JP5632147B2 - クラッシュボックス - Google Patents

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Description

本発明は、クラッシュボックスに関し、例えば、自動車等の車両に装着されて、衝突時に負荷される衝撃荷重により曲げ変形を連続して生じることによって衝撃エネルギーを吸収する筒状体を有するクラッシュボックスに関する。
近年、自動車の衝突時の衝突安全性の向上が、地球環境保護を目的とする燃費向上を図るための軽量化とともに、積極的に推進されている。衝突安全性の向上を図るため、車体各部の構造や各構造部材の見直しや適正化が推進され、また、衝突時に負荷される衝撃荷重により塑性変形を生じることによって衝撃エネルギーを効率的に吸収するための衝撃吸収部材も用いられている。
このような衝撃吸収部材として、旧来から用いられているサイドメンバーやバンパーレインフォースに加えて、バンパーレインフォースに固定されてサイドメンバーの長手方向の端部に装着され、バンパーレインフォースを介して負荷される衝撃荷重によりその軸方向への座屈を繰り返して蛇腹状に塑性変形することによって、サイドメンバーの損傷を防ぎながら衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材、いわゆるクラッシュボックスが用いられている。本出願人も、先に特許文献1により、極めて高い衝撃吸収性能を有するクラッシュボックスに係る特許発明を開示した。
図11は、クラッシュボックスおよびサイドメンバーそれぞれの耐力の関係を示す説明図である。クラッシュボックスがサイドメンバーに優先して圧壊するためには、図11にグラフで示すように、クラッシュボックスの耐力F1がサイドメンバーの耐力F2よりも小さいことが必要である。
一方、クラッシュボックスで極力短い圧壊量で最も効率よく衝撃エネルギーを吸収するためには、クラッシュボックスの耐力F1がサイドメンバーの耐力F2に限りなく近いことも要求される。
この際、クラッシュボックスの耐力F1の荷重振幅が大きいと、サイドメンバーの耐力F2を瞬間的に超える反力がクラッシュボックスの圧壊中に生じるおそれがあり、この場合には、クラッシュボックスによる衝撃エネルギーの吸収が完了する前に、サイドメンバーの損傷を招くおそれがある。
この損傷を確実に防止するには、サイドメンバーの耐力F2を超える反力の発生を恐れてクラッシュボックスの反力F1を低めに設定せざるを得ず、結果的にクラッシュボックスの衝撃エネルギーの吸収性能の低下を招く場合もある。
このように、繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する構造では、蛇腹状の塑性変形により一定周期の荷重振幅(反力の上昇および下降の繰り返しの幅)が不可避的に発生するので、その反力により構造部材を損傷させるおそれがある。したがって、構造部材を損傷させず、かつ衝撃エネルギーの吸収性能が高い衝撃吸収部材が求められている。すなわち、衝突の際に発生する反力(荷重)が圧壊初期から極力平坦で安定した特性を有する衝撃吸収部材が求められている。
特許文献2、3には、略述すると、小径部と、この小径部に連続して段差状に形成される大径部とを有する金属製の円筒管からなる衝撃吸収部材に係る発明が開示されている。この円筒管は、上述した特許文献1により開示される筒体のように衝撃荷重により座屈を繰り返して蛇腹状に塑性変形するのではなく、一方の端部から軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により小径部と大径部との間に形成される段差部を起点として、円筒体の外壁面の一部が折り返される曲げ変形を連続して発生することによって衝撃エネルギーを吸収する。特許文献2、3により開示された発明によれば、反力の変化が小さく、安定して衝撃エネルギーを吸収することが可能であるとされている。
また、特許文献4には、塑性加工可能な直管を部分的に縮径または拡径して段差を介して繋がる小管体および大管体を形成してなり、段差は円弧角度90°超の円弧状断面からなる小管体の折返縁および大管体の折返縁を連続して形成され、軸方向斜めから衝撃が加えられても、なお大管体に対する小管体の没入を確保して、塑性変形による衝撃エネルギーの吸収を達成できる衝撃吸収部材に係る発明が開示されている。
特許文献5には、互いに径が異なる第1の筒状部材および第2の筒状部材が、それらの端部が合わされた状態で同軸的に一体化されてなり、軸方向の変形により、衝突時の反力が小さく、かつ部材変形時の反力変化が小さく、衝突する方向によらず安定した性能を発揮して衝突エネルギーを吸収する衝撃吸収部材に係る発明が開示されている。
さらに、特許文献6には、塑性加工可能な直管を部分的に縮径または拡径し、互いに向かい合う中間端縁を環状段差部により結んだ外径の異なる小管体および大管体からなり、環状段差部は小管体の中間端縁から折り返した円弧状断面の小管体と、大管体の中間端縁から折り返した円弧状断面の大管体とを結んだ断面構造を有し、外径が大管体内径よりも大きい圧入管部を小管体に設けることによって、車両の軽重、衝突時の速度の違いに基づいて適切な変位−荷重特性を設定できる塑性変形を利用した衝撃吸収部材に係る発明が開示されている。
