JP2009028889A - 炭化ケイ素単結晶基板の製造方法及び炭化ケイ素単結晶基板製造装置 - Google Patents
炭化ケイ素単結晶基板の製造方法及び炭化ケイ素単結晶基板製造装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 炭化ケイ素単結晶基板の反り量を効率よく低減する。
【解決手段】 研削・研磨加工装置2aは、研削・研磨加工部10と、曲面台座31とを備える。研削・研磨加工部10は、基板1の表面に研削・研磨加工を施す。曲面台座31は、曲面部31aを有する。曲面部31aは、基板1の反りの形状に沿う曲面形状を有する。曲面部31aは、凹面形状である。曲面部31aは、二次曲面である。基板1は、曲面部31a上に第1面1aを表側にして載置される。
【選択図】図3
【解決手段】 研削・研磨加工装置2aは、研削・研磨加工部10と、曲面台座31とを備える。研削・研磨加工部10は、基板1の表面に研削・研磨加工を施す。曲面台座31は、曲面部31aを有する。曲面部31aは、基板1の反りの形状に沿う曲面形状を有する。曲面部31aは、凹面形状である。曲面部31aは、二次曲面である。基板1は、曲面部31a上に第1面1aを表側にして載置される。
【選択図】図3
Description
本発明は、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法及びその製造装置に関する。
半導体デバイスに使用される単結晶基板は、ワイヤーソー又は内周刃により単結晶のインゴットからスライスされる。スライスされた円板状の単結晶基板の表面は、研削・研磨加工によって任意の面粗度に加工される。このような単結晶基板の製造方法では、基板材料の微小な結晶歪みがもたらす応力が一因となって、単結晶基板に反りが生じる。
基板において許容される反り量は、半導体デバイスの種類やその製造方法によって異なる。しかし、基板において許容される反り量は、小さい方が好ましい。このような背景から、スライスされた円板状の単結晶基板の両面に対して、加工圧力を抑えた研磨加工を施す方法が知られている。この方法により、基板材料の微小な結晶歪みがもたらす応力に起因する単結晶基板の反り量を低減することができる。
特開平8−90406号公報
加工圧力を抑えた研磨加工により単結晶基板の反り量を低減する場合、加工速度が遅くなり、加工に多くの時間を要する。特に、炭化ケイ素のビッカース硬度は、2200〜2400程度であり、高硬度である。そのため、基板材料として炭化ケイ素を用いる場合、研磨加工の速度が極めて遅くなる。そこで、炭化ケイ素を基板材料とする単結晶基板の反り量を、工業的観点からより効率的に低減できる製造方法が期待されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より効率的に反り量を低減可能な炭化ケイ素単結晶基板の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、炭化ケイ素単結晶のバルク体(インゴット100)を所定の厚さにスライスすることにより、反りが生じた板状成形体(基板1)を作成する工程と、前記板状成形体の反りを維持した状態において、前記板状成形体の第1面(第1面1a)を表側にして前記板状成形体を固定する工程と、前記板状成形体の第1面に研削・研磨加工を施す工程と、前記板状成形体の第2面(第2面1b)が表側になるように前記板状成形体を裏返して固定する工程と、前記板状成形体の第2面に研削・研磨加工を施す工程とを有することを要旨とする。
このような炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、炭化ケイ素単結晶のバルク体からスライスされた板状成形体(基板1)は、反りを維持した状態で、一方の面(第1面)に研削・研磨加工が施された後、他方の面(第2面)に研削・研磨加工が施される。
従来、炭化ケイ素単結晶の結晶歪みがもたらす応力に起因する基板の反り量を低減するための研磨加工では、基板の形状を変えないことが好ましいため、加工圧力を抑えた研磨加工が行われていた。
これに対して、このような炭化ケイ素単結晶基板の製造方法によれば、板状成形体の反りを維持した状態で固定し、研磨加工を行うので、加工圧力を抑えた研磨加工を行う必要がない。つまり、加圧加工を行うことができる。
従って、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法における基板の研磨加工の効率が向上する。すなわち、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法によれば、より効率的に炭化ケイ素単結晶基板の反り量を低減できる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、曲面形状(曲面部31a,32a)を有する台座(曲面台座31,32)の曲面部分に前記板状成形体を接着剤(接着剤4)を用いて接着することにより、前記板状成形体の反りを維持した状態で前記板状成形体を固定することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、台座の曲面部分の形状は、前記板状成形体の反りの形状に沿うことを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、板状成形体の反りの程度を示す反り値を100とした場合、前記台座の曲面部分の反り値は、88乃至112であることