1記載の発明においては、乱流発生用突条同士の間に複数列の装飾用突条を配置したことにより、乱流発生用突条を目立たなくすることができ、タイヤサイド部の外観を大幅に向上させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の空気入りタイヤであって、前記複数列の装飾用突条が、タイヤ径方向に沿って延在され、乱流発生用突条の間隔をp1、高さをh1、タイヤ周方向の幅をw1としたときに、1≦h1≦7mm、0.5≦w1≦5mmであり、且つ1.0≦p1/h1≦50.0の関係を満足し、装飾用突条の高さをh2、間隔をp2としたときに、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満足することを特徴とする。
この請求項2記載の発明においては、乱流発生用突条を故障の発生が起こりやすいタイヤサイド部に設けたことにより、この乱流発生用突条に相対して衝突する空気流をタイヤサイド部表面から剥離させ、再びタイヤサイド部表面に速い速度で乱流を衝突させることにより乱流空気で熱を奪ってタイヤサイド部を冷却促進させることができる。タイヤを構成するゴムは熱伝導性の悪い材料であるため、表面積を拡大して冷却を促進させることに比較して、速度の速い乱流の発生を促進させてこの乱流を直接タイヤサイド部に当てることによる冷却効果がより大きくなる。また、本発明では、複数の装飾用突条がタイヤサイド部に突設された乱流発生用突条同士の間に、高さh2≦0.5mmであり、且つ(間隔p2)/(高さh2)≦4.0の関係を満足する条件で設けられているため、乱流発生用突条で発生した乱流の冷却作用を阻害しないばかりか、放熱面積増大に伴い冷却効果を高めると共に、空気入りタイヤの装飾効果を大幅に高めることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、タイヤサイド部が、タイヤ径方向の断面が三日月形状をなすサイドウォール補強層を備えることを特徴とする。
この請求項3記載の発明のように、三日月形補強層が設けられたタイヤサイド部を有するランフラットタイヤのように、他の部分に比較してタイヤサイド部に故障が発生し得る部分を備えた空気入りタイヤでは、乱流発生用突条を設けた部分近傍のタイヤサイド部の温度低減効果が高めると共に、タイヤサイド部の装飾効果を高めることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、空気入りタイヤが、重荷重用タイヤであること特徴とする。
この請求項4記載の発明のように、カーカスの端部が位置するタイヤサイド部を有するTBRのような重荷重タイヤにおいては、他の部分に比較してタイヤサイド部に故障が発生し易いため、乱流発生用突条を設けた部分近傍のタイヤサイド部の温度低減効果が高めると共に、タイヤサイド部の装飾効果を高めることができる。
本発明によれば、製品の外観を大幅に向上させることができ、しかもタイヤサイド部の冷却効果の高い空気入りタイヤを実現できる。したがって、本発明によれば、空気入りタイヤの耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの詳細を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤとしてのランフラットタイヤ1およびその部分を示している。図1はランフラットタイヤ1の側面図、図2(a)は図1のA−A断面における乱流発生用突条20のタイヤ径方向の端部を示す要部断面図、図2(b)は図1のB−B断面における乱流発生用突条20の要部断面図、図3はランフラットタイヤ1を半径方向で切断した断面を示す要部断面図、図4は乱流発生用突条20の要部斜視図、図5は乱流発生用突条20と装飾用突条30をタイヤ周方向で切断した状態の乱流発生状態を示す断面説明図である。
〈ランフラットタイヤの概略構成〉
図1および図3に示すように、ランフラットタイヤ1は、路面と接触するトレッド部2と、タイヤ両側のタイヤサイド部3と、それぞれのタイヤサイド部3の開口縁に沿って設けられたビード部4と、を備えている。