特許3912422号明細書 特開2001−47952号公報 特開2001−138841号公報 特開2004−51084号公報 特開2001−241478号公報 特開2003−327062号公報
しかし、本発明者らの検討結果によれば、特許文献2〜6により開示された発明に係る衝撃吸収部材は、いずれも、圧壊の進行につれて荷重(反力)が上昇と下降を繰り返す現象は抑制されるものの、圧壊の進行につれて衝撃吸収部材に発生する反力が増大する。このため、例えばロアークロスメンバーや軽自動車のサイドメンバー等といった比較的低強度の構造部材の損傷を防ぐためには、反力の最大値を低目に設定せざるを得ず、衝撃エネルギーの吸収性能の低下を招く。
本発明は、このような従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、荷重振幅が小さく、圧壊の進行に伴う反力の増加を抑制し、高い衝撃エネルギーの吸収性能を発揮できるクラッシュボックスを提供することを目的とする。
本発明は、金属材料からなる外壁を有する筒状体を備え、筒状体が、第1の部分と、第1の部分に連続するとともに外壁が外側に折れ曲がって形成される折れ曲がり部である第2の部分と、第2の部分に連続するとともに筒状体の支持部をなす第3の部分とを有し、第1の部分の端部から筒状体の軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重によって、外壁が折り返されて形成される折り返し部の長さが増加する曲げ変形を連続して生じることにより衝撃エネルギーを吸収するクラッシュボックスであって、第1の部分が、第1の部分と第2の部分との境界部から端部の方向に向かって外壁の周長が減少する領域を有すること、筒状体は、自動車車体の構造部材であるロアークロスメンバーに装着されること筒状体の第1の部分の先端は、バンパーレインフォースの後面に接合されること、および、第1の部分および第3の部分はいずれも筒状体の軸方向と略平行な方向へ延びて設けられることを特徴とするクラッシュボックスである。
この本発明に係るクラッシュボックスでは、外壁の周長が減少する領域が、境界部から端部の間の全領域に、設けられることが望ましい。
これらの本発明に係るクラッシュボックスでは、第1の部分の横断面形状が、
(a)円形形状または楕円形状であること、または
(b)扁平な多角形形状であること
が望ましい。
これらの本発明に係るクラッシュボックスでは、
(c)後述する図1に示すように、第3の部分を支持する支持部材を備え、この支持部材が、筒状体の軸方向へ折り返し部が投影される位置に、折り返し部の外法よりも大きな内法を有する貫通孔を有すること、または
(d)後述する図8に示すように筒状体の軸方向への第3の部分の長さが、この軸方向への折り返し部の長さよりも、大きいこと
が望ましい。
本発明に係るクラッシュボックスは、折り返し量が増加するように折れ曲がり変形が連続して生じるので、荷重振幅が小さく、かつ、外壁の周長が衝突端側に向けて減少するので、圧壊の進行に伴う反力の増加を抑制することができ、反力が平坦化するため、高い衝撃エネルギーの吸収効率を得られるという効果を得ることができる。
図1は、実施の形態1の衝撃吸収部材の構造の一例を、簡略化して示す分解斜視図である。 図2は、実施の形態1において2つのケースでの荷重線図を、各々の圧壊中に生じた最大荷重で除して無次元化した値で示すグラフである。 図3は、円筒体を有する衝撃吸収部材に衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形の発生状況を模式的に示す説明図であり、図3(a)は曲げ変形前を示し、図3(b)は曲げ変形時を示し、図3(c)は図3(b)の円筒体13をA−A断面で切断して展開して示す。 図4(a)および図4(b)は、いずれも、実施の形態1の衝撃吸収部材に衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形により衝撃エネルギーが吸収される状況を、模式的に示す説明図であり、図4(c)および図4(d)は、いずれも、実施の形態2の衝撃吸収部材に衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形により衝撃エネルギーが吸収される状況を、模式的に示す説明図であり、さらに、図4(e)は、参考の形態の衝撃吸収部材に衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形により衝撃エネルギーが吸収される状況を、模式的に示す説明図である。 図5は、金属板を素材として、本発明に係るクラッシュボックスを構成する筒状体を製造する方法を模式的に示す説明図である。 図6は、先細テーパ状の筒状体を製造するテーパ加工方法を経時的に示す説明図で、図6(a)はテーパ加工前を示し、図6(b)はテーパ加工終了時を示す。 図7は、金属管を素材として本発明に係るクラッシュボックスを構成する筒状体を製造する際の管端の曲げ加工方法を経時的に示す説明図であり、図7(a)は初期状態を示し、図7(b)は中間状態を示し、図7(c)はつば拡げを示し、図7(d)は折り返しを示す。 図8は、実施の形態2の衝撃吸収部材の構造の一例を、簡略化して示す分解斜視図である。 図9は円形の断面の場合の荷重線図を示すグラフである。 図10は、正12角形の断面の場合の荷重線図を示すグラフである。 図11は、クラッシュボックスおよびサイドメンバーそれぞれの耐力の関係を示す説明図である。