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第2乃至第4の何れか1つの特徴に係り、板状成形体の中心(中心C1)は、前記台座の曲面部分の中心(中心C2,C2’)から2.5ミリメートル以内の範囲に位置するように固定されることを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第2乃至第5の何れか1つの特徴に係り、台座の曲面部分は、二次曲面の形状を有することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、曲面形状を有する真空チャック装置(曲面真空チャック51,52)の曲面部分(曲面部51a,52a)に前記板状成形体を吸着させることにより、前記板状成形体の反りを維持した状態で前記板状成形体を固定することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記真空チャック装置の曲面部分の形状は、前記板状成形体の反りの形状に沿うことを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、本発明の第8の特徴に係り、前記板状成形体の反りの程度を示す反り値を100とした場合、前記真空チャック装置の曲面部分の反り値は、88乃至112であることを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、本発明の第7乃至第9の何れか1つの特徴に係り、板状成形体の中心は、前記真空チャック装置の曲面部分の中心(中心C3,C3’)から2.5ミリメートル以内の範囲に位置するように固定されることを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、本発明の第7乃至第10の何れか1つの特徴に係り、真空チャック装置の曲面部分は、二次曲面の形状を有することを要旨とする。
本発明の第12の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、平面形状の台座(平面台座7)上に前記板状成形体(基板1)を低粘性接着剤(低粘性接着剤8)を用いて接着することにより、前記板状成形体の反りを維持した状態で前記板状成形体を固定することを要旨とする。
本発明の第13の特徴は、炭化ケイ素単結晶のバルク体(インゴット100)を所定の厚さにスライスすることにより反りが生じた板状成形体(基板1)を、前記反りを維持した状態で固定する固定手段(曲面台座31,32、曲面真空チャック51,52)と、前記固定手段により固定された前記板状成形体の表面に研削・研磨加工を施す研削・研磨加工手段(研削・研磨加工部10)とを備えることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、より効率的に反り量を低減可能な炭化ケイ素単結晶基板の製造方法及びその製造装置を提供することができる。
次に、本発明に係る炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)製造方法の概略、(2)製造方法の別の実施形態、(3)基板の構造、(4)基板の固定方法、(5)基板の反り量の評価、(6)作用・効果、及び(7)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)製造方法の概略
まず、本実施形態に係る炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の全体概略について説明する。図1は、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の概略を説明する模式図である。
まず、本実施形態に係る炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の全体概略について説明する。図1は、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の概略を説明する模式図である。
図1に示すように、炭化ケイ素の単結晶基板の製造方法は、基板1を作成する工程S1と、基板1を固定する工程S2と、第1研削・研磨工程S3と、基板1を裏返して固定する工程S4と、第2研削・研磨工程S5とを有する。本実施形態において、基板1は、板状成形体を構成する。
工程S1では、炭化ケイ素単結晶のインゴット100を所定の厚さにスライスすることにより、反りが生じた基板1が作成される。
工程S2では、基板1の反りを維持した状態において、基板1は、基板1の第1面1aを表側にした状態で研削・研磨加工装置2に固定される。第1面1aは、凹面を有する。
工程S3では、基板1の露出面、すなわち第1面1aに対して研削・研磨加工が施される。
工程S4では、基板1は、裏返されて、基板1の第2面1bを表側にした状態で固定される。
工程S5では、基板1の第2面1bに研削・研磨加工が施される。
工程S5の後、必要に応じて、基板1の第1面1a,第2面1bの表面に、化学的機械研磨(CMP)加工を施して、一連の製造工程を完了する。
(2)炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の別の実施形態
図2は、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の別の実施形態の概略を説明する模式図である。