図1および図3に示すように、ランフラットタイヤ1は、路面と接触するトレッド部2と、タイヤ両側のタイヤサイド部3と、それぞれのタイヤサイド部3の開口縁に沿って設けられたビード部4と、を備えている。
図1に示すように、タイヤサイド部3の外側表面には、複数の乱流発生用突条20が周方向に沿って間欠的(タイヤ周方向に略等間隔)に突設されている。それぞれの乱流発生用突条20は、タイヤサイド部3においてタイヤ径方向に沿って細長い直方体形状をなすように延在されている。なお、乱流発生用突条20が形成可能なタイヤサイド部3の範囲(加工可能範囲)としては、図3に示すように、リム(図示省略する)のベースラインから断面高さ(SH)の10〜90%の範囲である。そして、互いに隣接する乱流発生用突条20同士の間には、複数列の装飾用突条30がタイヤ周方向に等間隔で配置されている。それぞれの装飾用突条30は、タイヤ径方向に沿って延在されて、乱流発生用突条20と並ぶように形成されている。
図1および図3に示すように、ビード部4は、タイヤサイド部3の開口部の縁部に沿って周回するように設けられた、ビードコア6A及びビードフィラー6Bを備えている。ビードコア6Aとしては、具体的にスチールコードなどが用いられている。
また、図3に示すように、ランフラットタイヤ1は、タイヤの骨格となるカーカス層7を有している。タイヤサイド部3に位置するカーカス層7の内側(タイヤ幅方向内側)には、タイヤサイド部3を補強するサイドウォール補強層8が設けられている。このサイドウォール補強層8は、タイヤ幅方向断面において三日月形状のゴムストックによって形成されている。
カーカス層7のタイヤ径方向外側には、複数層のベルト層(スチールベルト補強層9,10、周方向補強層11)が設けられている。周方向補強層11のタイヤ径方向外側には、路面と接地する上記トレッド部2が設けられている。
〈乱流発生用突条の構成〉
図1および図4に示すように、本実施の形態に係るランフラットタイヤ1に形成する乱流発生用突条20は、タイヤサイド部3の外側表面に径方向rとほぼ同方向に沿って加工可能範囲内に延在するように形成されている。この乱流発生用突条20は、幅方向の断面形状は矩形である。本実施の形態では、図2(a)、(b)に示すように、乱流発生用突条20のタイヤ径方向の端面20Aやタイヤ周方向の両側面20Bは、タイヤサイド部3に対してほぼ直角に立ち上がるように形成されている。そして、これら端面20Aや両側面20Bは、乱流発生用突条20の上面20Cに直角をなし、上面20Cとの境界がエッジを形成していることが好ましい。
図1および図4に示すように、本実施の形態に係るランフラットタイヤ1に形成する乱流発生用突条20は、タイヤサイド部3の外側表面に径方向rとほぼ同方向に沿って加工可能範囲内に延在するように形成されている。この乱流発生用突条20は、幅方向の断面形状は矩形である。本実施の形態では、図2(a)、(b)に示すように、乱流発生用突条20のタイヤ径方向の端面20Aやタイヤ周方向の両側面20Bは、タイヤサイド部3に対してほぼ直角に立ち上がるように形成されている。そして、これら端面20Aや両側面20Bは、乱流発生用突条20の上面20Cに直角をなし、上面20Cとの境界がエッジを形成していることが好ましい。
図5に示すように、乱流発生用突条20同士は所定の間隔p1に設定され、乱流発生用突条20の高さh1も幅w1も同じ寸法に設定されている。なお、上記間隔p1とは、互いに隣接する乱流発生用突条20の延在方向の中央部分におけるタイヤ周方向の幅を二等分した点同士の間の距離とする。上記高さh1とは、乱流発生用突条20の延在方向の中央に位置する部分の高さとする。上記幅w1とは、乱流発生用突条20の延在方向の中央に位置する部分の幅とする。
