図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。特別図柄表示装置61の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。なお、確変は、特別遊技中に実行される抽選やゲームなどで所定の条件を満たしたときに実行されるようにしてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、予告演出記憶手段131、予告決定手段132、演出決定手段134、演出表示制御手段136、役物制御手段138を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段134へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。前述したように、特別図柄の変動と装飾図柄の変動は連動する。つまり、特別図柄の変動パターンとして長い変動パターンが選択された場合、実質的に同じ長さの変動時間で変動する装飾図柄の変動パターンが選択される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段136へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段136による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。たとえば、ノーマルリーチと呼ばれるリーチパターンはリーチパターンの中でも比較的変動時間が短い。また、ロングリーチやスーパーリーチと呼ばれるリーチパターンはストーリー展開を伴う演出が行われることが多く比較的変動時間が長い。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段134は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
予告演出記憶手段131は、変動パターンの図柄変動中に当否抽選の結果が当たりである可能性を予告的に示唆する予告演出を定めた予告演出パターンを複数保持する。予告演出の表示は、図柄変動中であればいつでもよい。たとえば複数の図柄が順次停止していく図柄変動の場合、1個目の図柄が停止する前に予告演出を表示させれば遊技者の期待感を図柄変動の初期の段階から高めることができる。また、2個目の図柄が停止した結果リーチ状態になったときに表示させてもよい。また、図柄変動中継続的に表示させてもよい。予告演出は、図柄変動中にたとえば特別なキャラクタを登場させたり期待感を高めるメッセージを表示する演出である。また、この予告演出は当否抽選手段112の当否抽選の結果に拘わらず表示することができる。予告演出パターンには、当たりである可能性を相対的に強く示唆する強予告演出を表示させる強予告演出パターンと、当たりである可能性を強予告演出より相対的に弱く示唆する弱予告演出を表示させる弱予告演出パターンとがある。図4は、予告演出を選択するときに参照する予告選択テーブル200の一例である。予告選択テーブル200には、弱予告演出パターンから強予告演出パターンまで様々な予告演出パターンが含まれている。図4の場合、予告演出パターンとして当たりである可能性を示唆するレベルが、たとえば「予告レベル0」〜「予告レベル10」で示されている。図4の場合、「予告レベル7」以上が強予告演出で、「予告レベル6」以下が弱予告演出となっている例が示されている。そして、強予告演出パターンは、当否抽選の結果が当たりであるときに選択される確率が高く設定されている。また、弱予告演出パターンは当たりであるときに選択される確率が強予告演出パターンより低く設定されている。したがって、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりの場合、強予告演出パターンが選択され易くなっている。予告演出記憶手段131は、予告選択テーブル200を複数種類保持することが可能で、たとえば、1回の図柄変動中に複数回の予告演出を表示する場合には、異なる内容の予告選択テーブル200から予告演出パターンをそれぞれ選択することもできる。また、同じ予告選択テーブル200を用いて複数の予告演出パターンを選択してもよい。なお、このとき各予告選択テーブル200から選択される予告変動パターンは同じ種類のものでもよいし、異なる種類のものでもよい。