図2は、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法の別の実施形態の概略を説明する模式図である。
図2に示す炭化ケイ素の単結晶基板の製造方法は、図1を用いて説明した製造方法と同様に、基板1を作成する工程S1と、基板1を固定する工程S2と、第1研削・研磨工程S3と、基板1を裏返して固定する工程S4と、第2研削・研磨工程S5とを有する。
但し、図1に示す炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、工程S2、S3において、基板1の第1面1a(凹面)側を先に研削・研磨するとして説明した。しかし、図2に示す製造方法では、第2面1b(凸面)側を先に研削・研磨する。
図2に示す製造方法では、工程S2において、基板1は、基板1の第2面1bを表側にした状態で研削・研磨加工装置2に固定される。第2面1bは、凸面を有する。工程S3では、基板1の露出面、すなわち第2面1bに対して研削・研磨加工が施される。
(3)基板1の構造
基板1は、略円形を有する板状形成体である。基板1の直径の中心を基板の中心点C1という。基板1は、一の径方向と他の径方向とで異なる反り値を有する。すなわち、反りに異方性を有する。ここで、反り値とは、ASTM規格F1451−92に準拠する。
基板1は、略円形を有する板状形成体である。基板1の直径の中心を基板の中心点C1という。基板1は、一の径方向と他の径方向とで異なる反り値を有する。すなわち、反りに異方性を有する。ここで、反り値とは、ASTM規格F1451−92に準拠する。
(4)基板の固定方法
(4−1)曲面台座に基板を固定する場合
(4−1−1)第1実施形態
次に、図面を用いて、研削・研磨加工装置2の構成及び基板の固定方法について説明する。図3(a)は、曲面台座を有する研削・研磨加工装置2の構成を説明する模式図である。
(4−1)曲面台座に基板を固定する場合
(4−1−1)第1実施形態
次に、図面を用いて、研削・研磨加工装置2の構成及び基板の固定方法について説明する。図3(a)は、曲面台座を有する研削・研磨加工装置2の構成を説明する模式図である。
研削・研磨加工装置2aは、研削・研磨加工部10と、曲面台座31とを備える。
研削・研磨加工部10は、基板1の表面に研削・研磨加工を施す。
曲面台座31は、曲面部31aを有する。曲面部31aは、基板1の反りの形状に沿う曲面形状を有する。図3(a)に示す例では、曲面部31aは、凹面形状である。曲面部31aは、二次曲面である。
ここで、二次曲面とは、図3(a)に示すように、台座の曲面部分の中心C2を(0,0)とする座標(r,z)を想定したとき、式(1)で表される曲面である。
z=kr2 但し、k:任意の定数 ・・・(1)
曲面部31aの反り値は、基板1の反りの程度を示す反り値を100としたとき、88乃至112である。本実施形態において、曲面台座31は、固定手段を構成する。
基板1は、曲面部31a上に第1面1aを表側にして載置される。基板1の第2面1bと曲面部31aとの間には、接着剤4が介在する。すなわち、基板1は、第1面1aを表側にして曲面部31a上に接着される。
接着剤4としては、加工後に基板1を台座から剥がすことを考慮すると、熱可塑性樹脂接着剤(ホットメルト型接着剤)を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂接着剤は、接着時の温度において、粘度が0.1kg/(m・s)以下であることが好ましく、0.05kg/(m・s)以下であると更に好ましい。なお、接着時の温度は、接着剤の種類によって異なるが、80〜200℃程度である。
基板1の中心C1は、曲面台座31の中心C2から2.5ミリメートル以内の範囲に位置され、固定される。
(4−1−2)第2実施形態
図3(b)は、第2実施形態として示す研削・研磨加工装置の構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
図3(b)は、第2実施形態として示す研削・研磨加工装置の構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
第2実施形態である研削・研磨加工装置2bは、研削・研磨加工部10と、曲面台座32とを備える。
曲面台座32は、曲面部32aを有する。曲面部32aは、基板1の反りの形状に沿う曲面形状を有する。図3(b)に示す例では、曲面部32aは、凸面形状である。曲面部32aは、二次曲面である。
曲面部32aの反り値は、基板1の反りの程度を示す反り値を100としたとき、88乃至112である。本実施形態において、曲面台座32は、固定手段を構成する。
基板1は、曲面部32a上に第2面1bを表側にして載置される。基板1の第1面1aと曲面部32aとの間には、接着剤4が介在する。すなわち、基板1は、第2面1bを表側にして曲面部32a上に接着される。
基板1の中心C1は、曲面台座32の中心C2’から2.5ミリメートル以内の範囲に位置され、固定される。
(4−2)曲面形状を有する真空チャックに基板を固定する場合
(4−2−1)第3実施形態
図4(a)は、曲面形状を有する真空チャックを有する研削・研磨加工装置2cの構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
(4−2−1)第3実施形態
図4(a)は、曲面形状を有する真空チャックを有する研削・研磨加工装置2cの構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