ここで、乱流発生用突条20において、上記高さh1と上記間隔p1と幅w1との間に、1.0≦p1/h1≦50.0の関係があり、且つ1.0≦(p1−w1)/w1≦100.0の関係を満足するように設定している。好ましくは、乱流発生用突条20の間隔p1と高さh1の比の値(p1/h1)は2.0≦p1/h1≦24.0、更に好ましくは、10.0≦p1/h1≦20.0の範囲に規定している。なお、高さh1は、1≦h1≦7mmの範囲に設定されている。また、幅w1は、0.5≦w1≦5mmの範囲に設定されている。
上記のようにp1/h1で規定される空気の流れ(乱流)は、間隔p1を細かく刻み過ぎると、即ち間隔p1を狭くすると、乱流発生用突条20同士の間の部分に空気の流れが入り込まず、間隔p1を広げすぎると乱流発生用突条20の形状加工が無い場合と同等となってしまうため、上記した数値範囲に設定することが好ましい。
なお、(p1−w1)/w1は、間隔p1に対する突部部分の幅w1の割合を示すものであり、これが小さすぎることは冷却を向上させたい面の面積に対する乱流発生用突条の表面積の割合が等しくなることと同様である。乱流発生用突条20はゴムでなり表面積増加による冷却向上効果があまり期待できないため、(p1−w1)/w1の最小値は1.0に規定している。(p1−w1)/w1は、1.0≦(p−w)/w≦100.0の範囲に設定されている。
本実施の形態では、パンク走行時(内圧0kPa走行時)の劣化の発生が他の部分に比較してタイヤサイド部3に起こり易いにランフラットタイヤ1に対して、乱流発生用突条20を設けたことにより、この乱流発生用突条20で発生した空気の乱流でタイヤサイド部3の冷却を促進させることができる。これは、タイヤを構成するゴムは熱伝導性の悪い材料であるため、冷却面積を拡大して冷却を促進させるよりも、乱流の発生を促進させて乱流を直接タイヤサイド部に当てることによる冷却効果が大きくなるからである。
〈装飾用突条の構成〉
図4および図5に示すように、隣接する乱流発生用突条20同士の間には、複数(本実施の形態では4本)の装飾用突条30が等間隔に配置されている。この装飾用突条30は、隣接する乱流発生用突条20同士の間のタイヤサイド部3の表面から突出するように形成されている。そして、装飾用突条30は、タイヤサイド部3において、上記乱流発生用突条20の加工可能範囲内で、タイヤ径方向に沿って細長く伸びるように形成されている。装飾用突条30のタイヤ周方向の断面は、矩形状に形成されている。
図4および図5に示すように、隣接する乱流発生用突条20同士の間には、複数(本実施の形態では4本)の装飾用突条30が等間隔に配置されている。この装飾用突条30は、隣接する乱流発生用突条20同士の間のタイヤサイド部3の表面から突出するように形成されている。そして、装飾用突条30は、タイヤサイド部3において、上記乱流発生用突条20の加工可能範囲内で、タイヤ径方向に沿って細長く伸びるように形成されている。装飾用突条30のタイヤ周方向の断面は、矩形状に形成されている。
本実施の形態では、装飾用突条30の高さh2、および間隔p2は、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満足するように規定されている。
また、装飾用突条30の幅w2の寸法は、0.4mm〜2mmに規定されている。
タイヤはその性質上、文字やリッヂ等の装飾用突条が必須となる。しかしそれを入れることで乱流が阻害されてしまっては不都合であるため、装飾用突条を入れても問題とならない範囲を規定した。
なお、本実施の形態に係るランフラットタイヤ1では、乱流発生用突条20がタイヤサイド部3に突設されているためタイヤサイド部3の外観に凹凸が強調され、回転体としてのタイヤサイド部3の外観を損ねることが懸念されている。しかし、乱流発生用突条20同士の間のタイヤサイド部3の表面に複数列の装飾用突条30を形成したことにより、大幅に外観を向上させることができる。
特に、本実施の形態のように、三日月形補強ゴムでなるサイドウォール補強層8が設けられたタイヤサイド部3を有するランフラットタイヤ1において、タイヤサイド部3の温度を低減させることが耐久性向上の観点から有効になる。