また、本実施例において、弱予告演出は強予告演出より当たりである可能性を相対的に弱く示唆する演出であり、強予告演出と弱予告演出との境界は適宜設定することができる。たとえば、強予告演出を「予告レベル10」のみとし、「予告レベル9」以下を全て弱予告演出としてもよい。逆に強予告演出を「予告レベル4」以上とし、「予告レベル3」以下を弱予告演出としてもよい。予告演出記憶手段131で設定する強予告演出と弱予告演出との境界は、遊技者が感じる強予告演出と弱予告演出との境界と必ずしも一致する必要はない。つまり、後述する予告変更手段で仮選択された強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更した場合、遊技者の意識の中で変更後の予告演出が強予告演出に含まれるものであってもよく、いつもの強予告演出より弱い予告演出で当たりが出たというイメージを生じさせられればよい。なお、強予告演出パターンは、当否抽選の結果が当たり確定であることを示唆する予告演出パターンを含んでもよい。また、弱予告演出パターンは、予告演出を実質的に表示しない予告演出キャンセルパターンを含んでもよい。特に、予告演出キャンセルパターンが選択された場合、仮選択をするまでは予告演出を表示しようとしているが、予告演出キャンセルパターンが選択されると実質的に予告演出が表示されなくなる。複数回の予告演出を表示するために選択した予告演出パターンの中に予告演出キャンセルパターンが含まれた場合、当初予定していた予告演出の回数が減ることになる。すなわち予告演出が間引かれることになる。また、全ての強予告演出を弱予告演出に変更するときに、全て予告演出キャンセルパターンを選択することにより全ての予告演出がキャンセルされたように見せることもできる。
また、図4では、予告演出を「予告レベル0」から「予告レベル10」までの11段階のレベルで示しているが、レベル分けの数は適宜設定することができる。たとえば、2段階のレベル分けでもよいし、20段階のレベル分けでもよい。また、レベル分けとしては3段階であるが、その中に同一レベルを複数存在させてもよい。
図5(a)、図5(b)は、演出表示装置60に表示される強予告演出の一例である。図5(a)は、いわゆる「群予告」と呼ばれる予告演出であり、本実施例において当たりである可能性を最も強く示唆する強予告演出の1つとすることができる。図5(a)は、装飾図柄190の変動初期の段階で遊技機のキャラクタの1つである「ダイヤの指輪」が大量に画面を通過するような予告演出である。また、図5(b)は、「群予告」よりは強い予告演出ではないが、予告演出の中では相対的に強い予告演出と見なせる予告演出である。図5(b)は、遊技機の主要キャラクタが登場して会話をする予告演出である。同様な予告としてムービーを用いた「カットイン」と呼ばれる予告演出も強予告演出とすることができる。この場合、装飾図柄190は、キャラクタやムービーの表示の妨げにならないように演出表示装置60の画面隅に縮小表示されてもよい。
図5(c)、図5(d)は、演出表示装置60に表示される弱予告演出の一例である。図5(c)は、遊技機の主要キャラクタではないが通常登場しないキャラクタ(たとえば、タヌキ)を用いた予告演出である。また、図5(d)は、遊技機の主要キャラクタではあるが、のんびりした行動(あくび)をした緊張感のない予告演出である。図5(c)、図5(d)に示すような弱予告演出は、通常表示されないものの遊技者にあまり大きな期待感を与えないような演出内容であり弱予告演出であることを認識させやすい内容とすることが望ましい。逆に図5(a)、図5(b)は、遊技者に強い印象を与えるような演出内容であり強予告演出であることを認識させやすい内容とすることが望ましい。
予告決定手段132は、図柄変動中に予告演出を表示させるか否かを決定するとともに、予告演出を表示させる場合に少なくとも1つの予告演出パターンを選択する。予告決定手段132は、仮選択手段202、予告変更手段204、履歴記憶手段206、変更抽選手段208を含む。仮選択手段202は、図柄変動中に予告演出を表示させるときに必要となる予告演出パターンの決定に先立ち、予告選択テーブル200を参照して当否抽選手段112の当否抽選の結果に応じて仮の予告演出パターンを選択する。仮選択手段202が仮選択を行う場合、当否抽選の結果が当たりのときは強予告演出パターンが選択され易い。また、当否抽選の結果が外れのときは弱予告演出パターンが選択され易い。
予告変更手段204は、仮の予告演出パターンとして強予告演出パターンが選択された場合に強予告演出パターンをそのまま用いて予告演出を表示させるか弱予告演出パターンに変更して予告演出を表示させるかを所定の基準に基づき決定する。予告変更手段204は、当否抽選が当たりであるときに図柄変動中に表示される予告演出が毎回同じ(同じ分類)の強予告演出になってしまうことを抑制する。仮選択された強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更するときの基準として、たとえば、履歴記憶手段206に記憶された予告履歴を参照したり、変更抽選手段208で実施される抽選の結果を参照できる。
