JP5147324B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、耐久性の高い乱流発生用突条を備えた冷却機能を有する空気入りタイヤに関する。
一般に空気入りタイヤのタイヤ温度の上昇は、材料物性の変化といった経時的変化を促進したり、高速走行時にはトレッドの破損などの原因になり、耐久性の観点から好ましくない。特に、乗用車においてパンク走行時(内圧0kPa走行時)のランフラットタイヤにおいては、耐久性を向上させるためにタイヤ温度を低減させることが大きな課題となっている。例えば三日月形補強ゴムを有するランフラットタイヤでは、パンク走行時に補強ゴムに径方向の変形が集中してこの部分が非常に高温に達し、耐久性に多大な影響を与える。
このタイヤ温度低減手段としては、タイヤサイド部にタイヤ径方向に沿って乱流発生用突条を形成することで、タイヤ表面における乱流の発生を促進させて、冷却効果を向上させたものがある(特許文献1参照)。タイヤを構成するゴムは熱伝導性の悪い材料であるため、放熱面積を拡大させて放熱効果を狙うよりも、乱流発生を促進することによる冷却効果のほうが有効であることが知られている。
国際公開第2007/032405号パンフレット
通常、空気入りタイヤにおいて路面がサイド接地する領域は、トレッド面から径方向内側に約20mm〜40mm付近までである。タイヤサイド部の温度低減の観点からタイヤサイド部のタイヤ径方向外側位置にも上記乱流発生用突条が形成されていることが好ましい。しかし、タイヤサイド部の外表面に乱流発生用突条を形成した場合、以下のような不具合が発生する。すなわち、車両が急激にカーブを曲がる際に大きな横力が加わった場合、タイヤサイド部のタイヤ径方向外側のトレッド面に近い部分が路面と接触して乱流発生用突条が路面により破壊されるという不具合が発生する。この方策として、タイヤサイド部のタイヤ径方向外側部分には乱流発生用突条を形成しないことが考えられるが、そうすると乱流発生用突条による温度低減効果が低下してしまうとい問題がある。
そこで、本発明の目的は、タイヤサイド部の温度低減効果が高く、乱流発生用突条の破壊を抑制できる空気入りタイヤを提供することにある。
上記課題に着目して鋭意研究した結果、トレッド面の位置から、40mm程度のタイヤ径方向内側の位置までの接地可能規定領域に乱流発生用突条を配置する場合、乱流発生用突条のタイヤ径方向の外側端部の高さが漸次低くなるように傾斜させることで、サイド接地時においても乱流発生用突条が破壊されることがなくなり、しかも冷却効果を維持できることが判った。その理由は、接地可能規制領域における乱流発生用突条の高さが低いと、乱流発生用突条が路面と接触しにくくなり、接触しても乱流発生用突条の高さが低いため曲げ剛性が高く乱流発生用突条が変形しにくくなる。このため、乱流発生用突条のタイヤサイド部表面近傍の基部(根元部)に加わる応力値が小さくなり乱流発生用突条の故障が起こりにくくなるからである。
請求項1記載の発明は、タイヤサイド部の表面にタイヤ径方向に沿って延在され、且つタイヤ周方向に沿って間隔を隔てて形成された複数の乱流発生用突条が形成された空気入りタイヤであって、乱流発生用突条のタイヤ径方向の外側端部が、タイヤサイド部の接地可能規定領域内に配置され、この接地可能規定領域内に位置する部分が上記外側端部へ向けて高さが漸次減少するように形成され、乱流発生用突条における接地可能規定領域のトレッド面より最もタイヤ径方向内側に位置する境界部分の高さをh1とし、外側端部の高さh2としたときに、境界部分と外側端部との中間位置での高さh3は、h3=0.4〜0.7×(h1−h2)+h2を満足することを要旨とする。
ここで、接地可能規定領域は、トレッド面(最大トレッド部表面を通るタイヤ径方向と直角をなす面)よりタイヤ径方向内側に所定の距離までの領域であり、具体的には、トレッド面よりタイヤ径方向内側へ40mmまで距離にあるタイヤ表面領域内に配置されることが好ましく、上記外側端部はトレッド面より20mm位置よりもタイヤ径方向内側に位置することが好ましい。
このように、乱流発生用突条における接地可能規定領域内のみでタイヤ径方向外側部分が滑らかに漸減するゲージ分布を規定したことにより、乱流発生用突条による冷却効果と乱流発生用突条の耐久性とを両立させることが可能となる。中間位置での高さh3が上記範囲を下回ると、接地可能規定領域内での乱流発生用突条の高さが確保できずに温度低減効果が小さくなり、逆に上記範囲を上回ると乱流発生用突条が破壊されやすくなる。
