JP2009029174A - 車体の衝撃エネルギー吸収方法、及び衝撃吸収部材ならびに車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】扁平な略多角形の横断面形状を有し、かつ扁平な略多角形の長辺を含む広幅面に、内部へ向けて突設されるとともに軸方向と略平行な方向へ延在する溝部を少なくとも軸方向の一部に有する筒状の本体を備える衝撃吸収部材を、車体の所定の位置に装着し、車体の衝突時に本体を蛇腹状に座屈変形させて衝撃エネルギーを吸収する。溝部が、蛇腹状の座屈変形時に、Dy/Dz≧1.0を満足することにより、車体の衝撃エネルギーを効果的に吸収する。Dy:溝部の底部のY方向への変位、Dz:溝部の底部のZ方向への変位、Y方向:本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向に対して直交する方向、Z方向:本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向である。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、フロントサイドメンバーの側面に軸方向へ延在するビードを設けることによって、フロントサイドメンバーの面剛性を向上させその座屈強度を高めるとともに、別部品の補強材を用いることなくフロントサイドメンバーの強度バランスの調整を容易とする発明が開示される。
また、特許文献4に記載された衝撃吸収部材によれば、座屈の間隔が小さくなるので衝撃エネルギーの吸収量を高めることができる。しかしながら、特にその部材の軸方向長さが長い場合、更なる座屈の安定性が要求されている。
(i)長尺の衝撃吸収部材の塑性座屈変形挙動の安定性は、衝撃吸収部材の本体である筒体の横断面内で剛性が低い平面部における面外変形の影響を強く受ける。
(ii)この平面部に、内部へ向けて突設されるとともに軸方向へ延在する溝部を設けた長尺の筒体を備える衝撃吸収部材の塑性座屈変形挙動の安定性は、その溝部の横断面形状によって相違する。
(iii)溝部の横断面形状を、実質的にV字状とすることにより、長尺の筒体を備える衝撃吸収部材であってもその塑性座屈変形の安定性を著しく高めることができる。
(vi)横断面内で剛性が低い平面部に、内部へ向けて突設されるとともに軸方向へ延在する、実質的にV字状の横断面の溝部を有する筒体を備える衝撃吸収部材は、衝撃荷重を負荷された際の軸圧壊変形時に、横断面内で溝部がその突設方向及び軸方向と略直交する方向(溝幅方向)の一の向きとその反対向きに交互に変形を繰り返しながら軸方向へ圧壊することによって、筒体を蛇腹状に塑性座屈変形させるが、この際に、横断面内で溝部が溝部の突設方向および軸方向と略直交する方向へ変位する量は、溝部の突設方向(溝部の深さ方向)へ変位する量よりも大きい。このため、筒体の平面部の面外変形量が抑制され、塑性座屈変形挙動の安定性が高まる。
ただし、(1)式において、Dyは溝部の底部のY方向への変位を示し、Dzは溝部の底部のZ方向への変位を示す。ここで、Y方向とは、本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向に対して直交する方向を意味し、Z方向とは、本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向を意味する。
これらの発明では、Dy/Dz≧2.0とするのが望ましい。
これらの本発明では、筒体が、扁平な略多角形の外側又は内側へ向けたフランジを具備しないことが望ましい。
図1は、本実施の形態の衝撃吸収部材を示す説明図であり、図1(a)は軸方向の全長が250mm以上である筒状の本体を備えるクラッシュボックス2に適用した場合を示し、図1(b)は軸方向の全長が400mm以上のフロントサイドメンバー3に適用した場合を示し、図1(c)は図1(b)の横断面の拡大図である。以降の説明は、本発明を、自動車車体の衝撃吸収部材の代表例であるフロントサイドメンバー3に適用した場合を例にとって説明するが、クラッシュボックス2に適用した場合も事情は同じである。
(i)本体4の構成材料である鋼板4a、4bの特性、
(ii)断面形状因子である稜線部(溝部8〜11の底部付近)の円弧長、及び
(iii)本体4の稜線部間の平面部の幅及び筒体4の全長
の影響を受ける。
図6(a)は、台形状の溝部Aを有する本体13を備えるサイドメンバーの横断面形状を示し、図6(b)はV字状の溝Bを有する本体14を備えるサイドメンバーの横断面形状を示す。これらのサイドメンバーに関して、軸方向へ衝撃荷重が作用した場合における塑性座屈変形挙動の差を調べるために溝部A、Bの変形挙動を詳細に調査した。