履歴記憶手段206は、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりのときに表示された過去所定回、たとえば3回の予告演出の内容を示す情報を保持する。前述したように、当否抽選が当たりの場合、予告決定手段132は強予告演出パターンを選択する可能性が高い。つまり、予告演出パターンの選択に何ら処理を加えない場合、強予告演出パターンが選択され続ける可能性がある。そこで、履歴記憶手段206に保持された予告履歴が所定回数たとえば3回同じ分類に属す予告演出であった場合、仮選択した強予告演出パターンを当該仮選択した強予告演出パターンより当たりであることを弱く示唆する弱予告演出パターンに変更する。そして、変更した弱予告演出パターンを実際に予告演出に使用する予告演出パターンとして確定する。なお、予告履歴に含まれる予告演出の内容と仮選択された強予告演出パターンの示す予告演出内容が同じ分類に属するときに、仮選択した強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更する。予告演出内容が同じ分類に属するとは、予告演出内容同士が完全に同じ場合を含んでもよい。また、たとえば演出内容が同じで背景が異なる演出や演出内容や背景が同じで画像と共に出力される音楽が異なるもの、演出内容が異なる場合でも登場キャラクタの服装が同じものなどを含むことができる。このように、類似点がある予告演出を同じ分類であるとして仮選択した強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更することにより、予告演出と当たりとの関係に意外性を持たせることが可能になり、当否抽選の結果が容易に見破られないような予告演出を表示することができる。なお、分類の基準は適宜設定することができる。また、履歴記憶手段206が記憶する履歴回数は、3回以外でも適宜設定可能であり、設定数により弱予告演出での当たり出現の頻度を変化させることが可能で、予告演出と当たりとの関係に意外性を調整することができる。
図6(a)〜図6(d)は、仮選択された強予告演出パターンが弱予告演出パターンに変更されることを説明する説明図である。図6(a)〜図6(d)の場合、1回の図柄変動の間に4回の予告演出を表示させるために4個の予告演出パターンを用いる例を示している。図6(a)は、仮選択手段202によって、強予告演出パターン210a(予告レベル8)、強予告演出パターン210b(予告レベル8)、強予告演出パターン210c(予告レベル9)、強予告演出パターン210d(予告レベル10)が仮選択された例である。図6(a)の場合、複数の予告演出パターンを選択するために異なる予告選択テーブル200を用いている。そして、前述したように当否抽選が当たりの場合、強予告演出パターンばかりが選択されている例を示している。当否抽選が当たりの場合、毎回このような強予告演出パターンばかりの仮抽選が行われる可能性が高い。そこで、履歴記憶手段206を参照し、過去3回同じ分類に属する予告演出パターンで予告演出が表示された場合、仮選択された強予告演出パターンのうち少なくとも1個の強予告演出パターンを弱予告演出歩ターンに変更する。図6(b)は、図6(a)で最も強い強予告演出パターン210dを弱予告演出パターン210e(予告レベル5)に変更している。また、図6(c)は、仮選択された強予告演出パターンのうち2個の強予告演出パターン210c、210dを弱予告演出パターン210e(予告レベル5)、210f(予告レベル4)に変更している。また、図6(d)は、仮選択された強予告演出パターンのうち1個の強予告演出パターン210cを弱予告演出歩ターン210g(予告レベル0)に変更している。ここで、予告レベル0の弱予告演出パターンとは、予告演出キャンセルパターンであり、強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更することにより、実質的に仮選択された予告演出パターンを破棄して予告演出を中止している。すなわち、強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更することにより、複数回表示する予定だった予告演出から間引きを行い予告演出の表示回数を減らしている。表示される予告演出の回数が減ることにより当たりである可能性の示唆を弱くすることができる。たとえば、強予告演出パターン210cがムービーを用いたカットイン系の予告演出であった場合、この予告演出を表示させないようにする。その結果、従来カットイン系の予告演出が表示されなければ当たりにならないというイメージを持っている遊技者に、カットイン系の予告演出がなくても当たりになるというイメージを持たせることができる。
このように、予告履歴に基づき仮選択された強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更することにより、当否抽選が当たりの場合の予告演出が毎回同じ分類の強予告演出になってしまうことが抑制できる。その結果、当たりの場合は強予告演出が表示されるというイメージを持っている遊技者に、弱予告演出が表示されても当たりが発生するというイメージを植え付けることができる。つまり、予告演出と当たりとの関係に意外性を持たせることが可能になり、当否抽選の結果が容易に見破られないような予告演出を表示することができる。なお、仮選択された強予告演出パターンが弱予告演出パターンに変更されるのは、予告履歴で同じ分類に属する予告演出が連続していた場合のみであり常時実施されるわけではない。その結果、当たりの場合は強予告演出が表示されるという基本的な予告演出の出現法則を維持させつつ、希に弱予告演出が表示されたときにも当たりになるという予告演出のランダム性を形成して遊技性向上に寄与できる。