請求項記載の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤであって、複数の前記乱流発生用突条が等間隔に配置され、互いに隣接する乱流発生用突条同士の最大高さhとなる位置同士の間隔pとしたときに、1.0≦p/h≦50.0の関係があり、且つ1.0≦(p−w)/w≦100.0の関係を満足することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明であって、乱流発生用突条の最大高さ位置での高さが1〜5mmであることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載された空気入りタイヤであって、前記乱流発生用突条における前記接地可能規定領域内に配置された部分の高さは2.5mm以下であることを特徴とする。
コーナリング時のサイド接地により乱流発生用突条が破壊される可能性を考慮すると、滑らかにゲージを漸減させるためには、上記条件とすることが好ましい。
請求項記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載された空気入りタイヤであって、タイヤサイド部は、タイヤ径方向の断面形状が三日月形状の補強ゴムを備えることを特徴とする。
本発明によれば、乱流発生用突条におけるタイヤサイド部の接地可能規定領域内に位置する部分が上記外側端部へ向けて高さが漸次減少するように形成されているため、例えば、車両が急激にカーブを曲がる際に大きな横力が加わった場合でも乱流発生用突条が路面に接触せず破壊されることを抑制できる。また、乱流発生用突条が路面と接触した場合でも、乱流発生用突条の高さが低いため曲げ剛性が高く、破壊の起点となる乱流発生用突条の根元(下部)に加わる応力値が小さくなり、乱流発生用突条の破壊が抑制できる。
また、本発明によれば、乱流発生用突条における接地可能規定領域のトレッド面より最もタイヤ径方向内側に位置する境界部分の高さをh1とし、上記外側端部の高さh2としたときに、前記境界部分と前記外側端部との中間位置での高さh3は、h3=0.4〜0.7×(h1−h2)+h2を満足することで、乱流発生用突条の外側端部が接地することを抑制できる。
本発明によれば、互いに隣接する乱流発生用突条同士の最大高さ位置同士の間隔pとしたときに、1.0≦p/h≦50.0の関係があり、且つ1.0≦(p−w)/w≦100.0の関係を満足するため、乱流発生による冷却効果を高めることができる。
本発明によれば、ランフラットタイヤのタイヤサイド部の冷却効果を高め、しかも乱流発生用突条の耐久性を高める効果がある。
以下、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの詳細を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤとしてのランフラットタイヤ1およびその部分を示している。図1はランフラットタイヤ1の側面図、図2は図1のII-II断面を示す要部断面図、図3は乱流発生用突条のタイヤ径方向の外側端部を示す要部斜視図、図4はランフラットタイヤのタイヤサイド部表面の乱流発生用突条をタイヤ周方向で切断した断面説明図である。
〈ランフラットタイヤの概略構成〉
図1および図2に示すように、ランフラットタイヤ1は、路面と接触するトレッド部2と、タイヤ両側のタイヤサイド部3と、それぞれのタイヤサイド部3の開口縁に沿って設けられたビード部4と、を備えて大略構成されている。そして、図1に示すように、タイヤサイド部3の外側表面には、複数の乱流発生用突条20が周方向に沿って間欠的(タイヤ周方向に等間隔)に突設されている。
図2に示すように、ビード部4は、タイヤサイド部3の開口部の縁部に沿って周回するように設けられた、ビードコア6A及びビードフィラー6Bを備えている。ビードコア6Aとしては、具体的にスチールコードなどが用いられている。
また、図2に示すように、ランフラットタイヤ1は、タイヤの骨格となるカーカス層7を有している。タイヤサイド部3に位置するカーカス層7の内側(タイヤ幅方向内側)には、補強ゴムとしてのサイドウォール補強層8が設けられている。このサイドウォール補強層8は、タイヤ幅方向断面において三日月形状のゴムストックによって形成されている。
カーカス層7のタイヤ径方向外側には、複数層のベルト層(スチールベルト補強層9,10、周方向補強層11)が設けられている。周方向補強層11のタイヤ径方向外側には、路面と接地する上記トレッド部2が設けられている。