次に、図5を用いて乱流の発生の状態を説明する。ランフラットタイヤ1の回転に伴い、乱流発生用突条20が形成されていないタイヤサイド部3に接触していた空気の流れS1が乱流発生用突条20でタイヤサイド部3から剥離されて乱流発生用突条20を乗りこえる。このとき、この乱流発生用突条20の背面側には、空気の流れが滞留する部分(領域)S2が生じる。そして、空気の流れS1は、次の乱流発生用突条20との間の底部に再付着して、次の乱流発生用突条20で再び剥離される。このとき、空気の流れS1と次の乱流発生用突条20で再び剥離との間には、空気の流れが滞留する部分(領域)S3が生じる。ここで、乱流S1が接触する領域上の速度勾配(速度)を速くすることが冷却率を高めるために優位となると考えられる。
このとき、乱流発生用突条20同士の間のタイヤサイド部3に再付着した乱流は、複数列の装飾用突条30に接触するが、装飾用突条30の高さh2、および間隔p2が、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満たすように設定されているため、タイヤサイド部3で乱流の軌道が乱されることなく隣の乱流発生用突条20を乗り越える所定速度以上の乱流に発展させることが可能となる。このため、乱流発生に伴うタイヤサイド部3の冷却効果が損なわれることがない。また、乱流発生用突条20同士の間の装飾用突条30は、タイヤサイド部3の表面積の増加に寄与するため、乱流発生に伴う冷却効果に加えて放熱面積の増加に伴う冷却効果を加えることができる。このため、装飾用突条30を上記の条件範囲で形成することにより、平坦なタイヤサイド部3に乱流発生用突条20のみを形成した場合よりも、冷却効果が高まるという利点がある。
また、本実施の形態のランフラットタイヤ1では、乱流発生用突条20におけるタイヤ径方向内側の端部に頂部(エッジ部)を有するため、このエッジ部を起点として剥離した空気流が旋回しながら遠心力の作用する方向に流れることが推測される。このため、この乱流発生用突条20におけるタイヤ径方向内側の端部を最も温度低減したい箇所よりも径方向内側に配置することで、選択的に冷却をより高めることができる。
(装飾用突条の変形例1)
図6は、上記装飾用突条30の変形例1を示すものである。この装飾用突条30Aは、図6に示すように、タイヤ周方向の断面形状が台形状であり、互いに基部が隣接するように配列されている。この変形例1においても、装飾用突条30の高さh2、および間隔p2は、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満足するように規定されている。このような形状の装飾用突条30Aを備えることにより、タイヤサイド部3に乱流発生用突条20のみを形成した場合に比べて、外観を大幅に向上できると共に、タイヤサイド部3の冷却効果も高めることができる。
図6は、上記装飾用突条30の変形例1を示すものである。この装飾用突条30Aは、図6に示すように、タイヤ周方向の断面形状が台形状であり、互いに基部が隣接するように配列されている。この変形例1においても、装飾用突条30の高さh2、および間隔p2は、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満足するように規定されている。このような形状の装飾用突条30Aを備えることにより、タイヤサイド部3に乱流発生用突条20のみを形成した場合に比べて、外観を大幅に向上できると共に、タイヤサイド部3の冷却効果も高めることができる。
(装飾用突条の変形例2)
図7は、上記装飾用突条30の変形例2を示すものである。この装飾用突条30Bは、図7に示すように、タイヤ周方向の断面形状が三角形状であり、互いに基部が隣接するように配列されている。この変形例2においても、装飾用突条30の高さh2、および間隔p2は、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満足するように規定されている。このような形状の装飾用突条30Aを備えることにより、タイヤサイド部3に乱流発生用突条20のみを形成した場合に比べて、外観を大幅に向上できると共に、タイヤサイド部3の冷却効果も高めることができる。