(実施の形態1)
以下、本発明に係るクラッシュボックスを実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以降の説明では、本発明に係るクラッシュボックスを構成する筒状体が鋼板からなる場合を例にとる。
図1は、本発明に係るクラッシュボックス1の構造の一例を、簡略化して示す分解斜視図である。なお、以降の説明では、クラッシュボックス1を構成する筒状体2が円形の横断面形状を有する場合を例にとる。
図1に示すように、このクラッシュボックス1は、鋼板からなる外壁2aを有する筒状体2を備える。図1中のA−A断面図に示すように、筒状体2は、その軸方向に関して、第1の部分3と、第2の部分4と、第3の部分5とを有する。そして、第1の部分3は、第1の部分3と第2の部分4との境界部3bから端部3aの方向に向かって外壁2aの周長が減少する領域を有する。図1に示すクラッシュボックス1では、外壁2aの周長が減少する領域が、境界部3bから端部3aの間の全領域に、設けられている。すなわち、筒状体2の第1の部分3の外径R1は、第1の部分3の端部3aから境界部3bへ向けて徐々に増加しており、筒状体2は、先細のテーパ状の外形を有する。
第1の部分3は、筒状体2の軸方向から傾斜した方向へ真っ直ぐに延びて形成される部分である。第2の部分4は、第1の部分3に連続するとともに筒状体2の外壁2aが筒状体2の外側に折れ曲がって形成される折れ曲がり部である。
さらに、第3の部分5は、第2の部分4に連続して筒状体2の軸方向へ延び、さらに、この軸方向と直交する方向であって筒状体2の外側へ延びて外向きフランジ状に形成される。第3の部分5は、第3の部分5を支持するための支持部材である取付け台座6に例えば溶接により接合される際における、筒状体2の支持部をなす部分である。
図1に示す例では、第3の部分5に、筒状体2の軸方向と直交する方向であって筒状体2の外側へ延びる外向きフランジ部5aを設けたが、外向きフランジ部5aを設けずに、第3の部分5における筒状体2の軸方向へ延びる部分を介して、取付け台座6に例えば溶接により接合するようにしてもよい。いずれにしても、第3の部分5は、第2の部分4の支持部をなす部分である。
支持部材である取付け台座6には、構造部材である例えばロアークロスメンバー7に取り付けるためのボルト8が貫通するための貫通穴6aが設けられるとともに、筒状体2の軸方向へ折り返し部10が投影される位置に、折り返し部10の最大の外径よりも大きな内径を有する貫通孔6bが設けられている。貫通孔6bは、衝撃エネルギーの吸収時における筒状体2との干渉を防止するための当たり逃げ部として、機能する。筒状体2は、フランジ部5aよりも第2の部分4の側の部分をこの通過穴6bに挿入されることにより、フランジ部5aの表面が取付け台座6の表面6cに突き当てられ、フランジ部5aを例えば溶接等の適当な接合手段によって接合することにより、取付け台座6に固定される。
ロアークロスメンバー7には、貫通穴6aが設けられる位置と一致するように同一ピッチでネジ穴7aが設けられる。貫通穴6aとネジ穴7aとを一致させてから、ボルト8をネジ穴7aにねじ込むことによって、取付け台座6がロアークロスメンバー7に脱着自在に締結固定される。取付け台座6のロアークロスメンバー7への取付けは、この締結に代表される機械的手段等の適宜手段により、脱着自在としておくことが、望ましい。
筒状体2の第1の部分3の先端3aは、図1において図面を見易くするために二点鎖線により透視状態で示すバンパーレインフォースメント9の後面9aに、例えば溶接等の適宜手段により接合される。なお、図1では、ロアークロスメンバー7およびバンパーレインフォースメント9はいずれも簡略化して示しており、それらの実際の形状を示すものではない。
このクラッシュボックス1は、特許文献2〜6により開示された衝撃吸収部材と同様に、バンパーレインフォースメント9を介して第1の部分3の端部3aから境界部3bへ向かう筒状体2の軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重によって、最初に折れ曲がり部である第2の部分4を起点として、折れ曲がり部の近傍の第1の部分の外壁が折り返され、以後、第1の部分の外壁2aが順次折り返されて形成される折り返し部10の軸方向の長さLが増加する曲げ変形を連続して生じることにより衝撃エネルギーを吸収する。