〈乱流発生用突条の構成〉
本実施の形態のように、三日月形補強ゴムでなるサイドウォール補強層8が設けられたタイヤサイド部3を有するランフラットタイヤ1において、タイヤサイド部3の温度を低減させることが耐久性向上の観点から有効になる。
そこで、上記乱流発生用突条20は、タイヤサイド部3においてタイヤ径方向に沿って細長く延伸するように形成されている。この乱流発生用突条20のタイヤ周方向の断面は、矩形状に形成されている。
この乱流発生用突条20は、図2に示すように、リム(図示省略する)のベースラインからトレッド面までの断面高さ(H)の範囲内に形成されている。
乱流発生用突条20のタイヤ径方向の外側端部20Aは、予め設定された接地可能規定領域Aの範囲内に位置するように配置されている。なお、この接地可能規定領域Aは、ランフラットタイヤ1が最大トレッドの状態で適正タイヤ内圧のときに規定される領域であり、通常の乗用車用の空気入りタイヤではトレッド面からタイヤ径方向内側へ40mmまでの範囲である。加えて、この外側端部20Aは、通常接地可能領域B内に入らないように配置されている。この通常接地可能領域Bは、ランフラットタイヤ1において大きな横力が働かない条件での走行した場合に路面に接地する領域であり、トレッド面からタイヤ径方向の内側へ20mmの距離までの領域である。
また、図3に示すように、乱流発生用突条20における、接地可能規定領域A内に位置する部分は、外側端部20Aに向けて漸次高さが低くなるように設定されている。図3に示すように、接地可能規定領域Aの最もタイヤ径方向内側位置における乱流発生用突条20の高さをh1、外側端部20Aの高さをh2、これらの中間位置での高さをh3とすると、h3=0.4〜0.7×(h1−h2)+h2を満足するように設定されている。なお、乱流発生用突条20における接地可能規定領域A内に配置された部分は、高さが2.5mm以下に設定されている。
一方、乱流発生用突条20のタイヤ径方向の内側端部20Bは、ビード部4よりもタイヤ径方向外側に位置するように配置されている。この内側端部20Bは、上記した外側端部20Aのように漸次高さが低くならずに、乱流発生用突条20の中央の高さhと同等もしくはそれよりも僅かに低くなるように形成されている。
本実施の形態では、図4に示すように、乱流発生用突条20同士は所定の間隔pに設定され、乱流発生用突条20の高さhも幅wも同じ寸法に設定されている。なお、上記間隔pとは、互いに隣接する乱流発生用突条20の延在方向の中央部分におけるタイヤ周方向の幅を二等分した点同士の間の距離とする。上記高さhとは、乱流発生用突条20の延在方向の中央に位置する部分の高さとする。上記幅wとは、乱流発生用突条20の延在方向の中央に位置する部分の幅とする。
ここで、乱流発生用突条20において、上記高さhと上記間隔pと幅wとの間に、1.0≦p/h≦50.0の関係があり、且つ1.0≦(p−w)/w≦100.0の関係を満足するように設定している。好ましくは、乱流発生用突条20の間隔pと高さhの比の値(p/h)は2.0≦p/h≦24.0、更に好ましくは、10.0≦p/h≦20.0
の範囲に規定している。なお、高さhは、1≦h≦5mmの範囲に設定されている。また、幅wは、0.5≦w≦5mmの範囲に設定されている。
上記のようにp/hで規定される空気の流れ(乱流)は、間隔pを細かく刻み過ぎると、即ち間隔pを狭くすると、乱流発生用突条20同士の間の部分に空気の流れが入り込まず、間隔pを広げすぎると乱流発生用突条20の形状加工が無い場合と同等となってしまうため、上記した数値範囲に設定することが好ましい。
なお、(p−w)/wは、間隔pに対する突部部分の幅wの割合を示すものであり、これが小さすぎることは冷却を向上させたい面の面積に対する乱流発生用突条の表面積の割合が等しくなることと同様である。乱流発生用突条20はゴムでなり表面積増加による冷却向上効果があまり期待できないため、(p−w)/wの最小値は1.0に規定している。(p−w)/wは、1.0≦(p−w)/w≦100.0の範囲に設定されている。
本実施の形態では、パンク走行時(内圧0kPa走行時)の劣化の発生が他の部分に比較してタイヤサイド部3に起こり易いにランフラットタイヤ1に対して、乱流発生用突条20を設けたことにより、この乱流発生用突条20で発生した空気の乱流でタイヤサイド部3の冷却を促進させることができる。これは、タイヤを構成するゴムは熱伝導性の悪い材料であるため、放熱面積を拡大して放熱を促進させるよりも、乱流の発生を促進させて乱流を直接タイヤサイド部に当てることによる冷却効果が大きくなるからである。このときに、接地可能規定領域A内に形成された乱流発生用突条20の外側端部20Aは、路面と接触しやすくなるが、この場合も乱流発生用突条20が破壊されることを抑制しつつ、冷却効果を維持させることができる。