第3実施形態である研削・研磨加工装置2cは、研削・研磨加工部10と、曲面真空チャック51とを備える。
曲面真空チャック51は、曲面部51aを有する。曲面部51aは、基板1の反りの形状に沿う曲面形状を有する。図4(a)に示す例では、曲面部51aは、凹面形状である。曲面部51aは、二次曲面である。
曲面部51aの反り値は、基板1の反りの程度を示す反り値を100としたとき、88乃至112である。本実施形態において、曲面真空チャック51は、固定手段を構成する。
基板1は、曲面部51a上に第1面1aを表側にして載置される。曲面真空チャック51上に配置される基板1の周囲は、封止材6で封止される。
曲面真空チャック51は、曲面部51aに形成された吸気孔(図示せず)から吸気することにより、曲面真空チャック51の曲面部51aに基板1を吸着する。
基板1の中心C1は、曲面真空チャック51の中心C3から2.5ミリメートル以内の範囲に位置され、固定される。
(4−2−2)第4実施形態
図4(b)は、第4実施形態として示す研削・研磨加工装置の構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
図4(b)は、第4実施形態として示す研削・研磨加工装置の構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
研削・研磨加工装置2dは、研削・研磨加工部10と、曲面真空チャック52とを備える。
曲面真空チャック52は、曲面部52aを有する。曲面部52aは、基板1の反りの形状に沿う曲面形状を有する。図4(b)に示す例では、曲面部52aは、凸面形状である。曲面部52aは、二次曲面である。
曲面部52aの反り値は、基板1の反りの程度を示す反り値を100としたとき、88乃至112である。本実施形態において、曲面真空チャック51は、固定手段を構成する。
基板1は、曲面部52a上に第2面1bを表側にして載置される。曲面真空チャック52上に配置される基板1の周囲は、封止材6で封止される。
曲面真空チャック52は、曲面部52aに形成された吸気孔(図示せず)から吸気することにより、曲面真空チャック52の曲面部52aに基板1を吸着する。
基板1の中心C1は、曲面真空チャック52の中心C3’から2.5ミリメートル以内の範囲に位置され、固定される。
(4−3)平面台座に低粘性接着剤により基板を固定する場合
(4−3−1)第5実施形態
図5(a)は、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法で使用する研削・研磨加工装置2eの構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
(4−3−1)第5実施形態
図5(a)は、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法で使用する研削・研磨加工装置2eの構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
第5実施形態である研削・研磨加工装置2eは、研削・研磨加工部10と、平面台座7とを備える。平面台座7の表面には、低粘性接着剤8が配設される。低粘性接着剤8は、基板1の反りの形状に沿う曲面形状に変形する。
図5(a)に示す例では、基板1は、平面台座7の上に第1面1aを表側にして載置される。本実施形態において、平面台座7及び低粘性接着剤8は、固定手段を構成する。
低粘性接着剤8は、熱可塑性樹脂接着剤(ホットメルト型接着剤)を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂接着剤は、接着時の温度において、粘度が0.1kg/(m・s)以下であることが好ましく、0.05kg/(m・s)以下であると更に好ましい。
(4−3−2)第6実施形態
図5(b)は、第6実施形態として示す研削・研磨加工装置の構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
図5(b)は、第6実施形態として示す研削・研磨加工装置の構成及び基板の固定方法を説明する模式図である。
研削・研磨加工装置2eでは、基板1は、まず、平面台座7の上に第2面1bを表側にして載置される。低粘性接着剤8は、基板1の反りの形状に沿う曲面形状に変形する。
低粘性接着剤8は、熱可塑性樹脂接着剤(ホットメルト型接着剤)を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂接着剤は、接着時の温度において、粘度が0.1kg/(m・s)以下であることが好ましく、0.05kg/(m・s)以下であると更に好ましい。
(5)基板の反り量の評価
直径50.8mmの炭化ケイ素単結晶基板について、基板の反り形状を維持したまま研削・研磨加工を行った場合(本願発明の第1実施形態〜第6実施形態に基づく実施例1〜6)と、接着圧力を加えて基板の反り形状を維持せずに平面台座に載置・固定してから研削・研磨加工を行った場合(従来例)について、最終的な基板の反り量を評価した結果を以下の表1に示す。
直径50.8mmの炭化ケイ素単結晶基板について、基板の反り形状を維持したまま研削・研磨加工を行った場合(本願発明の第1実施形態〜第6実施形態に基づく実施例1〜6)と、接着圧力を加えて基板の反り形状を維持せずに平面台座に載置・固定してから研削・研磨加工を行った場合(従来例)について、最終的な基板の反り量を評価した結果を以下の表1に示す。
なお、ここで、基板の反り値(μm)とは、ASTM規格F1451−92に準拠する。基板の厚み(μm)とは、基板の中心点C1における基板1の厚みである。