図9に示すグラフでは、溝部のY方向、Z方向の変形量を、それぞれDy、Dzと定義し、その値Dy(Dz)は、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて溝部Bが変形した際の変位の極値の平均値{|P1|+|P2|+|P3|・・・|Pn|}/nを示す。ただし、|Pn|は、板厚以上とする。すなわち、この値が大きいほど、溝部の特定変位への変形量が大きいことを意味する。例えば、図8(a)及び図8(b)に示す場合には、溝AについてはDy=1.42mm、Dz=5.23mmとなるとともに、溝BについてはDy=5.66mm、Dz=1.98mmとなる。
ただし、(1)式において、Dyは溝部の底部のY方向への変位を示し、Dzは溝部の底部のZ方向への変位を示す。ここで、Y方向とは、本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向に対して直交する方向を意味し、Z方向とは、本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向を意味する。
Dy、Dzは、実際には、実際に圧壊された本体4を、側面の溶接部で切断して分解した後、(a)非接触式形状測定機により溝部の形状を測定し、この結果から解析するか、(b)接触式形状測定機により溝部の壁部(Y方向)ならびに底部(Z方向)の形状を測定することによって、求めることができる。
部材長増大に伴う塑性座屈挙動の安定性の評価と、安定性の変化の検証とを行うために、上述した、図2(a),(b),(c)の断面形状を有する、溝なし部材、溝A部材及び溝B部材で部材長を400mm、800mm、1200mmとした解析モデルを作成し、同様のFEM解析を行った。変形速度は64km/hであり、変形量は部材長の80%である。
3 フロントサイドメンバー
4 本体
4a、4b 鋼板
5a 一方の端部
5b もう一方の端部
6、7 広幅面
8〜11 溝部
12〜14 本体
15 底部
Claims (5)
- 扁平な略多角形の横断面形状を有し、かつ該扁平な略多角形の長辺を含む広幅面に、内部へ向けて突設されるとともに軸方向と略平行な方向へ延在する溝部を少なくとも軸方向の一部に有する筒状の本体を備える衝撃吸収部材を、前記軸方向が車体の前後方向と略一致するように、車体の所定の位置に装着し、該車体の衝突時に前記本体に前記軸方向の一方の端部から該軸方向へ負荷される衝撃荷重により、該本体を蛇腹状に座屈変形させることにより、衝撃エネルギーを吸収する方法であって、
前記溝部は、前記蛇腹状の座屈変形時に、下記(1)式に示す条件を満足すること
を特徴とする車体の衝撃エネルギー吸収方法。
Dy/Dz≧1.0 ・・・・・・・(1)
Dy:溝部の底部のY方向への変位
Dz:溝部の底部のZ方向への変位
Y方向:本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向に対して直交する方向
Z方向:本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向 - 前記溝部は実質的にV字状の横断面形状を有する請求項1に記載された車体の衝撃エネルギー吸収方法。
- 軸方向の一方の端部から該軸方向へ負荷される衝撃荷重により蛇腹状に座屈変形することにより衝撃エネルギーを吸収するための筒状の本体を備え、
該筒状の本体は、扁平な略多角形の横断面形状を有し、かつ該扁平な略多角形の長辺を含む広幅面に、内部へ向けて突設されるとともに軸方向と略平行な方向へ延在する溝部を少なくとも軸方向の一部に1又は2以上有し、かつ
前記溝部は、前記蛇腹状の座屈変形時に、下記(1)式に示す条件を満足すること
を特徴とする衝撃吸収部材。
Dy/Dz≧1.0 ・・・・・・・(1)
Dy:溝部の底部のY方向への変位
Dz:溝部の底部のZ方向への変位
Y方向:本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向に対して直交する方向
Z方向:本体の軸方向と直交する面における、溝部の深さ方向 - 前記溝部は実質的にV字状の横断面形状を有する請求項3に記載された衝撃吸収部材。
- 請求項3又は請求項4に記載された衝撃吸収部材を所定の位置に装着された車体を備えることを特徴とする車両。
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