本発明に係るクラッシュボックス1の筒状体2では、第1の部分3が、第1の部分3と第2の部分4との境界部3bから端部3aの方向に向かって外壁2aの周長が減少する領域を有する。すなわち、外壁2aのうちで少なくとも曲げ変形を連続して生じて折り返し部10を形成することを予定する範囲において、筒状体2の外径R1がその第1の部分3の端部3aから境界部3bへ向けて増加するように、設定される。すなわち、筒状体2は先細のテーパ状の外形を有する。
図1に示すクラッシュボックス1の筒状体2は、軸方向の全域について、先細のテーパ状の外形を有するが、これに限定されるものではなく、衝撃荷重を入力された際に曲げ変形を連続して生じることによって折り返し部10を形成することとなる外壁2aに相当する範囲が、先細のテーパ状の外形を有していればよく、折り返し部10を形成することとはならない外壁2aは、先細のテーパ状の外形を有していなくともよい。
クラッシュボックス1を構成する筒状体2は、バンパーレインフォースメント9を介してその一方の端部3aから衝撃荷重Fを筒状体2の軸方向へ負荷されると、折り返し部10の折り返し量(図1における長さL)が増加するように、外壁2aに曲げ変形を連続して生じることによって、衝撃エネルギーを吸収する。
筒状体2の一方の端部3a側の周長を小さくする効果を検証すべく、外径45mm、全長150mmである外壁2aが270MPa級の1.2mm厚の鋼板からなる円筒部材を基本として、FEM数値解析を行った。
テーパ無し部材は、第1の部分3が全て外径45mmである。一方、テーパ付き部材は、第2の部分4との境界部3bが外径45mmであり、衝突端である一方の端部3aの外径が30mmであり、その間では外径が線形的に変化するテーパ状の外形とした。
第1の部分3の端部3aに、筒状体2の中心軸に対して垂直な平面を有する剛体壁を64km/hの速度で衝突させ、筒状体2の軸方向への剛体壁の変位量が100mmに達するまで圧壊した。
図2は、これら2つのケースでの荷重線図を、各々の圧壊中に生じた最大荷重で除して無次元化した値で示すグラフである。
図2のグラフから明らかなように、端部3aの周長を小さくすることによって全体が同一の周長である場合に比較して圧壊の進行に伴う荷重の増加が小さく、平坦化した荷重履歴を得られることが判る。
筒状体2の外形を先細のテーパ状とすることによって図2のグラフに例示するような平坦化した荷重履歴を得られる理由は、以下のように説明することができる。
図3は、長手方向に一様な円形断面を有する円筒体13を有する衝撃吸収部材に衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形の発生状況を模式的に示す説明図であり、図3(a)は曲げ変形前を示し、図3(b)は曲げ変形時を示し、図3(c)は図3(b)の円筒体13をA−A断面で切断して展開して示す。
円筒体13の一端13aから衝撃荷重Fが負荷された後、円筒体13は以下に列記するように曲げ変形を生じる。
(i)最初に折れ曲がり部である第2の部分13−2を基点として第2の部分近傍の第1の部分の外壁が外側に折り返され、以降、第1の部分13−1は外側に順次裏返しに折り返される。
(ii)この際、第1の部分13−1の各断面は拡大する。すなわち、第1の部分13−1の周長が増大する方向に変形する。
(iii)したがって、この周長の増大によって折り返された部分には周方向への引張力が作用する。
(iv)この反力により、折り返し部の内側の折り返し予定部(曲げ変形を生じていない第1の部分13−1)には周方向への圧縮力が作用する。
(v)曲げ変形を生じていない第1の部分13−1は、この周方向の圧縮力によって、初期断面よりも折り返し部近傍において縮径変形を生じていく。
(vi)この縮径変形によって押し込むために必要な力が増加していく。
(vii)やがて、縮径変形が一様となるところで、上記の押し込み力が一定となる。
このように、特許文献2〜6により開示された発明のように軸方向に一様な円形断面形状を有する円筒体を有する衝撃吸収部材では、衝撃荷重を負荷されて円筒体の軸方向へ圧縮荷重が負荷されると、折り返し部の横断面に一様に圧縮荷重が作用し、折り返し変形は周方向に一様となる。特に上記(vi)項に示すように、周長が長手方向に一定の部材では、圧壊進行に伴い荷重が不可避的に増加する。
これに対し、筒状体2の外形を先細のテーパ状とすることにより、上記(vi)項に示す縮径による押し込み力の増加が、周長の減少による折り返し変形領域の減少と相殺されるために荷重の増加が抑制され、荷重が平坦化する。
このため、衝撃荷重の負荷により本発明に係るクラッシュボックス1にも反力(荷重)が発生するものの、特許文献2〜6により開示された衝撃吸収部材とは異なり、圧壊の進行に伴う反力の増大を抑制することが可能となる。このため、本発明に係るクラッシュボックス1によれば、圧壊の進行に関わらず、反力を平坦状化することができ、衝撃エネルギーの吸収性能を大幅に高めることができる。
図4(a)および図4(b)は、いずれも、本発明に係るクラッシュボックス1に衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形により衝撃エネルギーが吸収される状況を、模式的に示す説明図である。図4(a)および図4(b)における左図は正面図、中央図は曲げ変形開始時の断面図、右図は曲げ変形終了時の断面図である。