表1から明らかなように、従来方式と比較して、基板の反り形状を維持したまま研削・研磨加工を行った場合の方が、研削・研磨加工後の基板の反り量が小さい。
(6)作用・効果
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、炭化ケイ素単結晶のインゴット100からスライスされた基板1は、反りを維持した状態で、第1面1aに研削・研磨加工が施された後、第2面1bに研削・研磨加工が施される。
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、炭化ケイ素単結晶のインゴット100からスライスされた基板1は、反りを維持した状態で、第1面1aに研削・研磨加工が施された後、第2面1bに研削・研磨加工が施される。
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法によれば、基板1の反りを維持した状態で固定し、研磨加工を行うので、加工圧力を抑えた研磨加工を行う必要がない。つまり、加圧加工を行うことができる。
従って、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法における基板の研磨加工の効率が向上する。すなわち、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法によれば、より効率的に炭化ケイ素単結晶基板の反り量を低減できる。
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、曲面台座31,32の曲面部31a,32aの形状は、基板1の反りの形状に沿う。また、曲面台座31,32の曲面部31a,32aは、二次曲面の形状を有する。
従って、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法によれば、反り維持した状態で基板1を研削・研磨加工装置2a,2bに配置することができ、研削・研磨加工時に加圧しても、基板1の変形・破損等を防ぐことができる。
また、上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、曲面台座31,32の曲面部31a,32aに基板1を接着剤4を用いて接着する。
従って、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法によれば、基板1の反りを維持した状態で台座に確実に固定することができる。
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、基板1の反りの程度を示す反り値を100とした場合、曲面台座31,32の曲面部31a,32aの反り値は、88乃至112とする。また、上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、基板1の中心C1は、曲面台座31,32の曲面部31a,32aの中心C2,C2’から2.5ミリメートル以内の範囲に位置するように固定する。
これにより、スライス後の基板1の反り量に微差があったとしても、微差の影響を受けることなく、反りを維持した状態で基板1を台座に確実に固定することができる。
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、曲面部51a,52aを有する曲面真空チャック51,52により基板1を固定する。曲面部51a,52aは、基板1の反りの形状に沿う。また、曲面真空チャック51,52の曲面部51a,52aは、二次曲面の形状を有する。
従って、炭化ケイ素単結晶基板の製造方法によれば、反り維持した状態で基板1を研削・研磨加工装置2c,2dに配置することができ、研削・研磨加工時に加圧しても、基板1の変形・破損等を防ぐことができる。
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、基板1の反りの程度を示す反り値を100とした場合、曲面真空チャック51,52の曲面部51a,52aの反り値は、88乃至112とする。また、上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、基板1の中心C1は、曲面真空チャック51,52の曲面部51a,52aの中心C3,C3’から2.5ミリメートル以内の範囲に位置するように固定する。
これにより、スライス後の基板1の反り量に微差があったとしても、微差の影響を受けることなく、反りを維持した状態で基板1を台座に確実に固定することができる。
上述した炭化ケイ素単結晶基板の製造方法では、平面台座7に低粘性接着剤8を用いて基板1を固定する。低粘性接着剤8は、基板1の反りに沿う形状に変形するため、基板1の反りを維持した状態で基板1を平面台座7に固定することができる。
(7)その他の実施形態
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
上述した実施形態では、炭化ケイ素単結晶のバルク体からスライスした基板の反りを低減する製造方法について説明した。しかし、この製造方法は、異方性材料の微小な結晶歪みがもたらす応力に起因した反りが生じる基板に適用可能である。例えば、ガリウム砒素基板、窒化ガリウム基板等、の異方性材料から基板を製造する製造方法に適用可能である。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…基板、1a…第1面、1b…第2面、2,2a,2b,2c,2d,2e…研削・研磨加工装置、31,32…曲面台座、31a,32a…曲面部、4…接着剤、51,52…曲面真空チャック、51a,52a…曲面、4…接着剤、7…平面台座、8…低粘性接着剤、C1…基板の中心、C2,C2’…曲面台座の中心、C3,C3’…曲面真空チャックの中心