変更抽選手段208は、たとえば1/5の確率で当たりとなる抽選を実施し、当たりになった場合に仮選択された強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更する。予告履歴を参照する場合、たとえば3回に1回は弱予告演出を含む予告演出で当たりになるというイメージを遊技者に与えやすい。しかし、変更抽選手段208を用いた抽選により変更するか否かを決定することにより当たりのときに弱予告演出が表示されるか否かのランダム性が向上する。その結果、予告演出と当たりとの関係にさらに高い意外性を持たせることが可能になり、当否抽選の結果が容易に見破られないような予告演出を表示することができる。
なお、予告変更手段204が強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更するときの基準として、履歴記憶手段206の予告履歴または変更抽選手段208で実施される抽選の結果のいずれか一方を参照してもよいし両方参照してもよい。両方参照する場合は、まず、当否抽選手段112の当否抽選の結果が当たりのときに、履歴記憶手段206を参照し、その結果、仮選択した予告演出と過去3回に同じ分類の予告演出が表示されていた場合、更に変更抽選手段208の抽選結果を参照する。過去3回に同じ分類の予告演出が行われていなかったり、変更抽選に外れた場合には、強予告演出パターンの変更は行わない。過去3回に同じ分類の予告演出が行われ、かつ変更抽選に当たった場合、仮選択した強予告演出パターンの変更を行う。また、履歴記憶手段206の履歴情報を変更抽選手段208の当否確率を変化させるための情報として使用してもよい。たとえば、過去に同じ分類の予告演出が連続して3回表示されている場合、強予告演出に変更することを決定する変更抽選手段208の当選確率を1/5とする。また、過去に同じ分類の予告演出が10回表示されている場合には変更抽選手段208の当選確率を1/2に変更させてもよい。このように、変更の基準を複数設けることにより、仮選択した強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更する場合の法則性が形成され難くなる。その結果、予告演出と当たりとの関係に意外性をさらに持たせることが可能になり、当否抽選の結果が容易に見破られないような予告演出を表示することができる。
演出決定手段134は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段134は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段134は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段136へ送る。また、予告決定手段132は予告演出パターンを選択している場合、選択した予告演出の情報を演出表示制御手段136へ送る。
演出表示制御手段136は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段136は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段138は、演出表示制御手段136から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定を実行する(S34)。当否判定処理の結果は、予告決定手段132に送信されて予告演出決定処理が実行される(S36)。また、当否判定処理の結果は、メイン表示制御手段118にも送信される。メイン表示制御手段118は当否抽選手段112の判定結果に応じて特別図柄の変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段136へ送信する。これを受信した演出表示制御手段136は、演出決定手段134が当否判定処理中に決定した変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S40)。このとき予告決定手段132において予告演出パターンが選択され確定している場合には(S38のY)、演出表示制御手段136は変動パターンデータによって指定されたタイミングで予告演出の表示を行う。また、S38において、予告演出パターンが確定していない場合(S38のN)、S40の処理をスキップする。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS40までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34からS40の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S42のY)、図柄変動表示処理を実行し(S44)、図柄変動表示が開始されていないときは(S42のN)、S44をスキップする。
図9は、図8におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S46)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S48)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S50)、特別図柄の変動パターンを選択する(S52)。演出決定手段134は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S54)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S56)。