次に、図4を用いて乱流の発生のメカニズムを説明する。ランフラットタイヤ1の回転に伴い、乱流発生用突条20が形成されていないタイヤサイド部3に接触していた空気の流れS1が乱流発生用突条20でタイヤサイド部3から剥離されて乱流発生用突条20を乗りこえる。このとき、この乱流発生用突条20の背面側には、空気の流れが滞留する部分(領域)S2が生じる。そして、空気の流れS1は、次の乱流発生用突条20との間の底部に再付着して、次の乱流発生用突条20で再び剥離される。このとき、空気の流れS1と次の乱流発生用突条20で再び剥離との間には、空気の流れが滞留する部分(領域)S3が生じる。ここで、乱流S1が接触する領域上の速度勾配(速度)を速くすることが冷却率を高めるために優位となると考えられる。このような乱流発生のメカニズムは、乱流発生用突条20のタイヤ径方向の外側端部20Aにおいても同様であり、本実施の形態のように、外側端部20A側のゲージ分布を規定することにより、乱流発生作用を大幅に抑えることなく、乱流発生用突条20の破壊を抑制することが可能となる。
また、本実施の形態のランフラットタイヤ1では、乱流発生用突条20におけるタイヤ径方向内側の端部に頂部(エッジ部)を有するため、このエッジ部を起点として剥離した空気流が旋回しながら遠心力の作用する方向に流れることが推測される。
(実施例)
次に、実施例について説明する。従来例、比較例1、実施例1〜6では、以下の条件で耐久ドラム試験を行った。なお、耐久ドラム試験の結果(耐久性評価)は、故障発生までの耐久距離を指数化したものを下表1に示す。
なお、従来例は乱流発生用突条20が無いランフラットタイヤ、比較例は乱流発生用突条20の外側端部20Aの高さが漸次低くならないように形成されたランフラットタイヤ、実施例1〜6および比較例は、p/hを12に設定したものである。また実施例1〜6および比較例は、外側端部20Aがトレッド面から30mmの位置に配置されている。接地可能規定領域Aは、トレッド面からタイヤ径方向内側に40mmの位置までの領域と規定した。外側端部20Aの高さは、比較例で2mm、実施例1〜6では0mm若しくは0.5mmとした。中間位置での高さh3は、比較例で2mm、実施例1〜6で0.8mm〜1.75mmとした。(h3−h2)/(h1−h2)の値は、比較例で0、実施例1〜6で0.2〜0.8となるようにした。乱流発生用突条20の最高高さhは、実施例3が5.0mm、実施例6が4.5mmであり、それ以外は2.0mmに設定した。
なお、ランフラットタイヤの設定条件は以下の通りである。
タイヤサイズ:285/50R20
使用リム:8JJ×20
(耐久力試験)
内圧:0kPa
荷重:9.8kN
速度:90km/h
このような条件で耐久ドラム試験での故障までの耐久距離を指数化した。
(サイド接地の試験)
内圧:150kPa(やや低内圧での使用時)
荷重:10.3kN
S.A.6°で走行させてサイド接地の状況確認
このような条件で乱流発生用突条に破壊発生の有無を判断した。
Figure 0005147324
上記表1に示すように、従来例は、耐久性の値が56と最も低くかった。これは、従来例は乱流発生用突条を有しないため、タイヤサイド部の冷却効果が低く故障を起こすまでの耐久距離が短かったと考えられる。また、耐久力試験では、外側端部20Aの高さh2が低くなっていない比較例は、冷却効果が高いこともあり耐久性が高い。しかし、サイド接地の試験、すなわちコーナリング走行試験での乱流発生用突条の故障の有無は、全周に亘って故障(破壊)が発生している。
このような従来例および比較例に対して、乱流発生用突条20の外側端部20Aの高さが漸減する実施例1〜6は、耐久力試験による耐久性が高く、しかも乱流発生用突条20の破壊発生が実施例によってごく僅か見られる程度であった。これは、接地可能規定領域A(トレッド面からタイヤ径方向内側へ40mmまでの領域)内の部分を外側端部20Aへ向けて高さを漸減させているため、接地に伴う乱流発生用突条20の破壊が抑制されると共に、乱流発生用突条20による冷却効果も奏している。特に、(h3−h2)/(h1−h2)の値を、0.4〜0.7に設定することが好ましい。