図7は、上記装飾用突条30の変形例2を示すものである。この装飾用突条30Bは、図7に示すように、タイヤ周方向の断面形状が三角形状であり、互いに基部が隣接するように配列されている。この変形例2においても、装飾用突条30の高さh2、および間隔p2は、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満足するように規定されている。このような形状の装飾用突条30Aを備えることにより、タイヤサイド部3に乱流発生用突条20のみを形成した場合に比べて、外観を大幅に向上できると共に、タイヤサイド部3の冷却効果も高めることができる。
(実施例)
次に、実施例について説明する。従来例、実施例1〜9、及び比較例1〜7では、以下の条件で耐久ドラム試験を行った。なお、耐久ドラム試験の結果(耐久性評価)は、故障発生までの耐久距離を指数化したものを下表1〜3に示す。
次に、実施例について説明する。従来例、実施例1〜9、及び比較例1〜7では、以下の条件で耐久ドラム試験を行った。なお、耐久ドラム試験の結果(耐久性評価)は、故障発生までの耐久距離を指数化したものを下表1〜3に示す。
なお、従来例は乱流発生用突条20のみを形成したものであり、装飾用突条30が形成されないランフラットタイヤである。p1/h1が12であり、乱流発生用突条の幅w1が1mm、高さh1が2mmに設定したランフラットタイヤついての結果である。
実施例1〜9および比較例1〜7は、p1/h1を1〜30の範囲で振り、p2/h2を3.6〜6.0の範囲振り、乱流発生用突条の幅w1を0.4〜5.0の範囲で振り、高さh1を0.5〜10の範囲で振り、装飾用突条の高さh2を0.3〜0.5の範囲で振るように設定したランフラットタイヤについての結果である。
なお、乱流発生用突条20の幅w1,高さh1,間隔p1、装飾用突条30の高さh2,間隔p2の定義は、上記した通りである。また、ランフラットタイヤの設定条件は以下の通りである。
上記表1〜3に示す結果から、乱流発生用突条20の間隔p1と高さh1の比の値(p1/h1)が2≦p1/h1以上24の範囲で、装飾用突条30の間隔p2と高さh2の比の値(p2/h2)がp1/h1≦4で、乱流発生用突条20の幅w1が0.5mm≦w1≦5mmの範囲で、乱流発生用突条20の高さh1が1mm≦h1≦7mmの範囲で、しかも装飾用突条30の高さh2がh2≦0.5mmであれば、耐久性を高めることが判る。
次に、乱流発生用突条20のp/h、(p−w)/w、を変えたものを用いて、熱伝達率を求めた結果を図9および図10に示す。図9および図10のグラフの縦軸は、タイヤ表面に貼り付けたヒータに定電圧を印加して一定の熱量を発生させ、タイヤを回転させたときのタイヤ表面の温度を測定して求めた熱伝達率である。すなわち、この熱伝達率が大きいということは、冷却効果が高いことを表している。ここでは、乱流発生用突条20を有しないランフラットタイヤの熱伝達率を100に設定している。
なお、この熱伝達率測定試験は、以下の条件で行った。
タイヤサイズ:285/50R20
使用リム:8JJ×20
内圧:0kPa
荷重:0.5kN
速度:90km/h
図9は、乱流発生用突条20の間隔(p)と高さ(h)の比の値(p/h)と、耐久性能との関係を示す図であり、p/hが1.0以上で、且つ50.0以下で熱伝達率が高まっていることを示している。図9からp/hが2.0から24.0の範囲でさらに熱伝達率が良く耐久性が高くなることを示している。このため、乱流発生用凹凸部では、1.0≦p/h≦50.0の範囲が良く、好ましくは2.0≦p/h≦24.0の範囲、更に好ましくは10.0≦p/h≦20.0の範囲がよい。
使用リム:8JJ×20
内圧:0kPa
荷重:0.5kN
速度:90km/h
図9は、乱流発生用突条20の間隔(p)と高さ(h)の比の値(p/h)と、耐久性能との関係を示す図であり、p/hが1.0以上で、且つ50.0以下で熱伝達率が高まっていることを示している。図9からp/hが2.0から24.0の範囲でさらに熱伝達率が良く耐久性が高くなることを示している。このため、乱流発生用凹凸部では、1.0≦p/h≦50.0の範囲が良く、好ましくは2.0≦p/h≦24.0の範囲、更に好ましくは10.0≦p/h≦20.0の範囲がよい。