図1、図4(a)および図4(b)に示すように、筒状体2は、バンパーレインフォースメント9を介して端部3aから衝撃荷重Fを筒状体2の軸方向(図1および図2(a)における矢印方向)へ負荷されると、折り返し部10の折り返し量(図1における長さL)が増加するように、外壁2aが折り返される曲げ変形(圧縮変形)を連続して生じることによって衝撃エネルギーを吸収する。
この際、本発明に係るクラッシュボックス1は、先細テーパ状の外形を有するので、図3(a)〜図3(c)を参照しながら説明したように、最初に折れ曲がり部である第2の部分4を基点として第2の部分近傍の第1の部分3の外壁が外側に折り返され、以降、第1の部分3は外側に順次裏返しに折り返される。この際、第1の部分3の各断面は拡大し、第1の部分13−1の周長が増大する方向に変形し、この周長の増大によって折り返された部分には周方向への引張力が作用し、この反力により、折り返し部の内側の折り返し予定部(曲げ変形を生じていない第1の部分3)は周方向への圧縮力が作用する。曲げ変形を生じていない第1の部分3は、この周方向の圧縮力によって、初期断面よりも折り返し部近傍において縮径変形を生じていき、この縮径変形による押し込み力の増加が、周長の減少による折り返し変形領域の減少と相殺されるために荷重の増加が抑制され、図2のグラフに示すように、平坦化した荷重履歴を得られるようになる。
このため、本発明に係るクラッシュボックス1によれば、衝撃エネルギーの吸収性能を大幅に高めることができる。
このように、本発明に係るクラッシュボックス1による衝撃エネルギーの吸収は、筒状体2の折り返し部10の折り返し量(図1における長さL)が変化するように、筒状体2の外壁2aに曲げ変形を連続して生じることにより、行われる。このため、本発明に係るクラッシュボックス1では、筒状体2の折り返し部10をなす外壁2aの部分を、異なる複数種の材料により構成すれば、圧壊の当初においては、筒状体の支持部をなす第3の部分5に変形を生じることなく、折れ曲がり部である第2の部分4を優先的に曲げ変形させることが出来、さらに圧壊進行中においても第2の部分4に連続する第1の部分を順次折り返す間、第3の部分5での変形が抑制され、部材が圧壊中に固定部で倒れることなく、圧壊が進行する。
例えば、第1の部分3が一の鋼板からなるとともに、第3の部分5が、例えばこの一の鋼板とは板厚および材質の少なくとも一つが異なることによってこの一の鋼板とは相違する他の一の鋼板からなることが望ましい。
図4(b)は、図4(a)に示す場合において、筒状体2が、第1の部分3および第2の部分4を構成する一の鋼製材料S1と、第3の部分を構成する他の一の鋼製材料S2と、外壁2aにおける曲げ変形を連続して生じる部分に形成され、一の材料S1および他の一の材料S2を接合する接合部12とを有する場合を示す説明図である。
図4(b)に示す場合は、図4(a)に示す場合と同様に、筒状体2は、バンパーレインフォースメント9を介して端部3aから衝撃荷重Fを筒状体2の軸方向(図1および図4(b)における矢印方向)へ負荷されると、筒状体2は、折り返し部10の折り返し量(図1における長さL)が増加するように、外壁2aが折り返される曲げ変形(圧縮変形)を連続して生じることによって衝撃エネルギーを吸収する。
図4(b)に示す場合には、筒状体2が、一の材料S1と他の一の材料S2と接合部12とを有するので、一の材料S1および他の一の材料S2それぞれの板厚や強度を異ならせて設定することにより、折り返し部10における曲げ変形の変形挙動を所望のように制御することができる。
例えば、材料S2の板厚を材料S1の板厚よりも大きく設定すること、あるいは材料S2の強度を材料S1の強度より大きく設定することによって、折り返し部10の折れ曲がり変形が継続している間は、材料S2の変形が抑制されるため、より安定して衝撃エネルギーを吸収することが可能になる。つまり、折れ曲がり変形を受けない部分(例えば第3の部分5)には、板厚が大きい材料を用いるか、あるいは強度が高い材料を用いることが望ましい。
特許文献2〜6により開示された衝撃吸収部材では、衝撃荷重を負荷されて円筒体の軸方向へ圧縮荷重が負荷されると、折り返し部の横断面に一様に圧縮荷重が作用し、折り返し変形が周方向に一様となる。また、特許文献2〜5では横断面の直径が軸方向に均一であるため、本発明に比べて圧壊進行に伴う荷重増分が大きくなることは容易に類推できる。さらに、特許文献6においては折り返し部の横断面の直径が増大しながら圧壊進行となるため、圧壊進行に伴う荷重増分は上記文献2〜5に比して更に甚大となる。
これに対し、本発明に係るクラッシュボックス1の筒状体2は、特許文献2〜6により開示された衝撃吸収部材とは異なり、先細のテーパ状の外形を有し、かつ円形の横断面形状を有するので、折り返し変形の進行に伴って、変形荷重の上昇が抑制される。言い換えれば、圧壊の初期から所定の一定荷重で圧壊が進行するため、圧壊初期からの吸収エネルギーが確保でき、衝撃エネルギーの吸収効率を高めることが可能になる。