次に、乱流発生用突条20のp/h、(p−w)/w、を変えたものを用いて、熱伝達率を求めた結果を図5および図6に示す。図5および図6のグラフの縦軸は、タイヤ表面に貼り付けたヒータに定電圧を印加して一定の熱量を発生させ、タイヤを回転させたときのタイヤ表面の温度を測定して求めた熱伝達率である。すなわち、この熱伝達率が大きいということは、冷却効果が高いことを表している。ここでは、乱流発生用突条20を有しないランフラットタイヤの熱伝達率を100に設定している。
なお、この熱伝達率測定試験は、以下の条件で行った。
タイヤサイズ:285/50R20
使用リム:8JJ×20
内圧:0kPa
荷重:0.5kN
速度:90km/h
図5は、乱流発生用突条20の間隔(p)と高さ(h)の比の値(p/h)と、耐久性能との関係を示す図であり、p/hが1.0以上で、且つ50.0以下で熱伝達率が高まっていることを示している。図5からp/hが2.0から24.0の範囲でさらに熱伝達率が良く耐久性が高くなることを示している。このため、乱流発生用凹凸部では、1.0≦p/h≦50.0の範囲が良く、好ましくは2.0≦p/h≦24.0の範囲、更に好ましくは10.0≦p/h≦20.0の範囲がよい。
また、図6は、(p−w)/wと熱伝達率(上記熱伝達率と同様の方法で測定)との関係を示した図であり、1.0≦(p−w)/w≦100.0、好ましくは4.0≦(p−w)/w≦39.0の関係を満足することが熱伝達率を高めていることが判る。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記した実施の形態では、乱流発生用突条20の形状が細長い直方体形状としたが、タイヤ周方向の断面形状が台形状や他の形状であってもよい。上記乱流発生用突条20は、ほぼタイヤ径方向に沿って延在されているが、タイヤ径方向に対して斜めに傾斜した角度を有するように配置しても勿論よい。
本発明の実施の形態に係るランフラットタイヤの側面図である。 図1のII-II断面における要部断面図である。 本発明の実施の形態に係るランフラットタイヤの乱流発生用突条の外側端部を示す要部斜視図である。 乱流発生用突条タイヤ周方向で切断した状態の乱流発生メカニズムを示す説明図である。 p/hと熱伝達率との関係を示す図である。 (p−w)/wと熱伝達率との関係を示す図である。
符号の説明
1…ランフラットタイヤ、3…タイヤサイド部、4…ビード部、8…サイドウォール補強層、20…乱流発生用突条、20A…外側端部、A…接地可能規定領域

Claims (5)

  1. タイヤサイド部の表面にタイヤ径方向に沿って延在され、且つタイヤ周方向に沿って間隔を隔てて形成された複数の乱流発生用突条が形成された空気入りタイヤであって、
    前記乱流発生用突条のタイヤ径方向の外側端部が、タイヤサイド部の接地可能規定領域内に配置され、
    前記接地可能規定領域内に位置する部分が前記外側端部へ向けて高さが漸次減少するように形成され
    前記乱流発生用突条における前記接地可能規定領域のトレッド面より最もタイヤ径方向内側に位置する境界部分の高さをh1とし、前記外側端部の高さh2としたときに、前記境界部分と前記外側端部との中間位置での高さh3は、
    h3=0.4〜0.7×(h1−h2)+h2
    を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 複数の前記乱流発生用突条が等間隔に配置され、
    互いに隣接する前記乱流発生用突条同士の最大高さhとなる位置同士の間隔をpとしたときに、
    1.0≦p/h≦50.0の関係があり、且つ1.0≦(p−w)/w≦100.0の関
    係を満足することを特徴とする請求項1に記載された空気入りタイヤ。
  3. 前記乱流発生用突条の前記最大高さ位置での高さが1〜5mmであることを特徴とする請求項に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記乱流発生用突条における前記接地可能規定領域内に配置された部分の高さは2.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載された空気
    入りタイヤ。
  5. 前記タイヤサイド部は、タイヤ径方向の断面形状が三日月形状の補強ゴムを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載された空気入りタイヤ。
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