Claims (13)
- 炭化ケイ素単結晶のバルク体を所定の厚さにスライスすることにより、反りが生じた板状成形体を作成する工程と、
前記板状成形体の反りを維持した状態において、前記板状成形体の第1面を表側にして前記板状成形体を固定する工程と、
前記板状成形体の第1面に研削・研磨加工を施す工程と、
前記板状成形体の第2面が表側になるように前記板状成形体を裏返して固定する工程と、
前記板状成形体の第2面に研削・研磨加工を施す工程と
を有することを特徴とする炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。 - 曲面形状を有する台座の曲面部分に前記板状成形体を接着剤を用いて接着することにより、前記板状成形体の反りを維持した状態で前記板状成形体を固定することを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記台座の曲面部分の形状は、前記板状成形体の反りの形状に沿うことを特徴とする請求項2に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記板状成形体の反りの程度を示す反り値を100とした場合、前記台座の曲面部分の反り値は、88乃至112であることを特徴とする請求項3に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記板状成形体の中心は、前記台座の曲面部分の中心から2.5ミリメートル以内の範囲に位置するように固定されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記台座の曲面部分は、二次曲面の形状を有することを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 曲面形状を有する真空チャック装置の曲面部分に前記板状成形体を吸着させることにより、前記板状成形体の反りを維持した状態で前記板状成形体を固定することを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記真空チャック装置の曲面部分の形状は、前記板状成形体の反りの形状に沿うことを特徴とする請求項7に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記板状成形体の反りの程度を示す反り値を100とした場合、前記真空チャック装置の曲面部分の反り値は、88乃至112であることを特徴とする請求項8に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記板状成形体の中心は、前記真空チャック装置の曲面部分の中心から2.5ミリメートル以内の範囲に位置するように固定されることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 前記真空チャック装置の曲面部分は、二次曲面の形状を有することを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 平面形状の台座上に前記板状成形体を低粘性接着剤を用いて接着することにより、前記板状成形体の反りを維持した状態で前記板状成形体を固定することを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶基板の製造方法。
- 炭化ケイ素単結晶のバルク体を所定の厚さにスライスすることにより反りが生じた板状成形体を、前記反りを維持した状態で固定する固定手段と、
前記固定手段により固定された前記板状成形体の表面に研削・研磨加工を施す研削・研磨加工手段と
を備えることを特徴とする炭化ケイ素単結晶基板製造装置。
Priority Applications (1)
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JP2008109511A JP2009028889A (ja) | 2007-06-26 | 2008-04-18 | 炭化ケイ素単結晶基板の製造方法及び炭化ケイ素単結晶基板製造装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5897686B1 (ja) * | 2014-10-24 | 2016-03-30 | Towa株式会社 | ワーク吸着板、ワーク切断装置、ワーク切断方法、およびワーク吸着板の製造方法 |
JP2021062459A (ja) * | 2019-10-16 | 2021-04-22 | 株式会社ディスコ | 研削方法 |
-
2008
- 2008-04-18 JP JP2008109511A patent/JP2009028889A/ja active Pending
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JP7353714B2 (ja) | 2019-10-16 | 2023-10-02 | 株式会社ディスコ | 研削方法 |
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