以上の説明では、筒状体2が円形の横断面形状を有する場合を例にとった。しかし、本発明は、筒状体2が円形の横断面形状を有する場合に限定されるものではなく、長円形や楕円形等といった横断面形状を有する場合にも等しく適用される。楕円形状の場合には、長軸と短軸の比は2.0以下であることが望ましい。この比の値が2.0超であると、圧壊中に断面が早期に長方形状に変形し、座屈に転じてしまうおそれがある。
なお、この周長の減少は、筒状体2の軸方向全体に一様であってもよいし、第2の部分3の境界部3bの近傍のみであってもよい。
また、筒状体2の横断面形状は、例えば扁平な多角形形状等の多角形であってもよく、さらに正多角形であってもよい。ここで、正多角形は内角、辺の長さのバラツキが15%以内のものは包含する。
次に、本発明に係るクラッシュボックス1の製造方法を説明する。本発明に係るクラッシュボックス1は、特定の製造方法には限定されず、上述した特徴を満足するクラッシュボックス1を製造することができる方法により適宜製造されるが、生産性等の観点から好適な製造方法を説明する。
図5は、金属板を素材して、本発明に係るクラッシュボックス1を構成する筒状体2を製造する方法を模式的に示す説明図である。
図5に示すように、薄鋼板や薄アルミニウム合金板等の素材14に、段階的な深絞り加工(多段絞り加工)を行って、先細のテーパ状の外形を有する深絞り成形品15を製造する。
図6(a)および図6(b)は、深絞り成形品15の別の製造法を経時的に示す説明図である。
この製造法は、素材に深絞り加工を行って、図5における深絞り成形品と略同等の深絞り成形品であって円筒状部の軸方向の周長が一定である深絞り成形品16を製造し、この深絞り成形品16に対して、図6(a)に示すように、円筒状の深絞り成形品16のフランジ部16aを、上押え治具17および下押え治具18によりホールドし、深絞り成形品16の内面をテーパ状に成形する内面成形工具19aを深絞り成形品16の内部に配置してから、深絞り成形品16の外面をテーパ状に成形する外周成形工具19bを下降することによって、深絞り成形品16にテーパ化加工を行う。このテーパ化加工の際に、図6(b)に示すように、適宜折れ曲がり部4も含めて成形することにより、筒状体2を製造する。
なお、深絞り成形品16は、管を素材とし、その軸方向の一方の端部に拡径加工を行うことにより、製造してもよい。
図7は、金属管20を素材として本発明に係るクラッシュボックスを構成する筒状体2を製造する方法を経時的に示す説明図である。図7(a)は初期状態を示し、図7(b)は中間状態を示し、図7(c)はつば拡げを示し、図7(d)は折り返しを示す。
図7(a)および図7(b)に示すように、初期状態から中間状態において第1の工具21によって1回または複数回に分けて金属管20の管端を折り曲げ、その後、図7(c)に示すように第2の工具22を用いてつば拡げまで完了させて、中間品24とする。
この中間品24を、図6(a)により示す工程に投入して筒状体2を製造してもよいし、あるいは、さらに図7(d)に示すように第3の工具23によって中間品24の管端を折り曲げることによって筒状体2を製造してもよい。
このようにして、本発明に係るクラッシュボックス1を構成する筒状体2を製造する。そして、この筒状体2を、例えば溶接等の適当な接合手段によって取付け台座6に接合することによって、本発明に係るクラッシュボックス1が製造される。
本発明に係るクラッシュボックス1によれば、衝突時に負荷される衝撃荷重により、第1の部分3の端部3aから軸方向へ向けて増加する外径を有する筒状体2の折り返し量Lが増加するように折れ曲がり変形を連続して生じることによって、圧壊の進行に伴う荷重の増加が抑制され、衝撃エネルギーの吸収量を増加することができる。
このため、本発明に係るクラッシュボックス1によれば、このクラッシュボックス1が装着される他の部材(ロアメンバーや小型のサイドメンバー等)の損傷を防止しながら、衝撃エネルギーの吸収量の増加を図ることができる。
このように、本発明に係るクラッシュボックスは、荷重振幅が小さく、かつ圧壊の進行に伴い荷重の増加を抑制することができるので、強度やサイズに関わらず、例えば、ロアーメンバーに装着して一台あたりの衝撃吸収部材の装着数を増やすことや、例えば軽自動車といったこれまでには衝撃吸収部材を装着できなかった小型の車両にもクラッシュボックス1を装着することが可能になり、これにより、衝撃エネルギーの吸収量を高めて乗員の安全性を高めることや、事故の補修費の低減を図ることができる。
また、本発明によれば、この小型のクラッシュボックス1の衝撃エネルギーの吸収効率を高めることができるので、目標とする衝撃エネルギーの値に応じて、筒状体2を構成する外壁2aをなす鋼板の板厚を低減することができ、軽量化を図ることもできる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る衝撃吸収部材を説明する。以降の説明では、上述した実施の形態1と相違する部分を説明し、同一の部分については同一の符号を付することにより重複する説明は適宜省略する。