図10は、図8におけるS36の予告演出決定処理を詳細に示すフローチャートである。予告決定手段132は、演出決定手段134の決定した装飾図柄の変動パターンに応じて図柄変動中に予告演出を表示するか否か決定する(S58)。図柄変動中に予告演出を表示するか否か、また予告演出を何回表示するかはたとえば装飾図柄の変動パターンに付された情報を参照することにより決めることができる。予告演出を行う場合で(S58のY)、装飾図柄の変動パターンから予告演出の回数を読み出していない場合(S60のN)、装飾図柄の変動パターンから予告演出の回数を読み出す(S62)。S60において、既に予告演出の回数を装飾図柄の変動パターンから読み出している場合(S60のY)、S62の処理をスキップする。続いて、予告決定手段132の仮選択手段202は、予告演出パターンを決めるための前処理である仮選択処理を実行する(S64)。仮選択が確定している場合(S66のY)、予告変更手段204は仮選択した予告演出パターンの中に強予告演出パターンが含まれているか確認する(S68)。仮選択した予告演出パターンの中に強予告演出パターンが含まれている場合(S68のY)、当否抽選手段112の当否抽選が当たりか否か確認する(S70)。当否抽選の結果が当たりの場合(S70のY)、予告変更手段204は、履歴記憶手段206から予告履歴の情報を読み出す(S72)。そして、予告変更手段204は予告履歴の示す過去の予告演出と今回仮選択した予告演出パターンの予告演出が同じ分類に属するか確認する(S74)。同じ分類に属し(S74のY)、変更抽選手段208の実行した変更抽選の結果が当たりの場合(S76のY)、予告変更手段204は弱予告演出変更処理を実行し(S78)、予告演出パターンを確定する(S80)。予告決定手段132は確定した予告演出パターンの情報を演出表示制御手段136に送信してこのフローを終了する。
S68において、仮選択した予告演出パターンの中に強予告演出パターンが含まれない場合(S68のN)、S70からS78の処理をスキップする。そして、予告変更手段204は仮選択手段202で仮選択された予告演出パターンを実際の表示に用いる予告演出パターンとして確定する。同様に、S70で当否抽選手段112の当否抽選の結果が外れの場合(S70のN)、S72からS78の処理をスキップし、予告変更手段204は仮選択された予告演出パターンを実際の表示に用いる予告演出パターンとして確定する。S74で予告履歴の示す過去の予告演出と今回仮選択した予告演出パターンの予告演出が同じ分類に属さない場合(S74のN)、S76とS78の処理をスキップする。そして、予告変更手段204は仮選択された予告演出パターンを実際の表示に用いる予告演出パターンとして確定する。S76において、変更抽選が外れの場合(S76のN)、S78の処理をスキップして、予告変更手段204は仮選択された予告演出パターンを実際の表示に用いる予告演出パターンとして確定する。
S66において、仮選択が確定していない場合(S66のN)、S68からS80の処理をスキップして、このフローを終了する。また、S58において、今回の図柄変動で予告演出を行わない場合(S58のN)、予告決定手段132は予告演出なしの確定を行い(S82)、その情報を演出表示制御手段136に送信してこのフローを終了する。
図11は、図10におけるS64の仮選択処理を詳細に示すフローチャートである。仮選択手段202は、予告演出を表示することが決定された場合、予告演出パターンを仮選択するために複数の予告選択テーブル200の中から1つ予告選択テーブル200を選択する(S84)。仮選択手段202は当否抽選の結果を読み出し(S86)、当否結果に応じて予告選出パターンを仮選択する(S88)。この場合、当否結果が当たりの場合、強予告演出パターンが仮選択され易く、外れの場合弱予告演出パターンが仮選択され易い。仮選択手段202は、予告演出に必要な全ての予告演出パターンの仮選択が完了した場合(S90のY)、予告演出パターンの仮選択を確定し(S92)、このフローを終了する。S90において必要な数の仮選択が完了していない場合(S90のN)、S92の処理をスキップしてこのフローを終了する。