また、図10は、(p−w)/wと熱伝達率(上記熱伝達率と同様の方法で測定)との関係を示した図であり、1.0≦(p−w)/w≦100.0、好ましくは4.0≦(p−w)/w≦39.0の関係を満足することが熱伝達率を高めていることが判る。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記した各実施の形態では、空気入りタイヤとしてランフラットタイヤを適用したが、オフザロードラジアル(ORR)タイヤ、トラックバスラジアル(TBR)タイヤなどの重荷重用タイヤに適用できることは勿論である。図8は、重荷重用タイヤ40のタイヤサイド部3に乱流発生用突条20と装飾用突条(図示省略する)を設けた実施の形態を示している。
また、上記した実施の形態では、装飾用突条30と乱流発生用突条20とがタイヤ径方向に同程度の長さで互いに並行するように配置したが、装飾用突条30がタイヤ径方向に対して乱流発生用突条20よりもタイヤ径方向の内側又は外側に突出するように形成してもよいし、装飾用突条30の長さを乱流発生用突条20に比較して短く設定し、隣接する乱流発生用突条20同士の間の領域内に収まるように配置してもよい。
さらに、上記した実施の形態では、互いに隣接する乱流発生用突条20同士の間に、複数列の装飾用突条30をタイヤ径方向に沿って延在するように形成したが、それぞれの装飾用突条をタイヤ周方向に沿って延在するように形成し、タイヤサイド部3において、この装飾用突条がタイヤ径方向外側から内側に亘って複数配置される構造としてもよい。
また、上記した実施の形態では、乱流発生用突条20の形状が細長い直方体形状としたが、タイヤ周方向の断面形状が台形状や他の形状であってもよい。上記乱流発生用突条20は、ほぼタイヤ径方向に沿って延在されているが、タイヤ径方向に対して斜めに傾斜した角度を有するように配置しても勿論よい。
1…ランフラットタイヤ、3…タイヤサイド部、4…ビード部、8…サイドウォール補強層、20…乱流発生用突条、30,30A,30B…装飾用突条、40…重荷重用タイヤ
Claims (4)
- タイヤサイド部の表面にタイヤ径方向に沿って延在され、且つタイヤ周方向に沿って間隔を隔てて形成された複数の乱流発生用突条と、
タイヤ周方向に沿って互いに隣接する前記乱流発生用突条同士の間に、前記タイヤサイド部の表面から突出するように形成された複数列の装飾用突条と、
を備えたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記複数列の装飾用突条は、それぞれタイヤ径方向に沿って延在され、
前記乱流発生用突条の間隔をp1、高さをh1、タイヤ周方向の幅をw1としたときに、1≦h1≦7mm、0.5≦w1≦5.0mmであり、且つ1.0≦p1/h1≦50.0の関係を満足し、
前記装飾用突条の高さをh2、間隔をp2としたときに、h2≦0.5mmであり、且つp2/h2≦4.0の関係を満足することを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 前記タイヤサイド部は、タイヤ径方向の断面が三日月形状をなすサイドウォール補強層を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記空気入りタイヤは、重荷重用タイヤであること特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198174A JP2009029378A (ja) | 2007-07-30 | 2007-07-30 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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