図8は、実施の形態2のクラッシュボックス1−1の構造の一例を、簡略化して示す分解斜視図である。また、図4(c)および図4(d)は、いずれも、実施の形態2のクラッシュボックスに衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形により衝撃エネルギーが吸収される状況を、模式的に示す説明図であり、図4(c)および図4(d)における左図は正面図、中央図は曲げ変形開始時の断面図、右図は曲げ変形終了時の断面図である。
このクラッシュボックス1−1が実施の形態1のクラッシュボックス1と相違するのは、クラッシュボックス1のように、第3の部分5が筒状体2の軸方向と交差する方向へ延びて設けられ、かつこの第3の部分5を支持するための支持部材である取付け台座6に、折り返し部10との干渉を防止するための通過穴6bが設けられているのではなく、第3の部分5が筒状体2の軸方向へ真っ直ぐに延びて設けられ、かつ折り返し部10はこの第3の部分5の内部に収容されるために取付け台座6−1に貫通孔6bを設ける必要がない点である。
図8に示すように、このクラッシュボックス1−1における第2の部分4は、第1の部分3に連続するとともに筒状体2の外壁2aが筒状体2の外側に折れ曲がって形成される折れ曲がり部である。そして、第3の部分5は、第2の部分4に連続するとともに筒状体2の軸方向へ延びて設けられる。第3の部分5の端部5aは、取付け台座6−1の表面6cに突き当てられて、例えば溶接等の適当な接合手段によって取付け台座6に接合される。
筒状体2の軸方向への第3の部分5の長さは、筒状体2の軸方向への折り返し部10の長さの最大値よりも大きく設定されているので、折り返し部10が取付け台座6−1と干渉することがない。このため、取付け台座6−1には貫通孔6bが設けられていない。
図4(c)に示すように、このクラッシュボックス1−1は、上述したクラッシュボックス1と同様に、バンパーレインフォースメント9を介して第1の部分3の端部3aから筒状体2の軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重によって、最初に折れ曲がり部である第2の部分4を基点として第2の部分近傍の第1の部分3の外壁が外側に折り返され、以降、第1の部分3は外側に順次裏返しに折り返されることにより衝撃エネルギーを吸収するものである。
このように、クラッシュボックス1を構成する筒状体2は、バンパーレインフォースメント9を介してその他方の端部3bから衝撃荷重Fを筒状体2の軸方向へ負荷されると、折り返し部10の折り返し量(図8における長さL)が増加するように、外壁2aに曲げ変形を連続して生じることによって、衝撃エネルギーを吸収する。
このクラッシュボックス1−1による衝撃エネルギーの吸収は、筒状体2の折り返し部10の折り返し量(図8における長さL)が変化するように、筒状体2の外壁2aに曲げ変形を連続して生じることにより、行われる。
図4に示すクラッシュボックス1−1の筒状体2も、先細のテーパ状の外形を有するために外壁2aの折り返しの進行に伴って荷重の増加を抑制することができ、これにより、衝撃エネルギーの吸収量を増加することができる。
また、このクラッシュボックス1−1においても、筒状体2の折り返し部10をなす外壁2aの部分を、異なる複数種の材料により構成すれば、折れ曲がり部4に発生する曲げ変形の挙動を制御することができる。
例えば、第1の部分3が一の鋼板からなるとともに、第3の部分5が、例えばこの一の鋼板とは板厚および材質の少なくとも一つが異なることによってこの一の鋼板とは相違する他の一の鋼板からなることが望ましい。
図4(d)は、図4(c)に示す場合において、筒状体2が、第1の部分3および第2の部分4を構成する一の鋼製材料S1と、第3の部分5を構成する他の一の鋼製材料S2と、外壁2aにおける曲げ変形を連続して生じる部分に形成され、一の材料S1および他の一の材料S2を接合する接合部12とを有する場合を示す説明図である。
図4(d)に示す場合には、筒状体2が、一の材料S1と他の一の材料S2と接合部12とを有するので、一の材料S1および他の一の材料S2それぞれの板厚や強度を異ならせて設定することにより、折り返し部10における曲げ変形の変形挙動を所望のように制御することができる。例えば、材料S2の板厚を材料S1の板厚よりも大きく設定すること、あるいは材料S2の強度を材料S1の強度より大きく設定することによって、折り返し部10の折れ曲がり変形が継続している間は、材料S2の変形が抑制されるため、より安定して衝撃エネルギーを吸収することが可能になる。
本発明に係るクラッシュボックス1−1によれば、上述したクラッシュボックス1と同様の効果を奏することができるとともに、取付け台座6−1に貫通孔6bを設ける必要がないため、クラッシュボックス1−1の取付け部付近の剛性の低下を抑制することができるとともに、取付け台座6−1の製造コストを低下することができる。
参考の形態
次に、参考の形態3に係る衝撃吸収部材を説明する。図4(e)は、参考の形態のクラッシュボックス1−2に衝撃荷重が負荷された際の曲げ変形により衝撃エネルギーが吸収される状況を、模式的に示す説明図であり、図4(e)における左図は正面図、中央図は曲げ変形開始時の断面図、右図は曲げ変形終了時の断面図である。