図12は、図10におけるS78の弱予告演出変更処理を詳細に示すフローチャートである。予告変更手段204は、弱予告演出パターンへの変更が決まった場合であって、仮選択した予告演出パターンの中に複数の強予告演出パターンがあるとき、複数の強予告演出パターンを変更するか否か判定する(S94)。この判定は、たとえば変更抽選手段208の変更抽選で決めることができる。予告変更手段204は、複数の強予告演出パターンの中から幾つかを選んで弱予告演出パターンに変更する場合(S94のY)、変更の対象となる強予告演出パターンを選択する(S96)。この選択は、たとえば、最も強い強予告演出パターンから順に選択してもよいし抽選によって決めてもよい。このときの抽選は、仮選択された全ての強予告演出パターンが同じ抽選確率で選択されてもよし、強予告演出パターン毎に異なる抽選確率で選択されてもよい。つまり、変更され易い強予告演出パターンや変更され難い強予告演出パターンを存在させることができる。また、自動的に強予告演出パターンを全て変更対象としてもよい。また、S94において、強予告演出パターンが1つの場合(S94のN)、S96の処理をスキップする。そして、予告変更手段204は予告選択テーブル200を再度参照して弱予告演出パターンの選択を実行し(S98)、仮選択した強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更する(S100)。この場合、予告変更手段204は、予告選択テーブル200の中の弱予告演出パターンのみを選択の対象とする。また、強予告演出パターンを含まない専用の予告選択テーブル200(図4において、予告レベル6以下のみで構成される予告選択テーブル200)を用いてもよい。また、変更対象の強予告演出パターンと選択される弱予告演出パターンを対応付けた対応テーブルを準備しておいてもよい。たとえば、「予告レベル9」の強予告演出パターンは、「予告レベル2」の弱予告演出パターンに変更するように決められていてもよい。
図13は、図7におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S102のN)、演出表示制御手段136が特別遊技の演出処理を開始し(S104)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S106)。大入賞口66が開放済であればS104およびS106をスキップする(S102のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S108のY)、または、開放時間が経過していないものの(S108のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S110のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S112)。開放時間が経過しておらず(S108のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S110のN)、S112以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S112における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S114のY)、演出表示制御手段136は特別遊技の演出処理を終了させ(S116)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S118)。ラウンド数が15に達していなければ(S114のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S120)。
上述した実施例では、1回の図柄変動中に複数回の予告演出を表示する例を説明したが、1回の図柄変動中に1回の予告演出を表示する場合も同様な処理が可能であり、当否抽選が当たりの場合に強予告演出が連続することを抑制することができる。その結果、当否抽選の結果が容易に見破られないような予告演出を表示することができる。
また、図10に示した予告演出決定処理では、強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更するか否かの基準として、予告履歴の情報と変更抽選の両方を用いる場合を説明したが、いずれか一方でもよい。また、強予告演出パターンを弱予告演出パターンに変更するか否かの基準として、仮選択された強予告演出パターンの数に応じて、変更するか否かを決定してもよい。たとえば、3個以上の強予告演出パターンが仮選択された場合、弱予告演出パターンに変更することを決め、2個以下の場合は変更しないことに決めてもよい。このように、基準のパターンを複数準備することにより、予告演出と当たりとの関係に意外性を調整することができる。
また、上述した実施例では、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機を例に説明したが、図柄変動中に予告演出が行われる遊技機であれば本実施例を適用できる。たとえば、第1種ぱちんこ遊技機を複数融合させた複合機と呼ばれる遊技機や、第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機を複合させた遊技機にも本実施例は適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 118 メイン表示制御手段、 130 パターン記憶手段、 131 予告演出記憶手段、 132 予告決定手段、 134 演出決定手段、 136 演出表示制御手段、 200 予告選択テーブル、 202 仮選択手段、 204 予告変更手段、 206 履歴記憶手段、 208 変更抽選手段。