このクラッシュボックス1−2は、実施の形態1のクラッシュボックス1の変形例として位置付けられるものであって、図4(e)に示すように、第2の部分4の構造を簡素化し、L字状に屈曲する曲げ部として第2の部分4を構成するものである。
この場合、取付け台座6の貫通孔6bの内径を、第2の部分4の外径よりも若干大きい適正な寸法に設定することにより、クラッシュボックス1と同様の曲げ変形を継続して発生することができる。
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
本発明の効果を検証するため、本発明例の衝撃吸収部材および比較例の衝撃吸収部材それぞれについて、FEM数値解析を行った。
本発明例および比較例ともに、筒状体は、外径45mm、全長100mmであるとともに外壁が270MPa級の1.2mm厚の鋼板からなる円筒部材とした。筒状体の断面は円形または正12角形とし、円形の場合は外径45mmとし、正12角形の場合は外径45mmの円に内接する形状とした。
断面周長が長さ方向に同一の円形断面部材と正12角形断面部材をそれぞれ比較例1、比較例2とした。一方、本発明例のテーパ付きの部材は、第2の部分との境界部が外径45mmの円形、または外接円の直径45mmの正12角形であり、衝突端側の端部の外径を30mmまたは外接円の直径を30mmとし、その間は線形的に外径が変化する形状とした。周長を変化させた場合の円断面部材を実施例1とし、正12角形部材を実施例2とした。
実施例1、2、比較例1、2ともに、第1の部分の端部に、筒状体の中心軸に対して垂直な平面の剛体壁を64km/hの速度で衝突させ、剛体壁の筒状体の軸方向の変位量が80mmに達するまで圧壊した。
図9は円形の断面の場合の荷重線図を示すグラフであり、図10は正12角形の断面の場合の荷重線図を示すグラフである。図9、10に示すグラフでは、各圧壊量での荷重反力を部材圧壊全体を通じて生じた最大荷重で除した無次元量で荷重を示す。
図9、10にグラフで示す結果から、円形の断面および正12角形のいずれの場合にも、実施例によれば比較例と比べて、圧壊初期から荷重が立ち上がり、平坦状化した荷重履歴が得られることが明らかである。
1、1−1、1−2 本発明に係るクラッシュボックス
2 筒状体
2a 外壁
3 第1の部分
3a 先端部
3b 境界部
4 第2の部分
5 第3の部分
5a フランジ部
6、6−1 取付け台座
6a 貫通穴
6b 貫通孔
6c 表面
7 ロアークロスメンバー
7a ネジ穴
8 ボルト
9 バンパーレインフォースメント
10 折り返し部
12 接合部
13 円筒体
14 素材
15、16 深絞り成形品
16a フランジ部
17 上押え治具
18 下押え治具
19a 内面成形工具
19b 外周成形工具
20 金属管
21 第1の工具
22 第2の工具
23 第3の工具
24 中間品

Claims (6)

  1. 金属材料からなる外壁を有する筒状体を備え、前記筒状体は、第1の部分と、該第1の部分に連続するとともに前記外壁が外側に折れ曲がって形成される折れ曲がり部である第2の部分と、該第2の部分に連続するとともに前記筒状体の支持部をなす第3の部分とを有し、前記第1の部分の端部から前記筒状体の軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重によって、前記外壁が折り返されて形成される折り返し部の長さが増加する曲げ変形を連続して生じることにより衝撃エネルギーを吸収するクラッシュボックスであって、
    前記第1の部分は、該第1の部分と前記第2の部分との境界部から前記端部の方向に向かって前記外壁の周長が減少する領域を有すること、
    前記筒状体は、自動車車体の構造部材であるロアークロスメンバーに装着されること
    前記筒状体の第1の部分の先端は、バンパーレインフォースの後面に接合されること、および
    前記第1の部分および前記第3の部分はいずれも筒状体の軸方向と略平行な方向へ延びて設けられること
    を特徴とするクラッシュボックス。
  2. 前記外壁の周長が減少する領域は、前記境界部から前記端部の間の全領域に、設けられる請求項1に記載されたクラッシュボックス。
  3. 前記第1の部分の横断面形状は、円形形状または楕円形状である請求項1または請求項2に記載されたクラッシュボックス。
  4. 前記第1の部分の横断面形状は、扁平な多角形形状である請求項1または請求項2に記載されたクラッシュボックス。
  5. 前記第3の部分を支持する支持部材を備え、該支持部材は、前記筒状体の軸方向へ前記折り返し部が投影される位置に、該折り返し部の外法よりも大きな内法を有する貫通孔を有する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたクラッシュボックス。
  6. 記筒状体の軸方向への前記第3の部分の長さは、該軸方向への前記折り返し部の長さよりも、大きいことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたクラッシュボックス。
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